JP4088685B2 - 光触媒機能を有する水硬性複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒機能等を有する水硬性複合材料及びその製造方法に関するものであり
、更に詳しくは、水硬性を有するカルシウムシリケート系セメント、又はリン酸カルシウ
ム系セメントを適宜の基体に水の存在下で付着させることにより硬化させ、付着面に固化
・固着、及び自己接着させて、物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能などの複
合化された機能を付与した水硬性複合材料、その製造方法及びその用途に関するものであ
る。
一般に、環境浄化等を目的として、脱臭などの物質吸着機能を有する材料や、空気中の
水分を吸排出し、湿度を調節する機能を有する調湿材料などは、建材や塗料などとして応
用されている。また、光触媒は、太陽や蛍光灯の光をエネルギーとして有機有害物質を分
解する作用を有するため、環境浄化材料として、既に、いろいろな場面で応用されている
。それらの応用方法として、一般的で最も応用範囲が広いものは、それらの材料を塗料化
して塗布する方法である。そのために、様々なバインダーや接着剤を混合して、塗布し、
常温下や加熱下で乾燥・固化させることが行われている。
これらの方法として、例えば、バインダーとして、オルガノシランオリゴマーを、硬化
材として、酸、アルカリ、亜鉛化合物等を含んだ二酸化チタン塗料が提案されている(特
許文献1参照)。また、二酸化チタンと二酸化珪素をアルコールに分散し、これとエチル
シリケート及びシランカップリング剤とメチルグリコールを溶解した常温硬化性塗料が提
案されている(特許文献2参照)。更に、常温硬化が可能で密着性の優れた二酸化チタン
塗料が提供されている(特許文献3参照)。
しかし、光触媒材料の塗料化には、いくつかの問題点がある。その一つは、光触媒自身
が持つ有機物の分解機能のために、有機系のバインダーや接着剤を用いることが出来ない
点である。このため、通常は、無機系のバインダーが用いられる。更に、同様の理由で、
有機系の素材には塗布できないことから、下地として無機系の塗料をあらかじめ塗ってお
くことが一般に行われている。しかし、これには余分なコストと時間がかかる。更に、光
触媒は、物質を吸着することがほとんどできないため、表面に接触した物質しか処理でき
ず、塗布しても十分な効果が得られないという問題がある。
これらの問題は、以下に示されるように、光触媒として不活性なセラミックスで光触媒
を被覆することで解決された。すなわち、これらの問題を解決する方法として、アパタイ
トを二酸化チタンにコートした複合材料が提案されている(特許文献4参照)。この環境
浄化材料は、多孔質燐酸カルシウムの膜が生成しやすいように、組成、pHなどを調整し
た擬似体液中に、酸化チタン膜付きの基材又は酸化チタン粒子を浸漬することによって形
成することができる。この複合材料は、アパタイトが、物質を吸着し、二酸化チタンがそ
れを分解するために、メンテナンスフリーで半永久的に使用できるものと期待されている
しかし、未だ解決されていないもう一つの問題点がある。これは、光触媒粒子にバイン
ダーを混合することで、光触媒粒子が部分的にバインダーに覆われてしまい、一部しか表
面に露出しない点である。当然、露出した部分しか材料は機能しない。通常、粒子表面の
40%から70%が隠蔽されてしまう。そのため、当技術分野においては、物質吸着機能
に優れ、かつバインダーを出来るだけ減らしても、もしくはバインダーが無くても、塗布
することが出来る環境浄化材料を開発することが求められていた。
このように、吸着機能などの環境浄化機能を有する材料は、その粉末を塗布することに
より様々な場所で簡単に環境浄化等を実現することが出来る。また、いろいろな機能を複
合的に発揮するためには、複数の機能材料を混合して用いることもある。しかし、それら
の材料の塗料化には、バインダー等の接着剤が必要であるし、また、材料粉体の複合化は
、単に混合するだけでは複合化された機能を十分に発揮出来ない場合もあり、より高度な
複合化が求められる。
特開平11−209691 特開2000−017199 特開2000−063704 特開平10−244166
