JP2004226372A - 位置検出方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単色平行光の分布パターンに拘わることなくラインセンサ(受光部)における受光強度の分布パターンから単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジの位置を高精度に検出することのできる位置検出方法を提供する。
【解決手段】ラインセンサと、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する投光部とを備え、ラインセンサの受光強度分布から単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジ位置を検出するに際し、予め前記単色平行光の全体をラインセンサにより受光し、この受光強度分布に従って単色平行光の回折パターンを求める。そしてこの単色平行光の回折パターンの逆数に従ってラインセンサの出力に対する正規化パラメータを求め、この正規化パラメータに従って前記ラインセンサの出力を正規化してエッジ位置の検出処理に供する。
【選択図】 図1
【解決手段】ラインセンサと、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する投光部とを備え、ラインセンサの受光強度分布から単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジ位置を検出するに際し、予め前記単色平行光の全体をラインセンサにより受光し、この受光強度分布に従って単色平行光の回折パターンを求める。そしてこの単色平行光の回折パターンの逆数に従ってラインセンサの出力に対する正規化パラメータを求め、この正規化パラメータに従って前記ラインセンサの出力を正規化してエッジ位置の検出処理に供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばロールから巻き戻されて一方向に高速に搬送される帯状体の縁部(エッジ)の幅方向における位置変位を高速度に、しかも高精度に検出することのできる位置検出方法および装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
フィルムやシート等の物品の縁部(エッジ)の位置を検出する位置検出装置として、物品(検査対象物)に向けて平行光を照射する投光部(光源)と、この投光部に対峙させて設けたCCD等の受光部(ラインセンサ)とを備えた光学式のものがある。この種の光学式の位置検出装置は、基本的には上記物品により遮られなかった平行光を受光部にて受光し、該受光部における平行光の受光領域と非受光領域(遮光領域)との境界を前記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置として検出するものである。
【0003】
また最近ではレーザ光等の単色平行光を用い、物品(検査対象物)のエッジにおける上記単色平行光のフレネル回折に着目して前記ラインセンサ(受光部)の受光面上における光強度分布から上記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置を高精度に検出するエッジ検出装置も提唱されている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−247726号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したエッジ検出装置は、投光部(光源)から受光部(ラインセンサ)に向けて投光する単色平行光が完全な平行光であるとの前提の下でエッジ検出処理を行うものである。そこで従来では、専ら前記投光部(光源)から前記ラインセンサ(受光部)の受光幅よりも十分に広い幅の平行光束を投光し、この平行光線束中の実質的に完全な平行光と看做し得る中心部の安定な領域の光だけを用いるようにしている。
【0006】
ちなみに市販される製品としての投光器は、取り扱い上、その光学系を内部に収納する筐体を必須としている。これ故、筐体内部の光学系から発せられる光線束を筐体の外へ射出するべく、その筐体には開口(投光窓)が必ず設けられている。具体的には光学系からの光線束は、その周辺部分が筐体の内壁により遮蔽され、投光窓を通過する光線のみが筐体の外部へと射出される。或いは光学系の内部に設けた絞り(または絞りに相当するもの)により光線束の断面形状を上記投光窓よりも小さいものに予め絞り込んだ後、投光窓を通して筐体の外部へと射出するものとなっている。
【0007】
いずれにせよ、光線束は投光窓か絞りを通過するときに絞られるので、投光窓か絞りの縁の部分でフレネル回折を生じてしまうことを免れない。即ち、投光器から投光される平行光線束は、その周辺部においてフレネル回折による非平行光線を含むことが否めない。この問題は、光学系の収差によって生じる非平行光線の問題とは関係がないので、光学系の精度を向上させても解決することはできない。これ故、従来においては、専ら上述したフレネル回折による非平行光線を受光器が受光しない程度まで投光光線束の幅を広げ、光線束の中央部分における平行光線と看做し得る部分だけを受光器が受光するようにその光学系を設定しているのが実情である。
【0008】
具体的には上述した光学系として、例えばラインセンサ(受光部)の受光幅の2倍以上の光射出面を備えた投光器を用いている。これ故、投光器が大きくなることが否めない。しかも投光部(光源)から投光される光の一部しか利用しないことになるので光利用効率が悪い上、投光部(光源)の駆動に無駄なエネルギを要することになる。更にはラインセンサ(受光部)が受光し得る幅の光以外、つまりエッジ検出に利用しない周辺光成分の外部への漏れが問題となる。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、上述したフレネル回折によって生じた非平行光線を含む光線束を受光器が受光しても、その影響を補正して正確な検出結果を得ることが可能な位置検出方法および装置を提供することにある。
即ち、本発明は、例えばラインセンサ(受光部)の受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光部から投光する場合であっても、その単色平行光の分布パターンに拘わることなく前記ラインセンサ(受光部)における受光強度の分布パターンから前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジの位置を高精度に検出することのできる位置検出方法および装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る位置検出方法は、一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部とを備え、前記ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するに際し、
(a) 予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサの各受光セルにより受光し、
(b) これらの各受光セルでの受光量により示される前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する前記単色平行光の回折パターンを求め、
(c) 次いで上記単色平行光の回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求め、
(d) その後、これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときの前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化し、
(e) これらの正規化した各受光セルの受光量を前記エッジ位置の検出処理に供することを特徴としている。
【0011】
即ち、本発明に係る位置検出方法は、ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジ位置を検出するに先立ち、予め投光部から投光された単色平行光の全体をラインセンサの各受光セルにより受光し、これらの各受光セルでの受光量により示される前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する前記単色平行光の回折パターンを求める。そしてこの回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力を、前記単色平行光の回折に拘わることなく一定条件に揃えるための正規化パラメータをそれぞれ求め、しかる後、これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときの前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化した後、エッジ位置の検出処理に供することを特徴としている。
【0012】
このようにしてラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化した後、この正規化した各受光セルの受光量をエッジ位置の検出処理に供する位置検出方法によれば、投光部からラインセンサに向けて投光される単色平行光自体の回折の影響を除去した上でエッジ検出処理を行うことが可能となるので、投光部が前記ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する場合であっても精度の高いエッジ位置の検出を行うことが可能となる。しかも投光部としては、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光するだけで良いので投光器を小さくすることができ、従来のように余分な光を投光する必要がない分、投光部(光源)の駆動に要するエネルギを低減することができる等の効果が奏せられる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記投光部から前記ラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンを、例えば前記ラインセンサの中心を境界として2分される一方の受光セル群による受光量の総和と他方の受光セル群による受光量の総和との比から前記投光部とラインセンサとの間の中心のずれ量を求め、前記投光部とラインセンサとの距離および上記中心のずれ量からフレネル回折による光強度分布を示す近似式に従って前記単色平行光の回折パターンを計算して求めるようにすれば良い。
【0014】
また本発明に係る位置検出装置は、
(1) 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、
(2) このラインセンサな対峙して設けられ、該ラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部と、
(3) 予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサにて受光した際の該ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンを求めると共に、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求める正規化パラメータ算出手段と、
(4) これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときにおける前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化する正規化手段と、
(5) 前記ラインセンサの正規化した各受光セルの受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するエッジ検出部と
を具備したことを特徴としている。
【0015】
このように構成された位置検出装置によれば、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する投光部を用いることができるので、その構成の簡素化を図ることができ、従来のように余分な光を投光する必要がない分、投光部(光源)の駆動に要するエネルギを低減することができる等の効果が奏せられる。また予め求めた正規化パラメータに従ってラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化し、正規化した各受光セルの受光量を解析するだけで単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を高精度に、しかも簡易に検出することができる等の効果が奏せられる。
