JP4088013B2 - 調理用油脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工食品である炒め物、煮物、焼き物、あえ物等において、風味が良好で、また作業性に優れた特徴を有する調理用油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
卵の風味、旨味は調理において非常に重要な要素であり、加工食品分野では多岐にわたって使用されており、例えば、炒飯等の炒め物や親子丼等、一般的なメニューにおける必須の材料となっている。
しかしながら、加工食品において卵を使用する際には、厳格な衛生管理を必要とする上、加工中あるいは保存中に風味が減退、変化するという問題もあり、卵のもつ風味、旨味を食する段階でいかに有効に発揮させるかは長年の課題となっている。
こうした点については、これまでに卵の分離分画物、抽出物、加工品を利用する方法が提案されており、例えば特開平9−312934においては、フラワーペースト類へ卵黄油を用いる方法が開示されている。
しかし、当該特許では、卵黄油は単に、カスタード的な風味付等に使用されているに過ぎず、炒め物、煮物、あえ物等の加工食品の調理に関しては、些かの開示も示唆もされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、一般に卵を使用する食品あるいは卵風味を利用する食品の中で、特に、炒め物、焼き物、煮物、あえ物等の加工食品の調理において、それ自体の保存安定性が良く、良好な卵風味を付与することができ、製造時の作業性に優れた油脂組成物を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、卵黄油を含む油脂組成物が炒め物、焼き物、煮物、あえ物等の調理において、卵風味を良好にし、また製造時の作業性に優れていることを見出し本発明を完成させた。すなわち本発明は、卵黄油を2〜30%含有し、 25 ℃における粘度が 100 10000mPa s であることを特徴とする調理用油脂組成物である。
【0005】
本発明における調理用油脂組成物としては、卵黄油単独或いは卵黄油と食用油脂とを混合したもののいずれも使用できるが、卵本来の風味を発現するには油脂組成物中の卵黄油の含有量が少なくとも2%以上であることが必要である。
本発明において卵黄油とは、卵の卵黄から有機溶媒で抽出し、蛋白質等の水溶性成分を除去して得た卵黄中の脂質分から構成された卵の風味を有しているものである。卵黄油の抽出については、種々の方法が知られているが、食品用途においてはエタノールによる溶媒抽出法が一般的である。
卵黄油によっては卵黄レシチンを含むものがあり、その場合には風味の他にレシチンの持つ乳化機能、分散機能、離型機能等の一般的な機能も併せて付与される。大豆レシチンに代表されるレシチンは、配合される食品よっては違和感のある風味を呈したり、加熱中に風味が変化する場合もあるが、卵黄レシチンは大豆レシチンとは異なる風味となるため、大豆レシチンを用いた際に発生する上記問題を緩和、防止することができる。
【0006】
食用油脂としては、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米油、トウモロコシ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア油、サル脂、イリッペ脂、ボルネオタロー脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂、更には、原料に応じて硬化、分別、エステル交換等の処理を施したものが使用できる。これらは、1種単独または2種以上を混合して使用しても良い。また、これらの食用油脂に乳化剤を配合した油脂を使用することもできる。
【0007】
本発明の調理用油脂組成物においては、上述の各構成成分の配合を適宜調整することにより、以下の如く調理機能の向上、作業性の改善を図ることができる。
第一に、適当な硬化油を配合することにより、調理上望ましい粘度に調整することができ、こうした粘度づけにより保存中における油脂組成物の分離、沈殿を防止することができる。粘度調整に用いる硬化油としては、食用に供される油脂であればいずれも使用できるが、中でも高エルシン酸ナタネ油の極度硬化油が特に好ましい。硬化油の添加量は所望する油脂組成物の粘度に応じて種々変えることができる。本発明においては、油脂組成物の粘度は、100〜10000mPa・s/25℃の範囲に入るのが望ましい。100mPa・s/25℃以下では沈殿防止効果が少なく、10000mPa・s/25℃以上になると作業性に難がある。
