JP4087473B2 - エレベータの停電時救出運転制御装置 - Google Patents

エレベータの停電時救出運転制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの停電時救出運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの停電時救出運転制御装置は、停電を検出するとバッテリ電源によってかご荷重に対して回生方向に最寄り階まで通常運転速度よりも遅い救出運転速度で救出運転し、停止して乗客を降ろす装置であり、従来、最寄り階にレベル着床させるために、図14に示すような手段を備えていた。図14(a)は昇降路内ホール位置とかご位置との関係を示していて、1は(X+1)階のホール、2はX階のホール、3はかご7の上に設けられた上昇方向着床リミットスイッチ、4,5はそれぞれドアゾーンリミットスイッチ、6は下降方向着床リミットスイッチである。なお、8はシーブ、9はカウンタウエイトを示している。そしてホール1,2とかご7の床面とのレベル差がほとんどない状態、つまりつまずく恐れがない状態でかご7を停止させる範囲を着床ゾーンAとし、ホール1,2とかご7の床面とに多少のレベル差があるが手でドアを開けて安全にかご7からホール側に出られる状態でかご7を停止させる範囲をドアゾーンBとして設定している。
【0003】
これらの着床ゾーンAとドアゾーンBとの検出ポイントは、図14(b)に示すように設定されている。図14(b)は、昇降路内の各階レベル位置に設けられている着床プレート(図示せず)とかご7に設けられている前述のリミットスイッチ3〜6それぞれが重なったところでの各スイッチの動作状態を示している。すなわち、図中に斜線3〜6それぞれを施したゾーンが対応するリミットスイッチ3〜6それぞれがオンしている状態であり、これらのスイッチ状態によって着床ゾーンA及びドアゾーンBを検出する。例えば、ドアゾーンリミットスイッチ4または5がオンしている区間はドアゾーンBを検出し、またドアゾーンリミットスイッチ4または5がオンかつ、着床リミットスイッチ3または6がオンからオフに変化すれば着床ゾーンAを検出するのである。
【0004】
一方、エレベータ制御装置には、エレベータの電源に停電が発生した時にはエレベータは一時的にその場に停止することになるが、その後、バックアップバッテリを電源として停電時救出運転を行い、最寄り階までエレベータを運転して乗客をかごから降ろす停電時救出運転制御装置が備えられている。図15(a),(b)は停電時救出運転の運転速度パターンを示している。この図15(a)は着床ゾーンAもドアゾーンBも検出していない場合、すなわち、ドアゾーン外からの救出運転パターンを示しており、救出運転速度V1で救出運転を開始し、最寄り階に近づいてその最寄り階のドアゾーンBを検出すると救出運転速度を低速V2まで減速し、さらに着床ゾーンAを検出すると速度V2から一定減速度でオフさせ、ホール1または2のレベル位置にかご7を停止させる制御を行う。図中、α、βは減速度を示している。このドアゾーン外からの停電時救出運転はかご荷重の条件に応じて回生方向に行う。
【0005】
また図15(b)はドアゾーンBを検出しているが、着床ゾーンAは検出していない場合、つまり、ドアゾーンBにあって停電が発生した時のドアゾーンBからの救出運転速度パターンを示している。この場合には、最初から低速救出運転速度V2で着床ゾーンAまで運転し、着床ゾーンAを検出すると一定減速度でオフさせ、ホール1または2のレベル位置にかご7を停止させる制御を行う。この時には、かご荷重条件には無関係にドアゾーン内にあるレベル方向に向かって救出運転を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来のエレベータの停電時救出運転制御装置では、次のような問題点があった。救出運転速度V1はドアゾーンの長さ、減速度β、停電時救出運転用バッテリの電圧などに制約を受け、あまり高い速度に設定することができない。例えば、V1速度を高くすると減速度βで減速している時、また速度が出ている時にレベルに到着し、オーバーランしてレベル着床ができなくなる。
【0007】
このような問題点を解決するために減速度βを大きくすれば、レベル着床が可能となるが、レベル着床ができるまで減速度βを大きくするとその減速時の電流が増加し、その分、容量の大きなインバータを必要とすることになって不経済となり、また減速時にかご内の衝撃が大きくなって乗り心地が悪化する問題点も発生する。
【0008】
そこで従来から上記V1の速度で停電時救出運転を行うことにしているが、このような救出運転速度では、特に高階床の建物に設置されている、不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの場合、停電発生で急行ゾーン内を救出運転させると救出運転距離が非常に長くなることにより救出運転時間も長くなり、かご内の乗客に精神的負担をかける問題点があった。
【0009】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、急行ゾーンを有するエレベータにおいて停電時救出運転を行う際に、従来よりも高速で急行ゾーンを救出運転することによって停電時救出運転時間を短くすることができ、なおかつ最寄り階にレベル着床することができるエレベータの停電時救出運転制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出する急行ゾーン存在検出手段と、停電が発生した時に、前記急行ゾーン存在検出手段が前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出しない場合に、前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転手段と、前記通常救出運転手段による前記第1の停電時救出速度で前記最寄り階に向けて運転中に、又は、停電が発生した時に、前記急行ゾーン存在検出手段が前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出した場合に、当該急行ゾーン存在中を検出しなくなるまで前記エレベータを前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で運転し、当該急行ゾーン存在中を検出しなくなった時に前記第1の停電時救出速度で運転して最寄り階に停止する急行ゾーン通過救出運転手段と、前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えたものである。
【0011】
請求項1の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、エレベータに停電が発生し、通常救出運転手段が最寄り階に従来と同様の第1の停電時救出速度で運転している時に、急行ゾーン存在検出手段がエレベータの急行ゾーン走行を検出すれば、急行ゾーン通過救出運転手段が当該急行ゾーンを通過するまでの間、第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度でエレベータに急行ゾーンを走行させ、当該急行ゾーンを通過した後は第1の停電時救出速度に戻して救出運転し、最寄り階で停止して乗客を降ろす。さらに、タイマ切替手段によって、通常救出運転手段による救出運転の際に通常救出運転打切りタイマを起動し、急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転が始まれば通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させて急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動する。
