JP4085409B2 - 位置検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばロールから巻き戻されて一方向に高速に搬送される帯状体の縁部(エッジ)の幅方向における位置変位を高速度に、しかも高精度に検出することのできる位置検出方法および装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
フィルムやシート等の物品の縁部(エッジ)の位置を検出する位置検出装置として、物品(検査対象物)に向けて平行光を照射する投光部(光源)と、この投光部に対峙させて設けたCCD等の受光部(ラインセンサ)とを備えた光学式のものがある。この種の光学式の位置検出装置は、基本的には上記物品により遮られなかった平行光を受光部にて受光し、該受光部における平行光の受光領域と非受光領域(遮光領域)との境界を前記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置として検出するものである。
【0003】
また最近ではレーザ光等の単色平行光を用い、物品(検査対象物)のエッジにおける上記単色平行光のフレネル回折に着目して前記ラインセンサ(受光部)の受光面上における光強度分布から上記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置を高精度に検出する装置も提唱されている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−247726号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで単色平行光のフレネル回折によるラインセンサ(受光部)の受光面上における光強度分布を利用して検査対象物のエッジの位置を検出する場合、予め上記光強度分布の特性を高精度に求めておくことが必要である。ちなみに上記フレネル回折による光強度分布は、図11に示すようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束する。このような光強度分布の特性は、単色平行光の波長をλ[nm]、検査対象物のエッジから受光面までの距離をz[mm]、受光面上でのエッジ位置x[μm]を[0]としたとき、∫を[x=0]から[(2/λz)1/2・x]までの積分を示す演算記号として
光強度 =(1/2){[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2}
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表される。但し、Uは仮の変数である。
【0006】
また上式中の関数S(x),C(x)については、専ら数学公式集に示されるようにフレネル関数を用いて、xが大きいところでは
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができる。従って基本的には上記近似式S(x)’,C(x)’を用いることにより、前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度から前述したエッジ位置を計算することができる。
【0007】
しかしながら実際に計算してみると、図12に示すように関数S(x),C(x)とその近似式S(x)’,C(x)’とは、その立ち上がり以降の収束部分(2山目以降)において非常に良好に近似するものの、最初の立ち上がり部分(1山目)において大きなずれがあることが否めない。特にこの最初の立ち上がり部分の特性はエッジ検出において重要な役割を担うものであり、その特性のずれはエッジ位置の検出精度の低下の要因となる。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、フレネル回折による受光面上での光強度分布を、特に最初の立ち上がり部分の特性を高精度に近似し、これによって所定の光路内に侵入した遮蔽物のエッジ位置と受光面からエッジ位置までの距離とを高精度に検出することのできる位置検出方法および装置を提供することにある。
【0009】
また本発明の別の目的は、複数の受光セルの配列ピッチが粗い安価なラインセンサを用いた場合であっても、エッジ位置と受光面からエッジ位置までの距離との高精度に、しかも簡易に検出することのできる位置検出方法および装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る位置検出方法は、一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサ(受光部)と、このラインセンサに対峙して設けられて該ラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色平行光を投光する投光部と、前記ラインセンサの出力を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配設方向におけるエッジ位置を検出するエッジ検出部とを具備した位置検出装置に適用されるものであって、
特に前記エッジ検出部においては、前記遮蔽物による単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布の最初の立ち上がり部分における光強度変化をハイパボリックセカンド関数sech(x)により近似し、このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度を解析して前記遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を求めると共に、このエッジ位置と所定の受光強度が得られた受光セルの位置との差から前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離を求めることをことを特徴としている。
