JP4090718B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示部を備えたスキャナ、ファクシミリあるいは複写機等の画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機等の画像読取装置は、図20に示すように、原稿画像の読取処理に関する情報、例えば明るさなどの読取設定条件などの表示を行う表示装置101を備えている。この表示装置101は、画像読取装置の上面において、原稿読取部102の前方側位置に設けられた操作パネル上に、表示面を上方に向けた状態で配されている。なお、原稿読取部102は、開閉可能(起伏可能)な原稿カバー103を備えている。
【0003】
また、近年、複写機、ファクシミリおよびスキャナ等の画像読取装置では、高機能化および多機能化により、フルカラー読取における色合いの調整や、コントラスト、文字や写真などの原稿の種別に応じた画像データの処理など、様々な読取モードによる読取画像の処理が可能となっている。このため、上記のような操作パネル上の表示装置101では、表示面が狭いことから、複雑に設定された多数の読取条件についての情報を十分に表示しきれなくなっている。
【0004】
そこで、例えば特開平10−105006号では、表示装置に情報を表示する場合において、機能グループ毎に表示画面を切り替える表示制御を行うことが提案されている。しかしながら、この場合には、表示画面を切り替える操作などが必要となって画像読取装置の操作が煩雑になるとともに、確認したい複数の情報を同時表示できない事態も生じる。また、操作に不慣れな使用者には、表示の切り替えすら容易ではなく、非常に使いにくいものになっている。
【0005】
また、他の画像読取装置では、表示装置の解像度を高くして文字を小さく表示することも提案されているが、これでは、表示画面が使用者にとって非常に見づらいものとなる。
【0006】
上記の問題に対し、表示装置101の表示画面を大きなものにすることも考えられるが、このような構成では画像読取装置の大型化を招来する。さらに、原稿読取部102の前方側に設けられた表示装置101の大型化により、原稿読取部102が相対的に後方側に移動することになるので、使用者が原稿読取部102に原稿を置く動作が容易ではなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、画像読取装置としては、特開平4−265061号に示すように、画像読取装置とは別に表示装置を設けたものが知られている。この構成では、図21に示すように、キオスク111に画像読取装置であるスキャナ112が収容され、キオスク111のフロントパネル113に表示装置114が設けられている。したがって、表示装置114はスキャナ112から水平方向に離れた位置において、表示画面をキオスク111の正面に配した状態となっている。このような構成では、スキャナ112に影響することなく表示装置114の大型化(表示画面の大型化)が可能であるから、使用者によるスキャナ112の操作性と表示装置114の視認性は確保できる。ところが、上記のような構成では、スキャナ112および表示装置114を含む装置、即ちキオスク111が大型化するという問題点を有している。
【0008】
したがって、本発明は、使用者による表示装置の良好な視認性を確保でき、かつ小型化が可能な画像読取装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の画像読取装置は、原稿載置台を覆う起伏可能な原稿カバーを有し、前記原稿載置台上の原稿画像を読み取る読取手段と、前記読取手段と電気的に接続された表示手段と、前記読取手段の後部側位置に設けられ、前記表示手段を、前記読取手段の上方位置かつ前記原稿カバ−における起伏動作の領域外の位置において、立ち上がった状態かつ読取手段の正面側を向いた状態に支持する支持部材とを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、表示手段は、読取手段の後部側位置に設けられた支持部材により、読取手段の上方位置かつ原稿カバ−における起伏動作の領域外の位置に支持されている。したがって、原稿カバーを起立させたとき、原稿カバーが表示手段と衝突することがない。これにより、表示手段の損傷を防止することができる。また、例えば本などの厚みのある原稿画像の読み取りを行なうために原稿カバーを起立させた状態で読取手段を操作する場合に、原稿カバーにより表示手段の視認性が害される事態を回避することができる。
【0011】
また、前記表示手段は読取手段の上方位置に設けられているので、読取手段の左右方向において、読取手段の領域からの表示手段のはみ出しを抑制し、小型化が可能となる。
【0012】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の左右方向において前記読取手段の領域内に設けられている構成としてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、画像読取装置は、表示手段が左右方向において読取手段からはみ出すことがない。この結果、読取手段の左右方向において読取手段よりも大きな設置スペースを必要とせず、小型の構成とすることができる。
【0014】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられている構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、表示手段が前後方向において読取手段からはみ出すことがない。この結果、読取手段の前後方向における支持部材等のはみ出しを抑制でき、小型の構成とすることができる。
【0016】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において、伏した状態の前記原稿カバーの領域内に設けられている構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、表示手段が前後方向において読取手段の原稿カバーからはみ出すことがなく、読取手段の前後方向における支持部材等のはみ出しをさらに確実に抑制でき、確実に小型化を促進することができる。
【0018】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられ、かつ前記読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられている構成としてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、表示手段が読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられているので、表示手段を支持する支持部材が読取手段の後部側位置に設けられている構成であっても、表示手段は画像読取装置を操作する使用者に接近することになる。したがって、使用者による表示手段の視認性が向上するとともに、表示手段がタッチパネルである場合にそのタッチ操作における操作性を向上することができる。
【0020】