【0012】
これによって、停電が発生して救出運転している時に不停止階の急行ゾーンを通過するようになれば、この急行ゾーンを通過するまでの間は通常の救出運転速度である第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度でエレベータを運転し、急行ゾーンを通過した後に通常の停電時救出速度に戻して救出運転し、最寄り階にレベル着床することができ、長い急行ゾーンがあっても停電時救出運転時間を従来よりも短くし、しかも最寄り階にはレベル着床することができるようになる。さらに、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1のエレベータの停電時救出運転制御装置においてさらに、前記急行ゾーン存在中検出手段として、エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くに設置された前記エレベータの通過を検出する急行ゾーン端リミットスイッチを備え、前記急行ゾーン通過救出運転手段が、前記エレベータが上昇運転中で前記最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチのみが当該エレベータの通過を検出している時には前記最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出するまで前記第2の停電時救出速度で運転し、前記エレベータが下降運転中で前記最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチのみが当該エレベータの通過を検出している時には前記最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出するまで前記第2の停電時救出速度で運転するようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、急行ゾーンの下階側で上昇運転中に、若しくは急行ゾーンの上階側で下降運転中に停電が発生した場合、当初は通常救出運転手段が第1の停電時救出速度で救出運転を開始する。そしてエレベータが上昇運転中で急行ゾーンの最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチの作動を検出した時には、急行ゾーン通過救出運転手段は急行ゾーンの最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチがエレベータの通過を検出するまで第2の停電時救出速度でエレベータを救出運転し、また逆にエレベータが下降運転中で急行ゾーンの最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチの作動を検出した時には、急行ゾーン通過救出運転手段は急行ゾーンの最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチがエレベータの通過を検出するまで第2の停電時救出速度でエレベータを救出運転する。
【0015】
これによって急行ゾーン存在中であることを確実に検出して高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。
【0016】
請求項3の発明は、不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くとに設置された前記エレベータの急行ゾーン通過を検出する急行ゾーン通過リミットスイッチと、停電が発生した時に、他に優先して前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転を開始する通常救出運転手段と、前記通常救出運転手段による通常救出運転が開始された時にカウントを開始し、前記通常救出運転が所定時間以上継続されるとカウントアップする通常救出運転時間計測タイマと、前記通常救出運転時間計測タイマがカウントアップした時に前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で前記エレベータの高速救出運転を開始し、前記急行ゾーンの最下点若しくは最上点の近くの前記急行ゾーン通過リミットスイッチが当該エレベータの前記急行ゾーン通過を検出した時に前記通常救出運転手段による通常救出運転に切り替える急行ゾーン通過救出運転手段とを備えたものである。
【0017】
請求項3の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、停電が発生した場合、当初はエレベータの位置に関わりなく通常救出運転手段が第1の停電時救出速度で救出運転を開始する。そしてタイマが計時する所定時間が経過しても第1の停電時救出速度で救出運転が継続している場合には、急行ゾーンをエレベータが走行しているものと見なし、急行ゾーン通過救出運転手段が、第2の停電時救出速度でエレベータの救出運転を開始し、急行ゾーンの最下点若しくは最上点の近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出した時に通常救出運転手段による第1の停電時救出速度に再度切り替えて救出運転を行い、最寄り階でレベル着床する。
【0018】
これによって急行ゾーン存在中であることを確実に検出して高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3のエレベータの停電時救出運転制御装置において、前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えたものである。
【0020】
請求項4の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0021】
請求項5の発明は、不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、停電発生時のエレベータの位置を保持するエレベータ位置保持手段と、エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くとに設置され、前記エレベータの通過を検出する急行ゾーン通過リミットスイッチと、停電発生時に、前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転手段と、前記通常救出運転手段による前記第1の停電時救出速度で前記最寄り階に向けて運転中に前記急行ゾーンの最上点若しくは最下点近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが作動した時に、又は、停電発生時に、前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で運転し、前記急行ゾーンの最下点若しくは最上点近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが作動した時に前記第1の停電時救出速度に切り替えて運転して前記最寄り階に停止する急行ゾーン通過救出運転手段と、停電発生時に、前記エレベータ位置保持手段によるエレベータの位置に基づき、エレベータが急行ゾーン内に存在する場合には前記急行ゾーン通過救出運転手段に救出運転を行わせ、エレベータが急行ゾーン外に存在する場合には前記通常救出運転手段に救出運転を行わせる救出運転選択手段と、前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えたものである。
