JP4084408B2 - 津波シェルター装置 - Google Patents

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Description

本発明はシェルター装置に関し、津波到来時に浮遊して津波の人的被害を減少する津波シェルター装置に関する。
津波の避難対策は、身一つで素早く高台に避難するしかなく、近くに津波避難施設があったとしても、従来の津波避難施設は自然地形の高台が指定されていることが多い。自然地形なので、住民が利用しやすい身近な場所に避難施設が準備されている訳ではない。
使い勝手が単純明快で、緊急時に迷う事なく利用でき、高台に駆け上がらなくても高台に避難した事と同じ効果があり、車椅子の人も容易に利用でき、老人、子供などを含む社会的弱者を安全に避難収容することができる公共性の高い津波避難施設が必要とされている。
そこで、津波や洪水の被災者の安全性を一層高め得る新規な構造の防災シェルタとして特許文献1に記載の、水密状の内部スペースを備えた略球殻形状の中空構造体に対して、開閉扉によって水密に閉塞可能な出入口を設ける一方、該中空構造体の底部にバランス用マスを設けると共に、該中空構造体の天壁部分に換気口を設け、該内部スペースに人を収容して該出入口を閉塞せしめた状態下で水上に浮遊し得るようにした施設がある。
特開平2004−322939号公報
上記特許文献1の施設では、バラスト用マスに定量の水を入れて揺動抑止を図り、自由に浮遊して被災者を救助する構造で、自由に浮遊する為に外海にまで浮遊した場合は、救助する側に捜索という余分な負担を課す事になる。
開閉扉によって水密に閉塞可能な出入口を設ける構造でもって被災者の安全をはかる仕組みであるが、その中空構造体の天壁部分に換気口を設けているので、換気口からの浸水または扉が開いてしまった時の浸水等は、空気が逃げて浮力の損失を招き、浮力や揺動抑止効果が損耗される危険がある。
内部スペースにのみ人を収容する構造のために、本来は逃げ遅れて避難所に駆け込んでくる人をも多面的に救助するのが望ましい避難施設が備えるべき機能に欠ける。一旦避難室に逃げ込んだ人が津波の暴威を感じながら、後から駆け込んでくる人を救助する為に、密閉した扉を開け、足場のない揺動する状況で救助活動をすることはできない。
そこで、本発明は、上記問題点を解消し、浮上中や浮遊中の揺動を抑制し、外海に流出せず所定範囲で浮遊するシェルター装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、
請求項1記載の発明は、基礎地盤の上に設置され、津波到来時に浮遊する津波シェルター装置であって、上部に形成された避難室と、下部に形成された浮力室とからなり、水上において浮遊可能なシェルター本体と、前記シェルター本体の外面と前記基礎地盤との間に連結された連結索とからなり、
前記避難室の床面近くの外面には、対向する位置に常時開放で且つ人の出入りが可能な少なくとも一対の開口が形成され、前記シェルター本体は、水上に浮上した時点で前記開口の少なくとも一方の上部が前記水上より上に位置するように浮遊状態が設定される。
このように構成すると、津波の到来時には常に避難室が上方に位置すると共に、避難室に侵入した海水等の一部は、シェルター本体の浮上によって確実に排水される。シェルター本体は所定の範囲において浮遊する。
請求項2記載の発明は、連結索はスプリング効果を発揮するように設定される。適切に設定された連結索の重量と長さは、津波の到来時には常にスプリング効果を発揮し避難室の揺動を抑止する。
請求項3記載の発明は、請求項1から請求項2のいずれかに記載の発明の構成において、シェルター本体はほぼ球形状を有し、前記外面に取り付けられ、その最下部から子午線方向に延びる摺動レールと、前記摺動レールに摺動自在に係合する摺動金具とを更に備え、前記連結索の一端は前記摺動金具に接続される、このように構成すると、シェルター本体の連結索による拘束の自由度が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、
シェルター本体には、摺動レールが津波の進行方向に対して直面するようにその方向を規制する方向規制手段が取り付けられるものである。このように構成すると、摺動金具の動きがスムーズになる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、シェルター本体には、津波による揺動を抑止する揺動抑止手段が取り付けられるものである。このように構成すると、より揺動が抑止される効果がある。
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、シェルター本体のほぼ赤道方向の全周に取り付けられ、その外周面に所定間隔で形成された複数の凹み部を有する防舷材と、防舷材の前記外周面に連続的に取り付けられたハンドレールとを更に備えたものである。このように構成すると、防舷材とハンドレールとが予備避難スペースを構成する。
