JP4087546B2 - アルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアルキルエーテルサルフェートはエチレンオキサイド付加モル分布が広いため、洗浄剤に配合して使用するに際して幾つかの問題を抱えている。すなわち、平均付加モル数が小さいほど洗浄力と泡性能は高くなるが、反面、付加モル数0のアルキルサルフェートの含有量が高くなるためにマイルド性(低皮膚刺激性)や保存安定性は低下する。一方、平均付加モル数を多くすると、手肌へのマイルド性は高くなるものの、洗浄力への寄与がほとんどない高付加モル付加体の割合が多くなり、洗浄力や泡性能が低下する上、硫酸化の際に副生する1,4−ジオキサン(以下「ジオキサン」という)の量が多くなる。
【0003】
このような問題を解決する手段として、エチレンオキサイド(EO)付加モル分布の狭いアルキルエーテルサルフェートの利用が提案されている(特開平4−72395号公報)。このようなEO付加モル分布の狭いアルキルエーテルサルフェートの製造方法としては、例えば、以下に示す(1)〜(3)の3つの方法がある。
【0004】
(1)ルイス酸のような酸触媒の存在下、原料アルコールにEOを付加させてEO付加モル分布の狭いアルコールエトキシレートを製造し、これを硫酸化する方法。
(2)水酸化カリウムのようなアルカリ触媒の存在下、EO付加モル分布の広いアルコールエトキシレートを得た後、分留によって所望のEO付加モル分布に調整し、それを硫酸化する方法。
(3)酸化マグネシウムを主成分とする触媒(特開平1−164437号公報)の存在下、原料アルコールにEOを付加させてEO付加モル分布の狭いアルコールエトキシレートを製造し、これを硫酸化する方法。
【0005】
しかし、前記(1)の方法では、副生物の生成が多いため、得られた製品の品質に問題が生じるおそれがあり、ジオキサン含量の低減も十分とはいえない。前記(2)の方法では、分留工程が加わるために、製造工程が複雑になり、また製造コストも高くなり、ジオキサン含量の低減も十分とはいえない。前記(3)の方法では、使用する触媒を得る工程が煩雑な上、エチレンオキサイドの付加で副生するポリエチレングリコール量が多く、これが付加後の触媒の濾過速度に悪影響を与えて工業規模での生産が困難となり、またジオキサン含量の低減も十分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、液体洗浄剤に配合した際に、洗浄力が高く、しかも泡性能、保存安定性およびマイルド性(低皮膚刺激性)の全ての特性を満足し、さらにジオキサンの含量が低いアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法は、下記の一般式(I)で表されるアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法であって、このアルキルエーテルサルフェート混合物は、エチレンオキサイド付加モル数の異なる複数の分子種を含む混合物であり、この混合物において、最も多く存在する分子種のエチレンオキサイド付加モル数をnAとしたとき、nAが正の整数1〜5であり、かつエチレンオキサイド付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)の範囲である分子種の占める割合が55〜75質量%であり、さらに前記混合物中の1,4−ジオキサン含有量が30ppm以下であるアルキルエーテルサルフェート混合物であり、前記製造方法が、Mg、AlおよびMnの金属を含有する複合金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒の存在下、アルコールにエチレンオキサイドを付加させ、これにより得られた反応生成物から前記触媒を除去し、前記反応生成物を硫酸化することを含む。
【0008】
R1O(CH2CH2O)nSO3M (I)
【0009】
前記式(I)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基であり、nは平均エチレンオキサイド付加モル数であって1〜6の数であり、Mは水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又は、炭素数2〜3のアルカノール基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモニウムイオンである。
【0010】
本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物(本発明の製造方法により得られたアルキルエーテルサルフェート混合物を意味する。)は、液体洗浄剤に配合した際に、洗浄力が高く、しかも泡性能、保存安定性およびマイルド性(低皮膚刺激性)の全ての特性を満足させることが可能である。しかも、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物は、ジオキサンの含有量が30ppm以下と十分少なく、高品質である。
【0011】