このような状況の中で、本発明者は、上記従来技術に鑑みて、以上のような現状の調湿
材料、脱臭材料、光触媒などの問題点を解決するために鋭意研究を重ねて努力した結果、
臭い等の吸着機能に優れたカルシウム系の材料粉体が、同時に水硬性も有することを発見
し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、適宜の基体に水の存在化で塗布することにより硬化させ
、塗布面に固化・固着、及び自己接着させたことを特徴とする物質吸着機能、調湿機能、
及び/又は光触媒機能を有する水硬性複合材料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記水硬性複合材料であって、硬化後には絡み合った水硬性材料によ
り接合され、バインダーが無くても塗布面の下地と接着・固化する自己接着機能のある新
規複合材料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、吸着機能や環境浄化機能を有する材料が、自己硬化性や自己接着性を
もち、バインダーを用いることなく基体に塗布するだけで固化、定着するだけでなく、材
料同士も接着し、結果的に複合化することを特徴とする新規複合材料を提供することを目
的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段より構成される。
(1)物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能を有する水硬性複合材料であ、水硬性を有する材料のカルシウムシリケート系セメントを水の存在下で水和反応を起こして生成させた水和物の接着力により基体の表面の一部だけに付着硬化させ、形成された膜により、付着面に固化・固着、及び自己接着させた水硬性複合材料であって、
1)基体が、調湿材料、又は光触媒であること、
2)水硬性を有する材料のカルシウムシリケート系セメントが、カルシウムマグネシウムシリケートのディオプサイド又はオケルマナイトを主成分とすること、
を特徴とする水硬性複合材料。
)水硬性を有する材料を、酸化チタン光触媒粒子の表面の一部に被覆し、水和反応により光触媒粒子を水硬性材料を介して接合したことを特徴とする、前記(1)記載の複合材料。
ルシウムマグネシウムシリケートディオプサイド又はオケルマナイトが、ガラス質であることを特徴とする、前記(1)記載の複合材料。
硬性を有する材料を懸濁もしくは溶解した溶液を、酸化チタン光触媒と混合することにより水硬性複合材料製造する方法であって、
1)酸化チタン光触媒を、水硬性のカルシウムシリケート系セメントの水和反応による水和物膜をその接着力により酸化チタン光触媒の表面の一部に付着させることにより硬化させ、付着面に固化・固着、及び自己接着させること、
2)上記カルシウムシリケート系セメントとして、ガラス質の水硬性ディオプサイド又はオケルマナイトを表面に付着させること、
を特徴とする水硬性複合材料の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能を有する水硬性複合材料で
あって、水硬性を有する材料のカルシウムシリケート系セメント、又はリン酸カルシウム
系セメントを、適宜の基体に水の存在化で付着させることにより硬化させ、付着面に固化
・固着、及び自己接着させたことを特徴とする水硬性複合材料に係るものである。本発明
では、基体として、例えば、調湿材料、光触媒が用いられるが、これらに制限されない。
光触媒としては、二酸化チタン等の光触媒活性を有するものであれば何でも良い。特に、
二酸化チタンの場合には、アナタース型でもルチル型でも光触媒活性があれば良い。粒径
は1nmから数mmである。また、形状は粉末でも薄膜でも良い。例えば、プラズマ処理
や窒素雰囲気中で焼成することなどにより酸素欠陥を発生させることで可視光化した二酸
化チタンでも良いし、金属化合物由来の金属イオンがドープされた酸化チタンでも良い。
更には、アパタイトや不活性セラミックスが被覆された二酸化チタンの複合材料でも良い
本発明において、カルシウムシリケート系セメントとしては、カルシウムシリケート、
カルシウムアルミネートシリケート、カルシウムマグネシウムシリケートが用いられる。