請求項7記載の発明は、基礎地盤の上に設置された、上方が開放された円筒形状を有するシェルター設置台を更に備え、前記シェルター本体は、非使用時には、その下方部が前記シェルター設置台の上端に当接状態で設置され、前記連結索は、非使用時には、前記シェルター設置台の内部に収納される、このように構成すると、非使用時には、シェルター本体は安定状態で設置され、連結索も外方に露出することが無い。
請求項8記載の発明は、請求項2から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、基礎地盤の上に設置された、設置台を兼ね1面が開放された略正4面錐形を有するシェルター防護台を更に備え、前記シェルター本体は、非使用時には、その略全体部が前記シェルター防護台の内部に設置されるものである。このように構成すると、津波のシェルター本体への衝撃力を緩和する手段が取り付けられたものである。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、津波の到来時には常に避難室が上方に位置すると共に、開口部の1つが水面上に位置するから、避難室に侵入した海水等の一部は、シェルター本体の浮上によって確実に排水される。シェルター本体は所定の範囲において浮遊するので、安全性が向上すると共に、救助の際の捜索を不要とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、スプリング効果が生じる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、シェルター本体の連結索による拘束の自由度が向上するので、津波到来時に連結索によりシェルター本体への衝撃が緩和される。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、摺動金具の摺動動作がスムーズになり、衝撃緩和効果がより向上する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、シェルター本体の浮遊時の揺動が抑えられるため安定性がさらに向上する。
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、防舷材とハンドレールとが予備避難スペースを構成するので、避難室に入れない人々にとって有効な避難場所となる。
請求項7記載の発明は、請求項2から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、非使用時には、シェルター本体は安定状態で設置され、連結索も外方に露出することが無いので、公園等に設置していても違和感が無く、又使用時のシェルター本体への乗り込みが容易となる。
請求項8記載の発明は、請求項2から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、非使用時には、シェルター本体は安定状態で設置され、連結索も外方に露出することが無いので、公園等に設置していても違和感が無く、その形状から視認性が高くなる。更に津波によるシェルター本体への衝撃力を緩和する効果がある。
以下、本発明の実施例について図面に基づいて詳細に説明する。
図1から図10は本発明実施例1による津波シェルター装置の形態を示す。
津波シェルター本体1は上部に設けた半球形の避難室2と、下部に設けた半球形の浮力室3とからなる。前記浮力室3の外周部(ほぼ赤道方向)に予備避難スペースともなる浮力材で作られた防舷材10を取り付けており、常に浮力室3と防舷材10の浮力で避難者を収容したまま避難室2を津波の海表面以上に持ち上げる。この場合、前記浮力室3の形状は半球形とせず、平盤形又は円盤形にしてもよく、避難室2も半球形とせず円筒形でもよい。更に、浮力室3及び避難室2は合理的に一体化できる複数の多面体を組合せてもよい。
また、津波シェルター本体1は海水の比重より大きな比重を有する連結索6で基礎杭13と連結されており、基礎杭13は基礎地盤14と一体化されているので、津波シェルターの流失を防ぐことができる。尚、連結索6の比重は海水の比重以下であっても良いが、後述するように津波シェルター本体1の浮遊時の安定性としては劣る。この場合、前記連結索6の一端は浮力室3の外壁面に取り付けるか防舷材10に取り付ければよい。連結索6の長さは少なくとも設置場所で想定される津波の潮位以上の長さにすればよい。