本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物において、ジオキサンの含有量は、低ければ低いほど良く、理想的には、ジオキサンを含まないこと、すなわち含有量が0ppmが好ましいが、これは実際的ではない。したがって、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物のジオキサン含有量の下限は0を超える値となる。ジオキサンの測定は、例えば、後述の方法により、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定できる。
【0012】
本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物において、副生するジオキサンの量が少ない原因は、不明であるが、本発明者らは、つぎのように推察している。すなわち、ジオキサンの6員環構造をとるためには、ある程度の長さのEO鎖が必要であると考えられる。また、EO鎖の切断反応は、SO3が、EO鎖の酸素原子を攻撃したところから進行すると考えられる。したがって、EO鎖が長く酸素原子が多くあるほうが、ジオキサンが副生する確率が高いと考えられる。しかし、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物は、EO付加モル分布が狭く、長いEO鎖のものが少ない。このため、ジオキサンの副生する確率が少なく、この結果、ジオキサン量が少なくなると考えられる。
【0013】
本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物において、エチレンオキサイド付加モル数がnAの分子種の占める割合が、19〜35質量%であることが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法により、前記特性を有するアルキルエーテルサルフェート混合物が製造可能であり、この製造方法は、一貫プロセスなので、製造効率も良い。この製造方法において、反応生成物をろ過助剤に接触させてから前記触媒を除去することが好ましい。
【0015】
本発明の製造方法において、前記硫酸化は、ガス状三酸化硫黄を用いて行われることが好ましい。
【0016】
また、本発明の製造方法において、前記アルコキシル化触媒は、Mg、AlおよびMnの金属を含有する複合水酸化物を共沈法により作製し、前記複合水酸化物を水洗して水溶性塩を除去し、得られた複合水酸化物を乾燥させ、その後、焼成することにより得られた複合金属酸化物を含むアルコキシル化触媒であるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物は、前記一般式(I)で表され、このジオキサン含有量は、30ppm以下である。
【0019】
前記一般式(I)において、R1は、炭素数10〜18の炭化水素基である。R1は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。更に、R1は、ヒドロキシル基などの置換基を任意に含んでもいてもよい。
【0020】
R1としては、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基等が好ましい。このなかで、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基が特に好ましい。
【0021】
nは、エチレンオキサイドの平均付加モル数である。nは、1〜5、好ましくは2〜3の範囲の数である。
【0022】
Mは、水素原子、リチウムイオン、カリウムイオンおよびナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノール基を有するモノアルカノールアンモニウムイオン、ジアルカノールアンモニウムイオンまたはトリアルカノールアンモニウムイオンである。このなかで、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、モノ、ジまたはトリアルカノールアンモニウムイオンが好ましく、カリウムイオン、ナトリウムイオン、トリアルカノールアンモニウムイオンが特に好ましい。
【0023】
前述のように、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物は、EO付加モル数の異なる複数の分子種を含む混合物であり、EO付加モル数の分布が下記条件を満足する。
(1)nAが1〜5の整数、すなわちnA≠0である。
(2)EO付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)の範囲にある分子種の割合が、55〜75質量%、好ましくは60〜70質量%である。
【0024】
これらの条件を満足しない場合、すなわち、nA=0であったり、(nA−1)〜(nA+1)の範囲にある分子種の割合が55質量%未満である場合、泡質が粗くなったり、皮膚刺激性が高くなるなどの問題が生じる。
【0025】
