JP4085261B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観が斬新で、飛び特性に優れたゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールにおいて、打ち出されたボールが大きな飛距離を得るためには、ボール自体に備わる高反発性と、ボール表面に配置されたディンプルによる飛行時の空気抵抗の低減が重要であることは周知であり、空気抵抗の低減のため、できるだけ高密度に且つ均等にディンプルをボール表面全体に配列する方法が種々提案されている。
ここで、通常用いられるディンプルの形状は平面視円形の窪みである。この様な円形ディンプルを高密度に配置するため、例えば隣合った2つのディンプルを区画する陸部の幅を零近くまで小さくしたとしても、配置されたディンプルの3個又は4個に囲まれた部分には、一定の広さを有する三角形状、四角形状等の、ある程度の大きさを有する陸部が形成されることとなる。一方、球面上には、ディンプルを可及的均等に配置することが不可欠であるため、円形ディンプルの配置密度はある程度妥協せざるを得ない。
【0003】
この様な背景のもとで、ディンプルを密度高く、均等に配置することを目的とし、直径が2〜5種類程度と異なるディンプルを、ボール球面を正八面体或いは正二十面体に見立てて配置することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記円形ディンプルを用いる限り、球面面積全体に対する総ディンプル面積の占有率は75%前後(又は陸部面積の占有率は25%前後)が実用上限度である。このため、ボール表面に配置されたディンプルによって、飛行時の空気抵抗を更に低減すべく、球面面積全体に対する総ディンプル面積の占有率を更に向上させることが求められていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平2001−212260号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、飛び性能に優れ、しかも、その表面のデザインが斬新なゴルフボールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、球状表面に、所定の広さの部分をとり囲むように非円形形状を描いて延びるリッジ状陸部をデザイン上斬新にバランス良く配置することによって、より具体的には、非円形の閉ループ状を有するリッジ部を、球状表面に配設することによって、優れた飛び性能を有するゴルフボールが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は下記のゴルフボールを提供するものである。
請求項1:
球状表面に、所定の広さの部分をとり囲むように多角形状を描いて延びるリッジ部を突設してなり、該リッジ部の中央部に1個の円形状の窪みを配置し、該円形状窪みと上記リッジ部との間に、該円形状窪みよりも直径が小さい小径円形状の窪みを配置してなることを特徴とするゴルフボール。
請求項2:
上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、円形環状に延びるリッジ部を有する請求項1記載のゴルフボール。
請求項3:
上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、直線状に延びるリッジ部を有する請求項1又は2記載のゴルフボール。
請求項4:
上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、楔状に屈曲して延びるリッジ部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項5:
上記リッジ部の頂部が、円弧状の輪郭を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項6:
上記円弧状輪郭の曲率半径が0.2〜2.0mmである請求項5記載のゴルフボール。
請求項7:
球状表面を基準とした前記リッジ部の高さが0.05〜0.4mmである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項8:
球状表面を基準とした前記窪みの深さが0.05〜0.4mmである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項9:
上記多角形状を描いて延びるリッジ部が球面8面体、20面体等球面多面体に準拠して配置されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項10:
ゴルフボールの大円に沿って延びるリッジ部を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゴルフボール。
請求項11:
上記多角形状を描いて延びるリッジ部が、球面20面体を構成するユニット三角形の頂点を同心として配置されると共に、ユニット三角形の中心部には、所定の直径を有する円形窪みが配置され、かつユニット三角形の中心部と上記リッジ部との間には、上記円形窪みよりも直径が小さい円形窪み配置される請求項1乃至10のいずれか1項記載のゴルフボール。
請求項12:
球状表面に、円形環状リッジ部と、該円形環状リッジ部を連接する直線状リッジ部とが配置されるゴルフボールであって、上記円形環状リッジ部及び直線状リッジ部は球面20面体に準拠して配置されると共に、該球面20面体を構成するユニット三角形の3つの頂点位置、ユニット三角形の各辺の中点位置、ユニット三角形の中心位置、及びユニット三角形の中心位置と各頂点位置とのほぼ中点位置には、上記円形環状リッジ部がそれぞれ同心として設けられており、更に、円形環状リッジ部同士が直線状リッジ部により連接されていることを特徴とするゴルフボール。
【0008】
従来、ゴルフボールの球状表面にディンプル(窪み)を形成する際には、球状表面に占めるディンプルの占有率が大きい程ボールの飛び性能が良いことが知られているが、本発明は、外観上、球面をえぐるように形成したディンプルをゴルフボール球面上に配置するのではなく、球状表面に、所定の広さの部分をとり囲むように非円形形状を描いて延びるリッジ部(以下、「所定の広さの部分をとり囲むように非円形形状を描いて延びるリッジ部」を「非円形形状リッジ部」と略記することがある。)を一体に突設し、このリッジ部によって形成されるゴルフボール表面形状に着眼したものである。
即ち、リッジ部の頂部位置に球面を仮想すると、リッジ部の頂部表面は、上述した従来の技術でいうところの、ディンプルの配設によって形成される「球状表面としての陸部(球状表面の残部)」に相当するものである。
従って、リッジ部の頂部表面積が、ゴルフボール表面積に占める割合を低減することにより、従来の技術でいうところの、ディンプルの配設によって形成される球状表面としての陸部(球状表面の残部)総面積が球面面積全体に占める割合を低減するのと同様の効果を得ることができる。
しかも、本発明は、上記リッジ部を、球状表面に所定の広さの部分をとり囲むように非円形形状を描いて延びるように形成し、その複数をバランスよく球状表面に配設することによって、ゴルフボールの飛行時における空気力学的性能を向上させ、ゴルフボールのより大きな飛距離を実現するものである。
【0009】
本発明において用いられる、上記非円形形状リッジ部としては、円形以外の形状をなしてゴルフボール球状表面を区画するように連なる閉ループ状のリッジ部であれば特に限定されるものではないが、中でも、三角形状、四角形状、五角形状等の凸多角形状(好ましくは正凸多角形状)、星形状等の凹多角形状(好ましくは正凹多角形状)の形状をなして連なる閉ループ状のリッジ部から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。
さらに本発明のゴルフボールの球状表面には、上記非円形形状リッジ部に加え、美観その他本発明の目的を損なわない限り、種々形状のリッジ部を混用しても良い。このような種々形状のリッジ部の具体例としては、円形環状リッジ部、直線状リッジ部、楔状リッジ部、ゴルフボールの最大円に沿って延びるリッジ部、多少変形した円形環状リッジ部等が挙げられる。なお、上記最大円のリッジ部を本発明のゴルフボールに採用する際、ゴルフボールの成形に使用される二分割タイプ金型のパーティングライン(金型の球状キャビティの赤道位置)と一致させて設けた場合、ボール成形時に、金型のパーティングライン上に生じるバリ除去工程における仕上げ加工(トリミング)を容易にすることができるため好適である。
【0010】
また、本発明のゴルフボールを成形するための金型作製には、3DCAD・CAMを使用し、反転用マスター型に、全表面形状を直接3次元で削りだす方法、或いは、成形用金型のキャビティ部を直接3次元で削りだす方法を用いることができる。
【0011】
本発明において、上記非円形形状リッジ部の大きさについては特に制限はなく、小から大まで如何様でも良い。
