JP5025229B2 - ゴルフボールの製造方法 - Google Patents

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この発明は全般的には「シームレス」ゴルフボールを製造するのに用いる非平坦分割面を有する改良されたゴルフボール金型に関し、より具体的には、コンピュータ化された成型システムに用いる非平坦面を画定する方法に関する。
通常のゴルフボール製造技術は、ボールの種類、例えばワンピース、ツーピース、スリーピース、それ以上のピースのボールに応じていくつかの異なるステップを含む。伝統的な手法によれば、ソリッドまたは複合的なエラストマー性コアが用いられ、外側のディンプルカバーがコアの回りに形成される。
コアの上、またはコアおよび内側層の上にカバーを成型する2つの標準的な手法は、圧縮成型および射出成型である。圧縮成型作業は、キャビティ内に機械加工等により設けられた突起の列を具備する半球状の金型のペアを用いて実現され、それら突起がカバー成型作業においてゴルフボールの周囲にディンプルパターンを形成する。ペアの半球状のカバー素材板(blank)がゴルフボール本体上に正反対の位置に配置され、ゴルフボール本体がカバー素材板とともに半球状の金型中に配置され、そののち、圧縮成型作業を受ける。成型作業中に加えられる熱および圧力の組み合わせにより、カバー素材板が相互に、またゴルフボール本体と融合して当該ゴルフボール本体を包囲する一様なワンピース構造を形成する。さらに、カバー素材板は同時に半球状の金型の内側形状と適合するように成型されゴルフボールカバーの周囲にディンプルパターンを形成することになる。ディンプルの突起を金型キャビティ内で機械加工するときに、それら突起は、典型的には、製造される成型キャビティの理論状の分割線より下に配置される。分割線は典型的にはディンプル形成プロセスの後に機械加工される。製造を容易にするために、キャビティ状の分割線は平坦かつディンプル処理される面と直交して機械加工されてしっかりと遮断されカバー材料が金型から漏れでないようにする。このようなディンプルの配置および平坦な分割線に起因して、ゴルフボール上の大きな円形の軌跡に基本的にディンプルが欠落することになる。これは一般にボールの赤道、分割線または継ぎ目(seam)と呼ばれる。長い間、このような継ぎ目に起因する美観および/または飛行性能を補償するためにディンプルパターンの研究が行われてきた。
すべての成型作業と同様に、成型作業後にゴルフボールを半球状の金型から取り外すときに、成型フラッシュおよび他の可能性のある突出面欠陥を伴う。成型フラッシュはカバー素材板の融合円形の接合位置および半球状の金型の分割線に位置する。したがって成型フラッシュはゴルフボールの「赤道」上にある。
成型フラッシュおよび他の可能性のある表面から突出する欠陥は除去しなければならず、これは通常つぎのものの1または組み合わせにより行われる。すなわち、切断ブレード、研磨ベルト、または砥石、その他である。これらの種類の作業は継ぎ目の見た目を助長する。代替的な仕上げ処理は、この効果を最小化するために開発されてきた。これらの処理は、溶剤による攪拌、固いブラシ、低温フラッシュ除去等を含む。仕上げ処理にかかわらず、実質的にディンプル被覆のない領域において平坦の分割線が形成されてきた。
研削によりフラッシュを除去するときには、成型フラッシュがゴルフボールの表面のみに配置され、いずれのディンプル中にも伸びないように成型作業を実現することが好ましい。換言すると、研削作業は、ゴルフボールカバーを破損することなく、成型フラッシュを除去するためにゴルフボールのディンプル中に到達することは困難である。したがって、従来の半球状の金型は、基本的に、その内部に形成されるディンプル形成突起が円形なリム、すなわちキャビティの口部分から後退するように加工されている。この結果、成型されたゴルフボールの赤道にはディンプルがなく、成型フラッシュはゴルフボールの赤道に設けられた平滑な面上にのみ位置することになる。
ゴルフボールのディンプルパターンは、ゴルフボールの飛行特性に関する限り、決定的に重要な要素であることが広く知られている。ディンプルはゴルフボールの揚力、抗力および飛行暗転性を左右する。ゴルフボールを適切に打ったときに、ゴルフボールは水平軸の回りを回転し、ディンプルおよび到来空気流の間の相互作用により所望の揚力、抗力および飛行安定特性が実現される。