【0011】
即ち、本発明に係る位置検出方法は、単色平行光のフレネル回折による受光面上での光強度分布の最初の立ち上がり部分、特にその1山目の分布特性が、a,b,cをそれぞれ係数として
y=a・sech(bx+c)
なるハイパボリックセカンド関数sech(x)に極めて良好に近似することを見出してなされている。
【0012】
そしてこのハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前記ラインセンサの出力(光強度)を解析し、前記フレネル回折による受光面上での光強度分布において光強度(相対値)が[0.25]となる位置xoを前記遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置として検出し、更に前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて上記エッジ位置と所定の受光強度が得られる位置との関係から、具体的には上記エッジ位置と所定の受光強度が得られた受光セルの位置との差に基づいて前記エッジと前記ラインセンサの受光面との距離を求めることを特徴としている。
【0013】
好ましくは前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いた前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度の解析を、例えば予め規定された基準受光強度[0.25]の近傍の該基準受光強度より大きい受光強度を得た受光セルおよび上記基準受光強度より小さい受光強度を得た受光セルをそれぞれ求め、これらの各受光セルの受光面において当該受光強度となる受光位置をハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}に従って前記受光強度が[0.25]となる位置からの相対位置をそれぞれ求め、これらの相対位置から補間により受光強度が[0.25]となる位置xoを求めるようにすれば良い。また前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離については、上述した受光セルの配列方向のエッジ位置を求める際に用いた受光強度が[0.25]よりも大きい受光セルの位置x2と受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoとの差Δx、および上記位置x2での受光強度とに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)からフレネル回折の距離成分zを逆算して求めるようにすれば良い。
【0014】
尚、前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離zについては、前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて近似した光強度分布において、その光強度が上記光強度[0.25]から1山目のピーク位置の光強度である[1.37]の範囲において予め任意に設定された、例えば[0.8]や[1.0]なる光強度となる位置xaとして求め、この位置Xaと前記エッジ位置xoとの差Δxに従ってハイパボリックセカンド関数sech(x)から逆算するようにしても良い。
【0015】
また本発明に係る位置検出装置は、一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサに対峙して設けられて該ラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色平行光を投光する投光部と、前記遮蔽物による単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記ラインセンサの出力を解析して、前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配設方向におけるエッジの位置を検出するエッジ検出部とを備えたものであって、特に前記エッジ検出部として、
前記遮蔽物による単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布の立ち上がり部分を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて、前記ラインセンサの正規化出力から受光強度が[0.25]となる前記受光セルの配設方向の位置xoを求めるセル方向位置検出手段と、
上記逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて、前記受光セルの配列方向の複数の位置xaと各位置xaにおける受光強度とをそれぞれ求め、上記各位置Xaと前記光強度が[0.25]となる前記受光セルの配列方向の位置xoとの差Δxに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から前記遮蔽物のエッジと前記ラインセンサとの間の距離zを算出する距離計算手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
具体的には上記セル方向位置検出手段は、前記ラインセンサの出力から予め規定された基準受光強度[0.25]の近傍の該基準受光強度より大きい受光強度を得た受光セルと上記基準受光強度より小さい受光強度を得た受光セルとをそれぞれ特定する受光セル特定手段と、ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}により近似した光強度分布に従って前記受光セル特定手段にて特定した各受光セルの受光面において当該受光セルの受光強度となる受光位置をそれぞれ求める受光位置算出手段と、この受光位置算出手段でそれぞれ求められた受光位置から前記基準受光強度となる位置を前記遮蔽物のエッジ位置として検出する補間演算手段とにより構成される。
