JP6804260B2 - 検査装置および変位量検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検査装置および変位量検出方法に関する。
従来から、ウェハに転写すべきパターンを有するマスクの検査装置には、多くの光学素子が備えられていた。この光学素子の中には、検査装置内に固定されている光学素子と、変倍レンズや偏光子等の検査装置内において可動の光学素子とが存在する。可動の光学素子は、モータ等の駆動装置で駆動される。
特開2011−257164号公報
しかしながら、従来の検査装置では、光学素子の駆動装置が熱源となって検査装置の光学系内の雰囲気中に温度差が生じることで、空気揺らぎと呼ばれる雰囲気中の屈折率の時間的な変化が生じていた。また、深紫外光を使用する検査装置では、深紫外光の透過率を確保するために雰囲気中に窒素を供給するが、この窒素と雰囲気との温度差によっても、駆動装置の場合と同様に空気揺らぎが生じていた。空気揺らぎは、パターンの欠陥の検査精度を悪化させる要因となり得る。このため、空気揺らぎに起因する検査精度の誤差を未然に補正できるように、空気揺らぎによる光すなわち像の変位量を確実に検出することが求められる。
本発明の目的は、空気揺らぎによる光の変位量を確実に検出できる検査装置および変位量検出方法を提供することにある。
本発明の一態様である検査装置は、
光源からの光を検査対象側に反射させて検査対象に照明し、かつ検査対象から反射された反射照明光を透過させる反射透過部材を有する反射照明光学系と、
光源からの光を検査対象に照明し、検査対象を透過させる透過照明光学系と、 反射透過部材を透過した反射照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する第1TDIセンサと、
検査対象および反射透過部材を透過した透過照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する第2TDIセンサと、
反射照明光学系の光源と反射透過部材との間に配置され、反射透過部材への光源からの光の一部を、第1パターンを有する第1パターン光に整形する光整形部と、
反射照明光学系の反射透過部材と検査対象との間に配置され、反射透過部材により検査対象へ反射された光に含まれる第1パターン光を、所定の反射率で反射透過部材側に反射させ、かつ反射透過部材を透過させて第2TDIセンサ側に導く反射部材と、
反射透過部材と第2TDIセンサとの間に配置され、反射透過部材を透過した第1パターン光を、第1パターンの一部が欠落した第2パターンを有する第2パターン光として部分的に透過させる第1スリットが設けられたスリット部材と、
第2TDIセンサにおけるセンサ面のうち透過照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する投影部とは異なる投影部で受光された第2パターン光の検出信号に基づいて第2パターン光の変位量を検出する変位量検出回路と、を備えるものである。
上述の検査装置において、光整形部は、反射照明光学系の視野を制限する視野絞りに設けられた第2スリットであってもよい。
上述の検査装置において、
第1スリットは、光軸に直交する第1方向に延伸し、かつ、第1パターン光を部分的に透過するように光軸および第1方向に直交する第2方向において第1パターン光より狭い幅を有し、
第1パターン光は、スリット部材への投影状態において第1方向に直交かつ第2方向に平行となる第1部分と、投影状態において第1方向および第2方向に対して傾斜する第2部分とを有してもよい。
上述の検査装置において、第1方向に対する第2部分の傾斜角は45°以下であってもよい。
本発明の一態様である変位量検出方法は、
光源からの光を検査対象側に反射させて検査対象に照明し、かつ検査対象から反射された反射照明光を透過させる反射透過部材を有する反射照明光学系と、光源からの光を検査対象に照明し、検査対象を透過させる透過照明光学系と、反射透過部材を透過した反射照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する第1TDIセンサと、検査対象および反射透過部材を透過した透過照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する第2TDIセンサとを備える検査装置において、空気揺らぎによる光の変位量を検出する変位量検出方法であって、
反射照明光学系の光路内において、光源からの光を、光源と反射透過部材との間に配置された光整形部に照明し、光源からの光の一部を、第1パターンを有する第1パターン光に整形する工程と、
反射照明光学系の光路内において、第1パターン光を、反射透過部材と検査対象との間に配置された反射部材に照射し、反射部材により所定の反射率で反射された第1パターン光を反射透過部材に透過させて第2TDIセンサ側に導く工程と、
反射部材により反射された第1パターン光を、反射透過部材と第2TDIセンサとの間に配置されたスリット部材に照明し、第1パターンの一部が欠落した第2パターンを有する第2パターン光を整形する工程と、
第2パターン光を、第2TDIセンサにおけるセンサ面のうち透過照明光に基づく光学画像を検出する投影部とは異なる投影部で検出し、この検出信号に基づき第2パターン光の変位量を検出する工程と、を備えるものである。
本発明によれば、空気揺らぎによる光の変位量を確実に検出できる。