本発明においては、上記非円形形状リッジ部が球状表面に複数個、バランス良く配置されことが好ましい。配置される上記非円形形状リッジ部の総数に特に制限はないが、上記非円形形状リッジ部の形状、大きさや、他に採用される種々形状のリッジ部の形状、大きさ、個数等を鑑みて、適宜設定することができる。
【0012】
また、上記非円形形状リッジ部をバランス良く球状表面に配置する観点から、球面20面体、球面12面体、球面8面体等の球面多面体を、上記非円形形状リッジ部を配置する際の基準多面体として利用することが好適である。
【0013】
本発明における前記非円形形状リッジ部は、球状表面に個々の非円形形状リッジ部が独立するように配置しても、全ての非円形形状リッジ部が互いに交差するように配置しても、一部の非円形形状リッジ部のみが互いに交差するように配置してもよい。また、上記非円形形状リッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、このリッジ部と相似形状のより小さいリッジ部を配置しても良いし、上記非円形形状リッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、円形環状に延びるリッジ部を配置することも可能である。
【0014】
本発明において、前記非円形形状リッジ部その他本発明のゴルフボール表面上に一体に突設されるリッジ部の頂部輪郭形状については特に制限はなく、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定することができるが、例えば円弧状、放物線状、三角形状,四角形状,五角形状などの多角形状(好ましくは正多角形状)等の形状が挙げられる。リッジ部の頂部位置での面積(従来の技術でいうところの「球状表面としての陸部面積」)の低減の観点、及びリッジ部の耐久性の観点から、リッジ部の頂部輪郭形状としては、中でも円弧状または放物線状の形状であることが好ましい。
リッジ部の頂部輪郭が円弧状である場合、当該円弧の曲率半径としては、0.2〜2.0mmであることが好ましい。円弧の半径が0.2mmより小さいと、ボールを打撃したとき削られ易いためリッジ部の耐久性が低下する場合があり、2.0mmより大きいと、リッジ部の頂部位置での面積が増え過ぎて空気抵抗が増加し易くなる場合がある。
【0015】
前記リッジ部の輪郭形状について、頂部から球状表面に連なる裾部の形状についても、本発明の目的を損なわない範囲でその形状を適宜設定することができるが、ゴルフボール塗装時に塗膜を、リッジ部を含めて球面上に均一形成する観点や、ボール上に種々のマークを印刷する際の、リッジ部を含む球面上の転写性の観点から、リッジ部の裾部輪郭は、ゴルフボールの中心方向に向けて凸状の円弧形状であることが好ましい。
リッジ部の裾部輪郭が、ゴルフボール中心方向に向けて凸状の円弧形状を有する場合、この円弧の曲率半径としては、0.5〜10mmであることが好ましい。当該範囲を外れると、ゴルフボール塗装時に塗膜を、リッジ部を含めて球面上に均一形成することができない場合や、ボール上に種々のマークを印刷する際に、リッジ部を含む球面上の転写性が低下する場合がある。
【0016】
前記非円形形状リッジ部その他本発明のゴルフボール表面上に一体に突設されるリッジ部の、球状表面を基準とした高さとしては、通常0.05〜0.4mm、好ましくは0.1〜0.25mmである。高さが0.05mmより小さくても、高さが0.4mmより大きくても、ゴルフボールの空気力学的性能が損なわれて飛距離に劣る場合がある。
なお、空気力学的性能の観点から、前記非円形形状リッジ部その他本発明のゴルフボール表面上に一体に突設されるリッジ部の高さは、ゴルフボール表面全面に亘り均一であることが好ましい。
【0017】
本発明のゴルフボールにおいては、上記非円形形状リッジ部や上記種々形状のリッジ部に加え、種々形状の窪みを形成することも好適に行われる。
上記窪みの平面視形状としては特に限定されないが、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形等の凸多角形(正凸多角形を含む)、星形等の凹多角形(正凹多角形を含む)等が挙げられる。
これら窪みの深さ方向の形状についても特に限定されるものではなく、ボールの中心に向かって突出した曲面を有しても良いし、底部が平坦に形成されていてもよい。
球状表面を基準とした上記窪みの最大深さとしては、0.05〜0.4mmが好ましく、0.1〜0.25mmがより好ましい。最大深さが0.05mmより小さくても、最大深さが0.4mmより大きくても、ゴルフボールの空気力学的性能が損なわれて飛距離に劣る場合がある。
