JP2003096050A - 色調の改良されたアルキルエーテルサルフェートの製造方法 - Google Patents

色調の改良されたアルキルエーテルサルフェートの製造方法

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JP2003096050A
JP2003096050A JP2001298104A JP2001298104A JP2003096050A JP 2003096050 A JP2003096050 A JP 2003096050A JP 2001298104 A JP2001298104 A JP 2001298104A JP 2001298104 A JP2001298104 A JP 2001298104A JP 2003096050 A JP2003096050 A JP 2003096050A
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alkyl ether
ether sulfate
ethylene oxide
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Takeshi Saito
武史 斎藤
Satoru Oyama
哲 大山
Hisashi Sasamoto
久 笹本
Yasuhiro Miura
康浩 三浦
Naomi Miyata
直美 宮田
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調の改良されたアルキルエーテルサルフェ
ートの製造方法を提供する。 【解決手段】 複合金属酸化物を含有するアルコキシル
化触媒の存在下、高級アルコールにエチレンオキサイド
を付加させ、これにより得られた高温反応生成物を冷却
及び/又は定温保持する工程により該反応生成物を温度
30℃〜45℃の範囲に調整し、この温度範囲の反応生
成物を濾過処理して前記触媒を除去し、該反応生成物を
硫酸化することを特徴とする色調の改良されたアルキル
エーテルサルフェートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、色調の改良されたアル
キルエーテルサルフェートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高級アルコールまたはそのアル
キレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩からなるアル
キルエーテルサルフェートは、食器用洗剤、シャンプー
などの毛髪用洗剤、衣料用洗剤などの主要界面活性剤と
して広く使用されている、しかしながら、従来のアルキ
ルエーテルサルフェートは、エチレンオキサイド付加モ
ル分布が広い(ブロート)ために、各種洗浄剤などに配合
して使用するに際して幾つかの問題を抱えていた。
【0003】すなわち、高級アルコールにエチレンオキ
サイドを付加せしめたアルキレンオキサイド付加物の平
均エチレンオキサイド付加モル数が小さいほど洗浄力や
泡性能は高くなる傾向にあるが、その反面、エチレンオ
キサイド付加モル数0(零)のアルキルサルフェートの含
有量が高くなるためにマイルド性(低皮膚刺激性)や保存
安定性などは低下するという問題があった。一方、平均
エチレンオキサイド付加モル数を多く(高付加モル)する
と、手肌へのマイルド性は高くなるものの、洗浄性への
寄与がほとんどない高付加物の割合が多くなり、洗浄力
や泡性能が低下するなど種々の問題があった。
【0004】このような問題を解決する手段としては、
例えば、エチレンオキサイド(EO)を付加させてEO付
加モル分布の狭いアルキルエーテルサルフェートの利用
が提案されている(特開平4−72395号公報)。この
ようなEO付加モル分布の狭いアルキルエーテルサルフ
ェートの製造方法としては、更に、以下(1)〜(3)に示す
方法などが提案されている。 (1) ルイス酸のような酸触媒の存在下、高級アルコール
にEOを付加させてEO付加モル分布の狭いアルコール
エトキシレートを製造し、これを硫酸化する方法。 (2) 水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカ
リ触媒の存在下、EO付加モル数の広いアルコールエト
キシレートを得た後、分留などの操作によって所望のE
O付加モル分布に調製し、それを硫酸化する方法。 (3) 酸化マグネシウムを主成分とする触媒(特開平1−
164437号公報)や焼成ハイドロタルサイト触媒
(特開平2−71841号公報)記載のアルコキシル化
用触媒の存在下、高級アルコールにEOを付加させてE
O付加モル分布の狭いアルコールエトキシレートを製造
し、これを硫酸化する方法。
【0005】しかしながら、前記(1)の方法では、EO
付加モル分布が十分に狭くならず、ジオキサン、ジオキ
ソラン、ポリアルキレングリコールのような副生成物の
生成が多いため得られたアルキルエーテルサルフェート
の品質に問題が生じるおそれがあり好ましくない。ま
た、前記(2)の方法では、分留などの操作(工程)が加わ
るために、製造工程が複雑になり、また、分留での不要
な留分などの利用または廃棄などが必要となるばかりか
製造コストも高くなり工業的な面から不利である。更
に、前記(3)の方法のように付加モル分布の狭い(シャー
プ) アルキレンオキサイド付加物を得るためのアルコキ
シル化触媒や製造方法なども知られているが、前記方法
では、EO付加モル分布の狭いアルコールエトキシレー
トを得ることができるものの、付加物中にポリアルキレ
ングリコールなどの副反応物を多く含有するために、付
加物中に含まれる触媒と副生ポリアルキレングリコール
などを分離除去してから硫酸化する必要がある。
【0006】更に、付加物中に含有する触媒や副生ポリ
アルキレングリコールなどを濾過操作などで分離除去す
る場合、濾紙や濾布或いは濾板の目詰まりを起こしやす
く、濾過速度が遅く、工業的には多大な濾過設備が必要
となるばかりか、濾液に高分子量のポリアルキレングリ
コールが残留するため、用途によっては、液性や製品の
安定性に影響を与えるなどの欠点があった。更にまた、
アルキルエーテルサルフェートを各種洗浄剤として使用
する場合には、手肌などへのマイルド性や泡性能などの
他に商品価値向上のために、色調の良好なアルキルエー
テルサルフェートが望まれている。
【0007】一方、現状では、高級アルコールにEOを
付加させてEO付加モル分布の狭いアルコールエトキシ
レートを製造し、これを硫酸化せしめ得られたアルキル
エーテルサルフェートは必ずしも満足できる色調のもの
ではなかった。淡色なアルキルエーテルサルフェートを
得る方法としては、漂白処理する技術、例えば、特公昭
60−51520号公報には、過酸化水素または過酸化
水素発生物質と無水コハク酸または無水安息香酸を作用
させる方法が記載され、また、特開平10−16805
3号公報には、高級アルコールのアルキレンオキサイド
付加物を硫酸化剤により硫酸化した後、中和によりアニ
オン界面活性剤を製造する方法において、中和後の反応
生成物に紫外線を照射して淡色なアニオン界面活性剤を
得る方法が記載されている。しかしながら、上記前者の
方法では、過酸化物が残存し、漂白処理後に熱による分
解または亜硫酸塩などで残存する過酸化物を除去する必
要がある。また、上記後者の方法では、過酸化水素及び
/又は光触媒として酸化チタンを反応生成物中に添加す
るためアニオン界面活性剤中に残留するので製品に配合
したときに好ましくないことがあった。また、残留する
光触媒を除去するには濾別などの分離操作が必要である
ため、製造工程が複雑となり製造コストも高くなるなど
の欠点があった。
【0008】更に、特開平11−172280号公報に
は、中和と同時または中和後に還元剤、例えば、重亜硫
酸ナトリウムなどを用いて漂白処理し、次いで酸化剤で
漂白することにより、残存過酸化水素の量を減少させる
方法などが提案されているが、硫酸化せしめ中和(アル
カリ側;pH10〜12)した後、硫酸でpH調整(二段
中和)してから前記漂白処理を行うため製造工程が複雑
となり工業的に有利でないなどの欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするも
のであり、漂白剤などの処理を施すことなく、効率的に
工業的に生産可能な色調の改良されたアルキルエーテル
サルフェートの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、複合
金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒の存在下、高
級アルコールにエチレンオキサイドを付加させ、これに
より得られた反応生成物を特定の温度範囲に調整してか
ら触媒を除去し、該反応生成物を硫酸化することによ
り、上記目的の色調の改良されたアルキルエーテルサル
フェートを製造できることを見い出し、本発明を完成す
るに至ったのである。すなわち、本発明は、(1)〜(3)に
存する。 (1) 複合金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒の存
在下、高級アルコールにエチレンオキサイドを付加さ
せ、これにより得られた高温反応生成物を冷却及び/又
は定温保持する工程により該反応生成物を温度30℃〜
45℃の範囲に調整し、この温度範囲の反応生成物を濾
過処理して前記触媒を除去し、該反応生成物を硫酸化す
ることを特徴とする色調の改良されたアルキルエーテル
サルフェートの製造方法。 (2) 上記(1)記載の方法により得られるアルキルエーテ
ルサルフェートは、下記一般式(I)で表されるアルキ
ルエーテルサルフェートであり、かつ、エチレンオキサ
イド付加モル数の異なる複数の分子種を含む混合物であ
り、この混合物において最も多く存在する分子種のエチ
レンオキサイド付加モル数をnAとしたとき、nAが正
の整数であり、かつ、エチレンオキサイド付加モル数が
(nA−1)〜(nA+1)の範囲である分子種の占める割
合が55〜80質量%であることを特徴とする色調の改
良されたアルキルエーテルサルフェート。
【化2】 (3) 上記(2)記載のアルキルエーテルサルフェートは、
エチレンオキサイド付加モル数の異なる複数の分子種を
含む混合物であり、この混合物において最も多く存在す
る分子種のエチレンオキサイド付加モル数をnAとした
とき、nAの分子種の占める割合が19〜35質量%で
あり、かつエチレンオキサイド付加モル数0(零;アル
キルサルフェート)のものの占める割合が17質量%か
ら検出限界以下である色調の改良されたアルキルエーテ
ルサルフェート。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の色調の改良されたアルキルエーテ
ルサルフェートの製造方法は、複合金属酸化物を含有す
るアルコキシル化触媒の存在下、高級アルコールにエチ
レンオキサイドを付加させ、これにより得られた高温反
応生成物を冷却及び/又は定温保持する工程により該反
応生成物を温度30℃〜45℃の範囲に調整し、この温
度範囲の反応生成物を濾過処理して前記触媒を除去し、
該反応生成物を硫酸化することを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明方法で用いる複合金属酸化物を含有
するアルコキシル化触媒としては、例えば、MgOを主
成分とする非層状アルコキシル化用触媒が挙げられ、M
gO系複合酸化物が好ましく、金属イオン添加酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム・マグネシウム焼成物お
よびそれらの表面改質物から選択される一種または二種
以上の非層状化合物が望ましい。ここで、金属イオン添
加酸化マグネシウムとしては、特公平6−15038号
公報、特開平7−227540号公報、同6−1981
69号公報、同6−182206号公報、同5−170
688号公報などに記載されたものが挙げられる。これ
らの公報における金属イオン添加酸化マグネシウムにつ
いての記載は、本明細書の記載に含まれるものとする。
【0013】また、水酸化アルミニウム・マグネシウム
焼成物としては、特願平7−94417号明細書に記載
のものが挙げられ、上記明細書における水酸化アルミニ
ウム・マグネシウム焼成物についての記載は、本明細書
の記載に含まれるものとする。また、水酸化アルミニウ
ム・マグネシウム焼成物の表面改質物としては、特願平
6−334781号公報、同6−334782号公報な
ども本明細書の記載に含まれるものとする。上記以外
に、酸化マグネシウムとアルミナとを混合し成形してな
るアルキレンオキサイド付加触媒(特開平12−150
94号公報)や100m2/g以上のBET表面積を有
する粉末状酸化マグネシウムまたはアルミナゾルなどの
群から選ばれる一種以上のバインダーを固形分として添
加成形したアルキレンオキサイド付加触媒(特開平12
−16958号公報)、岩塩型構造をとる金属酸化物
が、亜族方式周期表の第3A族、3B族、5A族、7A
族、8族およびランタノイド類から選ばれた元素を含有
してなる複合金属酸化物系アルコキシル化用触媒(特開
平11−114417号公報)、特開平11−3195
56号公報記載のアルキレンオキサイド付加触媒、マグ
ネシウムの酸化物と、周期表の第4族、第6族、第8
族、第9族、第10族、第12族、第14族(但し、炭
素原子を除く)、第15族(但し、窒素原子を除く)か
らなる原子群より選ばれる少なくとも1種の原子の酸化
物とを含有する触媒(特開平8−323200号公報)
などの記載も、本明細書の記載に含まれるものとする。
【0014】更に、前記アルコキシル化用触媒は、Mg
Oを主成分とし、マグネシウム以外の金属を2種以上添
加した複合金属酸化物触媒が好適である。前記触媒とし
ては、特開平2000−61304号公報に記載されて
いる、6A族、7A族および8族から選ばれる少なくと
も1種類の金属と、マグネシウム、アルミニウムとを含
有する金属酸化物からなるアルコキシル化用触媒が好ま
しく適用される。この触媒は、例えば、つぎの方法で製
造できる。まず、共沈殿法によって、マグネシウム、ア
ルミニウムと、6A族、7A族および8族から選ばれる
少なくとも1種類の金属とを含有する複合水酸化物を調
製し、次いで、水洗によって水溶性塩を除去し、乾燥さ
せた後、焼成して複合酸化物にすることにより、前記ア
ルコキシル化用触媒を得ることができる。前記焼成温度
としては、例えば、300〜1000℃、好ましくは5
00〜900℃であり、更に好ましくは、600〜90
0℃である。前記アルコキシル化用触媒の使用量は、使
用する高級アルコールに対して、例えば、0.001〜
10質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜3質量
%の範囲である。
【0015】更に、ある種のバインダーなどを用いて成
形してなる触媒を使用するときは、前記記載の触媒使用
量に限定されることなく、多量のアルコキシル化触媒を
使用しても良いものとする。上記成形してなる触媒を用
いる場合は、エチレンオキサイドとの付加反応に用いら
れる反応形式は、攪拌槽流通式、固定床流通式、成形し
てなる触媒をバスケットに収納した攪拌槽回分式および
攪拌槽回分式などいずれの形式で実施しても良い。この
方法では、触媒使用量は、高級アルコールなどの主発原
料に対して、0.1〜50質量%の範囲で用いるのが好
適である。
【0016】本発明方法でエチレンオキサイドを付加す
る高級アルコールは、炭素数8〜18の直鎖状または分
岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基にアルコール性
水酸基が結合したものが好適であり、炭素数が10〜1
8であれば更に好ましい。炭素数が8未満であると、疎
水性が不足するため、これにより得られたアルキルエー
テルサルフェートを洗浄剤等に配合した場合に十分な洗
浄力が得られず、また、炭素数18を越える場合は、ア
ルキルエーテルサルフェートの溶解度が減少するため保
存時に析出しやすくなる。好ましいアルキル基またはア
ルケニル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステア
リル基、オレイル基、アラキル基、ベへニル基等が望ま
しく、更に好ましくは、デシル基、ラウリル基、ミリス
チル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基であ
る。また、アルキル基またはアルケニル基は、天然物由