また、EO付加モル数がnAである分子種の割合は、例えば、19〜35質量%、好ましくは20〜30質量%である。
【0026】
つぎに、本発明において、ジオキサンの測定は、例えば、以下の方法により、GCを用いて測定できる。
【0027】
(ジオキサン測定方法)
サンプルを水でジオキサン分が10ppm相当になるように希釈する。一方、ジオキサン10ppmエタノール溶液を検量線として用い、一点絶対検量線法により、サンプル中のジオキサン含有量を求める。
【0028】
(GC条件)
装置 商品名HP5890Series II Plus(Hewlett Packard社製)
カラム 商品名DB−WAX(J&W社製)
大きさ0.25mm×30m
膜厚 0.25μm
キャリアガス Heガス
線速度 30cm/min
スプリット比 20:1
検出器 FID
カラム温度 40℃(Hold 6 min)→200℃(Hold 10 min)
昇温速度30℃/min
注入口温度 120℃
検出器温度 200℃
注入量 1マイクロリットル(μL)
【0029】
つぎに、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法は、前記のように、前記アルコキシル化触媒の存在下、アルコールにEOを付加させ、これにより得られた反応生成物から前記触媒を除去し、前記反応生成物を硫酸化するという製造方法である。
【0030】
前記アルコキシル化用触媒は、Mg、AlおよびMnの金属を含有する複合金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒である。この触媒は、例えば、つぎの方法で製造できる。まず、共沈殿法によって、マグネシウムと、アルミニウムと、マンガンとを含有する複合水酸化物を作製し、水洗によって水溶性塩を除去し、乾燥させた後、焼成して複合酸化物にすることにより、前記アルコキシル化触媒が得られる。前記焼成温度は、例えば、300〜1000℃、好ましくは600〜900℃、更に好ましくは700〜900℃である。
【0031】
前記アルコキシル化触媒の使用量は、使用する原料アルコールに対し、例えば、0.001〜3質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜2質量%の範囲である。
【0032】
エチレンオキサイドを付加するアルコールは、炭素数10〜18の直鎖状または分岐鎖状の一級アルキル基またはアルケニル基にアルコール性水酸基が結合したものである。炭素数が6未満の場合は疎水性が不足するため、これにより得られたアルキルエーテルサルフェートを洗浄剤に配合した際に十分な洗浄力が得られない。また、炭素数が24を超えて大きい場合は、アルキルエーテルサルフェートの溶解度が減少するため保存時に析出しやすくなる。
【0033】
好ましいアルキル基またはアルケニル基は、一般式(I)のR1の説明部で例示したのと同様である。アルキル基またはアルケニル基は、天然物由来でも合成物でも良い。
【0034】
このような、アルキル基若しくはアルケニル基を有するアルコールの市販品としては、例えば、商品名ドバノックス(三菱化学社製)、商品名ドバノール(三菱化学社製)、商品名ダイアドール(三菱化学社製)、商品名オキソコール(協和発酵社製)、商品名ネオドール(シェル化学社製)等の合成一級アルコールや、椰子油高級アルコール等の天然一級アルコールがあげられる。
【0035】
本発明において、アルコールにEOを付加する場合、EOに不活性ガスを併用してもよい。不活性ガスとしては、EOの付加反応を妨げないガスであれば特に限定されないが、窒素ガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。
【0036】
EOの平均付加モル数は1〜6の範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜4、更に好ましくは2〜3の範囲である。
【0037】
EOの付加反応温度は、例えば、100〜200℃であり、好ましくは120〜190℃の範囲である。また、EOの付加圧力は、例えば、0.1〜2MPaであり、好ましくは0.2〜1.5MPaの範囲である。
【0038】
付加反応により得られた反応生成物(アルコールエトキシレート)からは、前記触媒が除去される。これは、例えば、ろ過により実施できる。
【0039】
ろ過に使用するフィルターとしては、例えば、ろ紙、ポリエステルフィルター、セルロースとポリエステルの二層フィルター、焼結金属フィルター、金属メッシュ型フィルター等がある。ろ過は、減圧または加圧下で行うことが好ましく、またその温度は、例えば、10〜180℃の範囲であり、好ましくは15〜100℃の範囲である。さらに、遠心分離、例えば、デカンター若しくは遠心清澄機などを用いてろ過してもよい。
【0040】