【0017】
また距離計算手段は、前記ラインセンサの正規化出力からその受光強度が[0.25]よりも大きくなる受光セル、および[0.25]よりも小さくなる受光セルから受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoを求め、受光強度が[0.25]よりも大きい受光セルの位置x2と受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoとの差Δx、および上記位置x2での受光強度とに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から距離zを算出するように構成される。
【0018】
或いは前記距離計算手段は、前記逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて求められる予め設定された光強度A(0.25<A≦1.37)となる前記受光セルの配列方向の位置xaと、前記セル方向位置検出手段にて求められたエッジ位置xoとの差Δxとに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から距離zを算出するように構成される。
【0019】
このように構成された位置検出装置によれば、基準受光強度[0.25]を挟む受光強度が得られた少なくとも受光セルにおいて当該受光セルの受光強度となる受光位置を、フレネル回折による光強度分布の最初の立ち上がり部分の特性を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いることでそれぞれ高精度に求めることができるので、これらの受光位置からラインセンサの受光面上におけるエッジの位置、つまり受光強度が[0.25]となる位置を高精度に求めることができる。また同時に遮蔽物のエッジとラインセンサの受光面と間の距離を簡易に、しかも高精度に算出することが可能となる。
【0020】
尚、上記ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}については、これを級数展開したり、或いはCPUに実装されている命令に従って演算することができるので、その演算処理速度(位置検出速度)を十分に高速化することができる。
尚、ラインセンサの出力の最初にピーク値をとる受光セルとその手前の受光セルをそれぞれ求め、これらの各受光セルの各受光強度から前述したハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}に従ってエッジ位置を求めることも可能である。このようにしてエッジ位置を検出すれば、例えば検出対象物が半透明体からなり、検出対象物によって単色平行光を完全に遮光することができない場合であっても上記検出対象物の縁部(エッジ)の位置やラインセンサの受光面からの距離を高精度に検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る位置検出方法および位置検出装置について説明する。
図1はこの実施形態に係る位置検出装置の概略構成図であり、基本的には図2に示すように一方向に所定のピッチWで配列した複数の受光セル1aを備えたラインセンサ(受光部)1と、このラインセンサ1の受光面に対峙して設けられて該ラインセンサ1の複数の受光セル1aに向けて所定の光線束幅の単色平行光4を投光する投光部2とを備える。またマイクロコンピュータ等により実現される装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を解析することで前記単色平行光4の光路に位置付けられた、例えば帯状体からなる遮蔽物(検出対象物)7の前記受光セル1aの配設方向におけるエッジ位置を高精度に検出する役割を担う。
【0022】
尚、投光部2は、例えば図3にその概略構成を示すようにレーザダイオード(LD)からなる光源2aが発した単色光(レーザ光)を反射するミラー(例えばアルミ蒸着により鏡面処理を施したプリズム)2bと、このミラー2bを介して導かれた単色光の光線束形状をスリット状に規定するアパーチャマスク(投光窓)2cと、このアパーチャマスク2cを介した光を平行光線束に変換して投射する投射レンズ(コリメータレンズ)2dとを備える。この投射レンズ2dと前記受光部1との間に検出対象物である遮蔽物7が位置付けられ、アパーチャマスク2cのスリットの長手方向に変位する上記遮蔽物7のエッジ位置が前記受光部1を介して検出される。
【0023】
具体的にはアパーチャマスク2cは、その開口形状を矩形状のスリットとしたもので、前記光源2aは上記スリットに向けて所定の拡がり角で単色光を射出するように設けられる。特に光源2aとしてLDを用いた場合、このLDから楕円状の強度分布をもって射出するレーザ光は、アパーチャマスク2cに対して図中破線で示すように投射される。この際、上記レーザ光の長軸が、前記アパーチャマスク2cのスリットの長手方向となるように該LDとアパーチャマスク2cとを光学的に配置することが、投光部2を小型化する上で好ましい。尚、ミラー(プリズム)2dは、LDから発せられたレーザ光を略直角に反射させる光路を形成することで、LDとアパーチャマスク2c、ひいては投射レンズ2dとの光学的距離を維持しながら、投光部2の全体形状をコンパクト化する役割を担っている。尚、このような投光部2は、例えば前述したラインセンサ1と共に所定の隙間Lを形成したコの字状の筐体5に上記隙間を挟んで互いに対峙させて一体に組み込まれて、1つのセンシングユニットとして形成される。
【0024】