来でも合成物であってもよい。これらのアルキル基また
はアルケニル基を有するアルコールとしては、具体的に
は、ヤシ油、パーム油または牛脂などから誘導された天
然アルコール、更にオキソ法、チーグラー法およびパラ
フィン直接酸化法などによって得られた炭素数8〜18
の合成アルコールなどが挙げられる。上記記載の天然ま
たは合成アルコールは、分留により単一の炭素数や炭素
数の異なる混合物であっても良い。また、このような前
記アルコールの市販品としては、例えば、商品名ドバノ
ックス(三菱化学社製)、商品名ドバノール(三菱化学
社製)、商品名ダイヤドール(三菱化学社製)、商品名
オキソコール(協和発酵社製)、商品名ネオドール(シ
ェル化学社製)などの合成一級アルコールや前記記載の
ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、ひまわり油、
菜種油または牛脂などから誘導された天然アルコールな
どが挙げられ、本発明で好適に用いることができる。
【0017】本発明方法において、高級アルコールにエ
チレンオキサイドを付加反応する場合、エチレンオキサ
イドに不活性ガスを併用してもよい。不活性ガスとして
は、エチレンオキサイドの付加反応を妨げないガスであ
れば、特に限定されるものではないが、窒素ガスなどが
好適に用いられる。エチレンオキサイドの付加モル数
は、1〜6の範囲が好ましく、更に好ましくは1.5〜
4、特に好ましくは2〜3の範囲である。エチレンオキ
サイドの付加反応は、例えば、100〜200℃であ
り、好ましくは120〜190℃の範囲である。また、
前記付加反応の圧力は、0.1〜4MPaであり、好ま
しくは、0.2〜1.5MPaの範囲である。
【0018】本発明方法において、上記複合金属酸化物
を含有するアルコキシル化触媒の存在下、高級アルコー
ルにエチレンオキサイドを付加させ、この付加反応によ
り得られたアルキレンオキサイド付加物(反応粗製物)
は、温度80℃以上の高温反応生成物であり、この高温
反応生成物を冷却及び/又は定温保持する工程により該
反応生成物を温度30℃〜45℃の範囲に調整し、この
温度範囲の反応生成物を濾過処理してアルコキシル化用
触媒や付加反応により副生成するポリアルキレングリコ
ールなどを除去せしめることが必要である。本発明方法
では、付加反応により得られた高温反応生成物を温度3
0℃〜45℃の範囲に調整し、この温度範囲の反応生成
物であるアルキレンオキサイド付加物を濾過処理した場
合には、副生成物であるポリアルキレングリコール由来
の不溶物が認められず、経時と共に下層に滞留すること
や沈降することがなくなるため、均一な溶液の状態で流
下薄膜式などの反応装置〔前記アルキレンオキサイド付
加物の供給をアルキレンオキサイド付加物の滞留した滞
留部から反応缶内壁へオーバーフローさせて硫酸化する
方法やアルキレンオキサイド付加物が反応缶上部の原料
供給管から直接反応缶に供給して硫酸化する方法、或い
は、従来より用いられているスリット方式(スリット部
が液分配を実質的に行っているオリフィスの役目を果た
し、同時にフィルム状液膜を形成)などを実施可能な装
置〕により硫酸化を実施しても、アルキレンオキサイド
付加物中に含有する副生成物であるポリアルキレングリ
コール由来の不溶物を極力少なくすることができるた
め、薄膜または液膜を均一にすることが可能となり、過
反応(見かけ上、ガス状三酸化硫黄のモル比が高い)を防
止でき、得られたアルキルエーテルサルフェートの色調
を改良できるものとなる。前記範囲の温度が45℃を越
えると、反応粗製物中に含有するポリアルキレングリコ
ール(副生成物)を十分に除去することができず、濾過
液中にポリアルキレングリコールが残留するので、目的
の色調が改良されたアルキレンオキサイド付加物は得ら
れないこととなる。また、前記範囲の温度が30℃未満
であると、金属酸化物らなるアルコキシル化用触媒を含
むポリアルキレングリコール(副生成物)の不溶物は、
粘稠物質となり、濾過面への付着により目詰まりをおこ
し、濾過速度が遅くなるので好ましくない。好ましく
は、付加反応により得られた高温反応生成物を温度35
℃〜43℃の範囲に調整することが望ましい。この高温
反応生成物を温度35℃〜43℃までに冷却させた場
合、前記温度で保持することなしに濾過し、硫酸化して
も、色調の良いアルキルエーテルサルフェートが得られ
ることとなる。43℃以下では、中、高分子量のポリア
ルキレングリコール(副生成物)が結晶化して濾過処理
工程で除去できるため、更に色調が良好となる。なお、
43℃を越え45℃以下では、この温度範囲で保持〔4
4℃では30分、45℃では60分〕しておくと、中、
高分子量のポリアルキレングリコール(副生成物)が徐
々に結晶化(析出)して、濾過処理で除去でき色調が良
好となる。
【0019】本発明方法において、上記付加反応により
得られた高温反応生成物であるアルキレンオキサイド付
加物(反応粗製物)を温度30℃〜45℃まで冷却及び
/又は定温保持する工程としては、例えば、冷却手段と
しては、反応缶付帯設備のジャケット冷却方式、反応缶
付帯設備の内部冷却コイル方式、或いは、循環ポンプと
熱交換器を備えた外部熱交換方式など公知の冷却及び/
又は定温保持可能な方式などが挙げられる。
【0020】本発明方法において、上記温度範囲の反応
生成物を濾過処理する手段としては、濾過用フィルター
などを用いて行うことができる。濾過処理に使用するフ
ィルターとしては、例えば、濾紙、濾布、セルロースと
ポリエステルの二層フィルター、焼結金属フィルター、
金属メッシュ型フィルターなど公知のフィルターを用い
ることができる。更に、遠心分離、例えば、デカンター
型遠心分離機若しくは遠心清澄機などを用いても良い。
このような濾過工程に先立ち、高級アルコールにエチレ
ンオキサイドを付加させたアルキレンオキサイド付加物
を濾過助剤に接触させること、または、前記記載の遠心
分離した後に濾過助剤と接触させることが好ましい。濾
過助剤としては、例えば、SiO2を80〜95%含有
する非結晶質ケイ酸のケイソウ土、SiO2を約70%
含有するケイ酸アルミニウム、セルロース系濾過助剤、
活性炭、活性アルミナ、合成ゼオライト、粘土若しくは
粘土鉱物などが挙げられる。前記ケイソウ土としては、
例えば、商品名ラジオライト(#100〜#900、昭
和化学工業社製)、商品名セライト545(Celit
e社製)、商品名ハイフロスパーセル(Celite社
製)、商品名スタンダードスパーセル(Celite社
製)、商品名フィルターセル(Celite社製)など
が挙げられる。前記ケイ酸アルミニウムとしては、例え
ば、商品名トプコ#31(東興パライト工業社製)など
がある。セルロース系濾過助剤としては、例えば、商品
名KC−フロック(日本製紙社製)、商品名SW40、
および、BW20〜200(Brown Corp.社
製)などがある。また、粘土若しくは粘土鉱物として
は、例えば、酸性白土、活性白土などが挙げられる。こ
れらの濾過助剤は、単独で用いてもよく、2種類以上併
用しても良い。濾過助剤の使用量は、特に限定されるも
のではないが、通常、アルキレンオキサイド付加物に対
して、0.01〜5質量%の範囲が好ましい。より好ま
しくは、0.02〜3質量%の範囲である。
【0021】本発明方法において、目的の色調が改良さ
れたアルキルエーテルサルフェートを得るために、好ま
しくは、金属酸化物らなるアルコキシル化用触媒、およ
び、高級アルコールにエチレンオキサイドを付加させた
反応粗製物中に含有する副生成物であるポリアルキレン
グリコールなど本発明の目的に影響を及ぼす物質を前記
記載の濾過助剤と接触してから濾過などの分離操作によ
り除去することが望ましい。このような前記記載の方法
としては、例えば、反応粗製物にセルロース系濾過助剤
として、商品名KC−フロック(日本製紙社製)を接触
させた後、プレコート剤としてKC−フロックと前記ケ
イソウ土として、商品名セライト545(Celite
社製)を前記濾過助剤を含有してなる濾過前の液、また
は、反応粗製物に前記プレコート剤を添加混合した液
を、例えば、セルロースとポリエステルの二層フィルタ
ーを備えた加圧濾過に前記プレコート剤を含有した液を
循環させて濾液が透明になるまで継続し、次いで、前記
反応粗製物にKC−フロックを接触させた液に切り換
え、金属酸化物らなるアルコキシル化用触媒、および、
