JP2009029920A - 抗菌性塗料、抗菌性塗料の製造方法、および電子機器筐体 - Google Patents

抗菌性塗料、抗菌性塗料の製造方法、および電子機器筐体 Download PDF

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正人 若村
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裕三 堀越
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Abstract

【課題】本発明は、抗菌性塗料の製造方法等に関し、紫外線照射下はもちろん、暗所及び室内でも抗菌性を発揮できる抗菌性塗料を容易に製造する。
【解決手段】合成樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAとを溶融混練することにより予備混練物Aを生成し、合成樹脂と抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを溶融混練することにより予備混練物Bを生成し、合成樹脂と、予備混練物Aと、上記予備混練物Bとを溶融混練することにより混練物を生成し、上記混練物を溶剤中に溶解させることにより抗菌性塗料を生成することにより、アパタイトA,Bのそれぞれの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下である抗菌性塗料を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抗菌性塗料、抗菌性塗料の製造方法、および抗菌性塗料による塗膜が形成された電子機器筐体に関する。
近年、酸化チタンの光触媒機能(酸化分解機能)を利用して、酸化チタンを抗菌剤、殺菌剤、脱臭剤、環境浄化剤等として使用することが行われている。しかし、酸化チタンそのものは、有機物をその表面に吸着する能力を有していないため、得られる酸化分解機能には限界がある。
最近では、酸化チタン等の半導体物質とカルシウムハイドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム系化合物とを組み合わせて、両者の特性を効果的に引き出すことができる製品の研究及び開発が行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
さらに、上記アパタイト中のカルシウムイオンの一部をチタンイオンと交換することにより、光触媒機能を有するカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCaTi(PO(OH)も開発されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。これにより、酸化チタンと同等の光触媒機能を有し、さらにアパタイトが有する特異的吸着特性によってその光触媒機能の効率を向上させることができる。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、特許文献7、特許文献8等がある。
特開2003−80078号公報 特開2003−321313号公報 特開2000−327315号公報 特開2001−302220号公報 特開2003−175338号公報 特開2003−334883号公報 特開平8−165216号公報 特開平9−132502号公報
しかし、上記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトでは、光触媒を励起するのに必要な光エネルギーは3.2eVであり、光の波長に換算すると約380nmとなる。従って、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを抗菌性塗料等に用いた場合は、紫外光の下では光触媒機能により抗菌性を発揮できるが、暗所や、紫外光がほとんど存在しない蛍光灯下の室内では抗菌性を発揮することができないという問題がある。従って、従来は室内での使用が主となる電子機器筐体等への抗菌性付与手段としてカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを用いた抗菌性塗料は使用されていない。
本発明は、上記問題を解決したもので、紫外線照射下はもちろん、暗所及び室内でも抗菌性を発揮できる抗菌性塗料を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の抗菌性塗料は、合成樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを含む抗菌性塗料であって、
アパタイトAの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であり、かつ、アパタイトBの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする。
ここで、上記アパタイトAは、光触媒機能を有する金属原子として、Ti、Zr及びWの中から選ばれる少なくとも一種の金属原子を含むものであることが好ましく、
上記アパタイトBは、抗菌機能を有する金属原子として、Au、Cu及びZnの中から選ばれる少なくとも一種の金属原子を含むものであることが好ましい。
また、本発明の抗菌性塗料において、上記アパタイトAの含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることが好ましく、また、
上記アパタイトBの含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることが好ましく、さらに、
上記アパタイトAと上記アパタイトBの合計含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して1.0重量%以上10.0重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の抗菌性塗料において、上記アパタイトAは、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部がTiで置換されているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトであることが好ましく、また、