このように構成された投光部2により、図4および図5にその光学系をそれぞれ模式的に示すように、上記アパーチャマスク2cおよび投射レンズ2dを通して平行光に変換されたスリット状の断面形状を有する平行光線束(単色平行光)4がラインセンサ(受光部)1に向けて投射される。この平行光線束の断面形状の大きさは、例えば長辺9mm×短辺3mmであり、これに対して上記平衡光線束を受光するラインセンサ1の受光面の大きさは、例えば長辺8.7mm×短辺0.08mmである。即ち、それぞれの長辺の寸法は、ほぼ等しく設けられている。
【0025】
ちなみに平行光線束の断面形状における短辺の寸法(3mm)をラインセンサ1の受光面の短辺寸法(0.08mm)よりもかなり大きく設定しているのは、投光器と受光器との平行度の調整を容易化すると共に、投光器または受光器が傾いた場合においても、図5に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの長辺側エッジ2hによるフレネル回折の影響を避ける為である。但し、このスリット状の平行光線束(単色平行光)4には、前述したアパーチャマスク2cを用いて光線束形状を整形した際、図4に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分が含まれることが否めない。しかしこの非平行光線成分の影響については、後述するようにラインセンサ1の出力を正規化して補正するようにすれば良い。
【0026】
ところで前記装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を取り込んで該ラインセンサ1の受光面上における光強度分布を求める入力バッファ3aを備える。特に装置本体3は、その初期設定処理として予め前記投光部2から投光された所定の光線束幅の単色平行光の全てを前記ラインセンサ1にて受光し、このときの光強度分布に基づいて前記投光部2が投光する単色平行光の回折パターンを求めると共に、後述するようにこの回折パターンの逆数に従って前記各受光セル1aの受光量に対する正規化パラメータを求める回折パターン検出手段3bを備える。この回折パターンは、上述したアパーチャマスク2cに形成されたスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分に起因するものである。
【0027】
更に装置本体3は、上記回折パターン検出手段3bにより求められた正規化パラメータに従って前記ラインセンサ1の出力を正規化する正規化手段3cと、この正規化手段3cにて正規化処理した前記ラインセンサ1の出力(正規化出力)に従って前記遮蔽物(検出対象物)7の端部(エッジ)の位置、具体的にはラインセンサ1における受光セル1aの配列方向の位置を検出するエッジ検出部3bとを備える。
【0028】
このエッジ検出部3dは、基本的には前記単色平行光の一部が遮蔽物(検出対象物)7にて遮られたとき、その端部(エッジ)においてフレネル回折が生じること、そしてフレネル回折を生じて前記ラインセンサ1の受光面に到達する光の強度が、前述した図12に示したようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束する分布特性を持つことに着目し、ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って前記遮蔽物7の端部(エッジ)の位置を高精度に検出するように構成される。
【0029】
ちなみに上記エッジ位置は、単色平行光の一部が遮蔽物7により遮られたときの前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布が、光強度[0]から立ち上がって[1.0]に収束するものとすると、前述した特許文献1にも示されるように、その最初の立ち上がり部分(1山目)において光強度が[0.25]となる位置として求められる。
【0030】
また装置本体3は、前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って上記フレネル回折を生じた遮蔽物7のエッジと上記ラインセンサ1の受光面との距離zを算出する距離検出手段(距離計算手段)3eを備える。この距離検出出段3eは、フレネル回折の影響を受けたラインセンサ1の受光面上での光強度分布が、特にその立ち上がり部分での光強度分布が前記単色平行光の波長λと上記距離zとに依存することから、この立ち上がり部分における前記ラインセンサ1の受光面の複数の位置でのそれぞれの受光強度に従って後述するように上記光強度分布の特性から前記距離zを計算するものとなっている。
【0031】
さてこのように構成された位置検出装置において、この発明に係る位置検出方法および装置が特徴とするところは、前記装置本体(エッジ検出部)3においてラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジの位置、具体的にはラインセンサ1における受光セル1aの配列方向の位置xoおよびラインセンサ1の受光面と上記遮蔽物7との距離zを検出するに際して、フレネル回折による光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いてエッジ位置を算出する点にある。
【0032】
即ち、フレネル回折による前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分(1山目)における光強度変化をハイパボリックセカンド関数sech(x)により近似し、このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似した光強度分布に従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aによる受光強度を解析して前記遮蔽物7のエッジ位置xoと距離zとを求めるようにした点にある。
【0033】