ゴルフボールが一貫して最適な飛行を行うようにするために、ディンプルは複数の対称軸に関して配列される必要がある。そうでなければ、それは方向に左右されて異なる態様で飛行することになる。ほとんどの従来のゴルフボールは、単一の無ディンプルの赤道の分割線を含み、自ずと、対称軸の数を1つに限定することになる。一貫して良好な飛行を実現するために、この制約を補償するために所定のディンプルの位置および/または寸法および/または形状を調整する必要がしばしばある。代替的には、付加的な無ディンプルの「偽」の分割線を組み入れて対称軸を付加することもできる。しかしながら、この慣行はボール上の無ディンプル表面の量を増大させ、この結果、ボールの飛行距離を減少させることになる。
性能を向上させ、また一貫性を付与するために、調整や偽分割線の付加を必要としないディンプルパターンを利用することが好ましい。したがって、赤道の分割線を除去することが好ましく、赤道と交差するディンプルを含ませることによりそれを実現することが最善である。ボールの赤道上にディンプルを配置することを目指すいくつかの米国特許は、米国特許第6632078号(特許文献1、Ogg等)、同第6200232号(特許文献2、Kasashima等)、同第5840351号(特許文献3、Inoue等)、および同第4653758号(特許文献4、Solheim)を含む。これら特許は「段々」(stepped)の、または「ジグザグ」の分割線を導入する。これは対称性への適合が増大する可能性をもたらすが、それらはディンプル被覆率を向上させるのに十分ではなかった。なぜならば、分割線が直線的な線分を含み、赤道の両側でディンプルが相互入り組み状でなかったからである。段々の経路は、多くのディンプルが相互入り組み状にならないようにするので、しばしばディンプル被覆率の逸失につながる。米国特許第6936208号(特許文献5、Ogg)は、隣接した凹状および凸状のタブの重なり合いにより形成された部分的または連続したタブを形成してボールの回りの継ぎ目の寸法を小さくすることを教示している。
したがって、フラッシュ除去時にディンプルの損傷を抑え、対称的な性能を改善し、ディンプル被覆率を増大させ、赤道の見た目の印象を和らげ、また、フラッシュおよびそれを除去するための労力を減少させる分割線形状を有する、新たな改善されたゴルフボールを製造する金型に対する要望が存在する。
この発明はゴルフボール上に注型可能なカバー(例えば、ウレタン)を形成する金型を提供する。金型は、非平坦な分割線に沿って取り外し可能に係合する半球状の金型カップ、すなわち、上側金型カップおよび下側金型カップを含む。双方のカップは内部のキャビティ細部を有し、組付けられたときに、全体として球形のキャビティを形成し、ゴルフボール上にディンプルパターンを提供する。上側および下側の金型カップは非平坦な係合面を有し、各面は複数の峰部および谷部を有し、コンピュータモデリングシステムにより形成される。組付けられた状態で、分割線はディンプルの輪郭パターンに沿い、一方の金型カップのディンプルの輪郭パターンが他方の金型カップのディンプルの輪郭パターンと相互に入り込めるようにし、これにより、実質的に継ぎ目のないゴルフボールを形成する。上側の金型の非平坦な面は少なくとも3つの本物のスプルーと3つの偽のスプルーとを有し、より好ましくは5個の本物のスプルーと5個の偽のスプルーとを有する。他の実施例は、これらスプルーを非平坦な面に具備する下側金型を含む。偽のスプルーは後退部を有し、ここでタブがカバーに付加されてゴルフがバフ研磨機中で回転するときにゴルフと整合する。タブはその後ナイフ処理により除去される。
この発明は、後に除去されて廃棄されるタブが非平坦面の15%未満しか占めないようにする。これにより、配置される材料の量を実質的に減少できる。
この発明は非平坦なゴルフボール分割面を成型する方法を実現し、この方法は、まず、ゴルフボールを表す三次元コンピュータモデルを生成し、つぎに、指定された平面上で二次元曲線として表される分割線プロフィールを構築するステップを含む。第2に、分割線プロフィールがゴルフボールモデルの三次元表面に投影され、このプロフィールが、ゴルフボール金型のモデルの分割面を形成する分割線を含む照射面を生成する。最後に、非平坦分割面がゴルフボール金型上にCNC機械加工ツールを用いて製造される。
この発明はコンピュータ化モデリングシステム例えばCAD(コンピュータ支援設計)またはCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)のいずれかを用いて非平坦な分割線のプロフィールを生成する。