さらに、表示手段が読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられていることにより、表示手段が読取手段の後部側位置における真上方向に設けられている場合よりも、起伏動作において回動する原稿カバーと表示手段との干渉を回避するための表示手段の高さ位置を低くすることができる。これにより、使用者による表示手段に対する上記視認性および操作性をさらに高めることができる。
【0021】
上記の画像読取装置は、前記支持部材が、下部が前記読取手段の後部側位置から上方に延び、上部が下部に対して前記読取手段の前部側へ屈曲した形状を有している構成であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、起立状態に開放した原稿カバーが支持部材の下部に当接するまでの開放角度について大きい角度を確保することができる。
【0023】
上記の画像読取装置は、前記支持部材が、前記読取手段の後部側位置から、前記読取手段の前部側へ傾斜する状態で上方に延びている構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、表示手段を読取手段の後部側位置から前部側位置に進出させるための支持部材の形状を簡単なものとすることができ、支持部材の形成が容易となる。
【0025】
上記の画像読取装置において、前記支持部材は前記読取手段が載置された載置台に設けられている構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、支持部材を載置台の一部として形成することができ、支持部材の形成が容易となる。
【0027】
上記の画像読取装置において、前記支持部材は前記読取手段のハウジングに設けられている構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、画像読取装置は、読取手段、支持部材および表示手段が一体化された形態となるので、さらに小型化が可能となる。
【0029】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に上下方向へ回動可能に取り付けられている構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、表示手段を上下方向に回動させて、使用者の身長に適合させることや反射光による視認性の低下を回避することなどを目的として、最適な角度に配することができる。
【0031】
上記の画像読取装置は、前記原稿カバーが、起立動作の際の回転半径を小さくするように屈曲可能に形成されている構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、表示手段の高さを低くすることができ、上下方向において、読取手段と表示手段とを近づけて配置することができる。したがって、表示手段を見ながらの読取手段の操作が容易となる。また、表示手段がタッチパネルである場合に、表示手段をタッチ操作しながらの読取手段の操作が容易となる。さらに、表示手段、即ち支持部材の高さを低くできることから、画像読取装置の小型化を促進することができる。
【0033】
上記の画像読取装置は、前記原稿カバーが、所定の起立位置に固定可能であるとともに、その起立位置において起立動作の回転中心側の下部に対して屈曲される上部を所定角度に固定可能であり、かつ前記上部における上面に前記読取手段への入力操作部が形成されている構成としてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、原稿カバーを利用して入力操作部が設けられているので、別途独立した入力操作部、例えばキーボードやポインティングデバイス(例えばマウス)を設ける必要がない。これにより、読取手段の領域からのマウス台等の突出や画像読取装置を構成するユニット(例えばキーボード)等の増加を抑制でき、構成の簡素化かつ小型化が可能である。
【0035】
さらに、表示手段の高さを低くすることができ、上下方向において、読取手段と表示手段とを近づけて配置することができる。したがって、表示手段を見ながらの読取手段の操作が容易となる。また、表示手段がタッチパネルである場合に、表示手段をタッチ操作しながらの読取手段の操作が容易となる。さらに、表示手段、即ち支持部材の高さを低くできることから、画像読取装置の小型化を促進することができる。
【0036】
上記の画像読取装置において、前記読取手段には前記表示手段の画面上での入力操作を行なうためのポインティングデバイスが接続され、このポインティングデバイスを保持する保持台が前記支持部材に形成された開口部に配され、前記保持台が、前記原稿カバーの起立動作に応じて支持部材の前面側へ進出し、前記原稿カバーの伏せ動作に応じて前記支持部材の背面側へ退行するように設けられている構成としてもよい。
【0037】
上記の構成によれば、支持部材を利用してポインティングデバイス(例えばマウス)を設けているので、読取手段の領域外への保持台(例えばマウス台)の突出を抑制でき、小型化が可能である。また、原稿カバーの開閉動作に応じて保持台が進退移動するので、起立状態に開放された原稿カバーが保持台と衝突する事態を回避でき、原稿カバーの円滑な起伏動作、および保持台(ポインティングデバイス)の円滑な出し入れが可能となる。
【0038】
上記画像読取装置は、前記表示手段が、表示面上でのタッチ入力が可能なタッチパネルからなる構成としてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、表示手段の機能を高め、画像読取装置の利便性を向上することができる。
【0040】
上記の画像読取装置は、前記表示手段がパネル形態をなしている構成としてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、画像読取装置の軽量化と小型化を促進することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態を図1ないし図7に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像読取装置は、図1および図2に示す画像プリントシステム1に適用されている。この画像プリントシステム1は、例えばコンビニエンスストアに設置される。画像プリントシステム1は、スキャナ(読取手段)2、液晶ディスプレイ3、画像形成装置であるプリンタ4および載置台5を備えている。本実施の形態において、プリンタ4は例えば床上に配され、載置台5はプリンタ4の背面に取り付けられている。また、スキャナ2は、載置台5におけるプリンタ4上の位置に載置され、液晶ディスプレイ3はスキャナ2と電気的に接続され、載置台5のディスプレイ支持部(支持部材)6に取り付けられている。また、画像読取装置9は、画像読取部となるスキャナ2、表示部となる液晶ディスプレイ3およびディスプレイ支持部6を備えている。
【0043】
スキャナ2は、上面部にスキャナ2の後部側位置を中心に起伏可能、即ち原稿載置ガラス12に対して開閉可能な原稿カバー11を備えている。スキャナ2は、図3に示すように、原稿載置ガラス12上に載置された原稿をランプユニット13により露光し、露光した原稿画像を、ランプユニット13とともに往復動作する第1ミラー14と、第1ミラー14の1/2の速度で移動する第2ミラー15および第3ミラー16とによってCCD17に導く。これによりCCD17からは原稿画像のデータ(以下、画像データと称する)が得られ、この画像データは例えばプリンタ4に出力される。プリンタ4では、スキャナ2から入力された画像データを用紙上にプリントし、その用紙を排紙部4a上に排出する。
