JP3173671B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP3173671B2
JP3173671B2 JP21381992A JP21381992A JP3173671B2 JP 3173671 B2 JP3173671 B2 JP 3173671B2 JP 21381992 A JP21381992 A JP 21381992A JP 21381992 A JP21381992 A JP 21381992A JP 3173671 B2 JP3173671 B2 JP 3173671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン注入装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イオン注入技術は、イオン源で発生する
不純物イオンを高電界で加速し、その運動エネルギーを
利用して機械的に半導体ウエハ内に不純物を導入する方
法であり、ウエハ内に導入された不純物の総量を電荷量
として精度よく測定できる点で非常に有効な方法であ
る。
【0003】従来このようなイオン注入は、例えば図7
に示す装置を用いて行われている。即ちイオン源9内に
てガスや固体の蒸気をプラズマ化し、このプラズマ内の
正イオンを引出し電極91により一定のエネルギーで引
き出した後、質量分析器92によりイオンビームに対し
て質量分析を行って所望のイオンを分離し、更に分解ス
リット93によりイオン分離を完全に行う。そして分離
された所望のイオンのイオンビームを加速管94を通し
て最終エネルギーまで加速した後ウエハWに照射し、以
てウエハWの表面に所望の不純物を導入する。またウエ
ハWは、水平な軸のまわりに回動する回転ディスク95
上に周方向に配置され、モータ96により回転ディスク
95を回動しながらイオンが注入される。
【0004】なお97はファラデーカップであり、ウエ
ハの表面にイオンが打ち込まれたときに発生する2次電
子を外部に流出しないように閉じ込めて、イオン注入量
を正確に測定するためのものである。
【0005】ところでイオンビームをウエハWに照射す
ると、ウエハWの表面に露出している絶縁膜にイオンの
正電荷が蓄積し、その電荷量が絶縁破壊電荷量以上にな
ると絶縁膜が破壊され、デバイスが不良品になってしま
う。
【0006】このため従来では図7に示すようにウエハ
Wの近傍にてイオンビームに臨む位置にプラズマ発生部
98を設け、このプラズマ発生部98で発生したプラズ
マ中の電子を、プラズマ発生部98とウエハWとの間の
電位勾配によりウエハWの表面に引き寄せてウエハWの
表面の正の電荷を中和し、ウエハW上の絶縁膜の蓄積量
を小さく抑えるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで回転ディスク
95を図7に示すように起立させ、プラズマ発生部98
を立ち上げると共に、イオン源9よりのイオンビームを
各ウエハWに照射していくが、プラズマが十分立上がら
ないうちにイオンビームの照射によりウエハW表面の正
の電荷の蓄積量が大きくなりすぎてウエハWが絶縁破壊
する場合があった。
【0008】また前記プラズマ発生部98は、例えばモ
リブデンよりなるプラズマ発生室内にタングステンより
なるフィラメントを設け、フィラメントを加熱してその
熱電子をアルゴンガスなどに衝突させてプラズマを発生
するように構成されるが、プラズマ発生室内にはフィラ
メントの蒸気や、プラズマによるプラズマ発生室の内壁
のスパッタ粒子が微量ではあるが存在し、これらモリブ
デンやタングステンなどの重金属粒子のうちプラズマに
叩かれてイオン化するものもある。
【0009】一方プラズマ発生部98を立ち上げると、
ここからプラズマシースがファラデーカップ97内に流
出して拡散し、ファラデーカップ97に対向しているウ
エハWに接触する。このときプラズマシース中のイオン
化した前記重金属粒子が当該ウエハWの表面に付着し、
またプラズマ発生部98にて発生し、中性粒子のまま飛
び出した重金属粒子のうちファラデーカップ97の内壁
で反射してあるいはそのまま直接前記ウエハWの表面に
到達して付着するものもある。この結果特定のウエハW
についてプラズマ発生部98のプラズマ発生室やフィラ
メントの材質である重金属による汚染の程度が大きいと
いう問題があった。
【0010】更にまたプラズマ発生部に給電するための
給電部材が高温になり、このため特定のウエハWが長い
時間高温にさらされ、ウエハ表面のフォトレジストのパ
ターンが変化したり、フォトレジストが焼け焦げて剥離
しにくくなるといった、パターンの損傷のおそれがあっ
た。
【0011】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、その目的は、イオン注入に伴う被処理体の