【0022】
請求項5の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、停電発生時にエレベータ位置保持手段がエレベータの停止位置を保持しており、救出運転選択手段がこのエレベータ位置保持手段が保持しているエレベータの停止位置に基づき、それが急行ゾーン外であれば、通常救出運転手段に救出運転開始の指示を出して通常の救出速度で救出運転を行わせ、この通常救出運転手段により第1の停電時救出速度で最寄り階に向けて運転中に急行ゾーンの最上点若しくは最下点近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが作動した時に、あるいは停電発生時にエレベータ位置保持手段が保持している停止位置が急行ゾーン内であれば急行ゾーン通過救出運転手段に救出運転開始の指示を出して通常の救出速度よりも速い第2の救出速度で急行ゾーンを通過するまで救出運転させ、急行ゾーンを通過した後には通常の救出速度に切り替えて救出運転を継続して最寄り階に停止する。さらに、タイマ切替手段によって、通常救出運転手段による救出運転の際に通常救出運転打切りタイマを起動し、急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転が始まれば通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させて急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動する。
【0023】
これによってエレベータが急行ゾーン存在中であることを検出すれば高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。さらに、停電が発生して通常の救出運転速度で救出運転している時に不停止階の急行ゾーンを通過するようになれば、この急行ゾーンを通過するまでの間は通常の救出運転速度である第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度でエレベータを運転し、急行ゾーンを通過した後に通常の停電時救出速度に戻して救出運転し、最寄り階にレベル着床することができ、長い急行ゾーンがあっても停電時救出運転時間を従来よりも短くし、しかも最寄り階にはレベル着床することができるようになる。またさらに、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1〜5のエレベータの停電時救出運転制御装置においてさらに、停電発生時に、前記通常救出運転手段と前記急行ゾーン通過救出運転手段とに常に回生方向の運転指令を与える回生運転指令手段を備えたものである。
【0025】
請求項6の発明のエレベータの停電時救出運転制御装置では、停電時の救出運転を回生方向に行うことにより、停電バックアップ電源用のバッテリとして容量の比較的小さなものが採用できるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1(a)は本発明の第1の実施の形態の急行ゾーンDを有する昇降路と下側各階停止ゾーンC、急行ゾーンD及び上側各階停止ゾーンEとの関係を示し、同図(b)は急行ゾーンDとドアゾーンB、着床ゾーンAとの位置関係を示している。Xは急行ゾーン下側最寄り階着床レベル、Yは急行ゾーン上側最寄り階着床レベルを示している。そして昇降路には最下階リミットスイッチ11、最上階リミットスイッチ12が設置され、また急行ゾーン下側最寄り階着床レベルX、急行ゾーン上側最寄り階着床レベルYそれぞれの近くに同図(b)に示す位置関係で作動する急行ゾーン下側リミットスイッチ13、急行ゾーン上側リミットスイッチ14が設置されている。すなわち、急行ゾーンDの下端側では急行ゾーン下側リミットスイッチ13が下側最寄り階着床レベルXよりも上側でドアゾーンBよりもさらに上側まで作動するように設定され、急行ゾーンDの上端側では急行ゾーン上側リミットスイッチ14が上側最寄り階着床レベルYよりも下側でドアゾーンBよりもさらに下側まで作動するように設定されている。
【0027】
第1の実施の形態のエレベータの停電時救出運転制御装置の停電時救出運転速度パターンは図2に示すように設定する。図2(a)は急行ゾーンDを通過しない、すなわち下側各階停止ゾーンC及び上側各階停止ゾーンE内のみで停電時救出運転する場合の救出運転速度パターンを示しており、従来例と同様に通常の救出運転速度V1によって最寄り階のドアゾーンBまで救出運転し、ドアゾーンリミットスイッチが作動してドアゾーンBが検出されると一定減速度で減速して低速度V2にし、その後、着床ゾーンAが検出されると一定減速度で減速してレベル着床させるのである。
【0028】
一方、図2(b)は急行ゾーン外の各階停止ゾーンCまたはEをエレベータが走行中に停電が発生し、救出運転を行うのに急行ゾーンDを通過してその先の最寄り階で着床停止させる救出運転を行う場合の救出運転速度パターンを示している。この場合、例えば、下側各階停止ゾーンCを上昇運転中に停電が発生した場合、次にように速度制御する。停電発生で停電時救出運転に切り替え、救出運転の最初は通常救出速度であるV1の速度で救出運転を開始し、急行ゾーンDに入ったことを急行ゾーン下側リミットスイッチ13の作動によって検出すると、通常救出速度V1よりも速い高速救出速度V3まで加速して急行ゾーンD内を救出運転する。エレベータが上昇して急行ゾーン上側リミットスイッチ14が作動した時には通常救出速度V1まで減速し、ドアゾーンBを検出した時にさらに低速度V2まで減速して着床運転に入り、着床ゾーンAを検出した時に一定減速度で減速してレベル着床し、ドアを開いて乗客を降ろす。
【0029】
このような停電時救出運転制御を実現する回路は、図3及び図4に示す構成である。図3は図2に示した救出運転速度パターンを生成するための救出運転速度パターン発生回路であり、図4は図3の速度パターン発生回路にどの速度パターンを発生させるかを決定する救出運転速度変更回路を示している。
【0030】
図3の救出運転速度パターン発生回路は、抵抗301〜303,307〜309,314,315,318,319,321と、可変抵抗304〜306,313と、オペアンプ310,317,320と、ツェナーダイオード311,312と、コンデンサ316から構成されていて、入力端に図4の救出運転速度変更回路から出力される救出運転パターン速度指令信号S1,S2,S3が入力され、救出運転速度パターンVTを出力する。
【0031】
すなわち、入力端の救出運転パターン速度指令信号S1,S2,S3のいずれかがオンになると、可変抵抗304〜306で設定された速度指令電圧をオペアンプ310に入力する。オペアンプ310の出力は可変抵抗313で分圧し、その分圧信号をオペアンプ317とコンデンサ316で積分して加速度α、減速度βを生成する。この可変抵抗313の抵抗値を変更することによって加減速度α,βの値を変更することができる。オペアンプ317の積分信号はオペアンプ320で反転し、その出力を再び最初のオペアンプ310の入力に加算する(入力S1オンによる基準電圧と逆極性)ことにより加速終了後に一定速度になるような回路構成である。ツェナーダイオード311,312はオペアンプ310の入出力電圧がツェナー電圧以上に印加されないように電圧リミットしている。
【0032】
