JP4088362B2 - イオン注入装置のクリーニング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの製造プロセスに用いられるイオン注入装置に関し、特にその真空チャンバ、いわゆるターゲットチャンバ内をクリーニングするための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン注入装置は、基本的には、イオンを発生させ所望のイオン種を選択してイオンビームとするビームライン部と、ビームライン部からのイオンビームをシリコンウェハに照射しイオン注入を行うイオン注入部とから構成されている。イオン注入部としては、内部が真空とされる真空チャンバ(以下、ターゲットチャンバという)と、このターゲットチャンバ内に配置されたウェハ支持ホイールとを備える型式のものが広く知られている(図1参照)。ウェハ支持ホイールは、ハブから放射状に延び且つそれぞれの先端にウェハを保持するホルダを有する複数本のアームから構成されている。また、ウェハ支持はウェハディスクにウェハを載置する型式のものもある。ウェハ支持ホイール又はウェハディスクは、ハブを中心として回転すると共に、イオンビームがウェハの全面をスキャンするよう、ウェハ支持ホイール又はウェハディスクの全体がイオンビームに直交する面内で往復動するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のイオン注入装置においてイオン注入プロセスを実行すると、そのイオンはウェハに打ち込まれるだけでなく、ウェハホルダ間を通過して、ターゲットチャンバに設けられたビームストップにも打ち込まれる。また、ウェハ支持ホイールの一部、特にアームの先端部や、ターゲットチャンバの内壁面等にもイオンは打ち込まれる。このようにウェハ以外の部分に打ち込まれたイオンは、いわゆるクロスコンタミネーションの原因となり得るものである。
【0004】
例えば、リンの注入プロセスを数サイクル行った後に、同一のイオン注入装置を用いてヒ素の注入プロセスを行うことがあるが、かかる場合、リン注入プロセスでビームストップ等に打ち込まれたリンが、後のヒ素注入プロセスの際に、イオンビームによるスパッタ或はビームパワー等による加熱によりチャンバ内で離脱、浮遊し、ヒ素に混入してウェハに打ち込まれる。
【0005】
このようなクロスコンタミネーションの問題に対しては、リン注入プロセスが終了した後、ターゲットチャンバを雰囲気に対して開放してクリーニングを行うことによって対処することが考えられる。
【0006】
しかし、ターゲットチャンバを開放した場合、チャンバ内を所定の真空度にまで減圧するには、長時間を要し、プロセススループットの低下を招くという新たな問題を生ずる。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来における課題を解決することのできるクリーニング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、リンの注入プロセスの後に、イオン注入装置のターゲットチャンバの内壁面及び前記チャンバ内に配置された装置構成要素の表面に打ち込まれたリン又は付着したリンをクリーニング除去する方法であって、リン注入プロセスの終了後、ターゲットチャンバ内を開放することなく、ターゲットチャンバ内を所定の真空度に維持するよう真空引きする真空引きステップと、ターゲットチャンバ内に所定の流量で酸素ガスを供給する酸素ガス供給ステップとを含むことを特徴としている。特に、本発明では、真空引きステップは、ターゲットチャンバに接続された真空引き手段による真空引きを停止し、ビームライン部に接続された真空引き手段によってのみ行うこととした。
【0009】
このように酸素ガスをターゲットチャンバ内に供給すると、ターゲットチャンバ内のリンと酸素が反応し揮発性の酸化リンが形成されるので、真空ポンプ等の真空引き手段により外部に排出される。
【0010】
また、ターゲットチャンバに接続された真空引き手段を停止することで、供給した酸素の滞留時間を延ばすことができる。更に、この真空引き手段がクライオポンプの場合、既に吸着されている可能性のある水素と、供給した酸素との反応を防止することができる。
【0011】