上記アパタイトBは、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部にAgが付加されているカルシウム・銀ハイドロキシアパタイトであることがさらに好ましい。
また、上記目的を達成する本発明の抗菌性塗料の製造方法のうちの第1の製造方法は、 合成樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAとを溶融混練することにより、アパタイトAの粒子が溶融混練の過程で粒子どうしの衝突により粉砕されてなる予備混練物Aを生成する予備混練物A生成ステップと、
合成樹脂と、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを、溶融混練することにより、アパタイトBの粒子が溶融混練の過程で粒子どうしの衝突により粉砕されてなる予備混練物Bを生成する予備混練物B生成ステップと、
合成樹脂と、上記予備混練物A生成ステップで生成された予備混練物Aと、上記予備混練物B生成ステップで生成された予備混練物Bとを溶融混練することにより、合成樹脂中に、アパタイトAが、予備混練物A中のアパタイトAの含有濃度よりも低い含有濃度で分散するとともに、アパタイトBが、予備混練物B中のアパタイトBの含有濃度よりも低い含有濃度で分散した混練物を生成する混練物生成ステップと、
上記混練物生成ステップで生成された混練物を溶剤中に溶解させることにより抗菌性塗料を生成する塗料生成ステップとを有することを特徴とする。
ここで、本発明の抗菌性塗料の第1の製造方法において、上記予備混練物A生成ステップは、合成樹脂とアパタイトAとの合計量に対するアパタイトAの濃度を20wt%以上50wt%以下の範囲内に調整して、合成樹脂とアパタイトAとを溶融混練するステップであることが好ましく、また、上記予備混練物A生成ステップは、合成樹脂とアパタイトAとを溶融混練することにより、合成樹脂中に、体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下のアパタイトAが分散した予備混練物Aを生成するステップであることが好ましい。
また、これと同様に、本発明の抗菌性塗料の第1の製造方法において、上記予備混練物B生成ステップは、合成樹脂とアパタイトBとの合計量に対するアパタイトBの濃度を20wt%以上50wt%以下の範囲内に調整して、合成樹脂とアパタイトBとを溶融混練するステップであることが好ましく、また、上記予備混練物B生成ステップは、合成樹脂とアパタイトBとを溶融混練することにより、合成樹脂中に、体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下のアパタイトBが分散した予備混練物Bを生成するステップであることが好ましい。
また、本発明の抗菌性塗料の製造方法のうちの第2の製造方法は、合成樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを溶融混練することにより、アパタイトAおよびアパタイトBの粒子が溶融混練の過程で粒子どうしの衝突により粉砕されてなる予備混練物を生成する予備混練物生成ステップと、
合成樹脂と、上記予備混練物生成ステップで生成された予備混練物とを溶融混練することにより、合成樹脂中に、アパタイトAおよびアパタイトBのそれぞれが、上記予備混練物中のアパタイトAおよびアパタイトBの各含有濃度よりもそれぞれ低い含有濃度で分散した混練物を生成する混練物生成ステップと、
上記混練物生成ステップで生成された混練物を溶剤中に溶解させることにより抗菌性塗料を生成する塗料生成ステップとを有することを特徴とする。
ここで、本発明の抗菌性塗料の第2の製造方法において、上記予備混練物生成ステップは、合成樹脂とアパタイトAとアパタイトBとの合計量に対するアパタイトAとアパタイトBとの合計の濃度を20wt%以上50wt%以下の範囲内に調整して、合成樹脂とアパタイトAとアパタイトBとを溶融混練するステップであることが好ましく、また、上記予備混練物生成ステップは、合成樹脂とアパタイトAとアパタイトBとを溶融混練することにより、合成樹脂中に、体積平均粒径がいずれも0.1μm以上1.0μm以下のアパタイトAとアパタイトBが分散した予備混練物を生成するステップであることが好ましい。
さらに、本発明の電子機器筐体は、電子機器筐体本体と、上述した本発明の抗菌性塗料により電子機器筐体本体外面に形成された塗膜とを有することを特徴とする。
ここで、本発明の電子機器筐体において、上記塗膜が、3μm以上12μm以下の厚みを有することが好ましい。
本発明の抗菌性塗料は、合成樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを含み、かつ、アパタイトAおよびアパタイトBのそれぞれの体積平均粒子径がいずれも0.1〜1.0μmの塗料である。
本発明の抗菌性塗料は、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAを含むので、昼間や屋外等の紫外線照射下では、その光触媒機能により強い抗菌性を発揮し、さらに付着した細菌の死骸等の異物を水と二酸化炭素に分解することができるので、長期にわたって抗菌性の維持が可能となる。また、本発明の抗菌性塗料は、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBを含むので、紫外線照射量が少ない暗所及び室内においても抗菌性を発揮できる。
上記アパタイトAの含有量は、抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることが好ましい。アパタイトAの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、9.5重量%を超えると、塗料本来の外観性の維持が困難となる。また、0.5重量%未満では抗菌性の発揮が困難となる。また、同様に上記アパタイトBの含有量は、抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることが好ましい。アパタイトBの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、9.5重量%を超えると塗料本来の外観性の維持が困難となる。また、0.5重量%未満では抗菌性の発揮が困難となる。