このようなろ過工程に先立ち、反応生成物をろ過助剤に接触させることが好ましい。ろ過助剤としては、例えば、SiO2を80〜95%含有する非結晶質ケイ酸のケイソウ土、SiO2を約70%含有するケイ酸アルミニウム、セルロース系ろ過助剤、活性炭、活性アルミナ、合成ゼオライト、粘土若しくは粘土鉱物があげられる。前記ケイソウ土としては、例えば、商品名ラジオライト(#100〜#900、昭和化学工業社製)、商品名セライト545(Celite社製)、商品名ハイフロスパーセル(Celite社製)、商品名スタンダードスパーセル(Celite社製)、商品名フィルターセル(Celite社製)などがある。前記ケイ酸アルミニウムとしては、例えば、商品名トプコ#31(東興パーライト工業社製)などがある。セルロース系ろ過助剤としては、商品名KC−フロック(日本製紙社製)、商品名SW40(Brown Corp.社製)、商品名BW20(Brown Corp.社製)、商品名BW40(Brown Corp.社製)、商品名BW100(Brown Corp.社製)、商品名BW200(Brown Corp.社製)等がある。前記粘土若しくは粘土鉱物としては、例えば、活性白土、酸性白土等がある。これらのろ過助剤は、単独で用いても良く、2種類以上併用してもよい。ろ過助剤の使用量は、反応組成物に対し、0.01〜5質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲であり、最適には0.1〜3質量%の範囲である。ろ過助剤として好ましいのは、セルロース系ろ過助剤である。
【0041】
つぎに、アルコールエトキシレートの硫酸化を行う。硫酸化は、常法により行うことができ、ガス状三酸化硫黄で硫酸化することが好ましい。ガス状三酸化硫黄の濃度は、例えば、0を超えかつ20体積/体積%以下の範囲であり、好ましくは4〜10体積/体積%の範囲である。硫酸化に用いる反応器としては、例えば、槽型反応器、薄膜流下型反応器を用いることができ、好ましくは薄膜流下型反応器である。反応温度は、例えば、20〜100℃、好ましくは20〜50℃である。反応温度が100℃以下であれば、色調の劣化を防止でき、一方温度が20℃以上であると、流動状態の乱れを防止でき、結果的に色調の劣化を防止できて好ましい。
【0042】
そして、得られた硫酸化物を、例えば、アルカリ金属塩の水溶液等を用いて中和する。この際の中和温度は、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。100℃以下で中和すれば、反応物が原料へ戻ってしまう逆反応が防止できるため好ましい。なお、この中和温度の下限は特に限定しないが、例えば、20℃である。中和方式は、例えば、バッチ中和、連続中和方式等があり、特に、外部冷却装置を備えた連続循環中和方式が、温度を一定に保つ意味から好ましい。また、中和時に、減粘剤として多価アルコールを添加することもできる。多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、分子量が200〜5000)があげられる。
【0043】
つぎに、液体洗浄剤組成物は、前記本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物を含有する。その含有割合は、組成物全体に対し、5〜25質量%の範囲が好ましい。5質量%以上であれば、洗浄力がさらに優れたものとなり、また、25質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の粘度が過度に上昇することを充分に抑制可能である。したがって、液体洗浄剤組成物が、ゲル状もしくはペースト状になることを防止するために、ハイドロトロープ剤を必要以上に加えて粘度上昇を防止する必要がない。前記含有割合は、より好ましくは10〜25質量%の範囲であり、最適には、15〜25質量%の範囲である。
【0044】
洗浄剤組成物は、洗浄力および泡性能がさらに向上するという理由から、スルホン酸型アニオン性界面活性剤(b)を含有することが好ましい。前記スルホン酸型アニオン性界面活性剤は、特に限定されず、例えば、炭素鎖長が10〜18のα−オレフィンスルホン酸またはその塩、炭素鎖長が10〜18のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、炭素鎖長が10〜18のアルカンスルホネートまたはその塩、炭素鎖長が10〜18のα−スルホ脂肪酸またはその塩がある。これらは単独で使用しても良く、2種類以上併用しても良い。これらのアニオン性界面活性剤の配合割合は、組成物全体に対し、2〜15質量%の範囲が好ましい。2質量%以上であれば、洗浄力および泡性能がより向上し、また15質量%以下であれば、マイルド性および保存安定性がより優れるようになる。これらのスルホン酸型アニオン性界面活性剤は、アルキル鎖長などの構造や、製造方法などによって特に限定されるものではなく、一般に市販されているものを好適に使用可能であり、アルキル鎖長が10〜18であれば特に好ましい。
【0045】