【0044】
液晶ディスプレイ3は、例えば、タッチ操作により入力操作が可能なタッチパネルからなり、画像読取装置9の正面側を向き、立ち上がった状態に配置されている。液晶ディスプレイ3には、例えば、スキャナ2による原稿画像の読取処理に関する各種情報が表示される。液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の原稿カバー11が起伏動作を行なうときにこれと干渉することがないよう、原稿カバー11の回動領域よりも上方の位置に設けられている。さらに、液晶ディスプレイ3は、使用者による視認性を高めるため、およびタッチ操作が容易となるように、前方へ進出した位置に配されている。したがって、本実施の形態において、液晶ディスプレイ3は、図4に示すように、スキャナ2の前後方向においてはスキャナ2の領域内、さらには原稿カバー11の領域内に配され、スキャナ2の左右方向においては、スキャナ2の領域内に配されている。
【0045】
上記のように液晶ディスプレイ3を配するため、載置台5の、液晶ディスプレイ3を支持するディスプレイ支持部6は、スキャナ2の背面側において垂直に立ち上がった後、上端部付近において前方へほぼ水平な状態に屈曲されている。そして、液晶ディスプレイ3は、ディスプレイ支持部6の先端部に、回動連結部8により上下方向に回動可能に取り付けられている。なお、液晶ディスプレイ3と原稿カバー11との干渉の回避は、液晶ディスプレイ3が何れの回動位置にある場合にも可能となっている。
【0046】
ここで、図2において、使用者は、例えば日本人の標準的体形である、身長175cm、視線高さ165cm、腰高さ100cmとして示している。そして、液晶ディスプレイ3については、使用者が見易いように、ほぼ視線の高さである地上高170cmの位置に配された場合を示し、スキャナ2については使用者の腰の高さ位置よりも低い位置、即ち地上高100cmよりも低い位置に配された場合を示している。
【0047】
なお、原稿カバー11における前後方向の長さ、即ち開閉の際の回転における半径方向の長さは、定形A4サイズの短辺よりも長い30〜50cmであり、液晶パネルが例えば15インチの場合、液晶ディスプレイ3の前後方向長さは、30cm程度となる。この場合、スキャナ2の高さは、170−(30〜50)−30=90〜110cmとなり、10cm余裕を持たせて80〜100cmとしても、スキャナ2への原稿載置には支障がない。
【0048】
上記の構成において、スキャナ2によりシート状の原稿画像の読み取りを行なう際には、原稿カバー11を開いて原稿載置ガラス12上に原稿を載置し、原稿カバー11を閉じた後、読み取り動作を開始する。読取条件の入力は、タッチパネルである液晶ディスプレイ3に対して行なわれ、設定された読取条件等の情報が、液晶ディスプレイ3に表示される。
【0049】
上記の操作において、原稿カバー11を起立させたとき、液晶ディスプレイ3はスキャナ2の原稿カバー11の回動領域よりも上方の位置に設けられているので、原稿カバー11が液晶ディスプレイ3と衝突することがない。これにより、液晶ディスプレイ3の損傷が防止されている。また、液晶ディスプレイ3は、ディスプレイ支持部6の下端位置に対して前方へ進出した位置、即ちスキャナ2の前後方向において原稿カバー11の領域内に配され、使用者に近づけられているので、使用者による液晶ディスプレイ3の視認性およびタッチ操作における操作性が向上している。
【0050】
また、スキャナ2により本などの厚みのある原稿画像の読み取りを行なう際には、原稿カバー11を開いて原稿載置ガラス12上に原稿を載置し、図2に示すように、原稿カバー11を閉じることなく、使用者が原稿を原稿載置ガラス12に対して押さえ込んだ状態で読み取り動作を開始する。読取条件の入力は、同様に、タッチパネルである液晶ディスプレイ3に対して行なわれ、設定された読取条件等の情報が、液晶ディスプレイ3に表示される。
【0051】
上記の操作において、液晶ディスプレイ3への読取条件の入力およびその確認は、原稿カバー11を起立させた状態で行なわれる。しかしながら、液晶ディスプレイ3の表示面が原稿カバー11により覆われることがないので、原稿カバー11により液晶ディスプレイ3の操作性および視認性が害されることがない。
【0052】
また、液晶ディスプレイ3は、前方に進出して設けられていることにより、スキャナ2の背部位置における真上方向に設けられている場合よりも、回動する原稿カバー11との干渉を回避するための高さ位置を低くすることができる。これにより、使用者による液晶ディスプレイ3の視認性および操作性をさらに高めることができる。
【0053】
これに対し、例えば図5および図6に示した構成では、上記の各機能を得るこことができない。図5に示した構成では、スキャナ2に原稿カバー11と重なり合う状態で液晶ディスプレイ3が起伏可能に設けられている。このような構成では、原稿カバー11を起立させたときに、原稿カバー11が液晶ディスプレイ3と衝突するので、これを回避する構造が必要となる。また、原稿カバー11を起立させた状態では、液晶ディスプレイ3の視認性およびタッチパネルとしての液晶ディスプレイ3の操作性がほぼ完全に害される。
【0054】
また、図6に示した構成では、液晶ディスプレイ3がスキャナ2の上方かつ前方への進出位置に配されているものの、回動する原稿カバー11との干渉を回避可能となる上方位置に配されていない。したがって、原稿カバー11を起立させた状態では、原稿カバー11が液晶ディスプレイ3と衝突し、液晶ディスプレイ3の視認性およびタッチパネルとしての液晶ディスプレイ3の操作性が害されることになる。
【0055】
また、画像読取装置9の液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の左右方向においてスキャナ2の領域内に配されているので、スキャナ2および液晶ディスプレイ3からなる画像読取装置9は、スキャナ2の左右方向においてスキャナ2よりも大きな設置スペースを必要とせず、小型の構成となっている。
【0056】
また、液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の前後方向においてはスキャナ2の領域内に配されているので、前後方向においてスキャナ2からはみ出すことがない。この結果、スキャナ2の前後方向におけるディスプレイ支持部6等のはみ出しを抑制でき、小型の構成とすることができる。この点は、液晶ディスプレイ3を原稿カバー11の領域内に配した場合にさらに確実なものとなる。
【0057】
また、液晶ディスプレイ3は、回動連結部8を中心として上下方向に回動可能であるから、使用者の身長に適合させることや反射光による視認性の低下を回避することなどを目的として、最適な角度に配することができる。
【0058】