酸素ガス供給ステップを実行中、イオン注入プロセスと同様な態様でイオンビームを照射した場合、イオンビームのスパッタ効果により、チャンバ内壁面等に付着したリンがチャンバ内に離脱、浮遊し、酸素と反応しやすくなる。更に、イオンビームが照射される部分は加熱されるため、これによってもリンが離脱しやすくなり、酸素とリンとの反応が促進される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2に示す本発明によるイオン注入装置10は、イオンビームを発生するビームライン部12と、そのイオンビームをシリコンウェハWに照射し注入するイオン注入部14と、ウェハローダ部16とから主に構成されている。
【0014】
ビームライン部12は、イオン源系18、イオンビーム引出し・前段加速系20、質量分析系22及び後段加速系24から構成されている。各系はハウジングないしはチューブにより囲まれ、イオンビーム引出し・前段加速系20のチューブ及び後段加速系24のチューブに接続されたターボポンプ(第1の真空引き手段)26,28により、内部が所定の真空度に減圧される。
【0015】
イオン源系18は、ガス供給源(図示せず)から送り込まれたドーピングガスを放電させることにより、高密度のプラズマ状態を作り出すことができるようになっている。イオンビーム引出し・前段加速系20では、イオン源系18との電圧差を利用して、前記プラズマを構成するイオンを引き出すと共に加速し、イオンビームIBを形成する。質量分析系22には分析マグネット(図示せず)が配置されており、磁界の強さを調整することで、前記イオンビームIBから所望のイオン種のみを取り出すようになっている。質量分析系22を通過したイオンビームIBは、後段加速系24において更に加速され、イオン注入に適した速度に調整される。
【0016】
一方、イオン注入部14は、ボックスタイプのターゲットチャンバ30と、ターゲットチャンバ30内に配置されたウェハ支持ホイール32とを備えている。
【0017】
ターゲットチャンバ30の一方の壁面には開口34が形成され、そこに後段加速系24の出力側端部が接続されている。また、他方の壁面には、開口34に対向する位置にビームストップ36が配設されている。ビームストップ36は、ウェハ支持ホイール32を通過したイオンビームIBを受け止めるためのものであり、実際には、イオン注入の制御のためにイオンビーム照射量を検出するイオン検出器が配置されている。更に、ターゲットチャンバ30の壁面の適所には、それぞれ、ゲートバルブ38,40を介してクライオポンプ(第2の真空引き手段)42,44が接続されている。
【0018】
ウェハ支持ホイール32は、ターゲットチャンバ30内に揺動可能に取り付けられた揺動シャフト46と、その先端に回転可能に取り付けられたハブ48と、このハブ48から放射状に延びる複数本のアーム50とから構成されている。各アーム50の先端には、ウェハWを保持するためのウェハホルダ52が設けられている。ハブ48は図1の矢印A方向に回転駆動され、また、揺動シャフト46は図1の矢印B方向に沿って所定角度で揺動される。その結果、各ウェハホルダ52により保持されたウェハWはそれぞれビームライン部12からのイオンビームIBを横切ると共に、その全面にイオンビームIBが照射され、イオン注入が行われる。
【0019】
ウェハローダ部16は、ターゲットチャンバ30に隣接して配置されている。ウェハローダ部16のハウジング54とターゲットチャンバ30との間は搬送路56により連通されている。この搬送路56にはアイソレーションバルブ58が介設されており、ハウジング54とターゲットチャンバ30との間を分離できるようにしている。従って、ウェハローダ部16のみを雰囲気に開放することができるので、オペレータは、複数枚のウェハWが収容されたカセット(図示せず)をハウジング54内に設置することができる。カセット内のウェハWはロボット(図示せず)により搬送され、ターゲットチャンバ30内のウェハ支持ホイール32の各ウェハホルダ52に取り付けることが可能となっている。
【0020】
本発明によるイオン注入装置10は、更に、酸素ガス供給源60を備えている。この酸素ガス供給源60は配管62を介してターゲットチャンバ30の内部と連通している。ターゲットチャンバ30に対する配管62の接続位置、すなわち酸素ガス導入口64の位置は適当に定めることができるが、イオンビームIBの照射経路の近傍位置が好ましい。
【0021】
次に、このような構成のイオン注入装置10において、本発明によるクリーニング方法を実施する場合について説明する。本発明によるクリーニング方法は、リン注入プロセスにおいてターゲットチャンバ30の内壁面や、ビームストップ36又はウェハ支持ホイール32のアーム50等の装置構成要素の表面に打ち込まれ或は付着したリンを除去するためのものである。従って、本発明では、クリーニングプロセスが行われる前に、リン注入プロセスが行われていることが前提となる。
【0022】