基礎地盤14に上方が開放の筒状のシェルター設置台15を設け、シェルター設置台15には注水穴20を設けてあり、津波シェルター本体1がシェルター設置台15から潮位の上昇にあわせスムーズに離水することできるように図る。津波シェルター本体1は、非使用時には図2に示すようにその下方部がシェルター設置台の上端に当接状態で設置される。前記シェルター設置台15の内壁面下部には斜路の形状をした断面が直角三角形形状を有する津波シェルターの浮上促進装置26が設けられており、シェルター設置台15内に浸入してきた水平方向の津波流を上昇流となし、津波シェルター本体1を津波シェルター設置台15からスムーズに離水させる効果がある。図11は図1で示した津波シェルター本体の浮遊状態を示した原理図である。図を参照して、津波シェルター本体1の球体の中心位置Oから下方に距離lだけ離れた浮心位置Mに浮力Pが作用している。一方、中心位置Oから下方に距離lだけ離れた重心位置Gに重力Wが作用している。避難室2と浮力室3と形状等を設定することにより、避難室2が仮に満水状態になった場合でも「距離l>距離l」の関係が保持されている。したがって、この実施の形態による津波シェルター本体1は連結索6の存在にかかわらず、常に避難室2が上方に位置する状態が保持される。又、津波シェルター本体1の海水面40に浮上した際に、避難室2に形成されている常に開放の一対の出入口18(図示せず)の少なくとも一方の上部が海水面40より上方に位置するように設定されている。したがって、津波シェルター本体1の浮上中に仮に避難室2に海水が満水状態に侵入した場合であっても、浮上すると出入口18から侵入した海水は速やかに排出されることになる。更に、浮力室の下方部の位置Kと基礎地盤14との間には連結索6が接続されている。上述のように連結索6の比重は海水の比重より大きく設定されているため、津波シェルター本体1の浮上時には弛むことなく常に張った状態となる。このとき基礎地盤14から上方の連結索の重量からその浮力を引いた値の力Fが位置Kにおいて下方に働くことになる。図から明らかなように、この力Fは津波シェルター本体1の水平安定性を高めるように作用する。
図1から図に戻って、前記浮力室3の内部には、避難室2から出し入れする防災用品庫17を設け、前記防災用品庫17以外の浮力室の空間は発泡浮力体で充填され、水密化されており、避難室2への一時的な津波の浸入も自動的に排水するだけの浮力が常時確保できている。防災用品庫17の物資が配布された後の防災用品庫17は災害用の簡易トイレとなる。又、浮力室3の最下部には図で示した重量バランスを図るための錘41が取り付けられている。これによって津波シェルター本体1全体の重心位置を下方に設定している。
前記浮力室3の底部外壁面に子午線方向に摺動レール5を取り付け、前記摺動レール5に図8又は図9に示すような摺動金具4を装着して摺動レール5上を前記摺動金具4が摺動自在とする。すなわち、装着した摺動金具4はベアリングA23を介して摺動レール5上を浮力室3の最底部外壁面から子午線方向に摺動する。この場合、摺動金具4の一部をなす回転自在な連結索取付金具24は津波シェルター本体1と連結索6のネジレを解消する効果をもたらす。
更に、上記摺動機能を補完する目的で方向安定板7が浮力室3の下部外壁面で摺動レール5の延長線上に設置されている。前記方向安定板7は常に摺動レール5を津波の水流の来る方向に向ける機能なので、摺動金具4の摺動はよりスムーズとなる。更に加えて、津波シェルター本体1の下壁面には、水流が効果的に方向安定板7に当たるように、水流集束板8を取り付けてある。すなわち、方向安定板7及び水流収束板8は、摺動レール5が津波の進行方向に直面するようにその方向を規制する方向規制手段を構成する。又、方向安定板7と前記水流収束板8は、揺動抑止板9の取り付け金具ともなり、前記揺動抑止板9と一体となって揺動抑止効果を発揮する揺動抑止手段を構成する。
図6および図10において、25は吹流しで、図3などでは省略しているが、前記吹流し25は合成樹脂皮膜材でできており、吸入口25Aと前記吸入口25Aより小さい吹き出し口25Bとを持ち、吸入口25Aの外周に設けたストリング25Cとからできている。前記吹流し25は前記ストリング25Cを介して摺動レール5側と反対側位置の方向安定板7の下端部に取り付けられて、方向安定板7の水流を受けて水流に対して大きな抵抗体となり、実質的に津波シェルター本体1の有効水線長を延長し、Y軸回転方向と、X軸回転方向の揺動抑止を図る。津波シェルター本体1の方向安定板7と平行な方向の揺動を抑止する効果があり、揺動抑止手段を更に構成する。
ここで、摺動レール5と摺動金具4および方向安定板7と水流集束板8と揺動抑止板9と吹流し25の作用について以下、説明する。
前記浮力室3の外壁面に取り付けた摺動レール5上を摺動自在に動く摺動金具4は、その位置を摺動自在に変えることによって、津波が津波シェルター本体1に加える力、すなわち浮上時や浮遊時に津波シェルター本体1への連結索6からの衝撃を緩和したり、津波シェルター本体1の安定性や安全性を阻害するような働きをする力を緩和する。
本発明の津波シェルターは連結索6の長さを変えて設営するだけで、襲来が想定されるいかなる潮位の津波にも、避難者が高台に避難した事と同じ効果を実現する。すなわち、津波シェルター本体1は津波や波浪や潮位の高さに応じて浮上し、それに応じて連結索6が繰り出される。図1に示したように、その繰り出された長さに応じた連結索6の重量が津波シェルター本体1に加える力と、津波シェルター本体1の保有する浮力及び重力との間に均衡が成立するまで相互緩衝作用が発生する。これをスプリング効果と呼ぶ。