したがって、この救出運転速度パターン発生回路では、入力速度指令信号をS1→S2→S3と順次切り替えていくことにより、各回路で設定された電圧をオペアンプ317の出力側より救出運転速度パターンVTとして出力することができる。
【0033】
次に、図4の救出運転速度変更回路は、インバートゲート(I)401,404,408,413,415,418,420と、NORゲート402,414と、NANDゲート403,405,406,407,409,410,416と、3入力ANDゲート412,417,419と、ラッチゲート411と、抵抗422,425と、コンデンサ423と、可変抵抗424で構成されていて、ドアゾーン検出信号B、着床ゾーン検出信号A、急行ゾーン下側リミットスイッチ信号13、急行ゾーン上側リミットスイッチ信号14及びブレーキ開放信号Fがエレベータの位置に応じて入力され、この回路動作によって救出運転パターン速度指令信号S1,S2,S3を出力する。
【0034】
いま、エレベータかごが急行ゾーンDの下側の各階停止ゾーンCにて上昇運転されている最中に停電が発生して、かごがドアゾーン外で停止し、停電時救出運転を行う場合の動作について説明する。エレベータがドアゾーン外で停止したのでB信号は“H”であり、ブレーキが開放されてF信号が“L”になると、NANDゲート403の出力は“L”となる。この時、急行ゾーンリミットスイッチ13,14は共にオンしていないので入力13,14は“H”であり、NORゲート402の出力は“L”である。これにより、NANDゲート405の出力が“H”、NORゲート414の出力が“L”、NANDゲート416の出力が “H”となり、ANDゲート419の出力が“H”で、S2信号がまず“H”となる。このS2信号は救出運転速度V1(通常救出速度)設定用の信号であり、これが図3の救出運転速度パターン発生回路のS2入力端に入力される。これによって、エレベータかごは通常救出速度V1で救出運転される。
【0035】
そこで通常救出速度V1で救出運転すると、急行ゾーン下側リミットスイッチ13がオンし、急行ゾーン外より急行ゾーンD内にかごが移動する。この時、NORゲート402が“H”となり、NANDゲート405が“L”、NANDゲート406が“H”となり、ラッチゲート411がラッチし、その出力が“H”となる。またインバートゲート413の出力は“L”で、NORゲート414の出力は“H”、NANDゲート416の出力は“L”、ANDゲート419の出力は“L”となり、S2信号が“L”に変わる。これとは逆に、ラッチゲート411の“H”出力によってANDゲート417の出力が“H”となり、S1出力が“H”となる。このS1信号は救出運転速度V3(高速救出速度)設定用の信号であり、これが図3の救出運転速度パターン発生回路のS1入力端に入力される。これによって、エレベータかごは急行ゾーンD内を高速V3による救出運転によって上昇することになる。
【0036】
エレベータかごが上昇して急行ゾーン上側リミットスイッチ14をオンすると、NORゲート402は再び出力が“H”となり、NANDゲート406の出力は“L”となり、この時にラッチゲート411の出力は“H”のためにNANDゲート406の出力“L”によってクリアされ、ラッチゲート411の出力は“L”に変わる。これにより、ANDゲート417の出力は“L”となり、S1出力が“L”となる。これと共に、インバートゲート413の出力が“H”となり、NORゲート414の出力は“L”、NANDゲート416の出力が“H”、ANDゲート419の出力が“H”となり、再びS2出力が“H”に変わり、この結果、エレベータかごの救出運転速度が高速度V3から通常速度V1まで減速され、上側各階停止ゾーンEを最寄り階まで通常救出運転速度V1で上昇する。
【0037】
ここで、抵抗422,425とコンデンサ423と可変抵抗424とはオンオフディレイ回路を構成していて、ラッチゲート411の出力が“L”から“H”に変化しても直ちにNANDゲート406の出力が“L”となり、ラッチゲート411をクリアしないようにオンディレイをかける。またラッチゲート411の出力が“H”から“L”に変化しても、ドアゾーンB内に入るまではNANDゲート406の出力が“L”から“H”に変化してNANDゲート409の“H”出力信号がラッチゲート411にセットされることがないようにオフディレイをかける。
【0038】
再び通常救出運転速度V1で上側各階停止ゾーンEの救出運転が継続されると、次にドアゾーンB信号が“L”になり、NANDゲート403の出力が“H”となり、ANDゲート419の出力は“L”となり、S2出力は“L”に変化する。これと同時に、インバートゲート404の出力が“H”となり、NANDゲート407の出力が“L”、NANDゲート410の出力が“H”、ANDゲート412の出力が“H”となり、S3出力が“H”となる。このS3信号は救出運転速度V2(着床速度)設定用の信号であり、これが図3の救出運転速度パターン発生回路のS3入力端に入力される。これによって、エレベータかごはドアゾーン内救出運転速度V2に減速される。
【0039】
さらに着床ゾーンAの検出信号が入力されるようになると、A入力信号は“L”となり、インバートゲート408は“H”を出力し、NANDゲート410の出力が“L”に変化し、ANDゲート412の出力が“L”となり、S3出力も“L”となり、救出運転が終了する。
【0040】
上側各階停止ゾーンEを下降方向に走行中に停電が発生し、下降方向救出運転で急行ゾーンを通過する場合にも上記と同様の救出運転速度パターンによって救出運転して、下側各階停止ゾーンCの最寄り階に停止して乗客を降ろす制御を行う。
【0041】
このようにして、本発明の第1の実施の形態のエレベータの停電時救出運転制御装置では、急行ゾーン外から急行ゾーン内に救出運転によってかごが移動してきた時でも、急行ゾーンリミットスイッチを検知した時点より救出運転速度を通常救出速度V1よりも速い高速救出運転速度V3に加速することによって急行ゾーンを短い時間のうちに通過するように制御し、不停止階の急行ゾーンが設定されているエレベータにあっても、停電発生時の救出運転時間を短時間のうちに行えるようになる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。第2の実施の形態の特徴は、停電発生時の通常救出速度V1で救出運転を開始し、タイマが管理する所定時間以上、通常救出速度による救出運転が継続される場合には急行ゾーンを救出運転しているものと見なして高速救出運転速度V3に切り替える制御を行う点にある。図5は第2の実施の形態の停電時救出運転制御装置の救出運転速度変更回路を示しており、この救出運転速度変更回路により出力される速度指令信号S1〜S3をそれぞれ、第1に実施の形態と同様、図3の救出運転速度パターン発生回路のS1〜S3入力端に与えるのである。
【0043】
図5に示す第2の実施の形態で用いられる救出運転速度変更回路は、図4に示した第1の実施の形態の救出運転速度変更回路と大部分が共通であり、したがって共通する部分には同一の符号を付して示してある。第2の実施の形態の特徴部分は、タイマ501、ANDゲート502,507、NANDゲート503,504,506、ORゲート508にある。
【0044】
この第2の実施の形態の停電時救出運転制御装置は、次のように動作する。エレベータかごが急行ゾーンD内にあって急行ゾーンDを脱出するまでの距離が長い方向に救出運転が開始された場合、救出運転開始当初にはドアゾーンBも急行ゾーンDも検出されない。そこで、救出運転が開始されるとまず通常救出速度V1で救出運転を開始する速度指令S1を出力する。これと共に、タイマ501を起動させて通常救出運転時間の計測を開始し、タイマ501に設定されている時間が経過すれば、タイマ501の出力によって急行ゾーンDを通過するための高速救出運転速度V3に切り替える指令S2を出力する。
