JPH11246787A - 建材用塗膜、並びに該塗膜を形成するための塗料組成物及び該塗膜の形成方法 - Google Patents

建材用塗膜、並びに該塗膜を形成するための塗料組成物及び該塗膜の形成方法

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JPH11246787A
JPH11246787A JP35353198A JP35353198A JPH11246787A JP H11246787 A JPH11246787 A JP H11246787A JP 35353198 A JP35353198 A JP 35353198A JP 35353198 A JP35353198 A JP 35353198A JP H11246787 A JPH11246787 A JP H11246787A
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Toshio Adachi
利夫 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料自体が本来有する耐水性、耐候性、意匠
性、隠蔽性を維持しつつ、抗菌、防汚、消臭機能を半永
久的に発揮できる塗膜、該塗膜を従来より簡単で安価に
形成することができる建材用塗料組成物及び該塗膜の形
成方法、並びに該塗膜が形成された建材を提供する。 【解決手段】 光触媒活性を有する酸化チタン微粒子が
分散されたシリカの膜であって、且つ多孔質構造を有し
ている塗膜。アルカリ金属珪酸塩水溶液、光触媒活性を
有する酸化チタン微粒子、及び二酸化炭素を発生する発
泡剤を含有する塗料組成物の使用;又は発泡剤に代えて
二酸化炭素を吹き込みつつ塗装し、加熱乾燥させた後、
水洗することにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度、耐候性、
防火性、意匠性、耐久性、抗菌性、消臭性、防汚染性が
要求される建築材料に用いられる塗膜、及び該塗膜を形
成するのに用いられる塗料組成物、塗膜形成方法、及び
該塗膜が形成された建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅内外壁、ビル外壁、屋根材等の建築
材用の塗料には、その用途から、耐火性、耐水性、耐候
性、意匠性、耐久性が求められる。さらに最近では、特
に内装材において、抗菌性、消臭性、防汚性などの多様
な要求までなされるようになってきている。すなわち、
建材、特に内装材においては、住人の衛生的観念の向上
から抗菌性、殺菌性、防カビ性が求められ、煙草のヤニ
等による所謂黄変化防止やニコチン臭などの消臭機能ま
でもが求められるようになってきた。
【0003】このような要求に答えるために、銀イオン
や銅イオン等の抗菌剤あるいは活性炭やシクロデキスト
リン等の吸着剤を含有した塗料を用いたり、塗膜表面に
これらをトップコートすることにより、必要に応じた機
能を付与することが考えられる。しかし、これらの抗菌
剤を大量に含有させると塗膜の物性が低下し、またこれ
らの吸着剤は汚染物質等を吸着するのに伴って消臭、防
汚染機能が低下することになる等の理由から、その効果
の持続性について問題がある。このため、建築材のよう
に長期間に亘ってその要求が求められるものに使用する
塗料としては不適切である。
【0004】近年、半永久的に消臭機能、殺菌機能を付
与できるものとして、化学的に安定な光触媒としての酸
化チタンの利用が考えられている。光触媒としての酸化
チタンは、光エネルギーを化学エネルギーに変換して、
悪臭成分や汚れ成分を分解、無害化しようとするもの
で、その効果は光が存在する限り、半永久的に得ること
ができると期待されている。そこで、このような光触媒
活性を有する酸化チタンを含有することにより、半永久
的に抗菌、消臭、防汚機能を発揮できる塗料、塗膜が検
討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化チタン
は、その触媒機能故に、樹脂塗膜を分解してしまうとい
う問題がある。酸化チタンによる塗膜の分解作用は、塗
膜の強度、硬度、耐水性、耐候性等の物性低下を招くた
め、抗菌、防汚、消臭機能等を保持しているにも拘わら
ず、塗膜の耐久性を確保できなくなってしまう。
【0006】光触媒によっても分解されないような塗膜
として、シリカのような無機系塗膜構成成分を用いるこ
とが提案されている。光触媒活性を有する無機質塗膜を
形成する具体的方法としては、TiO2 粒子とシリカ
の粒子とを含む懸濁液を塗布後、加熱してTiO2 粒子
及びシリカ粒子の焼結被膜を形成する方法;水ガラス
のようなアルカリ金属珪酸塩水溶液にTiO2 粒子を分
散させてなる懸濁液を塗布後、加熱して、脱水縮合させ
ることにより、酸化チタン粒子が分散されたシリカの塗
膜を形成する方法;テトラアルコキシシランにTiO
2 粒子を分散させてなる懸濁液を塗布後、加熱して、脱
水縮合させることにより、酸化チタン粒子が分散された
シリカの塗膜を形成する方法が挙げられる。
【0007】のような方法では、焼結被膜を形成する
ために加熱温度を600℃以上にしなければならず、建
材用の大型の基材表面に塗膜を形成する方法としてはコ
ストアップの原因となる。特に、工場等で大量生産され
る場合でなく、現地で塗膜を形成する場合(既に建築物
に組み込まれた壁材等に塗工する場合など)には、この
ような高温を使用することはできない。また、プラスチ
ック基材のように、高温で軟化、劣化を引き起こす基材
に対しては適用できない。このため、酸化チタンを含む
シリカの塗膜を低温で形成する方法が望まれている。
【0008】の脱水縮合の方法では、100℃程度
の加熱で塗膜を形成することが可能である。しかし、
の方法で形成される塗膜中には、アルカリ金属が残存し
ているため耐水性に劣り、またアルカリ金属が光触媒活
性を阻害するという問題がある。
【0009】さらに、のように低温で形成される膜
は焼結膜に比して強度的に不十分なため、衝撃に弱く、
クラックが発生しやすいという問題がある。つまり、シ
リカ塗膜のような無機質塗膜は樹脂塗膜と比べて可撓性
が劣っているため、基材がセメント板やプラスチック板
のように空気中の湿度変化、吸水や乾燥による膨潤、収