本実施形態のマスク検査装置を示す図である。 図2(a)は、本実施形態のマスク検査装置において、パターン投影部を有する透過光検出センサを示す図であり、図2(b)は、パターン投影部の入射側に配置されたスリット部材を示す図であり、図2(c)は、スリット部材に投影された第1パターン光およびその一部の第2パターン光を示す図である。 本実施形態のマスク検査装置において、スリット部材に投影された第1パターン光およびその一部の第2パターン光を示す拡大図である。 図4(a)は、本実施形態の変位量検出方法において、空気揺らぎが無いときのスリット部材への第1パターン光の投影状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)に対応するパターン投影部の検出信号を示す波形図であり、図4(c)は、図4(b)に対応するパターンピッチを示す図である。 図5(a)は、本実施形態の変位量検出方法において、空気揺らぎが有るときのスリット部材への第1パターン光の投影状態を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に対応するパターン投影部の検出信号を示す波形図であり、図5(c)は、図5(b)に対応するパターンピッチを示す図である。 図6(a)は、本実施形態の第1の変形例のマスク検査装置において、パターン投影部の入射側に配置されたスリット部材を示す図であり、図6(b)は、スリット部材に投影された第1パターン光およびその一部の第2パターン光を示す図である。 図7(a)は、本実施形態の第2の変形例のマスク検査装置において、パターン投影部の入射側に配置されたスリット部材を示す図であり、図7(b)は、スリット部材に投影された第1パターン光およびその一部の第2パターン光を示す図である。 図8(a)は、本実施形態の第2の変形例の変位量検出方法において、空気揺らぎが無いときのスリット部材への第1パターン光の投影状態を示す図であり、図8(b)は、図8(a)に対応するパターン投影部の検出信号を示す波形図であり、図8(c)は、図8(b)に対応するパターンピッチを示す図である。 図9(a)は、本実施形態の第2の変形例の変位量検出方法において、空気揺らぎが有るときのスリット部材への第1パターン光の投影状態を示す図であり、図9(b)は、図9(a)に対応するパターン投影部の検出信号を示す波形図であり、図9(c)は、図9(b)に対応するパターンピッチを示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(マスク検査装置1)
図1は、本実施形態のマスク検査装置1を示す図である。図1に示すように、マスク検査装置1は、光源21を含む共通照明系2と、第1検出器の一例である反射検出センサ31と、第2検出器の一例である透過検出センサ32とを備える。
共通照明系2は、光源21と、光源21の出射側に配置されたλ/2板22とを有している。光源21は、検査対象の一例としてのパターンを有するマスク4に向けて、光源21からの光の一例である直線偏光のレーザ光(以下、単に光ともいう)を出射する。光源21の光は、例えば、波長200nm〜350nmの深紫外光である。光源21の光は、波長200nm以下の真空紫外光であってもよい。深紫外光を用いる場合、マスク検査装置1の光学系の雰囲気中には、深紫外光の透過率を確保するために図示しない窒素供給装置によって窒素を供給することが望ましい。光源21の光は、深紫外光以外の光であってもよい。λ/2板22は、光源21から出射された直線偏光を回転させて出射させる。
反射検出センサ31は、共通照明系2からの光をマスク4で反射させた反射照明光を受光し、受光された反射照明光に基づいてマスク4の光学画像を検出する。透過検出センサ32は、共通照明系2からの光をマスク4で透過させた透過照明光を受光し、受光された透過照明光に基づいてマスク4の光学画像を検出する。反射検出センサ31および透過検出センサ32で検出されたマスク4の光学画像は、図示しない欠陥検査用の回路によってマスク4のパターンの欠陥の検査に用いられる。反射検出センサ31および透過検出センサ32は、いずれもTDI(Time Delay Integration)センサであってもよい。TDIセンサを用いることで、光学画像を高精度に検出できる。
また、マスク検査装置1は、共通照明系2と反射検出センサ31とを結ぶ光路上に、光の進行方向に向かって順に、反射照明光学系5と、反射検出光学系6とを備える。反射照明光学系5は、共通照明系2からの光をマスク4の主面に平行光で導き、反射照明光でマスク4を照明する光学系である。図示されている例において、マスク4の主面は、マスク4の検査対象面すなわちパターンを有する下面である。反射検出光学系6は、反射照明光を反射検出センサ31に導く光学系である。
また、マスク検査装置1は、共通照明系2と透過検出センサ32とを結ぶ光路上に、光の進行方向に向かって順に、透過照明光学系7と、透過検出光学系8とを備える。透過照明光学系7は、共通照明系2からの光をマスク4の主面に平行光で導き、透過照明光でマスク4を照明する光学系である。透過検出光学系8は、透過照明光を透過検出センサ32に導く光学系である。
(反射照明光学系5)
反射照明光学系5は、光の進行方向に向かって順に、第1ビームスプリッタ51と、反射照明第1レンズ52と、反射照明第2レンズ53と、反射照明第3レンズ54と、視野絞り55と、反射照明第4レンズ56と、反射透過部材の一例である第2ビームスプリッタ57と、第1対物レンズ58とを備える。第1ビームスプリッタ51は、例えば、偏光ビームスプリッタである。第2ビームスプリッタ57は、例えば、偏光ビームスプリッタである。第2ビームスプリッタ57は、ハーフミラーであってもよい。第2ビームスプリッタ57が偏光ビームスプリッタである場合、図1に示すように、直後にλ/4板59を配置する。
共通照明系2のλ/2板22を回転させて光源21から出射された直線偏光の偏光方向を回転させることで、第1ビームスプリッタ51は、共通照明系2から入射した光のうち、一部の光を反射照明第1レンズ52側に透過させ、他の一部の光を透過照明光学系7側に反射させる。図1に示すように、第1偏光ビームスプリッタ51の反射方向は透過方向に直交していてもよい。
反射照明第1レンズ52は、正のパワーを有し、瞳共役A1の位置が反射照明第1レンズ52の前側焦点位置となるように配置されている。第1ビームスプリッタ51は、瞳共役A1と反射照明第1レンズ52との間に配置されている。
反射照明第2レンズ53は、正のパワーを有し、反射照明第1レンズ52の後側焦点位置に反射照明第2レンズ53の前側焦点位置が一致するように配置されている。
反射照明第3レンズ54は、正のパワーを有し、反射照明第2レンズ53の後側焦点位置に反射照明第3レンズ54の前側焦点位置が一致するように配置されている。
