JP4088399B2 - リードスイッチユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスタシリンダのリザーバタンクの液面検出に用いられるリードスイッチユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
走行車両に用いられるブレーキ装置は、ブレーキペダル等に接続するように設けられたマスタシリンダと、車輪ブレーキに接続するように設けられたホイールシリンダとの間に形成されている液圧回路内をブレーキ液が循環するように構成されている。また、マスタシリンダには、ブレーキ液を供給するためにブレーキ液が蓄えられたリザーバタンクが取り付けられている。
このようなブレーキ装置の確実な作動を確保するためには、リザーバタンク内には常時ブレーキ液が所定量以上蓄えられていることが必要である。このため、リザーバタンク内のブレーキ液が所定量以下に減少したら運転者等に警告を発するように、リザーバタンクには蓄えられたブレーキ液の液面の位置を検出するための液面検出センサが設けられている。
【0003】
液面検出センサの構成は、ブレーキ液の液面の上下動に伴って上下動し、磁石を内臓するフロートと、該フロートの上下動を検出するリードスイッチを有するリードスイッチユニットとから成る。リードスイッチはフロート内の磁石が接近すると接点が閉じるような構造の電気部品である。
ここで、従来のリードスイッチユニットを図および図に示す。
リードスイッチユニット10は、リードスイッチ11と、リードスイッチ11が取り付けられた合成樹脂製のユニット本体12とから構成される。
リードスイッチ11は、磁石の接近に伴って接点が閉じるように設けられている接点部14がガラス管16内部に封入されて形成されている。ガラス管16内部には不活性ガス(例えば窒素ガス)が封入され、接点部14の酸化、結露等を防止している。
また、ガラス管16の両端には、接点部14に接続されるリード部18が軸線方向に延びて設けられている。
【0004】
合成樹脂製のユニット本体12は、図面の右側が他の電気回路に接続可能なコネクタ部12aに形成されており、左側がリードスイッチ11が設置される設置部12bに形成されている。
設置部12bには、リードスイッチ11の両リード部18,18を接続する2つの金属製のターミナル20,20が設けられている。
ターミナル20は、リード部18を挟みこむことができるようなスリット22が形成された板状体が設置部12bから上方に向けて突出して形成されている。また、各ターミナル20はそれぞれコネクタ部12aにおいて破線で表されている接続端子23に接続されている。
リードスイッチ11は、両リード部18,18が、それぞれターミナル20,20のスリット22に挟みこまれた後に半田付けによりユニット本体12に取り付けられて固定される。このように、リード部18とターミナル20が半田付けで固定されるので、リード部18の物理的な固定および電気的な接続が共に確実なものとなる。
【0005】
また、リードスイッチ11をターミナル20に固定する際のガラス管16の位置決めのために、設置部12bのガラス管16が位置する個所には、ガラス管16の側面を囲むように設置部12bから上方に向けて突出して形成されたリブ24がユニット本体12と一体に形成されている。
リブ24が設けられていることにより、リードスイッチ11を取り付ける場合には、まずリブ24の内側にガラス管16を収納し、次いでリード部18をターミナル20のスリット22に挟みこんだ後に半田付けで固定するので、リードスイッチ11は所定の取り付け位置で確実に固定される(例として、特開平7−220817号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような固定方法では、ガラス管16の周囲を囲んでいるリブ24に接触したりするので、リードスイッチユニット10が車載された場合に、振動や熱膨張、熱収縮でガラス管16に応力が生じて破損や変形のおそれがあるといった課題がある。
また、リードスイッチ11をユニット本体12に取り付ける場合にガラス管16自身の寸法にばらつきがあり、ガラス管16を基準にして行う接点部14の位置決めは正確性に欠け、液面検出にばらつきを生じるといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、ガラス管の応力による破損等を防止すると共に、リードスイッチをユニット本体に固定する際に、ガラス管を基準として位置決めを行わないようにするリードスイッチユニットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、本発明にかかるリードスイッチユニットによれば、マスタシリンダのリザーバタンクの液面位置を検出するためのリードスイッチユニットにおいて、接点部がガラス管内に封入されると共に、ガラス管の両側から軸線方向