JP4085606B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、転写ベルトに汚れが生じることのない画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式複写機やレーザプリンタなどの電子写真技術を用いた画像形成装置においては、一般的に、感光ドラムをコロトロン帯電器などの帯電装置で帯電させ、帯電した感光ドラムの表面を露光装置で露光して潜像を形成し、前記潜像にトナーを付着させて前記感光ドラムの表面にトナー画像を形成する。そして、前記感光ドラムの表面のトナー画像を、前記感光ドラムに隣接して配設され、前記感光ドラムに接触しつつ回転するエンドレスベルト状の転写ベルトを介して記録紙に転写するか、または前記転写ベルトに前記記録紙を吸着して搬送し、前記記録紙に直接転写する。そして、前記記録紙に転写されたトナー画像を適宜の手段によって定着させて最終画像を形成する。
【0003】
前記転写ベルトとしては、前記感光ドラムから前記トナー画像が一端転写され、前記転写されたトナー画像を前記記録紙に転写する中間転写ベルト、および前記記録紙を外周面に吸着して搬送し、前記感光ドラムから前記記録紙に前記トナー画像を直接転写する記録紙搬送転写ベルトが一般的に使用されてきた。
【0004】
前記転写ベルトは、搬送ローラおよび転写ローラによって内側から緊張した状態で保持されるのが一般的である。そして、前記中間転写ベルトおよび記録紙搬送転写ベルトは、前記転写ローラにより帯電されることにより、前記トナー画像または記録紙を静電的に吸着する。
【0005】
前記転写ローラとしては、従来は、金属コア材上にゴム弾性を有する表皮を設けたゴムローラ、および前記金属コア材上にスポンジ状の発泡層を表面に設けた発泡ローラなどの弾性ローラが広く使用されてきた。
【0006】
前記弾性ローラにおいては、前記ゴム層および前記発泡層などの弾性層にカーボンブラックなどの導電性粉末を分散して導電性を付与していた。
【0007】
しかし、前記導電性粉末を分散したゴム層および発泡層においては、抵抗変動が生じるので、前記転写ローラに電圧を印加する転写電源において前記抵抗変動を補償する制御を行ない、前記中間転写ベルトおよび記録紙搬送転写ベルトに印加される電圧が一定になるようにする必要があった。
【0008】
それ故に、前記転写ベルトによって前記感光ドラムから前記記録紙にトナー画像を転写する転写装置の構成が複雑になり、高価につくという問題があった。また弾性ローラそのものも高コストであった。
【0009】
そこで、近年、転写ローラとして金属ローラが広く用いられるようになってきた。
【0010】
前記金属ローラは、そのものが導体であるので、転写ベルト帯電システムに影響するほどの抵抗変動を生じない。また、前記金属ローラが当接する転写ベルトが弾性機能および抵抗制御機能を果たすので、低コストで環境変動のない高信頼の転写装置が構成できるという特長もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記金属ローラの表面はゴム弾性を有しないので、長期間の使用により、前記金属ローラの表面にトナーなどの異物が付着して凝集すると、前記金属ローラにおいて前記異物が付着した領域にギャップが生じたり、前記異物により抵抗変動が生じたりし、記録紙に転写した画像に、白抜け等の画質欠陥が生じることがあった。
【0012】
また、前記転写装置においては、トナーが雲状に舞うトナークラウドが発生することがあり、前記トナークラウドで前記金属ローラが汚れるという問題もあった。前記トナークラウドによる汚れは、前記金属ローラの端部に特に著しく見られた。
【0013】
前記金属ローラが前記トナークラウドで汚れると、印加電圧を上げる必要が生じ、場合によっては転写不良も起こる。
【0014】
これに対して、弾性ローラを使用した場合には、弾性層にトナーが取り込まれるので、初期においては、清掃無しでも使用できる。しかし、前記トナーの取り込み能力には限界があるので、長期に亘って安定して使用することはできない。また、前記弾性層における発泡セルに比較して大きな異物は必ずしも取り込むことができない。
【0015】
前記問題は、前記弾性ローラの表面を清掃する清掃部材を設けることにより解決できると考えられるが、前記清掃部材を設けると、前記弾性ローラと前記清掃部材との摩擦力が大きくなるので前記弾性ローラの回転が困難になり、また、前記弾性ローラの表面が短期間で摩耗するという問題が生じる可能性があった。
【0016】
そこで、例えば、転写ローラにクリーニングローラを接触させてクリーニングバイアスを印加することにより清掃する方法(特開平11−272087号公報)、およびクリーニングローラを用いる代わりに、転写ローラとは逆極性のクリーニングバイアス電圧を印加して汚れを感光体にもどす方法(特開平5−11647号公報)などが提案された。
【0017】
しかし、前記トナークラウドにおけるトナーは、帯電極性が正規トナーと逆極性であったり、帯電していなかったりするため、前記トナーを静電的に移動することは困難なことがあったので、前記方法によっては十分な清掃効果が得られないことがあった。
【0018】
本発明は、転写ローラとして金属ローラを使用する画像形成装置において、前記金属ローラが前記トナークラウドなどにより汚れることが効果的に防止でき、したがって、転写電圧を増大させる必要がなく、画像に不良箇所が生じることもない画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トナーにより静電的に画像が形成され、担持される像担持体と、前記像担持体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写手段が、一定方向に走行し、前記像担持体から外周面に前記画像が静電的に転写される中間転写ベルトと、電圧が印加され、前記中間転写ベルトの内周面に当接して前記像担持体から前記中間転写ベルトに前記像を転写させる金属ローラとを備えてなり、前記金属ローラの周速は、前記中間転写ベルトの走行速度とは異なってなることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0020】