高級アルコールにエチレンオキサイドを付加させた反応
粗製物中に含有する副生成物であるポリアルキレングリ
コールを除去せしめる。
【0022】前記記載の反応粗製物に濾過助剤を接触さ
せる温度としては、100℃以下であれば、特に限定さ
れるものではないが、プレコート操作および濾過操作を
実施するときの温度は、45〜30℃の範囲にするのが
良い。また、前記記載の反応粗製物に濾過助剤を接触さ
せる温度が45℃を越える場合は、同温度で10〜18
0分保持してから、プレコート操作および濾過操作を実
施することにより、含有するポリアルキレングリコール
(副生成物)が不溶化し易くなるので、濾過操作などで
分離除去することが可能となる。このときの温度として
は、40〜50℃の範囲であり、より好ましくは45〜
50℃である。或いは、前記記載の反応粗製物に濾過助
剤を接触させた後に、冷却速度0.1〜10℃/分にな
るように液温を低下させ、反応粗製物中に含有するポリ
アルキレングリコール(副生成物)を不溶化させること
も、好適に用いることができる。冷却速度を10℃/分
以上では、大きな冷却伝面が必要となり、設備コストが
高価になるばかりか、設備内に残留する液が多くなるな
ど好ましくない。逆に、0.1℃/分以下では、冷却す
るのに長時間要するので生産効率が低下するなど好まし
くない。
【0023】更に、前記記載の反応粗製物に濾過助剤を
接触させる前、および/または接触させた後に、必要に
より水の存在下に処理してから、前記方法を用いて濾過
操作などで分離除去することも可能である。このとき、
水の使用量としては、0.1〜30質量%の範囲で用い
ることができる。しかしながら、硫酸化の原料(アルキ
レンオキサイト゛付加物)であるため、使用した水は脱
水操作により除去する必要があり、脱水負荷を低減する
ために、より好ましい水使用量の範囲は、0.1〜10
質量%が好ましく、更に好ましくは、0.1〜5質量%
である。水の使用量を必要以上に用いると、反応粗製物
中に含有するポリアルキレングリコール(副生成物)を
不溶化せずに溶解してしまうため、本発明方法記載の温
度(30〜45℃の範囲)を満足することはできなく、
好ましくはない。前記記載の方法により、目的のアルキ
レンオキサイド付加物を得ることができるので、一般的
な貯糟保存温度45℃程度で長時間滞留させても、貯糟
の下層に可溶化温度に影響のあるポリアルキレングリコ
ール(副生成物)などが沈降することがないので、均一
なアルキレンオキサイド付加物(硫酸化の原料)とな
る。しかしながら、上述の反応生成物の温度を30〜4
5℃の範囲に調整しない場合は、例えば、温度が45℃
より高いアルキレンオキサイド付加物(硫酸化の原料)
であると、前記記載の保存温度で貯糟に長時間滞留させ
ることにより、貯糟の下層に可溶化温度に影響のあるポ
リアルキレングリコール(副生成物)などが沈降するの
で不均一なアルキレンオキサイド付加物(硫酸化の原
料)となるため好ましくない。また、前記記載の不均一
から均一なアルキレンオキサイド付加物(硫酸化の原
料)にするには、前記温度より、高い温度(5〜20
℃)で貯糟する必要がある。このような保存条件にて、
保持された硫酸化原料であるアルキレンオキサイド付加
物は、硫酸化工程で色調劣化の要因となる過酸化物価
(POV)やカルボニル価(COV)が高くなるなど好
ましくない。
【0024】本発明方法に用いられるアルキレンオキサ
イド付加物の硫酸化としては、特に限定されるものでは
ないが、硫酸化は常法により行うことができる。ガス状
三酸化硫黄の濃度は、例えば、1〜15体積/体積%以
下の範囲であり、好ましくは1〜10体積/体積%の範
囲である。1体積/体積%以下の場合は反応率が低下
し、15体積/体積%を超える場合には、色相の劣化や
局所的な過反応による反応不均一が生じ易くなるために
好ましくない。硫酸化に用いる反応装置としては、例え
ば、糟型反応器、流下薄膜式など公知の反応装置を用い
ることができ、好ましくは流下薄膜式の反応装置であ
り、前記アルキレンオキサイド付加物の供給を原料の滞
留部から反応缶内壁へオーバーフローさせて硫酸化する
方法やアルキレンオキサイド付加物が反応缶上部の原料
供給管から直接反応缶に供給して硫酸化する方法、或い
は、従来より用いられているスリット方式(スリット部
が液分配を実質的に行っているオリフィスの役目を果た
し、同時にフィルム状液膜を形成)で硫酸化するとき
に、上記温度範囲のアルキレンオキサイド付加物を満た
すことで、副生成物であるポリアルキレングリコール由
来の不溶物の影響を防止できるので、薄膜または液膜の
厚みにバラツキがなくなり、過反応(薄膜または液膜の
薄い部分でのガス状三酸化硫黄のモル比の不均一)を生
じることなく、色調の改良されたアルキルエーテルサル
フェートを製造することができることとなる。
【0025】硫酸化の反応温度は、例えば、20〜80
℃、好ましくは20〜60℃である。反応温度が80℃
以下であれば、色調の劣化を防止でき、一方温度が20
℃以上であると、流動状態の乱れを防止でき、結果的に
色調の劣化を防止できるので好ましい。前記反応装置に
より硫酸化するとき、前記アルキレンオキサイド付加物
の供給温度(前記反応装置の直近温度)は、例えば、2
0〜80℃にするのが好ましい。このような供給温度の
コントロールは、公知の熱交換器を用いて行うことがで
きる。つぎに、得られた硫酸化物を、例えば、アルカリ
金属塩の水溶液を用いて中和する。この際の中和温度
は、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以
下である。100℃以下で中和を行えば、反応物が原料
に戻ってしまう逆反応が防止できるため好ましい。この
中和温度の下限は特に限定されるものではないが、例え
ば、20℃である。中和方式としては、例えば、回分式
中和、連続式中和などがあり、特に、外部冷却装置を備
えた連続循環中和方式が、中和温度を一定の温度に保つ
意味からも好適に用いることができる。また、前記方式
により、中和(1段連続中和と表現する)した後、回分
操作でpH調製または連続操作でpHコントロール(2
段中和と表現する)を行うことも、必要により実施でき
るものである。また、中和時に、減粘剤または液性改善
剤として多価アルコールを添加することができる。多価
アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール
(例えば、分子量200〜3000)が挙げられる。
【0026】更に、硫酸化する際に生成する1,4−ジ
オキサンは、健康に害を与える可能性があり、製造者並
びに使用者においてその可能性を排除するために、低減
する試みがなされている。この方法も本発明において実
施できるものとする。例えば、特開昭57−11606
2号公報、米国特許第4,285,881号では、生成物
を共沸蒸留に付す方法、ドイツ特許出願公開第3,12
6,175号ではアルカリ化合物との処理後の硫酸塩水
溶液を濃縮し、減圧下で熱処理する方法および特開昭6
0−19055号公報、特開平7−247258号公報
などが挙げられ、前記記載の方法により、硫酸化する際
に生成する1,4−ジオキサンを低減することも可能で
ある。
【0027】このようにして目的の色調が改良されたア
ルキルエーテルサルフェートが得られることとなる。本
発明で得られるアルキルエーテルサルフェートは、下記
一般式(I)で表されるアルキルエーテルサルフェート
であり、かつ、エチレンオキサイド付加モル数の異なる
複数の分子種を含む混合物であり、この混合物において
最も多く存在する分子種のエチレンオキサイド付加モル
数をnAとしたとき、nAが正の整数であり、かつ、エ
チレンオキサイド付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)
の範囲である分子種の占める割合が55〜80質量%で
あるものである。
【化3】
【0028】上記一般式(I)において、Rとしては、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリ
スチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、
アラキル基、ベへニル基等が望ましく、更に好ましく