【0016】
本発明の好ましい態様は、前記エッジ検出部は、例えば
前記ラインセンサの正規化出力から受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルと上記受光強度が[0.25]より小さい受光強度を得た受光セルとをそれぞれ特定する受光セル特定手段と、
ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln[(1+(1−Y2)1/2)/Y]により近似した光強度分布に従って前記受光セル特定手段にて特定した各受光セルの受光面において当該受光セルの受光強度となる受光位置をそれぞれ求める受光位置算出手段と、
この受光位置算出手段でそれぞれ求められた受光位置から前記基準受光強度となる位置を前記遮蔽物のエッジ位置として検出する補間演算手段と
を備えて構成される。
【0017】
このようなエッジ検出部によれば、複数の受光セルによるエッジ位置での受光量の変化を示す光強度分布を上記ハイパボリックセカンド関数の逆関数にて近似するので、実際のフレネル回折の光強度分布と略同等な特性を示すハイパボリックセカンド関数に従って、複数の受光セルの各受光強度からその受光強度が[0.25]となる位置、つまりエッジ位置を簡易に、しかも高精度に検出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る位置検出方法および位置検出装置について説明する。
図1はこの実施形態に係る位置検出装置の概略構成図であり、基本的には図2に示すように一方向に所定のピッチwで配列した複数の受光セル1aを備えたラインセンサ(受光部)1と、このラインセンサ1の受光面に対峙して設けられて該ラインセンサ1の複数の受光セル1aに向けて所定の光線束幅の単色平行光4を投光する投光部2とを備える。またマイクロコンピュータ等により実現される装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を解析することで前記単色平行光4の光路に位置付けられた、例えば帯状体からなる遮蔽物(検出対象物)7の前記受光セル1aの配設方向におけるエッジ位置を高精度に検出する役割を担う。
【0019】
尚、投光部2は、例えば図3にその概略構成を示すようにレーザダイオード(LD)からなる光源2aが発した単色光(レーザ光)を反射するミラー(例えばアルミ蒸着により鏡面処理を施したプリズム)2bと、このミラー2bを介して導かれた単色光の光線束形状をスリット状に規定するアパーチャマスク(投光窓)2cと、このアパーチャマスク2cを介した光を平行光線束に変換して投射する投射レンズ(コリメータレンズ)2dとを備える。この投射レンズ2dと前記受光部1との間に検出対象物である遮蔽物2fが位置付けられ、アパーチャマスク2cのスリットの長手方向に変位する上記遮蔽物2fのエッジ位置が前記受光部1を介して検出される。
【0020】
具体的にはアパーチャマスク2cは、その開口形状を矩形状のスリットとしたもので、前記光源2aは上記スリットに向けて所定の拡がり角で単色光を射出するように設けられる。特に光源2aとしてLDを用いた場合、このLDから楕円状の強度分布をもって射出するレーザ光は、アパーチャマスク2cに対して図中破線で示すように投射される。この際、上記レーザ光の長軸が、前記アパーチャマスク2cのスリットの長手方向となるように該LDとアパーチャマスク2cとを光学的に配置することが、投光部2を小型化する上で好ましい。尚、ミラー(プリズム)2dは、LDから発せられたレーザ光を略直角に反射させる光路を形成することで、LDとアパーチャマスク2c、ひいては投射レンズ2dとの光学的距離を維持しながら、投光部2の全体形状をコンパクト化する役割を担っている。尚、このような投光部2は、例えば前述したラインセンサ1と共に所定の隙間Lを形成したコの字状の筐体5に上記隙間を挟んで互いに対峙させて一体に組み込まれて、1つのセンシングユニットとして形成される。
【0021】
このように構成された投光部2により、図4および図5にその光学系をそれぞれ模式的に示すように、上記アパーチャマスク2cおよび投射レンズ2dを通して平行光に変換されたスリット状の断面形状を有する平行光線束(単色平行光)4がラインセンサ(受光部)1に向けて投射される。この平行光線束の断面形状の大きさは、例えば長辺9mm×短辺3mmであり、これに対して上記平衡光線束を受光するラインセンサ1の受光面の大きさは、例えば長辺8.7mm×短辺0.08mmである。即ち、それぞれの長辺の寸法は、ほぼ等しく設けられている。
【0022】
ちなみに平行光線束の断面形状における短辺の寸法(3mm)をラインセンサ1の受光面の短辺寸法(0.08mm)よりもかなり大きく設定しているのは、投光器と受光器との平行度の調整を容易化すると共に、投光器または受光器が傾いた場合においても、図5に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの長辺側エッジ2hによるフレネル回折の影響を避ける為である。但し、このスリット状の平行光線束(単色平行光)4には、前述したアパーチャマスク2cを用いて光線束形状を整形した際、図4に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分が含まれることが否めない。
【0023】
ところで前記装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を取り込んで該ラインセンサ1の受光面上における光強度分布を求める入力バッファ3aを備える。特に装置本体3は、その初期設定処理として予め前記投光部2から投光された所定の光線束幅の単色平行光の全てを前記ラインセンサ1にて受光し、このときの光強度分布に基づいて前記投光部2が投光する単色平行光の回折パターンを求めると共に、後述するようにこの回折パターンの逆数に従って前記各受光セル1aの受光量に対する正規化パラメータを求める回折パターン検出手段3bを備える。この回折パターンは、上述したアパーチャマスク2cに形成されたスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分に起因するものである。
【0024】
更に装置本体3は、上記回折パターン検出手段3bにより求められた正規化パラメータに従って前記ラインセンサ1の出力を正規化する正規化手段3cと、この正規化手段3cにて正規化処理した前記ラインセンサ1の出力(正規化出力)に従って前記遮蔽物(検出対象物)7の端部(エッジ)の位置を検出するエッジ検出部3bとを備える。
【0025】
このエッジ検出部3dは、基本的には前記単色平行光の一部が遮蔽物(検出対象物)7にて遮られたとき、その端部(エッジ)においてフレネル回折が生じること、そしてフレネル回折を生じて前記ラインセンサ1の受光面に到達する光の強度が、図6に示すようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束する分布特性を持つことに着目し、ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って前記遮蔽物7の端部(エッジ)の位置を高精度に検出するように構成される。
【0026】
ちなみに上記エッジ位置は、単色平行光の一部が遮蔽物7により遮られたときの前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布が、光強度[0]から立ち上がって[1.0]に収束するものとすると、前述した特許文献1にも示されるように、その最初の立ち上がり部分(1山目)において光強度が[0.25]となる位置として求められる。
【0027】
さて基本的には上述した如く構成される位置検出装置において、この発明が特徴とするところは、前記投光部2から射出される所定の光線束幅の単色平行光が、例えばその光線束幅を規定するマスクの影響を受けて光束縁部においてフレネル回折を生じており、図7に示すようにフレネル回折の影響が光束縁部のみならず光束の中心部にも現れていることに気付き、後述するように単色平行光の光強度の分布パターンの影響を除去して高精度なエッジ位置の検出を行うようにした点にある。同時に上記単色平行光を受光するラインセンサ1における複数の受光セル1aの受光特性についても若干のバラツキがあり、上記単色平行光を受光した際のラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)に、例えば図8に示すような変動が現れることに気付き、これらの受光特性のバラツキの影響を除去して高精度なエッジ位置の検出を行うようにした点にある。
【0028】
ちなみに上述した分布パターンを有する単色平行光のラインセンサ1による受光強度に従ってエッジ検出を行おうとすると、図9(a)に示すようにエッジ位置近傍の受光強度が単色平行光自体の強度変動の影響を受けて大きく変動し、ラインセンサ1の出力が図9(b)に示すように不規則な変動を伴うものとなる。換言すれば前述した図6に示したようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束すると言う分布特性から大きく外れてしまう。するとその光強度分布特性は、フレネル回折による光強度分布特性とは異なるものであるから、仮に前述した光強度が[0.25]の点を求めたとしてもその検出位置は真のエッジ位置からかけ離れてしまうことになる。
【0029】
そこで本発明においては前述した回折パターン検出手段3bにおいて、予め初期設定処理として前記投光部2から投光された単色平行光4の全体を前記ラインセンサ1の各受光セル1aにより受光し、これらの各受光セル1aでの受光量により示される前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って前記投光部2からラインセンサ1に到達する前記単色平行光4の回折パターンを求め、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求めている。そして正規化手段3cにおいては、上記回折パターン検出手段3bにて求められた正規化パラメータに従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aによる受光量をそれぞれ正規化し、この正規化処理した受光量を前記エッジ検出部3dによる前記エッジ位置の検出処理に供するものとなっている。
【0030】
具体的には図10にその処理手順の一例を示すように、先ず前記投光部2から投光された所定光線束幅の単色平行光4の全体を前記ラインセンサ1の各受光セル1aにより受光し、図8に示すようなラインセンサ1の出力、即ち、所定のピッチpで直線状に配列された2n個の受光セル1aの受光量Ai(i=1,2,〜2n)をそれぞれ求める《ステップS1》。そして回折パターン検出手段3bにおいては、ラインセンサ1の中心を境界として2分される一方の受光セル群(i=1,2,〜n)による受光量(A1,A2,〜An)の総和ΣAと、他方の受光セル群(i=n+1,n+2,〜2n)による受光量(An+1,An+2,〜A2n)の総和ΣBとの比から前記投光部2とラインセンサ1との間の中心のずれ量Δxを
Δx=W・(ΣA−ΣB)/(ΣA+ΣB)
として求めている《ステップS2》。但し、上記Wは、所定のピッチpで直線状に配列された幅wの2n個の受光セル1aによって形成されるラインセンサ1の受光幅を示している。
【0031】
しかる後、このようにして求められた投光部2とラインセンサ1との間の中心のずれ量Δx、および上記投光部2とラインセンサ1との対向間距離z(=L)に従い、フレネル回折による受光面xでの光強度分布A(x)を示す計算式(近似式)に基づいて前記単色平行光の縁部による回折パターンA(x)を計算する《ステップS3》。
【0032】
ちなみにフレネル回折による光強度分布A(x)は、単色平行光の波長をλ、検査対象物(投光部2)の縁部(エッジ)からラインセンサ1の受光面までの距離をz、そして受光面上でのエッジ位置を[x=0]としたとき、∫を[x=0]から[(2/λz)1/2・x]までの積分を示す演算記号として