洗浄力、泡性能、マイルド性および保存安定性をより一層向上させるために、洗浄剤組成物は、アミンオキシド型界面活性剤若しくはベタイン型界面活性剤、または前記二つの界面活性剤の双方を含有することが好ましい。アミンオキシド型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤は、アルキル鎖長等の構造や製造方法によって特に限定されるものではなく、一般に市販されているものを好適に使用可能であり、炭素鎖長が10〜18のものが特に好ましい。アミンオキシド型界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジエチルアミンオキシドなどがある。このなかで、アルキルジメチルアミンオキシド、アルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシドが好ましく、より好ましくは、アルキルジメチルアミンオキシドである。ベタイン型界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチル酢酸ベタイン、アルカノイルアミドアルキル酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインがある。このなかで、アルキルジメチル酢酸ベタイン、アルカノイルアミドアルキル酢酸ベタインが好ましく、より好ましくはアルカノイルアミドアルキル酢酸ベタインである。液体洗浄剤組成物全体に対するアミンオキシド型界面活性剤およびベタイン型界面活性剤の合計の配合割合は、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%の範囲である。2質量%以上であると、前記諸特性がより一層向上し、10質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の粘度の過度の上昇を防止でき、必要以上にハイドロトロープ剤を配合する必要もなくなる。また、前記アミンオキシド型界面活性剤(x)とベタイン型界面活性剤(y)とを併用する場合の両者の質量比は、例えば、x:y=1〜10:10〜1であり、好ましくはx:y=1〜5:5〜1である。
【0046】
前述のように、前記一般式(I)で表されるアルキルエーテルサルフェート(a)、スルホン酸型アニオン性界面活性剤(b)、アミンオキシド型界面活性剤およびベタイン型界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤(c)の質量比は、前記式(II)の関係を満足することが好ましい。ここで、[(a)+(b)]/(c)は、アミンオキシド型界面活性剤およびベタイン型界面活性剤の合計量に対する、アニオン性界面活性剤の合計量の比率を示す。この値が、20以下であれば洗浄力およびマイルド性がより一層優れるようになる。また、この値が1以上であれば、保存安定性がより一層優れるようになり、泡質もクリーミー感がより一層優れるようになる。また、この[(a)+(b)]/(c)は、2〜15の範囲がより好ましく、最適には、3〜10の範囲である。さらに、(a)/(b)が2以上であれば、泡質のクリーミー感がさらに良好となる。
【0047】
液体洗浄剤組成物において、さらにアミド型非イオン性界面活性剤を配合することにより、泡質のクリーミー感がより一層向上するので好ましい。したがって、アミド型非イオン性界面活性剤とは、アミド基特有の水素結合に基づく相乗効果によって泡質にクリーミー感を付与できるものをいい、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸グルカミドなどが好ましい。しかし、このようなアミド型非イオン性界面活性剤は、炭素鎖長などの構造や製造方法によって特に限定されず、一般に市販されているものを好適に使用できる。特に、炭素が10〜18のものが好ましい。アミド型非イオン性界面活性剤として好ましいものは、例えば、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸プロパノールアミド、脂肪酸ポリオキシエチレンモノエタノールアミド、脂肪酸メチルグルカミドなどがある。アミド型非イオン性界面活性剤の配合割合は、液体洗浄剤組成物全体に対し、0〜15質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜10質量%の範囲である。アミド型非イオン性界面活性剤の添加により、泡質のクリーミー感が優れるようになる。また、1質量%以上であれば、泡質のクリーミー感がより一層優れるようになり、15質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の粘度上昇を防止でき、必要以上にハイドロトロープ剤を配合することもない。
【0048】