は、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル
基、ステアリル基、オレイル基である。また、nは、ア
ルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜6の数
であり、Mは、水素原子、リチウムイオン、カリウムイ
オンおよびナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオ
ン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンなどの
アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数
2〜3のアルカノール基を有するモノアルカノールアン
モニウムイオン、ジアルカノールアンモニウムイオンま
たはトリアルカノールアンモニウムイオンである。この
なかで、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、モ
ノ、ジまたはトリアルカノールアンモニウムイオンが好
ましく、カリウムイオンおよびナトリウムイオン、トリ
アルカノールアンモニウムイオンが特に好ましい。
【0029】本発明方法により得られるアルキルエーテ
ルサルフェートは、EO付加モル数の異なる複数の分子
種を含む混合物であり、EO付加モル数の分布が下記の
条件を満足するものとなる。 (1) nAが1以上の整数、すなわちnA≠0であ
る。 (2) EO付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)
の範囲にある分子種の割合が、55〜80質量%、好ま
しくは55〜75質量%である。 これらの条件を満足しない場合は、すなわちnA=0で
あったり、(nA−1)〜(nA+1)の範囲にある分
子種の割合が、55質量%未満である場合は、皮膚刺激
性が高くなるなどマイルド性に問題が生じる。前記、E
O付加モル数の分布を満たし、かつ、エチレンオキサイ
ド付加モル数0(零;アルキルサルフェート)のものの占
める割合が17質量%から検出限界以下であることが好
ましい。
【0030】このような特性となるアルキルエーテルサ
ルフェートは、上述の製造方法、すなわち、金属酸化物
からなるアルコキシル化用触媒の存在下、高級アルコー
ルにエチレンオキサイドを付加させ、これにより得られ
た高温反応生成物を冷却及び/又は定温保持する工程に
より該反応生成物を温度30℃〜45℃の範囲に調整
し、この温度範囲の反応生成物を濾過処理して前記触媒
を除去し、該反応生成物を硫酸化することにより上記特
性を有する色調の改良されたアルキルエーテルサルフェ
ートが得られることとなる。
【0031】このような特性を有する色調の改良された
アルキルエーテルサルフェートは、液体洗浄剤組成物に
好適に用いることができる。アルキルエーテルサルフェ
ートの含有割合は、組成全体に対して、5〜25質量%
の範囲が好ましい。5質量%以上で有れば、洗浄力がさ
らに優れたものとなり、また、25質量%以下で有れ
ば、液体洗浄剤組成物の粘度が過度に上昇することを充
分に制御可能である。したがって、液体洗浄剤組成物
が、ゲル状もしくはペースト状になることを防止するた
めに、ハイドロトロープ剤を必要以上に加えて粘度上昇
を防止する必要はない。前記記載の含有割合は、好まし
くは10〜25質量%の範囲である。本発明により得ら
れるアルキルエーテルサルフェートを含有する液体洗浄
剤組成物は、洗浄力および泡性能がさらに向上するとい
う理由から、スルホン酸型界面活性剤(b)を含有する
ことが好ましい。前記スルホン酸型界面活性剤(b)
は、特に限定されず、例えば、α−オレフィンスルホン
酸またはその塩、α−スルホ脂肪酸またはその塩、アル
キルベンゼンスルホン酸またはその塩などが挙げられ
る。これらは単独で使用しても良く、2種類以上併用し
ても良い。これらのアニオン性界面活性剤の配合割合
は、組成全体に対して2〜15質量%の範囲が好まし
い。2質量%以上であれば、洗浄力や泡性能がより向上
し、また、15質量%以下であれば、マイルド性や保存
安定性がより優れるようになる。洗浄力、泡性能、マイ
ルド性および保存安定性をよりいっそう向上させるため
に、当該液体洗浄剤組成物は、アミンオキシド型界面活
性剤もしくはベタイン型界面活性剤、または前記の二つ
の界面活性剤の双方を含有させることが好ましい。アミ
ンオキシド型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤として
は、アルキル鎖長などの構造や製造方法によって特に限
定されるものではない。液体洗浄剤組成物全体に対する
アミンオキシド型界面活性剤やベタイン型界面活性剤の
配合割合は、1〜15質量%の範囲で好適に用いること
ができる。
【0032】前記記載のように、一般式(I)で表され
るアルキルエーテルサルフェート(a)、スルホン酸型
アニオン性界面活性剤(b)、アミンオキシド型界面活
性剤およびベタイン型界面活性剤の少なくとも一方の界
面活性剤(c)の質量比は、前記下記一般式(II)の関
係を満足することが好ましい。 1≦〔(a)+(b)/(c)〕≦20 ………(II) ここで、〔(a)+(b)〕/(c)は、アミンオキシ
ド型界面活性剤およびベタイン型界面活性剤の少なくと
も一方の界面活性剤の合計量に対する、アニオン性界面
活性剤の合計量の比率を示す。この値が、20質量%以
下であれば洗浄力およびマイルド性がよりいっそう優れ
るようになる。また、この値が、1質量%以上であれば
保存安定性がより優れ、泡質もクリミー感も優れる。ま
た、〔(a)+(b)〕/(c)は2〜15質量%の範
囲が好適に用いることができる。さらに、(a)/
(b)が2質量%以上であれば泡質もクリミー感がさら
に良好となる。
【0033】このような液体洗浄剤組成物において、さ
らにアミド型非イオン界面活性剤を配合することによ
り、アミド基特有の水素結合に基づく相乗効果によって
泡質にクリミー感を付与できるので、一般に市販されて
いるアミド型非イオン界面活性剤を本発明の液体洗浄剤
組成物に0(零)〜15質量%の範囲で配合することも
できる。アミド型非イオン界面活性剤としては、例え
ば、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノール
アミド、脂肪酸プロパノールアミド、脂肪酸ポリオキシ
エチレンモノエタノールアミドなどが挙げられる。さら
に、この特性の液体洗浄剤組成物には、その効果を損な
わない範囲で、その目的や用途に応じて、種々の任意成
分を配合することも可能である。このような種々の任意
成分としては、脂肪酸塩、リン酸エステル系界面活性
剤、アシルアラニネートやアシルタウレートアミノ酸系
界面活性剤、イミダゾリン系界面活性剤、アルキレンオ
キシド付加物、ショ糖エステル系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤などがある。また、安息香酸塩などの芳香
族カルボン酸、または芳香族スルホン酸などが挙げられ
る。また、エタノール、天然および合成された香料、ク
エン酸、グリコール酸などのキレート剤、ポリアクリル
酸などの高分子化合物および硫酸ナトリウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機ビルダーや粘度調整剤、着色剤、酸
化防止剤、防腐剤、殺菌剤、除菌剤、植物や海藻などか
ら抽出物、薬効成分のような液体洗浄剤に通常用いられ
る成分も好適に配合することも可能である。
【0034】このように構成される本発明方法では、複
合金属酸化物を含有するアルコキシル化触媒の存在下、
高級アルコールにエチレンオキサイドを付加させ、これ
により得られた高温反応生成物を冷却及び/又は定温保
持する工程により該反応生成物を温度30℃〜45℃の
範囲に調整し、この温度範囲の反応生成物を濾過処理し
て前記触媒を除去し、該反応生成物を硫酸化すること目
的の色調が改良されたアルキルエーテルサルフェートが
得られることとなる。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定さ
れるものではない。
【0036】(実施例1) (1)アルコキシル化用触媒の調製 溶液(A)として、硝酸マグネシウム6水和物68.03g(0.