前記画像形成装置においては、前記金属ローラの表面は、前記転写ベルトによって常に擦られている状態にあるから、たとえトナークラウドが発生し、前記トナークラウドのトナーが前記金属ローラに付着しても、前記中間転写ベルトにより擦られて除去される。
【0021】
したがって、前記金属ローラには汚れが付着し難いから、前記金属ローラの表面抵抗は一定である。したがって、前記金属ローラに電圧を印加する転写電源においては、金属ローラの表面抵抗の変化を補正するように電圧を制御する制御装置を設ける必要がないから、前記画像形成装置においては、前記転写手段を安価に構成できる。
【0022】
前記金属ローラの周速は、前述のように前記中間転写ベルトの走行速度と異なっていればよいから、前記金属ローラは、回転してもよく、停止していてもよい。
【0023】
前記像担持体としては、たとえば、前記[従来の技術]の欄で述べた感光ドラムなどが挙げられる。
【0024】
前記中間転写ベルトとしては、通常、エンドレスベルトが使用されるが、帯状に形成したベルトも使用できる。
【0025】
前記中間転写ベルトは、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、およびポリスルフィド樹脂などの耐熱性高強度樹脂から形成でき、表面に弗素樹脂などの強誘電性樹脂の層を形成することが好ましい。前記中間転写ベルトとしては、ほかに、前記耐熱性高強度樹脂にカーボンブラックなどの導電性粉末を配合した組成物から形成したベルト、および前記耐熱性高強度樹脂から形成したベルトの表面に前記導電性粉末を含有する導電性粉末含有層を設け、表面抵抗を調節したものも使用できる。
【0026】
前記記録媒体としては、電子写真式複写機およびレーザプリンタなどにおいて通常に使用される記録紙のほか、OHPフィルムなども挙げられる。
【0027】
請求項2に記載の発明は、トナーにより静電的に画像が形成され、担持される像担持体と、前記像担持体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写手段が、前記外周面に前記記録媒体を保持して搬送し、前記記録媒体を前記像担持体の表面に接触させることにより、前記画像を前記像担持体から前記記録媒体上に転写する記録媒体搬送転写ベルトと、電圧が印加され、前記記録媒体搬送転写ベルトの内周面に当接して前記像担持体から前記記録媒体搬送転写ベルトに前記像を転写させる金属ローラとを備えてなり、前記金属ローラの周速は、前記記録媒体搬送転写ベルトの走行速度とは異なってなることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0028】
前記画像形成装置においても、請求項1に記載の画像形成装置と同様に、前記金属ローラは、前記記録媒体搬送転写ベルトによって擦られた状態にあるから、前記金属ローラの表面に汚れが付着することはない。
【0029】
さらに、前記画像形成装置においては、像担持体から記録媒体に直接画像の転写が行われるから、周囲の温度や湿度が変化した場合においても、一定の画質を保つために転写電圧を増減させる必要がない。
【0030】
前記記録媒体搬送転写ベルトとしては、請求項1において述べた中間転写ベルトと同様のベルトが使用できる。
【0031】
また、記録媒体も、請求項1のところで述べた通りである。
【0032】
請求項3に記載の発明は、前記中間転写ベルトが、前記金属ローラの周速よりも高い周速で回転する画像形成装置に関する。
【0033】
前記画像形成装置においては、中間転写ベルトによって前記金属ローラの表面から擦り落とされた汚れは、前記中間転写ベルトの走行方向に沿って前記金属ロールの前方に移動する。したがって、前記汚れが前記金属ローラに再付着することがないから、前記金属ロールの表面に汚れが付着して画像に不良箇所が生じることを特に効果的に防止できる。
【0034】
請求項4に記載の発明は、前記記録媒体搬送転写ベルトが前記金属ローラの周速よりも高い速度で走行する画像形成装置に関する。
【0035】
前記画像形成装置は、請求項3に係る画像形成装置と同様の特長を有する。
【0036】
請求項5に記載の発明は、前記金属ローラが、端部の外径が中央部の外径よりも大きく形成されてなる画像形成装置に関する。
【0037】
前記金属ローラは、中央部の直径が両端部の直径よりも小さいから、中央部の周速も端部に比較して小さい。故に、前記金属ローラの両端部を前記転写ベルトの内側面に接触させて前記転写ベルトの周速と同一の周速で従動回転させた場合には、前記金属ローラにおいて画像の転写に実際に関わる中央部は、前記転写ベルトの周速よりも小さな周速で回転する。
【0038】
したがって、前記中央部は、前記転写ベルトによって擦られ、前記禁則ローラの表面に付着したトナーなどがすり落とされて表面が清掃される。
【0039】
故に、前記画像形成装置においては、前記金属ローラを特定の回転数で駆動する金属ローラ駆動装置が不要であるから、構成を簡略化できる故に好ましい。
【0040】
請求項6に記載の発明は、前記金属ローラが、前記中間転写ベルトの走行方向に沿って前記像担持体の下流側に設けられている画像形成装置に関し、請求項7に記載の発明は、前記金属ローラが前記記録媒体搬送転写ベルトの走行方向に沿って前記像担持体の下流側に設けられている画像形成装置に関する。