視野絞り55は、反射照明第3レンズ54の後側焦点位置に配置されている。視野絞り55は、反射照明第3レンズ54を透過した共通照明系2からの光のうち一部の光を反射照明第4レンズ56側に透過させることで、反射照明光学系5の視野を制限する。
反射照明第4レンズ56は、正のパワーを有し、視野絞り55が反射照明第4レンズ56の前側焦点位置となるように配置されている。瞳位置A3は反射照明第4レンズ56の後側焦点位置となるように配置されている。
第2ビームスプリッタ57は、反射照明第4レンズ56を透過した共通照明系2からの光を第1対物レンズ58側すなわちマスク4側に反射させる。第2ビームスプリッタ57が偏光ビームスプリッタの場合、反射照明第4レンズ56を透過したS偏光の光は、第1対物レンズ58側すなわちマスク4側に反射される。反射された光は、その偏光方向に対して45°光学軸の方向を回転させて配置されたλ/4板59を透過する事で、直線偏光から円偏光となって、第1対物レンズ58に入射する。
第1対物レンズ58は、正のパワーを有し、瞳位置A3が前側焦点位置となるように配置されている。第1対物レンズ58は、第2ビームスプリッタ57で反射された共通照明系2からの光をマスク4の主面に照射する。
マスク4の主面に照射された共通照明系2からの光(円偏光)は、マスク4のパターンを反映した反射照明光としてマスク4で反射される。反射照明光は、第1対物レンズ58およびλ/4板59を透過することでP偏光となったうえで、第2ビームスプリッタ57を透過して、反射検出光学系6に入射する。
(反射検出光学系6)
反射検出光学系6は、光の進行方向に向かって順に、検出チューブレンズ61と、反射検出ミラー62と、反射検出第1レンズ63と、反射検出第2レンズ64とを備える。
検出チューブレンズ61は、正のパワーを有し、第2ビームスプリッタ57を透過した反射照明光を収束させて反射検出ミラー62側に透過させる。反射検出ミラー62は、検出チューブレンズ61を透過した反射照明光を反射検出第1レンズ63側に反射させる。図1に示すように、反射検出ミラー62の反射方向は、入射方向に直交していてもよい。
反射検出第1レンズ63は、正のパワーを有し、反射検出第1レンズ63の前側焦点位置が検出チューブレンズ61の後側焦点位置と一致するように配置されている。反射検出第1レンズ63は、反射検出ミラー62で反射された反射照明光をコリメートさせて反射検出第2レンズ64側に透過させる。
反射検出第2レンズ64は、正のパワーを有し、反射検出第1レンズ63を透過した反射照明光を収束させて反射検出センサ31側に結像させる。反射検出第2レンズ64を透過した反射照明光は、反射検出センサ31で受光され、光学画像の検出に用いられる。
(透過照明光学系7)
透過照明光学系7は、光の進行方向に向かって順に、反射照明光学系5と兼用の第1ビームスプリッタ51と、透過照明第1レンズ71と、透過照明第1ミラー72と、透過照明第2レンズ73と、λ/4板78と、透過照明第3レンズ74と、透過照明第2ミラー75と、透過照明第4レンズ76と、コンデンサレンズ77とを備える。
透過照明第1レンズ71は、正のパワーを有し、第1ビームスプリッタ51で反射された共通照明系2からの光を収束させて透過照明第1ミラー72側に透過させる。透過照明第1ミラー72は、透過照明第1レンズ71を透過した共通照明系2からの光を透過照明第2レンズ73側に反射させる。図1に示すように、透過照明第1ミラー72の反射方向は入射方向に直交していてもよい。透過照明第2レンズ73は、正のパワーを有し、透過照明第1ミラー72で反射された共通照明系2からの光をコリメートして透過照明第3レンズ74側に透過させる。透過照明第2レンズ73を透過した光は、λ/4板78を透過することで円偏光に変換されたうえで、透過照明第3レンズ74に入射する。
透過照明第3レンズ74は、正のパワーを有し、透過照明第2レンズ73でコリメートされた共通照明系2からの光を収束させて透過照明第2ミラー75側に透過させる。透過照明第2ミラー75は、透過照明第3レンズ74を透過した共通照明系2からの光を透過照明第4レンズ76側に反射させる。図1に示すように、透過照明第2ミラー75の反射方向は入射方向に直交していてもよい。透過照明第4レンズ76は、負のパワーを有し、透過照明第2ミラー75で反射された共通照明系2からの光を発散させてコンデンサレンズ77側に透過させる。コンデンサレンズ77は、正のパワーを有し、透過照明第4レンズ76を透過した共通照明系2からの光を収束させてマスク4の主面に照射する。マスク4の厚み誤差を補正するため、透過照明第4レンズ76は前後に移動可能な構造となっている。
マスク4の主面に照射された共通照明系2からの光は、マスク4のパターンを反映した透過照明光としてマスク4を透過する。透過照明光は、第1対物レンズ58、λ/4板59および第2ビームスプリッタ57を順に透過した後に、透過検出光学系8に入射する。
(透過検出光学系8)
透過検出光学系8は、光の進行方向に向かって順に、反射検出光学系6と兼用の検出チューブレンズ61と、透過検出ミラー81と、透過検出第1レンズ82と、透過検出第2レンズ83とを備える。
検出チューブレンズ61は、第2ビームスプリッタ57を透過した透過照明光を収束させて透過検出ミラー81側に透過させる。透過検出ミラー81は、検出チューブレンズ61を透過した透過照明光を透過検出第1レンズ82側に反射させる。透過検出ミラー81の側方を反射照明光が素通りできるように、透過検出ミラー81の光軸側の一端は、ほぼ光軸上に位置している。図1に示すように、透過検出ミラー81の反射方向は、反射検出ミラー62の反射方向と同方向となるように、入射方向に直交していてもよい。
透過検出第1レンズ82は、正のパワーを有し、透過検出第1レンズ82の前側焦点位置が検出チューブレンズ61の後側焦点位置と一致するように配置されている。透過検出第1レンズ82は、透過検出ミラー81で反射された透過照明光をコリメートさせて透過検出第2レンズ83側に透過させる。透過検出第2レンズ83は、正のパワーを有し、透過検出第1レンズ82を透過した透過照明光を収束させて透過検出センサ32側に結像させる。透過検出第2レンズ83を透過した透過照明光は、透過検出センサ32で受光され、光学画像の検出に用いられる。