この発明の他の目的は、相互に連結され、ディンプルの回りおよびディンプル間の経路を交差することなく織りなすアーク線分からなる分割線プロフィールを形成することにある。
発明の詳細な説明
図1〜図4は、この発明の改良された金型を示しており、金型は参照番号30で示され、これらの図を参照すると、球状のキャビティ31を有する金型30がゴルフボール用のカバーを形成するために使用される。ここで、金型30は半球状の金型半体、すなわち上側金型半体32および下側金型半体33を有し、双方の半体はディンプルキャビティ細部34a、34bをそれぞれ有し、上側金型半体の細部34aは図2、2Aおよび2Bに示し、これはコア上に注型可能なカバー用のものであり、図3および3Aにおいて、Surlynから製造されるカバーを形成するように設計された金型であり、半体を係合したときにそれら半体がディンプル配列を定義する。任意のディンプル配列、例えば、二十面体、八面体、立方八面体(cubeoctahedral)、両錐(dipyramid)等がディンプルパターンを有する。上述から好ましいディンプルは円形であるけれども、ディンプルは卵形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等であってよい。実現可能な断面形状は、これに限定されないが、円弧、円錐台、平坦化だれた台形、および放物線、楕円、半球曲線、皿形曲線またはサイン曲線により定義されるプロフィールを含む。他の実現可能なディンプルのデザインは、ディンプル中のディンプルおよび一定深さのディンプルを含む。さらに、必要な場合には、複数の形状または種類のディンプルを単一のボールに用いても良い。
上側および下側の金型半体32および33は非平坦な分割線面35および36をそれぞれ有し、これらは図4に最も良く示されるように段々になっており、各面35および36は峰部および谷部を有し、これらは以下に検討するようにコンピュータ化モデリングシステムを用いる画定、モデリング、および製造方法により生成される。組付けられたときに、非平坦の分割線37はディンプル輪郭線に従い、一方の金型半体のディンプルが、係合側の金型半体のディンプルと相互に組み合い、実質的にシームレスの外観を有するゴルフボールを形成できる。
非平坦の分割線37は機械加工されて赤道のディンプルのプロフィールに従う。典型的には、非平坦の分割線は、機械加工されるときに、少なくとも0.001インチ赤道のディンプルから離れて、ディンプルの周囲と衝突しないようにする。これにより、波形の分割線が形成され、これは複数の峰部および谷部を有する。典型的には、峰部(分割線の最も高い点)はキャビティ半体の理論状の中央より上に配置され、谷部(最も低い点)はキャビティ半体の理論状の中央より下に配置される。峰部および谷部の間のオフセット距離はディンプルの径の約半分程度すなわち0.001インチ程度である。0.001インチ程度のオフセットを組み入れたデザインでは、ディンプルが相互に組み入れ合うという利点があり、キャビティ中にわずかな量に切り落としを生じさせるだけである。このような交互的な幾何形状は金型半体32および33の分割線面に全体に渡って一貫している。
この発明のキャビティのデザインは、射出成型、圧縮成型および注型を含む任意のゴルフボール成型プロセスに適用できる。これは、標準的な平坦な分割線に加え「シームレス」なゴルフボールを製造するために用いられる非平坦な分割線に適用できる。
この発明のキャビティデザインは、ゴルフボールの非平坦な分割線37に必要な段々状のリム定義を生成する上述の方法に組み入れられる。以下に説明されるようにデザインの基本は、ボールがSurlynまたは注型可能なカバーを具備するかどうかにかかわらず適用される。ただし、上述のとおり、金型はカバー材料に応じて異なる構造を有する。
多くの今日の「シームレス」の成型方法は、非平坦の分割線の理論上の中央平面を行き来するディンプルのグループを定義する。この発明の上述した方法は、ディンプルパターンがどのようなものであれ、各ディンプルの位置を容易かつ個別に定義でき(ディンプルのグループとしてではなく)、これによりキャビティの起伏のある面を定義できる。