縮の寸法変化が大きい場合に、その寸法変化に追随でき
ず、少しの衝撃でクラックが発生してしまう。特に、厚
み数十μm程度の塗膜では、焼成により膜を形成した
後、常温にまで冷却したときに生ずる熱歪みによって塗
膜にひびが入ってしまうこともある。塗膜の厚みが数μ
m程度の場合には、熱歪みで生ずる程度の基材の変形に
追随できるので、塗膜を薄くすることによって耐クラッ
ク性を確保すればよいと考えられる。しかし、基材が金
属板やセメント板のような建材の場合、意匠性の観点か
ら基材が見えない程度にまで隠蔽性を有している必要が
あり、隠蔽性確保のためには塗膜の厚みを数十μm以上
にしなければならない。つまり、隠蔽性という要求の下
では、薄膜化により可撓性を確保するという方法は、無
機系塗膜の耐クラック性付与の根本的な解決方法とはな
らない。
【0010】さらに、数十μm以上のぶ厚い塗膜になる
と、塗膜内部に含まれている酸化チタン粒子が光触媒と
して十分に機能しないため、塗膜全体としては十分量の
酸化チタンを含有させているにも拘わらず、期待してい
た程の消臭、殺菌、防汚性能が得られないという問題も
ある。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、塗料自体が本
来有する耐水性、耐候性、意匠性、隠蔽性を維持しつ
つ、抗菌、防汚、消臭機能を半永久的に発揮できる塗
膜、該塗膜を従来より簡単で安価に形成することができ
る建材用塗料組成物及び該塗膜の形成方法、並びに該塗
膜が形成された建材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の建材用塗膜は、
光触媒活性を有する酸化チタン微粒子が分散されたシリ
カの膜であって、且つ多孔質構造を有していることを特
徴とする。厚みが20μm以上であることが好ましい。
【0013】本発明の建材用塗料組成物(請求項3に係
る塗料組成物)は、アルカリ金属珪酸塩水溶液、光触媒
活性を有する酸化チタン微粒子、及び二酸化炭素を発生
する発泡剤を含有することを特徴とする。表面にOH基
を有するSiO2 微粒子を含有、あるいはSiO2 微粒
子及びアルコキシシランを含有することが好ましい。
【0014】また本発明の他の建材用塗料(請求項6に
係る塗料組成物)は、テトラアルコキシシラン、光触媒
活性を有する酸化チタン微粒子、及び発泡剤を含有する
ことを特徴とする。前記発泡剤は、N2 又はCO2 ガス
発生化合物であることが好ましい。
【0015】上記本発明の建材用塗料組成物には、硬化
触媒として、多価金属の酸化物、多価金属の水酸化物、
及び多価金属と無機酸との塩からなる群より選ばれる少
なくとも1種を含有することが好ましく、さらに無機酸
の銀塩及び/又は銅塩を含有することが好ましい。
【0016】本発明の塗膜を形成する第1の方法(第1
塗膜形成方法)は、アルカリ金属珪酸塩及び光触媒活性
を有する酸化チタン微粒子を含む建材用塗料を二酸化炭
素を吹き込みつつ塗装し、加熱乾燥させた後、水洗する
ことを特徴とする。
【0017】本発明の塗膜を形成する第2の方法は(第
2塗膜形成方法)は、請求項3に係る塗料組成物を用い
る方法で、塗布し、加熱乾燥させた後、水洗することを
特徴とする。
【0018】本発明の塗膜を形成する第3の方法(第3
塗膜形成方法)は、請求項6に係る塗料組成物を用いる
方法で、塗布後、加熱乾燥することを特徴とする。
【0019】本発明の建材は、基材に本発明の塗膜が形
成されたもので、前記塗膜は下地処理された基材に形成
されていてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る建材用塗膜は、光触
媒活性を有する酸化チタン微粒子が分散されたシリカの
膜であって、且つ多孔質構造を有しているものである。
【0021】ここで、光触媒活性を有する酸化チタンと
は、具体的にはアナターゼ型、ルチル型の結晶性酸化チ
タンをいい、これらのうちアナターゼ型の純度99%以
上の高純度酸化チタン微粒子が自己浄化、抗菌という光
触媒活性が強いので好ましく用いられ、特に粒径10μ
m以下、比表面積200g/m2 以上のグレードの酸化
チタンが好ましく用いられる。
【0022】このような酸化チタンは、光励起に十分な
光を当てることにより(例えば、アナターゼ型では波長
380nm以下の光、ルチル型では400nm程度の
光)、励起されて電子と正孔ができ、この電子及び正孔
が酸化チタン表面に吸着された物質と反応して光触媒反
応を起こす。つまり、太陽光、室内照明器具から発せら
れる紫外光を吸収して励起されて電子と正孔を生じ、こ
の発生した電子の還元反応又は正孔による酸化反応によ
り、塗膜に吸着された汚染成分や悪臭成分が分解、酸化
された結果、無害化される。具体的には、触媒表面に吸
着されている水分が正孔によって酸化されると、酸化力
の高いヒドロキシラジカルが生じ、このヒドロキシラジ
カルが有機化合物と反応し、有機化合物は最終的に無害
な二酸化炭素と水になる。従って、室内の悪臭を消臭す
る消臭脱臭性、汚れや煙草のニコチン等が付着しても黄
変化等することなく元の状態に戻ることができる所謂セ
ルフクリーニング作用を有する防汚性、殺菌性を発揮で
きる。尚、触媒表面に吸着している水分は、空気中の湿
気であったり、励起により発生した電子が空気中の酸素
を還元して生じたスーパーオキサイドアニオンが変化し
て生じる水であったりする。
【0023】上記シリカの膜とは、シロキサン結合が3
次元網状化してなるシロキサンポリマーを塗膜構成要素
の主体とするもので、後述するように、アルカリ金属珪
酸塩又はテトラアルコキシシランからイオン交換により
生じたシラノールの脱水縮合により形成される。光触媒
活性を有する酸化チタンは、シロキサン結合で形成され
る網状構造の中に分散されることになるが、シリカは酸
化チタンの光触媒ち作用によっては分解されずに済むの
で、塗膜の劣化を招くことはない。
【0024】本発明の塗膜は、塗膜の厚み以下の微細孔
が多数開設された多孔質構造を有している。塗膜の多孔
質構造における好ましい微細孔サイズは、肉眼では判別
できないような微小孔で、且つ防汚性、消臭性を発揮で
きるように汚染物質が塗膜の微小孔内に付着できる程度
であり、具体的には細孔径が0.1〜20μm程度、好