絶縁破壊を確実に防止することができ、また被処理体に
対してコンタミネーションを抑えることのできるイオン
注入装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イオ
ンビームの照射によりイオンが注入される被処理体の近
傍にプラズマ発生部を配置し、プラズマ発生部で発生し
たプラズマ中の電子が被処理体の表面に引き寄せられて
当該被処理体の表面の正の電荷を中和するイオン注入装
置において、前記プラズマ発生部によるプラズマの発生
を確認するプラズマ発生確認手段と、このプラズマ発生
確認手段によりプラズマの発生を確認した後被処理体に
イオンビームを照射するように制御を行う制御部と、を
設けたことを特徴とする。
【0013】請求項2の発明は、イオンビームの照射に
よりイオンが注入される複数の被処理体を回転載置台上
に周方向に配置すると共に、前記被処理体の近傍にプラ
ズマ発生部を配置し、プラズマ発生部で発生したプラズ
マ中の電子が被処理体の表面に引き寄せられて当該被処
理体の表面の正の電荷を中和するイオン注入装置におい
て、前記プラズマ発生部によるプラズマの発生を確認す
るプラズマ発生確認手段と、前記回転載置台を回転させ
ておいてプラズマ発生部にてプラズマを発生させ、前記
プラズマ発生確認手段によりプラズマの発生を確認した
後被処理体にイオンビームを照射するように制御を行う
制御部と、を設けたことを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、イオンビームの照射に
よりイオンが注入される被処理体の近傍にプラズマ発生
部を配置し、プラズマ発生部で発生したプラズマ中の電
子が被処理体の表面に引き寄せられて当該被処理体の表
面の正の電荷を中和するイオン注入装置において、前記
プラズマ発生部より流出したプラズマを遮るように当該
プラズマ発生部と被処理体との間に開閉自在に配置され
るプラズマシャッターと、前記プラズマ発生部において
プラズマが発生する前に前記プラズマシャッターを閉じ
ておき、前記プラズマ発生確認手段によりプラズマの発
生を確認した後プラズマシャッターを開くと共に、イオ
ンビームを照射するように制御を行う制御部と、を設け
たことを特徴とする。
【0015】
【作用】例えば複数の被処理体が回転載置台上に周方向
に配置されている場合、回転載置台を例えば100r.
p.mで回転させておいてプラズマ発生部にてプラズマ
を発生させる。このためプラズマの発生に伴ってイオン
化されたあるいは中性の重金属粒子が被処理体に接触し
ても回転載置台が回転しているのでコンタミネーション
が各被処理体に分散する。
【0016】またシャッターを設けてこれをプラズマ発
生部にてプラズマが発生するまでの間閉じておけば、や
はり被処理体に対するコンタミネーションを抑えること
ができる。そしてプラズマの発生を確認した後被処理体
にイオンビームを照射するようにしているので、イオン
ビームの照射により被処理体の表面に正電荷が蓄積され
ても、必ずこの時点ではプラズマが発生しているので被
処理体の絶縁破壊を確実に防止できる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の実施例に係るイオン注入装
置全体を示す概略構成図である。同図を参照しながら装
置全体について簡単に説明すると、図中1はイオン源
で、例えばベーパライザ11内の固体原料から昇華した
ガスをプラズマ化するものであり、このプラズマ中のイ
オンは、引き出し電極12とイオン源1本体との間に与
えられる引出し電圧によって外部にイオンビームとして
引き出される。この引き出し電極12の下流側には、ス
リット部13を介して質量分析器14が配置され、ここ
で所望のイオンのみが取り出され、その後スリット部1
5を介して加速管16内に入る。前記イオンは加速管1
6で加速電圧により加速された後ファラデーカップ2を
通って、モータ3により回転される回転載置台である回
転ディスク31上に載置保持された被処理体例えば半導
体ウエハW内に注入される。
【0018】前記ファラデーカップ2は、「従来技術」
の項でも述べたが、イオン注入時に発生する2次電子を
外部に流出しないように閉じ込めてイオン注入量を正確
に測定するためのものであり、このファラデーカップ2
と加速管16との間には、ゲート駆動部22によりイオ
ンビームの通路を開閉してウエハWに対してイオンビー
ムを照射あるいは遮るためのビームゲート21が設けら
れている。更にこのファラデーカップ2の外側には、ウ
エハWの表面の電荷を中和するためにプラズマ発生部4
が配置されている。
【0019】次に本発明の実施例の要部について図2を
参照しながら詳述する。前記ファラデーカップ2のイオ
ンビームIBの侵入側には、ファラデーカップ2の外に
二次電子が外に飛び出さないように例えば−1000V
の電圧Esが印加されるサプレス電極23が設けられて
いる。