また、津波シェルター本体1はスプリング効果を効果的に機能させて津波に対処するが、スプリング効果をより有効に機能させるために、摺動金具4と方向安定板7と水流集束板8と揺動抑止板9と吹流し25が複合して機能し、津波が津波シェルター本体1に加える衝撃力や揺動が抑止される。
前記スプリング効果を有効に活用しているのが、船舶の錨と鎖による係留方法である。船体に当たる波や風圧によって船が流され、鎖は直線化されるが、波や風が収まれば鎖の重量でもって船は錨の方に引っ張られて前進し、錨と船の距離は短縮される。この動作が常時繰り返されて船舶への波浪や風の影響が緩和され係留時の安全が確保される。
連結索6が津波シェルター本体1に加える力の方向と大きさは、津波や潮位の変化や水流の方向の変化に合わせ、連結索6に連なる摺動金具4の位置で大きく変化する。逆に言えば、摺動レール5上を摺動する摺動金具4の位置が、津波シェルター本体1に加える力とその方向を変える。
津波や潮位の変化や水流の方向の変化に合わせて摺動金具4の位置が適切に変化すれば、津波シェルター本体1の揺動抑止力と安定性の向上が図れる。その為に、本発明では方向安定板7と水流集束板8と揺動抑止板9と吹流し25の働きで、摺動レール5の方向が津波の水流の来る方向に安定的に向くように図っているので、摺動金具4の滑走がスムーズであり、揺動抑止効果がある。
方向安定板7と水流集束板8との下部に設けた揺動抑止板9によって揺動に対する抵抗が増加し揺動が抑制される、この揺動抑止板9は船舶に装備されている「スタビライザー」と同様な作用をする。
これら、複合した揺動抑止性能によって、津波シェルターに収容された人の津波シェルター内での居住性と安全性が向上する効果がある。
次に、上記実施例1における防舷材10を設けた本津波シェルターで避難者を収容する場合の構成および作用について、以下、図を参照して説明する。
図2において、本津波シェルター本体1は、浮力室3と浮力材で作られている防舷材10の浮力とが一緒になって速やかに浮上・浮遊できる為に、避難室2が水没する事はなく、連結索6で津波シェルターと基礎地盤14が連結されているので流失することもない。出来るだけ避難者を受け入れるために出入口18に扉を設けていない。この場合、扉がないから一時的な浸水はあるが、上述のような重力と浮力とのバランスにより、自然に排水されて、長時間避難室2が水没することは無い。図示しないが避難室には出入口以外に排水口を設けてある。尚、用途に応じて出入口18に水密の扉を備えるように構成しても良い。
図1から図5及び図7において、津波シェルター本体1の外周部には、逃げ遅れて避難室2に入れなかった人が津波に連れ去られることなく、且つ浮遊物から身を守ってもらえるように、巻き込まれた津波から直接に入り込める凹み部よりなる一時避難スペース11を備えた浮力材で作られた防舷材10が取り付けられている。尚、一時避難スペース11は防舷材10の外周面に所定間隔で複数形成されている。一時避難スペース11に避難している避難者の身体を漂流物から守るために、防舷材10の外周面に連続的に複数段のハンドレール12が設置されている。
図2において、一時避難スペース11の避難者は、防舷材10に設けられた開閉自在なベンチ兼用蓋16を開ければ、ハンドレール12の外に出なくとも、防舷材10上に上がる事ができる。
又、図1及び図5において、内外の人がお互いを認識しやすいように避難室2に複数の窓19を設けることにより、避難者が外部の状況を把握し易くする。
図1において、防舷材10の外周部に設置されたハンドレール12は、一時避難スペース11にも入れなかった人が、ハンドレール12を掴む事で、ひとまず流されずに、体力と浮力の損耗を防ぐ効果をもたらす。
防舷材10は発泡したゴム製や発泡スチロールを合成樹脂皮膜などで覆った弾性浮力材で構成することにより、津波シェルター本体1と他の構造物との衝突時の緩衝材としての効果も有する。
において、公園などに津波シェルター設置台15を土などで丘状に被覆して設置する場合、防舷材10とベンチ兼用蓋16は日常的に津波シェルター本体1周辺で遊び、休息する利用者のベンチともなる。又、連結索6はシェルター設置台15と津波シェルター1との間のスペースに収納され、外方に露出することは無いため、周囲の安全性を阻害する虞はない。以上のように本津波シェルターは、従来の施設にない発想で小さい施設ながら多くの人命を救う多くの機能を持ち、その効果をもたらす。
図17、図18のシェルター防護台について述べる。2007年度に大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻環境水域工学分野、助教授重松孝昌氏との共同実験の1課題において、津波到来時の津波シェルターの挙動(T=0.000秒〜T=0.008秒〜T=0.016秒〜T=0.024秒〜T=0.032秒〜T=0.040秒時)画像の解析において,津波によるシェルター本体への衝撃力による急激な揺動現象を観測した。衝撃力によるシェルター本体の急激な揺動緩和効果向上のための実験として、シェルター防護台を設置した事例の実験を行った。その結果、シェルター防護台30の津波シェルターへの揺動緩和効果を認めた。