なお、上記の構成において、液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の背面側において垂直に立ち上がった後、上端部付近において前方へほぼ水平な状態に屈曲されたディスプレイ支持部6により支持され、前方へ進出した位置に配されているものとした。しかしながら、液晶ディスプレイ3は、図7に示すように、スキャナ2の背面側において垂直に立ち上がったディスプレイ支持部(支持部材)24により支持され、スキャナ2の背部位置の上方に設けられた構成であってもよい。この場合の画像プリントシステム21は、上記ディスプレイ支持部24を有する載置台23を備えたものとなる。したがって、画像読取装置22は、スキャナ2、液晶ディスプレイ3およびディスプレイ支持部24を備えたものとなる。この画像読取装置22においても、液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の原稿カバー11が起伏動作を行なうときにこれと干渉することがないよう、原稿カバー11の回動領域よりも上方の位置に設けられている。ディスプレイ支持部24以外の構成は前記画像読取装置9と同様である。
【0059】
上記画像プリントシステム21における画像読取装置22では、液晶ディスプレイ3が前方へ進出した位置に配されていることによる液晶ディスプレイ3の視認性および操作性向上の利点を得ることができない。しかしながら、例えば、原稿カバー11が液晶ディスプレイ3と衝突することがなく、液晶ディスプレイ3の損傷が防止されることや、液晶ディスプレイ3の表示面が原稿カバー11により覆われることがないので、原稿カバー11により液晶ディスプレイ3の操作性および視認性が害されることがない。
【0060】
また、この場合にも、液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の左右方向においてスキャナ2の領域内に配されているので、画像読取装置22は、同様に、小型の構成となっている。また、液晶ディスプレイ3をスキャナ2の前後方向においてスキャナ2の領域内に配するようにした場合には、上記小型化をさらに促進することができる。
【0061】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態を図8に基づいて以下に説明する。
図8に示すように、本実施の形態の画像読取装置31は、前記スキャナ2および液晶ディスプレイ3を備え、例えばコンビニエンスストアに設置される。なお、同図では、前記プリンタ4を備えず、画像プリントシステムではなく画像読取装置31とした場合を示している。
【0062】
画像読取装置31では、液晶ディスプレイ3が回動連結部8を介してディスプレイ支持部材(支持部材)32により支持されている。このディスプレイ支持部材32は、前記ディスプレイ支持部6とほぼ同様の形状を有し、下端部がスキャナ2のハウジングにおける後端部に取り付けられている。
【0063】
したがって、この画像読取装置31においても、前記画像読取装置9と同様、液晶ディスプレイ3は、原稿カバー11の回動領域よりも上方の位置に設けられ、かつ前方へ進出した位置に配されている。また、液晶ディスプレイ3は、スキャナ2の前後方向においては原稿カバー11の領域内に配され、スキャナ2の左右方向においては、スキャナ2の領域内に配されている。
【0064】
上記の構成により、画像読取装置31において、液晶ディスプレイ3への原稿カバー11の衝突を回避して液晶ディスプレイ3の損傷を防止できる点、使用者による液晶ディスプレイ3の視認性、タッチ操作性を向上できる点、回動する原稿カバー11との干渉を回避するための高さ位置を低くできる点、小型化できる点、液晶ディスプレイ3を上下方向に回動して視認性の低下を回避できる点等は、前述の画像読取装置9と同様である。
【0065】
なお、画像読取装置31においても、ディスプレイ支持部材32に代えて図7に示したディスプレイ支持部23と同様の構成のディスプレイ支持部材を採用可能である点は同様である。
【0066】
〔実施の形態3〕
本発明の実施のさらに他の形態を図9ないし図12に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像読取装置は、図9および図10に示す画像プリントシステム41に適用されている。この画像プリントシステム41は例えばコンビニエンスストアに設置される。画像プリントシステム41は、スキャナ(読取手段)43および前記液晶ディスプレイ3からなる画像読取装置42を備えている。
【0067】
スキャナ43は、前記原稿カバー11に代えて、原稿カバー44を備えている。原稿カバー44は、前述のように起伏可能であるとともに、図9および図10に示すように、折り畳み(屈曲)可能となっている。即ち、原稿カバー44は、開放時の回転における半径方向の中央部付近の位置から、回転半径を小さくするように屈曲可能である。なお、原稿カバー44は起立させたときに、自動的に折り畳まれる構成であってもよい。スキャナ43における他の構成は、前記スキャナ2と同様である。
【0068】
画像プリントシステム41は、さらに前記載置台5に代えて載置台45を備えている。この載置台45は、前記ディスプレイ支持部6に代るディスプレイ支持部(支持部材)46を備えている。このディスプレイ支持部46は、ディスプレイ支持部6と同様の形態を有するものの、原稿カバー44が折り畳まれ、その起立状態において、液晶ディスプレイ3との衝突を回避するのに要する高さを低くできる分に応じて、前記ディスプレイ支持部6よりも高さが低くなっている。
【0069】
上記の構成によれば、スキャナ43の原稿カバー44が折り畳み可能であることにより、ディスプレイ支持部46の高さを前記ディスプレイ支持部6に比べて低くすることができる。この結果、上下方向において、スキャナ43と液晶ディスプレイ3とを近づけて配置することができる。したがって、液晶ディスプレイ3を見ながらのスキャナ43の操作が容易となる。また、タッチパネルである液晶ディスプレイ3をタッチ操作しながらスキャナ43を操作する場合に、両者の操作が容易となる。さらに、ディスプレイ支持部46の高さを低くできることから、スキャナ43および液晶ディスプレイ3を備えた画像読取装置42を小型化することができる。その他の構成および機能については、前述の画像読取装置9と同様である。
【0070】
また、この場合においても、液晶ディスプレイ3は、図11および図12に示すように、スキャナ43の背面側において垂直に立ち上がったディスプレイ支持部(支持部材)54により支持され、スキャナ43の背部位置の上方に設けられた構成であってもよい。この場合の画像プリントシステム51は、上記ディスプレイ支持部54を有する載置台53を備えたものとなる。したがって、画像読取装置52は、スキャナ43、液晶ディスプレイ3およびディスプレイ支持部54を備えたものとなる。なお、この画像読取装置52では、ポインティングデバイスとしてマウス(ポインティングデバイス)55を備えている。
【0071】
この画像読取装置52においても、液晶ディスプレイ3は、スキャナ43の折り畳み可能な原稿カバー44が起伏動作を行なうときにこれと干渉することがないよう、原稿カバー44の回動領域よりも上方の位置に設けられている。ディスプレイ支持部54以外の構成は、画像読取装置42と同様であり、同様に、前記画像読取装置24のディスプレイ支持部23よりもディスプレイ支持部54の高さを低くすることができる。これによる機能は、画像読取装置42の場合と同様である。
【0072】