265モル)、硝酸アルミニウム9水和物47.69g(0.127モ
ル)、及び硝酸マンガン6水和物24.33g(0.085モル)を450
gの脱イオン水で溶解させた。一方、溶液(B)として、炭
酸ナトリウム13.47g(0.127モル)を450gの脱イオン水で
溶解した。溶液(A)と溶液(B)とを、予め1800gの脱イオ
ン水を仕込んだ触媒調製槽に、2NのNaOHによりpH
9、温度40℃に保持させながら1時間で滴下せしめ、滴下
終了後に同条件下で1時間熟成させた。母液を濾別し沈殿
物を6リットルの脱イオン水で洗浄したのちに噴霧乾燥
することにより30gの複合水酸化物を得た。この複合水酸
化物を窒素雰囲気下、800℃で3時間焼成して、M
g、Al、Mnの複合酸化物触媒(アルコキシル化用触
媒:(原子比)Mg:Al:Mn=0.56:0.26:0.18)1
9gを得た。
【0037】(2) エチレンオキサイド(EO)付加 前記触媒0.5g、直鎖ドデカノール(新日本理化社製、商
品名;コノール20P)207.9gおよび直鎖/分岐混合ト
リデカノール(三菱化学社製、商品名;Diadol
13)831.5gを、オートクレーブ中に仕込み、オートク
レーブ内を窒素ガスで十分に置換した。攪拌しながら5
0℃まで昇温し、減圧状態で更に昇温し脱水した。その
ときの、到達温度は100℃、到達圧力は1.33kP
aであった。つぎに、オートクレーブ内に窒素ガスを導
入して常圧まで戻し、160℃まで昇温した。続いて、
温度180℃、圧力0.5MPaに維持しながら、エチ
レンオキサイド(EO)460.6g(付加モル数2相当)を
導入し、同温度を保持させ平衡圧に達するまで攪拌を継
続して反応を完結させた。その後、80℃に冷却して反
応粗製物を得た。
【0038】(3)反応粗製物からのアルコキシル化用
触媒の分離 攪拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに、上記反
応粗製物400gを入れ80℃に保持した。次いで、ボディ
フィード用濾過助剤(商品名;KC−フロックW−50
S、日本製紙株式会社製)1.2g(反応粗製物に対して
0.3%)を添加し、液温43℃まで冷却し混合液Aを
得た。このとき、80℃から43℃まで冷却するのに要
した時間は5分であった。予め、プレコート用液として
80gを別のフラスコ(200ml、攪拌機付き)に移
し、43℃に加温保持した。上記プレコート用液にプレ
コート用濾過助剤として、0.625gの商品名KC−フロッ
クW−50Sと0.625gの商品名ハイフロスパーセル(C
elite社製)とを添加し、43℃で30分間攪拌
し、プレコート用液Bを得た。セルロースとポリエステ
ルの2層フィルターを濾剤とする加圧濾過器(内径4c
m)を用いて、43℃、窒素圧0.1〜0.2MPaで前
記プレコート用液を濾過し、プレコート層を形成させ
た。但し、最初にでてくる濾液、約40mlは加圧濾過
器に戻し再度通過させた。前記プレコート用液Bの濾液
が十分な清澄度を持つことを確認した後、前記混合液A
を、前記濾過器に通して精製されたアルキレンオキサイ
ド付加物を得た。
【0039】以上の操作により得られた濾液は、前記プ
レコート用液Bの濾液および前記混合液Aの濾液をあわ
せたものを精製されたアルキレンオキサイド付加物とし
た。このようにして得られた前記アルキレンオキサイド
付加物を24時間、室温(25℃)で放置した。
【0040】(4)アルキレンオキサイド付加物の硫酸
化 前記精製されたアルキレンオキサイド付加物を、流下薄
膜式反応装置(内径10mm×2.5m、外部ジャケッ
ト式)内部に、温度43℃および供給速度約146〜1
49g/minの条件で供給し、前記反応装置内部を薄
膜状に流下させた。また、SO3を40g/minの供
給速度で蒸発器に導入し、蒸発させたSO3ガスを窒素
ガスを用いて、SO3ガス濃度が7〜8%(容積/容
積)となるように希釈せしめたSO3ガスを前記反応装
置内に導入し、前記精製されたアルキレンオキサイド付
加物を硫酸化した。前記SO3ガスの温度は50℃であ
り、前記反応装置の外部ジャケットには30〜40℃の
水を通した。また、前記アルキレンオキサイド付加物と
SO3ガスとの間には、窒素ガスを導入した。得られた
硫酸化物を3.2質量%の苛性ソーダ水溶液により70
℃以下で中和し、界面活性剤濃度22質量%、反応率9
6.5%および芒硝0.07質量%のアルキルエーテルサ
ルフェートを得た。
【0041】上記アルキルエーテルサルフェートの色調
は、前記記載のアルキルエーテルサルフェートを10%
水溶液(有効成分基準)となるように希釈し、測定試料
を10mmガラスセルに入れて分光光度計にセットし、
波長420nmの吸光度を測定して色調とした。また、
硫酸化物の酸カラーは、10%エタノール溶液となるよ
うに希釈し、前記方法で測定した結果を下記表1に記載
する。また、アルキルエーテルサルフェートの付加モル
分布は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
り測定した。その結果を下記表2に記載する。
【0042】(実施例2)上記実施例1の反応粗製物か
らのアルコキシル化用触媒の分離方法において、ボディ
フィード用濾過助剤(商品名;KC−フロックW−50
S、日本製紙株式会社製)1.2g(反応粗製物に対して
0.3%)を添加し、液温35℃まで冷却し混合液Aを
得た。このとき、80℃から35℃まで冷却するのに要
した時間は10分であった。上記実施例1のセルロース
とポリエステルの2層フィルターを濾剤とする加圧濾過
器(内径4cm)を用いて、35℃、窒素圧0.2MP
aで前記プレコート用液を濾過し、プレコート層を形成
させた。但し、最初にでてくる濾液、約40mlは加圧
濾過器に戻し再度通過させた。前記プレコート用液Bの
濾液が十分な清澄度を持つことを確認した後、前記混合
液Aを、前記濾過器に通して精製されたアルキレンオキ
サイド付加物を得た以外、実施例1のアルキレンオキサ
イド付加物の硫酸化方法に準じて実施した。その結果を
下記表1に記載する。
【0043】(実施例3)攪拌機を備えた1リットルの
四つ口フラスコに、上記反応粗製物400gを入れ80℃に
保持した。次いで、ボディフィード用濾過助剤(商品
名;KC−フロックW−50S、日本製紙株式会社製)
1.2g(反応粗製物に対して0.3%)を添加し、同温度
に保持した。つぎに、前記四つ口フラスコを湯浴の温度
を調節することで、濾過助剤を含む反応粗製物を約1℃
/分で徐々に冷却させ液温40℃まで継続し同温度に保
持した以外、実施例1、2に準じてアルキルエーテルサ
ルフェートを得た。その結果を下記表1に記載する。
【0044】(実施例4)攪拌機を備えた1リットルの
四つ口フラスコに、上記反応粗製物400gを入れ80℃に
保持した。次いで、ボディフィード用濾過助剤(商品
名;KC−フロックW−50S、日本製紙株式会社製)
1.2g(反応粗製物に対して0.3%)を添加し、液温4
5℃まで冷却し同温度で60分保持させた混合液Aを得
た。このとき、80℃から45℃まで冷却するのに要し
た時間は7分であった。前記混合液Aの一部(80g)
をプレコート用液として用いた以外、実施例−1に準じ
てしアルキルエーテルサルフェートを得た。ここで、前
記実施例1のセルロースとポリエステルの2層フィルタ
ーを濾剤とする加圧濾過器で濾過を行うときの温度は4
5℃である。その結果を下記表1に記載する。
【0045】(実施例5)攪拌機を備えた1リットルの
四つ口フラスコに、上記反応粗製物400gを入れ80℃に