このフレネル回折による光強度分布のハイパボリックセカンド関数sech(x)による近似について説明すると、前述したようにフレネル関数を用いた場合、光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)における誤差が非常に大きいと言う問題がある。そこで光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)だけに着目し、その山の形状(光強度の変化傾向)から2乗の有理関数、ハイパボリックコサイン関数、および指数関数を用いてそれぞれ近似することを試みた。
【0034】
具体的には2乗の有理関数として
y=a/{(x+b)2+c}
ハイパボリックセカンド関数として
y=a・sech(bx+c)
そして指数関数として
y=a・exp{−b(x+c)2}
なる3つの関数を考え、これらの各関数に示される係数a,b,cにそれぞれ適当な値を代入しながらその特性曲線を求めたところ、図6に示すような計算結果が得られた。
【0035】
ちなみに図6において特性Aは光強度分布の理論値を示しており、また特性Bは上記2乗の有理関数における係数a,b,cをそれぞれ[0.057],[−0.38],[0.0417]としたときの光強度yの変化、特性Cは前記ハイパボリックセカンド関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[6.29],[−2.40]としたときの光強度yの変化、そして特性Dは前記指数関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[16.30],[−0.38]としたときの光強度yの変化をそれぞれ示している。但し、これらの計算は、単色光の波長λを670nm、遮蔽物7のエッジからラインセンサ1の受光面迄の距離zを300mmとして行った。これらの計算結果に示されるように、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いれば、フレネル回折による光強度分布の、特に最初の立ち上がり部分(1山目)の特性を非常に高精度に近似し得ることが明らかとなった。
【0036】
ちなみに前記ハイパボリックセカンド関数を前述したフレネル回折による光強度分布の式に当て嵌めて該光強度分の最初の立ち上がり部分(1山目)までを近似すると、そのハイパボリックセカンド関数sech(x)は
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてこの近似式は、3桁程度の精度で光強度分布の理論式に一致することが確認できた。但し、λは光の波長[nm]、zはエッジから受光面までの距離[mm]、xは受光面上でのエッジ位置を[0]とする座標[μm]であり、これらの実用的な単位の下で係数を設定している。
【0037】
本発明はこのような知見に立脚し、フレネル回折による光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分を上述したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似し、この光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前述したラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出するようにしている。
【0038】
この際、その計算処理を簡略化し、エッジ位置の検出処理速度の高速化を図るべく次のような工夫をしている。この計算処理のアルゴリズムについて説明すると、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似される光強度は、前述したように
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてその逆関数を計算すると、
Y=(y/1.37), X=1.98(2/λz)1/2x
とおいて、
X=2.39−ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}
として表すことができる。
【0039】
そこでエッジ検出部3dにおいては、例えば図7に示す手順に従い、先ずラインセンサ1における複数(m個)の受光セル1aから求められる正規化された各受光強度y1,y2,〜ymから、互いに隣接して前述した基準光強度[0.25]よりも大きい受光強度を得た受光セルCnと、上記基準光強度[0.25]よりも小さい受光強度を得た受光セルCn-1とをそれぞれ求める(ステップS1)。つまり複数の受光セル1a(C1,C2,〜Cm)間のそれぞれにおいて受光強度が[0.25]となる、互いに隣接する2つの受光セルCn,Cn-1を求める。そしてこれらの各受光セルCn,Cn-1の受光強度yn,yn-1を上述した係数[1.37]で除算してX-Y座標上での光強度Yn,Yn-1に変換する(ステップS2)。
【0040】
しかる後、これらの各受光セルCn,Cn-1の受光強度Yn,Yn-1が得られる該受光セルCn,Cn-1の受光面上での位置Xn,Xn-1を、前述した近似式に従って
Xn=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
Xn-1=2.39−ln{[1+(1−Yn-12)1/2]/Yn-1}
としてそれぞれ逆変換によりX軸上の相対位置を計算し(受光位置算出手段;ステップS3)、これらの位置Xn,Xn-1から図8にその概念を示すように受光セルCnの位置と、受光強度が[0.25]となるエッジ位置との差Δxを
Δx=W・[Xn/(Xn−Xn-1)]
なる補間演算により計算する(補間演算手段;ステップS4)。尚、上記差Δxは、受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoから受光セルCnの位置までの距離であるので、ラインセンサ1の受光面全体において1番目の受光セルC1から測ったときの絶対位置xは、nを光量Y2を得た受光セル1aのセル番号、受光セル1aの配列ピッチをWとしたとき