なお、画像読取装置52において、液晶ディスプレイ3がスキャナ2の左右方向においてスキャナ2の領域内に配されていること、および液晶ディスプレイ3がスキャナ2の前後方向においてスキャナ2の領域内に配することにより、それぞれ小型化が可能な点は、図7に示した前記画像読取装置22と同様である。
【0073】
また、上記の画像読取装置42、52においては、図8に示した画像読取装置31と同様、ディスプレイ支持部46、54が、直接スキャナ43のハウジングにおける後端部に取り付けられた構成としてもよい。この場合の機能については、画像読取装置31と同様である。
【0074】
また、上記の例においては、スキャナ43が折り畳み可能な原稿カバー44を備えたものとしているが、この原稿カバー44に代えて、ゴムシート等、可撓性を有する原稿カバーを備えた構成としてもよい。この場合にも同様の機能を備えることができる。
【0075】
〔実施の形態4〕
本発明の実施のさらに他の形態を図13ないし図15に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像読取装置は、図13に示す画像プリントシステム61に適用されている。この画像プリントシステム61は、例えばコンビニエンスストアに設置され、前記スキャナ2および液晶ディスプレイ63からなる画像読取装置62を備えている。
【0076】
画像プリントシステム61は、さらに前記載置台5に代えて載置台65を備えている。この載置台65は、前記ディスプレイ支持部6に代るディスプレイ支持部(支持部材)66を備えている。このディスプレイ支持部66は、前方へ傾斜する状態で斜め上方へ延びており、その上端部に液晶ディスプレイ63が画像読取装置62の正面側を向き、立ち上がった状態で設けられている。
【0077】
液晶ディスプレイ63は、例えばタッチパネルからなり、その前面に画像読取装置62への入力を行なうための各種の入力キー64等が設けられている。
【0078】
画像読取装置62は、ポインティングデバイスとしてのマウス55を備えている。このマウス55は、ディスプレイ支持部66に設けられたマウス台(保持台)67上に配されている。マウス台67、即ちマウス55は、スキャナ2の原稿カバー11の開閉動作(起伏動作)に連動し、ディスプレイ支持部66に形成されたマウス出入り口(開口部)66aを介して進退移動するようになっている。即ち、マウス台67は、原稿カバー11が閉じられたときにディスプレイ支持部66の前面から前方へ進出し、原稿カバー11が開放されたときにディスプレイ支持部66の前面から後方へ退行するようになっている。原稿カバー11の開閉動作に連動してマウス台67を進退させる機構、即ちマウス台進退機構は、周知の機構を採用することができる。例えば、原稿カバー11を開いたときにマウス台67を後方位置へ引き込むワイヤ、および原稿カバー11を閉じたときにマウス台67を前方位置に復帰させる引っ張りばね68からなる機構を採用可能である。その具体的な構成について、斜視図を図14に、側面図を図15に示す。
【0079】
図14および図15に示すように、マウス台進退機構121は、アーム部材122、2段ギヤ123、ギヤ付きプーリ124、ワイヤ125、引っ張りばね68、マウス台案内支持部材127および中継プーリ128を備えている。
【0080】
アーム部材122は、ディスプレイ支持部66を貫通して前後方向に進退移動可能にディスプレイ支持部66に設けられている。アーム部材122は、前端部にコロ129を有し、上面にラック122aを有している。
【0081】
2段ギヤ123は同軸にかつ一体に設けられた小径ギヤ123aと大径ギヤ123bとを有し、小径ギヤ123aがアーム部材122のラック122aと噛み合っている。ギヤ付きプーリ124はギヤ124aとプーリ124bとが同軸にかつ一体に設けられており、ギヤ124aが2段ギヤ123の大径ギヤ123bと噛み合っている。上記2段ギヤ123とギヤ付きプーリ124は、ディスプレイ支持部66に設けられた保持部材130に回転可能に取り付けられている。
【0082】
ワイヤ125は、一端部が前記プーリ124bに巻き取り可能に接続され、他端部が中継プーリ128を介してマウス台67の前端部と接続されている。
【0083】
マウス台案内支持部材127は、マウス台67を前後方向へスライド可能に保持している。引っ張りばね68は、マウス台67を前方へ移動させるように、マウス台67の後端部を付勢している。前方へのマウス台67の移動は、その後端部の凸部67aがマウス台案内支持部材127の係止部127aと当接することにより規制される。
【0084】
上記のマウス台進退機構121により、原稿カバー11が閉じられたとき、マウス台67は、引っ張りばね68に引っ張られて、ディスプレイ支持部66の前面側へ進出した状態となる。このとき、ワイヤ125はプーリ124bから引き出された状態となり、この結果、アーム部材122も前方へ進出した状態となる。
【0085】
一方、原稿カバー11が開かれたとき、アーム部材122の前端部のコロ129が原稿カバー11の上面に当接してアーム部材122が後方に押し込まれる。これにより、2段ギヤ123およびギヤ付きプーリ124が回転し、プーリ124bによりワイヤ125が巻き取られる。この結果、マウス台67がディスプレイ支持部66の前面側から後方へ退行する。
【0086】
上記の構成によれば、例えば前方に傾斜して設けられたディスプレイ支持部66を利用してマウス台67を出し入れ可能に設けているので、スキャナ2の領域外へのマウス台67の突出を抑制でき、画像読取装置22を小型化することができる。また、原稿カバー11の開閉動作に連動してマウス台67を進退させているので、開放された原稿カバー11がマウス台67と衝突する事態を回避でき、原稿カバー11の円滑な開閉、およびマウス55の円滑な出し入れが可能となる。
【0087】
なお、このようなマウス55およびマウス台67等を備えた構成は、他の画像読取装置においても当然適用可能である。
【0088】
また、液晶ディスプレイ63が原稿カバー11の回動領域よりも上方の位置に設けられ、かつ前方へ進出した位置に配されている点、液晶ディスプレイ63がスキャナ2の前後方向においてスキャナ2の領域内、さらには原稿カバー11領域内に配されている点、液晶ディスプレイ63がスキャナ2の左右方向においてスキャナ2の領域内に配されている点、およびこれら構成による機能は前述の通りである。
【0089】
また、上記の画像読取装置62においては、図8に示した画像読取装置31と同様、ディスプレイ支持部66が、直接スキャナ2のハウジングにおける後端部に取り付けられた構成としてもよい。
【0090】
〔実施の形態5〕
本発明の実施のさらに他の形態を図16ないし図18に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像読取装置は、図16および図17に示す画像プリントシステム71に適用されている。この画像プリントシステム71は、例えばコンビニエンスストアに設置され、スキャナ(読取手段)73および前記液晶ディスプレイ3からなる画像読取装置72を備えている。
【0091】
画像プリントシステム71は、さらに前記載置台5に代えて載置台75を備えている。この載置台75は、前記ディスプレイ支持部6に代るディスプレイ支持部(支持部材)76を備えている。このディスプレイ支持部76は、前方へ傾斜する状態で斜め上方へ延びる傾斜面76aを下部の前面に有し、上部の前面に液晶ディスプレイ3が設けられている。この液晶ディスプレイ3は、例えばタッチパネルからなる。
