JP4091449B2 - 三重積分型ノイズシェーパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三重積分型ノイズシェーパに関し、特に長時間ゼロ入力が与えられた際に、ノイズシェーパをリセットするようにした三重積分型ノイズシェーパに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノイズシェーパを用いたAD/DA変換器がよく用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図5に上述したような従来例を示し、その説明を行う。
図5において、1,2,3は加算器で、加算器1は2入力の加算を行い、加算器2,3は正側の入力から負側の入力の減算を行う。ここで、加算器1に与えられる入力は16ビットのディジタル信号であるものとする。4は局部量子化器で、表1に示すとおりの入力データの量子化を行う。105,106は遅延回路であり、通常Dフリップフロップ等のレジスタが用いられる。7はシフタであり、入力信号の1ビット左シフト、即ち入力信号を2倍して出力する。
【0004】
【表1】
ここで局部量子化器4は、その入力X′に対して量子化雑音Vqを加算して出力するものであるから、局部量子化器4の出力Yは、
Y=X′+Vq ……(1)
となる。加算器3で、(X′−Y)の演算を行い、局部量子化器4によって発生する量子化誤差を求める。(1)式より加算器3の出力は−Vqとなり、遅延回路105,106により順次遅延されていく。遅延回路105の出力は−Vq・z-1、遅延回路106の出力は−Vq・z-2であるから、加算器2、およびシフタ7によって遅延回路105,106の出力が荷重加算され、加算器2の出力は(Vq・z-2−2・Vq・z-1)となり、加算器1により入力Xと加算される。故に、入力Xと、出力Yとの関係は、
Y=X+(1−z-1)2・Vq ……(2)
となる。つまり、二重積分型ノイズシェーパを用いれば、12db/octの特性で、低域ほど量子化雑音が低減されるという効果が得られる。
【0005】
【非特許文献1】
「アイイーイーイー トランザクションズ オン コミュニケーションズ(IEEE Transactions on Communications)」第33巻,第3号,1985年3月,p.249−258
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成では、長時間にわたるゼロデータ(以下、インフィニティゼロと称す)が入力に与えられた場合においても、必ず上記遅延回路105,106にゼロ以外のデータが残っているため、遅延回路105,106の値は刻々変化し、通常発振現象をおこし、回路が動作することに伴うアナログ的なノイズが発生する。逆に、初期状態(遅延回路をリセットし、解除した状態)では、ゼロ以外の入力が与えられるまで動作は停止しているため、上記のようなノイズは発生せず、回路が動作する前と後とでSN比が異なり、しかも動作後の方がSN比が悪くなる。また、インフィニティゼロ入力時に強制的に遅延回路をリセットすると、通常ショックノイズが発生するという問題点があった。
【0007】
そのため、インフィニティゼロ入力時にはショックノイズ等を発生することなく、動作が静かに停止し、アナログ的なノイズが発生しない二重積分型ノイズシェーバを実現する技術として、下記のような回路が用いられている。
【0008】
入力信号が一定期間ゼロであることを検出するゼロ検出器と、前記入力信号または所定値を出力するデータ変更手段と、入力データの量子化を行い、初段、次段より成る遅延回路により前記量子化による量子化誤差の2段遅延を行って前記遅延回路の初段、次段の出力の荷重加算を行い、前記荷重加算結果と前記データ変更手段の出力との和を前記入力データとする二重積分型量子化器と、前記遅延回路の初段、次段の出力の比較を行う比較手段と、前記ゼロ検出器の出力と、前記比較手段の出力とに基づき、前記遅延回路のリセットを行う初期化手段とを備え、前記データ変更手段が、前記ゼロ検出器の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記入力信号または所定値を出力するようにしたものである。
【0009】
この構成により、インフィニティゼロ入力を検出し、インフィニティゼロ入力時には二重積分型ノイズシェーパに特定のデータを入力し、初段と次段の遅延回路の値が一致したときに各々の遅延回路をリセットするようにしたため、リセット時にノイズが発生せず、静かに二重積分型ノイズシェーパの動作を停止させることができるものである。
【0010】
以下、図面に基づき、二重積分型ノイズシェーパについて説明を行う。