にリード部が延出するリードスイッチと、前記各リード部をそれぞれ電気的に接続可能に支持してリードスイッチを固定する金属製のターミナルを備えたユニット本体とから成り、前記ターミナルは、前記リードスイッチのリード部が載置される載置部と、該載置部と一体に形成され、前記リード部を載置部との間で挟み込むことができるように載置部に対向するように折り曲げられた折曲片とから構成され、前記リードスイッチは、前記リード部を前記載置部に載置し、折曲片が折り曲げられてリード部が挟み込まれることによってリードスイッチの径方向の位置決めを行ってからヒュージングによってユニット本体に固定されるとともに、ガラス管がユニット本体に対して非接触となるようにユニット本体に固定されて成ることを特徴としている。
この構成を採用することによって、ガラス管がユニット本体の何処にも当接することがなく、リードスイッチをユニット本体に取り付ける際の熱による熱応力や、車両への装着したのちの震動などによりガラス管に応力が加わるということがないため、ガラス管の破損や損傷を防止することができるとともに、正確な位置決めができるために、リザーバタンク内の液面検出のばらつきが抑えられる。
【0009】
また、本発明は、マスタシリンダのリザーバタンクの液面位置を検出するためのリードスイッチユニットにおいて、接点部がガラス管内に封入されると共に、ガラス管の両側から軸線方向にリード部が延出するリードスイッチと、前記各リード部をそれぞれ電気的に接続可能に支持してリードスイッチを固定する金属製のターミナルを備えたユニット本体とから成り、前記ターミナルは、前記リードスイッチのリード部が載置される載置部と、該載置部と一体に形成され、前記リード部を載置部との間で挟み込むことができるように載置部に対向するように折り曲げられた折曲片とから構成され、前記ユニット本体には、当接させることによりリードスイッチの軸線方向の取り付け位置を規制するストッパ壁が設けられ、前記ターミナルは、前記リード部の挟みこみ位置においてリードスイッチの径方向の取り付け位置を規制可能に形成され、前記リードスイッチは、前記リード部の一方の端部を前記ストッパ壁に当接させ、前記リード部を前記載置部に載置し、折曲片が折り曲げられてリード部が挟み込まれることによってリードスイッチの軸線方向および径方向の位置決めを行ってからヒュージングによってユニット本体に固定されて成ることを特徴としている。
この構成によれば、リードスイッチをユニット本体に取り付ける際に、リードスイッチの軸線方向の位置決めをストッパ壁にリード部を突き当てることで行い、径方向の位置決めをターミナルにリード部を挟みこませることで行える。そして、ガラス管を用いて取り付け位置の位置決めが行われることがなく、リード部を用いて取り付け位置の位置決めが行われる。このことにより、ガラス管の破損・変形等を防ぐことができると共に、寸法にばらつきがあったガラス管による不正確な位置決めを行わないようにすることができ、リザーバタンク内の液面検出のばらつきが抑えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、図1にブレーキ装置のマスタシリンダに取り付けられているリザーバタンクの一例を示し、リザーバタンクとリードスイッチユニットとの関係について説明する。
なお、以下に記載する発明の実施の形態においては、従来の技術で説明した構成要素と同一の構成要素については、同じ符号を付し説明を省略する。
リザーバタンク30は、従来の技術において説明したように、内部にブレーキ液32が蓄えられており、この蓄えられたブレーキ液32をマスタシリンダ(図示せず)に供給するものである。図面の下方に図示されているゴムパッキン33を介して、リザーバタンク30がマスタシリンダに装着される。また、固定穴35には図示しない固定ねじが挿入されマスタシリンダとの間を固定する。
また、蓋体34がリザーバタンク30の上面開口部31を閉塞することによって、ブレーキ液32の流出や蒸発を防止している。
【0011】
リザーバタンク30内の中央付近に設けられたフロート収納部37内には、ブレーキ液32に対して浮力を有する発泡樹脂で形成されたフロート36が収納されている。このフロート36は、フロート収納部37内でブレーキ液32の液面の上下動に伴って上下動(図1の矢印方向)する。なお、かかるフロート36には磁石38が内蔵されている。
フロート収納部37の下方には、リザーバタンク30の外部と連通してリードスイッチユニット42を収納可能であって、ブレーキ液32とは隔離されて形成されたユニット収納穴40が形成されている。かかるユニット収納穴40に収納されるリードスイッチユニット42とフロート36とが、リザーバタンク30内のブレーキ液32の液面を検出する液面検出センサとしてはたらく。
【0012】
上述した液面検出センサは、フロート36の上下動により、フロート36に内臓された磁石38の磁束をリードスイッチユニット42に取り付けられたリードスイッチ11が検出して作動する。