【0092】
スキャナ73の原稿カバー74は前述のように開閉可能(起伏可能)である。また、原稿カバー74は、開放時に、開放時の回転における半径方向の中央部付近から屈曲可能である。即ち、原稿カバー74は、閉じたときに平板状になる一方、開放したときに屈曲して、下部74aがディスプレイ支持部76の傾斜面76aに沿うとともに、上部74bが下部74aに対して所定角度、例えばほぼ水平状態に保持される。
【0093】
原稿カバー74における上部74bの上面には、各種入力キー77、およびポインティングデバイス78等が設けられている。
【0094】
上記の構成において、画像読取装置72にキー操作により原稿画像の読取条件やその他処理条件等を入力する場合には、原稿カバー74を閉じた状態あるいは開放した状態とし、原稿カバー74の入力キー77やポインティングデバイス78を使用して入力を行なう。なお、原稿カバー74を閉じて使用するのは、例えば原稿がシート状のものである場合となり、原稿カバー74を開いて使用するのは、例えば原稿が本などの厚みのあるものである場合となる。また、原稿カバー74を開いたとき、原稿カバー74の下部74aはディスプレイ支持部76の傾斜面76aに沿う状態に固定され、上部74bは水平状態に固定される。
【0095】
このための機構は、例えば、図16、図18(b)および図18(c)に示すように、原稿カバー74における上部の下端部に鉤状部材131を設ける一方、図18(b)および図18(c)に示すように、ディスプレイ支持部76に鉤係合部132を形成した構成であってもよい。この構成では、原稿カバー74を開放してその上部を折り曲げたときに、原稿カバー74の鉤状部材131がディスプレイ支持部76の鉤係合部132に係合する。これにより、原稿カバー74の下部74aはディスプレイ支持部76の傾斜面76aに沿う状態に固定され、上部74bは水平状態に固定される。なお、原稿カバー74が閉じているときには、鉤状部材131は原稿カバー74の下部74bの凹部133に収まるようになっている。
【0096】
その他にも、原稿カバー74が開放されたときに例えば下部74aが傾斜面76a側に嵌脱自在に嵌合して固定され、かつ下部74aと上部74bの角度が例えばこれら両者に嵌脱自在に嵌合する平板状部材により固定される機構など、従来周知の機構を適宜採用可能である。
【0097】
上記の構成によれば、スキャナ73の原稿カバー74を屈曲可能とし、その上面に各種入力キー77やポインティングデバイス78が設けられているので、別途キーボードやポインティングデバイスを設ける必要がない。これにより、画像読取装置72では、スキャナ2の領域からのマウス台等の突出や画像読取装置72を構成するユニット(例えばキーボード)等の増加を抑制でき、構成の簡素化かつ小型化が可能である。
【0098】
なお、液晶ディスプレイ3が原稿カバー74の回動領域よりも上方の位置に設けられ、かつ前方へ進出した位置に配されている点、液晶ディスプレイ3がスキャナ73の前後方向においてスキャナ73の領域内に配されている点、液晶ディスプレイ3がスキャナ73の左右方向においてスキャナ73の領域内に配されている点、およびこれら構成による機能は前述の通りである。
【0099】
また、上記の画像読取装置72においては、図8に示した画像読取装置31と同様、ディスプレイ支持部76が、直接スキャナ73のハウジングにおける後端部に取り付けられた構成としてもよい。
【0100】
また、以上の例では、スキャナの原稿カバーが画像読取装置の前後方向に開閉可能な場合について示したが、スキャナの原稿カバーは画像読取装置の左右方向に開閉可能であってもよい。この構成を図7に示した画像読取装置22に適用した場合について示すと、図19に示すものとなる。同図において、画像プリントシステム81の画像読取装置82は、左右方向に開閉可能な原稿カバー84を有するスキャナ(読取手段)83を備えたものとなっている。
【0101】
上記の構成においても、液晶ディスプレイ3が原稿カバー84の回動領域よりも上方の位置に設けられている点、液晶ディスプレイ3がスキャナ83の前後方向においてスキャナ83の領域内に配されている点、液晶ディスプレイ3がスキャナ83の左右方向においてスキャナ83の領域内に配されている点を満たすことができ、これによって、同様に、液晶ディスプレイ3への原稿カバー84の衝突を防止し、かつ画像読取装置82の小型化を図ることができる。
【0102】
また、上記の画像読取装置82においても、前述のように、原稿カバー84が折り畳み可能な構成、ディスプレイ支持部24の変更により液晶ディスプレイ3が前方へ進出した構成、あるいはディスプレイ支持部24がスキャナ83のハウジングに直接設けられた構成等、前述した各構成を適用可能である。
【0103】
また、以上の実施の形態において、画像読取装置は、小型化、軽量化の点からパネル形態の表示装置、例えば液晶ディスプレイを備えたものとしているが、表示装置は、これに限定されることなく、例えばCRTからなるものであってもよい。
【0104】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像読取装置は、原稿載置台を覆う起伏可能な原稿カバーを有し、前記原稿載置台上の原稿画像を読み取る読取手段と、前記読取手段と電気的に接続された表示手段と、前記読取手段の後部側位置に設けられ、前記表示手段を、前記読取手段の上方位置かつ前記原稿カバ−における起伏動作の領域外の位置において、立ち上がった状態かつ読取手段の正面側を向いた状態に支持する支持部材とを備えている構成である。
【0105】
上記の構成によれば、原稿カバーを起立させたとき、原稿カバーが表示手段と衝突することがない。これにより、表示手段の損傷を防止することができる。また、例えば本などの厚みのある原稿画像の読み取りを行なうために原稿カバーを起立させた状態で読取手段を操作する場合に、原稿カバーにより表示手段の視認性が害される事態を回避することができる。
【0106】
また、前記表示手段は読取手段の上方位置に設けられているので、読取手段の左右方向において、読取手段の領域からの表示手段のはみ出しを抑制し、小型化が可能となる。
【0107】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の左右方向において前記読取手段の領域内に設けられている構成としてもよい。
【0108】
上記の構成によれば、画像読取装置は、表示手段が左右方向において読取手段からはみ出すことがない。この結果、読取手段の左右方向において読取手段よりも大きな設置スペースを必要とせず、小型の構成とすることができる。
【0109】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられている構成としてもよい。
【0110】
上記の構成によれば、表示手段が前後方向において読取手段からはみ出すことがない。この結果、読取手段の前後方向における支持部材等のはみ出しを抑制でき、小型の構成とすることができる。
【0111】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において、伏した状態の前記原稿カバーの領域内に設けられている構成としてもよい。
【0112】