これらは、水硬性材料であり、かつ臭いなどの吸着機能にすぐれる。カルシウムシリケー
ト、カルシウムアルミネートシリケート、カルシウムマグネシウムシリケートなどのカル
シウムシリケート材料は、以下のようにして調製できる。
カルシウム成分として、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウムなど、マグ
ネシウム成分として、酸化マグネシウムや炭酸マグネシウム、アルミニウム成分として、
酸化アルミニウム、シリコン成分として、シリカなどを所定の組成で混合する。これらと
して、好適には、例えば、ディオプサイド(CaOMgO2 SiO2 )、オケルマナイト
(2CaO・MgO・2SiO2 )、エーライト(3CaO・SiO2 )、ビーライト(
2CaO・SiO2 )、アノーサイト(CaO・Al23 ・2SiO2 )組成などの焼
結セラミックス粉体が例示されるが、これらに限らず、カルシウムシリケート系材料であ
れば何でもよい。結晶質材料でもガラス質材料でもよいが、ガラス質材料の方が硬化時間
が短く接着力も強いので好ましい。更に好ましくはアケルマナイトが硬化速度が速く好ま
しい。
結晶質材料とガラス質材料は、所望の組成になるように、CaCO3 、MgO、SiO
2 などを秤量し、混合する。これを電気炉で所定の温度で加熱し、結晶質材料やガラス質
材料を得る。これを粉砕して、水溶液やアルコール溶液に縣濁したり、水溶液やアルコー
ル溶液、酸等に溶かして溶液とする。この溶液を、基体に塗布し、水と反応させることに
より水和反応を起こし、CaO−SiO2 −H2 O水和物を生成させる。水和物は、塗布
面と接着し、両者を結合する。また、水和物同士も接着するため、膜として強固な接着力
が得られる。
二酸化チタンと複合化する場合には、以下のようにする。この溶液に、二酸化チタンを
混合することでその表面に水硬性材料を点在させるようにする。この溶液を塗布し、水と
反応させることにより水和反応を起こし、CaO−SiO2 −H2 O水和物を生成させる
。水和物は、二酸化チタンと接着すると同時に塗布面とも接着し、両者を結合する。また
、水和物同士も接着するため、膜として強固な接着力が得られる。水和反応を早く進行さ
せるためには、リン酸アンモニウムなどの硬化剤を、塗布する直前に加えても良いし、塗
布面にあらかじめ塗っておいても良いし、塗布後に吹き付けても良い。
本発明において、リン酸カルシウム系セメントとしては、好適には、リン酸八カルシウ
ムが用いられる。リン酸カルシウムを使用する場合は、最も好ましくは、リン酸八カルシ
ウムを二酸化チタンの表面に析出し、これを水解させ、別の結晶に転化させることで接着
しても良い。リン酸八カルシウムを被覆するには、リンとカルシウムイオンを含む溶液中
、特に、リン酸カルシウムクラスターを含む水溶液中に、二酸化チタンを漬けることによ
り行われる。
リン酸カルシウムは、最小単位として、Ca9 (PO46 を1個以上含有する。Ca
9 (PO46 のみが集合して構成されても良いし、OHやF、Clなどを同時に含有し
ても良い。Caは一部がCr、Fe等他の金属でも良いし、Pも一部がTi、Al等でも
良い。結晶質でも良いし、非晶質でも良い。結晶質の場合は、アパタイトやリン酸3カル
シウム、リン酸8カルシウム等のリン酸カルシウム結晶でも良い。アパタイトは、水酸ア
パタイトやフッ化アパタイト等である。
Ca9 (PO46 が一個以上からなる化合物の大きさは、0.01nmから50ミク
ロンmが好ましい。更に好ましくは、0.1nmから10ミクロンmである。二酸化チタ
ンの表面の1〜99%がCa9 (PO46 が一個以上からなる化合物で覆われているこ
とが好ましい。
このCa9 (PO46 が一個以上からなる化合物は、少なくともリンとカルシウムを
含む液中から生成させたものが最も好ましい。すなわち、液の組成を制御することでクラ
スターであるCa9 (PO46 が生成し、これが集合して化合物が生成する。液中に、
二酸化チタン粉末を縣濁したり浸漬しておけば、その表面にCa9 (PO46 が一個以
上からなる化合物が付着する。それは1個でも良いし、複数個でも良い。複数個の場合は
、非晶質や結晶質のCa9 (PO46 が一個以上からなる化合物が生成する。それは、
アパタイトやリン酸3カルシウム等であるが、基本的には何でも良い。Ca9 (PO4