【0045】
そこでまず、ドアゾーンB外で停電が発生したとするとB信号が“H”であり、ブレーキ開放するとF信号が“L”になると、NANDゲート403の出力が“L”、NANDゲート504の出力が“H”、ORゲート508の出力が“H”となり、ANDゲート419の出力が“H”となり、速度指令信号S2が“H”となる。これによって図3に示した救出運転速度パターン発生回路のS2入力が“H”となり、救出運転の開始当初は通常救出速度V1によって救出運転される。
【0046】
これと並行して、NANDゲート403の出力が“L”になると、タイマ501がカウントを開始する。そしてタイマ501の設定時間を経過すると“H”を出力し、ANDゲート502の出力も“H”となり、これを受けてNANDゲート504の出力が“L”、ORゲート508の出力が“L”、ANDゲート419の出力が“L”となり、速度指令信号S2は“L”に変わる。これと同時に、ANDゲート502の出力が“H”となると、ANDゲート507の出力が“H”、ANDゲート417の出力が“H”となり、速度指令信号S1が“H”に変わる。これにより、図3に示した救出運転速度パターン発生回路は通常救出速度V1から急行ゾーン用高速救出速度V3の速度パターンを発生し、エレベータかごを高速救出運転させる。
【0047】
この高速救出運転で急行ゾーンDを走行して急行ゾーンDを抜け出す時には、急行ゾーン下側リミットスイッチ13または上側リミットスイッチ14を作動させる。これによってスイッチ入力信号13または14が“L”となり、NANDゲート402の出力は“H”に変化し、これを受けてNANDゲート506の出力が“L”、ANDゲート507の出力が“L”、ANDゲート417の出力が“L”となり、速度指令信号S1が“L”に変わる。これと並行して、NANDゲート506の出力が“L”になるとNANDゲート503の出力が“H”となり、ORゲート508の出力が“H”、ANDゲート419の出力が“H”となり、速度指令信号S2が“H”に変化する。これにより、救出運転速度パターン発生回路は再び通常救出運転速度V1の速度パターンを出力するようになり、エレベータかごは通常救出速度V1まで減速されて救出運転が継続される。
【0048】
以下、ドアゾーンBが検出されるとB入力信号が“L”となり、第1の実施の形態と同様に、NANDゲート403の出力が“H”となり、ANDゲート419の出力は“L”となり、S2出力は“L”に変化する。これと同時に、インバートゲート404の出力が“H”となり、NANDゲート407の出力が“L”、NANDゲート410の出力が“H”、ANDゲート412の出力が“H”となり、速度指令信号S3が“H”となり、これが図3の救出運転速度パターン発生回路のS3入力端に入力されて、エレベータかごはドアゾーン内救出運転速度V2に減速される。
【0049】
さらに着床ゾーンAの検出信号が入力されるようになると、A入力信号は“L”となり、インバートゲート408は“H”を出力し、NANDゲート410の出力が“L”に変化し、ANDゲート412の出力が“L”となり、S3出力も“L”となり、救出運転が終了する。
【0050】
この第2の実施の形態の停電時救出運転制御によれば、図6に示すように、タイマ501がカウントアップする前にドアゾーンBに入る場合には同図(a)に示すように従来同様の速度パターンで救出運転する。そしてタイマ501がカウントアップしても通常救出速度V1で救出運転が継続されている場合には、同図(b)に示すようにタイマ設定時間t1が経過した時点で高速救出速度V3に切り替えて急行ゾーンDを救出運転し、急行ゾーンDを抜けたところで再び通常救出速度V1に戻して救出運転し、ドアゾーンBに入れば着床速度V2に減速し、着床ゾーンAで停止する速度パターンで救出運転することができる。このため、停電発生時点でエレベータかごが急行ゾーンにある場合でも、高速でこの急行ゾーンを救出運転して抜け出すことができることになる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施の形態を図7〜図9に基づいて説明する。第3の実施の形態の特徴は、通常運転時、また停電時救出運転時のエレベータかごの方向性及び急行ゾーン下側リミットスイッチ13、上側リミットスイッチ14の動作状態を監視し、エレベータが停電してエレベータかごが停止しても、かご位置情報を常に保持していて、急行ゾーン内にエレベータかごが存在する場合には高速救出速度で救出運転を行い、急行ゾーン内の救出時間を短くする点にある。
【0052】
図7に示す運転方向保持回路は、NORゲート701,702と、インバートゲート703,704,709,710と、ラッチゲート705,706と、NANDゲート707,708から構成されている。そして入力信号には通常運転時上昇(UP)信号G、救出運転時上昇(UP)信号H、通常運転時下降(DN)信号J、救出運転時下降(DN)信号Kが与えられる。
【0053】
いま、例えば、通常運転時上昇信号Gが入力され、入力端が“L”となると、NORゲート701の出力は“H”となり、ラッチゲート705で“H”状態がセットされ、その出力が“H”となる。これを受けてNANDゲート707の出力は“L”、インバートゲート709の出力は“H”となり、TUP信号が“H”でラッチされる。これと同時に、NORゲート701の出力が“H”となると、インバートゲート704の出力は“L”となり、DN側ラッチゲート706はクリアされてその出力が“L”となる。これを受けてNANDゲート708の出力は“H”となり、インバートゲート710の出力は“L”となり、DN側ラッチ回路のTDN信号のラッチが解除される。他の入力についてほぼ同様の動作を行う。
【0054】
これによって図7に示した運転方向保持回路は、エレベータ運転中でもその運転方向を常にラッチしておくことができる。
【0055】
次に、図8に示すかご位置保持回路は、NANDゲート801〜804と、NORゲート805〜808と、ラッチゲート809〜812と、インバートゲート813〜816と、4入力ANDゲート817〜820から構成されている。そして出力であるT1,T3信号は急行ゾーンDを検出する信号、T2は上側各階停止ゾーンEを検出する信号、T4信号は下側各階停止ゾーンCを検出する信号である。
【0056】
図8のかご位置保持回路を、一番上側の回路を用いて動作説明する。図7に示した運転方向保持回路で保持された方向信号TUP(バー)が“L”の時、急行ゾーン下側リミットスイッチ13がオンすると、入力信号13は“L”となり、NANDゲート801の出力は“H”となり、ラッチゲート809によってラッチされてその出力が“H”となり、ANDゲート817の出力も“H”となり、急行ゾーン検出信号T1は“H”となる。これと同時に、NANDゲート801の出力が“H”となると、下側の回路に存在しているNORゲート806,807,808の出力がすべて“L”となり、ラッチゲート810,811,812がすべてクリアされ、ANDゲート818,819,820のすべての出力が “L”となり、T2〜T4のいずれかのモードが“H”であったとしてもそのモードからT1のモード、つまり、急行ゾーン検出に切り替わることになる。
【0057】