リン注入プロセスが終了したならば、まず、ターゲットチャンバ30とウェハローダ部16のハウジング54との間のアイソレーションバルブ58を開き、ロボットにより、ウェハ支持ホイール32に支持されたウェハWを取り外して、ハウジング54内のカセットに戻す。次いで、ハウジング54内に設置された別のカセットからダミーウェハをターゲットチャンバ30内に搬送し、ウェハ支持ホイール32の全ウェハホルダ52に取り付ける。そして、アイソレーションバルブ58を閉じる。この間、ターゲットチャンバ30は雰囲気には開放されず、真空を維持したままとされる。
【0023】
次いで、クライオポンプ42,44のゲートバルブ38,40を閉じるが、ビームライン部12のターボポンプ26,28は駆動を続ける。従って、ターゲットチャンバ30内は所望の真空度で維持される。
【0024】
この後、配管62中のバルブ66を開放して酸素ガス供給源60から酸素ガスを所定の流量でターゲットチャンバ30内に導入する。更に、次プロセスの注入イオン種のイオンビームIB、例えば次プロセスがヒ素注入プロセスの場合にはヒ素のイオンビームIBを発生、照射すると共に、ウェハ支持ホイール32を通常のイオン注入プロセスと同様な態様で駆動する。
【0025】
この結果、ターゲットチャンバ30内に存在するリンは酸素と反応し、酸化リンが生成される。なお、酸素ガス供給中に、通常のイオン注入プロセスと同様にしてヒ素のイオンビームIBが照射されるため、リンが打ち込まれた部位にヒ素のイオンビームIBが当たり、その部分からスパッタ効果によりリンが飛び出して、ターゲットチャンバ30内に浮遊することとなる。また、イオンビームIBは照射部分を加熱するため、その熱エネルギによってもリンが付着面から分離し、且つまた、酸素との反応が促進される。このように、イオンビームIBの照射効果によって、ターゲットチャンバ30の内壁面等に打ち込まれ或は付着したリンが離脱し、酸素と反応しやすい状態となるため、短時間のうちにターゲットチャンバ30内に存在するリンの多くが酸素と反応することになる。このようにして生成された酸化リンは揮発性であるため、ターボポンプ26,28により吸引され、ターゲットチャンバ30内からリン成分が効率よく除去される。
【0026】
上述したように、この実施形態では、酸素ガスの供給時、ターゲットチャンバ30に接続されたクライオポンプ42,44のゲートバルブ38,40が閉じられる。このため、ターゲットチャンバ30内に供給された酸素ガスは、ゲートバルブ38,40を開いた状態に比して、ターゲットチャンバ30内に長時間滞留し、内部の酸素濃度は高く維持される。従って、酸素ガスの流量は少量ですむ。また、レジスト付きウェハに対してイオン注入を行った場合、クライオポンプ42,44にはレジストから発生する水素が吸着されるため、ゲートバルブ38,40を閉鎖することは、この水素と酸素との反応を防止できるという面からも有効である。
【0027】
また、図示実施形態では、酸素ガスの導入口64をイオンビームIBの照射経路の近傍に配置しているが、イオンビームIBの照射経路の近傍領域はリンの濃度が高い領域となるので、図示の位置に導入口64を設けることは、酸素とリンの反応を効率よく行う上で好適である。
【0028】
上述の酸素ガス供給ステップを所定時間行ったならば、バルブ66を閉じて酸素ガスの供給を停止し、クリーニングプロセスを終了する。この後、アイソレーションバルブ58を開放してダミーウェハを取り出し、クライオポンプ42,44のゲートバルブ38,40を開いて次のヒ素注入プロセスに移行する。この次プロセスは、クリーニングプロセスから引き続きターゲットチャンバ30を開放せず行うことができるため、真空引きに要する時間が大幅に短縮される。しかも、クリーニングプロセス中にヒ素のイオンビームを発生させていたため、イオンビーム照射開始の際に行う調整が簡略化される。従って、クリーニングプロセスからヒ素注入プロセスへの移行時間は極めて短時間となる。
【0029】
上記実施形態では、クリーニングプロセスに続くイオン注入プロセスをヒ素の注入プロセスとしているが、次プロセスはヒ素の注入に限らず、他の不純物であってもよい。例えば、リンの注入プロセスを続けてもよい。かかる場合、クロスコンタミネーションの問題はないが、クリーニングを行わない場合には、ターゲットチャンバ30内に存在するリンによって、所望の設定ドーズ量と実際のドーズ量との間に差が生ずるという問題が生ずる。従って、本発明によるクリーニングプロセスを行うことで、このようなシート抵抗のシフトという問題を解消することができる。
【0030】