6 は、物質、細菌やウイルス、アルデヒド類、アンモニア等の有害物質の吸着性に優れる
また、液中に何も入れなければ、溶液中に生成したクラスターCa9 (PO46 が集
合して化合物が生成する。液としては、例えば、Na、K、Cl、Ca、P、Mg、Zn
等のイオンを含むものが良い。特にPHが7−8のものが良く、PHが7.2から7.6
が好ましい。浸漬は0.1秒から10分程度行う。
Ca9 (PO46 が一個以上からなる化合物の形態は、特に限定されるものではなく
、種々の形態が可能である。例えば、Ca9 (PO46 が一個以上からなる化合物が層
状であっても良いし、微細片状や、微細粒状であっても良い。これらの、生成したCa9
(PO46 が一個以上からなる化合物は、光触媒機能を有する。通常、光触媒活性は2
50nm以下の光を照射することで生じる。したがって、生活の場で考えられる太陽光や
蛍光灯の光では活性化しないために、通常は、繊維や紙、樹脂などの有機物と混合しても
これらを分解することはない。また、上記化合物は、細菌やウイルス、アルデヒド類やア
ンモニアなどの臭いの成分や化学物質過敏症の原因になる化学物質を大量に吸着すること
ができるので、光が当たらなくても、これら有害な物質を吸着して環境浄化やセルフクリ
ーニング効果を得ることができる。
本発明において、水硬性を有する材料を、基体に付着させる方法は、いかなる方法でも
良い。粉末をそのまま吹き付けても良いが、水等に溶かして塗布することが好ましい。水
和反応の結果、強固な膜が得られる。膜が固化するのは水分が蒸発するまでの二時間程度
であるが、水和反応の特徴として、反応はその後も持続し、強度は増加し続ける。
本発明の複合材料は、適宜の構造部材の表面に形成することが可能であり、例えば、外
壁や自動車や車両などの外部に塗布すれば、大気中の油分などにより汚れが付着すること
を防止することができ、いつまでも汚れることなく使用を続けることができる。特に、夜
間やトンネル内、光の当たらない場所では、本発明によらないと効果は全く得られない。
本発明による水硬性材料の一部は、細菌やウイルス、化学物質等を吸着する機能を持つ。
本発明において、上記複合材料を表面に形成した構造部材としては、例えば、これらを
塗布した壁紙、建材、天井材、床材、ソファー、テーブル、いす、障子、ふすま、ドア、
家庭電化製品、本棚などの家具に用いられる紙、繊維、樹脂、木材、セラミックス、金属
からなる建築物の内装材や、タイル、木材、金属、セラミックス、樹脂製等の外装材、自
家用車やタクシー、バス等の自動車や列車、飛行機、船などの車両の内部のいすや床材、
網棚等の繊維や樹脂、紙、タイル等のセラミックス、金属、木材、更に、繊維や樹脂、紙
、タイル等のセラミックス、金属、木材などの外装材、人工植物、造花が例示され、これ
らは、環境浄化やセルフクリーニングに効果がある。
本発明の複合材料を構造部材の表面に形成する方法としては、例えば、有機系バインダ
ーや無機系バインダーなどに混合して塗布すれば、付着力は更にに強力になる。バインダ
ーの接着力と水硬性材料の接着力が同時に得られ、その結果、今までになく機能や接着性
の優れた環境浄化材料が得られる。通常、二酸化チタンは、有機系のバインダーに混合す
るとバインダー自身を分解してしまうため変色したり、ぼろぼろになってしまうが、水硬
性材料が被覆された二酸化チタンでは二酸化チタンとバインダーが、直接、接しないため
、有機系バインダーを用いてもこれらの問題がない。
塗料成分としては、公知の水系あるいは溶剤系の有機塗料又は無機塗料の如何なるもの
をも用いることができる。塗料組成物には、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、凍結安定剤
、湿潤剤、顔料、水溶性樹脂、浸透助剤などの公知の添加剤を配合しても良い。塗料組成
物の塗装対象物への塗布は、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレー等の通
常の方法により行うことができる。本発明の塗料組成物によれば、得られる塗料塗膜は、
油分や水分の付着によっても黄ばみを生じたり、劣化したりすることが非常に少なくなり
、優れた耐久性と美観保持が得られる。