この発明の主たる独創的な考え方は、図2、2A、および2Bに示され、これは、注型可能なカバー付きボールを生成するために下側金型33と係合する金型面35を有する上側金型32を示す。この発明の非平坦な分割線のキャビティデザインは等間隔に離間された3個以上の排出部(スプルー)を利用し、ディンプルパターンに依存する。図示のとおり、図2、2A、2Bは5個の本当の排出部40と5個の偽の排出部50を示す。偽の排出部50(図2B)のデザインは、小さな材料部分(「タブ」)がボール上に意図的に成型されナイフ処理によりそれらが除去されるまでボールに止まるようになっている。このタブは堰止め部52を具備するランド領域51によるものであり、比較的小さな後退部53にカバー材料が満たされて「タブ」を形成する。偽の排出部50に加えて、このキャビティデザインは5個の本当の排出部40を組み込み、これが図2Aに示される。本当の排出部40は、捕捉された空気、および/またはコアを包囲する材料の内過剰な部分を必要なだけ外部に流出させる排出孔を実現する。上述のとおり、好ましい実施例では、上側金型32のみが排出部40および50を具備するけれども、この発明の技術的な範囲から逸脱することなく、双方の金型32および33に排出部40および50を具備させて良いことに留意されたい。
図3および3Aはカバー材料としてSurlynを成型する上側金型32aを示す。Surlynのカバーを成型するときに、金型は偽の排出部50を含まず、むしろ開口された排出部55を含み、これは全成型面35aを横切って伸びる。
カバー材料がSurlynかどうかにかかわることなく、また、圧縮成型または後退ピン成型であるかどうかにかかわることなく、注型可能なカバー例えばウレタンまたは尿素であるかどうかにかかわることなく、結果としてのゴルフボールは「シームレス」の外観を有することになる。
3つの要素、すなわち、第1に、非平坦な分割線、第2に、成型され実際の排出部から後退して残されたタブ、そして、第3に、偽の排出部の形態で成型されたタブの組み合わせにより、シームレスのボールがバフ研磨機に入るように方向づけることが可能になる。ゴルフボールがバフ研磨機の配向ステーションで回転しているときに、成型されたタブは実際のバフラインの位置を決定する。予め定められた時間の間に整合が完了しないと、ボールはバフ研磨されず、未研磨のボールとして排出され、後刻、機械を通る他のパスを必要とする。この発明の肝となる概念は、除去対象の過剰なフラッシュを最小化するタブを生成して時間および材料の無駄を少なくすることである。除去対象のタブ材料の最大量は、周囲の15%未満に維持される。この発明により生成されるタブの他の特有の利点は、切断ナイフで除去できることであり、これはフラッシュのバフ研磨や研削に対して時間を節約するということである。


上述の金型30の非平坦の分割線は、コンピュータ化されたモデリングシステム、例えば、CAD(コンピュータ支援デザイン)、CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)、または同様の種類のシステムをCNC機械加工ツールとともに使用して生成した段々のリム形状(非平坦の分割面)を具備するキャビティデザインを金型に組み入れた結果である。好ましくは、モデリングシステムはパラメータ三次元ソリッドモデリング性能を組み入れており、これは、しばしば「シームレス」のゴルフボールと呼ばれるSurlynまたは注型可能なカバー付きのゴルフボールを適切に製造または処理するために必要とされる。
多くのディンプルパターンが繰り返しセグメントを組み込み、これが全体のディンプル配列を決定するのに用いられる。そのような場合、ゴルフボール全体または金型全体を定義するのに足るゴルフボールの部分または金型の部分のみが必要となる。
非平坦の分割面を具備する金型を用いて、いわゆる「シームレス」のゴルフボールを製造でき、この場合、成型製品上の分割線は大きな円ではない。むしろ、分割線は、典型的には、波形状、ステップ、または、当該分割線が入り組んだディンプルの回りかつその間をディンプルと交差することなく通過することを可能にする他の形状を含む。分割線加工物がバフ研磨や他の仕上げプロセスによりひとたび除去されると、ボールの外観がシームレスになる。
この発明の方法は6つの基本的なステップを採用してシームレスな外観を実現する。これらのステップはつぎのものである。
(1)ゴルフボールを表現する三次元コンピュータモデルを生成すること。このモデルは、多くの種々の態様で構築可能であり、それは採用されているシステムや設計者の好みに左右される。ディンプルパターンを十分に定義するのに足りる最も小さなゴルフボール部分について行われることが好ましい。図5はゴルフボール部分モデル100の例を示している。