保持した。次いで、イオン交換水12.37g、ボディフィー
ド用濾過助剤(商品名;KC−フロックW−50S、日
本製紙株式会社製)1.2g(反応粗製物に対して0.3
%)を添加し、液温43℃まで冷却し混合液Aを得た。
このとき、80℃から43℃まで冷却するのに要した時
間は約6分であった。次に、実施例1と同様にして水を
含むアルキレンオキサイド付加物を得た。次いで、前記
アルキレンオキサイド付加物を100℃まで昇温し、徐
々に減圧にしていき到達圧力1.33kPaまで継続し
アルキレンオキサイド付加物に含まれる水を脱水し、水
分0.03%の硫酸化原料を得た以外は実施例1に準じ
てアルキルエーテルサルフェートを得た。その結果を下
記表1に記載する。
【0046】(実施例6)上記実施例1で得たアルキレ
ンオキサイド付加物を十分に窒素置換せしめ、同雰囲気
下、45℃の恒温槽に1ヶ月間保存させた。次いで、実
施例1に準じてアルキルエーテルサルフェートを得た。
その結果を下記表1に記載する。
【0047】(比較例1)アルコキシル化用触媒として
水酸化カリウムを0.05質量%(対原料アルコール)用い
た以外は、上記実施例1と同様にしてEO付加、硫酸化
および中和操作を行いアルキルエーテルサルフェートを
得た。このときの付加モル分布を下記表2に記載する。
【0048】(比較例2)特願2000−135804
号記載の方法(攪拌機を備えた1リットルの四つ口フラ
スコに、実施例1記載の反応粗製物400gを入れ45℃に
加温した。ついで、ボディフィード用濾過助剤(商品
名;KC−フロックW−50S、日本製紙株式会社製)
2g(反応粗製物に対して0.5%)を添加し、45℃で
30分間攪拌し、混合液Aを得た。この混合液Aからプ
レコート用液として100gを別のフラスコ(500ml、
攪拌機付き)に移し、45℃に加温保持した。上記プレ
コート用液にプレコート用濾過助剤として、0.625g(0.
5Kg/m2)の商品名KC−フロックW−50Sと0.625g
(0.5Kg/m2)の商品名ハイフロスパーセル(Celi
te社製)とを添加し、45℃で30分間攪拌し、プレ
コート用液Bを得た。セルロースとポリエステルの2層
フィルターを濾剤とする加圧濾過器(内径4cm)を用
いて、45℃、窒素圧0.2MPaで前記プレコート用
液を濾過し、プレコート層を形成させた。但し、最初に
でてくる分の約20mlの濾液については、若干の濾過
助剤の漏れが見られたため再度濾過器を通過させた。前
記プレコート用液Bの濾液が十分な清澄度を持つことを
確認した後、前記混合液Aを、前記濾過器に通して精製
されたアルキレンオキサイド付加物を得た(前記プレコ
ート用液Bの濾液および前記混合液Aの濾液をあわせた
ものに準じて得たものをアルキレンオキサイド付加物と
した)。上記で得たアルキレンオキサイド付加物を十分
に窒素置換せしめ、同雰囲気下、60℃の恒温槽に1ヶ
月間保存させた。次いで、実施例1に準じてアルキルエ
ーテルサルフェートを得た。その結果を下記表1に記載
する。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1の結果から明らかなように、実施
例1〜6のアルキルエーテルサルフェートは、硫酸化物
の酸カラーおよびアルキルエーテルサルフェートの色調
ともに良好であるが、比較例2は硫酸化物の酸カラーお
よびアルキルエーテルサルフェートの色調ともに実施例
と比較して劣っていた。このことから、本発明のアルキ
ルエーテルサルフェートは色調の面で改良されているこ
とが判る。
【0051】(実施例7)EO付加において、その付加
モル数を5とした以外は、上記実施例1と同様にしてE
O付加、硫酸化および中和操作を行い、アルキルエーテ
ルサルフェートを得た。このときの付加モル分布を下記
表2に記載する。
【0052】
【表2】
【0053】上記表2の結果から明らかなように、実施
例1、7のアルキルエーテルサルフェートは、EO付加
モル分布が狭く、比較例1のアルキルエーテルサルフェ
ートは、EO付加モル分布が広くブロードであり、かつ
付加モル数0(零)のアルキルサルフェートを多く含む
アルキルエーテルサルフェートであることが判る。
【0054】(使用実施例1〜4、使用比較例1、2)
前記実施例1、3、5、7および比較例1、5のアルキ
ルエーテルサルフェートに、下記表3に示す各成分を配
合して液体洗浄剤組成物を調製した。前記液体洗浄剤組
成物の泡質のクリーミー感、洗浄力、マイルド性および
保存安定性の諸特性について評価を行った。この結果も
下記表3に示す。なお、前記評価は、以下に示す方法に
より行った。また、同表において、配合組成は「質量
部」表示である。また表中の香料の組成は、下記の表4
に示す通りである。
【0055】(泡質のクリーミー感)液体洗浄組成物の
5質量%水溶液40gを市販の食器洗い用スポンジにと
って、手で10回揉んだときの泡の感触を以下に記載す
る基準で評価した。 評価基準: 〇:泡のキメが細かく、粘性のあるクリーミーな泡で、
スポンジからたれ落ちにくい。 △:泡のキメは細かいが、クリーミー感に欠け、スポン
ジからややたれ落ちやすい。 ×:泡質は水っぽく、重たい感じでスポンジから多量に
こぼれ落ちる。
【0056】(洗浄力)牛脂1gを10cm×15cm
のポリプロピレン製タッパー容器に均一になるように塗
布し、激しく汚れた疎水性硬質表面汚垢とした。市販の
食器洗い用スポンジに36gの水と4gの液体洗浄組成
物を取り、数回手で揉んだ後に、この汚染されたタッパ
容器を25℃で通常家庭で洗っているのと同様な方法に
て洗浄した。洗浄した後、水でよくすすぎ、その時のタ
ッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの感触
を、以下に示す基準により洗浄力を評価した。 評価基準: ○:タッパ容器のいずれの部位を触っても、キュキュと
音がするような摩擦感があり、油の残留によるヌルつき
はまったく感じられなかった。 △:タッパ容器の平滑な表面を触ると摩擦感があり、油
の残留は認められなかったが、端や角の部位にはヌルつ
きが残っていた。 ×:タッパ容器のヌルつきが感じられ、明らかに油が残
っていることが判る。
【0057】(マイルド性)液体洗浄組成物の1質量%
水溶液(35℃)を用いた20名のパネラーによる手の
浸漬試験によりマイルド性を評価した。すなわち、1分
間の浸漬−乾燥操作を15回繰り返し行い、24時間後
の手荒れの程度を以下の基準で視覚判定した。 評価基準: ○:手荒れがほとんどない。 △:皮膚の角質表面の一部に乾燥し落屑性や赤斑変化な
どの手荒れ症状らしき兆候が認めれる。 ×:乾燥落屑性や赤斑変化などの手荒れ症状が明らかに
認められる。
【0058】(保存安定性)液体洗浄組成物100ml
を硬質ガラス瓶に充填し、−5℃の恒温槽中に1ヶ月間
放置したとき、および50℃の恒温槽中に1ヶ月間放置
したときの外観を観察し、以下の基準に基づき保存安定
性を評価した。 評価基準: ○:いずれの条件における保存においても、析出物の発
生や変色などの外観の異常は認められなかった。 △:いずれか一方の条件の保存において、外観変化の兆
候が認められた。 ×:いずれか一方または両方の条件の保存において明ら
かな外観変化が認められた。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】上記表3及び表4の結果から明らかなよう
に、本発明のアルキルエーテルサルフェートを配合した
使用実施例1〜4の液体洗浄剤組成物は、泡質のクリミ
ー感、洗浄力、マイルド性および保存安定性の全てにお