x=n・W−Δx
となる。また上記逆変換において求められる相対位置Xn,Xn-1は、
X=1.98(2/λz)1/2x
として示されるように[1.98(2/λz)1/2]倍された値であるが、上記補間演算で比をとることにより実質的にこの項は削除される。
【0041】
尚、この補間演算については前述した近似式を用いて実行しても良いが、上述した2つの受光セルCn,Cn-1間での光強度の変化が直線的であると見なし得る場合には、単純な直線補間であっても良い。またここでは隣接する受光セル1a間で光強度が[0.25]となる位置を見出し、その位置をセル境界とする2つの受光セルCn,Cn-1を特定したが、単に上記位置を挟む2つ以上の受光セルを特定しても良い。但し、この場合には必ず前述した近似式を用いて補間演算を行うことで、その演算精度の低下を防止するようにすれば良い。また上述した逆変換については、例えば予めその計算値を記憶したテーブルを用いることで、その演算処理負担を大幅に軽減して瞬時に実行することが可能である。
【0042】
一方、距離計算手段3eにおいては、図7に示すように前記受光セルCn,Cn-1の受光面上での相対位置Xn,Xn-1と、受光強度が[0.25]となる位置(エッジ位置)xoと受光セルCnの位置との差Δx、また受光セルCnでの受光強度、および前記単色平行光の波長λとに基づいて、前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から遮蔽物7のエッジとラインセンサ1の受光面との距離、即ち、光路方向の距離zを求めている(ステップS5)。具体的にこの距離計算は、基本的には前述した1山目のフレネル回折を近似した前述した式
光強度A(x)=1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
から距離zについて解き、
z=(2/λ){1.98・x/[arcsech(A(x)/1.37)+2.39]}2
として遮蔽物7のエッジとラインセンサ1の受光面との距離zを計算することによって行われる。
【0043】
この場合、前述した受光セルの配列方向のエッジ位置を求める際に、光強度が[0.25]よりも大きい強度が得られた受光セルCnの位置を利用して、この位置とエッジ位置との差Δxから、
z=(2/λ){1.98・Δx/[arcsech(yn/1.37)+2.39]}2
として計算すれば、遮蔽物7のエッジとラインセンサ1の受光面との距離zを簡単に求めることができる。特に上式中の分母の項は、前述した
Xn=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
に相当するので、上述した演算を
z=(2/λ){1.98・Δx/Xn}2
として更に簡単に計算することが可能となる。
【0044】
具体的には図9(a)に示すようにy1,y2を正規化された光強度[0.25]を挟む2点の光量(y2>y1)、nを光量y2を得た受光セル1aのセル番号、Wを受光セル間のピッチ、そして光波長をλとしたとき、
(1) Y1=y1/1.37
(2) Y2=y2/1.37
(3) X1=2.39−ln{[1+(1−Y12)1/2]/Y1}
(4) X2=2.39−ln{[1+(1−Y22)1/2]/Y2}
(5) Δx2=W[X2/ ( X2−X1 )]
(6) xo=W・n−Δx2
(7) z=(2/λ)(1.98・ΔX2/X2)2
として、x方向(受光セル1aの配列方向)およびz方向(光路方向)のエッジ位置を同時に求めることが可能となる。
【0045】
ところで前記光強度が[0.25]となる位置の前後の2点から距離zを計算したとき、その分解能が低くて誤差が大きくなる場合には、図9(b)に示すように1山目のピークに至る前の、例えば[0.8]または[1.0]として予め設定された任意の光強度Aが得られる位置xaを求め、この位置xaと前記光強度が[0.25]となる位置xoとの差Δxを求め、この差Δxに従って前記距離zを計算するようにしても良い。
【0046】
例えば光強度が[1.0]となる位置xaを求める場合には、
1.0=1.37sech(X’−α)
X’−α=arcsech(1.0/1.37)=0.83
となるので、光強度yが[1.0]となる位置xを原点とすると
y=1.37sech(X’−0.83)
を近似式として求めることができる。すると逆変換の式は
Y=y/1.37
とおいて、
X=0.83−ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y)
となるので、前述した計算を
(1) Y1=y1/1.37
(2) Y2=y2/1.37
(3) X1=0.83−ln{[1+(1−Y12)1/2]/Y1}
(4) X2=0.83−ln{[1+(1−Y22)1/2]/Y2}
(5) Δx2=W[X2/ ( X2−X1 )]
(6) xa=W・n−Δx2
(7) z=(2/λ){1.98・(xa−xo)/[arcsech(Y2)+2.39]}2
として実行することが可能となる。但し、上記xoは、光強度が[0.25]となるエッジ位置である。
【0047】
尚、予め設定された任意の光強度として[1.37]なるフレネル回折の1山目のピーク位置xpを求めれば、上式におけるハイパボリックセカンド関数の項が消えるので、距離zを
z=(2/λ)[1.98・(xp−xo)/2.39]2
として簡単に計算することができる。
【0048】
尚、一般的に光強度がA[0.25<A≦1.37]となる位置xaを求める場合には、y1,y2を正規化された光強度Aを挟む2点の光量(y2>y1)、nを光量y2を得た受光セル1aのセル番号、Wを受光セル1a間のピッチ、そして光波長をλとしたとき、
(1) Y1=y1/1.37
(2) Y2=y2/1.37