【0041】
前記画像形成装置においては、前記金属ローラの軸に設けたバネなどにより、前記金属ローラを前記中間転写ベルトまたは前記記録媒体搬送転写ベルトに向かって押圧すれば、前記中間転写ベルトまたは前記記録媒体搬送転写ベルトにおける前記金属ローラと前記像担持体との間の部分は、前記金属ローラと前記像担持体とにより引張られる。したがって、前記金属ローラとして端部のほうが中央部よりも外径が大きいものを使用した場合においても、前記金属ローラの端部と中央部とを前記中間転写ベルトまたは前記記録媒体搬送転写ベルトに均等に接触させることができる。
【0042】
請求項8に記載の発明は、前記金属ローラの端部が絶縁性であり、しかも前記金属ローラの中央部よりも大きな外形を有する画像形成装置に関する。
【0043】
前記画像形成装置においては、前記金属ロールの両端部に絶縁性のスリーブを乾燥したことにより、前記金属ロールに印加された転写電圧が、前記金属ロールの両端部から転写ベルトに漏れるのを防止できる。
【0044】
また、前記金属ローラの両端部の直径を中央部よりも大きくするのに、煩雑な機械加工が不要である。
【0045】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明の画像形成装置の一例について、構成を図1に示す。
【0046】
実施形態1に係る画像形成装置は、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であり、図1に示すように、エンドレスベルト状に形成され、図1において矢印aで示される方向に回転する中間転写ベルト42を備える1次転写ユニット4と、中間転写ベルト42の下方に配設され、カラーのトナー画像を形成して中間転写ベルト42の外周面に転写する画像形成ユニット2と、画像形成ユニット2から中間転写ベルト42に転写された画像を記録紙Pに転写する2次転写ユニット6とを備える。1次転写ユニット4および2次転写ユニット6は、本発明の画像形成装置における転写手段に相当する。
【0047】
画像形成ユニット2は、中間転写ベルト42の回転方向aに沿って上流側から下流側に向かってタンデム状に配設されてなるY画像形成ユニット2Yと、M画像形成ユニット2Mと、C画像形成ユニット2Cと、Bk画像形成ユニット2Bkとを備える。
【0048】
Y画像形成ユニット2Y、M画像形成ユニット2M、C画像形成ユニット2C、およびBk画像形成ユニット2Bkは、それぞれ黄色トナー画像(以下、「Y画像」という。)、マゼンタ色トナー画像(以下、「M画像」という。)、シアン色トナー画像(以下、「C画像」という。)、および黒色トナー画像(以下、「Bk画像」という。)を形成し、前記Y画像、前記M画像、前記C画像、および前記Bk画像が互いに重なるように中間転写ベルトに転写する機能を有する。
【0049】
Y画像形成ユニット2Y、M画像形成ユニット2M、C画像形成ユニット2C、およびBk画像形成ユニット2Bkは、それぞれ、本発明における像担持体に相当する感光体ドラム22Y、22M、22C、および22Bkと、感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkの表面をそれぞれ帯電させるコロトロン帯電器24Y、24M、24C、および24Bkと、コロトロン帯電器24Y、24M、24C、および24Bkにより帯電した感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkをそれぞれ露光して潜像を形成する露光装置26Y、26M、26C、および26Bkと、露光装置26Y、26M、26C、および26Bkにより潜像を形成した感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkの表面に、それぞれ黄色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナー、および黒色トナーを付着させてY画像、M画像、C画像、およびBk画像を形成する現像装置28Y、28M、28C、および28Bkとを備えている。
【0050】
1次転写ユニット4は、中間転写ベルト42と、中間転写ベルト42の内周面に当接しつつ回転することにより、中間転写ベルト42を矢印aの方向に走行させる搬送ローラ44と、搬送ローラ44と協働して中間転写ベルト42を緊張状態に保持すると同時に、2次転写ユニットの一部を構成するバックアップローラ46と、Y画像形成ユニット2Yにより形成されたY画像を中間転写ベルト42の外周面に転写する金属ローラ48Yと、M画像形成ユニット2Mにより形成されたM画像を中間転写ベルト42の外周面上に転写する金属ローラ48Mと、C画像形成ユニット2Cにより形成されたC画像を中間転写ベルト42の外周面に転写する金属ローラ48Cと、Bk画像形成ユニット2Bkにより形成されたBk画像を中間転写ベルト42の外周面に転写する金属ローラ48Bkとを備える。
【0051】
金属ローラ48Y、48M、48C,および48Bkは、何れも中間転写ベルト42の内周面に当接しながら回転しつつ中間転写ベルト42を帯電させ、前記Y画像、M画像、C画像、およびBk画像をを転写する金属ローラであり、金属ローラ48Y、48M、48C,および48Bkの順に、中間転写ベルト42の回転方向aに沿って配設されている。また、金属ローラ48Y、48M、48C,および48Bkは、それぞれ転写電源に接続され、所定の電圧が印加されている。
【0052】
中間転写ベルト42としては、たとえば、ポリイミド樹脂で構成され、前記ポリイミド樹脂にカーボンなどの抵抗値調整剤を所定量分散配合することにより、100V印加時の表面抵抗の中心値が1012Ω/□程度の値になるように調節したものなどが使用される。