本発明は、光触媒機能を有する水硬性複合材料及びその製造方法に係るものであり、本
発明により、1)物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能などの複合化された機
能を有する水硬性複合材料を提供することができる、2)自己硬化性、自己接着性をもち
、バインダーを用いることなく塗布するだけで固化、定着、及び接着する複合材料が得ら
れる、3)カルシウムシリケート系セメント、リン酸カルシウム系セメントを用いた新素
材を提供することができる、4)上記水硬性複合材料を表面に形成した構造部材を提供す
ることができる、等の効果が奏される。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。以下において、部とは特に断りのない限り重量部を表す。
(水和試験)
試料粉末に水を加え練和したものを3×4×5mmの金型に充填し、37℃、相対湿度
100%の恒温器中に保持して水和反応させた、試験開始から20h後に試料を取り出し
、硬化状況を観察した。水和試験前後の走査型電子顕微鏡観察(以下、SEMと記す;S
−800、日立) 及びXRD、比表面積、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(以下、FT
−IRと記す) の測定を行った。比表面積は窒素吸着によるBET法(モノソーブ、カン
タクローメ) により測定した。また、カロリメーターにより水和発熱曲線を測定した。測
定は、37℃で、45h行なった。試料粉末2gに対し、水100mlを加え、攪拌し、
1h放置した後の濾液について化学分析を行なった。溶出イオンの組成分析にはICP発
光分光分析(以下、ICPとする) を用いた。試料粉末に水を加え練和し、これを直径6
mm高さ10mmの金型に充填し、そのまま温度37℃で相対湿度100%の恒温器中で
水和反応させ、3h及び6h後に取り出し、圧縮強度を測定した。
凝固試験JIS T 6602歯科用リン酸亜鉛セメントに準じて凝固時間を測定した
。まず、以下のようにして、標準ちょう度を決定した。練板の上に0.5mlの硬化液を
取り、適当量の粉末試料を加えて、練和したもの0.5mlを取った。練和を開始したと
きから3min後に、質量20gのガラス板を載せ、その上に質量約100gのおもりを
静かに載せ、練和を開始したときから10minを経過したとき、おもり及びガラス板を
取り除き、広がった試料の平行切線間の最大部及び最小部の寸法を測定した。その平均が
29−31mmとなったとき、これを、標準ちょう度とした。次に、以下のようにして、
凝固時間を測定した。粉末試料を硬化液で標準ちょう度に練和し、内径10mm、高さ5
mmの型に満たし、37℃、相対湿度100%の恒温器に入れ、随時取り出して、質量3
00gのビカー針を試験片の面に静かに落とし針後がつくかどうかを調べた。試験片に針
跡を残さなくなったときを、練和開始時から起算して凝固時間とした。硬化液は、水、生
理食塩水、リン酸アンモニウム水溶液((NH4 )2HPO4 −3.7mol/l)、を
用いた。
比較例1
(アパタイトの調製と効果)
塩化カルシウム(10mg/ml)水溶液25mgを、水溶液10cc(塩化ナトリウ
ム8000mg、塩化カリウム200mg、リン酸一水素ナトリウム1150mg、リン
酸二水素カリウム200mg)に混合した後、二酸化チタン(テイカ製)と24時間反応
させた。このようにして、アパタイトを得た。これをガラスに約10ミクロンの厚さにな
るよう塗布し、放置した。膜は全く固化せず、指で触れると剥げ落ちた。
(リン酸八カルシウムの調製と効果)
塩化カルシウム(100mg/ml)水溶液25mgを、水溶液10cc(塩化ナトリ
ウム80000mg、塩化カリウム2000mg、リン酸一水素ナトリウム11500m
g、リン酸二水素カリウム2000mg)に混合した後、5秒間反応させた。その後、直
ちに、一リットルの水を入れて反応を止めた。このようにして、リン酸八カルシウムを得
た。これを、ガラスに約10ミクロンの厚さになるよう塗布し、放置した。2時間後、膜
は強固に形成された。膜乾燥後のリン酸カルシウムは、アパタイト結晶であった。この膜
を室内の壁紙に塗ったところ、2.5ppmあったホルムアルデヒドが、5時間後に0.
