JP4089286B2 - 液晶パネルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の透明層からなる液晶パネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工場で製造された製品には、出荷製品のロットごとの材料及び部品の寸法や形状、処理の履歴、出荷後の製品の配送先及び所在を管理するため、製造番号やロット番号を付けることが行われている。
【0003】
液晶パネルにおいては、例えば、パネル側面にペンキ等の塗料でマークする方法や、偏光板や反射板の保護フィルム上に印刷することが行われている。
【0004】
一方、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の高出力レーザを用いて、金属やプラスチック等の製品の表面にロット番号をマーキングすることも近年では広く行われている。YAG系のレーザの原理は、ランプを用いてYAGロッド結晶を励起させ、レーザ光を発生するもので、水冷式で、ランプやイオン交換樹脂等の多数の消耗品を使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶パネルの薄型化が進むにつれてパネル側面の面積が小さくなるため、マーキングに用いるペンキが表示面または裏面に回り込み、表示面を汚染して表示不良となったり、裏面を汚染して外観不良となったりするという問題がある。
【0006】
また、偏光板や反射板の保護フィルム上にロット番号等を印刷する方法は、ユーザー側で保護フィルムを剥離した後は、その役目を果たさなくなる。
【0007】
さらに、YAG系のレーザを用いた場合には、マーキングの際に製品の表面に塵が発生して製品を汚染するため、この塵の除去に多大な手間がかかることになる。また、水冷式であるため装置が大型化し、消耗部品が多く、消費電力が大きいという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、製品の汚染を防止しながら効率よくマーキングを形成し、このマーキングを長期間保持可能な液晶パネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶パネルにおいては、積層板の表層を除く位置にマーキングを施したものである。
【0010】
この発明によれば、製品の汚染を防止しながら効率よくマーキングを形成した液晶パネルが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本願第1の発明は、複数の透明層からなる二つの積層板の間に液晶層を形成した液晶パネルにおいて、前記積層板の表層を除く位置に配置された透明層のうちの少なくとも1つにマーキングが施されていることを特徴とする液晶パネルとしたものであり、表層を除く位置にマーキングが施されているので、表層の表面に汚れが付着せず、また、表層の剥離やこすれ等によってマーキングが簡単に消えることがないという作用を有する。
【0012】
本願第2の発明は、複数の透明層からなる二つの積層板の間に液晶層を形成した液晶パネルの製造方法において、
前記積層板の複数の透明層のうち、表層を除く位置に配置された透明層にレーザの焦点を合わせてレーザ光を照射し、レーザ光が表層を透過してマーキングを施すことを特徴とする液晶パネルの製造方法としたものであり、レーザを用いることによりレーザ光が表層を透過して積層板の中間位置の偏光板、反射板に焦点を合わせてマーキングが施されるという作用を有する。レーザによりマーキングを施すので、迅速かつ確実にマーキングを施すことができ、また、レーザのエネルギーを吸収しやすい層に焦点を合わせてレーザの出力を小さくできるという作用を有する。
【0013】
本願第3の発明は、前記レーザは、イットリウム四酸化バナジウム結晶を用いたものであることを特徴とする請求項に記載の液晶パネルの製造方法としたものであり、イットリウム四酸化バナジウム結晶(以下、YVO4結晶という)を用いることによりビーム径の小さなレーザで小さな範囲でマーキングが行われるという作用を有する。このレーザを用いることにより、ランプを使用しなくても結晶を励起でき、YAG系のレーザに比べて消費電力を小さくすることができるという作用を有する。
【0014】
本願第4の発明は、前記レーザ光は、前記透明層の光透過軸に交差する方向から照射することを特徴とする請求項またはに記載の液晶パネルの製造方法としたものであり、レーザ光を光透過軸に交差させるので、透明層中の発色しやすい成分に多くのレーザ光が照射されるという作用を有する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の液晶パネルの構成図である。図1において液晶パネル1は、二つの積層板2,3の間に液晶層4を形成している。
【0017】
積層板2は、ガラスやポリカーボネート等のプラスチック等からなる基板5の上面(外側面)に偏光板6を備えており、積層板3は、基板5と同じ材質の基板7の下面(外側面)に反射板8を備えている。基板5,7の液晶層4側の面には図示しない透明のITO(インジウム・チタン酸化物)が形成されている。
【0018】
上面側に配置された偏光板6は、下から順に複数の透明層、すなわちコントラスト比を高める位相差フィルム層9、保護膜として機能するTAC(トリアセチルセルロース)フィルム層10、PVA(ポリビニルアルコール樹脂)を主体とする偏光子フィルム層11、TACフィルム層12および剥離可能な保護フィルム層13を積層して構成されている。
【0019】
下面側に配置された反射板8は、下から順に複数の透明層、すなわち反射板層14、TAC層15、偏光子フィルム層16およびTAC層17を積層して形成されている。
【0020】