また、リン注入プロセスを次プロセスとして行う場合は、イオンビームのイオン種はアルゴンやアンチモン等が適当である。勿論、アンチモンやアルゴンもターゲットチャンバの内壁面等に打ち込まれることになるが、これらの元素のクロスコンタミネーションは現在の半導体製造プロセスにおいては特に悪影響はないと考えられている。
【0031】
更に、上記実施形態ではウェハ上でのイオンビームの走査をウェハ支持ホイールの回転・揺動動作により行っているが、ウェハディスクタイプやイオンビーム自体を移動させる他の型式のイオン注入装置にも本発明は適用可能である。
【0032】
【実施例】
本願発明者らは、本発明の効果について実際に実験を行った。その結果を以下に述べる。
【0033】
以下の実験では、「Precision Implant xR80」の商標名の下でアプライドマテリアルズインコーポレイションにより製造、販売されているイオン注入装置を用い、図1及び図2の如くターゲットチャンバの側壁面に導入口を設けて、酸素ガスを導入できるようにした。いずれの場合も、リン注入プロセスを、ドーズ量の積算量が1×1017ions/cm2となる時点まで行い、その直後にクリーニングプロセスを開始することとした。また、クリーニングプロセスの後にはヒ素の注入を行った。
【0034】
本発明によるクリーニングプロセスでは、リン注入プロセスの終了後、上述したようにウェハ支持ホイール上のウェハをダミーウェハに交換し、ターゲットチャンバに接続されたクライオポンプのゲートバルブを閉じた。次いで、ターゲットチャンバ内の圧力を約7.5×10-4Torrに維持した状態で、酸素ガスを5sccmの流量でターゲットチャンバ内に導入した。また、酸素ガスの導入と同時に、ビームライン部からヒ素のイオンビームの照射を開始した。このヒ素ビームのビームエネルギは50KeV、ビーム電流は20mAに設定された。ヒ素のイオンビームが安定するまで30分程度かかるものと考えられるため、イオンビーム照射開始の後、30分経過後からの時間をクリーニング時間とし、30分、60分及び120分の3種類のクリーニング時間で実験を行った。このクリーニング時間中、ウェハ支持ホイールを通常のイオン注入プロセスと同様に動作させた。
【0035】
所定のクリーニング時間が経過した後、ヒ素ビームの照射を停止すると共に、酸素ガスの供給を停止し、更に、ダミーウェハをサンプルウェハと交換してヒ素注入プロセスを開始した。ヒ素注入プロセスは、ビームエネルギを40KeV、ビーム電流を10mA、ドース量を2.00×1015ions/cm2に設定して行った。
【0036】
図3は、クリーニング時間が30分、60分及び120分の各場合について、後のヒ素注入プロセスでサンプルウェハに打ち込まれたリンのドーズ量を示したグラフである。このドーズ量は二次イオン質量分析法(SIMS)により計測されたものである。なお、比較として、リン注入プロセス及びクリーニングプロセスを行わずに、ヒ素注入プロセスを行った場合と、リン注入プロセスの後にヒ素注入プロセスを行い、クリーニングプロセスは実施しなかった場合を図3に示した。
【0037】
また、図4は、各実験で得られたサンプルウェハからシート抵抗を求めた結果を示している。この図4では、リン注入プロセス及びクリーニングプロセスを行わずに、ヒ素注入プロセスを行った場合におけるサンプルウェハのシート抵抗を基準としたシート抵抗のシフトの割合も示している。ここで、シート抵抗とは、単位面積当たりのウェハ表面の抵抗をいう。
【0038】
図3及び図4から、本発明によるクリーニングによってターゲットチャンバ内のリンが除去されていることが分かる。また、シート抵抗のシフトはリンのクロスコンタミネーションにより引き起こされるものであるが、その値が0.3%以下である場合には、実用上問題がない。従って、図4から、クリーニングを1時間行えば、クロスコンタミネーションが実質的に解消されることが分かる。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、クロスコンタミネーションやシート抵抗のシフト等の原因となる真空チャンバ(ターゲットチャンバ)内のリンを、真空チャンバを開放することなく、酸素ガスの導入という簡単な手段で効果的にクリーニング除去することができる。従って、クリーニング後に行うイオン注入プロセスにおいて、真空引きに要する時間が短縮され、迅速に次プロセスを開始でき、プロセススループットの向上を図ることが可能となる。
【0040】
また、真空チャンバ内に接続された真空引き手段を停止し、他の部分に接続された真空引き手段により真空を維持することで、酸素ガスの真空チャンバ内での滞留時間を延ばすことができ、少流量の酸素ガスでリンとの反応を効果的に行うことが可能となる。