図6は、従来例による二重積分型ノイズシェーパのブロック図である。なお、図6において、先に述べた図5と同一機能を有するものについては同一の符号を付し、細かな説明は省略する。
【0011】
205,206は遅延回路で、端子Rに“1”のパルスが加わるとデータがリセットされるものである。8は一致検出器であり、遅延回路205,206の出力の比較を行う比較手段である。ここでは端子A, Bに与えられているデータが一致すると、端子Yより“1”を出力するものである。9はゼロ検出器で、一定期間ゼロが入力される(即ちインフィニティゼロが入力される)と“1”を出力し、ゼロ以外のデータが入力されると直ちに出力は“0”になる。10はデータセット回路で、端子Cに与えられる制御信号が“0”の時は、端子Xに与えられるデータを端子Yから出力し、端子Cに与えられる制御信号が“1”の時は、所定値(−1)を端子Yから出力する。すなわち、データセット回路10は端子Cの制御信号に応じて入力信号または所定値(−1)を出力するデータ変更手段である。11,12はANDゲートであり、13はインバータである。加算器1,2,3、局部量子化器4、遅延回路205,206、及びシフタ7によって二重積分型量子化器が構成されている。
【0012】
次に図6の二重積分型ノイズシェーパの動作について説明する。入力がインフィニティゼロでない時は、ゼロ検出器9が“0”を出力するので、ANDゲート11,12の出力は“0”であり、従来例にて述べた二重積分型ノイズシェーパと同様に動作する。ここで、入力がインフィニティゼロに変化した場合について考えると、一定期間入力がゼロになるとゼロ検出器9が“1”を出力する。この時、遅延回路205の値と、遅延回路206の値は通常異なっているので、一致検出器8は“0”を出力する。故にANDゲート11は“1”を、ANDゲート12は“0”を出力する。ANDゲート11の出力によりデータセット回路10は−1を出力し、加算器1に入力する。ここで、遅延回路205のデータをXnとすると、遅延回路206のデータはXn-1となる。Xnの値がどの様に変化するかを考えると、いま入力が−1であるから、加算器1の出力Sは、
S=−1+2・Xn−Xn-1 ……(3)
となる。局部量子化器4の出力をQnとすると、加算器3の出力、即ちXn+1は、
Xn+1=S−Qn
=2・Xn−Xn-1−1−Qn ……(4)
となる。(4)式を書き換えると、(5)式のとおりになる。
Xn+1−Xn=Xn−Xn-1−1−Qn ……(5)
ここで、
Yn=Xn−Xn-1 ……(6)
と置くと、(5)式は(7)式のとおりになる。
Yn+1=Yn−1−Qn ……(7)
入力に直流値の1を与えられた場合の二重積分型ノイズシェーパの出力値は、必ずその平均値が1となるように変化するので、Qn=+32,768となる回数と、Qn=−32,768となる回数はほぼ等しいと考えられる。 Ynは遅延回路205の値と、遅延回路206の値との差を意味するので、(7)式は、その差は1ずつ小さくなっていくことを示している。即ち、Ynが正であれば、必ずYn=0となり、遅延回路205の値と遅延回路206の値とが等しくなることを示している。また、Ynが負の時は差が徐々に増大するが、差が一定以上大きくなると、局部量子化器4と、加算器3とにより遅延回路205,206の大小関係が逆転し、Ynは正の値となる。
【0013】
この時、一致検出器8は“1”を出力するので、データセット回路10の端子Cは“0”になり、データセット回路10の出力は入力される値、即ちゼロになる。
【0014】
これらの動作は換言すれば、インフィニティゼロが二重積分型ノイズシェーパに入力された時に、微少なDC成分を変化させた場合と等価になる。通常、微少なDC成分が変化しても、この変化によって生じる音は可聴帯域において充分に低いレベルであるので、このことによるノイズの発生は無視できる程度に小さく、リセットに伴うショックノイズは発生しない。また加算器1の出力Sは、Xn=Xn-1であるから、S=Xnとなる。この時、加算器3の出力Xn+1は、
Xn+1=Xn−Qn ……(8)
となる。
【0015】
仮にこの時、−16,385<Xn<+16,384であったとすると、Qn=0となり、Xnは一定の値を保持することになるとともに、Q≡0となる。つまり、二重積分型ノイズシェーパは、与えられていた微少なDC成分が無くなった時点で、0を出力し続けることになる。一方、遅延回路205の値と遅延回路206の値とが等しくなったときに、ANDゲート12の出力が“1”になって遅延回路205,206がリセットされ、0になる。この時、局部量子化器4の出力は元々0であるので、リセットに伴うショックノイズ等は発生しないことは明らかである。