A(x) =(1/2)[[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2]
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表される。但し、Uは仮の変数である。
【0033】
また上式中の関数S(x),C(x)については、専ら数学公式集に示されるようにフレネル関数を用いて、xが大きいところでは
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができ、またxが小さい1山目の部分においては
A(x) = 1.37sech(1.98x−2.39)
として近似することができる。
【0034】
そこでこの近似式に基づいて単色平行光の片側縁部による回折パターンA(x)を計算する。そして該単色平行光の全幅Wに亘る全回折パターンA(x)’は、その両側の縁部からの回折パターンが互いに重なり合ったものであるから、上記全回折パターンA(x)’を
A(x)’=A(x−Δx−W/2)・A(W/2−x−Δx)
として計算する《ステップS3》。
【0035】
このようにして求められる単色平行光の回折パターンA(x)’の影響を受けることなくエッジ位置の検出を行うには、前記ラインセンサ1の受光特性が上記回折パターンA(x)’とは逆の特性を有し、見掛け上、ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)が前記単色平行光の全幅Wに亘って一様(一定)であれば良い。
【0036】
そこで回折パターン検出手段3bにおいては、上述した如く求められた回折パターンA(x)’の逆数を計算している《ステップS4》。そしてこの逆数のパターン1/A(x)’を前記ラインセンサ1の幅方向xに各受光セル1aの幅w(配列ピッチp)に亘ってそれぞれ積分することで、単色平行光の回折パターンの影響を打ち消す上で必要な各受光セル1aでの受光量(積分値)を求め、この積分値を該光セル1aの幅wで除算することにより、実際に各受光セル1aのそれぞれが受光すべき受光量Fi(i=1,2,〜2n)を求めている。
【0037】
しかる後、これらの各受光セル1aがそれぞれ受光すべき受光量Fi(i=1,2,〜2n)と、実際に前記各受光セル1aが単色平行光を受光した際の受光量Ai(i=1,2,〜2n)とから、前記単色平行光の回折パターンの影響を打ち消す上で必要な正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)を
Ni = Fi/Ai
として算出している《ステップS5》。ちなみにこのようにして求められる正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)は、単色平行光の回折パターンのラインセンサ1による受光強度分布が前述した図8に示されるようなパターンとして示されるとき、図11に示すような正規化パラメータ(正規化値)の分布となる。そして前述した正規化手段3cにおいては、上述した如く求めた正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)に従い、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を正規化処理し、これによって単色平行光自体が有する回折パターンを影響を打ち消した後《ステップS6》、前述したエッジ検出部3dによるエッジ位置の検出処理に供するものとなっている。
【0038】
かくしてこのようにして正規化したラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を用いてエッジ位置の検出を行う位置検出装置によれば、上述した正規化処理によって単色平行光自体の回折パターンが補正されることになる。特に上述した正規化パラメータを用いれば、ラインセンサ1における各受光セル1aの受光特性のバラツキを含めてその出力を補正することができる。この結果、単色平行光の光路中に侵入した遮蔽物7の縁部(エッジ)により生じる図12(a)に示すような回折パターンの成分を、図12(b)に示すようなラインセンサ1の正規化出力として求めることが可能となる。換言すればラインセンサ1の正規化出力は遮蔽物7の縁部(エッジ)により生じた回折パターンそのものを示していることから、この正規化出力に従って光強度が[0.25]となるエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0039】
従って本発明に係る位置検出装置および位置検出方法によれば、投光部2から投光される単色平行光の光線束幅がラインセンサ1の受光幅とほぼ等しく、一般的には上記単色平行光の縁部におけるフレネル回折が無視することができないような場合であっても、前述した正規化処理によって上記単色平行光自体のフレネル回折の影響を排除することができる。これ故、単色平行光自体のフレネル回折の影響を受けることなく、高精度にエッジ位置の検出を行うことができる。
【0040】
また逆に上述した位置検出装置によれば、単色平行光におけるフレネル回折の影響を排除することができるので、ラインセンサ1の受光幅とほぼ等しい光線束幅のスリット状の単色平行光を投光可能な投光部2を用いれば良いので、投光部2の小型化、ひいてはセンシングユニットの簡素化を図ることができる。更には投光部2から投光する単色平行光の光線束幅をラインセンサ1の受光幅とほぼ等しい光線束幅まで狭くすることができるので、その光源の駆動に無駄なエネルギの費やす必要がなくなり、単色平行光の全てをエッジ位置の検出に有効利用することができるので光利用効率(エネルギ利用効率)を十分高くすることができる。また投光部2から射出される単色平行光の外部への漏れもなくすことができる等の二次的な効果も奏せられる。
【0041】
次にフレネル回折による光強度分布に着目した前記エッジ検出部3dにおけるエッジ位置の検出処理について説明する。この実施形態に係るエッジ検出部3dにおいては、前記ラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジの位置を検出するに際して、フレネル回折による光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いてエッジ位置を算出するものとなっている。即ち、エッジ検出部3dは、遮蔽物7のエッジにおいて生じたフレネル回折による前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分(1山目)における光強度変化をハイパボリックセカンド関数sech(x)により近似し、このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似した光強度分布に従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aによる受光強度を解析して前記遮蔽物7のエッジ位置を求めるようにしている。
【0042】
このフレネル回折による光強度分布のハイパボリックセカンド関数sech(x)による近似について説明すると、前述したようにフレネル回折による光強度分布は
A(x) =(1/2)[[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2]
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表すことができ、上記関数S(x),C(x)についてはフレネル関数を用いて
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができる。従って基本的には上記近似式S(x)’,C(x)’を用いることにより、前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度から前述したエッジ位置を計算することができる。
【0043】
しかしながら実際に計算してみると、図13に示すように関数S(x),C(x)とその近似式S(x)’,C(x)’とは、その立ち上がり以降の収束部分(2山目以降)において非常に良好に近似するものの、最初の立ち上がり部分(1山目)において大きなずれがあることが否めない。特にこの最初の立ち上がり部分の特性はエッジ検出において重要な役割を担うものであり、その特性のずれはエッジ位置の検出精度の低下の要因となる。
【0044】
そこで本発明者は、光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)だけに着目し、その山の形状(光強度の変化傾向)から2乗の有理関数、ハイパボリックセカンド関数、および指数関数を用いてそれぞれ近似することを試みた。
具体的には2乗の有理関数として
y=a/[(x+b)2+c]
ハイパボリックセカンド関数として
y=a・sech(bx+c)
そして指数関数として
y=a・exp[−b(x+c)2]
なる3つの関数を考え、これらの各関数に示される係数a,b,cにそれぞれ適当な値を代入しながらその特性曲線を求めたところ、図14に示すような計算結果が得られた。
【0045】
ちなみに図14において特性Aは光強度分布の理論値を示しており、また特性Bは上記2乗の有理関数における係数a,b,cをそれぞれ[0.057],[−0.38],[0.0417]としたときの光強度yの変化、特性Cは前記ハイパボリックセカンド関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[6.29],[−2.40]としたときの光強度yの変化、そして特性Dは前記指数関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[16.30],[−0.38]としたときの光強度yの変化をそれぞれ示している。但し、これらの計算は、単色光の波長λを670μm、遮蔽物7のエッジからラインセンサ1の受光面迄の距離zを300mmとして行った。
【0046】
これらの計算結果に示されるように、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いれば、フレネル回折による光強度分布の、特に最初の立ち上がり部分(1山目)の特性を非常に高精度に近似し得ることが明らかとなった。
ちなみに前記ハイパボリックセカンド関数を前述したフレネル回折による光強度分布の式に当て嵌めて該光強度分の最初の立ち上がり部分(1山目)までを近似すると光強度は
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてこの近似式は、3桁程度の精度で光強度分布の理論式に一致することが確認できた。
【0047】
そこでこの実施形態においては上記知見に立脚し、フレネル回折による光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分を上述したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似し、この光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前述したラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出するようにしている。
【0048】
この際、その計算処理を簡略化し、エッジ位置の検出処理速度の高速化を図るべく次のような工夫をしている。この計算処理のアルゴリズムについて説明すると、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似される光強度は、前述したように
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてその逆関数を計算すると、
Y=y/1.37, X=1.98(2/λz)1/2x
とおいて、
X=2.39−ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}
として表すことができる。
【0049】