5ppmに減少した。凝固時間を測定したところ、90分後に凝固していた。
(有機物質除去率)
無機塗料塗膜が形成されたアルミナ基板を、プラスチック製容器中に入れ、この容器内
に、所定量のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、アンモニア等を注入し、10Wのブ
ラックライトを30分間照射し、ガスクロマトグラフィーを用いて、アセトアルデヒドの
除去率を求めた。本実施例の粉末を分光光度計により全波長の吸収スペクトルを測定した
。その結果、本実施例の粉末では、250nm以下で吸収があり、この広い領域で光活性
があることが分かった(図1のUV−(a))。これに対して、市販のアパタイト粉末は
、全く吸収がなかった(図1のUV−(b))。
塩化カルシウム水溶液に、硝酸亜鉛1mg/mlを1mg添加して使用した他は、実施
例1と同様にして膜を形成した。同じように強固な膜が得られた。ここで生成した結晶も
アパタイトであったが、300nm以下の光に反応する光触媒活性のあるアパタイトであ
った。これをアクリル樹脂に5%添加して室内に放置したところ、樹脂は変色等の変化は
なかった。しかし、300nmの光を5時間照射すると変色した。この膜を室内の壁紙に
塗ったところ、1.5ppmあったアンモニアが、5時間後に0.0ppmに減少した。
塩化カルシウム水溶液に硝酸亜鉛500mg/mlを1mg添加して使用した他は、実
施例1と同様にして膜を形成した。同じように強固な膜が得られた。ここで生成した結晶
もアパタイトであったが、350nm以下の光に反応する光触媒活性のあるアパタイトで
あった。これをアクリル樹脂に5%添加して室内に放置したところ、樹脂は変色等の変化
はなかった。しかし、350nm以下の光を5時間照射すると変色した。この膜を室内の
壁紙に塗ったところ、1個/リットルあった浮遊細菌が0個/リットルに減少した。また
、この膜を塗った食品容器(ポリスチレン製)に餅やパンを入れて一週間室内に放置した
ところ、全くカビが生えなかった。御飯についても大腸菌は当初2000個であったもの
が1週間後0になっていた。普通の容器では、3日後にカビが生え、大腸菌は10万個以
上であった。
(リン酸八カルシウムで一部被覆された光触媒の調製)
アナターゼ型可視光酸化チタン(テイカ(株)製)2gを、塩化カルシウム(100m
g/ml)水溶液25mgと混合した。これを水溶液10cc(塩化ナトリウム8000
0mg、塩化カリウム2000mg、リン酸一水素ナトリウム11500mg、リン酸二
水素カリウム2000mg)に混合した後、5秒間反応させた。その後、直ちに、一リッ
トルの水を入れて反応を止めた。このようにして、酸化チタン粒子表面の一部(約2%:
電子顕微鏡観察による)がリン酸八カルシウムで被覆された光触媒を得た。この膜をガラ
スや外壁に塗ったところ、防汚効果を示し、室内の壁紙に塗ったところ、2.5ppmあ
ったホルムアルデヒドが、2時間後に0.5ppmに減少した。この効果は1ヶ月後も持
続し、半永久的に使用可能であった。凝固時間を測定したところ、120分後に凝固して
いた。ビルの外壁及び自家用車のボディに塗布したところ、半年後、本実施例のものでは
塗布面の汚れがほとんどなかった。
塩化カルシウム水溶液に硝酸亜鉛1mg/mlを1mg添加して使用した他は、実施例
2と同様にして膜を形成した。同じように強固な膜が得られた。ここで生成した結晶もア
パタイトであったが、250nm以下の光に反応する光触媒活性のあるアパタイトであっ
た。これをアクリル樹脂に5%添加して室内に放置したところ、樹脂は変色等の変化はな
かった。しかし、250nmの光を5時間照射すると変色した。この膜をガラスや外壁に
塗ったところ、防汚効果を示し、室内の壁紙に塗ったところ、1.5ppmあったアンモ
ニアが、2時間後に0.0ppmに減少した。この効果は1ヶ月後も持続し、半永久的に
使用可能であった。
塩化カルシウム水溶液に硝酸亜鉛500mg/mlを1mg添加して使用した他は、実
施例2と同様にして膜を形成した。同じように強固な膜が得られた。ここで生成した結晶
もアパタイトであったが、350nm以下の光に反応する光触媒活性のあるアパタイトで
あった。これをアクリル樹脂に5%添加して室内に放置したところ、樹脂は変色等の変化
はなかった。しかし、350nm以下の光を5時間照射したところ、変色した。この膜を
ガラスや外壁に塗ったところ、防汚効果を示し、室内の壁紙に塗ったところ、1個/リッ