ましくは0.1〜10μm程度、より好ましくは0.5
〜10μm程度である。このような多数の微細孔を有す
る多孔質構造故に、低温で焼成したガラス質塗膜である
にも拘わらず、耐衝撃性を有している。つまり、厚みが
数十μm以上のガラス質塗膜は熱膨張率が小さいため、
基材との熱膨張率の差異からクラックを生じ易いが、微
細孔がこれらの膨張率の差を吸収緩和することができる
ので、肉眼で判別できるような大きなクラックの発生を
阻止できる。また、形成される塗膜が塗膜表層に連通す
る連続気泡タイプの多孔質構造の場合、悪臭成分や汚染
成分は、塗膜の表層部だけでなく、微細孔にまで進入す
ることができる。一方、塗膜内部に存在する酸化チタン
は微細孔により塗膜外部に露出することになる。このよ
うに微細孔により表面が露出できる酸化チタンと、微細
孔にまで進入してきた汚染物質等が接触し、酸化チタン
の光触媒機能により、分解除去されることになる。
【0025】よって、多孔質構造を有する本発明の建材
用塗膜は、塗膜表面に露出している酸化チタンだけでな
く塗膜内部の酸化チタンも同様に触媒機能を発揮できる
ので、隠蔽性確保のために数十μmの膜厚を有する場合
でも、基材の膨張収縮に追随できる耐クラック性を有
し、しかも酸化チタンの含有量に見合った防汚機能、消
臭機能、抗菌機能を発揮することができる。
【0026】次に、以上のような構成を有する本発明の
建材用塗膜の形成方法について説明する。
【0027】本発明に係る塗膜形成方法の第1の方法
は、アルカリ金属珪酸塩水溶液及び光触媒活性を有する
酸化チタン微粒子を含む建材用塗料組成物(以下、「第
1塗料組成物」ということがある)に二酸化炭素を吹き
込みつつ塗装し、加熱乾燥させた後、水洗することを特
徴とする。
【0028】第1塗料組成物に用いられるアルカリ金属
珪酸塩とは、塗膜形成要素であるシリカを供給するもの
で、一般式xM2 O・ySiO2 で示される化合物であ
り、アルカリ金属珪酸塩水溶液としては、その水和塩で
ある一般式xM2 O・ySiO2 ・zH2 Oで表される
(式中、Mはアルカリ金属、x、y、zは1〜5の整数
で同一又は異なっていてもよい)。具体的には、3Na
2 O・SiO2 、2Na2 O・SiO2 、Na2 O・S
iO2 、Na2 O・2SiO2 等又はこれらの混合物な
どの珪酸ナトリウム;2Li2 O・SiO2 、Li2
・SiO2 、Li2 O・2SiO2 等などの珪酸リチウ
ム;K2 O・SiO2 、K2 O・2SiO2 、K2 O・
4SiO2 等又はこれらの混合物などの珪酸カリウムの
水溶液がが挙げられ、これらのうち、密着性、経済性、
造膜性の点から、珪酸ナトリウム水溶液が好ましく用い
られる。
【0029】このようなアルカリ金属珪酸塩は、アルカ
リ金属と水素イオンとがイオン交換してシラノール基を
生じ、このシラノール基が脱水縮合反応してシロキサン
結合を生成し、硬化塗膜を形成することができる。
【0030】第1塗料組成物に用いられる酸化チタン
は、本発明の塗膜に含まれる光触媒活性を有する酸化チ
タンで、具体的にはアナターゼ型、ルチル型の結晶性酸
化チタンをいい、好ましくは光触媒活性が高いアナター
ゼ型の純度99%以上の高純度酸価チタン微粒子、より
好ましくは粒径10μm以下、比表面積200g/m2
以上のグレードの酸化チタンが用いられる。
【0031】かかる酸化チタンは、微粒子の状態で直接
塗料組成物に添加配合してもよいし、予め水又はイソプ
ロパノール、エタノール等の親水性溶媒に分散させた分
散液の状態で配合してもよい。酸化チタンの配合割合
は、塗膜の密着性、表面硬度、耐候性、防火性、抗菌
性、消臭性、防汚性が発揮されるためには、固形分換算
で、塗膜形成要素(アルカリ金属珪酸塩、但し後述する
SiO2 粒子及びテトラアルコキシシランを含有する場
合にはアルカリ金属珪酸塩及びこれらの総重量をいい、
充填剤として後述の表面改質SiO2 粒子を含有する場
合にはアルカリ金属珪酸塩と表面改質SiO2 粒子の総
重量をいう)100重量部に対し30〜100重量部が
好ましい。
【0032】以上のような構成を有する第1塗料組成物
を基材に塗布する方法は、特に限定せず、従来より公知
の塗装方法であるスプレー、刷毛塗り、ロールコート、
ディッピング等を採用することができる。但し、第1塗
料組成物の塗布は、二酸化炭素を吹き込みながら行な
う。塗装時に二酸化炭素を混合させる方法としては特に
限定しないが、スプレー塗装用の圧力気体として二酸化
炭素を用いる方法が便利で経済的である。
【0033】塗布後、硬化乾燥する。乾燥硬化工程は、
アルカリ金属珪酸塩水溶液の珪酸部分がシロキサン結合
を形成できる温度であればよく、具体的には60℃から
150℃程度の温度範囲で行なえばよい。本発明の塗料
はかかる温度域で十分塗膜を形成することができ、この
程度の焼成であれば、基材の劣化、軟化等の影響を及ぼ
すことがなくて済むからである。また、この程度の温度
域では、乾燥条件;酸化チタン、シリカ等の塗料中に含
まれる微粒子の粒子径の選定等により、多孔質構造の微
細孔サイズをコントロールできるからである。一方、1
50℃を超えると、強度的に優れた硬質塗膜を得ること
ができる反面、塗膜形成のためのエネルギーコストが高
くなり、基材に対する影響も大きく、さらにはシロキサ
ン結合による架橋密度が高くなって微細孔の形成が困難
となる。
【0034】硬化乾燥工程では、アルカリ金属珪酸塩か
らアルカリ金属と分離して生成された珪酸ゾルが乾燥に
より水分が除去されることにより凝集して、シロキサン
結合を形成する。一方、アルカリ金属は、塗装時に吹き
込まれた二酸化炭素と反応して炭酸塩となる。つまり、
硬化乾燥工程で、アルカリ金属珪酸塩は水不溶性のシリ
カ部分と水可溶性のアルカリ金属炭酸塩とに分離した硬
化塗膜が形成される。この段階で形成される塗膜は、ア
ルカリ金属が水溶性の炭酸塩として残存したままである
ため、耐水性が劣り、焼結に到らないような低温焼成で
は塗膜を分解してしまうことがあり、また塗膜中のアル
カリ金属が光触媒活性を阻害することもあるが、次の水
洗工程によってこのような問題は解決される。
【0035】水洗によるアルカリ金属炭酸塩の溶出除去
は、弱酸性水の散水と回転ブラシによる方法又はシャワ
リング洗浄等の簡単な設備を用いる方法で実施すること