上記の構成によれば、表示手段が前後方向において読取手段の原稿カバーからはみ出すことがなく、読取手段の前後方向における支持部材等のはみ出しをさらに確実に抑制でき、確実に小型化を促進することができる。
【0113】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられ、かつ前記読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられている構成としてもよい。
【0114】
上記の構成によれば、表示手段が読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられているので、表示手段を支持する支持部材が読取手段の後部側位置に設けられている構成であっても、表示手段は画像読取装置を操作する使用者に接近することになる。したがって、使用者による表示手段の視認性が向上するとともに、表示手段がタッチパネルである場合にそのタッチ操作における操作性を向上することができる。
【0115】
さらに、表示手段が読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられていることにより、表示手段が読取手段の後部側位置における真上方向に設けられている場合よりも、起伏動作において回動する原稿カバーと表示手段との干渉を回避するための表示手段の高さ位置を低くすることができる。これにより、使用者による表示手段に対する上記視認性および操作性をさらに高めることができる。
【0116】
上記の画像読取装置は、前記支持部材が、下部が前記読取手段の後部側位置から上方に延び、上部が下部に対して前記読取手段の前部側へ屈曲した形状を有している構成であってもよい。
【0117】
上記の構成によれば、起立状態に開放した原稿カバーが支持部材の下部に当接するまでの開放角度について大きい角度を確保することができる。
【0118】
上記の画像読取装置は、前記支持部材が、前記読取手段の後部側位置から、前記読取手段の前部側へ傾斜する状態で上方に延びている構成としてもよい。
【0119】
上記の構成によれば、表示手段を読取手段の後部側位置から前部側位置に進出させるための支持部材の形状を簡単なものとすることができ、支持部材の形成が容易となる。
【0120】
上記の画像読取装置において、前記支持部材は前記読取手段が載置された載置台に設けられている構成としてもよい。
【0121】
上記の構成によれば、支持部材を載置台の一部として形成することができ、支持部材の形成が容易となる。
【0122】
上記の画像読取装置において、前記支持部材は前記読取手段のハウジングに設けられている構成としてもよい。
【0123】
上記の構成によれば、画像読取装置は、読取手段、支持部材および表示手段が一体化された形態となるので、さらに小型化が可能となる。
【0124】
上記の画像読取装置は、前記表示手段が、前記支持部材に上下方向へ回動可能に取り付けられている構成としてもよい。
【0125】
上記の構成によれば、表示手段を上下方向に回動させて、使用者の身長に適合させることや反射光による視認性の低下を回避することなどを目的として、最適な角度に配することができる。
【0126】
上記の画像読取装置は、前記原稿カバーが、起立動作の際の回転半径を小さくするように屈曲可能に形成されている構成としてもよい。
【0127】
上記の構成によれば、表示手段の高さを低くすることができ、上下方向において、読取手段と表示手段とを近づけて配置することができる。したがって、表示手段を見ながらの読取手段の操作が容易となる。また、表示手段がタッチパネルである場合に、表示手段をタッチ操作しながらの読取手段の操作が容易となる。さらに、表示手段、即ち支持部材の高さを低くできることから、画像読取装置の小型化を促進することができる。
【0128】
上記の画像読取装置は、前記原稿カバーが、所定の起立位置に固定可能であるとともに、その起立位置において起立動作の回転中心側の下部に対して屈曲される上部を所定角度に固定可能であり、かつ前記上部における上面に前記読取手段への入力操作部が形成されている構成としてもよい。
【0129】
上記の構成によれば、原稿カバーを利用して入力操作部が設けられているので、別途独立した入力操作部、例えばキーボードやポインティングデバイス(例えばマウス)を設ける必要がない。これにより、読取手段の領域からのマウス台等の突出や画像読取装置を構成するユニット(例えばキーボード)等の増加を抑制でき、構成の簡素化かつ小型化が可能である。
【0130】
さらに、表示手段の高さを低くすることができ、上下方向において、読取手段と表示手段とを近づけて配置することができる。したがって、表示手段を見ながらの読取手段の操作が容易となる。また、表示手段がタッチパネルである場合に、表示手段をタッチ操作しながらの読取手段の操作が容易となる。さらに、表示手段、即ち支持部材の高さを低くできることから、画像読取装置の小型化を促進することができる。
【0131】
上記の画像読取装置において、前記読取手段には前記表示手段の画面上での入力操作を行なうためのポインティングデバイスが接続され、このポインティングデバイスを保持する保持台が前記支持部材に形成された開口部に配され、前記保持台が、前記原稿カバーの起立動作に応じて支持部材の前面側へ進出し、前記原稿カバーの伏せ動作に応じて前記支持部材の背面側へ退行するように設けられている構成としてもよい。
【0132】
上記の構成によれば、支持部材を利用してポインティングデバイス(例えばマウス)を設けているので、読取手段の領域外への保持台(例えばマウス台)の突出を抑制でき、小型化が可能である。また、原稿カバーの開閉動作に応じて保持台が進退移動するので、起立状態に開放された原稿カバーが保持台と衝突する事態を回避でき、原稿カバーの円滑な起伏動作、および保持台(ポインティングデバイス)の円滑な出し入れが可能となる。
【0133】
上記画像読取装置は、前記表示手段が、表示面上でのタッチ入力が可能なタッチパネルからなる構成としてもよい。
【0134】
上記の構成によれば、表示手段の機能を高め、画像読取装置の利便性を向上することができる。
【0135】
上記の画像読取装置は、前記表示手段がパネル形態をなしている構成としてもよい。上記の構成によれば、画像読取装置の軽量化と小型化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムの構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した画像プリントシステムの使用状態を示す側面図である。
【図3】図1に示したスキャナの構成を示す説明図である。
【図4】図1に示した画像読取装置の平面図である。
【図5】図1に示した画像プリントシステムに対する比較例であって、スキャナに原稿カバーと重なり合う状態で液晶ディスプレイが起伏可能に設けられた構成の場合の使用状態を示す側面図である。
【図6】図1に示した画像プリントシステムに対する他の比較例であって、液晶ディスプレイが原稿カバーとの干渉を回避可能な上方位置に配されていない構成の場合の使用状態を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムであって、液晶ディスプレイが図1の場合とは異なる構造により支持されている場合の使用状態を示す側面図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の画像読取装置を示すものであって、ディスプレイ支持部材が直接スキャナに設けられている場合の斜視図である。