トルあった浮遊細菌が0個/リットルに減少した。また、この膜を塗った食品容器(ポリ
スチレン製)に餅やパンを入れて一週間室内に放置したところ、全くカビが生えなかった
。御飯についても大腸菌は当初2000個であったものが1週間後0になっていた。普通
の容器では3日後にカビが生え、大腸菌は10万個以上であった。この効果は1ヶ月後も
持続し、半永久的に使用可能であった。
(カルシウムシリケート系溶液の作製)
結晶質材料とガラス質材料を作製した。ディオプサイド(CaOMgO2 SiO2 )、
オケルマナイト(2CaO・MgO・2SiO2 )組成になるように、特級試薬のCaC
3 、MgO、SiO2 (純正化学社) を秤量し、湿式でボールミルで混合し、配合材と
した。この配合材を用い、結晶質材料は、固相反応法で作製した。すなわち、配合材を、
電気炉で、オケルマナイトは1400℃で、ディオプサイドは1350℃で、それぞれ、
30min焼成後、炉外で放冷し、作製した。ガラス質材料は、配合材を白金製のルツボ
に入れ、電気炉で、2CaO・MgO・2SiO2 組成は1500℃、CaO・MgO・
2SiO2 組成は1400℃でそれぞれ30min溶融後、水中に流しだして急冷し、作
製した。得られた試料は、350メッシュ全通まで粉砕した。
2CaO・MgO・2SiO2 組成では、固相反応法により作製した材料(以下、AK
と記す) は、オケルマナイト単一相であった。ガラス質材料(以下、AK−Gと記す) で
は、ほぼ非晶質と思われた(図2、(a))。CaO・MgO・2SiO2 組成では、材
料(以下、DIと記す) は、ディオプサイドのみが析出していた。また、ガラス質材料(
以下、DI−Gと記す) では、非晶質と推定された(図2、(c))。
(水和反応性)
水和試験後、固相反応法により作製した結晶質材料は、DI、AKとも壊れないように
金型から取り出すことはできず、硬化していないことが分かった。水和試験前後で新たな
生成物は見られず、粒子が凝集しているのみであった。両者とも水和試験後の比表面積値
は試験前の5倍以上になっていた。水和試験により新たな生成物が析出し、比表面積値が
大きくなっていた。AK−Gは、水和試験後の試料は、原形を保持したまま金型から取り
出すことができ、硬化していることが分かった(図2、(b))。更に、水中で30mi
n超音波分散処理したが、崩壊は見られず、白濁も全くなかった。DIやAKに比べて水
和が進んでいた。水和反応によると考えられる注水直後の一次発熱ピークと約2時間後の
二次発熱ピークが観察された(図3、(a):AK−Gの発熱、(b):DI−Gの発熱
)。
XRDパターンから、AK−G(水和後)では、水和試験後に薄板状のCaO−SiO
2 −H2 O(以下、C−S−Hとする) が生成していた(図2、(b))。SEM写真で
は、粒子の表面に小さな薄板状の生成物が多量に析出していた。この薄板状の析出物は、
形状の特徴やXRD結果からC−S−Hであると考えられた。比表面積値は、水和試験後
は試験前の20倍以上になっていた。比表面積値が増加したのは、水和反応によりC−S
−Hが生成したためと考えられた。
DI−Gでも水和反応により硬化が認められた。しかし、AK−Gに比べ水硬性は弱い
と想定された。水和試験後の試料は原形を保持したまま金型から取り出すことができた。
水中で30分間超音波分散処理したところ、試料の崩壊は見られなかったが、水が白濁し
た。水が白濁したのは十分に硬化していないためと思われた。ICPにより分析した溶出
Ca、Mgイオンの量は、それぞれ、0.24、0.07mg/gであった。水和発熱曲
線では注水直後の一次発熱ピークのみが観察された(図3、(b))。しかし、30時間
以降にゆるやかな発熱が始まっており、測定範囲外である45時間以降に二次発熱ピーク
が存在するものと予想できる。
XRDパターンから、DI−G(水和後)では粒子表面にC−S−H膜が生成していた
(図2、(d))。XRDパターンでは、水和試験前に認められた30°(2θ) 前後の
ハローが、水和試験後は弱くなった。SEM写真では、粒子表面が溶解した痕跡が見られ
た。以上の結果から、粒子の表面でC−S−H膜の生成が起こっていると思われた。これ
は、C−S−Hが薄板状の結晶に成長する前の状態であると考えられる。そのため、XR
Dでは、明瞭にC−S−Hが検出できなかったと言える。比表面積値は水和試験により2
0倍以上になっていた。これは、生成したC−S−Hが低結晶性のため表面積が大きいた