【0053】
中間転写ベルト42におけるバックアップローラ46に当接する部分よりも走行方向aに沿って下流側には、2次転写ユニット6において記録紙Pに転写されずに中間転写ベルト42の外周面に残存したトナーを除去する中間転写ベルト清掃装置16が設けられている。
【0054】
画像形成ユニット2の下方には、中間転写ベルト42に転写されたトナー画像が転写される記録紙Pを収容する記録紙カセット14が配設されている。
【0055】
2次転写ユニット6は、中間転写ベルト42を挟んでバックアップローラ46の反対側に配設されてなり、中間転写ベルト42の外周面に記録紙Pを押圧しつつ回転し、中間転写ベルト42の外周面に転写されたY画像、M画像、C画像、およびBk画像を記録紙Pに転写する2次転写ローラ62と、記録紙カセット14に収容された記録紙Pを2次転写ローラ62と中間転写ベルト42との間に向かって搬送する上流側搬送ローラ66aと、バックアップローラ46の上方に配設されてなり、2次転写ローラ62において記録紙Pに転写されたトナー画像を定着させる定着装置64と、2次転写ローラ62でトナー画像が転写された記録紙Pを定着装置64に向かって搬送する下流側搬送ローラ66bとを備える。
【0056】
金属ローラ48Y、48M、48C,および48Bkの構成の詳細につき、以下に、金属ローラ48Yを例にとって説明する。
【0057】
金属ローラ48Yおよびその近傍につき、構成の詳細を図2に示す。
【0058】
図2に示すように、金属ローラ48Yは、感光ドラム22Yが中間転写ベルト42に接する箇所よりも走行方向aに沿って前方、すなわち下流側において、中間転写ベルト42の内周面に接するように配設されている。
【0059】
金属ローラ48Yは、胴Aと、胴Aの軸線に沿って延在し、胴Aに電気的に接続された軸Bとを有している。軸Bは、軸受けCにより回転可能に支承されている。軸受けCの上方は、バネEが取りつけられ、金属ローラ48Yは、バネEにより、それぞれ中間転写ベルト42に向かって下方に押圧される。
【0060】
そして、軸Bにおいて、転写電源回路Fに接続され、前記転写電源回路Fから回転軸Bを通して胴Aに転写電圧が印加される。
【0061】
胴Aには、sus304、Sum+Niメッキ、およびアルミニウム等の材料を用いることができるが、胴Aの材料は、前記材料には限定されず、コストおよび金属ローラ48Yと中間転写ベルト42との間に加わる荷重などに応じて適宜選択することができる。
【0062】
軸Bは、減速ギアDを介してモータ(図示せず。)に結合されている。金属ローラ48Yは、前記モータおよび減速ギアDにより、中間転写ベルト42の走行速度よりも10%低い周速で、図2において矢印bで示すように、中間転写ベルト42の走行方向aと同方向に回転する。
【0063】
金属ローラ48M、48C,および48Bkも同様の構成および機能を有している。
【0064】
画像形成装置100の作用につき、以下に詳述する。
【0065】
画像形成ユニット2におけるY画像形成ユニット2Y、M画像形成ユニット2M、C画像形成ユニット2C、およびBk画像形成ユニット2Bkにおいては、感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkは、それぞれコロトロン帯電器24Y、24M、24C、および24Bkによって表面が帯電される。コロトロン帯電器24Y、24M、24C、および24Bkによって表面が帯電した感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkは、次ぎに露光装置26Y、26M、26C、および26Bkによって露光され、それぞれ表面に潜像が形成される。そして、前記潜像の形成された感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkに、現像装置28Y、28M、28C、および28Bkにより、黄色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナー、および黒色トナーがそれぞれ付着され、Y画像、M画像、C画像、およびBk画像が形成される。
【0066】
ここで、前述のように、感光ドラム22Y、22M、22C、および22Bkは、中間転写ベルト42の走行方向aに沿って上流側から下流側に向かって配設されているから、前記Y画像、M画像、C画像、およびBk画像は、金属ローラ48Y、48M、48C、および48Bkにより中間転写ベルト42上に順次転写され、色重ねされる。
【0067】
一方、記録用紙Pは、記録紙カセット14から上流側搬送ローラ66aにより、図1において矢印cで示すように、中間転写ベルト42と2次転写ローラ62との間に向かって搬送され、挟入される。
【0068】
記録紙Pが中間転写ベルト42と2次転写ローラ62との間に挟入され、押圧されることにより、中間転写ベルト42に転写されたトナー画像が記録紙Pの表面に転写される。
【0069】
前記トナー画像が転写された記録紙Pは、図1において矢印cで示すように、下流側搬送ローラ66bにより定着装置64に運ばれ、前記トナー画像が記録紙P上に定着され、最終画像が形成される。一方、中間転写ベルト42の外周面状に残存したトナーは、中間転写ベルト清掃装置16により除去される。
【0070】
金属ローラ48Y、48M、48C、および48Bkの表面に付着した汚れがどのようにして中間転写ベルト42により除去されるかにつき、金属ローラ48Yを例にとって説明する。
【0071】
図3に示すように、金属ローラ48Yの周速Vrollと中間転写ベルト42の走行速度Vbeltとの間に差を設けることにより、金属ローラ48Yの表面に付着した異物は、金属ローラ48Yの表面から離脱して中間転写ベルト42に転移し易くなる。