つまり、リザーバタンク30内のブレーキ液32の液面が下降すると、リードスイッチ11に磁石38が接近するため、リードスイッチ11の接点部が閉じることとなり、ブレーキ液32の液面の下降が検出されるのである。
【0013】
次に、図3から図6に基づいて本発明のリードスイッチユニットの第1の実施形態について述べる。なお、図5は、図3に示したリードスイッチユニットをD−D線で切断したところを示す断面図である。
本実施形態によるリードスイッチユニット44は、従来の技術で説明したリードスイッチと同一形態のリードスイッチ11と、合成樹脂製のユニット本体45とから構成される。
ユニット本体45は、図面右側が他の電気回路に接続されるコネクタ部45aに形成され、図面左側がリードスイッチ11が設置される設置部45bである。
【0014】
設置部45bの所定の位置には、リードスイッチ11をユニット本体45に取り付けるために各リード部18を接続して固定するターミナル50,50が設けられている。ターミナル50,50は、それぞれコネクタ部45a内の接続端子23,23と一体に形成された金属製の部材である。
各ターミナル50は、リード部18が載置される載置部52と、載置部52と一体に形成され、リード部18を載置部52との間で挟みこむことができるよう載置部52に対向するように折り曲げられた折曲片54とから構成される。折曲片54と載置部52とは正面(図6)から見るとU字あるいはV字状に形成されている。
【0015】
ターミナル50が上述した形状を呈しているので、リードスイッチ11をユニット本体45に取り付ける場合におけるリードスイッチ11の幅方向(図3、図6の矢印A方向)への位置決めは、リード部18をターミナル50の折曲片54と載置部52との間の開口している側57から、折曲片54と載置部52との接合部55(U字またはV字の底部)側へ押しこんで突き当てることによって行われる。
また、リードスイッチ11の高さ方向への位置決め(図4、図6の矢印C方向)は、リード部18を載置部52上へ載置した時点で決定される。
すなわち、特許請求の範囲で記載したリードスイッチの径方向とは、上記幅方向および高さ方向とを含めた概念である。以下、本明細書中では同様の概念をもって説明していく。
【0016】
また、設置部45bの、コネクタ部45aとコネクタ部側のターミナル50との間には、図4から見て上方に突出して形成されたストッパ壁56が設けられている。ストッパ壁56はユニット本体45と一体に成形されている。
かかるストッパ壁56は、リードスイッチ11をユニット本体45に取り付ける際のリードスイッチ11の軸線方向(図3、図4の矢印B方向)の位置決めを行うために設けられている。つまり、リードスイッチ11をユニット本体45に取り付ける際には、コネクタ部側のリード部18の端部をストッパ壁56に突き当てることでリードスイッチ11の軸線方向の位置が決定できる。
【0017】
ただし、このとき接点部14からのリード部18の長さxを、ストッパ壁56からガラス管16が位置する場所との間の長さと等しくなるように正確に切断しておくことが必要となる。このように前もってリード部18の長さxを正確に設定しておかないと、単にリード部18の端部をストッパ壁56に突き当てたとしてもリードスイッチの位置決めは正確には行われない。
【0018】
なお、ユニット本体45のターミナル50へリードスイッチ11を位置決めして装着した後、ターミナル50の折曲片54を開口している側57を完全に閉ざすようにさらに折り曲げ、同時に熱を付加するいわゆるヒュージング(熱かしめ)を施す。このヒュージングによってリードスイッチ11はユニット本体45に完全に固定される。
リード部18とターミナル50との間の固定は、上記ヒュージングのほかに、スポット溶接、プロジェクション溶接等のさまざまな抵抗溶接によって行うことができる。かかる抵抗溶接によれば、物理的な固定と電気的な接続の両者を確実なものとすることができる。なお、リード部18とターミナル50との固定は半田付けによって行ってもよい。
【0019】
このように、本実施形態のユニット本体45には、ガラス管16に接触するような部材が設けられておらず、しかもガラス管16とユニット本体45の設置部45bとの間には隙間59(図4,図5)が生じるようにガラス管16とユニット本体45とが離間してリードスイッチ11が固定されている。したがって、リードスイッチユニット44が収納されたリザーバタンクが車載された場合にも、振動や熱膨張、熱収縮でガラス管16に応力が生じることがなく、ガラス管16の破損等を防止できる。
また、ガラス管16を基準とせずに、リード部18を用いて取り付け位置の規制を行うので、ガラス管16はどこにも接触することがなくガラス管16に応力が生じることがないように取り付け作業ができると共に、正確な位置決めができるために、リザーバタンク内の液面検出のばらつきが抑えられる