【0016】
逆に、Xn>+16,384で、且つXn≒Xn-1、の時を想定すると、(3)式より、Xn=Sであるが、通常、S>+16,384となり、局部量子化器4の出力は、Qn=32,768となって、Xn+1<0となり、更に、Xn+1>−16,384となる。つまり、Xn>+16,384で、且つXn≒Xn-1となる状態は、長くは続かないことを意味する。Xn<−16,384で、且つXn≒Xn-1の場合も同様である。つまり、Xn≒Xn-1となる場合は、必ずその値は、±16,384以内にある。
【0017】
以上より、一致検出器8により遅延回路205, 206がリセットされる時は、必ず局部量子化器4は0を出力していることになり、リセットに伴うショックノイズ等の不要な信号は発生しない。
【0018】
つまり、二重積分型ノイズシェーパのリセットは、ノイズシェーパ回路内の全ての系が一定の状態に固定された状態でノイズシェーパの入力を0にすることで、ショックノイズ等を発生させないことが可能になるといえる。
【0019】
次に、図7に三重積分型ノイズシェーパのブロック構成図を示す。ノイズシェーパの動作については、伝達関数が二重積分から三重積分になっただけであり、大きな違いは無い。
【0020】
以下では、リセット時の条件とその動作について説明する。
図7において、先に述べた図6,図5の要素と同一機能を有するものについては同一の符号を付し、細かな説明は省略する。
【0021】
14は遅延回路で、端子Rに“1”のパルスが加わるとデータがリセットされるものである。16,17は加算器である。15はシフタであり、入力信号の1ビット右シフト、即ち入力信号を1/2倍して出力する。109はゼロ検出回路で、遅延回路14の出力が0となったときに1を出力し、それ以外の場合は0を出力する。112はAND回路であり、入力よりインフィニティ0が入力され、ゼロデータ検出器9の出力が1となり、遅延回路5,6の出力が一致し、一致検出回路8が1を出力し、遅延回路14の出力が0となり、ゼロ検出回路109が1を出力した場合に,遅延回路5,6,14がリセットされる。またデータセット回路10は、同時に設定を一定値から0データに切り替える。
【0022】
三重積分型ノイズシェーパにおけるリセット条件は、二重積分型ノイズシェーパと同様に、全ての系が一定の状態に固定される場合であるので、遅延回路5,6の出力が一致、かつ遅延回路14の出力が0、となることがその条件となる。
【0023】
次に、三重積分型ノイズシェーパにおけるリセット時の回路の動作について説明する。
遅延回路5,6の値をA、遅延回路14の値は0の場合を考えると、シフタ7の出力は2Aとなる。また、加算器16の入力はAと−Aとなる。シフタ15の出力は0となり、加算器17の入力は0とAになり、加算器2の入力は2Aと−Aとなる。ここでデータセット回路10が、入力データを0に切り替える。すると、加算器3の入力はAと0となり、全ての系が一定の状態に固定され、リセットが可能な状態となる。
【0024】
入力データが16ビットであると仮定すると、二重積分型ノイズシェーパのリセット条件は二つの遅延回路の出力が同一となる場合なので、発生する確率は、216/(216*216)=1/216、である。一方、三重積分型ノイズシェーパのリセット条件は、二つの遅延回路の出力が同一となりかつ、1つの遅延回路の値が0となる場合なので、発生する確率は、216/(216*216)*1/216=1/232、となる。このように、三重積分型ノイズシェーパのリセット条件の発生率は二重積分型に比べて大変低く、リセットまでに非常に長い時間を要することとなる。
【0025】
また、シフタ15により、遅延回路14の出力は右シフトされ、1/2倍されるが、このときに最下位ビットのデータは切り捨てられるため、データにまるめ誤差が発生する。また、リセットにより、データ設定回路10は微小な一定のDC成分として‘−1’を出力している。しかし、上記シフタ15のまるめ誤差のため、ここで加算された−1が消えてしまい、入力が0の場合と同じ状態になってしまい、リセット条件を満たさなくなってしまう。