また、上記アパタイトAと上記アパタイトBとの合計含有量は、抗菌性塗料の全重量に対して1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。アパタイトAとアパタイトBの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、両者の合計含有量が10重量%を超えると、塗料本来の外観性の維持が困難となる。また、1重量%未満では抗菌性の発揮が困難となる。
また、アパタイトAの1次粒子径は0.1μm程度であるが、会合しやすいため、通常、5μm程度の状態で塗料の樹脂中に分散している。本発明では、塗料中に分散している状態でのアパタイトAの体積平均粒子径を0.1〜1.0μmにすることにより、塗装の透過性を高め外観性を向上するとともに、アパタイトAの比表面積を拡大できることにより、光触媒効果を高めることができ、アパタイトAの混合量の低減が可能となる。
アパタイトAの体積平均粒子径が0.1μm以下では、1次粒子径以下となり、本来の光触媒機能がなくなる。また、アパタイトAの体積平均粒子径が1.0μm以上になると、光透過性が低下し、外観性が損なわれる。このため、アパタイトAの体積平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましい。
また、アパタイトBもアパタイトAと同様に、体積平均粒子径を0.1〜1.0μmにすることにより、塗装の透過性を高め外観性を向上するとともに、アパタイトBの比表面積を拡大できることにより、抗菌効果を高めることができ、アパタイトBの混合量の低減が可能となる。
アパタイトBの体積平均粒子径が0.1μm以下では、1次粒子径以下となり、本来の抗菌機能がなくなる。また、アパタイトBの体積平均粒子径が1.0μm以上になると、光透過性が低下し、外観性が損なわれる。
このため、アパタイトBの体積平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましい。
また、アパタイトAとアパタイトBを同時に体積平均粒子径を0.1〜1.0μmにすることにより、塗装の透過性を高め外観性を向上するとともに、アパタイトAとアパタイトBの比表面積を拡大できることにより、光触媒効果と抗菌効果を高めることができ、アパタイトAとアパタイトBの混合量の低減が可能となる。
上記アパタイトAは、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、燐酸三カルシウム、燐酸水素カルシウム等に含まれる金属原子を、光触媒機能を有する金属原子で置換したものである。また、上記アパタイトBは、上記アパタイトに抗菌機能を有する金属原子を付加したものである。
上記光触媒機能を有する金属原子としては、Ti、Zr及びWから選ばれる少なくとも1種の金属原子を用いることができる。特に、光触媒機能が大きいTiが最も好ましい。
上記アパタイトAとしては、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部がTiで置換されているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCaTi(PO(OH)が好ましい。このアパタイトは、光触媒機能が大きいからである。
上記抗菌機能を有する金属原子としては、Ag、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1種の金属原子を用いることができる。特に、抗菌機能が大きいAgが最も好ましい。
上記アパタイトBとしては、カルシウムハイドロキシアパタイトの一部にAgが付加されているカルシウム・銀ハイドロキシアパタイトCa10XAg(PO(OH)が好ましい。このアパタイトは、抗菌性が大きいからである。なお、上記化学式中のXは、任意の金属原子であり、例えば、Fe、Cr、Mn、Ni、Co等が該当する。
上記合成樹脂は特に限定されるものではなく、通常の塗料に使用される合成樹脂を用いることができる。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を使用できる。
次に、本発明の抗菌性塗料の製造方法について説明する。本発明の抗菌性塗料の製造方法は、上述した本発明の抗菌性塗料を実現するための方法である。
本発明の抗菌性塗料を実現するには、下記手法が有効であることを見いだした。具体的には下記の通りである。尚、ここではアパタイトAを取り挙げて説明する。
本発明の光触媒効果と外観性の維持を実現するには、アパタイトAの塗料中での分散粒子径を0.1〜1.0μmが好ましい。しかし、アパタイトAの1次粒子径は0.1μm程度と小さいが、会合しやすいため、通常、5μm程度の粒径の2次粒子の状態で存在している。
このため、通常の方法で塗料を製造すると、アパタイトAは5μm程度の粒径の状態で塗料中に分散することになる。
また、アパタイトAを粉砕・分級することにより0.1〜1.0μmの粒径に製造できるが、アパタイトAは会合しやすいため、粉砕・分級した直後に用いる必要があり、取扱いが不便であった。
そこで、本発明者らは、アパタイトAを予め塗料に用いる樹脂中に高濃度で混練し、分散させることにより、アパタイトAの粒径を小さくでき、アパタイトA粒子の会合を防止できた。実際の塗料の混練時には、上記アパタイトAが高濃度で分散した樹脂に上記アパタイトAが所望の濃度になるように樹脂を追加することにより、樹脂中に分散しているアパタイトAの平均粒子径が0.1〜1.0μmとなるようにした。
また、アパタイトAの粒径は混練時間とアパタイトAの濃度に依存し、混練時間が長いほど、また、アパタイトA濃度が高いほどアパタイトAの粒径は小さくなる傾向があった。
また、アパタイトA濃度が20wt%以下では、アパタイトAの量が少な過ぎるため、混練時にアパタイトA同士の衝突による粉砕が無くなるため、アパタイトAを小粒径化して分散する効果がほとんど現れなくなり、また、逆に、アパタイトA濃度を50wt%以上にするとバインダ樹脂の量が少なくバインダの役目が出来なくなるため、混練不可能になる。
以上、ここではアパタイトAを取り挙げて説明したが、アパタイトBについても同様であり、また、高濃度のアパタイトAと高濃度のアパタイトBの双方を同時に溶融混練する場合も同様である。
次に、本発明の電子機器筐体について説明する。本発明の電子機器筐体は、上述した本発明の抗菌性塗料を用いて塗装された電子機器筐体である。これにより、昼間や屋外等の紫外線照射下、並びに、紫外線照射量が少ない暗所及び室内のいずれにおいても抗菌性を発揮できる電子機器筐体を提供できる。