【0041】
更に、真空チャンバに接続されている真空引き手段がクライオポンプである場合には、真空チャンバ内で発生する水素を吸着していることがあるので、かかるクライオポンプを停止した状態、すなわちゲートバルブを閉じた状態で酸素ガスを導入することは、クライオポンプ内での水素と酸素との反応を防止することができ、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオン注入装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のイオン注入装置を概略的に示す説明図である。
【図3】クリーニング時間を変えて行った本発明によるクリーニング方法の実験結果を示すグラフであり、後のヒ素注入プロセスへの影響をリン注入ドーズ量により示したグラフである。
【図4】クリーニング時間を変えて行った本発明によるクリーニング方法の実験結果を示すグラフであり、後のヒ素注入プロセスへの影響をシート抵抗及びそのシフトの割合により示したグラフである。
【符号の説明】
10…イオン注入装置、12…ビームライン部、14…イオン注入部、16…ウェハローダ部、26,28…ターボポンプ(第1の真空引き手段)、30…ターゲットチャンバ(真空チャンバ)、32…ウェハ支持ホイール、36…ビームストップ、42,44…クライオポンプ(第2の真空引き手段)、60…酸素ガス供給源、62…配管、64…導入口、66…バルブ。
Claims (5)
- イオンビームを形成して真空チャンバ内に照射するビームライン部と、内部に基板が配置され、該基板に対して前記ビームライン部からのイオンビームによりイオン注入が行われるようになっている真空チャンバと、前記ビームライン部内を真空引きする第1の真空引き手段と、前記真空チャンバ内を真空引きする第2の真空引き手段とを備えるイオン注入装置のクリーニング方法であって、リンの注入プロセスの後に、前記真空チャンバの内壁面及び前記真空チャンバ内に配置された装置構成要素の表面にリンの注入プロセス中に打ち込まれたリン又は付着したリンを除去するためのクリーニング方法において、
リンの注入プロセスの終了後、前記真空チャンバ内を開放することなく、前記第2の真空引き手段による真空引きを停止し、前記第1の真空引き手段によって前記真空チャンバ内を所定の真空度に維持するよう真空引きする真空引きステップと、
前記真空チャンバ内に所定の流量で酸素ガスを供給し、前記真空チャンバ内のリンと酸素とを反応させる酸素ガス供給ステップと、
前記真空チャンバ内の所定位置にダミー基板を配置し、前記酸素ガス供給ステップを実行中に、イオン注入プロセスと同様な態様でイオンビームを前記ダミー基板に対して照射する照射ステップと
を含むことを特徴とするイオン注入装置のクリーニング方法。 - 前記第2の真空引き手段はクライオポンプであることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置のクリーニング方法。
- 前記照射ステップにおける前記イオンビームのイオン種は、請求項1又は2に記載のイオン注入装置のクリーニング方法を実行した後に行うイオン注入プロセスのイオン種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン注入装置のクリーニング方法。
- 前記照射ステップにおける前記イオンビームのイオン種はアルゴン又はアンチモンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン注入装置のクリーニング方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン注入装置のクリーニング方法を実行した後、前記真空チャンバを開放することなくイオン注入プロセスを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン注入装置のクリーニング方法。
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JPH0658586U (ja) * | 1993-01-14 | 1994-08-12 | 日電アネルバ株式会社 | 高周波電力伝達装置 |
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JPH11186185A (ja) | 1999-07-09 |
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