(3) X1=arcsech(A/1.37)−ln{[1+(1−Y12)1/2]/Y1}
(4) X2=arcsech(A/1.37)−ln{[1+(1−Y22)1/2]/Y2}
(5) xa=W[n−X2/ ( X2−X1 )]
なる計算を行えば良い。また光強度が[0.25]となる前述したエッジ位置xoを同様にして求め、その差Δxを
Δx=xa−xo
として求めて、距離zを
z=(2/λ){1.98・Δx/[arcsech(Y2)+2.39]}2
として算出するようにすれば良い。
【0049】
かくして上述した如くして遮光物7のエッジ位置(受光セル1aの配列方向の位置xおよび光路方向の位置z)を検出する位置検出方法および装置によれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いるので、ラインセンサ1の複数の受光セル1aによる受光強度yからその光強度が[0.25]となる位置X、つまり遮蔽物7のエッジ位置xおよびエッジまでの距離zをそれぞれ高精度に検出することができる。
【0050】
また演算処理に用いた自然対数関数(ln関数)は、通常の浮動小数点演算(FPU)機能を備えたマイクロプロセッサではその命令の中に含まれているが、このようなFPU機能を備えていないマイクロプロセッサであっても、例えば上記ハイパボリックセカンド関数sech(x)、特にその逆関数ln(x)については、例えば
として級数展開が可能であり、その収束も速いので計算が容易である。従ってエッジ位置の検出処理を簡単に、しかも高精度に行うことが可能となる等の効果が奏せられる。
【0051】
またラインセンサ1の出力は、該ラインセンサ1における各受光セル1aの配列ピッチWとセル数によって変化する。ちなみに7μmの配列ピッチで5000セルを備えた分解能の高いイメージセンサを用いた場合には、例えば図10(a)に示すように非常に緻密なセンサ出力が得られる。この点、85μmの配列ピッチで102セルを備えた汎用の安価なイメージセンサを用いた場合には、図10(b)に示すように粗いセンサ出力しか得ることができない。しかしセル数が少ない分だけセンサ出力の高速な読み出しが可能である。
【0052】
しかしこのような分解能の低い安価なラインセンサ1を用いたとしても、前述したように本発明に係る位置検出方法および装置によれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いるので受光セル1a間の受光強度の変化を高精度に補間することができる。従って分解能の低い安価なラインセンサ1を用いてセンサ出力の読み出し速度を十分に速くしながら、簡単な演算処理によってエッジ位置検出を高精度に行うことが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0053】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えばラインセンサ1が備える受光セル1aの数やその配列ピッチWについては、その検出仕様に応じたものを用いれば十分である。またエッジ検出部3については、汎用のマイクロプロセッサを用いて実現すれば良く、前述した演算式をROM化して与えるようにしても良い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フレネル回折による受光強度分布をハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似し、この近似式を用いてラインセンサの出力からセルの配列方向におけるエッジ位置とエッジと受光面との距離をそれぞれ計算するので、簡易にして高精度に、しかも高速度にエッジ位置を検出することができる。特に分解能の低い安価なラインセンサを用いた場合であっても、その計測精度を十分に高め得る等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る位置検出装置の基本的な構成を示す図。
【図2】ラインセンサにおける受光セルの配列を示す図。
【図3】投光部の概略構成を示す図。
【図4】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視A-A方向からみて模式的に示す図。
【図5】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視B-B方向からみて模式的に示す図。
【図6】フレネル回折による光強度分布の理論値と、関数を用いた近似特性とを対比して示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係る一検出方法および装置におけるエッジ検出処理の手順の一例を示す図。
【図8】連接する2つの受光セルにおいて求められる受光強度と、これらの受光強度が得られた位置から求められるエッジ位置の関係を示す図。
【図9】エッジと趣向面との距離zを算出する上での演算処理の概念を示す図。
【図10】ラインセンサの分解能の違いによるセンサ出力の例を示す図。
【図11】フレネル回折による光強度分布特性を示す図。
【図12】フレネル回折による光強度分布のフレネル関数を用いた近似における問題点を説明する為の図。
【符号の説明】
1 ラインセンサ(受光部)
1a 受光セル
2 投光部
3 装置本体
3b 回折パターン検出手段
3c 正規化手段
3d エッジ検出部
3e 距離検出部
7 遮蔽物(検出対象物)
Claims (6)
- 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサに向けて単色平行光を投光する投光部とを備え、前記ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の位置を検出するに際し、