さらに、液体洗浄剤組成物には、その効果を損なわない範囲で、その目的や用途に応じて、種々の任意成分を配合することが可能である。このような任意成分としては、例えば、脂肪酸石鹸、リン酸エステル系界面活性剤、アシルアラニネートやアシルタウレートなどのアミノ酸系界面活性剤などのアニオン性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤等がある。また、安息香酸塩などの芳香族カルボン酸や、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸などの芳香族スルホン酸などのハイドロトロープ剤も好適に配合可能である。また、エタノール、種々の香料変性エタノール、イソプロパノール、ブチルカルビトールなどの水溶性溶剤も好適に配合可能である。また、クエン酸、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコール酸などのキレート剤や、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸/ポリマレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸などの高分子化合物も好適に配合可能である。また、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの無機ビルダーや、粘度調整剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、除菌剤、消炎剤、薬効成分、香料、天然抽出物のような液体洗浄剤に通常用いられる成分も好適に配合可能である。
【0049】
香料としては、例えば、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料及び植物からの天然香料などがある。これらは単独で用いても良く、2種類以上併用しても良い。また、香料の配合割合は、液体洗浄剤組成物全体に対し、例えば、0を超えかつ1質量%以下、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0050】
【実施例】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0051】
(実施例1)
(1) 触媒調製
硝酸マグネシウム6水和物68.03g、硝酸アルミニウム9水和物47.69gおよび硝酸マンガン6水和物24.33gを、450gの脱イオン水に溶解し、これを溶液Aとした。一方、炭酸ナトリウム13.47gを450gの脱イオン水で溶解し、これを溶液Bとした。前記溶液Aと溶液Bとを、予め1800gの脱イオン水を仕込んだ触媒調製槽に、2mol/リットル(L)のNaOH水溶液によりpHを9、温度を40℃に保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後、1時間熟成させた。母液を濾過により除き、沈殿を6000gの脱イオン水で洗浄し、噴霧乾燥することにより30gの複合水酸化物を得た。この複合水酸化物を、窒素雰囲気下800℃で3時間焼成して、Mg、Al、Mnの複合酸化物触媒(アルコキシル化触媒)19gを得た。
【0052】
(2) EO付加
前記触媒0.5g、直鎖ドデカノール(新日本理化社製、商品名「コノール20P」)207.9gおよび直鎖/分岐混合トリデカノール(三菱化学社製、商品名「Diadol 13」;直鎖率49%)831.5gを、オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した。攪拌しながら50℃まで昇温し減圧下(6.65kPa到達)で脱水した後、オートクレーブ内に窒素ガスを導入して常圧まで戻し、160℃まで昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.5MPaに維持しながら、EO460.6g(付加モル数2相当)を導入し、同温度で平衡圧に達するまで攪拌を継続して反応を完結させた。その後、80℃に冷却して反応生成物(反応粗製物)を得た。
【0053】
(3) 反応生成物(反応粗製物)からの触媒の分離
撹拌機を備えた1Lの四つ口フラスコに、上記反応生成物400gを入れ45℃に加温した。ついで、ボディフィード用濾過助剤(商品名:KCフロックW−50S、日本製紙株式会社製)2g(反応生成物に対し0.5%)を添加し、45℃で30分間撹拌し、混合液Aを得た。この混合液Aからプレコート用液として100gを別の四つ口フラスコ(500mL;撹拌機付き)に移し、45℃に加温した。上記プレコート用液にプレコート用濾過助剤として0.625g(0.5kg/cm2相当)の商品名KCフロックW−50Sと0.625g(0.5kg/cm2相当)の商品名ハイフロスーパーセル(Celite社製)とを添加し、45℃で30分間撹拌し、プレコート用液Bを得た。
【0054】
セルロースとポリエステルの2層フィルターを濾材とする加圧濾過器(内径4cm)を用いて45℃、窒素圧0.2MPaで前記プレコート用液Bを濾過し、プレコート層を形成させた。但し、最初に出てくる分の約20mLの濾液については、若干の濾過助剤の漏れが見られたため再度濾過器を通過させた。前記プレコート用液Bの濾液が十分な清澄度を持つことを確認後、前記混合液Aを、前記濾過器にかけたところ、十分な清澄度を持つ濾液が得られた。以上の操作により得られたろ液(前記プレコート用液Bの濾液および前記混合液Aの濾液を合わせたもの)を、精製アルコールエトキシレートとした。
【0055】
(4) アルコールエトキシレートの硫酸化