そこでエッジ検出部3dにおいては、例えば図15に示す手順に従い、先ずラインセンサ1における複数(2n個)の受光セル1aによる各受光強度y1,y2,〜y2nを、前述した正規化パラメータNiに従って正規化し、X−Y座標上での光強度Y1,Y2,〜Y2nに変換している《ステップS11》。そしてこれらの複数の受光セル1aの内、例えば互いに隣接して前述した基準光強度[0.25]よりも大きい受光強度を得た受光セルCnと、上記基準光強度[0.25]よりも小さい受光強度を得た受光セルCn−1とをそれぞれ求めている《ステップS12》。つまり複数の受光セル1a(C1,C2,〜Cm)間のそれぞれにおいて受光強度が[0.25]となる、互いに隣接する2つの受光セルCn,Cn−1を求めている。
【0050】
そしてこれらの各受光セルCn,Cn−1の受光強度Yn,Yn−1が得られる該受光セルCn,Cn−1の受光面上での位置Xn,Xn−1を、前述した近似式に従って
Xn=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
Xn−1=2.39−ln{[1+(1−Yn−12)1/2]/Yn−1}
としてそれぞれ逆変換により計算し《ステップS13》、これらの位置Xn,Xn−1から図16にその概念を示すように受光強度が[0.25]となる位置(エッジ位置)を補間演算により計算している《ステップS14》。尚、上記逆変換において求められる位置Xは[1.98(2/λz)1/2]倍された値であるが、補間演算で比をとることにより実質的にこの項は削除される。またこの補間演算については前述した近似式を用いて実行しても良いが、上述した2つの受光セルCn,Cn−1間での光強度の変化が直線的であると見なし得る場合には、単純な直線補間であっても良い。
【0051】
尚、ここでは隣接する受光セル1a間で光強度が[0.25]となる位置を見出し、その位置をセル境界とする2つの受光セルCn,Cn−1を特定したが、単に上記位置を挟む2つ以上の受光セルを特定しても良い。但し、この場合には必ず前述した近似式を用いて補間演算を行うことで、その演算精度の低下を防止するようにすれば良い。また上述した逆変換については、例えば予めその計算値を記憶したテーブルを用いることで、その演算処理負担を大幅に軽減して瞬時に実行することが可能である。
【0052】
このようにして遮光物7のエッジ位置を検出するエッジ検出部3bによれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて、ラインセンサ1の複数の受光セル1aによる受光強度yからその光強度が[0.25]となる位置Xを算出するので、その検出精度を十分に高くすることができる。またその逆関数である自然対数関数(ln関数)は、通常の浮動小数点演算(FPU)機能を備えたマイクロプロセッサではその命令の中に含まれているが、このようなFPU機能を備えていないマイクロプロセッサであっても、例えば
として級数展開が可能であり、その収束も速いので計算が容易である。従ってエッジ位置の検出を簡単に、しかも高精度に行うことが可能となる等の効果が奏せられる。
【0053】
またラインセンサ1の出力は、該ラインセンサ1における各受光セル1aの配列ピッチpとセル数によって変化する。ちなみに7μmの配列ピッチpで5000セルを備えた分解能の高いイメージセンサを用いた場合には、例えば図17(a)に示すように非常に緻密なセンサ出力が得られる。この点、85μmの配列ピッチpで102セルを備えた汎用の安価なイメージセンサを用いた場合には、図17(b)に示すように粗いセンサ出力しか得ることができない。しかしセル数が少ない分だけセンサ出力の高速な読み出しが可能である。
【0054】
しかしこのような分解能の低い安価なラインセンサ1を用いたとしても、前述したように本発明に係る位置検出方法および装置によれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いるので受光セル1a間の受光強度の変化を高精度に補間することができる。従って分解能の低い安価なラインセンサ1を用いてセンサ出力の読み出し速度を十分に速くしながら、簡単な演算処理によってエッジ位置検出を高精度に行うことが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。従ってこのようなエッジ検出部3dによれば、前述した単色平行光の回折パターンに対する補正処理(正規化処理)と相俟って、遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0055】
ところで検出対象物7が完全な遮光体でない場合、例えば半透明体からなる場合には単色平行光を完全に遮光することができない。この場合、ラインセンサ1の出力は検出対象物7を透過した光成分が重畳したものとなり、図18に示すようにその受光強度がラインセンサ1の全受光領域に亘って[0.25]を上回ることがある。すると前述したアルゴリズムに従ってエッジ位置を検出することができなくなる。
【0056】
そこでこのような場合には、例えば先ず半透明体からなる検出対象物7にてラインセンサ1の受光領域の全てを覆い、そのときに検出される単色平行光の受光パターンと検出対象物7がないときの単色平行光の受光パターンとの差を求める。そしてこの差に基づいてラインセンサ1の出力に対するオフセットとゲインとを調整する。
【0057】
具体的には検出対象物7がないときのラインセンサ7の各受光セル1aの受光強度Ai(i=1,2,〜2m)と、ラインセンサ7の全受光領域を検出対象物7で覆ったときの該ラインセンサ1の受光強度Ci(i=1,2,〜2n)とをそれぞれ求める。そして上記受光強度Ci(i=1,2,〜2m)の最低値Cminをラインセンサ7の出力に対するオフセットとしてセットし、その上で受光強度Ai(i=1,2,〜2m)と上記最低値Cminとの差の平均値が該ラインセンサ7の最大出力の半値となるようにその出力ゲインを調整する。しかる後、再度、前記単色平行光の出力を得、この出力を[1]とする係数(正規化パラメータ)Ni(i=1,2,〜2n)を前述したようにして求める。但し、上記オフセットとゲイン調整は、検出対象物7が半透明体であることに起因してラインセンサ1の出力における明暗の分解能が小さいとき、これを補うことを目的として行われるものであり、分解能が十分に高い場合には必要はない。
【0058】
その後、実際のエッジ位置の検出においては、その受光パターンyi(i=1,2,〜2n)を求め、上記係数Ni(i=1,2,〜2m)に従ってラインセンサ7の出力を正規化する。そして受光パターンの最初の立ち上がり部分からそのピーク値と、例えばその1つの手前の受光セル1aの出力値とをそれぞれ求め、これらの各受光値を得た2つの受光セル1aをそれぞれ特定する。次いで前述した近似式(逆フレネル関数)
Xp=2.39−ln{[1+(1−Yp2)1/2]/Yp}
Xp−1=2.39−ln{[1+(1−Yp−12)1/2]/Yp−1}
に従って図18に示すように受光強度Yp,Yp−1をX軸に逆写像する。そして逆写像した受光位置Xp,Xp−1から図18に示すように受光強度が[0.25]となるエッジ位置を算出するようにしても良い。
【0059】
このようにすればラインセンサ1の受光セル1aでの受光強度が[0.25]を上回るような場合であっても、つまり検出対象物7が半透明体であるような場合でも、そのエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。即ち、この例に示されるように、基準受光強度[0.25]を挟む受光強度のセルを特定しなくても、例えばそのピーク値をとる受光セル1aとその手前の受光強度の受光セル1aとから検出対象物7のエッジ位置を算出することができる。従ってこのような処理を施せば、前述した単色平行光の回折パターンに対する補正処理(正規化処理)と相俟って遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0060】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えばイメージセンサ1が備える受光セル1aの数やその配列ピッチwについては、その検出仕様に応じたものを用いれば十分である。またエッジ検出部3については、汎用のマイクロプロセッサを用いて実現すれば良く、前述した演算式をROM化して与えるようにしても良い。
【0061】
また投光部2から射出される単色平行光の回折パターンを求めるに際して、上述したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いることも勿論可能である。このようにすれば、フレネル回折による光強度分布を、より高精度に近似することが可能となるので、単色平行光の回折パターンを補正する上での正規化パラメータを高精度に求めることができる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、投光部から投光される単色平行光の光線束幅がラインセンサの受光幅とほぼ等しく、一般的には上記単色平行光の縁部におけるフレネル回折が無視することができないような場合であっても、上記単色平行光の全体をラインセンサにて受光した際の光強度分布に従ってその出力に対する正規化パラメータを求め、この正規化パラメータに従ってラインセンサの出力を正規化処理するので、上記単色平行光自体のフレネル回折の影響を排除することができる。これ故、単色平行光自体のフレネル回折の影響を受けることなく、高精度にエッジ位置の検出を行うことができる。更には投光部から投光する単色平行光の光線束幅を狭くすることができるので、装置の小型化を図ることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る位置検出装置の基本的な構成を示す図。
【図2】ラインセンサにおける受光セルの配列を示す図。
【図3】投光部の概略構成を示す図。
【図4】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視A−A方向からみて模式的に示す図。
【図5】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視B−B方向からみて模式的に示す図。
【図6】遮光体のエッジによるフレネル回折が生じた光強度分布特性を受光位置において示す図。
【図7】投光部から投光される単色平行光の光強度分布特性を受光位置において示す図。
【図8】単色平行光を全幅に亘って受光した際のラインセンサの出力による受光強度分布を示す図。
【図9】フレネル回折を生じた単色平行光を用いてエッジ位置を検出する際の問題点を説明する為の図。
【図10】本発明の一実施形態に係る単色平行光の回折パターンに対する補正処理の手順を示す図。
【図11】単色平行光の回折パターンの逆数から求められた正規化パラメータに従ってラインセンサの出力を正規化処理したときの出力を示す図。
【図12】正規化処理したラインセンサ出力の例を示す図。
【図13】フレネル回折による光強度分布の理論値と、関数を用いた近似特性とを対比して示す図。
【図14】フレネル回折による光強度分布のフレネル関数を用いた近似における問題点を説明する為の図。
【図15】本発明の実施形態に係るエッジ検出処理の手順の一例を示す図。
【図16】連接する2つの受光セルにおいて求められる受光強度と、これらの受光強度が得られた位置から求められるエッジ位置の関係を示す図。
【図17】ラインセンサの分解能の違いによるセンサ出力の例を示す図。
【図18】検出対象物が半透明体の場合におけるエッジ検出の作用を説明する為の図。
【符号の説明】
1 ラインセンサ(受光部)
1a 受光セル
2 投光部
3 装置本体
3b 回折パターン検出手段
3c 正規化手段
3d エッジ検出部
7 遮蔽物(検出対象物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばロールから巻き戻されて一方向に高速に搬送される帯状体の縁部(エッジ)の幅方向における位置変位を高速度に、しかも高精度に検出することのできる位置検出方法および装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
フィルムやシート等の物品の縁部(エッジ)の位置を検出する位置検出装置として、物品(検査対象物)に向けて平行光を照射する投光部(光源)と、この投光部に対峙させて設けたCCD等の受光部(ラインセンサ)とを備えた光学式のものがある。この種の光学式の位置検出装置は、基本的には上記物品により遮られなかった平行光を受光部にて受光し、該受光部における平行光の受光領域と非受光領域(遮光領域)との境界を前記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置として検出するものである。