【0020】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るリードスイッチユニットによれば、接点部がガラス管内に封入されると共に、ガラス管の両側から軸線方向にリード部が延出するリードスイッチと、各リード部をそれぞれ電気的に接続可能に支持してリードスイッチを固定するターミナルを備えたユニット本体とから成り、リードスイッチは、ガラス管がユニット本体に対して非接触となるようにユニット本体に固定されているので、リードスイッチユニットが収納されたリザーバタンクが車載された場合にも、振動や熱膨張、熱収縮でガラス管に応力が生じることがなく、ガラス管の破損等を防止できる。
【0022】
また、リードスイッチのユニット本体への取り付け位置が、リード部の位置を規制して設定されるようになったので、従来行われていたガラス管を基準として位置決めを行う必要がなくなった。このため、寸法にばらつきがあったガラス管による不正確な位置決めを行わないようにすることができ、リザーバタンク内の液面検出のばらつきが抑えられると共に、位置決めの基準としてガラス管へ当接させるようにして形成された部位がなくなり、ガラス管に応力が生じることがなくガラス管の破損等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リザーバタンクを正面から見た場合の断面図である。
【図2】 図1に示したリザーバタンクを側面から見た場合の断面図である。
【図3】 本発明に係るリードスイッチユニットの構成を示す平面図である。
【図4】 図3に示したリードスイッチユニットの側面図である。
【図5】 図3のD−D線で切断したところを示すリードスイッチユニットの断面図である。
【図6】 図3に示したリードスイッチユニットの金属部分のみ示した正面図である。
【図7】 従来のリードスイッチユニットの構成を示す平面図である。
【図8】 図7に示したリードスイッチユニットの正面図である。
【符号の説明】
11 リードスイッチ
14 接点部
16 ガラス管
18 リード
3 接続端
0 リザーバタンク
31 上面開口部
32 ブレーキ液
33 ゴムパッキン
34 蓋体
36 フロート
37 フロート収納部
38 磁石
40 ユニット収納部
42,44 リードスイッチユニット
45 ユニット本体
50 ターミナル
52 載置部
54 折曲片
55 接合部
56 ストッパ壁
57 開口側
59 隙

Claims (2)

  1. マスタシリンダのリザーバタンクの液面位置を検出するためのリードスイッチユニットにおいて、
    接点部がガラス管内に封入されると共に、ガラス管の両側から軸線方向にリード部が延出するリードスイッチと、
    前記各リード部をそれぞれ電気的に接続可能に支持してリードスイッチを固定する金属製のターミナルを備えたユニット本体とから成り、
    前記ターミナルは、前記リードスイッチのリード部が載置される載置部と、該載置部と一体に形成され、前記リード部を載置部との間で挟み込むことができるように載置部に対向するように折り曲げられた折曲片とから構成され、
    前記リードスイッチは、前記リード部を前記載置部に載置し、折曲片が折り曲げられてリード部が挟み込まれることによってリードスイッチの径方向の位置決めを行ってからヒュージングによってユニット本体に固定されるとともに、ガラス管がユニット本体に対して非接触となるようにユニット本体に固定されて成ることを特徴とするリードスイッチユニット。
  2. マスタシリンダのリザーバタンクの液面位置を検出するためのリードスイッチユニットにおいて、
    接点部がガラス管内に封入されると共に、ガラス管の両側から軸線方向にリード部が延出するリードスイッチと、
    前記各リード部をそれぞれ電気的に接続可能に支持してリードスイッチを固定する金属製のターミナルを備えたユニット本体とから成り、
    前記ターミナルは、前記リードスイッチのリード部が載置される載置部と、該載置部と一体に形成され、前記リード部を載置部との間で挟み込むことができるように載置部に対向するように折り曲げられた折曲片とから構成され、
    前記ユニット本体には、当接させることによりリードスイッチの軸線方向の取り付け位置を規制するストッパ壁が設けられ、前記ターミナルは、前記リード部の挟みこみ位置においてリードスイッチの径方向の取り付け位置を規制可能に形成され、
    前記リードスイッチは、前記リード部の一方の端部を前記ストッパ壁に当接させ、前記リード部を前記載置部に載置し、折曲片が折り曲げられてリード部が挟み込まれることによってリードスイッチの軸線方向および径方向の位置決めを行ってからヒュージングによってユニット本体に固定されて成ることを特徴とするリードスイッチユニット。
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