なお、空気力学的性能の観点から、前記窪みの最大深さは、ゴルフボール表面全面に亘り均一であることが好ましい。
【0018】
本発明においてゴルフボール半径とは、ゴルフボールの中心から上記リッジ部の頂部に至る放射方向の距離であって、ゴルフボールのルールに適合するように適宜設定される。
【0019】
本発明のゴルフボールの表面は上記構成を有するため、ゴルフボール半径位置(非円形形状リッジ部その他本発明のゴルフボール表面上に一体に突設されるリッジ部の頂部位置)における仮想球面の面積に占める、上記リッジ部の頂部位置における表面積(従来の技術でいうところの、ディンプルの配置によって形成される球状表面としての陸部(球状表面の残部)面積)の割合は非常に小さなものである。特に、リッジ部の頂部輪郭が円弧状あるいは放物線状である場合には、リッジ部の頂部位置における表面積の、ボール半径位置(リッジ部の頂部位置)における仮想球面の面積に対する占有率、或いは、ボール表面積に対する占有率を実質上0%、または0%に著しく近い値とすることが可能であり、飛行時における空気抵抗の低減に非常に有利である。
【0020】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明を図面に基づき説明する。
図1は、本発明における参考例1を説明する、ゴルフボール1の概略平面図である。
このゴルフボール1は、球状表面10上に上記非円形形状リッジ部として星形状リッジ部11と、ゴルフボールの最大円に沿って延びるリッジ部12とが突設されたものであり、星形状リッジ部11とゴルフボールの最大円に沿って延びるリッジ部12とが、球状表面10上にバランス良く配置されている。
【0021】
ゴルフボール1においては星形状リッジ部11の配置にあたり、球面20面体配置が適用されている。図1上に、球面20面体を構成するユニット三角形13を2点鎖線で示した。ユニット三角形13の3つの頂点131位置には、該頂点131と同心を有する星形状リッジ部11が配置されている。
図1にはユニット三角形として、ユニット三角形13のみが図示されているが、ユニット三角形は球状表面全面に亘って配置され、夫々のユニット三角形をもとに、上記星形状リッジ部11が上記と同様に配置されている。従って、ユニット三角形13の各頂点には5つの隣接するユニット三角形の頂点が共通して位置し、当該ユニット三角形13内には星形状リッジ部11全体の1/5の部分が配置されている(以下の参考例及び第1実施例及び第2実施例においても同様である)。
【0022】
図2は、本発明における参考例2を説明する、ゴルフボール2の概略平面図である。
このゴルフボール2の球状表面20上には、2種類の大きさの星形状リッジ部21,22と、単一の大きさの比較的小さな円形環状リッジ部23とがバランス良く配置されている。ゴルフボール2においても、上記星形状リッジ部21,22を配置するにあたっては、球面20面体を基準としている。球面20面体を構成するユニット三角形24を、図2に2点鎖線で示した。
【0023】
ゴルフボール2において、星形状リッジ部21は、ユニット三角形24の3つの頂点241を同心として配置され、該星形状リッジ部21内には、これと同心を有するやや小さな星形状リッジ部22が配置されている。また、ユニット三角形24の内部領域には、単一の大きさの比較的小さな円形環状リッジ部23が3個、ユニット三角形24の形状に即してバランス良く配置されている。
【0024】
図3は、本発明における参考例3を説明する、ゴルフボール3の概略平面図である。
このゴルフボール3の球状表面30上には、星形状リッジ部31と比較的小さな円形環状リッジ部32とが、球面20面体を構成するユニット三角形33を基準としてバランス良く配置されている。
ゴルフボール3において、星形状リッジ部31は、ユニット三角形33の3つの頂点331を同心として配置され、該星形状リッジ部31内には、これと同心を有するやや小さな円形環状リッジ部32が配置されている。
また、ユニット三角形33の内部領域には、上記の円形環状リッジ部32が3個、ユニット三角形33の形状に即してバランス良く配置されている。
【0025】
図4は、本発明における参考例4を説明する、ゴルフボール4の概略平面図である。
このゴルフボール4においては、球状表面40上に2種類の大きさの星形状リッジ部41,42と、比較的小さな単一の大きさの円形環状リッジ部43と、二種類の大きさの直線状リッジ部44,45と、3種類の大きさの楔状リッジ部46,47,48とがバランス良く配置されている。各リッジ部の配置にあたっては他の実施例や参考例と同様、球面20面体を構成するユニット三角形49が適用されている。