【0003】
また最近ではレーザ光等の単色平行光を用い、物品(検査対象物)のエッジにおける上記単色平行光のフレネル回折に着目して前記ラインセンサ(受光部)の受光面上における光強度分布から上記物品(検査対象物)の縁部(エッジ)の位置を高精度に検出するエッジ検出装置も提唱されている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−247726号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したエッジ検出装置は、投光部(光源)から受光部(ラインセンサ)に向けて投光する単色平行光が完全な平行光であるとの前提の下でエッジ検出処理を行うものである。そこで従来では、専ら前記投光部(光源)から前記ラインセンサ(受光部)の受光幅よりも十分に広い幅の平行光束を投光し、この平行光線束中の実質的に完全な平行光と看做し得る中心部の安定な領域の光だけを用いるようにしている。
【0006】
ちなみに市販される製品としての投光器は、取り扱い上、その光学系を内部に収納する筐体を必須としている。これ故、筐体内部の光学系から発せられる光線束を筐体の外へ射出するべく、その筐体には開口(投光窓)が必ず設けられている。具体的には光学系からの光線束は、その周辺部分が筐体の内壁により遮蔽され、投光窓を通過する光線のみが筐体の外部へと射出される。或いは光学系の内部に設けた絞り(または絞りに相当するもの)により光線束の断面形状を上記投光窓よりも小さいものに予め絞り込んだ後、投光窓を通して筐体の外部へと射出するものとなっている。
【0007】
いずれにせよ、光線束は投光窓か絞りを通過するときに絞られるので、投光窓か絞りの縁の部分でフレネル回折を生じてしまうことを免れない。即ち、投光器から投光される平行光線束は、その周辺部においてフレネル回折による非平行光線を含むことが否めない。この問題は、光学系の収差によって生じる非平行光線の問題とは関係がないので、光学系の精度を向上させても解決することはできない。これ故、従来においては、専ら上述したフレネル回折による非平行光線を受光器が受光しない程度まで投光光線束の幅を広げ、光線束の中央部分における平行光線と看做し得る部分だけを受光器が受光するようにその光学系を設定しているのが実情である。
【0008】
具体的には上述した光学系として、例えばラインセンサ(受光部)の受光幅の2倍以上の光射出面を備えた投光器を用いている。これ故、投光器が大きくなることが否めない。しかも投光部(光源)から投光される光の一部しか利用しないことになるので光利用効率が悪い上、投光部(光源)の駆動に無駄なエネルギを要することになる。更にはラインセンサ(受光部)が受光し得る幅の光以外、つまりエッジ検出に利用しない周辺光成分の外部への漏れが問題となる。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、上述したフレネル回折によって生じた非平行光線を含む光線束を受光器が受光しても、その影響を補正して正確な検出結果を得ることが可能な位置検出方法および装置を提供することにある。
即ち、本発明は、例えばラインセンサ(受光部)の受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光部から投光する場合であっても、その単色平行光の分布パターンに拘わることなく前記ラインセンサ(受光部)における受光強度の分布パターンから前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジの位置を高精度に検出することのできる位置検出方法および装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る位置検出方法は、一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部とを備え、前記ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するに際し、
(a) 予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサの各受光セルにより受光し、
(b) これらの各受光セルでの受光量により示される前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する前記単色平行光の回折パターンを求め、
(c) 次いで上記単色平行光の回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求め、
(d) その後、これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときの前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化し、
(e) これらの正規化した各受光セルの受光量を前記エッジ位置の検出処理に供することを特徴としている。
【0011】
即ち、本発明に係る位置検出方法は、ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物のエッジ位置を検出するに先立ち、予め投光部から投光された単色平行光の全体をラインセンサの各受光セルにより受光し、これらの各受光セルでの受光量により示される前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する前記単色平行光の回折パターンを求める。そしてこの回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力を、前記単色平行光の回折に拘わることなく一定条件に揃えるための正規化パラメータをそれぞれ求め、しかる後、これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときの前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化した後、エッジ位置の検出処理に供することを特徴としている。
【0012】
このようにしてラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化した後、この正規化した各受光セルの受光量をエッジ位置の検出処理に供する位置検出方法によれば、投光部からラインセンサに向けて投光される単色平行光自体の回折の影響を除去した上でエッジ検出処理を行うことが可能となるので、投光部が前記ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する場合であっても精度の高いエッジ位置の検出を行うことが可能となる。しかも投光部としては、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光するだけで良いので投光器を小さくすることができ、従来のように余分な光を投光する必要がない分、投光部(光源)の駆動に要するエネルギを低減することができる等の効果が奏せられる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記投光部から前記ラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンを、例えば前記ラインセンサの中心を境界として2分される一方の受光セル群による受光量の総和と他方の受光セル群による受光量の総和との比から前記投光部とラインセンサとの間の中心のずれ量を求め、前記投光部とラインセンサとの距離および上記中心のずれ量からフレネル回折による光強度分布を示す近似式に従って前記単色平行光の回折パターンを計算して求めるようにすれば良い。
【0014】
また本発明に係る位置検出装置は、
(1) 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、
(2) このラインセンサな対峙して設けられ、該ラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部と、
(3) 予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサにて受光した際の該ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンを求めると共に、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求める正規化パラメータ算出手段と、
(4) これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときにおける前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化する正規化手段と、
(5) 前記ラインセンサの正規化した各受光セルの受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するエッジ検出部と
を具備したことを特徴としている。
【0015】
このように構成された位置検出装置によれば、ラインセンサの全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を投光する投光部を用いることができるので、その構成の簡素化を図ることができ、従来のように余分な光を投光する必要がない分、投光部(光源)の駆動に要するエネルギを低減することができる等の効果が奏せられる。また予め求めた正規化パラメータに従ってラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化し、正規化した各受光セルの受光量を解析するだけで単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を高精度に、しかも簡易に検出することができる等の効果が奏せられる。
【0016】
本発明の好ましい態様は、前記エッジ検出部は、例えば
前記ラインセンサの正規化出力から受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルと上記受光強度が[0.25]より小さい受光強度を得た受光セルとをそれぞれ特定する受光セル特定手段と、
ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln[(1+(1−Y2)1/2)/Y]により近似した光強度分布に従って前記受光セル特定手段にて特定した各受光セルの受光面において当該受光セルの受光強度となる受光位置をそれぞれ求める受光位置算出手段と、
この受光位置算出手段でそれぞれ求められた受光位置から前記基準受光強度となる位置を前記遮蔽物のエッジ位置として検出する補間演算手段と
を備えて構成される。
【0017】
このようなエッジ検出部によれば、複数の受光セルによるエッジ位置での受光量の変化を示す光強度分布を上記ハイパボリックセカンド関数の逆関数にて近似するので、実際のフレネル回折の光強度分布と略同等な特性を示すハイパボリックセカンド関数に従って、複数の受光セルの各受光強度からその受光強度が[0.25]となる位置、つまりエッジ位置を簡易に、しかも高精度に検出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る位置検出方法および位置検出装置について説明する。
図1はこの実施形態に係る位置検出装置の概略構成図であり、基本的には図2に示すように一方向に所定のピッチwで配列した複数の受光セル1aを備えたラインセンサ(受光部)1と、このラインセンサ1の受光面に対峙して設けられて該ラインセンサ1の複数の受光セル1aに向けて所定の光線束幅の単色平行光4を投光する投光部2とを備える。またマイクロコンピュータ等により実現される装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を解析することで前記単色平行光4の光路に位置付けられた、例えば帯状体からなる遮蔽物(検出対象物)7の前記受光セル1aの配設方向におけるエッジ位置を高精度に検出する役割を担う。
【0019】
尚、投光部2は、例えば図3にその概略構成を示すようにレーザダイオード(LD)からなる光源2aが発した単色光(レーザ光)を反射するミラー(例えばアルミ蒸着により鏡面処理を施したプリズム)2bと、このミラー2bを介して導かれた単色光の光線束形状をスリット状に規定するアパーチャマスク(投光窓)2cと、このアパーチャマスク2cを介した光を平行光線束に変換して投射する投射レンズ(コリメータレンズ)2dとを備える。この投射レンズ2dと前記受光部1との間に検出対象物である遮蔽物2fが位置付けられ、アパーチャマスク2cのスリットの長手方向に変位する上記遮蔽物2fのエッジ位置が前記受光部1を介して検出される。