上記塗装により形成された塗膜の厚さは、3μm以上12μm以下であることが好ましい。3μm未満では抗菌性の発揮が不十分であり、12μmを超えても抗菌性はほぼ一定で推移するからである。
本発明の電子機器筐体には、例えば、ノートパソコン、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)、携帯電話、カーナビゲーションシステム等の電子機器筐体が含まれる。
図1は、本発明の電子機器筐体の一例を示すノートパソコン用筐体の正面図である。図1の筐体の表面には、本発明の抗菌性塗料が塗装されている。
本発明の抗菌性塗料によれば、紫外線照射下のみならず、暗所及び室内においても抗菌性を発揮することができる。
また、本発明の抗菌性塗料の製造方法によれば、本発明の抗菌性塗料を容易に製造することができる。
さらに、本発明の電子機器筐体によれば、紫外線照射下のみならず、暗所及び室内においても抗菌性を発揮できる電子機器筐体を提供できる。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ここでは、先ず、体積平均粒径の求め方について説明する。
アパタイト含有の樹脂をエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトーム(LEICA社製 ULTRACUT UCT)にてアパタイト含有の樹脂を約100nmに超薄切片化した測定サンプルを用意する。
これを電子顕微鏡(日立製作所社製 H−7650)を用いて加速電圧100kVにしてTEM写真を100000倍にて複数個撮影し、その画像情報を画像処理解析装置(王子製紙社製、ドットアナライザーDA−5000S)にて画像データに変換する。対象アパタイト粒子は粒径にして0.01μm以上の粒径を有する粒子について無作為にサンプリングが300回を超えるまで測定を繰り返し、体積平均粒径の分布を求める。
個々の粒子の粒径については、粒子投影画像について、8箇所の角度(0度、22.5度、45度、67.5度、90度、−22.5度、−45度、−67.5度)の寸法を測定し、それらの寸法の平均をその粒子の粒径とする。
(実施例1)
合成樹脂として、スチレンアクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート共重合体/数平均分子量3000、重量平均分子量 60000、軟化温度:110℃、Tg:70℃)70重量部、アパタイトAとして太平化学工業製のカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト〔CaTi(PO(OH)〕“TiHAP0201”(商品名、2次粒子平均粒径:4μm)30重量部とを、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。
その後、85℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所)を用い、30分間溶融混練した予備混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕し体積平均粒径で約300μmのアパタイトA含有のスチレンアクリル樹脂粒子(アパタイトA含有濃度:30wt%)を得た。
次に、アパタイトBとして、太平化学工業製のアパタイト銀“シルバーエースB−100”(商品名、2次粒子平均粒径:4μm)を30重量部と前記スチレンアクリル樹脂70重量部をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。
その後、85℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所)を用い、30分間溶融混練した予備混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕し体積平均粒径で約300μmのアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(アパタイトB含有濃度:30wt%)を得た。
上記のアパタイトA含有のスチレンアクリル樹脂粒子10重量部と上記のアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子10重量部とスチレンアクリル樹脂80重量部をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。
その後、85℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所)を用い、30分間溶融混練した混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕し体積平均粒径で約300μmのアパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(アパタイトA含有濃度:3wt%、アパタイトB含有濃度:3wt%)を得た。
次に、前記アパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子20重量部とトルエン80重量部をペイントシェーカで20分間振とうさせ、抗菌性塗料を得た。
(実施例2)
実施例1で用いたアパタイトAと同じアパタイトAを15重量部と、実施例1で用いたアパタイトBと同じアパタイトBを15重量部と、実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂と同じスチレンアクリル樹脂70重量部を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。
その後、85℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所)を用い、30分間溶融混練した予備混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕し体積平均粒径で約300μmのアパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(アパタイトA含有濃度:15wt%、アパタイトB含有濃度:15wt%)を得た。
次に、上記のアパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(上記の予備混練物)20重量部と上記のスチレンアクリル樹脂80重量部をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。