なお、図1の矢印A1〜A6は、各光学系5、6、7、8のレンズの瞳位置を示したものである。また、図1の矢印aは、視野絞り55の出射側近傍に仮定した物体と、その像を示したものである。
図2(a)は、本実施形態のマスク検査装置1において、パターン投影部321を有する透過光検出センサ32を示す図である。図2(b)は、パターン投影部321の入射側に配置されたスリット部材10を示す図である。図2(c)は、スリット部材10に投影された第1パターン光L1およびその一部の第2パターン光L2を示す図である。
上記構成に加えて、更に、マスク検査装置1は、空気揺らぎによる光の変位量の一例である第2パターン光L2の変位量を検出する構成を備える。具体的には、図1および図2(a)〜図2(c)に示すように、マスク検査装置1は、光整形部の一例である第2スリット551と、反射部材9と、スリット部材10と、パターン投影部321と、変位量検出回路11とを備える。
(第2スリット551)
第2スリット551は、第2ビームスプリッタ57の入射側の反射照明光学系5の光路内に配置されている。第2スリット551は、共通照明系2からの光の一部を、第1パターンを有する第1パターン光L1(図2(c)参照)に整形する。
図1の例において、第2スリット551は、視野絞り55に設けられている。具体的には、第2スリット551は、視野絞り55における開口部の周辺に、第1パターンの形状で設けられている。第2スリット551は、共通照明系2からの光の一部を透過することで第1パターン光L1を整形する。視野絞り55に第2スリット551を設けることで、第1パターン光L1を整形するための視野絞り55と別体の光学部品を要しないので、部品点数を抑えることができる。
なお、第2スリット551の位置は、反射照明光学系5の光路内のマスク4に共役な位置であれば、視野絞り55以外の位置であってもよい。
(反射部材9)
反射部材9は、第2ビームスプリッタ57の出射側の反射照明光学系5の光路内に配置されている。反射部材9は、第2ビームスプリッタ57でマスク4側に反射された共通照明系2からの光に含まれる第1パターン光L1を、所定の反射率で第2ビームスプリッタ57側に反射させる。反射部材9の反射率の具体的な態様は特に限定されず、例えば、4.7%程度であってもよい。
図1の例において、反射部材9は、反射照明光学系5の光軸に対して直交状態から所定の傾斜角で傾斜した平板形状を有している。反射部材9が傾斜していることで、簡易な構成によって、反射部材9で反射された第1パターン光L1を、反射照明光および透過照明光と異なる方向に進行させてスリット部材10に導くことができる。
反射部材9の製造方法は特に限定されず、例えば、透明基板における第2ビームスプリッタ57側の第1面とマスク4側の第2面のうち、第2面のみに反射防止コートを設けることで製造してもよい。
(スリット部材10)
図3は、本実施形態のマスク検査装置1において、スリット部材10に投影された第1パターン光L1およびその一部の第2パターン光L2を示す拡大図である。
スリット部材10は、透過検出第2レンズ83と透過検出センサ32との間の透過検出光学系8の光路内に配置されている。図1、図2(a)〜図2(c)の例において、スリット部材10は、透過検出センサ32の入射側の近傍位置に、パターン投影部321に面するように配置されている。
図2(b)および図3に示すように、本実施形態のスリット部材10は、第1スリット101が設けられた平板状の遮光板100である。第1スリット101は、反射部材9で反射された後に第2ビームスプリッタ57を透過した第1パターン光L1を、第1パターンの一部を欠落した第2パターンを有する第2パターン光L2として部分的に透過する。
図3に示すように、第1スリット101は、透過検出光学系8の光軸に直交する第1方向の一例であるY軸方向に延伸している。また、第1スリット101は、第1パターン光L1を部分的に透過するように、透過検出光学系8の光軸およびY軸方向に直交するX軸方向すなわち第2方向において、第1パターン光L1より狭い幅を有する。
また、図3に示すように、第1パターン光L1は、スリット部材10への投影状態においてY軸方向に直交かつX軸方向に平行となる第1部分L11と、スリット部材10への投影状態においてY軸方向およびX軸方向に対して傾斜する第2部分L12とを有する。
図3の例において、第1パターン光L1は、第1部分L11と第2部分L12とがY方向に沿って交互に繰り返し接続された一体形状を有している。第1パターン光L1がY軸方向に直交する第1部分L11を有することで、第2パターン光L2のY軸方向の変位量を、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11のY軸方向の変位量として簡便かつ確実に検出できる。また、第1パターン光L1がY軸方向に対して傾斜する第2部分L12を有することで、第2パターン光L2のX軸方向の変位量を、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11と第2部分L12との間隔の変位に基づいて簡便かつ確実に検出できる。
Y軸方向に対する第2部分L12の傾斜角θ(図3参照)は、0°より大きく、45°以下であることが望ましい。傾斜角θを45°以下にすることで、後述する検出信号のピッチ(図4(c)参照)を大きくとって、検出可能な変位量の範囲を大きくすることができる。
(パターン投影部321)
図2(a)に示すように、パターン投影部321は、透過検出センサ32における光の投影部すなわちセンサ面のうち、透過照明光の投影部と異なる投影部である。図2(a)の例において、パターン投影部321は、透過検出センサ32のY軸方向の一端に設けられている。
パターン投影部321には、スリット部材10を透過した第2パターン光L2が入射する。透過検出センサ32は、パターン投影部321に入射した第2パターン光L2を、透過照明光とは独立して検出する。そして、透過検出センサ32は、検出された第2パターン光L2の変位量に応じた検出信号を出力する。
(変位量検出回路11)