ができる。このような水洗工程において、水溶性のアル
カリ金属炭酸塩は硬化塗膜から除去され、水不溶性のシ
リカ部分だけが残る。水溶性のアルカリ金属が除去され
てなるシリカ塗膜は、塗膜の耐水性が向上しただけでな
く、光触媒の阻害成分が取り除かれているので光触媒活
性が十分に発揮できる塗膜となっている。そして、得ら
れたシリカ膜は、水溶性のアルカリ金属炭酸塩部分が空
孔となった多孔質構造の塗膜となり、耐クラック性が付
与される。
【0036】次に本発明の塗膜形成方法の第2の方法に
ついて説明する。第2塗膜形成方法は、塗装中に二酸化
炭素を吹き込む代わりに、二酸化炭素を発生する発泡剤
を含有した塗料組成物を用いる方法である。つまり、第
2の塗膜形成方法に用いる塗料組成物(以下、「第2塗
料組成物」という)は、第1塗料組成物に発泡剤を含有
させたものであり、アルカリ金属珪酸塩水溶液、光触媒
活性を有する酸化チタン微粒子、及び二酸化炭素を発生
する発泡剤を必須成分として含有している。
【0037】第2塗料組成物に用いられるアルカリ金属
珪酸塩水溶液、及び光触媒活性を有する酸化チタン微粒
子は、第1塗料組成物で用いたものと同様のものを用い
ることができる。
【0038】発泡剤としては、二酸化炭素を発生する発
泡剤であれば特に限定しないが、具体的には炭酸アンモ
ニウムや重炭酸ソーダが挙げられ、好ましくは重炭酸ソ
ーダが用いられる。第2塗料組成物における発泡剤の含
有量は、アルカリ金属珪酸塩100重量部に対し、2〜
20重量部であることが好ましい。
【0039】第2塗料組成物は、上記必須成分(アルカ
リ金属珪酸塩、光触媒活性を有する酸化チタン、二酸化
炭素を発生する発泡剤)の他に、必要に応じて以下のよ
うな成分を含有してもよい。尚、以下の成分は、第1塗
料組成物においても同様に、必要に応じて添加してもよ
い。
【0040】まずはコロイダルシリカ等のシリカ微粒子
を含有することが好ましい。コロイダルシリカは、アル
カリ金属珪酸塩中のSiO2 と同様に塗膜成分として働
くことができるので、コロイダルシリカを用いることに
より、第1の塗料中に含まれるアルカリ金属珪酸塩の含
有量を減らすことが可能となる。このことは、アルカリ
金属珪酸塩に基づくアルカリ金属量を減らすことになる
ので、アルカリ金属除去のための洗浄作業を簡単にでき
るという効果が得られる。また、第1又は第2塗料組成
物におけるコロイダルシリカとアルカリ金属珪酸塩の配
合比率を調整することによって、形成される塗膜の空孔
サイズを調整することもできる。尚、コロイダルシリカ
は、シラン処理したものを用いることが好ましい。シラ
ン処理したコロイダルシリカは、pH変化に対しても、
良好な分散性を有するからである。
【0041】そしてコロイダルシリカを含有する場合に
は、シランアルコキシドを含有することが好ましい。ア
ルカリ金属珪酸塩とコロイダルシリカは相溶性が不十分
であるために、塗料中でコロイダルシリカが凝集しやす
く、均一分散させることが困難であるが、シランアルコ
キシドを共存させることによりコロイダルシリカを安定
に分散させることができるからである。ここで用いられ
るシランアルコキシドは、下記一般式で表されるシラン
化合物であり、 R1 mSi(OR2n (式中、R1 は同一又は異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基、不飽和脂肪酸残基、
又は炭素鎖に直結した官能基を表し、R2 は同一又は異
なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基若しくは
アシル基を表す。m、nはいずれも1以上の整数で且つ
m+n=4を満足する。)具体的には、メチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランなどのトリアルコキシ
シランが好ましく用いられる。
【0042】また形成される塗膜の抗菌性、消臭性、防
汚性の機能を一段と高めるために、硝酸銀、硫酸銀、塩
化銀、硝酸銅、硫酸銅、臭化銅等の無機酸の銀塩又は銅
塩を、1種又は2種以上含有することが好ましい。これ
らの銀塩又は銅塩は、イオンの状態で塗膜に保持される
ため、前述の酸化チタンの光触媒作用による抗菌性、消
臭性、防汚性の機能を一段と高めることができる。また
銀塩又は銅塩は、これ自体単独で空気中の酸素と反応し
てパーオキサイドラジカルを生成し、この活性酸素が抗
菌機能、消臭機能を発揮するので、かかる意味で、抗菌
性、消臭性が向上すると言える。このような金属塩は、
水溶液又は親水性溶媒に溶解させた溶液として、塗料に
配合することが好ましい。
【0043】このような銀塩又は銅塩の配合割合は、固
形分換算で、塗膜構成成分及び酸化チタンの総量100
重量部に対し、銀塩又は銅塩総量で0.5〜20重量部
の範囲が好適である。0.5重量部未満では酸化チタン
に対する相乗効果が弱く、20重量部を超えると、塗膜
構成成分及び酸化チタンの配合割合が低下し、塗膜の硬
度、耐候性、耐水性等の物性が低下する原因になるとと
もに、コスト高にもなるからである。
【0044】さらにアルカリ金属珪酸塩の加水分解によ
り生じたヒドロキシシラン化合物のシラノール基の脱水
縮合反応を触媒する硬化触媒を配合することが好まし
い。硬化触媒は、塗料の硬化を促進する働きがあるとと
もに、得られる塗膜の耐水性、耐薬品性等を向上させる
働きがあるからである。本発明に用いられる硬化触媒と
しては、、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、
亜鉛、ジルコニウム等の多価金属の酸価物、水酸化物、
フッ化物、炭酸塩、リン酸塩、具体的には酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、酸化アルミニウム等の多価金属酸化
物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の多価
金属水酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、等の多価
金属炭酸塩;リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム
等の多価金属リン酸塩;珪フッ化亜鉛等のフッ化物;リ
ン酸アンモニウム等のアンモニウム塩などの化合物が挙
げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併
用することができる。
【0045】かかる硬化触媒の配合量は、塗料組成物1
00重量部に対し、5〜20重量部で塗膜の短時間硬化
が可能となる。このような硬化触媒は、塗料のポットラ
イフとの関係から、塗装直前に配合することが好まし
い。
【0046】塗料組成物には、さらに多孔質塗膜中に形
成される気泡の微細化のために、発泡剤とともに整泡剤
である非イオン系の界面活性剤を少量含有することが好
ましい。
【0047】本発明で用いられる界面活性剤の例として
は、ポリシロキサン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキサイ
ド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
物等が挙げられる。これらの整泡剤は、アルカリ金属珪
酸塩100重量部に対し、整泡剤0.5〜3重量部とな
る範囲で、セルカイズ及び発泡剤の含有量に応じて含有
することが好ましい。
【0048】塗料組成物には、さらに必要に応じて、充
填剤、顔料、分散剤などを含有することができる。
【0049】上記充填剤としては、二酸化ケイ素の粉末
を用いることが好ましい。特に、必須成分の他にコロイ
ダルシリカ、シランアルコキシドを含有していない場合
の充填剤として好ましい。充填剤として用いられるSi
2 粉末の形状、種類は特に限定しないが、表面にOH
基を有するように変性改質されたSiO2 微粒子(以下
「表面改質SiO2 粒子」という)を用いることが好ま
しい。表面改質SiO 2 粒子は、表面に結合したOH基
がシラノール基として作用できるので、アルカリ金属珪
酸塩から形成されるシリカ塗膜との結びつきが強固とな
り、塗膜の一部を形成する場合もある。ここで、表面改
質SiO2 粒子とは、SiO2 粒子の表面に多数のOH
基が結合したもので、SiO粉末を加熱水又はメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の親水性溶媒に分
散しながら、ボールミルなどで摩砕することにより得ら
れる。
【0050】他の充填剤としては、例えば、アルミナ、
ガラス粉末、マイカ、水酸化アルミニウム、無機繊維な
どが挙げられ、必要に応じて適宜用いることができる。
【0051】本発明に用いられる顔料としては、コバル
トブルー、赤ベンガラ、黄ベンガラ、マンガンバイオレ
ット、フタロシアニンブルー等の無機系、有機系の顔料
が挙げられ、分散剤としては、ピロリン酸ナトリウム、
ピロリン酸カリウム等のピロリン酸のアルカリ金属塩等
が挙げられる。
【0052】塗料組成物は、以上の化合物を所定割合だ
け配合し、一般塗料の製造の場合と同様に、ロールミ
ル、ボールミル等で分散させて製造することができる。
塗料構成成分は、全て同時に添加配合してもよいが、硬
化触媒を含む場合は、硬化触媒は使用直前に混合するこ
とが好ましい。硬化触媒が含まれていると、硬化反応を
開始して塗料のポットライフが短くなるからである。ま
た、整泡剤、発泡剤は、塗料を調製する段階で添加して
もよいが、貯蔵性及び塗装作業性の観点から、塗装直前
又は塗装時に混合することが好ましい。
【0053】以上のような構成を有する第2塗料組成物
を用いて塗膜を形成する方法(第2塗膜形成方法)は、
塗布工程において二酸化炭素を吹き込む必要がない他
は、乾燥硬化工程、水洗工程は第1の塗膜形成方法と同
様である。
【0054】ここで塗布工程は、第1塗膜形成方法と同
様に、従来より公知の塗装方法であるスプレー、刷毛塗
り、ロールコート、ディッピング等を採用することがで
きるが、スプレー法の場合には、圧力気体として二酸化
炭素を混合しない空気を用いることができる。
【0055】乾燥硬化工程は、第1塗膜形成方法と同様
に150℃程度以下の温度範囲で行なえばよいが、発泡
剤が分解して二酸化炭素を発生できる温度以上でなけれ
ばならない。つまり、乾燥硬化工程において、アルカリ
金属珪酸塩の硬化反応、すなわちアルカリ金属珪酸塩か
らシラノール基を生成し、脱水縮合によりシロキサンポ
リマーを形成する反応が進行する中で、発泡剤から二酸
化炭素が発生することによりアルカリ金属炭酸塩が形成
されるからである。ここで、生成されるアルカリ金属の
炭酸塩は水溶性であるから、第1塗膜形成方法と同様
に、次の水洗工程で水不溶性のシリカ塗膜から分離除去
されて、多孔質構造のシリカ塗膜が得られる。
【0056】尚、水洗工程は、アルカリ金属の除去とい
う意義があるため十分に行なう必要があるが、塗膜構成
成分の一部がコロイダルシリカ及びシランアルコキシド
で代用されている場合には、アルカリ金属珪酸塩の含有
量が減少した分だけ水洗工程を簡略化できる。
【0057】次に、本発明の塗膜形成方法の第3の方法
について説明する。第3塗膜形成方法は、第2塗膜形成
方法において、塗膜形成要素としてアルカリ金属珪酸塩
に代えて塗膜形成要素としてテトラアルコキシシランを
用いた塗料組成物(以下、「第3塗料組成物」)を用い
る方法である。つまり、第3の塗膜形成方法に用いる第
3塗料組成物は、テトラアルコキシシラン、光触媒活性
を有する酸化チタン微粒子、及び発泡剤を必須成分とし
て含有する。
【0058】第3塗料組成物に含有されるテトラアルコ
キシシランは、一般式 Si(OR34 式中、R3 は同一又は異なっていてもよく、水素原子、
炭素数1〜8の置換又は非置換の炭化水素基を示す。例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル
基、トリル基、2−フェニルエチル基等のアリール基、
メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル
基等の置換炭化水素基などが挙げられる。これらのうち
入手の容易性から、炭素数1〜4のアルキル基が好まし
く、好ましいテトラアルコキシシランとしては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン、テトライソプロポキシシランである。この
ようなテトラアルコキシシランは、アルコキシ基が水素