【0072】
さらに、図3において(B)に示すように、金属ローラの周速Vrollが中間転写ベルト42の走行速度Vbeltよりも速くなるように金属ローラ48Yおよび中間転写ベルト42を回転・走行させると、金属ローラ48Yの表面から離脱した異物は、金属ローラ48Yの後方、すなわち上流側に落下するから、前記異物は、金属ローラ48Yと中間転写ベルト42との間に挟まれ、金属ローラ48Yの表面に再付着することがある。これに対して、本実施形態1においては、図3において(A)に示すように、金属ローラ48Yの周速Vrollが中間転写ベルト42の走行速度Vbeltよりも遅くなるように、金属ローラ48Yおよび中間転写ベルト42を回転・走行させている。したがって、金属ローラ48Yの表面から離脱した異物は、金属ローラ48Yの下流側に落下し、中間転写ベルト42により搬送方向aに沿って搬送される。したがって前記異物が中間転写ベルト42と金属ローラ42Yとの間に挟まれ、金属ローラ42Yの表面に再付着することが防止される。
【0073】
2.実施形態2
実施形態1に係る画像形成装置において、金属ローラとして、両端に絶縁性スリーブを嵌装したものを用いた例について以下に説明する。
【0074】
前記画像形成装置の構成を図4に示す。図4において、図1〜図3と同一の符号は、前記符号が図1〜図3において示す要素と同一の要素を示す。
【0075】
図4に示すように、実施形態2に係る画像形成装置102は、Y画像形成ユニット2Y、M画像形成ユニット2M、C画像形成ユニット2C、およびBk画像形成ユニット2Bkにおいて、それぞれ図1および図2に示す金属ローラ48Y、48M、48C、および48Bkに代えて、両端に絶縁性スリーブを嵌装した金属ローラ50Y、50M、50C、および50Bkを用いた以外は、実施形態1に示す画像形成装置100と同一の構成を有している。
【0076】
金属ローラ50Y、50M、50C、および50Bkの構成につき、金属ローラ50Yを例にとって説明する。
【0077】
金属ローラ50Yの構造を図5に示す。図5において、(A)は、金属ローラ50Yを、中間転写ベルト42の走行方向aに対して直角な方向から水平に見たところを示し、(B)は、走行方向aに沿って下流側から水平に見たところを示す。また、図2と同一の符号は、前記符号が図2において示す要素と同一の要素を示す。
【0078】
図5に示すように、金属ローラ50Yは、回転軸Bを備える胴Aの両端に、中央部よりも直径の小さな縮径部が形成されている。そして、前記縮径部に、EPDMゴムからなる絶縁性スリーブGが嵌装されている。絶縁性スリーブGが嵌装された部分は、金属製の胴Aが露出した中央部よりも大きな外径を有している。前記点を除いては、金属ローラ50Yは、図2に示す金属ローラ48Yと同様の構成を有している。
【0079】
金属ローラ50Yは、軸受けCにより回転自在に支承され、バネEによって上方から感光ドラム22Yに向かって中間転写ベルト42に押圧されているから、中間転写ベルト42における金属ローラ50Yと感光ドラム22Yとの間の部分には、金属ローラ50Yと感光ドラム22Yとにより引張り方向の力が作用する。したがって、図5において(B)に示すように、中間転写ベルト42は、金属ローラ50Yの両端部だけ出なく中央部にも接する。ここで、金属ローラ50Yは、回転自在に形成され、しかも両端の絶縁性スリーブGの直径が、中央部よりも大きい。したがって、金属ローラ50Yにおいては、前記両端部が、中間転写ベルト42の走行速度Vbeltと等しい周速で回転する。金属ローラ50Yの中央部は、両端部よりも直径が小さいから、中間転写ベルト42の走行速度Vbeltよりも小さな速度で回転する。したがって、前記中央部は、中間転写ベルト42により擦られるから、トナーなどの異物が付着することはない。ここで、感光ドラム22Yから中間転写ベルトへの画像の転写に直接関係するのは金属ローラ50Yの中央部であるから、金属ローラ50Yの表面に付着した異物に起因する不良箇所が前記転写された画像および最終画像に生じることはない。
【0080】
なお、金属ローラ50M、50C、および50Bkも、金属ローラ50Yと同様な構成および機能を有している。
【0081】
画像形成装置102は、前記の点を除いては、実施形態1に係る画像形成装置100と同一の構成を有している。
【0082】
実施形態2に係る画像形成装置102は、実施形態1に係る画像形成装置100の有する特長に加え、金属ローラ50Y,50M、50C、および50Bkを中間転写ベルト42の走行速度Vbeltとは異なる速度で回転させる駆動装置が不要であるという特長を有している。
【0083】
3.実施形態3
本発明に係る画像形成装置の別の例を図6に示す。図6において、図1と同一の符号は、特に断らない限り、前記符号が図1ににおいて示す要素と同一の要素を示す。
【0084】
実施形態3に係る画像形成装置も、実施形態1および実施形態2に係る画像形成装置と同様、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であり、図6に示すように、エンドレスベルト状に形成され、記録紙Pを外周面に静電的に吸着して図1において矢印aで示される方向に走行する記録紙搬送転写ベルト82を備える記録紙転写ユニット8と、記録紙搬送転写ベルト82の下方に配設され、カラーのトナー画像を形成して記録紙搬送転写ベルト82により搬送される記録紙Pに前記トナー画像を転写する画像形成ユニット2と、記録紙転写ユニット8に記録紙Pを供給する記録紙供給ユニット10と、記録紙転写ユニット8においてトナー画像が転写された記録紙Pを記録紙搬送転写ベルト82から剥離して前記トナー画像を定着させて最終画像を形成する定着ユニット12とを備える。記録紙転写ユニット8は、本発明の画像形成装置における転写手段に相当する。