【0026】
星形状リッジ部41は、ユニット三角形49の3つの頂点491を同心として配置され、星形状リッジ部41内には、これと同心を有するやや小さな星形状リッジ部42が配置されている。
星形状リッジ部41と42との間の領域には、ユニット三角形の中心492とユニット三角形の頂点491とを結ぶ方向に沿って直線状リッジ部44が3本所定間隔を置いて配置されると共に、ユニット三角形49の各辺493を跨ぐようにして楔状リッジ部46が、上記直線状リッジ部44と間隔及び配置位置の面で関係を持たせて配列されている。
また、ユニット三角形の中心492と同心に比較的小さな円形環状リッジ部43が配置され、該円形環状リッジ部43と星形状リッジ部41との間の領域には、ユニット三角形の中心492とユニット三角形の頂点491とを結ぶ方向に沿って比較的長い直線状リッジ部45が3本所定間隔を置いて配置されると共に、それら直線状リッジ部45が配置されない領域には楔状の大小2個のリッジ部47,48が、上記3本の直線状リッジ部45と間隔及び配置方向等バランスを持たせて配置されている。
【0027】
図5は、本発明における第1実施例を説明する、ゴルフボール5の概略平面図である。
このゴルフボール5においては、球状表面50上に球面20面体を構成するユニット三角形51の各頂点511を同心として、星形状リッジ部52が配置されると共に、ユニット三角形51の3つの各頂点511を同心として比較的直径が大きな円形窪み531が配置され、円形窪み531と星形状リッジ部52の凸部との間の領域には、比較的小さな円形窪み532が夫々所定の間隔をおいて2個配置されると共に、星形状リッジ部52の凹部とユニット三角形の頂点511を同心として位置する上記円形窪み531との間の領域には、円形窪み531より小さく上記円形窪み532よりも大きな円形窪み533が配置される一方、ユニット三角形51の中心部には、上記円形窪み533と同一の大きさの窪みが3個、また、当該ユニット三角形51の中心部に配置された3個の円形窪みとユニット三角形の各辺513との間の領域には、上記円形窪み533と同一の大きさの窪みが4個、バランス良く配置されている。
さらに、星形状リッジ部52と、ユニット三角形51の中心部に配置された上記円形窪み533と同一の大きさを有する3個の円形窪みとの間の領域には、多角形窪み(菱形窪み)54が配置されている。
【0028】
図6は、本発明における第2実施例を説明する、ゴルフボール6の概略平面図である。
このゴルフボール6においては、球状表面60上に単一の大きさの円形環状リッジ部61と、円形環状リッジ部61を連接する直線状リッジ部62とがバランス良く配置されている。ゴルフボール6においても、上記円形環状リッジ部61あるいは直線状リッジ部62を配置するにあたっては、球面20面体が適用されている。球面20面体を構成するユニット三角形63を、図6に2点鎖線で示した。
ゴルフボール6において、円形環状リッジ部61は、上記ユニット三角形63の3つの頂点631位置、ユニット三角形の各辺の中点632位置、ユニット三角形の中心633位置、さらにユニット三角形の中心633位置と各頂点631位置とのほぼ中点位置をそれぞれ同心として設けられ、それぞれの円形環状リッジ部61は、比較的短い直線状リッジ部62によって適宜連接されている。従って、ゴルフボールの球状表面60上には、比較的小さな多数の三角形状の区域が形成されることとなり、該三角形状の区域は、非円形形状リッジ部により区分けされることとなっている。
【0029】
図7は、図1に示したゴルフボール1表面に配置された非円形形状リッジ部の断面図(図1におけるA−A断面図)である。上記ゴルフボール2〜ゴルフボール6においても同様の断面形状のリッジ部が採用されている。
図7に示すように、上記リッジ部は頂部位置において円弧状の輪郭断面形状を有し、その頂部における曲率半径がRtである。また、球状表面Srの延長線である球状表面仮想線Siを基準としたリッジ部の高さをhで示している。
本発明の実施例や参考例であるゴルフボール1〜ゴルフボール6において、リッジ部の頂部から球状表面に連なる裾部の形状としてはゴルフボール中心方向に向けて凸状の円弧状曲面を有するものであり、この円弧の曲率半径がRbである。