【0026】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、三重積分型ノイズシェーパにおいても二重積分型ノイズシェーパと同等の時間でノイズを発生させずに確実にリセットを完了させることのできる三重積分型ノイズシェーパを提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)にかかる三重積分型ノイズシェーパは、入力信号が一定期間ゼロであることを検出するゼロ検出器と、前記入力信号または所定値を出力するデータ変更手段と、入力データの量子化を行い、初段、次段、次次段の回路よりなる遅延回路により前記量子化による量子誤差の3段遅延を行って前記遅延回路の初段、次段、次次段の回路の出力の荷重加算を行い、前記荷重加算結果と前記データの変更手段の出力との和を前記入力データとする3重積分量子化器と、前記遅延回路の初段と、次次段の回路の出力の比較を行う比較手段と、前記ゼロ検出回路の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記遅延回路の次段の回路のリセットを行う初期化手段とを備え、前記データ変更手段は、前記ゼロ検出器の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記入力信号または所定値を出力する、ものとしたものである。
【0028】
また、本発明(請求項2)にかかる三重積分型ノイズシェーパは、請求項1記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、前記遅延回路の次段の回路をリセットするのと同時に、前記遅延回路の初段、および次次段の回路をリセットする、ものとしたものである。
【0029】
また、本発明(請求項3)にかかる三重積分型ノイズシェーパは、請求項2記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、前記比較手段は、前期遅延回路の初段の回路の値と次次段の回路の値との差が、特定の範囲内にあることを検出する回路と、前記特定の範囲を設定する手段とよりなる、ものとしたものである。
【0030】
また、本発明(請求項4)にかかる三重積分型ノイズシェーパは、請求項1記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、前記データ変更手段は、上記荷重加算結果の状態によって、前記所定値を切り替える、ものとしたものである。
【0031】
本発明においては、上記のように入力信号が一定期間ゼロであった場合に、三重型ノイズシェーパに特定のデータを入力し、遅延回路の初段と次次段の回路の値が一致した場合に遅延回路の次段の回路をリセットするようにしたため、二重積分型ノイズシェーパと同様の時間でリセットをかけることができるものである。
【0032】
また、前記遅延回路の次段の回路をリセットするのと同時に、前記遅延回路の初段、および次次段の回路をもリセットすることにより、リセットを確実にかけることができる。
【0033】
また、前記比較手段を、前記遅延回路の初段の回路の値と次次段の回路の値との差が、特定の範囲内にあることを検出する回路と、前記特定の範囲を設定する手段とよりなるものとすることにより、リセットをかけるに要する時間を、より短縮することができる効果が得られる。
【0034】
また、上記荷重加算結果である帰還信号の状態によって、前記データ変更手段が所定値を切り替えることにより、ノイズシェーパが確実にリセット条件に移行するようにできるものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下図面に基づき、請求項1、2に対応する本発明の実施の形態1について説明を行う。
図1は、本実施の形態1による三重積分型ノイズシェーパのブロック図である。なお、図6、図5、図7において、先に述べた要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付し細かな説明は省略する。
【0036】
インフィニティ0が入力され、遅延回路,のうちの、次次段6の出力と、初段5の出力とが、一致検出回路8で検出されるまでの動作は、従来例におけると同様である。
【0037】
遅延回路の次次段6の出力の値がAであり、遅延回路の初段5の値がAの場合、一致検出回路8の出力が1となり、ゼロデータ検出回路9の出力も1となっているため、AND回路12の出力が1となる。AND回路12の出力により、遅延回路の次段14がリセットされる。
【0038】
上述の動作により、従来の三重積分型ノイズシェーパのリセット条件の場合と同様に、全ての系が一定の状態に固定された状態となり、ノイズを発生しない状態となる。
【0039】
この場合のリセット条件は、図6に示した二重積分型ノイズシェーパのリセット条件と同一であるため、同じ発生頻度である。従って、二重積分型ノイズシェーパと同様の時間でリセットをかけることが可能となる。
【0040】
また、図2に示すように、遅延回路の次段14をリセットするのと同時に、遅延回路の初段5,次次段6をもリセットするようにしてもかまわない。
【0041】