【0020】前記プラズマ発生部4は、例えばカーボン
やモリブデンなどからなるプラズマ発生室41内に例え
ばタングステンからなるフィラメント42を設けて構成
され、プラズマ発生室41には図示しないガス供給源よ
りの放電ガス例えばアルゴンガスを導入するためのガス
供給管(図示せず)が接続されている。前記プラズマ発
生室41のファラデーカップ2側にはプラズマ出口40
が形成され、ファラデーカップ2におけるプラズマ出口
40と対向する管壁部には、プラズマがファラデーカッ
プ2内に流出できるように開口部20が形成されてい
る。
【0021】前記フィラメント42の両端間には、フィ
ラメント電圧を印加するための直流電源部51が接続さ
れると共に、フィラメント42とプラズマ発生室41の
壁部との間には、放電電圧を印加するための直流電源部
52が接続されている。
【0022】前記回転ディスク31は、図3の概略斜視
図にも示すように複数枚のウエハW例えば10枚のウエ
ハW(図3では図示の便宜上8枚として記載してあ
る。)が周方向に載置保持されるように構成されてお
り、図示しない起立機構により水平状態または鉛直面に
沿った起立状態をとることができ、水平時にウエハWが
ロードまたはアンロードされ、起立時にイオン注入が行
われる。この回転ディスク31には、ウエハWから回転
ディスク31を介してアースに流れる電流を検出するた
めに、アースとの間にこの例ではモータ3の外装部を介
して電流検出部6が接続されている。
【0023】前記モータ3はモータドライブ回路32に
より駆動され、このモータドライブ回路32には、モー
タ3の駆動制御を行うための指令信号を与える制御部7
が接続されている。この制御部7は、モータ3を制御す
る機能の他に、プラズマ発生部4に係る直流電源部5
1、52をオン、オフ制御する機能や、前記電流検出部
6の電流検出値を設定値と比較して電流検出値が設定値
を越えたときにビームゲート21のゲート駆動部22に
開指令を出力する機能などを備え、こうした制御を行う
ためにCPUや所定のプログラムを記憶したメモリなど
から構成される。ただしこの例では、電流検出部6と、
制御部7において電流検出値と設定値とを比較する回路
部とは、プラズマの発生を確認するプラズマ発生確認手
段を構成している。
【0024】次に上述実施例の作用について、図4に示
した制御部7におけるフローチャートを参照しながら説
明する。先ず図1に示すイオン源1を立ち上げてここか
らリンやヒ素などの不純物のイオンを含むイオンビーム
IBを引き出し、このイオンビームIBがファラデーカ
ップ2側へ照射されないようにビームゲート21を閉じ
ておく一方、回転ディスク31上に図示しない搬送機構
により例えば10枚のウエハWを搬送する。回転ディス
ク31はウエハWの搬送時には水平状態に設定され、ウ
エハWを受けて載置保持した後図2に示すように起立状
態になる。
【0025】次いで制御部7はモータドライブ回路32
に回転指令を出力し、これにより回転ディスク31が回
転を開始する。その速度が図示しない速度検出器により
速度設定値ra例えば1000r.p.mに達したこと
を確認した後プラズマ発生部4を立上げる。この立上げ
は、制御部7により直流電源部51、52をオン状態に
することによって行われ、先ずフィラメント42が加熱
されて熱電子が発生し、フィラメント42とプラズマ発
生室41との間の放電電圧によりアルゴンガスなどの放
電ガスを熱電子により励起して、プラズマが発生する。
【0026】そして放電ガスが励起するとプラズマシー
スPがプラズマ出口40及び開口部20を通ってファラ
デーカップ2内に流入して拡散し、ウエハWあるいは回
転ディスク31の表面に触れると、プラズマシースP中
の電子がアースに向かって流れ、この負の電流が電流検
出部6にて検出される。検出された電流値(電流検出
値)は制御部7に取り込まれ、電流値が所定の値Ia例
えば(数mA程度)に達すると、制御部7は回転ディス
クが所定の回転速度例えば、1200rpmに達してい
ることを確認した後、ゲート駆動部22に開指令を出力
してビームゲート21を図2の実線の如く開く。これに
よりイオン源1から発せられたイオンビームIBがウエ
ハWに照射され、以てウエハW内にリンやヒ素などの不
純物が注入される。ここで回転ディスク31からア−ス
に向かって負の電流が流れる理由について考察すると、
プラズマチャンバのアノ−ド電位(プラズマ発生室41
の電位)は、回転ディスクと同電位であり、通常プラズ
マ全体の電位は、アノ−ド電位より数ボルト低いため、
プラズマ全体の電位は、ディスクの電位より数ボルト低
くなり、プラズマからディスクに電子が流れることにな
る。またサプレス電極23に負のバイアス電圧が印加さ
れるためイオンがこのサプレス電極23に引き寄せられ
ることから、電子がイオンよりも多く回転ディスク31
に到達しているものと推察される。従って電流検出部6