変位量検出回路11は、透過検出センサ32の検出信号に基づいて、第2パターン光L2の変位量を検出する。
例えば、変位量検出回路11は、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11の検出信号のY軸方向への変位量を、第2パターン光L2のY軸方向の変位量として簡便に検出できる。
また、変位量検出回路11は、例えば、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11の検出波形と第2部分L12の検出波形とのピッチの変化量と、第2部分L12の傾斜角θの正接tanθとの積を、第2パターン光L2のX軸方向の変位量として簡便に検出できる。
なお、図1のマスク検査装置1から、透過照明光学系7を省略してもよい。この場合であっても、光学系8および検出センサ32を第2パターン光L2の検出に機能させることができるので、第2パターン光L2の変位量を検出できる。
また、変位量検出回路11で検出された変位量に基づく誤差の補正方法の具体的な態様は特に限定されない。例えば、マスク検査装置1は、変位量に応じたオフセット量で光学画像の座標をオフセットしてもよい。
(変位量検出方法)
次に、図1のマスク検査装置1を適用した本実施形態の変位量検出方法について説明する。なお、以下では、第2パターン光L2の変位量の検出についてのマスク検査装置1の動作例のみを説明し、パターンの欠陥検査についての動作例の説明は省略する。
図1のマスク検査装置1において、先ず、視野絞り55の外縁に設けられた第2スリット551は、反射照明光学系5に入射した共通照明系2からの光の一部を透過することで、第1パターン光L1を整形する。第2スリット551を透過した第1パターン光L1は、第1パターン光L1以外の共通照明系2からの光とともに反射照明第4レンズ56でコリメートされた後に、第2ビームスプリッタ57に入射する。
次いで、第2ビームスプリッタ57は、入射した第1パターン光L1をマスク4側に反射させる。第2ビームスプリッタ57が偏光ビームスプリッタの場合、S偏光で入射した第1パターン光L1をマスク4側に反射させる。更にλ/4板59を透過する事で、第1パターン光L1は円偏光となる。
次いで、反射部材9は、第2ビームスプリッタ57でマスク4側に反射された円偏光となった第1パターン光L1を、所定の反射率で第2ビームスプリッタ57側に反射される。このとき、λ/4板59を再度透過する事から、第1パターン光L1はP偏光となり、第2ビームスプリッタ57を透過する事ができる。第2ビームスプリッタ57を透過した第1パターン光L1は、検出チューブレンズ61を透過した後に、透過検出ミラー81で反射される。透過検出ミラー81で反射された第1パターン光L1は、透過検出第1レンズ82および透過検出第2レンズ83を順に透過した後にスリット部材10に入射する。
次いで、スリット部材10に設けられた第1スリット101は、入射した第1パターン光L1の一部の第2パターン光L2を透過させる。一方、第1スリット101の外側の第1パターン光L1は、遮光板100において遮光される。スリット部材10を透過した第2パターン光L2は、透過検出センサ32のパターン投影部321で受光される。
そして、透過検出センサ32は、パターン投影部321で受光された第2パターン光L2を電気信号に変換することで第2パターン光L2を検出する。このとき、透過検出センサ32は、第2パターン光L2の変位量に応じた検出信号を出力する。
図4(a)は、本実施形態の変位量検出方法において、空気揺らぎが無いときのスリット部材10への第1パターン光L1の投影状態を示す図である。図4(b)は、図4(a)に対応するパターン投影部321の検出信号を示す波形図である。図4(c)は、図4(b)に対応するパターンピッチを示す図である。
図5(a)は、本実施形態の変位量検出方法において、空気揺らぎが有るときのスリット部材10への第1パターン光L1の投影状態を示す図である。図5(b)は、図5(a)に対応するパターン投影部321の検出信号を示す波形図である。図5(c)は、図5(b)に対応するパターンピッチを示す図である。
図4(a)および図5(a)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2の投影状態が異なる。具体的には、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11と、第2パターン光L2に含まれる第2部分L12とのY軸方向の間隔が異なる。
すなわち、図4(b)および図5(b)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2の検出信号の波形が異なる。具体的には、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11の検出波形WF1と、第2パターン光L2に含まれる第2部分L12の検出波形WF2とのY軸方向の間隔が異なる。
これにより、図4(c)および図5(c)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、隣接する検出波形WF1、WF2同士の中心間の間隔であるピッチが異なる。なお、図4(c)の例では、上から数えてn(nは自然数)番目の検出波形WF1とn番目の検出波形WF2とのピッチをanで表し、n番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF1とのピッチをbnで表している。また、図5(c)の例では、n番目の検出波形WF1とn番目の検出波形WF2とのピッチをAnで表し、n番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF1とのピッチをBnで表している。
(第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXの第1の検出例)
変位量検出回路11は、第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXを、例えば、次式にしたがって検出する。
ΔX=(An−an)tanθ (1)