【0085】
画像形成ユニット2は、図6から明らかなように、図1に示す画像形成装置100における画像形成ユニット2と同様の構成を有する。
【0086】
記録紙転写ユニット8は、記録紙搬送転写ベルト82と、記録紙搬送転写ベルト82の内周面に当接しつつ回転することにより、記録紙搬送転写ベルト82を矢印aの方向に走行させる搬送ローラ84と、搬送ローラ84と協働して記録紙搬送転写ベルト82を緊張状態に保持するバックアップローラ86と、画像形成ユニット2におけるY画像形成ユニット2Yにより形成されたY画像を、記録紙搬送転写ベルト82により搬送される記録紙Pに転写する金属ローラ88Yと、M画像形成ユニット2Mにより形成されたM画像を前記記録紙P上に転写する金属ローラ88Mと、C画像形成ユニット2Cにより形成されたC画像を前記記録紙P上に転写する金属ローラ88Cと、Bk画像形成ユニット2Bkにより形成されたBk画像を前記記録紙Pに転写する金属ローラ88Bkとを備える。
【0087】
金属ローラ88Y、88M、88C、および88Bkは、記録紙搬送転写ベルト82の内周面に当接しながら回転しつつ記録紙搬送転写ベルト82を帯電させ、前記Y画像、M画像、C画像、およびBk画像を前記記録紙に転写する金属ロールであり、金属ローラ88Y、88M、88C,および88Bkの順に、記録紙搬送転写ベルト82の内側に、走行方向aに沿って配設されている。金属ローラ88Y、88M、88C,および88Bkは、何れも、実施形態1に係る画像形成装置の備える金属ローラ48Y、48M、48C,および48Bkと同様の構成を有し、それぞれ転写電源(図示せず。)に接続されて同一の極性に帯電されている点、および図6に示すように、記録紙搬送転写ベルト82の走行方向aと同方向に、記録紙搬送転写ベルト82の走行速度よりも10%遅い周速で回転している点においても同様である。
【0088】
記録紙搬送転写ベルト82としては、実施形態1の画像形成装置の備える中間転写ベルト42と同様のポリイミド樹脂製のエンドレスベルトが使用される。但し、記録紙Pをより強く吸着できるように、外周面に、弗素樹脂などの強誘電体の層を設けることが好ましい。
【0089】
記録紙供給ユニット10は、記録紙Pを収容する記録紙カセット10Bと、一群のローラからなり、記録紙カセット10Bに収容された記録紙Pを、記録紙搬送転写ベルト82とY画像形成ユニット2Yにおける感光ドラム22Yとの間に供給する記録紙供給ローラ10Aとを有する。
【0090】
定着ユニット12は、記録紙Pを除電して記録紙搬送転写ベルト82から剥離し易くする除電コロトロン帯電器12Aと、除電コロトロン帯電器12Aにより除電された記録紙Pを記録紙搬送転写ベルト82の表面から剥離する剥離爪12Bと、記録紙Pが間を通過することにより、記録紙Pに転写されたトナー画像を定着させる1対の熱ローラである定着ローラ12Cと、剥離爪12Bで剥離された記録紙Pを定着ローラ12Cに搬送する一群のローラからなる記録紙搬送ローラ12Dとからなる。
【0091】
画像形成装置104の作用について以下に説明する。
【0092】
Y画像形成ユニット2Y〜Bk画像形成ユニット2Bkにおいては、実施形態1のところで述べたのと同様の手順に従って、感光ドラム22Y〜22Bkの表面にY画像〜Bk画像がそれぞれ形成される。
【0093】
記録紙カセット10B中の記録紙Pは、記録紙供給ローラ10Aにより、図6において矢印dで示す経路を通って記録紙搬送転写ベルト82と感光ドラム22Yとの間に挟入される。
【0094】
記録紙搬送転写ベルト82は、走行方向aに沿った最も上流側に位置する金属ローラ88Yにより帯電しているから、挟入された記録紙Pは、記録紙搬送転写ベルト82の外周面に静電的に吸着し、記録紙搬送転写ベルト82と同じ極性に帯電する。したがって、感光ドラム22Yの表面から記録紙Pの表面にY画像が転写される。
【0095】
前記Y画像が転写された記録紙Pは、記録紙搬送転写ベルト82に吸着された状態で搬送される。そして、感光ドラム22Mの表面から記録紙Pの表面に、前記Y画像に重ねてM画像が転写される。
【0096】
同様に、C画像形成ユニット2Cにおいては、感光ドラム22Cの表面から前記Y画像およびM画像に重ねてC画像が転写され、Bk画像形成ユニットにおいては、感光ドラム22Bkの表面から、前記Y画像、M画像、およびC画像に重ねてBk画像が転写される。
【0097】
前記Y画像〜Bk画像が全て転写された記録紙Pは、除電コロトロン帯電器12Aにおいて除電され、剥離爪12Bにより、記録紙搬送転写ベルト82から剥離され、記録紙搬送ローラ12Dによって定着ローラ12Cに向かって搬送される。そして、前記記録紙P上に転写された前記Y画像、M画像、C画像、Bk画像は、定着ローラ12Cにおいて定着され、最終画像が形成される。
【0098】
実施形態3に係る画像形成装置においても、前述のように、金属ローラ88Y、88M、88C,および88Bkは、記録紙搬送転写ベルト82の走行速度よりも低い周速で回転しているから、記録紙搬送転写ベルト82により、常に表面が擦られた状態にある。
【0099】
したがって、金属ローラ88Y、88M、88C,および88Bkの表面に異物が付着して転写電圧が上昇したり、画像に不良箇所が生じたりすることが防止される。
【0100】
実施形態3に係る画像形成装置においては、さらに、感光ドラム22Y〜22Bkの表面に形成されたY画像〜Bk画像を記録紙搬送転写ベルト82に転写することなく、直ちに記録紙Pに転写しているから、記録紙搬送転写ベルト82の表面がトナーで汚れることが特に少ない。また、周囲の温度および湿度が変化しても、転写電圧を大きく変動させる必要がないという特長もある。
