JP4091215B2 - 机の脚杆へのカバーの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、机の下端部に取り付けられた水平脚杆にカバーを被せるための取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
机の前端下部に突設された水平脚杆にカバーを被せるための、水平脚杆へのカバーの取付構造としては、例えば実用新案登録第2543170号公報に記載されたものがある。
【0003】
この公報に記載のものでは、机における左右の側脚の前端下部に、前向きの水平脚杆を固着し、水平脚杆の側面の前後の複数箇所に係止孔を穿設するとともに、カバーの内側面に下向きの係止片と上向きの係止片とを突設して、各係止片を各係止孔に弾性係合させることにより、カバーを水平脚杆に取り付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報のものでは、水平脚杆が側脚にしっかりと固定されていない場合には、水平脚杆とカバーが側脚に対してがたつくことがある。
【0005】
また、カバーを水平脚杆に取り付ける際には、各係止孔と各係止片とを正確に整合させてから、それらを互いに係合させなければならず、カバーの水平脚杆への取り付け作業が面倒である。
【0006】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、側脚と水平脚杆とカバーとの相互のがたつきを効果的に防止しうるようにするとともに、カバーの取り付け作業を簡単に行えるようにした机の水平脚杆へのカバーの取付構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 机の側脚における左右の側板間の下部に、前後方向を向く水平脚杆の後部を嵌挿して固着し、前記水平脚杆の前部を側脚の前方に突出させ、水平脚杆の側面の前部に第1の係止孔を穿設するとともに、水平脚杆の側面の後部に第2の係止孔を穿設し、前記側板における第2の係止孔と整合する箇所に通孔を穿設し、断面形状がほぼ下向きコ字形をなす、前記水平脚杆の前部を覆うカバーの前部の内側面に、第1の係止孔の上縁部に係合する係止部を突設するとともに、カバーの後端部の左右両側部に、前記側脚の下端部の左右両側面に重合する後向きの延出片を形成し、かつ前記延出片の内側面に、前記通孔を通って第2の係止孔の下縁部に係合する下向き鉤形の係止片を突設する。
【0008】
(2) 上記(1)項において、水平脚杆の前端部の側面に軸孔を穿設するとともに、カバーの前端部の内側面に、前記軸孔に回動自在に嵌合する突軸を設ける。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0010】
机(1)は、左右の側脚(2)の上面間に天板(3)を架設したものである。
中空の側脚(2)は、その下面が開口するとともに、前面の下端部に開口部(2a)が設けられており、この開口部(2a)を通して、側脚(2)の左右の側板(2b)間の下端部には、前後方向を向くとともに、断面形状がほぼ上向きコ字形をなす水平脚杆(4)の後部が挿入されている。水平脚杆(4)の後部は、側板(2b)の内面に重合した状態で、側脚(2)の下端部に溶接等により固着されている。
(5)は、水平脚杆(4)の下面の前端部と後端部とに設けられた高さ調節用のアジャスタである。
【0011】
水平脚杆(4)の前端部の両側面には円形の軸孔(6)が、また水平脚杆(4)の中間部の両側面における前後2カ所には、方形の第1の係止孔(7)(7)が穿設されている。
水平脚杆(4)の後部と重合している側脚(2)の左右両側面の前端下部には、方形の通孔(8)が、水平脚杆(4)の後部における通孔(8)と整合する部分には、第2の係止孔(9)が穿設されている。
【0012】
側脚(2)の前方に突出している水平脚杆(4)の前部を覆うカバー(10)は、前後方向を向き、下面が開口する断面形状が下向きU字形をなす合成樹脂製のものである。
カバー(10)の前端部の内面には、軸孔(6)に係合する内向きの突軸(11)が設けられており、カバー(10)の中間部の内面の前後2カ所には、第1の係止孔(7)の上縁部に弾性係合しうる上向きの係止爪(12)が設けられている。
カバー(10)の後端部の左右両側部には、左右1対の延出片(13)が後向きに形成され、延出片(13)の内面には、通孔(8)を貫通して第2の係止孔(9)の下縁部に係合しうる下向き鉤形の係止片(14)が突設されている。