遮蔽物による単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布の立ち上がり部分における光強度変化をハイパボリックセカンド関数sech(x)により近似し、このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度を解析して前記遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を求めると共に、このエッジ位置と所定の受光強度が得られた受光セルの位置との差から前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前記光路方向における前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離を求めることを特徴とする位置検出方法。 - 前記エッジ位置は、前記ラインセンサの出力を[1]に正規化したとき、その受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルおよび上記受光強度が[0.25]より小さい受光強度を得た受光セルをそれぞれ求め、これらの各受光セルの位置と各受光セルでの受光強度とから前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}に従って前記受光強度が[0.25]となる位置を前記遮蔽物の前記受光セルの配列方向のエッジ位置xoとして求められるものであって、
前記光路方向における前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離は、上記エッジ位置xoと前記受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルの位置x2との差Δxおよび上記位置x2での受光強度に基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)からフレネル回折の距離成分zを逆算して求められるものである請求項1に記載の位置検出方法。 - 前記エッジ位置は、前記ラインセンサの出力を[1]に正規化したとき、前記光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)において光強度が[0.25]となる前記受光セルの配列方向の位置xoとして求められるものであって、
前記遮蔽物と前記ラインセンサとの間の距離は、前記光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)において予め設定された光強度A(0.25<A≦1.37)となる前記受光セルの配列方向の位置xaを求め、この位置と前記光強度が[0.25]となる前記受光セルの配列方向の位置xoとの差Δxに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)からフレネル回折の距離成分zを逆算して求めるものである請求項1に記載の位置検出方法。 - 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサに対峙して設けられて該ラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色平行光を投光する投光部と、上記単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジによる前記単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布を前記ラインセンサの出力を解析して前記遮蔽物のエッジ位置を求める位置検出装置であって、
前記遮蔽物による単色平行光のフレネル回折による前記ラインセンサの受光面上での光強度分布の立ち上がり部分を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて、前記ラインセンサの正規化出力から受光強度が[0.25]となる前記受光セルの配列方向の位置xoを求めるセル方向位置検出手段と、
上記逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて、前記受光セルの配列方向の複数の位置xaと各位置xaにおける受光強度とをそれぞれ求め、上記各位置x aと前記光強度が[0.25]となる前記受光セルの配列方向の位置xoとの差Δxに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から前記遮蔽物のエッジと前記ラインセンサとの間の距離zを算出する距離計算手段と
を具備したことを特徴とする位置検出装置。 - 前記距離計算手段は、前記ラインセンサの正規化出力からその受光強度が[0.25]よりも大きくなる受光セル、および[0.25]よりも小さくなる受光セルから受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoを求め、受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルの位置x2と上記エッジ位置xoとの差Δxおよび上記位置x2での受光強度とに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から距離zを算出するものである請求項4に記載の位置検出装置。
- 前記距離計算手段は、前記逆関数ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}を用いて求められる予め設定された光強度A(0.25<A≦1.37)となる前記受光セルの配列方向の位置xaと、前記セル方向位置検出手段にて求められたエッジ位置xoとの差Δxとに基づいて前記ハイパボリックセカンド関数sech(x)から距離zを算出するものである請求項4に記載の位置検出装置。
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