【0020】
具体的にはアパーチャマスク2cは、その開口形状を矩形状のスリットとしたもので、前記光源2aは上記スリットに向けて所定の拡がり角で単色光を射出するように設けられる。特に光源2aとしてLDを用いた場合、このLDから楕円状の強度分布をもって射出するレーザ光は、アパーチャマスク2cに対して図中破線で示すように投射される。この際、上記レーザ光の長軸が、前記アパーチャマスク2cのスリットの長手方向となるように該LDとアパーチャマスク2cとを光学的に配置することが、投光部2を小型化する上で好ましい。尚、ミラー(プリズム)2dは、LDから発せられたレーザ光を略直角に反射させる光路を形成することで、LDとアパーチャマスク2c、ひいては投射レンズ2dとの光学的距離を維持しながら、投光部2の全体形状をコンパクト化する役割を担っている。尚、このような投光部2は、例えば前述したラインセンサ1と共に所定の隙間Lを形成したコの字状の筐体5に上記隙間を挟んで互いに対峙させて一体に組み込まれて、1つのセンシングユニットとして形成される。
【0021】
このように構成された投光部2により、図4および図5にその光学系をそれぞれ模式的に示すように、上記アパーチャマスク2cおよび投射レンズ2dを通して平行光に変換されたスリット状の断面形状を有する平行光線束(単色平行光)4がラインセンサ(受光部)1に向けて投射される。この平行光線束の断面形状の大きさは、例えば長辺9mm×短辺3mmであり、これに対して上記平衡光線束を受光するラインセンサ1の受光面の大きさは、例えば長辺8.7mm×短辺0.08mmである。即ち、それぞれの長辺の寸法は、ほぼ等しく設けられている。
【0022】
ちなみに平行光線束の断面形状における短辺の寸法(3mm)をラインセンサ1の受光面の短辺寸法(0.08mm)よりもかなり大きく設定しているのは、投光器と受光器との平行度の調整を容易化すると共に、投光器または受光器が傾いた場合においても、図5に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの長辺側エッジ2hによるフレネル回折の影響を避ける為である。但し、このスリット状の平行光線束(単色平行光)4には、前述したアパーチャマスク2cを用いて光線束形状を整形した際、図4に示すようにアパーチャマスク2cのスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分が含まれることが否めない。
【0023】
ところで前記装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を取り込んで該ラインセンサ1の受光面上における光強度分布を求める入力バッファ3aを備える。特に装置本体3は、その初期設定処理として予め前記投光部2から投光された所定の光線束幅の単色平行光の全てを前記ラインセンサ1にて受光し、このときの光強度分布に基づいて前記投光部2が投光する単色平行光の回折パターンを求めると共に、後述するようにこの回折パターンの逆数に従って前記各受光セル1aの受光量に対する正規化パラメータを求める回折パターン検出手段3bを備える。この回折パターンは、上述したアパーチャマスク2cに形成されたスリットの短辺側エッジ2eにおけるフレネル回折の影響により生じた非平行光線成分に起因するものである。
【0024】
更に装置本体3は、上記回折パターン検出手段3bにより求められた正規化パラメータに従って前記ラインセンサ1の出力を正規化する正規化手段3cと、この正規化手段3cにて正規化処理した前記ラインセンサ1の出力(正規化出力)に従って前記遮蔽物(検出対象物)7の端部(エッジ)の位置を検出するエッジ検出部3bとを備える。
【0025】
このエッジ検出部3dは、基本的には前記単色平行光の一部が遮蔽物(検出対象物)7にて遮られたとき、その端部(エッジ)においてフレネル回折が生じること、そしてフレネル回折を生じて前記ラインセンサ1の受光面に到達する光の強度が、図6に示すようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束する分布特性を持つことに着目し、ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って前記遮蔽物7の端部(エッジ)の位置を高精度に検出するように構成される。
【0026】
ちなみに上記エッジ位置は、単色平行光の一部が遮蔽物7により遮られたときの前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布が、光強度[0]から立ち上がって[1.0]に収束するものとすると、前述した特許文献1にも示されるように、その最初の立ち上がり部分(1山目)において光強度が[0.25]となる位置として求められる。
【0027】
さて基本的には上述した如く構成される位置検出装置において、この発明が特徴とするところは、前記投光部2から射出される所定の光線束幅の単色平行光が、例えばその光線束幅を規定するマスクの影響を受けて光束縁部においてフレネル回折を生じており、図7に示すようにフレネル回折の影響が光束縁部のみならず光束の中心部にも現れていることに気付き、後述するように単色平行光の光強度の分布パターンの影響を除去して高精度なエッジ位置の検出を行うようにした点にある。同時に上記単色平行光を受光するラインセンサ1における複数の受光セル1aの受光特性についても若干のバラツキがあり、上記単色平行光を受光した際のラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)に、例えば図8に示すような変動が現れることに気付き、これらの受光特性のバラツキの影響を除去して高精度なエッジ位置の検出を行うようにした点にある。
【0028】
ちなみに上述した分布パターンを有する単色平行光のラインセンサ1による受光強度に従ってエッジ検出を行おうとすると、図9(a)に示すようにエッジ位置近傍の受光強度が単色平行光自体の強度変動の影響を受けて大きく変動し、ラインセンサ1の出力が図9(b)に示すように不規則な変動を伴うものとなる。換言すれば前述した図6に示したようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束すると言う分布特性から大きく外れてしまう。するとその光強度分布特性は、フレネル回折による光強度分布特性とは異なるものであるから、仮に前述した光強度が[0.25]の点を求めたとしてもその検出位置は真のエッジ位置からかけ離れてしまうことになる。
【0029】
そこで本発明においては前述した回折パターン検出手段3bにおいて、予め初期設定処理として前記投光部2から投光された単色平行光4の全体を前記ラインセンサ1の各受光セル1aにより受光し、これらの各受光セル1aでの受光量により示される前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布に従って前記投光部2からラインセンサ1に到達する前記単色平行光4の回折パターンを求め、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求めている。そして正規化手段3cにおいては、上記回折パターン検出手段3bにて求められた正規化パラメータに従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aによる受光量をそれぞれ正規化し、この正規化処理した受光量を前記エッジ検出部3dによる前記エッジ位置の検出処理に供するものとなっている。
【0030】
具体的には図10にその処理手順の一例を示すように、先ず前記投光部2から投光された所定光線束幅の単色平行光4の全体を前記ラインセンサ1の各受光セル1aにより受光し、図8に示すようなラインセンサ1の出力、即ち、所定のピッチpで直線状に配列された2n個の受光セル1aの受光量Ai(i=1,2,〜2n)をそれぞれ求める《ステップS1》。そして回折パターン検出手段3bにおいては、ラインセンサ1の中心を境界として2分される一方の受光セル群(i=1,2,〜n)による受光量(A1,A2,〜An)の総和ΣAと、他方の受光セル群(i=n+1,n+2,〜2n)による受光量(An+1,An+2,〜A2n)の総和ΣBとの比から前記投光部2とラインセンサ1との間の中心のずれ量Δxを
Δx=W・(ΣA−ΣB)/(ΣA+ΣB)
として求めている《ステップS2》。但し、上記Wは、所定のピッチpで直線状に配列された幅wの2n個の受光セル1aによって形成されるラインセンサ1の受光幅を示している。
【0031】
しかる後、このようにして求められた投光部2とラインセンサ1との間の中心のずれ量Δx、および上記投光部2とラインセンサ1との対向間距離z(=L)に従い、フレネル回折による受光面xでの光強度分布A(x)を示す計算式(近似式)に基づいて前記単色平行光の縁部による回折パターンA(x)を計算する《ステップS3》。
【0032】
ちなみにフレネル回折による光強度分布A(x)は、単色平行光の波長をλ、検査対象物(投光部2)の縁部(エッジ)からラインセンサ1の受光面までの距離をz、そして受光面上でのエッジ位置を[x=0]としたとき、∫を[x=0]から[(2/λz)1/2・x]までの積分を示す演算記号として
A(x) =(1/2)[[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2]
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表される。但し、Uは仮の変数である。
【0033】
また上式中の関数S(x),C(x)については、専ら数学公式集に示されるようにフレネル関数を用いて、xが大きいところでは
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができ、またxが小さい1山目の部分においては
A(x) = 1.37sech(1.98x−2.39)
として近似することができる。
【0034】
そこでこの近似式に基づいて単色平行光の片側縁部による回折パターンA(x)を計算する。そして該単色平行光の全幅Wに亘る全回折パターンA(x)’は、その両側の縁部からの回折パターンが互いに重なり合ったものであるから、上記全回折パターンA(x)’を
A(x)’=A(x−Δx−W/2)・A(W/2−x−Δx)
として計算する《ステップS3》。
【0035】
このようにして求められる単色平行光の回折パターンA(x)’の影響を受けることなくエッジ位置の検出を行うには、前記ラインセンサ1の受光特性が上記回折パターンA(x)’とは逆の特性を有し、見掛け上、ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)が前記単色平行光の全幅Wに亘って一様(一定)であれば良い。
【0036】
そこで回折パターン検出手段3bにおいては、上述した如く求められた回折パターンA(x)’の逆数を計算している《ステップS4》。そしてこの逆数のパターン1/A(x)’を前記ラインセンサ1の幅方向xに各受光セル1aの幅w(配列ピッチp)に亘ってそれぞれ積分することで、単色平行光の回折パターンの影響を打ち消す上で必要な各受光セル1aでの受光量(積分値)を求め、この積分値を該光セル1aの幅wで除算することにより、実際に各受光セル1aのそれぞれが受光すべき受光量Fi(i=1,2,〜2n)を求めている。
【0037】
しかる後、これらの各受光セル1aがそれぞれ受光すべき受光量Fi(i=1,2,〜2n)と、実際に前記各受光セル1aが単色平行光を受光した際の受光量Ai(i=1,2,〜2n)とから、前記単色平行光の回折パターンの影響を打ち消す上で必要な正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)を
Ni = Fi/Ai