各層はレーザ光を透過することができ、また、偏光子フィルム層11は、レーザ光を吸収して他の構成材より反応しやすいヨウ素を含ませたPVA(ポリビニルアルコール)で形成されている。
【0021】
上下の偏光子フィルム層11,16には、光の透過軸18が法線方向に対して、例えば10度以内に傾斜して形成されている。
【0022】
そして、上側の偏光子フィルム層11には、レーザマーカ装置のレーザ21により形成されたマーキング20が施されている。
【0023】
マーキング20としては、例えば、1次元バーコードを用いることができるが、より多くの情報を小さい範囲に表示できる2次元コードを使用することが好ましい。2次元コードには、例えば、1次元のバーコードを縦に細かく積み重ねたスタック式のものや、データを縦横のモザイク状に表したマトリックス式のものを使用できる。
【0024】
マーキングを施すときに用いるレーザ21には、YVO4結晶を用いている。このため、YAG系のレーザより小さい電力で運転できる。また、温度上昇も小さいので、水冷却の代わりに電子冷却を用いて装置を小型化することができる。また、寿命もYAG系のレーザより長くなる。
【0025】
また、レーザ21の出力が小さいので、直径20〜40μmの小さいビーム径に設定することができ、形成する二次元データのピッチを小さくできる。かかる構成によって、マーキング20の範囲を小さくすることができ、製品への配置位置を自由に設定することができる。
【0026】
レーザ21は、焦点の調整を行うことができ、マーキング20を、積層板2,3の表層である保護フィルム層13および反射板層14を除く位置に配置された透明層9〜12,15〜17のうちのいずれの層にも施すことができる。
【0027】
次に、液晶パネル1の製造方法について説明する。
【0028】
液晶パネル1を製造するときには、まず、通常の手順によって、基板5,7の間に液晶層4を形成し、上側面に偏光板6を、下側面に反射板8を貼着する。
【0029】
次に、これを、レーザマーカ装置のマーカ部に配置し、偏光子フィルム層11に焦点を合わせたレーザ21で照射する。
【0030】
レーザ21は、偏光子フィルム層11の透過軸に交差する方向から照射される。かかる構成によって、PVAを主体とする偏光子フィルム層11に含まれるヨウ素が発色し、マーキング20が施される。
【0031】
なお、レーザ21には、図示しない制御装置が接続されており、複雑な2次元コードを表す場合でも、所定範囲内に多数のドットを短時間で形成することができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
以上の第1の実施の形態では、レーザ光を偏光子フィルム層11の透過軸18に交差する方向から照射したが、透過軸18に実質的に直交する方向から照射することも実施可能である。
【0033】
偏光子フィルム層11の透過軸18の角度は予め設定されているので、偏光子フィルム層11の透過軸18とレーザ21の照射方向の相対角度が直交するように配置して、レーザ光を照射することにより、これに反応するヨウ素が多くなり、発色効率がよくなる。また、発色がよくなった分だけレーザ21の出力を小さくすることも可能になる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明の液晶パネルによれば、表層を除く位置にマーキングを施すので、表面に汚れが付着せず、製品の汚染を防止することができる。また、表層の剥離やこすれ等によってマーキングが簡単に消えることがなく、マーキングを長期間保持しておくことができる。
【0035】
液晶パネルの製造方法は、レーザによりマーキングを施すので、迅速かつ確実にマーキングを施すことができ、また、表層を除く位置に配置された透明層にレーザの焦点を合わせてレーザ光を照射するので、レーザのエネルギーを吸収しやすい層に焦点を合わせてレーザの出力を小さくし、効率よくマーキングを行うことができる。
【0036】
また、イットリウム四酸化バナジウム結晶を用いると、ランプを使用しなくても結晶を励起でき、YAG系のレーザに比べて消費電力を小さくすることができる。また、ビーム径を小さくして、マーキングを小さい範囲に収めることができる。
【0037】
また、レーザ光を、透明層の光透過軸に交差する方向から照射すると、透明層中の発色しやすい成分に多くのレーザ光を照射でき、小さい出力で効率よくマーキングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルの構成図
【符号の説明】
1 液晶パネル
2,3 積層板
4 液晶層
5 基板
6 偏光板
7 基板
8 反射板
9 位相差フィルム層(透明層)
10 TACフィルム層(透明層)
11 偏光子フィルム層(透明層)
12 TACフィルム層(透明層)
13 保護フィルム層(透明層)
14 反射板層(透明層)
15 TAC層(透明層)
16 偏光子フィルム層(透明層)
17 TAC層(透明層)
18 透過軸
20 マーキング
21 レーザ

Claims (2)

  1. 複数の透明層からなる二つの積層板の間に液晶層を形成した液晶パネルの製造方法において、
    前記積層板の複数の透明層のうち、表層を除く位置に配置された透明層にイットリウム四酸化バナジウム結晶を用いたレーザの焦点を合わせてレーザ光を照射し、レーザ光が表層を透過してマーキングを施すことを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  2. 前記レーザ光は、前記透明層の光透過軸に交差する方向から照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの製造方法。
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