その後、実施例1と同様に85℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所)を用い、30分間溶融混練した混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕し体積平均粒径で約300μmのアパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(アパタイトA含有濃度:3wt%、アパタイトB含有濃度:3wt%)を得た。
次に、上記アパタイトAとアパタイトB含有のスチレンアクリル樹脂粒子(上記の混練物)20重量部とトルエン80重量部をペイントシェーカで20分間振とうさせ、抗菌性塗料を得た。
(実施例3)
実施例1で予備混練物を製造する際、アパタイトA、アパタイトBの混練量を各50重量部とし、実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂50重量部とし、溶融混練時間を1時間にした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(実施例4)
実施例1で予備混練物を製造する際、アパタイトA、アパタイトBの混練量を各20重量部とし、実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂80重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(実施例5)
実施例1で製造したアパタイトA含有の予備混練物とアパタイトB含有の予備混練物をそれぞれ1.67重量部(アパタイトA:30wt%×1.67=5.01重量部)と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂96.66重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(実施例6)
実施例1で製造したアパタイトA含有の予備混練物31.67重量部とアパタイトB含有の予備混練物を1.67重量部と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂66.66重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(実施例7)
実施例1で製造したアパタイトA含有の予備混練物1.67重量部とアパタイトB含有の予備混練物を31.67重量部と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂66.66重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたアパタイトA3重量部と実施例1で用いたアパタイトB3重量部と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂94重量部をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2000rpmで1分間混合した。その後、実施例1と同様に抗菌性塗料を得た。
(比較例2)
実施例1で、アパタイトAとアパタイトBをそれぞれ予備混練する際、それぞれの混練時間を2時間ずつにした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例3)
実施例1で、アパタイトAとアパタイトBをそれぞれ予備混練する際、それぞれの混練時間を10分ずつにした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例4)
実施例1で予備混練物を製造する際、アパタイトA、アパタイトBの混練量を各15重量部とし、実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂85重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例5)
実施例1で予備混練物を製造する際、アパタイトA、アパタイトBの混練量を各55重量部とし、実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂45重量部とした以外は、実施例1と同様に予備混練したが、樹脂量が少ないため、予備混練物を製造できなかった。
(比較例6)
実施例1で製造したアパタイトA含有の予備混練物0.67重量部(最終的なアパタイトA濃度:0.2wt%)とアパタイトB含有の予備混練物1.67重量部(最終的なアパタイトB濃度0.5wt%)と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂97.66重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例7)
実施例1で製造したアパタイトA含有の予備混練物1.67重量部(最終的なアパタイトA濃度:0.5wt%)とアパタイトB含有の予備混練物0.67重量部(最終的なアパタイトB濃度0.2wt%)と実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂97.66重量部とした以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
(比較例8)
実施例1において、アパタイト銀“シルバーエースB−100”を用いなかった以外は、実施例1と同様に製造し、抗菌性塗料を得た。
<抗菌性の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜8(比較例5を除く)の抗菌性塗料を、マグネシウム合金製の試験片(50mm×50mm×5mm)の表面に、乾燥時の膜厚が10μmとなるように、スプレーにより塗布した。また、試験菌として大腸菌を準備した。
上記試験片と大腸菌とを用いて、JIS Z 2801で規定するフィルム密着法により、紫外線照射時と暗所時における各抗菌性塗料の抗菌性を評価した。紫外線の照射には、ブラックライト(1mW/cm)を用いた。その結果を表1に24時間経過後の菌数として示した。試験は各3サンプルについて行った。
<外観性の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜8(比較例5を除く)の抗菌性塗料を、ガラス試験片(50mm×50mm×5mm)の表面に、乾燥時の膜厚が10μmとなるように、スプレーにより塗布した。