として算出している《ステップS5》。ちなみにこのようにして求められる正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)は、単色平行光の回折パターンのラインセンサ1による受光強度分布が前述した図8に示されるようなパターンとして示されるとき、図11に示すような正規化パラメータ(正規化値)の分布となる。そして前述した正規化手段3cにおいては、上述した如く求めた正規化パラメータNi(i=1,2,〜2n)に従い、前記ラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を正規化処理し、これによって単色平行光自体が有する回折パターンを影響を打ち消した後《ステップS6》、前述したエッジ検出部3dによるエッジ位置の検出処理に供するものとなっている。
【0038】
かくしてこのようにして正規化したラインセンサ1の出力(各受光セル1aの受光量)を用いてエッジ位置の検出を行う位置検出装置によれば、上述した正規化処理によって単色平行光自体の回折パターンが補正されることになる。特に上述した正規化パラメータを用いれば、ラインセンサ1における各受光セル1aの受光特性のバラツキを含めてその出力を補正することができる。この結果、単色平行光の光路中に侵入した遮蔽物7の縁部(エッジ)により生じる図12(a)に示すような回折パターンの成分を、図12(b)に示すようなラインセンサ1の正規化出力として求めることが可能となる。換言すればラインセンサ1の正規化出力は遮蔽物7の縁部(エッジ)により生じた回折パターンそのものを示していることから、この正規化出力に従って光強度が[0.25]となるエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0039】
従って本発明に係る位置検出装置および位置検出方法によれば、投光部2から投光される単色平行光の光線束幅がラインセンサ1の受光幅とほぼ等しく、一般的には上記単色平行光の縁部におけるフレネル回折が無視することができないような場合であっても、前述した正規化処理によって上記単色平行光自体のフレネル回折の影響を排除することができる。これ故、単色平行光自体のフレネル回折の影響を受けることなく、高精度にエッジ位置の検出を行うことができる。
【0040】
また逆に上述した位置検出装置によれば、単色平行光におけるフレネル回折の影響を排除することができるので、ラインセンサ1の受光幅とほぼ等しい光線束幅のスリット状の単色平行光を投光可能な投光部2を用いれば良いので、投光部2の小型化、ひいてはセンシングユニットの簡素化を図ることができる。更には投光部2から投光する単色平行光の光線束幅をラインセンサ1の受光幅とほぼ等しい光線束幅まで狭くすることができるので、その光源の駆動に無駄なエネルギの費やす必要がなくなり、単色平行光の全てをエッジ位置の検出に有効利用することができるので光利用効率(エネルギ利用効率)を十分高くすることができる。また投光部2から射出される単色平行光の外部への漏れもなくすことができる等の二次的な効果も奏せられる。
【0041】
次にフレネル回折による光強度分布に着目した前記エッジ検出部3dにおけるエッジ位置の検出処理について説明する。この実施形態に係るエッジ検出部3dにおいては、前記ラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジの位置を検出するに際して、フレネル回折による光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いてエッジ位置を算出するものとなっている。即ち、エッジ検出部3dは、遮蔽物7のエッジにおいて生じたフレネル回折による前記ラインセンサ1の受光面上での光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分(1山目)における光強度変化をハイパボリックセカンド関数sech(x)により近似し、このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似した光強度分布に従って前記ラインセンサ1の各受光セル1aによる受光強度を解析して前記遮蔽物7のエッジ位置を求めるようにしている。
【0042】
このフレネル回折による光強度分布のハイパボリックセカンド関数sech(x)による近似について説明すると、前述したようにフレネル回折による光強度分布は
A(x) =(1/2)[[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2]
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表すことができ、上記関数S(x),C(x)についてはフレネル関数を用いて
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができる。従って基本的には上記近似式S(x)’,C(x)’を用いることにより、前記ラインセンサの各受光セルによる受光強度から前述したエッジ位置を計算することができる。
【0043】
しかしながら実際に計算してみると、図13に示すように関数S(x),C(x)とその近似式S(x)’,C(x)’とは、その立ち上がり以降の収束部分(2山目以降)において非常に良好に近似するものの、最初の立ち上がり部分(1山目)において大きなずれがあることが否めない。特にこの最初の立ち上がり部分の特性はエッジ検出において重要な役割を担うものであり、その特性のずれはエッジ位置の検出精度の低下の要因となる。
【0044】
そこで本発明者は、光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)だけに着目し、その山の形状(光強度の変化傾向)から2乗の有理関数、ハイパボリックセカンド関数、および指数関数を用いてそれぞれ近似することを試みた。
具体的には2乗の有理関数として
y=a/[(x+b)2+c]
ハイパボリックセカンド関数として
y=a・sech(bx+c)
そして指数関数として
y=a・exp[−b(x+c)2]
なる3つの関数を考え、これらの各関数に示される係数a,b,cにそれぞれ適当な値を代入しながらその特性曲線を求めたところ、図14に示すような計算結果が得られた。
【0045】
ちなみに図14において特性Aは光強度分布の理論値を示しており、また特性Bは上記2乗の有理関数における係数a,b,cをそれぞれ[0.057],[−0.38],[0.0417]としたときの光強度yの変化、特性Cは前記ハイパボリックセカンド関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[6.29],[−2.40]としたときの光強度yの変化、そして特性Dは前記指数関数における係数a,b,cをそれぞれ[1.37],[16.30],[−0.38]としたときの光強度yの変化をそれぞれ示している。但し、これらの計算は、単色光の波長λを670μm、遮蔽物7のエッジからラインセンサ1の受光面迄の距離zを300mmとして行った。
【0046】
これらの計算結果に示されるように、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いれば、フレネル回折による光強度分布の、特に最初の立ち上がり部分(1山目)の特性を非常に高精度に近似し得ることが明らかとなった。
ちなみに前記ハイパボリックセカンド関数を前述したフレネル回折による光強度分布の式に当て嵌めて該光強度分の最初の立ち上がり部分(1山目)までを近似すると光強度は
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてこの近似式は、3桁程度の精度で光強度分布の理論式に一致することが確認できた。
【0047】
そこでこの実施形態においては上記知見に立脚し、フレネル回折による光強度分布を、特にその最初の立ち上がり部分を上述したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似し、この光強度分布を近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて前述したラインセンサ1の出力から遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出するようにしている。
【0048】
この際、その計算処理を簡略化し、エッジ位置の検出処理速度の高速化を図るべく次のような工夫をしている。この計算処理のアルゴリズムについて説明すると、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似される光強度は、前述したように
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてその逆関数を計算すると、
Y=y/1.37, X=1.98(2/λz)1/2x
とおいて、
X=2.39−ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}
として表すことができる。
【0049】
そこでエッジ検出部3dにおいては、例えば図15に示す手順に従い、先ずラインセンサ1における複数(2n個)の受光セル1aによる各受光強度y1,y2,〜y2nを、前述した正規化パラメータNiに従って正規化し、X−Y座標上での光強度Y1,Y2,〜Y2nに変換している《ステップS11》。そしてこれらの複数の受光セル1aの内、例えば互いに隣接して前述した基準光強度[0.25]よりも大きい受光強度を得た受光セルCnと、上記基準光強度[0.25]よりも小さい受光強度を得た受光セルCn−1とをそれぞれ求めている《ステップS12》。つまり複数の受光セル1a(C1,C2,〜Cm)間のそれぞれにおいて受光強度が[0.25]となる、互いに隣接する2つの受光セルCn,Cn−1を求めている。
【0050】
そしてこれらの各受光セルCn,Cn−1の受光強度Yn,Yn−1が得られる該受光セルCn,Cn−1の受光面上での位置Xn,Xn−1を、前述した近似式に従って
Xn=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
Xn−1=2.39−ln{[1+(1−Yn−12)1/2]/Yn−1}
としてそれぞれ逆変換により計算し《ステップS13》、これらの位置Xn,Xn−1から図16にその概念を示すように受光強度が[0.25]となる位置(エッジ位置)を補間演算により計算している《ステップS14》。尚、上記逆変換において求められる位置Xは[1.98(2/λz)1/2]倍された値であるが、補間演算で比をとることにより実質的にこの項は削除される。またこの補間演算については前述した近似式を用いて実行しても良いが、上述した2つの受光セルCn,Cn−1間での光強度の変化が直線的であると見なし得る場合には、単純な直線補間であっても良い。
【0051】
尚、ここでは隣接する受光セル1a間で光強度が[0.25]となる位置を見出し、その位置をセル境界とする2つの受光セルCn,Cn−1を特定したが、単に上記位置を挟む2つ以上の受光セルを特定しても良い。但し、この場合には必ず前述した近似式を用いて補間演算を行うことで、その演算精度の低下を防止するようにすれば良い。また上述した逆変換については、例えば予めその計算値を記憶したテーブルを用いることで、その演算処理負担を大幅に軽減して瞬時に実行することが可能である。
【0052】
このようにして遮光物7のエッジ位置を検出するエッジ検出部3bによれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて、ラインセンサ1の複数の受光セル1aによる受光強度yからその光強度が[0.25]となる位置Xを算出するので、その検出精度を十分に高くすることができる。またその逆関数である自然対数関数(ln関数)は、通常の浮動小数点演算(FPU)機能を備えたマイクロプロセッサではその命令の中に含まれているが、このようなFPU機能を備えていないマイクロプロセッサであっても、例えば
として級数展開が可能であり、その収束も速いので計算が容易である。従ってエッジ位置の検出を簡単に、しかも高精度に行うことが可能となる等の効果が奏せられる。
【0053】
またラインセンサ1の出力は、該ラインセンサ1における各受光セル1aの配列ピッチpとセル数によって変化する。ちなみに7μmの配列ピッチpで5000セルを備えた分解能の高いイメージセンサを用いた場合には、例えば図17(a)に示すように非常に緻密なセンサ出力が得られる。この点、85μmの配列ピッチpで102セルを備えた汎用の安価なイメージセンサを用いた場合には、図17(b)に示すように粗いセンサ出力しか得ることができない。しかしセル数が少ない分だけセンサ出力の高速な読み出しが可能である。