【0101】
【実施例】
[実施例1、比較例1、比較例2]
(実験1)
実施形態1に係る画像形成装置(実施例1)と、実施形態1に係る画像形成装置において、金属ローラ48Y〜48Bkに代えて表面に発泡層を設けた発泡ローラを使用した画像形成装置(比較例1)と、実施形態1に係る画像形成装置において、金属ローラ48Y〜48Bkが中間転写ベルト42に追従して回転し、言い替えれば、中間転写ベルト42の走行方向aと同方向に、中間転写ベルト42の走行速度と等しい周速で回転させた画像形成装置(比較例2)を用い、長期の信頼性試験(ランニングテスト)を行った。
【0102】
前記ランニングテストにおいては、写真・文字混合チャート(画像密度:5%、A4)を用い、環境を実験室環境、高温高湿環境、低温低湿環境、実験室環境の順で順次変化させ、合計100,000枚をプリントし、金属ローラまたは発泡ローラの汚れによる出力電圧の変化、および画質の変化を調べた。前記出力電圧の変化は、外部の高圧電源から定電流制御で金属ローラ48Y〜48Bkに転写電圧を入力し、出力電圧値を測定することにより求めた。環境が低温低湿になったり、金属ローラ48Y〜48Bkの表面の汚れや異物が付着したりして金属ローラ48Y〜48Bkの表面抵抗が上昇すると、前記出力電圧が上昇する。
【0103】
前記ランニングテストの結果を図7に示す。図7に示すように、比較例1及び比較例2においては、プリント枚数が増大すると出力電圧値が増加する傾向が見られた。また、環境を変化させると出力電圧が大きく変動する傾向が見られた。これは、比較例1および比較例2において使用した画像形成装置においては、感光ドラム22Y〜22Bkから中間転写ベルト42を介して記録紙Pにトナー画像を転写するシステムを採用している故に、中間転写ベルト42において抵抗変動が生じると、全体の出力電圧に大きく影響するためであると考えられる。
【0104】
金属ロールを使用した比較例2においては、さらに、金属ロール表面に汚れが蓄積することによる抵抗変動も加わるため、同一環境下でも出力電圧の大きな増減が見られた。
【0105】
これに対し、実施例1では、環境が変動すると出力電圧も変動するものの、同一環境内では出力電圧はほぼ一定であり、さらにランニングスタート時とエンド時の実験室環境では出力電圧に大きな差がなかった。
【0106】
これは、金属ロールの表面に汚れが付着しなかったためと考えられる。
【0107】
またランニングテスト終了後にハーフトーン全面画像(画像密度30%)を用いて画質検査を行った結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
Figure 0004085606
比較例1においては、白抜けなどの画像欠陥の発生は見られなかったが、比較例2においては、画像の端部に白抜け部の発生が見られた。
【0109】
前記画像における白抜け部の発生ピッチが使用した画像形成装置における金属ローラの周長と一致し、さらに、前記金属ローラの表面を目視で観察したところ、著しいトナー汚れの発生が認められたことから、前記白抜けの発生が前記トナー汚れに起因することがわかった。前記金属ローラ表面に付着した異物などが核になり、長期に渡る試験で実機内で発生したトナークラウド中のトナーが前記核に付着して、前記金属ローラの表面にトナー汚れが固着し、これが前記白抜け部の派生につながったと考えられる。
【0110】
これに対し、実施例1では、100,000枚プリントした後においても、白抜けなどの画質欠陥は発生せず、目視によっても金属ローラの表面にトナー汚れなどが確認できなかったことから、前記金属ローラと前記中間転写ベルト42との間に速度差を設けたことによるクリーニング効果が確認された。そして、長期にわたり安定した画質が得られることが分かった。
【0111】
(実験2)
実施例1及び比較例1において、上記実験1で行ったランニングテストを、プリント枚数が300,000枚になるまで延長して行った。結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
Figure 0004085606
表2に示すように、プリント枚数が300,000枚まで増大すると、比較例1においては白抜け部の発生が見られ、またベタ画像(画像密度100%)において画像濃度低下が見られた。この理由としては、比較例1で使用した画像形成装置においては、金属ローラの代りに発泡ローラが使用されているので、前記画像形成装置内で発生したトナークラウドは、ランニングテスト開始後、ある時点までは、発泡セル内に取り込まれるが、長時間経過すると、前記発泡セルのトナー捕集能力が低下し、前記トナークラウドの発生量が前記発泡ローラのの捕集能力を上回ったことが原因であると考えられる。また、および大きな異物が前記発泡ローラのセル内に取り込まれなかったことも原因であると考えられる。
【0113】
また、画像濃度低下が発泡ローラの端部で発生したが、これは、現像装置28Y〜28Bkなどからのトナークラウドが、中間転写ベルト42の端部から内側に入り込んで前記発泡ローラの端部に蓄積した故に、前記発泡ローラの端部において抵抗が上昇しため、定電流電源の電流配分が発泡ローラの端部で少なくなり、転写不良が生じたことが原因になっていると考えられる。前記発泡ローラを目視で観察したところ、トナー汚れが全体的に見られ、特に端部において著しかったことが確認された。また、前記発泡ローラには、トナーを核とした固着が見られた。
【0114】
これに対し、実施例1においては、300,000枚プリント後も、画質欠陥が生じなかった。また、金属ローラ22Y〜22Bkを目視で観察したところ、表面の汚れが微量であることが確認された。これは、金属ローラ22Y〜22Bkと中間転写ベルト42との間にスピード差をつけたことにより、金属ローラ22Y〜22Bkの表面がクリーニングされ、初期性能が維持されていることを示していると考えられる。