塗液乾燥後、試験片の透過率を分光光度計により測定した。
<樹脂中のアパタイト粒子径の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜8(比較例5を除く)の抗菌性塗料を、ガラス試験片(50mm×50mm×5mm)の表面に、乾燥時の膜厚が10μmとなるように、スプレーにより塗布した。
塗液乾燥後、顕微鏡により、画像解析を行い、アパタイトの粒径分布を求めた。
以上の各種実施例および各種比較例で得られた抗菌性塗料の評価結果を表1に示す。
表1から、実施例1〜7では、紫外線照射時及び暗所時ともに高い抗菌性を発揮できていることが分かる。これは塗料内の各成分が均一に分散しており、塗膜表面における光触媒機能と抗菌機能とが十分に発揮されたからと考えられる。
一方、比較例8では、暗所時において抗菌性は発揮されていないことが分かる。これは、比較例8ではアパタイト銀を使用しなかったからである。
また、外観性の結果を見ると、アパタイトAの粒子径を1.2μm以上にすると充分な外観性が得られないことがわかった。さらに、アパタイトBについても粒子径を小さくすると外観性が向上できることが確認できた。
以上のように、本発明の抗菌性塗料を用いることにより、人間の手等を通して付着した
細菌類は紫外線照射のない暗所に置いても例えばアパタイト銀により殺菌される。また、
紫外線照射時には、さらに強力な抗菌性を発揮し、付着した細菌の死骸等の異物を分解す
るため、表面の抗菌物質は常に表面に露出する。これにより長期にわたり抗菌性を有した
塗膜の形成が可能となる。
また、本発明の抗菌性塗料を用いて家電・電子機器筐体を塗装することにより、各種細
菌類の汚れに対し、少ない工程及び低コストにて、優れた抗菌防汚性を長期にわたり付与
することができる。
本発明の電子機器筐体の一例を示すノートパソコン用筐体の正面図である。

Claims (8)

  1. 樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを含む抗菌性塗料であって、
    前記アパタイトAの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であり、かつ、前記アパタイトBの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする抗菌性塗料。
  2. 前記アパタイトAの含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性塗料。
  3. 前記アパタイトBの含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して0.5重量%以上9.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性塗料。
  4. 前記アパタイトAと前記アパタイトBの合計含有量が、当該抗菌性塗料の全重量に対して1.0重量%以上10.0重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌性塗料。
  5. 前記アパタイトAは、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部がTiで置換されているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトであり、及び/又は、
    前記アパタイトBは、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部にAgが付加されているカルシウム・銀ハイドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗菌性塗料。
  6. 樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAとを溶融混練し、予備混練物Aを生成する予備混練物A生成ステップと、
    樹脂と、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを、溶融混練し、予備混練物Bを生成する予備混練物B生成ステップと、
    樹脂と、前記予備混練物A生成ステップで生成された予備混練物Aと、前記予備混練物B生成ステップで生成された予備混練物Bとを溶融混練し、合成樹脂中に、前記アパタイトAが、前記予備混練物A中の該アパタイトAの含有濃度よりも低い含有濃度で分散するとともに、前記アパタイトBが、前記予備混練物B中の該アパタイトBの含有濃度よりも低い含有濃度で分散した混練物を生成する混練物生成ステップと、
    前記混練物生成ステップで生成された混練物を溶剤中に溶解させることにより抗菌性塗料を生成する塗料生成ステップとを有することを特徴とする抗菌性塗料の製造方法。
  7. 樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを溶融混練し、予備混練物を生成する予備混練物生成ステップと、
    樹脂と、前記予備混練物生成ステップで生成された予備混練物とを溶融混練し、樹脂中に、前記アパタイトAおよび前記アパタイトBのそれぞれが、前記予備混練物中の該アパタイトAおよび該アパタイトBの各含有濃度よりもそれぞれ低い含有濃度で分散した混練物を生成する混練物生成ステップと、
    前記混練物生成ステップで生成された混練物を溶剤中に溶解させることにより抗菌性塗料を生成する塗料生成ステップとを有することを特徴とする抗菌性塗料の製造方法。
  8. 樹脂と、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAと、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBとを有し、
    前記アパタイトAの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であり、かつ、前記アパタイトBの体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下である抗菌性塗料によって加飾されたことを特徴とする電子機器筐体。
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