(2)便宜的に配置された平面上に分割線プロフィール平面を二次元曲線として構築すること。平面102をボールの極軸と平行に、ボールの半径より大きな距離だけ離して配置することが好ましい。そのような平面を図6に示す。分割線プロフィール104を構築するために、図7および8に示すように、当該平面と直角な視線を用いるのが便利である。ここで、プロフィール104は、円弧セグメント、線セグメント、または、当該システムがサポートする任意の他の種類の曲線成分から構築できる。典型的には、プロフィール104はディンプルの回りおよびその間をディンプルと交差することなく曲がり進んでいく。ディンプルパターン幾何配列に基づいた参照点および拘束点を利用したパラメータ手法でプロフィール幾何配列を定義することが大変に有益である。例えば、図8のプロフィール104は、隣接ディンプルと同心となるように拘束された円弧セグメントを含み、半径パラメータはディンプルの半径より大きな特定の値になるようにされる。曲線セグメントは相互に連続しなければならず、可能な場合には接線接続することが好ましい。この例では、ディンプルパターンの鏡面対称性から、図のボールセグメントの半分について分割線プロフィールを生成するだけで良い。
(3)図9に示すように分割線プロフィール104をゴルフボールの三次元表面に投射して分割線37を生成すること。投射は、ボールの分割線を適切に位置づけるように選択された方向に沿って行われ、典型的には、二次元の分割線プロフィールの平面と直交する。この場合、分割線の二こりの半分は鏡面像として生成される。
(4)分割線37を含み成型分割面110を定義する放射面108を形成すること。図10−11に示すように、分割線のパスは、ゴルフボール金型の分割表面を定義する放射幾何形状成分112を生成させるためのプロフィールとして用いられている。用いられている個別のシステムおよび設計者の好みに応じて、幾何形状成分は放射面成分112(図示のとおり)であったり、半径方向の突起固体成分であったり、他の種類の放射成分であったりする。放射成分112はゴルフボールモデルの一部として、または金型モデルの一部として生成されてもよい。放射の原点はボールまたはキャビティの極軸に沿い、放射の方向はボールまたは金型キャビティの赤道偏面と平行である。
(5)放射面108を用いてゴルフボール金型の分割面を形成すること。分解図の例は図11に示し、この図において、分割操作は放射面108を用いて行われる。放射面108は金型の端部に沿って無駄な材料を削り取り、所望の非平坦な金型分割線110を残す。
(6)ステップ3〜5の少なくとも1つの結果を用いてゴルフボール金型106の分割面を形成すること。ゴルフボール金型の分割面は、上述のステップで生成された幾何形状を用いて機械加工される。これは、モデルから直接に生成されたプログラムによりコントロールされるCNC機械加工ツールを用いて実現されることが好ましい。
この方法はディンプルパターンがどのようなものであれ、任意のキャビティの非平坦面を容易に定義可能にする。
ゴルフボールの製造において金型の分割面を正確に係合させることが重要である。これによりフラッシュおよび他の分割線加工物の量を最小にし、仕上げたゴルフボールの見た目が良くなり、また、一様性が増大し、ゴルフボールのサイズ、重量および丸さを一層加減できる。多くのゴルフボールの金型は極精細な係合を実現するために平坦な分割面を採用している。ただし、先に検討したように、結果としての成型ボール上の大きな円形の分割線は、ディンプルの配置を制約することになり、空力特性に悪影響を与える。この結果、距離が減少し、精度が減少し、また、性能がゴルフボールの向きに応じて変化する。また、多少のゴルファーにとってディンプルのない大きな円の分割線は魅力的ではない。
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。この発明のディンプルパターンは任意の競技特性を伴う任意のタイプのゴルフボールに関連して採用できる。例えば、このディンプルパターンは通常のゴルフボール、すなわちソリッドまたは糸巻とともに使用できる。これらのボールは典型的には少なくとも1つのコア層および少なくとも1つのカバー層を有する。糸巻ボールは典型的には球状のソリッドゴムまたは液体充填センタに引っ張り状態のエラストマーの糸を巻きつける。ただし、糸巻ボールは典型的には打撃時にツーピースボールに較べて短い距離飛行する。ソリッドボールのコアは一般にポリブタジエン組成物から製造される。ワンピースコアに加えて、ソリッドコアは二重コアゴルフボールの場合のように多数の層を含んでよい。ソリッドまたは糸巻ボールのカバーは、一般に、アイオノマー樹脂、バラタ、またはポリウレタンで製造され、単一層または複数の層を含み、オプションとしてコアの周りに配される少なくとも1つの中間層を含む。