図18において、シェルター本体を公園などにシェルター防護台30付で設置する場合、防護台の外壁面に津波避難標識を蛍光塗料で表示すれば昼間も遠距離から視認でき、夜の視認も容易になる。又、連結索6はシェルター防護台30内前部と津波シェルター1との間のスペースに収納され、外方に露出することは無いため、周囲の安全性を阻害する虞はない。尚、シェルター防護台の形状は略正4面錐形に限定されるものでは無く、概球状のシェルター本体を覆い、衝撃力を緩和し、津波の襲来に応じて上昇する潮位でシェルター本体が浮遊しやすいように、その一部が開放されておれば形を特定するものではない。
図12から図16は本発明実施例2による津波シェルター装置の形態を示す。図12に本発明における津波流抑制堤21を示す。前記津波流抑制堤21は図示しない津波シェルター設置台(形状等は先の実施例1によるものと同様)から見て津波の流れの来る(Z軸の手前から奥に流れる)方向に設置する。その幅や高さや形状は、津波流抑制堤21を乗り越える津波流が、それを越えた後、両側を迂回してくる津波と互いに衝突して、シェルター設置台付近の津波の流速を低減し、力を抑制するように図り、潮位の急激な上昇と津波シェルターに対する津波の衝撃力を緩和する。その結果、津波流による津波シェルターの急激な揺動を緩和する効果がある。
実施例2は、実施例1で説明している水流収束板8と揺動抑止板9と吹流し25が無く、津波シェルター本体1の重心を下げる目的で、錘22を津波シェルター本体1の外壁面最底部に取り付ける。なお、実施例1のように錘22を浮力室3内底部に取り付けることで重心の位置を下げてもよい。尚、津波シェルター本体1の重心位置と浮心位置との関係は先の実施例1と同様であり、津波シェルター本体1は連結索6の接続状態にかかわらず、常に避難室が上方に位置する状態が保持される。
ここで、X,Y,Z軸の役割を述べる。
X軸は、腕木27Bを回転半径とする振り子27Cの回転の中心をなす。
Y軸は津波シェルター本体1が静止浮上した状態の時に、前記連結索取付金具24がY軸上に位置し、津波シェルター本体1はY軸を回転の中心となし、連結索6のよじれを解消する。
Z軸は津波流に向かう津波シェルター本体1が左右に転倒・揺動するときの中心をなす。
実施例2の揺動抑止機能の構成を図12について述べる。
津波シェルター本体1には、津波シェルター本体1の水平回転軸(Y軸)の中心から水平方向で且つ外方の各々に延びる、鋼材よりなる一対の軸体(回転軸27A、回転軸27A)が取り付けられている。前記回転軸27Aの各々の外方端部にベアリングB29、前記ベアリングB29を介して回動自在な、鋼材よりなる一対の接続部分(腕木27B、腕木27B)と鋼材よりなる水平部分(振り子27C)とからなるコの字状の支持体が回動自在に接続されている。前記振り子27Cの中央部に連結索取付金具24が取り付けられている。又、連結索取付金具24の両側の振り子27Cの部分には一対の筒状のローラー28が回動自在に取り付けられている。尚、連結索6は先の実施例1と同様にその比重が海水の比重より大きく設定されている。そのため、津波シェルター本体1が浮上中及び浮上した状態にあっては、支持体は津波シェルター本体1に対して下方に向けて回動し、連結索6はその水平部分(振り子27C)に対して常に張った状態になる。その結果、連結索6を介して支持体に下向きの力を加えることになり、津波シェルター本体1の安定性をより向上する。この安定性をより向上するためには、軸体(回転軸27A、回転軸27A)の津波シェルター本体1に対する上下方向の取り付け位置を、図のような中心位置より下方にすると好ましい。尚、この取り付け位置を津波シェルター本体1の浮心位置より下方に設定すると、連結索6を介しての下方に働く力が津波シェルター本体1の復元性に寄与するためより好ましい。
前記回転軸27Aの長さは図示しない防舷材10(実施例1と同様)の直径より大きく、腕木27Bの長さは防舷材10の半径より大きい。そのため、振り子27Cは一対の腕木27BとベアリングB29を介して一対の回転軸27Aを中心として自由に回転する。尚、回転軸27Aは津波シェルター本体1から外方に一対で棒状に延びていれば良いが、図のように津波シェルター本体1を貫通するように一本の棒体で構成するようにしても良い。又、回転軸27Aは津波シェルター本体1に対して固定しているが、これを回動自在に構成し、代わりに回転軸27Aに対して腕木27B、腕木27Bを固定するように構成しても良い。
回転軸27Aの長さが防舷材10の直径より大きく、腕木27Bの長さが防舷材10の半径より大きいことにより、津波シェルターが浮遊中、腕木27Bも振り子27Cも一時避難スペースに避難した人の邪魔にならないことを示す。