第二に、乳化剤を添加することにより、油脂組成物に乳化、分散機能が付与、強化され、結果としてタレや汁等の水性組成物に容易に分散、乳化させることができる。乳化剤としては、食用乳化剤として使用されているものはいずれも利用することができる。すなわち、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、大豆レシチン等であり、これらは一種単独または二種類以上を組合わせて使用できる。
【0008】
卵を使用する調理、或は卵風味の利用できる調理としては、炒め物、焼き物、あえ物、煮物など非常に幅広く、多岐にわたっているが、本発明の油脂組成物は、これらの既存の調理品に添加したり又は調理中の食品に添加したり、或いは炒め油として使用することができる。
代表的な炒め物としては、例えば炒飯があるが、炒飯における卵の利用方法としては、予め調理した卵(卵焼き)を添加するか、或は調理中に液卵を添加する方法が一般的である。本発明の油脂組成物を炒め油として使用する場合は、定法に沿って、調理器具に材料を投入する前に予め加熱しながら敷くが、さらに調理中に添加すること、さらには調理後に添加し全体にからめることも可能である。
本発明の油脂組成物は、通常、卵を使用する調理において、風味付けを目的とするだけでなく、さらに風味を強化する目的でも使用できる。加工後保存するいわゆる加工食品では、保存中に風味が減退、変化するため、香料の添加等で品質の向上をはかっているケースが多いが、本発明品を使用した場合は、調理直後の風味の付与、強化だけでなく、保存中の風味の減退、変化を改善し、最終製品の品質を向上させることができる。
【0009】
【発明実施の形態】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【実施例】
第1表に示す配合でミキサーにて均一に分散させ、調理用油脂組成物を得た。これらについて粘度を測定し、室温で一週間放置後の分離状態を確認した。
【0010】
【表1】
Figure 0004088013
【0011】
実施例1〜2、参考例1〜2、比較例1〜2の油脂組成物を用いて以下の調理13を行った。
調理1:油脂組成物15gをフライパンに添加、30秒間空加熱ながら全体によく延ばし、小さく切った焼き豚、ネギ、ニンジン(合計250g)を投入した後、1分間炒めた。冷めたご飯を500g添加し、よくほぐしながら更に2分炒めた。炒めた物を真空冷却し、パックに充填して20℃で1日保存した。
調理2:サラダ油10gをフライパンに添加、30秒間空加熱ながら全体によく延ばし、小さく切った焼き豚、ネギ、ニンジン(合計250g)を添加し、1分間炒めた。油脂組成物5g及びご飯を500g添加し、よくほぐしながら更に2分炒めた。炒めた物を真空冷却し、パックに充填して20℃で1日保存した。
調理3:サラダ油10gをフライパンに添加、30秒間空加熱ながら全体によく延ばし、小さく切った焼き豚、ネギ、ニンジン、卵焼き(合計350g)を添加し、1分間炒めた。油脂組成物5g及びご飯を500g添加し、よくほぐしながら更に2分炒めた。炒めた物を真空冷却し、パックに充填して20℃で1日保存した。
それぞれの調理時の作業性及び油の分散性については、表2に示した。また、各々の調理食品の風味及び食感についても、10名の専門パネラーによる官能試験の結果を同じく表2に示した。
【0012】
【表2】
Figure 0004088013
【0013】
以上の結果より、本発明の油脂組成物は保存安定性が良く、調理に使用しても卵風味を充分に発揮すると共に作業性も優れていることが判る。
【0014】
【発明の効果】
炒め物、焼き物、煮物、あえ物等の加工食品の調理において、卵自体を使用せずに良好な卵風味を付与し、かつ作業性、離型性能の改善、保存安定性の向上を図ることができる。

Claims (2)

  1. 卵黄油を2〜30%含有し、 25 ℃における粘度が 100 10000 Pa s であることを特徴とする調理用油脂組成物。
  2. 乳化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の油脂組成物。
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