なお、他の入力に対して、各回路はほぼ同様の動作をし、かご位置検出信号の入力に応じてかご位置を指示する信号を出力する。方向信号TUP(バー)が “L”の時、急行ゾーン上側リミットスイッチ14がオンして、入力信号14が“L”となれば、上側各階停止ゾーンEの検出信号T2が“H”となり、方向信号TDN(バー)が“L”の時、急行ゾーン上側リミットスイッチ14がオンして、入力信号14が“L”となれば、急行ゾーンDの検出信号T3が“H”となり、方向信号TDN(バー)が“L”の時、急行ゾーン下側リミットスイッチ13がオンして、入力信号13が“L”となれば、下側各階停止ゾーンCの検出信号T4が“H”となる。
【0058】
次に、図9に示す救出運転速度変更回路は、NORゲート901,902と、インバートゲート903,904,907と、3入力NANDゲート905,906を備え、また図4に示した第1の実施の形態の回路と同じインバートゲート401,408,415,418,420と、NANDゲート403,410と、3入力ANDゲート412,417,419を備えていて、図8に示したかご位置保持回路の出力T1〜T4を入力とし、また図3に示した回路と同様にドアゾーン検出信号B、着床ゾーン検出信号A、ブレーキ開放信号Fを入力とし、速度指令信号S1〜S3のいずれかを出力する構成である。
【0059】
いま、エレベータかごが下側各階停止ゾーンCのドアゾーンB外に存在していて、図8のかご位置保持回路のかご位置検出信号T4がオンすると、この図9の救出運転速度変更回路の入力T4が“H”となる。これを受けると、NORゲート902の出力が“L”、NANDゲート905の出力も“L”となり、これと並行してB入力が“H”であるので、NANDゲート403の出力も“L”となる。これを受けて、NANDゲート906の出力が“H”となり、ANDゲート419の出力が“H”となって速度指令信号S2が“H”となり、この信号S2が図3に示した救出運転速度パターン発生回路のS2入力となり、エレベータをV1の通常救出速度で救出運転を開始する。
【0060】
救出運転によってエレベータかごが急行ゾーンD外の各階停止ゾーンCから急行ゾーンD内に入ると、上述した図8のかご位置保持回路の動作によって急行ゾーン検出信号T1が“H”となり、各階停止ゾーン検出信号T2は“L”となり、図9の救出運転速度変更回路のT1入力が“H”となり、T2入力は“L”となる。これを受けて、NORゲート902の出力が“H”、NANDゲート906の出力が“L”、ANDゲート419の出力が“L”となり、速度指令信号S2は“L”となる。これとは逆に、NORゲート901の出力は“L”となり、インバートゲート903の出力が“H”、NANDゲート905の出力が“L”、インバートゲート907の出力が“H”となり、ANDゲート417の出力も“H”となって速度指令信号S1が“H”となる。
【0061】
これを受けて、図3に示した救出運転速度パターン発生回路では、それまでの通常救出速度V1での救出運転から急行ゾーン用の高速救出速度V3に切り替えて高速救出運転を開始する。
【0062】
この後、エレベータかごが急行ゾーン上側リミットスイッチ14を作動させると、図8に示したかご位置保持回路の出力ではT1〜T3が“L”になり、T4が“H”に切り替わる。この結果、図9の救出運転速度変更回路の入力T4が “H”となり、T2入力が“H”となった時と同様に動作して、S1出力を“L”にし、S2出力を再び“H”にし、通常救出速度V1による救出運転を切り替える。
【0063】
この後、ドアゾーンBが検出されてB入力が“L”になると、図4の救出運転速度変更回路と同様に、NANDゲート403の出力が“H”となり、ANDゲート419の出力は“L”となり、S2出力は“L”に変化する。これと同時に、インバートゲート904の出力が“H”となり、NANDゲート410の出力が“H”、ANDゲート412の出力が“H”となり、速度指令信号S3が“H”となり、これが図3の救出運転速度パターン発生回路のS3入力端に入力されて、エレベータかごはドアゾーン内救出運転速度V2に減速される。
【0064】
さらに着床ゾーンAの検出信号が入力されるようになると、A入力信号は“L”となり、インバートゲート408は“H”を出力し、NANDゲート410の出力が“L”に変化し、ANDゲート412の出力が“L”となり、S3出力も“L”となり、救出運転が終了する。
【0065】
このようにして、第3の実施の形態のエレベータの停電時救出運転制御装置では、停電発生時のかご方向性とかご位置を保持しておき、その方向性と位置に応じて救出運転速度を制御するようにしたので、特に急行ゾーンを救出運転する際には高速救出速度V3によって通過する制御を行うことができ、救出運転時間を短くすることができる。
【0066】
次に、本発明の第4の実施の形態を図10に基づいて説明する。図10に示すエレベータの停電時救出運転制御装置の回路構成において、100は救出運転時のバックアップ電源であるバッテリであり、101はメインブレーカに設けられた補助接点、102及び109は停電検出リレー(図示せず)の常閉接点、103は救出運転時の主制御装置側メインコンタクタ(図示せず)のオフを確認するためのメインコンタクタ補助接点、104は点検運転時は救出運転を禁止する点検運転検出リレー(図示せず)の常閉接点、105は救出運転用電源を遮断し、救出運転を中止させる救出運転リレーで、105aはその補助接点、106は救出運転用制御電源を立ち上げてバッテリ電源を供給する制御電源供給リ
レーで、106aはその常開接点、107はDC/DCコンバータである。さらに、111は停電と瞬間停電とを区別するために電源喪失で停電検出リレーオフにより一定時間経過した後にオンする救出運転開始指令タイマで、111aはその常開接点、117は第1〜第3の実施の形態で検出した急行ゾーンD検出信号によりオンする急行ゾーン検出リレー(図示せず)の常開接点、118はこの常開接点117の閉成によってオンする救出運転打切り延長リレーで、118aはその常開接点、118bはその常閉接点である。さらに116は急行ゾーンD内を救出運転する時に動作する急行ゾーン内救出運転打切りタイマ、114は急行ゾーン外を救出運転する時に動作する急行ゾーン外救出運転打切りタイマである。
【0067】
この図10に示したエレベータの停電時救出運転制御装置では、停電を検出すると停電検出リレー接点102とメインコンタクタ補助接点103とが閉成し、制御電源供給リレー106がオンすることによってDC/DCコンバータ107が動作し、DC/DCコンバータ107の出力電源が確立すると共に、その出力側のリレー回路が動作する。まず、停電検出リレー接点109が閉成しているので、救出運転開始指令タイマ111が動作し、タイムカウントアップでオンするとその補助接点111aが閉成し、この後に、急行ゾーン外救出運転打切りタイマ114が動作する。
【0068】
この急行ゾーン外救出運転打切りタイマ114がカウントアップまで同じ状態が続けば、このタイマ114がオンすることによって救出運転打切りリレー105がオンし、その常閉補助接点105aが開くことによって制御電源供給用リレー106がオフし、救出運転を中止する。
【0069】
いま、急行ゾーン外救出運転打切りタイマ114がカウント中で、急行ゾーンDが検出されると、急行ゾーン検出リレーの補助接点117が閉成することによって救出運転打切り延長リレー118がオンし、急行ゾーン内救出運転打切りタイマ116がカウントを開始すると共に、急行ゾーン外救出運転打切りタイマ114がタイムカウントを中止する。
【0070】
この第4の実施の形態のエレベータの停電時救出運転制御装置によれば、停電時救出運転中に急行ゾーンDが検出されると救出運転打切りタイマを急行ゾーン外用のものから急行ゾーン内用のものに切り替わり、救出運転時間を延長することができる。