イオンとイオン交換してシラノールを形成し、ついで脱
水縮合によりシロキサン結合を生成して硬化塗膜を形成
することができる。
【0059】第3塗料組成物に用いられる光触媒活性を
有する酸化チタンとは、本発明の第1又は第2塗料組成
物で用いた酸化チタンと同様である。すなわちアナター
ゼ型又はルチル型の結晶性酸化チタンであり、好ましい
態様も同様である。また、酸化チタンの含有量は、第1
又は第2塗料組成物の場合と同様で、塗膜形成要素であ
るテトラアルコキシシラン100重量部に対し30〜1
00重量部が好ましい。
【0060】第3塗料組成物に用いられる発泡剤は、二
酸化炭素を発生する発泡剤に限定されず、窒素ガスを発
生する発泡剤であってもよい。塗膜形成要素としてテト
ラアルコキシシランを用いた場合には、アルカリ金属珪
酸塩のようにアルカリ金属を炭酸塩に変換して除去する
必要がないからである。窒素ガスを発生する発泡剤とし
ては、塗料の乾燥硬化温度である150℃未満で分解し
て発泡するアゾ化合物を用いることができる。発泡剤の
含有量は、テトラアルコキシシラン100重量部に対
し、2〜20重量部となるように含有することが好まし
い。また、加熱により発泡膨張するようなマイクロスフ
ィア型の発泡剤を用いてもよく、この場合、酸化チタン
をマイクロスフィアの表面に接着しておいてもよい。
【0061】第3塗料組成物には、上記必須成分(テト
ラアルコキシシラン、酸化チタン、発泡剤)の他に、さ
らに硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、硝酸銅、硫酸銅、臭化銅
等の無機酸の銀塩又は銅塩を、1種又は2種以上含有す
ることが好ましい。第1塗料組成物の場合と同様に、こ
れらは酸化チタンの光触媒作用による抗菌性、消臭性、
防汚性の機能を一段と高めることができるからである。
このような銀塩又は銅塩の配合割合は、第1塗料組成物
と同様の理由から、固形分換算で、テトラアルコキシシ
ラン及び酸化チタンの総量100重量部に対し、銀塩又
は銅塩総量で0.5〜20重量部の範囲が好適である。
【0062】また第3塗料組成物には、シラン化合物の
加水分解により生じたヒドロキシシラン化合物のシラノ
ール基の脱水縮合反応を触媒する硬化触媒を配合するこ
とが好ましい。好適な硬化触媒としては、第1又は第2
塗料組成物で用いられる硬化触媒と同様のものを使用す
ることができ、また含有量も第1又は第2塗料組成物と
同様の理由から同程度の量が好ましい。
【0063】さらに第3塗料組成物についても、第1又
は第2塗料組成物と同様の理由から、整泡剤である非イ
オン系の界面活性剤を含有してもよく、また必要に応じ
て充填剤、顔料、分散剤などを含有することができる。
使用することができる充填剤、顔料、分散剤は、第1又
は第2塗料組成物で用いることができるものを使用する
ことができる。
【0064】以上のような構成を有する第3塗料組成物
を用いて塗膜を形成する方法(第3塗膜形成方法)は、
基材に塗装後、乾燥硬化する方法である。ここで、塗装
工程は、第1塗膜形成方法、第2塗膜形成方法と同様で
あり、乾燥硬化工程も第1塗装方法、第2塗装方法と同
様に行なえばよい。但し、焼成温度は、塗膜形成要素で
あるテトラアルコキシシラン、及び発泡剤の種類に応じ
て適宜選択する。
【0065】乾燥硬化工程では、テトラアルコキシシラ
ンがシラノールとなり、脱水縮合して酸化チタンが分散
したシリカ膜が形成されるとともに、発泡剤から二酸化
炭素又は窒素ガスが放出されることにより連通気孔タイ
プの多孔質構造が形成される。とまり、硬化乾燥工程に
おいて、既に多孔質構造が形成されるので、第1塗膜形
成方法及び第2塗膜形成方法で必須工程であった水洗工
程はかならずしも行なう必要はない。テトラアルコキシ
シランを塗膜構成要素として用いる場合には、塗膜の耐
水性を低下させ、光触媒機能を阻害する原因となるアル
カリ金属除去という必要がないからである。
【0066】本発明の建材は、上記第1〜第3の塗膜形
成方法のいずれかにより、基材に本発明の塗膜を形成し
たものである。
【0067】ここで、基材としては、塗膜形成時の焼成
温度がそれ程の高温でないことから、金属板、セメント
板、プラスチック板などいずれを用いることができ、ま
た多孔質、非多孔質を問わない。但し、塗膜はガラス質
で不燃性であるから、不燃性用途の建材である金属材
料、窯業材料、無機質材料を用いることがより効果的で
ある。具体的には、石綿セメント板、パーライト保温
板、ALC板、GRC板等のセメント板;ガラス繊維、
ガラスウール、ロックウール、金属繊維、カーボンファ
イバー等の無機繊維を主成分とした硬質無機板や無機繊
維クロス;金属パネル等を挙げることができる。
【0068】これらの基材は、必要に応じてプライマ
ー、シーラー、サーフェーサー、パテ等の下地処理剤で
予め下地処理をしておいてもよい。下地処理剤の適宜選
択により、基材とガラス質塗膜の密着性を向上させるこ
とができ、凹凸ある基材表面を平滑化して、硬質なガラ
ス質塗膜の基材に対する界面濡れ性を向上させることが
できる。
【0069】このような基材に形成される塗膜は、前述
の本発明に係る塗膜である。塗膜の厚みは、20〜20
0μmとすることが好ましい。意匠性を満足できるよう
に基材表面を隠蔽するためには、この程度の膜厚が必要
だからである。尚、所定膜厚の塗膜を形成するに際して
は、1回の塗装で形成してもよいし、2、3回に分けて
重ね塗りにより所定膜厚としてもよい。複数回に分けて
重ね塗りすることにより多層構造となって、基材にまで
連通するような多孔質構造ではなくなるが、1回でぶ厚
いガラス質の膜を形成するよりも、耐衝撃性に優れた塗
膜を形成することができるからである。
【0070】本発明に係る建材は、本発明に係る建材用
塗膜が形成されているので、塗膜形成要素たるシリカな
わちシロキサン結合により3次元網状化した硬質のガラ
ス質塗膜に基づいて、高硬度で、耐火性、耐候性、耐水
性に優れ、また塗膜中に分散された光触媒活性を有する
酸化チタンに基づいて消臭性、殺菌性、防汚性を半永久
的に発揮でき、しかも多孔質構造に基づいて、耐クラッ
ク性を有し、さらには酸化チタン含有量に見合った光触
媒活性(消臭性、殺菌性、防汚性)を有する。
【0071】