前記精製アルコールエトキシレートを、薄膜型流下式スルホン化反応器(内径10mm×2.5m、外部ジャケット付き)内部に、温度45℃および供給速度約146〜149g/minの条件で供給し、前記反応器内部を薄膜状に流下させた。また、SO3ガス(濃度約7〜8%、窒素ガス希釈)を、40g/minの供給速度で前記反応器内に導入し、前記精製アルコールエトキシレートを硫酸化した。前記SO3ガスの温度は50℃であり、前記反応器の外部ジャケットには30〜40℃の水を通した。また、前記アルコールエトキシレートとSO3ガスとの間には、窒素ガスを導入した。得られた硫酸化物を3.2質量%の苛性ソーダ水溶液により70℃以下で中和し、界面活性剤濃度22質量%、反応率96.5%および芒硝0.07質量%のアルキルエーテルサルフェートを得た。また、得られた硫酸化物を20.7質量%の苛性ソーダ水溶液を用い、70℃以下で中和することにより、界面活性剤濃度65質量%のアルキルエーテルサルフェート(S−1)を得た。これは、ポンプ輸送可能なスラリー状であった。そして、得られた硫酸化物に、ポリエチレングリコール(MW=1000)を、25質量%(対界面活性剤純分)添加し、さらに48質量%苛性ソーダ水溶液により70℃以下で中和することにより、界面活性剤濃度60質量%のアルキルエーテルサルフェートを得た(S−2)。このようにして得られたアルキルエーテルサルフェート(S−1,S−2)の付加モル分布を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。また、前述の方法により、ジオキサン量も測定した。これらの結果を、下記の表1に示す。なお、EO付加モル分布およびジオキサン量の測定は、以下の実施例および比較例においても同様にして行った。また、前記ジオキサン量は、複数の分子種のアルキルエーテルサルフェートの混合物(界面活性剤)中の割合(界面活性剤全体に対する割合)であり、これは、以下の実施例および比較例においても同じである。
【0056】
(実施例2)
EO付加において、その付加モル数を5とした以外は、実施例1と同様にしてEO付加、硫酸化および中和操作を行ない、界面活性剤濃度60質量%のアルキルエーテルサルフェート(S−3)を得た。これの付加モル分布およびジオキサン量を下記の表1に示す。
【0057】
(比較例1)
アルコキシル化触媒として水酸化カリウムを0.05質量%(対原料アルコール)使用した以外は、実施例1と同様にしてEO付加、硫酸化および中和操作を行ない、界面活性剤濃度60質量%のアルキルエーテルサルフェート(R‐1)を得た。これの付加モル分布およびジオキサン量を下記の表1に示す。
【0058】
(比較例2)
EO付加において、その付加モル数を5とした以外は、比較例1と同様にしてEO付加、硫酸化および中和操作を行ない、界面活性剤濃度60質量%のアルキルエーテルサルフェート(R‐2)を得た。これの付加モル分布およびジオキサン量を下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
前記表1に示すように、実施例1,2のアルキルエーテルサルフェートは、EO付加モル分布が狭く、しかもジオキサン含量が30ppm以下と低かった。これに対し、比較例1,2のアルキルエーテルサルフェートは、EO付加モル分布が広く、しかもジオキサン含量が30ppmを超えていた。
【0061】
(実施例3〜7、比較例3、4)
前記実施例1,2および比較例1,2のアルキルエーテルサルフェート(S−1,S−2,S−3,R−1,R−2)に加え、下記の表2に示す各成分を配合して液状洗浄剤組成物を調製し、泡質のクリーミー感、洗浄力、マイルド性および保存安定性の諸特性について評価を行った。この結果も、同表に示す。なお、前記評価は、以下に示す方法により行った。なお、同表において、配合組成は「質量部」表示である。また、同表中の香料の組成は、下記の表3に示す通りである。
【0062】
(泡質のクリーミー感)
洗浄剤組成物の5質量%水溶液40gを市販の食器洗い用スポンジにとって、手で10回揉んだときの泡の感触を以下の基準により評価した。
○:泡のキメが細かく、粘性のあるクリーミーな泡で、スポンジからたれ落ちにくい。
△:泡のきめは細かいが、クリーミー感に欠け、スポンジからややたれ落ちやすい。
×:泡質が水っぽく、重たい感じでスポンジから多量にこぼれ落ちる。
【0063】
(洗浄力)
牛脂1gを10cm×15cmのポリプロピレン製タッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水性硬表面汚垢とした。市販の食器洗い用スポンジに36gの水と4gの洗浄剤組成物を取り、数回手で揉んだ後、この汚染したタッパ容器を25℃で通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、以下の基準により洗浄力を評価した。
○:タッパ容器のいずれの部位を触っても、キュッキュと音がするような摩擦感があり、油の残留によるヌルつきはまったく感じられない。
△:タッパ容器の平滑な表面を触ると摩擦感があり、油の残留は認められないが、端や角の部位にはヌルつきが残っている。