【0071】
次に、本発明の第5の実施の形態のエレベータの停電時救出運転制御装置を図11および図12に基づいて説明する。図11に示すように、第5の実施の形態の特徴は救出運転速度パターンVTに対するフィードバック信号VS(かご速度)に関する過速度設定レベルを通常速度区間と急行ゾーンとで区別し、それぞれOS1,OS2の過速度設定レベルを設け、急行ゾーン外での通常救出速度V1に対して過速度設定レベルOS1を超えないように速度制御し、急行ゾーン内での高速救出速度V3に対して過速度設定レベルOS2を超えないように速度制御する点にある。
【0072】
図12はこのような救出運転速度パターンに基づくフィードバック制御を実行する救出運転制御装置の回路構成を示している。この救出運転制御装置は、ORゲート120と、可変抵抗121,127と、抵抗122,123,124と、コンパレータ(反転)125と、負極性の信号を出力する絶対値増幅器126から構成されていて、第1〜第4のいずれかの実施の形態における救出運転速度変更回路から救出速度指令信号S1〜S3を入力し、またかご速度センサ(図示せず)からかご速度VSを入力し、次のように動作する。
【0073】
急行ゾーンD内の高速救出速度指令S1が入力されると、VOS2=OS2で設定された電圧と救出運転によるかご速度VSの絶対値信号とを比較し、かご速度VSが設定レベルOS2よりも高くなるとコンパレータ125の出力が“L”から“H”に反転し、過速度OSを検出する。救出運転により急行ゾーン外に移動し、通常救出速度指令S2がオンするか、若しくはドアゾーンB内に入って着床速度指令S3がオンした時には、ORゲート120の出力が“H”となり、VOS1=OS1に電圧設定レベルが変更され、救出運転速度V1に見合った過速度監視を行い、かご速度VSが設定レベルOS1よりも高くなるとコンパレータ125の出力が“L”から“H”に反転し、過速度OSを検出する。
【0074】
この第5の実施の形態による過速度監視を行うことによって、停電時救出運転中、かご位置が急行ゾーン内か急行ゾーン外であるかによって過速度検出レベルを切り替えて過速度監視ができる。
【0075】
次に、本発明の第6の実施の形態を図13に基づいて説明する。図13において、Pは停電発生によってかごが停止した位置を示している。いま、図13に示すようにかごがドアゾーンBの領域内で、かつ着床ゾーンAの領域外に停止している場合、従来であればかご積載条件を無視して着床レベルまでUP方向に救出運転していたが、本実施の形態では積載条件を勘案して回生方向に、つまり、この場合にはDN方向に救出運転する。これによって、救出運転の全速度モードを回生モードで運転することができるようになり、停電時電源バックアップバッテリの容量を小さなものとすることができる。
【0076】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、停電が発生して救出運転している時に不停止階の急行ゾーンを通過するようになれば、この急行ゾーンを通過するまでの間は通常の救出運転速度である第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度でエレベータを運転し、急行ゾーンを通過した後に通常の停電時救出速度に戻して救出運転し、最寄り階にレベル着床することができ、長い急行ゾーンがあっても停電時救出運転時間を従来よりも短くし、しかも最寄り階にはレベル着床することができる。さらに、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0077】
請求項2の発明によれば、急行ゾーン存在中であることを確実に検出して高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。
請求項3の発明によれば、停電が発生した場合、当初はエレベータの位置に関わりなく通常救出運転手段が第1の停電時救出速度で救出運転を開始する。そしてタイマが計時する所定時間が経過しても第1の停電時救出速度で救出運転が継続している場合には、急行ゾーンをエレベータが走行しているものと見なし、急行ゾーン通過救出運転手段が、第2の停電時救出速度でエレベータの救出運転を開始し、急行ゾーンの最下点若しくは最上点の近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出した時に通常救出運転手段による第1の停電時救出速度に再度切り替えて救出運転を行い、最寄り階でレベル着床する。これによって急行ゾーン存在中であることを確実に検出して高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。
請求項4の発明によれば、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0078】
請求項5の発明によれば、エレベータが急行ゾーン存在中であることを検出すれば高速の救出運転速度でエレベータに急行ゾーンを通過させ、急行ゾーン外の最寄り階にレベル着床させる停電時救出運転制御ができる。さらに、停電が発生して通常の救出運転速度で救出運転している時に不停止階の急行ゾーンを通過するようになれば、この急行ゾーンを通過するまでの間は通常の救出運転速度である第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度でエレベータを運転し、急行ゾーンを通過した後に通常の停電時救出速度に戻して救出運転し、最寄り階にレベル着床することができ、長い急行ゾーンがあっても停電時救出運転時間を従来よりも短くし、しかも最寄り階にはレベル着床することができるようになる。またさらに、電源バックアップバッテリの容量により停電時救出運転を打ち切る必要が発生しても、急行ゾーンの内外で打切りタイマのカウントアップ時間を異ならせることにより、特に急行ゾーンを救出運転中に運転打切りが発生しないように配慮することができる。
【0079】
請求項6の発明によれば、停電時の救出運転を回生方向に行うことにより、停電バックアップ電源用のバッテリとして容量の比較的小さなものが採用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のエレベータ走行路の急行ゾーンと各階停止ゾーンとの配置関係を示す説明図、及びドアゾーン、着床ゾーン及び急行ゾーンの関係を示す説明図。
【図2】上記の第1の実施の形態の停電時救出運転速度パターンを示す説明図。
【図3】上記の第1の実施の形態の救出運転速度パターン発生回路の回路図。
【図4】上記の第1の実施の形態の救出運転速度変更回路の回路図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の救出運転速度変更回路の回路図。
【図6】上記の第2の実施の形態の停電時救出運転速度パターンを示す説明図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の運転方向保持回路の回路図。
【図8】上記の第3の実施の形態のかご位置保持回路の回路図。
【図9】上記の第3の実施の形態の救出運転速度変更回路の回路図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の回路図。
【図11】本発明の第5の実施の形態の救出運転速度パターンと過速度線との関係を示すグラフ。
【図12】上記の第5の実施の形態の過速度設定回路の回路図。
【図13】本発明の第6の実施の形態の動作を示す説明図。
【図14】従来例のエレベータのドアゾーン及び着床ゾーンとリミットスイッチの位置関係を示す説明図。