但し、数式(1)において、Anは、空気揺らぎが有るときの第2パターン光L2のn番目の第1部分L11の検出波形WF1とn番目の第2部分L12の検出波形WF2とのピッチである。Anは、言い換えれば、変位量検出時のピッチである。
また、anは、空気揺らぎが無いときの第2パターン光L2のn番目の第1部分L11の検出波形WF1とn番目の第2部分L12の検出波形WF2とのピッチである。anは、言い換えれば、変位量を検出するための基準ピッチである。
また、tanθは、Y軸方向に対する第2部分L12の傾斜角θの正接である。
第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXの検出にあたって、変位量検出回路11は、数式(1)のan、tanθを既知の値として予め取得しておく。そして、変位量検出回路11は、透過検出センサ32から出力された第2パターン光L2の検出信号に基づいて数式(1)のAnを取得し、取得されたAnと、予め取得されたanおよびtanθとを用いて変位量Xを算出する。anは、空気揺らぎが無いときの値(理想値)であるので、第2パターン光L2の検出によるanの実測が困難である場合には、設計値すなわち定数であってよい。また、tanθも、設計値すなわち定数であってよい。
なお、数式(1)に用いるAn、anは、同じ波形に対応する値であれば、いずれの波形に対応する値であってもよい。
また、変位量検出回路11は、ΔX1:(A1−a1)tanθ、ΔX2:(A2−a2)tanθ、ΔX3:(A3−a3)tanθ・・・などの複数のΔX1、ΔX2、ΔX3・・・を総合的に判断して、第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXを算出してもよい。この場合、変位量ΔXは、複数のΔX1、ΔX2、ΔX3・・・の平均値であってもよい。複数の変位量ΔX1、ΔX2、ΔX3・・・を総合的に判断することで、1つの変位量と比較して変位量ΔXを高精度に検出できる。
(第2パターン光L2のY軸方向の変位量ΔYの検出例)
変位量検出回路11は、第2パターン光L2のY軸方向の変位量ΔYとして、検出波形WF1のY軸方向の変位量を検出する。
第2パターン光L2のY軸方向の変位量ΔYの検出にあたって、変位量検出回路11は、第2パターン光L2のY軸方向の変位すなわち空気揺らぎが生じる前の検出波形WF1のY軸方向の位置を、基準位置として予め取得しておく。そのうえで、変位量検出回路11は、変位量検出時に、透過検出センサ32から出力された第2パターン光L2の検出信号に基づいて、検出波形WF1のY軸方向の位置を取得する。そして、変位量検出回路11は、取得された検出波形WF1のY軸方向の位置の基準位置からの変位量を、変位量ΔYとして取得する。なお、検出波形WF1のY軸方向の基準位置は、設計値すなわち固定位置であってもよい。
また、変位量ΔYの検出に用いる検出波形WF1は、何番目の第1部分L11の検出波形WF1であってもよい。
また、変位量検出回路11は、複数の検出波形WF1のY軸方向の変位量を総合的に判断して、変位量ΔYを算出してもよい。この場合、変位量ΔYは、複数の検出波形WF1のY軸方向の変位量の平均値であってもよい。複数の検出波形WF1のY軸方向の変位量を総合的に判断することで、1つの検出波形WF1のY軸方向の変位量と比較して変位量ΔYを高精度に検出できる。
(第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXの第2の検出例)
変位量検出回路11は、第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXを、次式にしたがって検出してもよい。
ΔX=(Bn−bn)tanθ (2)
但し、数式(2)において、Bnは、空気揺らぎが有るときの第2パターン光L2のn番目の第2部分L12の検出波形WF2とn+1番目の第1部分L11の検出波形WF1とのピッチである。Bnは、言い換えれば、変位量検出時のピッチである。
また、bnは、空気揺らぎが無いときの第2パターン光L2のn番目の第2部分L12の検出波形WF2とn+1番目の第1部分L11の検出波形WF1とのピッチである。bnは、言い換えれば、変位量を検出するための基準ピッチである。
第1の検出例の場合と同様に、変位量検出回路11は、数式(2)のbn、tanθを既知の値として予め取得しておく。そして、変位量検出回路11は、透過検出センサ32から出力された第2パターン光L2の検出信号に基づいて数式(2)のBnを取得し、取得されたBnと、予め取得されたbnおよびtanθとを用いて変位量Xを算出する。数式(1)のanと同様に、bnは、設計値すなわち定数であってよい。
なお、数式(2)に用いるBn、bnは、同じ波形に対応する値であれば、いずれの波形に対応する値であってもよい。
また、変位量検出回路11は、ΔX1:(B1−b1)tanθ、ΔX2:(B2−b2)tanθ、ΔX3:(B3−b3)tanθ・・・などの複数のΔX1、ΔX2、ΔX3・・・を総合的に判断して、例えば、平均値などによって第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXを算出してもよい。また、総合的な判断(例えば、平均値の算出)においては、第1の検出例で説明した変位量すなわち(A1−a1)tanθ、(A2−a2)tanθ、(A3−a3)tanθ・・・を更に用いてもよい。
空気揺らぎが生じている場合、空気揺らぎが生じていない場合と比較してマスク検査装置1内の空気の屈折率が時間的に変動する。マスク検査装置1内の空気の屈折率が時間的に変動すると、第1パターン光L1の進行方向が変化するため、スリット部材10に対する第1パターン光L1の投影位置が変位する。スリット部材10に対する第1パターン光L1の投影位置が変位することで、スリット部材10の第1スリット101を通してパターン投影部321に投影すなわち受光される第2パターン光L2の位置も変位する。この第2パターン光L2の変位量は、空気揺らぎによる屈折率の時間的な変動が大きいほど大きくなるので、空気揺らぎによる光の変位量ということができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、空気揺らぎによる光の変位量を、第2パターン光L2の変位量として確実に検出できる。