回転自在な連結索取付金具24は津波シェルター本体1と連結索6のネジレを解消する効果をもたらす。
図示しない方向安定板7は実施例1と同様に津波シェルター本体を津波の流れ方向に向けるという保針性の向上に効果がある。
振り子27Cと回転軸27Aの長さが防舷材の直径より大きいために、これらから構成される支持体が津波シェルター本体1に対して回動自在となり、津波シェルター本体1の着地時におけるZ軸回転方向の転倒防止に効果がある。
前記ローラー28の重量とその回転による津波シェルター本体1の着地時のスムーズな重心移動により、錘22による重心位置の低さと合わさって、腕木27Bが津波シェルター本体1のX軸回転方向・Z軸回転方向の転倒防止に効果がある。すなわち、津波が引き、津波シェルター本体1が徐々に降下する状況を想定する。この降下途中には、上述のように支持体の重量や連結索6の重量により、支持体の水平部分(振り子27C)が最下方に位置することになる。したがって、津波シェルター本体1の降下によって水平部分(振り子27C)に取り付けられている一対のローラー28が最初に接地する。ローラー28は水平部分(振り子27C)に対して回動自在に係合しているため、ローラー28が回転しながら水平部分が地盤面に沿うように移動する。このとき、支持体が軸体に対して回動自在となっているので、津波シェルター本体1は支持体の移動に影響されずにほぼそのまま垂直下方に降下しスムーズに接地することになり、接地時に転倒する虞が解消される。
本発明の津波シェルターが津波に水沈しない根拠を以下、説明する。
重量と浮力の計算について。計算単位はCMとGとし、最終結果をKGで示す。
計算の設定条件。
津波シェルター本体1(直径3.2Mを5MMの鉄板を加工して作った球体)と設定する。円周率を3.14。鉄の比重を7.85。付属するリブ、フランジなどの部分を全体重量の50%増しとする。浮力室は球体の下部(体積の50%)避難室は球体の上部(体積の50%)とし、出入口の高さを避難室床面より64CM上まであると設定する。
潮位10Mの津波による浮上時に1M当り100KGの鎖(これは1000トン級の船舶が装備する鎖に相当するもので、ここでは連結索6を鎖と称しておく)を10M繰り出しているとする。
上記鎖の重量は10×100=1000KGである。
津波シェルター本体1の計算重量は、4×3.14×160×160×0.5×7.85×1.5≒1894KGである。
人の重さを一人当たり65KG。定員を15名と想定すると、15×65=975KGである。
防舷材10の外径半径を230CM、内径半径を160CM、厚みを50CMとし、予備的避難スペースの占める割合を10%と仮定し、防舷材の比重を0.2とする。
防舷材の重量は、{(230×230×3.14)−(160×160×3.14)}×50×0.9×0.2≒771KGである。
防災用品庫17の収容物(水・非常食など)の重量を500KGと想定する。
浮力の計算について。
海水の比重を1とする。防舷材10の外径半径230CM、内径半径160CM、厚み50CMとし、予備的避難スペースの占める割合を10%とする。
防舷材の浮力は{(230×230×3.14)−(160×160×3.14)}×50×0.9×1≒3857KGである。
その時、更なる大津波が出入口を塞ぐ潮位まで来たとする、とその出入口の上辺まで潮位が上がる。しかし、出入口より上部の避難室の内部空間は、大きなお椀を伏せた状態の空間となるので、それ以上は浸水しない(実際は進入した海水は津波シェルター自身と防舷材の浮力で順次排水される)と設定する。避難室2の上部空間の浮力(出入口高さ64CMの浸水高さ分を除いた避難室に残された浮力)は、球の中心部を高さ0、半径をRとして、高さA以上の空間が避難室2の上部空間の体積とすると、その体積は積分計算により、π(R−A)(2R×R-AR-A×A)/3と表される。上記の設定ではAは64、Rは160となるので、避難室2の上部空間の体積は3.14×(160−64)(2×160×160ー64×160ー64×64)≒3704KGである。
浮力室3の浮力は、津波シェルター本体1の容積の50%とすると、4×160×160×160×3.14÷3÷2≒8574KGである。
上記に従い、浮力は、防舷材10の浮力+浮力室3の浮力+避難室2の上部空間に残された浸水できない部分の浮力―鎖の重量―津波シェルターの重量―人の重さ―防災用品庫17の収容物(水・非常食など)の重量であるので、3857+8574+3704―1000―1894―975―500≒11766KGである。
結論として10Mの潮位に浮遊する津波シェルターが、一時的に避難室2に海水が侵入しても、11766KGの浮力の余裕で速やかな排水がなされる事が解る。避難室2が長時間水没してしまうことはない。尚、上記の計算では避難室2の上部空間の体積分の3704KGを浮力分に加算しているが、仮にこの空間に海水が侵入したとして重量に加算したとしても、差し引き4368KGの余裕の浮力が津波シェルターに働くことになる。そして、これらの浮力、重量(重力)が図12で示したような位置関係で働くように津波シェルター全体が構成されている。