【実施例】〔評価方法〕 表面硬度 JIS K5400の鉛筆硬度試験に準拠して評価し
た。
【0072】耐沸騰水性 実施例で作成した不燃性建材を沸騰水中に2時間浸漬さ
せた。浸漬後、取り出した不燃性建材の塗膜状態を目視
で観察し、浸漬前の塗膜状態と比べて、「○」(変化が
認められない)、「△」(僅かに光沢が変化してい
る)、「×」(光沢の変色が著しい)の3段階で評価し
た。
【0073】耐候性 JIS A 1415に準じて評価した。すなわち、実
施例で作製した建材の塗膜に、サンシャインウェザーメ
ーターで1000時間照射した。照射後の塗膜状態を目
視で観察し、照射前の塗膜状態と比べて、「○」(変化
が認められない)、「△」(僅かに光沢が変化してい
る)、「×」(光沢の変色が著しく、クラック、膨れ、
剥離が認められる)の3段階で評価した。
【0074】密着性 実施例で作製した建材の塗膜面に、カッターで2mm×
2mmの桝目を100個作った。桝目が形成された塗膜
面に粘着テープを貼付した後、瞬間的に引き剥がした。
塗膜の桝目の状態により、「○」(桝目が全くはがれて
いない)、「×」(桝目が1個以上剥がれている)の2
段階で評価した。
【0075】不燃性 JIS A1321の難燃1級(基材試験と表面燃焼試
験)で評価した。
【0076】抗菌性 実施例で作製した建材をカットして50mm×50mm
の試験体を作製し、この試験体の塗膜面に、MRSA、
大腸菌、又は黄色ブドウ球菌を培養した培養液を滴下
し、25℃で6時間保存し、保存後の生菌数を測定し
た。尚、滴下量は、菌数1〜5×105 となる程度の量
とした。
【0077】消臭性 実施例で作製した建材をカットして50mm×50mm
の試験体を作製し、塗膜面以外をアルミシールで覆っ
た。当該試験体について、アンモニア臭、ホルマリン
臭、たばこ臭の各悪臭に対する消臭性について評価し
た。
【0078】a)アンモニア臭 10mm×10mmにカットしたろ紙に1Nアンモニア
水溶液を含浸し、時計皿に乗せた。ろ紙を乗せた時計皿
を、上記試験体とともに、10.6lのデシケーターに
入れて、6時間放置した。放置後、デシケータにおける
アンモニア吸収量を検知管で測定した。試験体を入れず
に放置した場合の吸収量を基準として、試験体を入れた
場合の吸収量の減少量から試験体の吸収率を算出した。
吸収率に応じて、「◎」(吸収率90%超)、「○」
(吸収率80〜90%)、「△」(吸収率80%未満)
の3段階で評価した。
【0079】b)ホルマリン臭 アンモニア水溶液に代えてホルマリン溶液を含浸させた
以外は、アンモニア臭の場合と同様にして、評価した。
【0080】c)タバコ臭 10.6lのデシケーターに、上記試験体と、点火した
タバコを1本入れた。60分後にデシケータの蓋を開け
て、タバコ臭の有無を確認した。
【0081】防汚性 JIS A5703に準拠して評価した。すなわち、実
施例で作製した試験体の塗膜面の3個所に、ブルーブラ
ックインキ0.5ccを滴下した後、24時間放置し
た。放置後、石鹸水でインキを拭き取った後の塗膜面を
目視で観察した。インキ滴下前の塗膜状態と比べて、
「○」(光沢が変化しない)、「△」(僅かに光沢が変
化している)、「×」(光沢変化、変色等が認められ
た)の3段階で評価した。
【0082】実施例1: 4号珪酸ソーダ(30%水溶液)100重量部、純度9
9%のアナターゼ型微粒子酸化チタン40重量部、シリ
カ微粉末20重量部、ピロリン酸ナトリウム2重量部、
セロソルブ系溶媒3重量部、ヒマシ油エチレンオキサイ
ド付加物の界面活性剤3重量部、水100重量部をボー
ルミルに仕込み、10時間撹拌して、A液を調製した。
【0083】次に、酸性コロイダルシリカ(日産化学社
製の「スノーテックス0」)100重量部に、メチルト
リメトキシシラン10重量部を攪拌しながら徐々に滴下
した。更に、1時間攪拌して加水分解させた後、5%N
aOH水溶液を添加して、pH11に調整してB液とし
た。
【0084】A液:B液を3:1に配合してなる塗料組
成物を、二酸化炭素:空気を3:1の割合で噴射するス
プレー装置を用いて、塗料組成物に二酸化炭素を吹き込
みつつスプレー塗装し、50℃で10分間、120℃で
10分間乾燥硬化させた。基材として珪酸カルシウム板
を使用し、厚み100μmの塗膜を形成した。
【0085】続いて、回転ブラシを用いて塗膜を水洗浄
することによりアルカリ金属炭酸塩を溶出除去し、12
0℃で10分間再乾燥した。得られた塗膜は、肉眼で判
別できるようなクラックは認められないが、平均孔径
0.5μmの連続気泡を有する多孔質構造を有してい
た。
【0086】このようにして製造した建材について、上
記評価方法により、表面硬度、耐沸騰水性、耐候性、密
着性、不燃性、抗菌性、消臭性、防汚性を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0087】比較例;4号珪酸ソーダに代えて、アミン
シリケートを用いてA′液を調製した。A′液と上記実
施例1で調製したB液を3:1の割合で混合し、二酸化
炭素を含まない空気だけを噴射するスプレー装置を用い
て、実施例1と同様にして膜厚100μmの塗膜を珪酸
カルシウム板上に形成した。得られた塗膜は、肉眼でも
判別できるような大きなクラックが発生しており、また
基材からも一部剥離していた。
【0088】このようにして製造した建材について、上
記評価方法により、表面硬度、耐沸騰水性、耐候性、密
着性、不燃性、抗菌性、消臭性、防汚性を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1からわかるように、実施例1の方法に
よれば厚膜のガラス質塗膜を形成できたのに対し、比較
例では実用に耐え得るような厚膜を形成することができ
なかった。すなわち、密着性に劣り、また肉眼でも認識
できるようなクラックが生じたために耐候性も劣ること
となった。
【0091】また、酸化チタンを同程度の量だけ含有し
ているにも拘わらず、微細孔が多数形成された多孔質構
造の実施例1の方が、耐候性、消臭性、防汚性の点で優
れていた。
【0092】実施例2:4号珪酸ソーダ(30%水溶
液)100重量部、純度99%のアナターゼ型微粒子酸
化チタン50重量部、シリカ微粉末20重量部、ピロリ
ン酸ナトリウム2重量部、セロソルブ系溶媒3重量部、