このような本実施の形態1による三重積分型ノイズシェーパにおいては、入力信号が一定期間ゼロであることを検出するゼロ検出器9と、入力信号または所定値を出力するデータ変更手段10と、入力データの量子化を行い、初段、次段、次次段の回路5、14、6よりなる遅延回路により前記量子化による量子誤差の3段遅延を行って該遅延回路の初段、次段、次次段の回路の出力の荷重加算を行い、該荷重加算結果とデータ変更手段の出力との和を前記入力データとする3重積分量子化器と、遅延回路の初段と次次段の回路の出力の比較を行う比較手段8と、ゼロ検出回路9の出力と比較手段8の出力とに基づき、遅延回路の次段14の回路のリセットを行う初期化手段12とを備え、前記データ変更手段10は、前記ゼロ検出器9の出力と前記比較手段8の出力とに基づき、前記入力信号または所定値を出力する、ものとしたので、インフィニティゼロ入力を検出したインフィニティゼロ入力時には、三重積分型ノイズシェーパに特定のデータを入力し、初段と次次段の遅延回路の値が一致したときに次段の遅延回路をリセットするようにすることにより、リセット時にノイズが発生せず、静かに三重積分型ノイズシェーパの動作を停止させることができる。しかもこれを、該三重積分型ノイズシェーパにおいても、二重積分型ノイズシェーパと同等の時間で、ノイズを発生させずに確実にリセットを完了させることができる効果がある。
【0042】
(実施の形態2)
以下、図面に基づき、請求項3に対応する本発明の実施の形態2について、説明を行う。
図3は、本実施の形態2による三重積分型ノイズシェーパのブロック図である。なお、図1、図6、図5、図7において先に述べた要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付し細かな説明は省略する。
【0043】
インフィニティ0が入力され、遅延回路の6,5の出力が一致するまでの動作については、実施の形態1と同様である。本実施の形態2による三重積分型ノイズシェーパでは、一致検出回路8の一致検出を上位ビットの一致とし、AND回路12の出力で、遅延回路5,6,14のリセットを行う。
【0044】
このように一致検出を上位ビットの一致とすることで、上記実施の形態1の場合よりも,リセットをかけるに要する時間をより短縮することができる。
【0045】
ただし、遅延回路5,6の出力は完全には一致していないため、一致検出を行うビット数は、量子化器4が0を出力する範囲に設定することが必要である。また、本実施の形態では、一致検出の条件を緩めているため、リセットの対象は、次段の回路14だけではだめで、初段5も次次段も同時にリセットを行うことが必要である。
【0046】
また、一致検出回路8の比較方法としては、遅延回路の次次段105の出力の値と、初段106の出力の値の、絶対値を使用することも可能である。
【0047】
このような本実施の形態2による三重積分型ノイズシェーパでは、上記実施の形態1の回路において、一致検出手段8を、初段と次次段の回路の値の差が特定の範囲内に収まっていることを検出する回路8aと、前記特定の範囲を設定する回路8bとよりなるものとした。たとえば、一致検出を上位ビットの一致を検出するものとしたので、上記実施の形態1の場合よりも、リセットをかけるに要する時間を、より短縮することができる効果が得られる。
【0048】
(実施の形態3)
以下図面に基づき、請求項4に対応する本発明の実施の形態3について説明を行う。
【0049】
図4は、本実施の形態3の三重積分型ノイズシェーパのブロック図である。加算器2の出力である帰還データの符号ビットが正の場合0、負の場合1となる。符号ビットが正の場合は、データ設定回路10は、ゼロデータ検出回路9の値が1、一致検出回路8のデータが0、となり、データセット回路10は−1をセットする。符号ビットが負の場合は、データ設定回路10は、ゼロデータ検出回路9の値が1、一致検出回路8のデータが0、符号ビットが1となり、データセット回路10は0をセットする。このように、帰還データの符号に応じてデータ設定回路10の設定するデータを制御することにより、リミットサイクルを回避することができる。データ設定回路10の出力は、符号ビットが正の場合+1、負の場合0や、符号ビットが正の場合+1、負の場合−1であってもかまわない。要は帰還データの符号に対し反対の極性の微小なDC成分を出力するものであれば良い。
【0050】
このような本実施の形態3による三重積分型ノイズシェーパにおいては、上記実施の形態1の回路において、データ設定手段10は、上記荷重加算結果、すなわち帰還信号の状態によって、前記所定値を切り替えるものとしたので、帰還信号の状態によって、ノイズシェーパが確実にリセット条件に移行するようにすることができる効果がある。
【0051】
【発明の効果】