図示しないが、避難室2には防犯上から常時稼動している放送・照明設備が備えられ、太陽などの自然エネルギーでも補償充電される蓄電池を予備電源とする。この放送設備は行政の緊急避難放送と連動させ、津波襲来時は内外部の避難者へ利用上の注意喚起を自動的に行う。
本発明の津波シェルターの利用法について以下、説明する。
津波シェルター本体1は十二分に浮力に余裕があるので、避難者が定員以上に乗り込んでも、いつでも津波の表面に浮く。避難者は津波シェルターに入りさえすれば、垂直移動について心配することはない。
すなわち、垂直移動に必要な避難時間をゼロ時間にできて、常に避難施設が押し寄せる津波以上の高さにあるならば、津波シェルターを利用する人は津波シェルターに駆けつけ、入り込むことで避難が適切に完了できたことになる。
津波シェルターは垂直移動の避難時間をゼロにし、あたかも避難施設の設置高さを常に襲来した津波の潮位より上になるように考案した避難施設である。
潮位が上昇すれば、津波シェルター本体1は予想潮位より十分余裕を持って装着された連結索6を引きずったまま潮位に合わせて海面(津波の表面)に浮遊する。連結索6を上述のように重量材で構成されているため、重い連結索6のスプリング効果は津波シェルター本体1を基礎地盤14に引き戻す力ともなり、津波シェルター本体1の重心を下げ、揺動を抑え安定的に浮かべる錘にもなる。水位の低下に従い、津波シェルター本体1は基礎地盤14又はシェルター設置台15の上に戻る。基礎地盤14やシェルター設置台15の上に戻れない場合も、津波シェルター本体1の安定性と連結索6の重量による錘とによって、低い重心故に津波シェルター本体1が真逆さまになって避難室2から被災者が出られないという事はない。複数の出入口18が準備されており、複数の出入口18が同時に塞がれることはない。出入口18は着地した地面のすぐ側である。津波が終息するまで、上記のような昇降動作は繰り返される。この津波シェルターに避難して来た人は垂直移動の時間を使うことなく、いつでも高台の避難施設に避難したことと同じ効果が得られる。尚、津波の潮位が想定外の高さであり、連結索6の長さがそれより短い場合を想定して、その場合には津波シェルター本体1連結索が分離されるように構成しても良い。すなわち、このような状況になると津波シェルター本体1が完全に津波の中に没した状態が続くため、通常の使用状態に比べて連結索6との接続部分に大きな力が加わることになる。そこで、所定以上の力が接続部分に加わった場合にこれらの連結状態を解除するような機構、構造を組み込んでおけばより安全性が向上する。そして、仮に連結索6から津波シェルター本体1が分離されてとしても、津波シェルター本体1自身の安定性によって安全に浮遊して避難することが可能となる。
本発明の津波シェルターの施工について説明する。
津波シェルター本体1が避難住民と共に津波の波頭に載って共に浮遊し津波に対処するという、従来の避難施設を造る発想にはない設計思想なので、想定する過去最高潮位以上の長さの連結索6で津波シェルター本体1と基礎地盤14を連結しておけばどんな潮位の津波にも対応できる。
更なる高潮位の津波に対処する方法は連結索の長さを延長するだけであり、本発明は津波の襲来を予想する潮位が高いほど、他の避難施設との性能と設置費用の違いを鮮明にする。性能の追加は、追加する連結索の長さだけである。他の避難施設に比較して格段と低コストである。避難行動を水平方向の避難と垂直方向の避難に分割する事で課題が明確となり、垂直方向の避難が必要なくなる時間の分だけ水平方向の広い範囲の人が避難施設を利用できる機会が増える。高台に駆け上がる必要がなく、高台に避難したのと同じ効果があり、高台に登る必要がないので車椅子の人の避難も容易になる。自然エネルギーを基本に考案され、構造や、運用がシンプルなので、維持費用が少なく、故障せずに、365日24時間、長い年月同質の避難対策が機能する。また、多くの部材が工場生産可能で、高品質なものが短時間で大量に生産にできて、現場工事は据付だけで済み、工期が短く、建設費が安くなり、施工が簡単で、建設費が安くできるので、身近に避難施設を多数設置する事が可能となる。