【0115】
[実施例2]
実施例1と同様の手順に従い、ランニングテストを行った。上記実験1、2で使用したのと同様の写真・文字混合チャート(画像密度:5%、A4)を用い、環境を、実験室環境、高温高湿環境、低温低湿環境、および実験室環境の順に順次変化させ、合計で100,000枚をプリントし、出力電圧および画質の変化を調べた。出力電圧の変化を図8に、画質の変化および金属ローラ48Y〜48Bkの表面汚れの有無・大小を表3に示す。
【0116】
【表3】
Figure 0004085606
図8に示すように、中間転写ベルト42の抵抗変動により、環境変化初期には出力電圧が変化するが、同一環境中では出力電圧特性はほとんど変動せず、またランニング終了時でも初期の出力電圧と大きな違いがなかった。このことから、中間転写ベルト42と金属ローラ48Y〜48Bkとの速度差による金属ローラ48Y〜48Bk表面の清掃効果が確認された。
【0117】
また、表3に示すように、画像がハーフトーン全面画像(画像密度30%)であったにもかかわらず、100,000枚プリント後においても、白抜けや濃度低下等は発生せず、初期画像を維持していた。また、金属ローラ48Y〜48Bkの表面の汚れも微量であり、このことからも、金属ローラ48Y〜48Bkが初期状態を維持していることが判った。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写ローラとして金属ローラを使用する転写装置において、前記金属ローラが前記クラウドトナーなどにより汚れて画像に不良部が派生することを効果的に防止できる画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の一例につき、構成の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示す画像形成装置における1次転写ユニットの備える金属ローラおよびその近傍につき、構成の詳細を示す拡大図である。
【図3】図3は、金属ローラの表面に付着した汚れが、図2に示す1次転写ユニットの備える中間転写ベルトにより除去されるところを示す説明図である。
【図4】図4は、実施形態2に係る画像形成装置の構成の概略を示す断面図である。
【図5】図5は、図4に示す画像形成装置の備える金属ローラの構成を示す拡大図である。
【図6】図6は、実施形態3に係る画像形成装置の構成の概略を示す断面図である。
【図7】図7は、実験1におけるランニングテストにおけるコピー枚数と出力電圧の変動との関係を示すグラフである。
【図8】図8は、実施例2のランニングテストにおけるコピー枚数と出力電圧の変動との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 画像形成ユニット
4 1次転写ユニット
6 2次転写ユニット
8 記録紙転写ユニット
10 記録紙供給ユニット
12 定着ユニット
22Y 感光体ドラム
22M 感光体ドラム
22C 感光体ドラム
22Bk 感光体ドラム
24Y コロトロン帯電器
24M コロトロン帯電器
24C コロトロン帯電器
24Bk コロトロン帯電器
26Y 露光装置
26M 露光装置
26C 露光装置
26Bk 露光装置
28Y 現像装置
28M 現像装置
28C 現像装置
28Bk 現像装置
42 中間転写ベルト
44 搬送ローラ
46 バックアップローラ
48Y 金属ローラ
48M 金属ローラ
48C 金属ローラ
48Bk 金属ローラ
62 2次転写ローラ
64 定着装置
66a 上流側搬送ローラ
66b 下流側搬送ローラ
82 記録紙搬送転写ローラ
88Y 金属ローラ
88M 金属ローラ
88C 金属ローラ
88Bk 金属ローラ

Claims (5)

  1. トナーにより静電的に画像が形成され、担持される像担持体と、前記像担持体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記転写手段は、
    一定方向に走行し、前記像担持体から外周面に前記画像が静電的に転写される中間転写ベルト、および外周面に前記記録媒体を保持して搬送し、前記記録媒体を前記像担持体の表面に接触させることにより、前記画像を前記像担持体から前記記録媒体上に転写する記録媒体搬送転写ベルトから選択されるベルト部材と、
    電圧が印加され、前記ベルト部材の内周面に当接して前記像担持体から前記中間転写ベルトに前記像を転写させる金属ローラとを
    備えてなり、
    前記金属ローラにおいては、画像の転写に関与する軸方向中央部の周速が、前記ベルト部材の走行速度よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記金属ローラにおいては、画像の転写に関与する軸方向中央部の外径が端部の外径よりも小さい請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記金属ローラは前記ベルト部材とは別個の駆動装置によって回転駆動される請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記金属ローラは、前記中間転写ベルトの走行方向に沿って前記像担持体の下流側に設けられてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記金属ローラは、端部に絶縁性スリーブが嵌装されることにより、中央部の外径が端部の外径よりも小さく設定されている請求項2に記載の画像形成装置。
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