【0030】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールによれば、球状表面に、非円形形状リッジ部を一体に突設することによって、打球の空気抵抗を減少させ、ゴルフボールの飛び性能を飛躍的に増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図2】 本発明の参考例2を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図3】 本発明の参考例3を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図4】 本発明の参考例4を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図5】 本発明の第1実施例を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図6】 本発明の第2実施例を説明する、ゴルフボールの概略平面図である。
【図7】 本発明の実施例及び参考例に用いた非円形形状リッジ部の、断面形状を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 ゴルフボール
10 球状表面
11 星形状リッジ部
12 ゴルフボールの最大円に沿って延びるリッジ部
13 ユニット三角形
A リッジ部断面切断端点
h リッジ部の高さ
Rt リッジ部の頂部における曲率半径
Rb リッジ部の頂部から球状表面に連なる裾部における曲率半径
Sr 球状表面
Si 球状表面仮想線

Claims (12)

  1. 球状表面に、所定の広さの部分をとり囲むように多角形状を描いて延びるリッジ部を突設してなり、該リッジ部の中央部に1個の円形状の窪みを配置し、該円形状窪みと上記リッジ部との間に、該円形状窪みよりも直径が小さい小径円形状の窪みを配置してなることを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、円形環状に延びるリッジ部を有する請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、直線状に延びるリッジ部を有する請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記多角形状を描いて延びるリッジ部内及び/又は同リッジ部外の部分に、楔状に屈曲して延びるリッジ部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  5. 上記リッジ部の頂部が、円弧状の輪郭を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  6. 上記円弧状輪郭の曲率半径が0.2〜2.0mmである請求項5記載のゴルフボール。
  7. 球状表面を基準とした前記リッジ部の高さが0.05〜0.4mmである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  8. 球状表面を基準とした前記窪みの深さが0.05〜0.4mmである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  9. 上記多角形状を描いて延びるリッジ部が球面8面体、20面体等球面多面体に準拠して配置されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  10. ゴルフボールの大円に沿って延びるリッジ部を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  11. 上記多角形状を描いて延びるリッジ部が、球面20面体を構成するユニット三角形の頂点を同心として配置されると共に、ユニット三角形の中心部には、所定の直径を有する円形窪みが配置され、かつユニット三角形の中心部と上記リッジ部との間には、上記円形窪みよりも直径が小さい円形窪み配置される請求項1乃至10のいずれか1項記載のゴルフボール。
  12. 球状表面に、円形環状リッジ部と、該円形環状リッジ部を連接する直線状リッジ部とが配置されるゴルフボールであって、上記円形環状リッジ部及び直線状リッジ部は球面20面体に準拠して配置されると共に、該球面20面体を構成するユニット三角形の3つの頂点位置、ユニット三角形の各辺の中点位置、ユニット三角形の中心位置、及びユニット三角形の中心位置と各頂点位置とのほぼ中点位置には、上記円形環状リッジ部がそれぞれ同心として設けられており、更に、円形環状リッジ部同士が直線状リッジ部により連接されていることを特徴とするゴルフボール。
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