ヒマシ油エチレンオキサイド付加物の界面活性剤3重量
部、水90重量部をボールミルに仕込み、10時間撹拌
してこれらの化合物を分散させることによりA液を調製
した。
【0093】次に、酸化亜鉛20重量部、リン酸アルミ
ニウム10重量部、ピロリン酸ナトリウム2重量部、セ
ロソルブ系溶媒3重量部、水90重量部をボールミルに
仕込み、10時間撹拌して分散させ、C液を調製した。
【0094】A液:C液を3:1に配合してなる塗料組
成物を、二酸化炭素:空気を3:1の割合で噴射するス
プレー装置を用いて、塗料組成物に二酸化炭素を吹き込
みつつ、基材(珪酸カルシウム板)の表面にスプレー塗
装し、50℃で10分間、120℃で10分間乾燥硬化
させて、厚み100μmの塗膜を形成した。続いて、回
転ブラシを用いて塗膜を水洗浄することによりアルカリ
金属炭酸塩を溶出除去し、120℃の温度で10分間再
乾燥して、細孔径5μm以下の連続気泡を有する多孔質
構造の塗膜を形成した。
【0095】このようにして製造した建材について、上
記評価方法により、表面硬度、耐沸騰水性、耐候性、密
着性、不燃性、抗菌性、消臭性、防汚性を評価した。評
価結果を表2に示す。
【0096】実施例3:実施例2のA液において、さら
にエチレングリコールに溶解させた硝酸銀を固形分で5
重量部配合した以外は同様にしたA''液を調製した。こ
のA''液とC液を3:1に配合してなる塗料組成物を用
いて、実施例2と同様にして建材を製造した。
【0097】製造した建材について、下記評価方法によ
り、表面硬度、耐沸騰水性、耐候性、密着性、不燃性、
抗菌性、消臭性、防汚性を評価した。評価結果を表2に
示す。
【0098】
【表2】
【0099】表2からわかるように、得られた塗膜はい
ずれも高硬度で、耐沸騰水性、耐候性、密着性、耐火
性、抗菌性、消臭性、防汚性に優れていた。特に、硝酸
銀塩を含有する塗料の場合には(実施例3)、消臭性に
優れ、酸化チタンの働きがより向上していることがわか
る。
【0100】
【発明の効果】本発明の塗膜は、高硬度で耐火性、耐候
性、耐沸騰水性に優れ、しか多孔質構造を有しているの
で基材の膨張収縮に対しても追随でき、環境の変化に対
してもクラックなどが生じにくく、耐久性に優れてい
る。また、厚膜であるにも拘わらず、塗膜中に含まれる
酸化チタンの含有量に見合った抗菌、消臭、防汚作用を
半永久的に有効に発揮できる。
【0101】本発明の建材用塗料組成物は、低コストで
且つ容易に製造することができる。
【0102】さらに、本発明の塗膜形成方法によれば、
本発明に係る塗料を用いなくても、本発明の優れた特性
を有する塗膜を、低コストで且つ容易に形成することが
できる。
【0103】本発明の建材は、本発明の優れた塗膜が形
成されているので、耐火性、意匠性、耐水性、耐候性、
消臭性、抗菌性、防汚性が要求される建材として有用で
ある。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒活性を有する酸化チタン微粒子が
    分散されたシリカの膜であって、且つ多孔質構造を有し
    ていることを特徴とする建材用塗膜。
  2. 【請求項2】 厚みが20μm以上である請求項1に記
    載の建材用塗膜。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属珪酸塩水溶液、光触媒活性
    を有する酸化チタン微粒子、及び二酸化炭素を発生する
    発泡剤を含有することを特徴とする建材用塗料組成物。
  4. 【請求項4】 表面にOH基を有するSiO2 微粒子を
    含有している請求項3に記載の建材用塗料組成物。
  5. 【請求項5】 SiO2 微粒子及びアルコキシシランを
    含有している請求項3に記載の建材用塗料組成物。
  6. 【請求項6】 テトラアルコキシシラン、光触媒活性を
    有する酸化チタン微粒子、及び発泡剤を含有することを
    特徴とする建材用塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記発泡剤は、N2 又はCO2 ガス発生
    化合物である請求項6に記載の建材用塗料組成物。
  8. 【請求項8】 硬化触媒として、多価金属の酸化物、多
    価金属の水酸化物、及び多価金属と無機酸との塩からな
    る群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項3〜
    7のいずれかに記載の建材用塗料組成物。
  9. 【請求項9】 無機酸の銀塩及び/又は銅塩を含有する
    請求項3〜8のいずれかに記載の建材用塗料組成物。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属珪酸塩及び光触媒活性を
    有する酸化チタン微粒子を含む建材用塗料組成物を二酸
    化炭素を吹き込みつつ塗装し、加熱乾燥させた後、水洗
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜の形
    成方法。
  11. 【請求項11】 請求項3又は4に記載の塗料を塗布
    し、加熱乾燥させた後、水洗することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の塗膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の塗料を塗布後、加熱
    乾燥することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜
    の形成方法。
  13. 【請求項13】 基材表面に、請求項1又は2に記載さ
    れた塗膜が形成されている建材。
  14. 【請求項14】 前記塗膜は、下地処理された基材表面
    に形成されている請求項13に記載の建材。
JP35353198A 1997-12-16 1998-12-11 建材用塗膜、並びに該塗膜を形成するための塗料組成物及び該塗膜の形成方法 Withdrawn JPH11246787A (ja)

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