【図9】本発明の実施のさらに他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムを示すものであって、スキャナが折り畳み可能な原稿カバーを備えている場合の斜視図である。
【図10】図9に示した画像プリントシステムの使用状態を示す側面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムを示すものであって、スキャナが折り畳み可能な原稿カバーを備え、液晶ディスプレイが図9の場合とは異なる構造により支持されている場合の斜視図である。
【図12】図11に示した画像プリントシステムの使用状態を示す側面図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムを示す斜視図である。
【図14】図13に示した画像プリントシステムにおいて、マウス台進退機構を具体的に示した斜視図である。
【図15】図14に示した画像プリントシステムの側面図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムを示す斜視図である。
【図17】図16に示した画像プリントシステムの使用状態を示す側面図である。
【図18】図18(a)は、図16に示した画像プリントシステムの側面図、図18(b)は、原稿カバーの開放時に原稿カバーの上部を水平状態に固定するための機構の説明図、図18(c)は同機構により原稿カバーの上部を水平状態に固定した状態を示す説明図である。
【図19】本発明の実施のさらに他の形態における画像読取装置を備えた画像プリントシステムを示す斜視図である。
【図20】従来の画像読取装置を示す斜視図である。
【図21】従来の他の画像読取装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1,21,41,51,61,71,81 画像プリントシステム
2,43,73,83 スキャナ(読取手段)
3,63 液晶ディスプレイ
5,23,45,53,65,75 載置台
6,24,46,54,66,76 ディスプレイ支持部(支持部材)
9,22,42,52,62,72,82 画像読取装置
11,44,74,84 原稿カバー
32 ディスプレイ支持部材(支持部材)
55 マウス(ポインティングデバイス)
64 入力キー
66a マウス出入り口(開口部)
67 マウス台(保持台)
74a 下部
74b 上部
77 入力キー
78 ポインティングデバイス

Claims (13)

  1. 原稿載置台を覆う起伏可能な原稿カバーを有し、前記原稿載置台上の原稿画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段と電気的に接続された表示手段と、
    前記読取手段の後部側位置に設けられ、前記表示手段を、前記読取手段の上方位置かつ前記原稿カバ−における起伏動作の領域外の位置において、立ち上がった状態かつ読取手段の正面側を向いた状態に支持する支持部材とを備え
    前記原稿カバーは、起立動作の際の回転半径を小さくするように屈曲可能に形成されおり、所定の起立位置に固定可能であるとともに、その起立位置において起立動作の回転中心側の下部に対して屈曲される上部を所定角度に固定可能であり、かつ前記上部における上面に前記読取手段への入力操作部が形成されていることを特徴とする画像読取装置。
  2. 原稿載置台を覆う起伏可能な原稿カバーを有し、前記原稿載置台上の原稿画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段と電気的に接続された表示手段と、
    前記読取手段の後部側位置に設けられ、前記表示手段を、前記読取手段の上方位置かつ前記原稿カバ−における起伏動作の領域外の位置において、立ち上がった状態かつ読取手段の正面側を向いた状態に支持する支持部材とを備え
    前記読取手段には前記表示手段の画面上での入力操作を行なうためのポインティングデバイスが接続され、このポインティングデバイスを保持する保持台が前記支持部材に形成された開口部に配され、前記保持台が、前記原稿カバーの起立動作に応じて支持部材の前面側へ進出し、前記原稿カバーの伏せ動作に応じて前記支持部材の背面側へ退行するように設けられていることを特徴とする画像読取装置。
  3. 前記表示手段は、前記支持部材に支持され、前記読取手段の左右方向において前記読取手段の領域内に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記表示手段は、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  5. 前記表示手段は、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において伏した状態の前記原稿カバーの領域内に設けられていることを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  6. 前記表示手段は、前記支持部材に支持され、前記読取手段の前後方向において前記読取手段の領域内に設けられ、かつ前記読取手段の後部側位置から前部側位置に進出した状態に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  7. 前記支持部材は、下部が前記読取手段の後部側位置から上方に延び、上部が下部に対して前記読取手段の前部側へ屈曲した形状を有していることを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  8. 前記支持部材は、前記読取手段の後部側位置から、前記読取手段の前部側へ傾斜する状態で上方に延びていることを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  9. 前記支持部材は前記読取手段が載置された載置台に設けられていることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の画像読取装置。
  10. 前記支持部材は前記読取手段のハウジングに設けられていることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の画像読取装置。
  11. 前記表示手段は、前記支持部材に上下方向へ回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の画像読取装置。
  12. 前記表示手段は、表示面上でのタッチ入力が可能なタッチパネルからなることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の画像読取装置。
  13. 前記表示手段はパネル形態をなしていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の画像読取装置。
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