いて、優れていた。これに対して、使用比較例1、2の
液体洗浄剤組成物は、一つ若しくは二つ以上の特性にお
いて問題があった。
【0062】(比較例5)アルコキシル化用触媒として
水酸化カリウムを0.05質量%(対原料アルコール)及び
EO付加において、その付加モル数を5とした用いた以
外は、実施例−1と同様にしてEO付加、硫酸化および
中和操作を行いアルキルエーテルサルフェートを得た。
【0063】(実施例12)EO付加において、アルコ
キシル化用触媒として2.5MgO・Al2O3・mH
2Oなる化学組成の水酸化アルミニウム・マグネシウム
(協和化学社製、商品名;キョーワード300)25gを
窒素雰囲気下、800℃で3時間焼成し、マグネシウム
とアルミニウムの複合金属酸化物触媒を得た。前記触媒
をEO付加において、0.5gにした以外、実施例1の
EO付加に準じて反応粗製物を得た。次いで、温度コン
トロール可能な遠心分離器を用いて、アルコキシル化用
触媒および付加反応で副生成したポリアルキレングリコ
ールなどを粗分離した液Cを得た。このときの分離温度
は、約50℃、遠心効果2500G、分離時間は3分で
あった。同様の操作を繰り返し行うことで、反応粗製物
の全量を処理した。つぎに、実施例1の反応粗製物から
の分離操作、硫酸化および中和操作を行い、アルキルエ
ーテルサルフェートを得た。前記精製されたアルキレン
オキサイド付加物の硫酸化物の酸カラーは29(10%
エタノール溶液)、アルキルエーテルサルフェートの色
調は33(10%有効成分基準)であった。
【0064】(実施例13)上記実施例1に準じてEO
付加を行い反応粗製物を得た。次いで、実施例12に準
じて遠心分離器を用いた粗分離、濾過助剤を用いた加圧
濾過、硫酸化および中和操作を行いアルキルエーテルサ
ルフェートを得た。前記精製されたアルキレンオキサイ
ド付加物の硫酸化物の酸カラーは25(10%エタノー
ル溶液)、アルキルエーテルサルフェートの色調は28
(10%有効成分基準)であった。
【0065】前記実施例12、13の結果から、本発明
におけるエチレンオキサイド付加モル数の異なる複数の
分子種を含む混合物であり、この混合物において最も多
く存在する分子種のエチレンオキサイド付加モル数をn
Aとしたとき、nAが正の整数でありかつエチレンオキ
サイド付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)の範囲であ
る分子種の占める割合が55〜80質量%であり、nA
の分子種の占める割合が19〜35質量%であり、かつ
エチレンオキサイド付加モル数0のものの占める割合が
17質量%から検出限界以下を満たすような金属酸化物
からなるアルコキシル化用触媒、およびEO付加させた
反応粗製物からの分離(アルコキシル化用触媒および副
生成したポリアルキレングリコールなど)する操作は、
前記実施例の温度調整、濾過法や遠心分離による粗分離
と濾過法を組み合わせた方法のいづれにおいても、本発
明の特性を満たすことが可能であり、特に限定されるも
のではないことが判る。従って、本発明方法記載の温度
30〜45℃の範囲である反応組成物を濾過処理し、硫
酸化することによりアルキレンオキサイド付加物からな
る色調の改良されたアルキルエーテルサルフェートを得
ることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明方法により得られるアルキルエー
テルサルフェートは、色調の面で優れており、例えば、
液体洗浄剤組成物に配合した際に、洗浄力が高く、しか
も泡性能、保存安定性およびマイルド性の全ての特性を
満足する。また、本発明方法では、優れた特性を有する
アルキルエーテルサルフェートを製造することができ、
この製造方法は一貫プロセスなので製造効率も高く、低
コストで製造可能である。従って、本発明により得られ
るアルキルエーテルサルフェートを配合した液体洗浄剤
等は、高性能であり、例えば、衣料用洗剤、台所用洗剤
(食器洗浄剤など)、シャンプー、住居用洗剤(床、ガ
ラス用洗浄剤など)として、幅広く使用することができ
る。また、本発明により得られるアルキルエーテルサル
フェートは、洗浄剤の他に、例えば、乳化剤および増粘
剤などの種々の用途にも好ましく使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 笹本 久 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 三浦 康浩 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 宮田 直美 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4D077 AB10 AC01 BA03 BA07 CA03 CA15 DC02X DC02Z DC08Z DC14Z DC19X DC32X DC33X DC57X DE29X 4H003 AB15 AB19 AB31 AC05 AC08 AC13 AC15 AD04 DA01 DA02 DA17 EB04 EB07 EB08 EB22 EB36 FA02 FA16 FA17 FA18 FA26 4H006 AA02 AC43 AC60 BA06 BA09 BA16 BA30 BC10 BC40 BD70 4H039 CA61 CF30 CH70

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合金属酸化物を含有するアルコキシル
    化触媒の存在下、高級アルコールにエチレンオキサイド
    を付加させ、これにより得られた高温反応生成物を冷却
    及び/又は定温保持する工程により該反応生成物を温度
    30℃〜45℃の範囲に調整し、この温度範囲の反応生
    成物を濾過処理して前記触媒を除去し、該反応生成物を
    硫酸化することを特徴とする色調の改良されたアルキル
    エーテルサルフェートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により得られるアル
    キルエーテルサルフェートは、下記一般式(I)で表さ
    れるアルキルエーテルサルフェートであり、かつ、エチ
    レンオキサイド付加モル数の異なる複数の分子種を含む
    混合物であり、この混合物において最も多く存在する分
    子種のエチレンオキサイド付加モル数をnAとしたと
    き、nAが正の整数であり、かつ、エチレンオキサイド
    付加モル数が(nA−1)〜(nA+1)の範囲である分子
    種の占める割合が55〜80質量%であることを特徴と
    する色調の改良されたアルキルエーテルサルフェート。 【化1】
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアルキルエーテルサルフ
    ェートは、エチレンオキサイド付加モル数の異なる複数
    の分子種を含む混合物であり、この混合物において最も
    多く存在する分子種のエチレンオキサイド付加モル数を
    nAとしたとき、nAの分子種の占める割合が19〜3
    5質量%であり、かつエチレンオキサイド付加モル数0
    (零;アルキルサルフェート)のものの占める割合が17
    質量%から検出限界以下である色調の改良されたアルキ
    ルエーテルサルフェート。
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