【0013】
カバー(10)は、その後端部を上方に持ち上げた状態で、突軸(11)を水平脚杆(4)の軸孔(6)に嵌合した(図2の仮想線参照)後、軸孔(6)を中心として、全体を下向きに回動させ、係止片(12)を第1の係止孔(7)の上縁部に弾性係合させる(図3参照)とともに、延出片(13)を側脚(2)の前端下部の外側面に重合させて、延出片(13)に設けられた下向きの係止片(14)を、通孔(8)を通して第2の係止片(9)の下縁部に弾性係合させる(図2の実線及び図4参照)ことにより、水平脚杆(4)に被せられる。
【0014】
このような本実施形態によれば、係止爪(12)が第1の係止孔(7)の上縁部に係合することにより(図3参照)、カバー(10)の上方への抜止めがなされ、かつ下向きの係止片(14)が、第2の係止孔(9)の下縁部に弾性係合し、係止片(14)と側板(2b)との間に水平脚杆(4)の側板を挾持するので(図4参照)、水平脚杆(4)が側脚(2)に強固に固着されていない場合においても、水平脚杆(4)が側脚(2)に対してがたつくのを効果的に防止することができる。
【0015】
また、側脚(2)の前端と水平脚杆(4)との境目が延出片(13)により完全に覆われるので、机(1)の下部の体裁を向上させることができる。
【0016】
さらに、カバー(10)の突軸(11)を水平脚杆(4)の前端部の軸孔(6)に嵌合した後、カバー(10)全体を下向きに回動させることにより、係止爪(12)と係止片(14)とが前後の係止孔(7)(9)に位置決めされて、すみやかに弾性係合するので、カバー(10)の水平脚杆(4)への取り付け作業は極めて容易である。
【0017】
なお、突軸(11)を水平脚杆(4)の前端部側面に突設し、かつ軸孔(6)をカバー(10)の前端部内側面に設けて実施することもある。
【0018】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、下向きの係止片が、第2の係止孔の下縁部に係合し、係止片と側脚の側板との間に水平脚杆の側板を挾持するので、水平脚杆が側脚に強固に固定され、水平脚杆が側脚に対してがたつくのを効果的に防止することができる。
また、係止部が第1の係止孔の上縁部に係合することにより、カバーの上方への抜止めがなされ、さらに、側板と水平脚杆の境目が延出片により完全に覆われるので、机の下部の体裁が非常によい。
【0019】
請求項2記載の発明によると、カバーを水平脚杆に取り付ける際に、カバーの突軸を水平脚杆の前端部の軸孔に嵌合した後、カバー全体を下向きに回動させることにより、前後の係止部および係止片が、前後の係止孔に位置決めされてすみやかに係合するようになるので、カバーの水平脚杆への取り付け作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を備える机の斜視図である。
【図2】同じく机の下端部を拡大して示す側面図である。
【図3】同じく図2のA−A線に沿う拡大縦断正面図である。
【図4】同じく図2のB−B線に沿う拡大縦断正面図である。
【図5】同じくカバーの平面図である。
【符号の説明】
(1)机
(2)側脚
(2a)開口部
(2b)側板
(3)天板
(4)水平脚杆
(5)アジャスタ
(6)軸孔
(7)第1の係止孔
(8)通孔
(9)第2の係止孔
(10)カバー
(11)突軸
(12)係止爪(係止部)
(13)延出片
(14)下向きの係止片
Claims (2)
- 机の側脚における左右の側板間の下部に、前後方向を向く水平脚杆の後部を嵌挿して固着し、前記水平脚杆の前部を側脚の前方に突出させ、水平脚杆の側面の前部に第1の係止孔を穿設するとともに、水平脚杆の側面の後部に第2の係止孔を穿設し、前記側板における第2の係止孔と整合する箇所に通孔を穿設し、断面形状がほぼ下向きコ字形をなす、前記水平脚杆の前部を覆うカバーの前部の内側面に、第1の係止孔の上縁部に係合する係止部を突設するとともに、カバーの後端部の左右両側部に、前記側脚の下端部の左右両側面に重合する後向きの延出片を形成し、かつ前記延出片の内側面に、前記通孔を通って第2の係止孔の下縁部に係合する下向き鉤形の係止片を突設したことを特徴とする机の脚杆へのカバーの取付構造。
- 水平脚杆の前端部の側面に軸孔を穿設するとともに、カバーの前端部の内側面に、前記軸孔に回動自在に嵌合する突軸を設けた請求項1記載の机の脚杆へのカバーの取付構造。
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