×:タッパ容器全体にヌルつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
【0064】
(マイルド性)
洗浄剤組成物の1質量%水溶液(35℃)を用いた20名のパネラーによる手の浸漬試験によりマイルド性を評価した。すなわち、1分毎の浸漬−乾燥操作を15回行ない、24時間後の手荒れの程度を以下の基準で視覚判定した。
○:手荒れがほとんどない。
△:皮膚の角質表面の一部に乾燥落屑性や赤斑変化などの手荒れ症状らしき兆候が認められる。
×:乾燥落屑性や赤斑変化などの手荒れ症状が明確に認められる。
【0065】
(保存安定性)
洗浄剤組成物100mLをガラス瓶に充填し、−5℃の恒温槽中に1ヵ月間放置したとき、及び50℃の恒温槽中に1ヵ月間放置したときの外観を観察し、以下の基準に基づき保存安定性を評価した。
○:いずれの条件における保存においても、析出物の発生や変色などの外観
の異常は認められない。
△:いずれか一方の条件の保存において、外観変化の兆候が認められる。
×:いずれか一方または両方の保存において明確な外観変化が認められる。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
前記表2より、本発明の製造方法で得られたアルキルエーテルサルフェート混合物を配合した実施例3〜7の洗浄剤組成物は、泡質のクリーミー感、洗浄力、マイルド性および保存安定性の全ての特性において、優れていた。これに対し、比較例3,4の洗浄剤組成物は、一つ若しくは二つ以上の特性において問題があった。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明の製造方法で得られたアルキルエーテルサルフェート混合物は、液体洗浄剤に配合した際に、洗浄力が高く、しかも泡性能、保存安定性およびマイルド性の全ての特性を満足し、さらにジオキサンの含量も低い。したがって、本発明の製造方法で得られたアルキルエーテルサルフェート混合物を配合した液体洗浄剤は、高性能であり、例えば、衣料用液洗剤、台所用洗剤(食器洗浄剤等)、シャンプー、住居用洗剤(床、ガラス用洗浄剤等)として、幅広く使用することができる。また、本発明の製造方法で得られたアルキルエーテルサルフェート混合物は、洗浄剤の他に、例えば、乳化剤および増粘剤等の種々の用途にも好ましく使用できる。そして、本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法によれば、前記高性能の本発明のアルキルエーテルサルフェート混合物を容易かつ低コストで製造可能である。
Claims (4)
- 下記の一般式(I)で表されるアルキルエーテルサルフェート混合物の製造方法であって、
このアルキルエーテルサルフェート混合物は、エチレンオキサイド付加モル数の異なる複数の分子種を含む混合物であり、この混合物において、最も多く存在する分子種のエチレンオキサイド付加モル数をnAとしたとき、nAが正の整数1〜5であり、かつエチレンオキサイド付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)の範囲である分子種の占める割合が55〜75質量%であり、さらに前記混合物中の1,4−ジオキサン含有量が30ppm以下であるアルキルエーテルサルフェート混合物であり、
前記製造方法が、Mg、AlおよびMnの金属を含有する複合金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒の存在下、アルコールにエチレンオキサイドを付加させ、これにより得られた反応生成物から前記触媒を除去し、前記反応生成物を硫酸化することを含む方法。
R1O(CH2CH2O)nSO3M (I)
前記式(I)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基であり、nは平均エチレンオキサイド付加モル数であって1〜6の数であり、Mは水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又は、炭素数2〜3のアルカノール基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモニウムイオンである。 - エチレンオキサイド付加モル数がnAの分子種の占める割合が、19〜35質量%である請求項1に記載のアルキルエーテルサルフェートの製造方法。
- 硫酸化が、ガス状三酸化硫黄を用いて行われる請求項1または2記載の製造方法。
- 前記アルコキシル化触媒が、Mg、AlおよびMnの金属を含有する複合水酸化物を共沈法により作製し、前記複合水酸化物を水洗して水溶性塩を除去し、得られた複合水酸化物を乾燥させ、その後、焼成することにより得られた複合金属酸化物を含むアルコキシル化触媒である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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