(第1の変形例)
次に、複数の第1スリット101をTDIの積算方向に沿って配置した第1の変形例について説明する。なお、第1の変形例において、図1のマスク検査装置1に対応する構成部については、同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
図6(a)は、本実施形態の第1の変形例のマスク検査装置1において、パターン投影部321の入射側に配置されたスリット部材10を示す図である。図6(b)は、スリット部材10に投影された第1パターン光L1およびその一部の第2パターン光L2を示す図である。
第1の変形例において、透過検出センサ32は、X軸方向を電荷の積算方向とするTDIセンサである。
図6(a)に示すように、第1の変形例において、第1スリット101は、X軸方向に間隔を空けて複数設けられている。図6(b)に示すように、複数の第1スリット101のそれぞれには、第1パターン光L1が投影する。第1スリット101毎の第1パターン光L1は、例えば、視野絞り55における開口部の周辺に、複数の第2スリット551を設けることで生成してもよい。
ここで、TDIセンサは、積算方向に沿って電荷を次段のCCD(Charge Coupled Device)に転送することを繰り返すことで電荷を積算し、最終段のCCDにおいて、積算された電荷に応じた信号を出力する。したがって、TDIセンサの出力信号は、CCDの段数分平均化されている。CCDの段数が多いほど、TDIセンサの平均化効果が高くなり、各段のノイズの影響が少ない高精度の出力信号が得られる。
図2(b)に示したスリット部材10では、第1スリット101が1個のみであっため、透過検出センサ32としてTDIセンサを適用する場合に電荷の蓄積段数が少なくなる。これに対して、第1の変形例によれば、複数の第1スリット101を設けることで、電荷の蓄積段数を増加できる。これにより、透過検出センサ32すなわちTDIセンサの平均化効果を高めることができるので、第2パターン光L2を高精度に検出できる。第2パターン光L2を高精度に検出できるので、第2パターン光L2の変位量を高精度に検出できる。したがって、第1の変形例によれば、空気揺らぎによる光の変位量をより高精度に検出できる。
(第2の変形例)
次に、第1パターン光L1を複数の第1スリット101に投影させる第2の変形例について説明する。
図7(a)は、本実施形態の第2の変形例のマスク検査装置1において、パターン投影部321の入射側に配置されたスリット部材10を示す図である。図7(b)は、スリット部材10に投影された第1パターン光L1およびその一部の第2パターン光L2を示す図である。
図2のマスク検査装置1および図6(a)のマスク検査装置1では、1つの第1スリット101に対して1つの第1パターン光L1を投影していた。これに対して、第2の変形例では、複数の第1スリット101に対して1つの第1パターン光L1を投影する。
より具体的には、図7(a)に示すように、第2の変形例のスリット部材10には、X方向に沿って短い間隔および長い間隔を交互に開けて、複数の第1スリット101が設けられている。そして、第2の変形例においては、図7(b)に示すように、短い間隔を空けて設けられた2つの第1スリット101(以下、近接スリット群101、101ともいう)に、1つの第1パターン光L1が投影される。
図8(a)は、本実施形態の第2の変形例の変位量検出方法において、空気揺らぎが無いときのスリット部材10への第1パターン光L1の投影状態を示す図である。図8(b)は、図8(a)に対応するパターン投影部321の検出信号を示す波形図である。図8(c)は、図8(b)に対応するパターンピッチを示す図である。
図9(a)は、本実施形態の第2の変形例の変位量検出方法において、空気揺らぎが有るときのスリット部材10への第1パターン光L1の投影状態を示す図である。図9(b)は、図9(a)に対応するパターン投影部321の検出信号を示す波形図である。図9(c)は、図9(b)に対応するパターンピッチを示す図である。
図8(a)および9(a)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2の投影状態が異なる。具体的には、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11と、第2パターン光L2に含まれる第2部分L12とのY軸方向の間隔が異なる。
また、図8(a)に示すように、近接スリット群101、101同士の間でも、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11と、第2パターン光L2に含まれる第2部分L12とのY軸方向の間隔が異なる。
図8(a)および図9(a)に示した第2パターン光L2の投影状態の違いにより、図8(b)および図9(b)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2の検出信号の波形が異なる。具体的には、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、第2パターン光L2に含まれる第1部分L11の検出波形WF1と、第2パターン光L2に含まれる第2部分L12の検出波形WF2とのY軸方向の間隔が異なる。なお、近接スリット群101、101のそれぞれに対応する第2部分L12の検出波形WF2は、間に第1部分410の検出波形WF1を挟まずに連続している。