で検出した、前記負の電流に対応する電流検出値は、プ
ラズマ発生部4におけるプラズマ発生状態の指標とな
り、この値が所定値に達したことを確認することでプラ
ズマが十分発生していることを確認できる。
【0027】そしてイオンビームIBがウエハWに照射
されるとウエハWの表面に正電荷が蓄積されていくが、
プラズマの発生を確認した後ビームゲート21を開いて
いるため、正電荷が蓄積されていくときには必ずプラズ
マ中の電子により中和されるし、また直流電源部51、
52を投入したが、スパッタ粒子などによりプラズマ出
口20が目詰まりしている場合にはビームゲート21は
開かれないので、正電荷の蓄積によるウエハWの絶縁破
壊を確実に防止できる。
【0028】また「発明が解決しようとする課題」の項
でも述べたように、フィラメントからの蒸気やプラズマ
発生室41の内壁のスパッタ粒子がプラズマに叩かれて
イオン化し、これらイオン化した重金属粒子がプラズマ
シースの拡散によって回転ディスク31上のウエハWに
接触すると共に、イオン化しない中性の重金属粒子がそ
のまま直進してあるいはファラデーカップ2の内壁で反
射されて前記ウエハW上に接触することとなるが、プラ
ズマ発生部4にてプラズマが発生したときには回転ディ
スク31が回転しているため、これら汚染物質が回転デ
ィスク31上の各ウエハWに分散されるので、プラズマ
発生部に面した特定のウエハWの汚染物質の付着量は、
例えば回転ディスク31上に10枚のウエハWを配列し
た場合、回転ディスク31を回転させない場合に比べて
およそ1/10になる。例えばある種のデバイスでは重
金属の許容限界密度が一平方センチメ−トル当り10
10原子のオーダであるから、重金属の付着量を一桁小
さくできることは非常に意義が大きい。
【0029】更にこのような実施例では重金属によるコ
ンタミネーションを抑えることができる他、プラズマ発
生部4における給電部材の高熱に特定のウエハWのみが
長い時間さらされることも防止できる。
【0030】また回転ディスクを用いずにプラテンによ
り1枚のウエハを保持して1枚づつイオン注入を行う装
置に対しては、図5に示すようにプラズマ発生部4より
流出したプラズマを遮るように当該プラズマ発生部4と
プラテン81上のウエハWとの間に開閉自在にプラズマ
シャッター82を設け、プラズマ発生部4におけるプラ
ズマ発生の前に前記シャッター82を閉じておき、電流
検出部6の検出値にもとずいて制御部7でプラズマの発
生を確認した後シャッター82及びビームゲート21を
開くようにすれば、プラズマ発生部からの重金属粒子に
よるウエハWの汚染を抑えることができる。
【0031】このようなシャッター82は、回転ディス
クに複数のウエハWを配列したイオン注入装置に設けて
もよいが、先述したように高速回転する手法によれば、
シャッターを別途設ける場合に比べて装置構成が簡単で
ある。ただし本発明では、高速回転を行いかつシャッタ
ーを設けるようにしてもよい。またシャッター82を設
ける位置はプラズマ発生部4の出口であってもよい。
【0032】ここでプラズマ発生部4で用いる放電ガス
としては、なるべく低い放電電圧でプラズマを発生させ
るために、電離断面積が大きくかつ半導体に悪影響を与
えないガス、例えばキセノン(Xe)ガスやクリプトン
(Kr)ガスなどを用いることが好ましい。その理由は
次の通りである。電離断面積の大きいガスを用いると、
(1)ガスの量が少ない量でプラズマを発生することが
可能である。これにより、被注入体にノックオンされる
ガスの量を小さく抑えることができる。(2)また放電
電圧を下げることも可能となり、スパッタ物の発生を抑
える効果もある。またプラズマ中の電子の最大エネルギ
−を下げることにもなり、負の電荷によるチャ−ジ破壊
の可能性を下げることが可能となる。(3)さらにフィ
ラメント電流を下げることが可能となり、フィラメント
の消耗を抑えることができる。以上のように、電離断面
積の大きいガスを用いることの利点は多い。 以上にお
いてプラズマの発生を確認するためには、ファラデーカ
ップ2あるいは前記プラズマシャッター82からアース
に流れる負の電流を検出するようにしてもよいし、ラン
グミュアプロ−ブのようなプロ−ブをプラズマ出口近傍
に設けることにより検出してもよく、電流検出以外の方
法で確認してもよい。
【0033】なおイオンを注入する被処理体としては、
半導体ウエハに限られず種々のものを適用することがで
きる。また本発明は、加速管を設けない装置や、図6に
示すように切欠き部83を備えた回転ディスク84の裏
側にファラデーカップ85を配置した装置についても適
用することができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、プラズマ発生
部のプラズマの発生を確認した後イオンビームを被処理
体に照射するようにしているため、正電荷が被処理体に
蓄積されていくときには必ずプラズマ中の電子により中