以上で述べたように、本発明にかかる三重積分型ノイズシェーパによれば、入力信号が一定期間ゼロであることを検出するゼロ検出器と、前記入力信号または所定値を出力するデータ変更手段と、入力データの量子化を行い、初段、次段、次次段よりなる遅延回路により前記量子化による量子誤差の3段遅延を行い前記遅延回路の初段、次段、次次段の出力の荷重加算を行い、前記荷重加算結果と前記データ変更手段の出力との和を前記入力データとする3重積分量子化器と、前記遅延回路の初段と、次次段の回路の出力の比較を行う比較手段と、前記ゼロ検出回路の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記遅延回路の次段の回路のリセットを行う初期化手段とを備え、前記データ変更手段は、前記ゼロ検出器の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記入力信号または所定値を出力するようにしたので、二重積分型ノイズシェーパと同様の時間でリセットをかけることができる効果が得られる。
【0052】
また、本発明にかかる三重積分型ノイズシェーパによれば、帰還信号の状態によって、前記データ変更手段が前記所定値を切り替えることにより、ノイズシェーパが確実にリセット条件に移行するようにできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による三重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態1による三重積分型ノイズシェーパの変形例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態2による三重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態3による三重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【図5】従来の二重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【図6】従来の二重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【図7】従来の三重積分型ノイズシェーパを示すブロック図。
【符号の説明】
1,2,3,17 加算器
4 局部量子化器
5,6,14,105,106 遅延回路
7,15 シフタ
8,8a 一致検出器
8b 範囲設定回路
9,109 ゼロデータ検出回路
10 データセット回路
11,12,111,112,211 AND回路
13 インバータ
Claims (4)
- 入力信号が一定期間ゼロであることを検出するゼロ検出器と、
前記入力信号または所定値を出力するデータ変更手段と、
入力データの量子化を行い、初段、次段、次次段の回路よりなる遅延回路により前記量子化による量子誤差の3段遅延を行って前記遅延回路の初段、次段、次次段の回路の出力の荷重加算を行い、該荷重加算結果と前記データ変更手段の出力との和を前記入力データとする3重積分量子化器と、
前記遅延回路の初段と、次次段の回路の出力の比較を行う比較手段と、
前記ゼロ検出回路の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記遅延回路の次段の回路のリセットを行う初期化手段とを備え、
前記データ変更手段は、前記ゼロ検出器の出力と前記比較手段の出力とに基づき、前記入力信号または所定値を出力する、
ことを特徴とする三重積分型ノイズシェーパ。 - 請求項1記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、
前記遅延回路の次段の回路をリセットするのと同時に、前記遅延回路の初段、および次次段の回路をリセットする、
ことを特徴とする三重積分型ノイズシェーパ。 - 請求項2記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、
前記比較手段は、前記遅延回路の初段と次次段の回路の値の差が、特定の範囲内にあることを検出する回路と、
前記特定の範囲を設定する手段とよりなる、
ことを特徴とする三重積分型ノイズシェーパ。 - 請求項1記載の三重積分型ノイズシェーパにおいて、
前記データ変更手段は、上記荷重加算結果の状態によって、前記所定値を切り替える、
ことを特徴とする三重積分型ノイズシェーパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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