番号で記述して特許および特許出願のすべてはここに組み入れられる。
この発明の好ましい実施例を上述のとおり説明したけれども、これらは一例として説明されたものであり制限的なものではないことに留意されたい。形態および詳細において種々の変更を発明の趣旨および範囲を逸脱することなく採用できることは塔業者には明らかである。例えば、好ましいディンプルサイズは先に説明したけれども、他のサイズのディンプルも採用できる。この発明は、上述の事例的な実施例に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ規定される。
双方の金型半体を含む金型の、上側金型半体上の排出部を示す、拡大模式図である。 ウレタンカバーのボール用に設計された金型の上側金型半体の平面図である。 図2のA部の拡大図である。 図2のB部の拡大図である。 Surlynカバーのボール用に設計された排出部を説明する上側金型の模式図である。 図3のA部の拡大図である。 非平坦な分割線を示す完成された金型の模式図である。 この発明の分割線を定義する方法に基づくゴルフボールセグメントである。 分割線プロフィール構築平面を説明するゴルフボールセグメントである。 図6の構築平面と直角な図である。 近傍のディンプルと同心となるように制約された円弧線分を説明する図である。 二次元の分割線プロフィールをボールの表面に投射して三次元の分割線パスを生成することを説明する図である。 図9の分割線パスを使用してゴルフボール金型の分割面を定義する放射幾何形状成分を生成することを説明する図である。 図10の放射成分をどのように用いて成型金型キャビティの分割面を生成するかを説明する拡大図である。
符号の説明
30 金型
31 キャビティ
32 上側金型半体
33 下側金型半体
34a、34b ディンプルキャビティ細部
35 分割線面
37 分割線
40、50 排出部
52 堰止め部
53 後退部
55 排出部

Claims (5)

  1. (a)非平坦な分割線を有するゴルフボールを製造するためにコアの回りに金型を用いてカバーを被着するステップであって、上記金型は、
    球状のキャビティの赤道線に対応する位置と異なる非平坦な線に沿って取り外し可能に係合する半球状の上側および下側金型半体を有し、
    各金型半体はゴルフボールのカバー上にディンプルのパターンを形成するための内部キャビティ細部を有し、少なくとも1つのディンプルが上記ボールの赤道と横切るように配置され、上記分割線が相互に入り組んだディンプルの周りおよび間を上記ディンプルと交差することなく通り、
    各金属半体は内部キャビティ細部を有し、各金型半体がコンピュータ化モデリングシステムおよびCNC機械加工ツールにより生成された非平坦な分割面を有し、
    上記上側金型半体の上記非平坦な面は、空気および過剰な材料を排出するための少なくとも3つの本当の排出部を有し、
    上記上側金型半体の上記非平坦な面は、ゴルフボールをバフ研磨機中で回転させるときに上記ゴルフボールを整列させるために用いるタブを上記カバーに付加することを可能にする少なくとも3つの偽の排出部を有する、上記ステップと、
    (b)上記ステップ(a)で上記カバーが被着されたゴルフボールを、上記少なくとも3つの本当の排出部および上記少なくとも3つの偽の排出部のそれぞれによって上記ゴルフボールの表面に形成されるタブを用いてバフ研磨機に案内し、上記バフ研磨機において上記ゴルフボールが回転させられるときに上記タブを用いて上記ゴルフボールを研磨位置に整列させるステップと、
    (c)上記ステップ(b)で研磨位置に整列されて研磨されたゴルフボールから、ナイフ処理により上記タブを除去するステップとを有することを特徴とするゴルフボール製造方法
  2. 上記タブは上記非平坦な面の15%未満しか占めない請求項1記載のゴルフボール製造方法
  3. 上記非平坦な分割面は隣接するディンプルと少なくとも0.00254cm(0.001インチ)離れている請求項1記載のゴルフボール製造方法
  4. 上記非平坦な分割線は、隣接するディンプルと同心円となるように制約され、かつディンプルの半径よりも大きな半径のパラメータを有する円弧線分を含む請求項3記載のゴルフボール製造方法
  5. 上記円弧線分は相互に連続的である請求項4記載のゴルフボール製造方法
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