和されるため、正電荷の蓄積によるウエハの絶縁破壊を
確実に防止できる。
【0035】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、回転載置台を回転させておいてプラズマ
発生部にてプラズマを発生させているため、プラズマ発
生部からの汚染物質は各被処理体に分散されるので、被
処理体の各々のコンタミネーションを抑えることができ
る。
【0036】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、プラズマ発生部におけるプラズマ発生の
前にプラズマシャッターを閉じているため、プラズマ発
生部からの汚染物質による被処理体のコンタミネーショ
ンを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体を示す構成図である。
【図2】上記実施例の要部を示す構成図である。
【図3】上記実施例の要部の概観を示す斜視図である。
【図4】上記実施例の作用を説明するフローチャートで
ある。
【図5】本発明の他の実施例の要部を示す構成図であ
る。
【図6】本発明の更に他の実施例の要部を示す構成図で
ある。
【図7】従来のイオン注入装置の概略を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 イオン源 14 質量分析器 16 加速管 2 ファラデーカップ 21 ビームゲート 3 モータ 31 回転ディスク 4 プラズマ発生部 6 電流検出器 7 制御部 82 プラズマゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−93141(JP,A) 特開 平2−109243(JP,A) 特開 平5−128997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 H01L 21/265

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームの照射によりイオンが注入
    される被処理体の近傍にプラズマ発生部を配置し、プラ
    ズマ発生部で発生したプラズマ中の電子が被処理体の表
    面に引き寄せられて当該被処理体の表面の正の電荷を中
    和するイオン注入装置において、 前記プラズマ発生部によるプラズマの発生を確認するプ
    ラズマ発生確認手段と、 このプラズマ発生確認手段によりプラズマの発生を確認
    した後被処理体にイオンビームを照射するように制御を
    行う制御部と、 を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】 イオンビームの照射によりイオンが注入
    される複数の被処理体を回転載置台上に周方向に配置す
    ると共に、前記被処理体の近傍にプラズマ発生部を配置
    し、プラズマ発生部で発生したプラズマ中の電子が被処
    理体の表面に引き寄せられて当該被処理体の表面の正の
    電荷を中和するイオン注入装置において、 前記プラズマ発生部によるプラズマの発生を確認するプ
    ラズマ発生確認手段と、 前記回転載置台を回転させておいてプラズマ発生部にて
    プラズマを発生させ、前記プラズマ発生確認手段により
    プラズマの発生を確認した後被処理体にイオンビームを
    照射するように制御を行う制御部と、 を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
  3. 【請求項3】 イオンビームの照射によりイオンが注入
    される被処理体の近傍にプラズマ発生部を配置し、プラ
    ズマ発生部で発生したプラズマ中の電子が被処理体の表
    面に引き寄せられて当該被処理体の表面の正の電荷を中
    和するイオン注入装置において、 前記プラズマ発生部より流出したプラズマを遮るように
    当該プラズマ発生部と被処理体との間に開閉自在に配置
    されるプラズマシャッターと、 前記プラズマ発生部においてプラズマが発生する前に前
    記プラズマシャッターを閉じておき、前記プラズマ発生
    確認手段によりプラズマの発生を確認した後プラズマシ
    ャッターを開くと共に、イオンビームを照射するように
    制御を行う制御部と、 を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
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CN109243954B (zh) * 2018-10-12 2023-11-03 江苏晋誉达半导体股份有限公司 一种离子注入机

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