めと思われた。
(圧縮強度)
AK−Gでは、水和試験3hで10MPa、6hで27MPaの圧縮強度が得られた。
DI−Gでは、強度が小さく測定不能であった。
(凝固時間)
各硬化液による凝固時間を測定したところ、水及び生理食塩液を硬化液とした場合は、
AK、DI、DI−Gでは、いずれも3時間経過後、AK−Gでは、90分後に凝固して
いた。リン酸アンモニウムを用いた時には、結晶質材料のDI、AKでは、それぞれ、6
分、4分で凝固した。ガラス質材料のDI−G、AK−Gは、瞬結した。このように、リ
ン酸アンモニウムを硬化液とすることで、いずれの試料も顕著な凝固反応を示した。
実施例7で得られた粉末を、二酸化チタン粉末(テイカ社製、20nm)と混合し、水
と混練りした。これを塗布し、1時間経過させた。その結果、強固な酸化チタンとシリケ
ートの複合膜が得られた。凝固時間や水和反応は、実施例7と同様であった。ニオイの成
分をよく吸着し、これを光触媒が分解した。その結果、3.0ppmのアンモニアを1時
間で処理することができた。本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、
他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、前述の実施例は、あらゆる点で
単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に
属する変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
以上詳述したように、本発明は、光触媒機能を有する水硬性複合材料及びその製造方法
に係るものであり、本発明により、1)物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能
などの複合化された機能を有する水硬性複合材料を提供することができる。2)自己硬化
性、自己接着性をもち、バインダーを用いることなく塗布するだけで固化、定着、及び接
着する複合材料が得られる。3)カルシウムシリケート系セメント、リン酸カルシウム系
セメントを用いた新素材を提供することができる。4)上記水硬性複合材料を表面に形成
した構造部材を提供することができる。
図1は、実施例1の粉末及び市販のアパタイトの分光光度計による全波長の吸収スペクトルを示す(UV−(a):実施例1の粉末、UV−(b):市販のアパタイト粉末)。 図2は、水硬性複合材料のXRDパターンを示す((a):AK−G、(b):AK−G(水和後)、(c):DI−G、(d):DI−G(水和後))。 図3は、注水直後の一次発熱ピークと約2時間後の二次発熱ピークを示す。

Claims (4)

  1. 物質吸着機能、調湿機能、及び/又は光触媒機能を有する水硬性複合材料であ、水硬性を有する材料のカルシウムシリケート系セメントを水の存在下で水和反応を起こして生成させた水和物の接着力により基体の表面の一部だけに付着硬化させ、形成された膜により、付着面に固化・固着、及び自己接着させた水硬性複合材料であって、
    1)基体が、調湿材料、又は光触媒であること、
    2)水硬性を有する材料のカルシウムシリケート系セメントが、カルシウムマグネシウムシリケートのディオプサイド又はオケルマナイトを主成分とすること、
    を特徴とする水硬性複合材料。
  2. 水硬性を有する材料を、酸化チタン光触媒粒子の表面の一部に被覆し、水和反応により光触媒粒子を水硬性材料を介して接合したことを特徴とする、請求項1記載の複合材料。
  3. ルシウムマグネシウムシリケートディオプサイド又はオケルマナイトが、ガラス質であることを特徴とする、請求項1記載の複合材料。
  4. 硬性を有する材料を懸濁もしくは溶解した溶液を、酸化チタン光触媒と混合することにより水硬性複合材料製造する方法であって、
    1)酸化チタン光触媒を、水硬性のカルシウムシリケート系セメントの水和反応による水和物膜をその接着力により酸化チタン光触媒の表面の一部に付着させることにより硬化させ、付着面に固化・固着、及び自己接着させること、
    2)上記カルシウムシリケート系セメントとして、ガラス質の水硬性ディオプサイド又はオケルマナイトを表面に付着させること、
    を特徴とする水硬性複合材料の製造方法。
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