【0054】
しかしこのような分解能の低い安価なラインセンサ1を用いたとしても、前述したように本発明に係る位置検出方法および装置によれば、フレネル回折による光強度分布を高精度に近似したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いるので受光セル1a間の受光強度の変化を高精度に補間することができる。従って分解能の低い安価なラインセンサ1を用いてセンサ出力の読み出し速度を十分に速くしながら、簡単な演算処理によってエッジ位置検出を高精度に行うことが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。従ってこのようなエッジ検出部3dによれば、前述した単色平行光の回折パターンに対する補正処理(正規化処理)と相俟って、遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0055】
ところで検出対象物7が完全な遮光体でない場合、例えば半透明体からなる場合には単色平行光を完全に遮光することができない。この場合、ラインセンサ1の出力は検出対象物7を透過した光成分が重畳したものとなり、図18に示すようにその受光強度がラインセンサ1の全受光領域に亘って[0.25]を上回ることがある。すると前述したアルゴリズムに従ってエッジ位置を検出することができなくなる。
【0056】
そこでこのような場合には、例えば先ず半透明体からなる検出対象物7にてラインセンサ1の受光領域の全てを覆い、そのときに検出される単色平行光の受光パターンと検出対象物7がないときの単色平行光の受光パターンとの差を求める。そしてこの差に基づいてラインセンサ1の出力に対するオフセットとゲインとを調整する。
【0057】
具体的には検出対象物7がないときのラインセンサ7の各受光セル1aの受光強度Ai(i=1,2,〜2m)と、ラインセンサ7の全受光領域を検出対象物7で覆ったときの該ラインセンサ1の受光強度Ci(i=1,2,〜2n)とをそれぞれ求める。そして上記受光強度Ci(i=1,2,〜2m)の最低値Cminをラインセンサ7の出力に対するオフセットとしてセットし、その上で受光強度Ai(i=1,2,〜2m)と上記最低値Cminとの差の平均値が該ラインセンサ7の最大出力の半値となるようにその出力ゲインを調整する。しかる後、再度、前記単色平行光の出力を得、この出力を[1]とする係数(正規化パラメータ)Ni(i=1,2,〜2n)を前述したようにして求める。但し、上記オフセットとゲイン調整は、検出対象物7が半透明体であることに起因してラインセンサ1の出力における明暗の分解能が小さいとき、これを補うことを目的として行われるものであり、分解能が十分に高い場合には必要はない。
【0058】
その後、実際のエッジ位置の検出においては、その受光パターンyi(i=1,2,〜2n)を求め、上記係数Ni(i=1,2,〜2m)に従ってラインセンサ7の出力を正規化する。そして受光パターンの最初の立ち上がり部分からそのピーク値と、例えばその1つの手前の受光セル1aの出力値とをそれぞれ求め、これらの各受光値を得た2つの受光セル1aをそれぞれ特定する。次いで前述した近似式(逆フレネル関数)
Xp=2.39−ln{[1+(1−Yp2)1/2]/Yp}
Xp−1=2.39−ln{[1+(1−Yp−12)1/2]/Yp−1}
に従って図18に示すように受光強度Yp,Yp−1をX軸に逆写像する。そして逆写像した受光位置Xp,Xp−1から図18に示すように受光強度が[0.25]となるエッジ位置を算出するようにしても良い。
【0059】
このようにすればラインセンサ1の受光セル1aでの受光強度が[0.25]を上回るような場合であっても、つまり検出対象物7が半透明体であるような場合でも、そのエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。即ち、この例に示されるように、基準受光強度[0.25]を挟む受光強度のセルを特定しなくても、例えばそのピーク値をとる受光セル1aとその手前の受光強度の受光セル1aとから検出対象物7のエッジ位置を算出することができる。従ってこのような処理を施せば、前述した単色平行光の回折パターンに対する補正処理(正規化処理)と相俟って遮蔽物7のエッジ位置を高精度に検出することが可能となる。
【0060】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えばイメージセンサ1が備える受光セル1aの数やその配列ピッチwについては、その検出仕様に応じたものを用いれば十分である。またエッジ検出部3については、汎用のマイクロプロセッサを用いて実現すれば良く、前述した演算式をROM化して与えるようにしても良い。
【0061】
また投光部2から射出される単色平行光の回折パターンを求めるに際して、上述したハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いることも勿論可能である。このようにすれば、フレネル回折による光強度分布を、より高精度に近似することが可能となるので、単色平行光の回折パターンを補正する上での正規化パラメータを高精度に求めることができる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、投光部から投光される単色平行光の光線束幅がラインセンサの受光幅とほぼ等しく、一般的には上記単色平行光の縁部におけるフレネル回折が無視することができないような場合であっても、上記単色平行光の全体をラインセンサにて受光した際の光強度分布に従ってその出力に対する正規化パラメータを求め、この正規化パラメータに従ってラインセンサの出力を正規化処理するので、上記単色平行光自体のフレネル回折の影響を排除することができる。これ故、単色平行光自体のフレネル回折の影響を受けることなく、高精度にエッジ位置の検出を行うことができる。更には投光部から投光する単色平行光の光線束幅を狭くすることができるので、装置の小型化を図ることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る位置検出装置の基本的な構成を示す図。
【図2】ラインセンサにおける受光セルの配列を示す図。
【図3】投光部の概略構成を示す図。
【図4】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視A−A方向からみて模式的に示す図。
【図5】投光部から射出される平行光線束の光学系を図3の矢視B−B方向からみて模式的に示す図。
【図6】遮光体のエッジによるフレネル回折が生じた光強度分布特性を受光位置において示す図。
【図7】投光部から投光される単色平行光の光強度分布特性を受光位置において示す図。
【図8】単色平行光を全幅に亘って受光した際のラインセンサの出力による受光強度分布を示す図。
【図9】フレネル回折を生じた単色平行光を用いてエッジ位置を検出する際の問題点を説明する為の図。
【図10】本発明の一実施形態に係る単色平行光の回折パターンに対する補正処理の手順を示す図。
【図11】単色平行光の回折パターンの逆数から求められた正規化パラメータに従ってラインセンサの出力を正規化処理したときの出力を示す図。
【図12】正規化処理したラインセンサ出力の例を示す図。
【図13】フレネル回折による光強度分布の理論値と、関数を用いた近似特性とを対比して示す図。
【図14】フレネル回折による光強度分布のフレネル関数を用いた近似における問題点を説明する為の図。
【図15】本発明の実施形態に係るエッジ検出処理の手順の一例を示す図。
【図16】連接する2つの受光セルにおいて求められる受光強度と、これらの受光強度が得られた位置から求められるエッジ位置の関係を示す図。
【図17】ラインセンサの分解能の違いによるセンサ出力の例を示す図。
【図18】検出対象物が半透明体の場合におけるエッジ検出の作用を説明する為の図。
【符号の説明】
1 ラインセンサ(受光部)
1a 受光セル
2 投光部
3 装置本体
3b 回折パターン検出手段
3c 正規化手段
3d エッジ検出部
7 遮蔽物(検出対象物)
Claims (4)
- 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部とを備え、前記ラインセンサの各受光セルによる受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するに際し、
予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサの各受光セルにより受光し、これらの各受光セルでの受光量により示される前記ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する前記単色平行光の回折パターンを求めると共に、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求め、
その後、これらの正規化パラメータに従って前記光路に遮蔽物が存在するときの前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化して前記エッジ位置の検出処理に供することを特徴とする位置検出方法。 - 前記投光部から前記ラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンは、前記ラインセンサの中心を境界として2分される一方の受光セル群による受光量の総和と他方の受光セル群による受光量の総和の比から前記投光部とラインセンサとの間の中心のずれ量を求め、
前記投光部とラインセンサとの距離および上記中心のずれ量からフレネル回折による光強度分布を示す近似式に従って前記単色平行光の回折パターンを計算して求められるものである請求項1に記載の位置検出方法。 - 一方向に所定のピッチで配列された複数の受光セルを備えたラインセンサと、
このラインセンサな対峙して設けられ、該ラインセンサの上記複数の受光セルによる全受光幅と略等しい光線束幅の単色平行光を前記ラインセンサに向けて投光する投光部と、
予め前記投光部から投光された単色平行光の全体を前記ラインセンサにて受光した際の該ラインセンサの受光面上での光強度分布に従って前記投光部からラインセンサに到達する単色平行光の回折パターンを求めると共に、この回折パターンの逆数に従って前記ラインセンサの各受光セルの出力に対する正規化パラメータをそれぞれ求める正規化パラメータ算出手段と、
これらの正規化パラメータに従って前記ラインセンサの各受光セルによる受光量をそれぞれ正規化する正規化手段と、
前記ラインセンサの正規化した各受光セルの受光量を解析して前記単色平行光の光路に存在する遮蔽物の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するエッジ検出部と
を具備したことを特徴とする位置検出装置。 - 前記エッジ検出部は、
前記ラインセンサの正規化出力から受光強度が[0.25]より大きい受光強度を得た受光セルと上記受光強度が[0.25]より小さい受光強度を得た受光セルとをそれぞれ特定する受光セル特定手段と、
ハイパボリックセカンド関数sech(x)の逆関数ln[(1+(1−Y2)1/2)/Y]により近似した光強度分布に従って前記受光セル特定手段にて特定した各受光セルの受光面において当該受光セルの受光強度となる受光位置をそれぞれ求める受光位置算出手段と、
この受光位置算出手段でそれぞれ求められた受光位置から前記基準受光強度となる位置を前記遮蔽物のエッジ位置として検出する補間演算手段と
を具備したことを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
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JP2003017690A JP2004226372A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 位置検出方法および装置 |
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-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017690A patent/JP2004226372A/ja active Pending
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