図8(b)および図9(b)に示した第2パターン光L2の検出波形の違いにより、図8(c)および図9(c)に示すように、空気揺らぎが無い場合と有る場合とでは、隣接する検出波形WF1、WF2同士のピッチが異なる。なお、図8(c)の例では、n番目の検出波形WF1とn番目の検出波形WF2とのピッチをanで表し、n番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF2とのピッチをbnで表し、n+1番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF1とのピッチをcnで表している。また、図9(c)の例では、n番目の検出波形WF1とn番目の検出波形WF2とのピッチをAnで表し、n番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF2とのピッチをBnで表し、n+1番目の検出波形WF2とn+1番目の検出波形WF1とのピッチをCnで表している。
ピッチに基づく第2パターン光L2のX軸方向の変位量ΔXの算出およびY軸方向の変位量ΔYの検出の具体例は、上述した検出例と同様でよい。
第2の変形例によれば、第1の変形例に対して第1スリット101の個数を更に増加できるので、透過検出センサ32のTDIセンサとしての平均化効果を更に高めることができる。これにより、第2パターン光L2を更に高精度に検出できるので、第2パターン光L2の変位量を更に高精度に検出できる。したがって、第2の変形例によれば、空気揺らぎによる光の変位量を更に高精度に検出できる。
マスク検査装置1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、マスク検査装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 マスク検査装置、31 反射検出センサ、32 透過検出センサ、4 マスク、551 第2スリット、9 反射部材、10 スリット部材、57 第2偏光ビームスプリッタ

Claims (5)

  1. 光源からの光を検査対象側に反射させて前記検査対象に照明し、かつ前記検査対象から反射された反射照明光を透過させる反射透過部材を有する反射照明光学系と、
    前記光源からの光を前記検査対象に照明し、前記検査対象を透過させる透過照明光学系と、
    前記反射透過部材を透過した前記反射照明光に基づく前記検査対象の光学画像を検出する第1TDIセンサと、
    前記検査対象および前記反射透過部材を透過した透過照明光に基づく前記検査対象の光学画像を検出する第2TDIセンサと、
    前記反射照明光学系の前記光源と前記反射透過部材との間に配置され、前記反射透過部材への前記光源からの光の一部を、第1パターンを有する第1パターン光に整形する光整形部と、
    前記反射照明光学系の前記反射透過部材と前記検査対象との間に配置され、前記反射透過部材により前記検査対象へ反射された光に含まれる前記第1パターン光を、所定の反射率で前記反射透過部材側に反射させ、かつ前記反射透過部材を透過させて前記第2TDIセンサ側に導く反射部材と、
    前記反射透過部材と前記第2TDIセンサとの間に配置され、前記反射透過部材を透過した前記第1パターン光を、前記第1パターンの一部が欠落した第2パターンを有する第2パターン光として部分的に透過させる第1スリットが設けられたスリット部材と、
    前記第2TDIセンサにおけるセンサ面のうち前記透過照明光に基づく検査対象の光学画像を検出する投影部とは異なる投影部で受光された前記第2パターン光の検出信号に基づいて前記第2パターン光の変位量を検出する変位量検出回路と、を備えることを特徴とする検査装置。
  2. 前記光整形部は、前記反射照明光学系の視野を制限する視野絞りに設けられた第2スリットであることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第1スリットは、光軸に直交する第1方向に延伸し、かつ、前記第1パターン光を部分的に透過するように前記光軸および前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パターン光より狭い幅を有し、
    前記第1パターン光は、前記スリット部材への投影状態において前記第1方向に直交かつ前記第2方向に平行となる第1部分と、前記投影状態において前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第2部分とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 前記第1方向に対する前記第2部分の傾斜角は45°以下であることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
  5. 光源からの光を検査対象側に反射させて前記検査対象に照明し、かつ前記検査対象から反射された反射照明光を透過させる反射透過部材を有する反射照明光学系と、前記光源からの光を前記検査対象に照明し、前記検査対象を透過させる透過照明光学系と、前記反射透過部材を透過した前記反射照明光に基づく前記検査対象の光学画像を検出する第1TDIセンサと、前記検査対象および前記反射透過部材を透過した透過照明光に基づく前記検査対象の光学画像を検出する第2TDIセンサとを備える検査装置において、空気揺らぎによる光の変位量を検出する変位量検出方法であって、
    前記反射照明光学系の光路内において、前記光源からの光を、前記光源と前記反射透過部材との間に配置された光整形部に照明し、前記光源からの光の一部を、第1パターンを有する第1パターン光に整形する工程と、
    前記反射照明光学系の光路内において、前記第1パターン光を、前記反射透過部材と検査対象との間に配置された反射部材に照射し、前記反射部材により所定の反射率で反射された前記第1パターン光を前記反射透過部材に透過させて前記第2TDIセンサ側に導く工程と、
    前記反射部材により反射された前記第1パターン光を、前記反射透過部材と前記第2TDIセンサとの間に配置されたスリット部材に照明し、前記第1パターンの一部が欠落した第2パターンを有する第2パターン光を整形する工程と、
    前記第2パターン光を、前記第2TDIセンサにおけるセンサ面のうち前記透過照明光に基づく光学画像を検出する投影部とは異なる投影部で検出し、この検出信号に基づき前記第2パターン光の変位量を検出する工程と、を備えることを特徴とする変位量検出方法。
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