【図15】従来例の停電時救出運転速度パターンの説明図。
【符号の説明】
A 着床ゾーン
B ドアゾーン
C 下側各階停止ゾーン
D 急行ゾーン
E 上側各階停止ゾーン
V1 通常救出速度
V2 着床速度
V3 高速救出速度
13 急行ゾーン下側リミットスイッチ
14 急行ゾーン上側リミットスイッチ

Claims (6)

  1. 不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、
    前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出する急行ゾーン存在検出手段と、
    停電が発生した時に、前記急行ゾーン存在検出手段が前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出しない場合に、前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転手段と、
    前記通常救出運転手段による前記第1の停電時救出速度で前記最寄り階に向けて運転中に、又は、停電が発生した時に、前記急行ゾーン存在検出手段が前記エレベータの急行ゾーン存在中を検出した場合に、当該急行ゾーン存在中を検出しなくなるまで前記エレベータを前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で運転し、当該急行ゾーン存在中を検出しなくなった時に前記第1の停電時救出速度で運転して最寄り階に停止する急行ゾーン通過救出運転手段と
    前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、
    前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、
    前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えて成るエレベータの停電時救出運転制御装置。
  2. 前記急行ゾーン存在中検出手段として、エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くに前記エレベータの通過を検出する急行ゾーン端リミットスイッチを設置し、
    前記急行ゾーン通過救出運転手段は、前記エレベータが上昇運転中で前記最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチのみが当該エレベータの通過を検出している時には前記最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出するまで前記第2の停電時救出速度で運転し、前記エレベータが下降運転中で前記最上点近くの急行ゾーン端リミットスイッチのみが当該エレベータの通過を検出している時には前記最下点近くの急行ゾーン端リミットスイッチが当該エレベータの通過を検出するまで前記第2の停電時救出速度で運転することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの停電時救出運転制御装置。
  3. 不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、
    エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くとに設置された前記エレベータの急行ゾーン通過を検出する急行ゾーン通過リミットスイッチと、
    停電が発生した時に、他に優先して前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転を開始する通常救出運転手段と、
    前記通常救出運転手段による通常救出運転が開始された時にカウントを開始し、前記通常救出運転が所定時間以上継続されるとカウントアップする通常救出運転時間計測タイマと、
    前記通常救出運転時間計測タイマがカウントアップした時に前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で前記エレベータの高速救出運転を開始し、前記急行ゾーンの最下点若しくは最上点の近くの前記急行ゾーン通過リミットスイッチが当該エレベータの前記急行ゾーン通過を検出した時に前記通常救出運転手段による通常救出運転に切り替える急行ゾーン通過救出運転手段とを備えて成るエレベータの停電時救出運転制御装置。
  4. 前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当 該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えて成る請求項3に記載のエレベータの停電時救出運転制御装置。
  5. 不停止階の急行ゾーンを有するエレベータの停電時救出運転制御装置において、
    停電発生時のエレベータの位置を保持するエレベータ位置保持手段と、
    エレベータ走行路上の前記急行ゾーンの最下点近くと最上点近くとに設置され、前記エレベータの通過を検出する急行ゾーン通過リミットスイッチと、
    停電発生時に、前記エレベータを第1の停電時救出速度で最寄り階まで運転して停止する通常救出運転手段と、
    前記通常救出運転手段による前記第1の停電時救出速度で前記最寄り階に向けて運転中に前記急行ゾーンの最上点若しくは最下点近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが作動した時に、又は、停電発生時に、前記第1の停電時救出速度よりも速い第2の停電時救出速度で運転し、前記急行ゾーンの最下点若しくは最上点近くの急行ゾーン通過リミットスイッチが作動した時に前記第1の停電時救出速度に切り替えて運転して前記最寄り階に停止する急行ゾーン通過救出運転手段と、
    停電発生時に、前記エレベータ位置保持手段によるエレベータの位置に基づき、エレベータが急行ゾーン内に存在する場合には前記急行ゾーン通過救出運転手段に救出運転を行わせ、エレベータが急行ゾーン外に存在する場合には前記通常救出運転手段に救出運転を行わせる救出運転選択手段と、
    前記通常救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第1の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る通常救出運転打切りタイマと、
    前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転時間をカウントし、第2の所定時間が経過した時に当該救出運転を打ち切る急行ゾーン通過救出運転打切りタイマと、
    前記通常救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマを起動し、前記急行ゾーン通過救出運転手段による救出運転の際に前記通常救出運転打切りタイマのカウントを停止させ、前記急行ゾーン通過救出運転打切りタイマを起動するタイマ切替手段とを備えて成るエレベータの停電時救出運転制御装置。
  6. 停電発生時に、前記通常救出運転手段と前記急行ゾーン通過救出運転手段とに常に回生方向の運転指令を与える回生運転指令手段を備えて成る請求項1〜5のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転制御装置。
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