海岸近くに設置する場合は、現場近くまで一括海上輸送できて輸送コストも削減でき、津波襲来の予想される海岸近くの道路や海水浴場や海岸では、高速道路の非常用公衆電話の設置・BR>ニ同じ考え方で、道路や海水浴場や海岸に適当な間隔で設置すれば、車の運転手や遊泳客の避難場所としても有効である。また、海水浴場などでは普段は監視員の駐在所や一般客の休憩所やシャワールームなどとして設置しておけば施設の習熟や親しみの熟成にも役立ち利用が促進される。更に、デザインを統一すれば、世界中でいつでもどこでも認知された、利用しやすい効果的な公共性の高い水害避難施設となる。尚、上記の実施例の各々では連結索の比重は海水の比重より大きく設定されているが、海水の比重以下であっても良い。又、上記の実施例の各々ではシェルター本体の形状が球形状を有しているが、球形状以外の立体形状であっても良い。更に、上記の実施例1では摺動レールとこれに係合する摺動金具を備えているが、単に連結索をシェルター本体の避難室外面に接続するように構成しても良い。更に、実施例1ではシェルター本体に方向規制手段や揺動規制手段が取り付けられているが、これらの手段は無くても良い。更に、上記の実施例の各々ではシェルター本体に防舷材が取り付けられているが、防舷材は無くても良く、ハンドレールも無くても良い。更に、上記の実施例の各々ではシェルター本体を設置するシェルター設置台が設けられているがシェルター設置台は必ずしも無くても良く、シェルター本体を連結索を介して直接地盤面に設置しても良い。更に、上記の実施例2ではコの字状の支持体を設けているが、コの字状にはその折り曲げ箇所が曲線状になっている支持体も含むものである。更に、上記の実施例2では支持体にローラーが取り付けられているが、ローラー自体は無くても良い。更に、上記の実施例2ではシェルター本体に方向規制手段が取り付けられているが、この手段は無くても良い。更に、上記の実施例2では津波流抑制堤が設置されているが、これは必ずしも無くても良い。
本発明の実施例1を示す津波シェルターの外観斜視図である。 同上の断面図である。 同上で揺動抑止板がある状態の底面図である。 同上で揺動抑止板を外した状態の底面図である。 同上の平面図である。 同上の側面図である。 同上の正面図である。 同上の摺動レールをはさむ形状の摺動金具の断面図である。 同上の摺動レールにはめ込んだ形状の摺動金具の断面図である。 同上の吹流しの斜視図である。 図1で示した津波シェルター本体の浮遊状態を示した原理図である。 本発明の実施例2を示す津波シェルターの外観斜視図と津波流抑制堤21の設置例である。 同上で図11記載のZ軸方向から見た正面図である。 同上で図11記載のX軸方向から見た側面図である。 同上の底面図である。 同上の平面図である。 シェルター防護台の断面図である。 シェルター防護台の平面図である。
符号の説明
1 津波シェルター本体
2 避難室
3 浮力室
4 摺動金具
5 摺動レール
6 連結索
7 方向安定板
8 水流集束板
9 揺動抑止板
10 防舷材
11 一時避難スペース
12 ハンドレール
13 基礎杭
14 基礎地盤
15 シェルター設置台
16 ベンチ兼用蓋
17 防災用品庫
18 出入口
19 窓
20 注水穴
21 津波流抑制堤
22 錘
23 ベアリングA
24 連結索取付金具
25 吹流し
25A 吸入口
25B 吹き出し口
25C ストリング
26 浮上促進装置
27A 回転軸
27B 腕木
27C 振り子
28 ローラー
29 ベアリングB
30 シェルター防護台

Claims (8)

  1. 基礎地盤の上に設置され、津波到来時に浮遊する津波シェルター装置であって、
    上部に形成された避難室と、下部に形成された浮力室とからなり、水上において浮遊可能なシェルター本体と、前記シェルター本体の外面と前記基礎地盤との間に連結された連結索とからなり、
    前記避難室の床面近くの外面には、対向する位置に常時開放で且つ人の出入りが可能な少なくとも一対の開口が形成され、前記シェルター本体は、水上に浮上した時点で前記開口の少なくとも一方の上部が前記水上より上に位置するように浮遊状態が設定される津波シェルター装置。
  2. 前記連結索はスプリング効果を発揮するように設定されることを特徴とする請求項1記載の津波シェルター装置。
  3. 前記シェルター本体はほぼ球形状を有し、前記外面に取り付けられ、その最下部から子午線方向に延びる摺動レールと、前記摺動レールに摺動自在に係合する摺動金具とを更に備え、前記連結索の一端は前記摺動金具に接続される、請求項1から請求項2記載の津波シェルター装置。
  4. 前記シェルター本体には、前記摺動レールが津波の進行方向に対して直面するようにその方向を規制する方向規制手段が取り付けられる、請求項3記載の津波シェルター装置。
  5. 前記シェルター本体には、津波による揺動を抑止する揺動抑止手段が取り付けられる、請求項4記載の津波シェルター装置。
  6. 前記シェルター本体のほぼ赤道方向の全周に取り付けられ、その外周面に所定間隔で形成された複数の凹み部を有する防舷材と、前記防舷材の前記外周面に連続的に取り付けられたハンドレールとを更に備えた、請求項3から請求項5いずれかに記載の津波シェルター装置。
  7. 前記基礎地盤の上に設置された、上方が開放された円筒形状を有するシェルター設置台を更に備え、前記シェルター本体は、非使用時には、その下方部が前記シェルター設置台の上端に当接状態で設置され、前記連結索は、非使用時には、前記シェルター設置台の内部に収納される、請求項2から請求項6のいずれかに記載の津波シェルター装置。
  8. 前記基礎地盤の上に設置された、設置台を兼ね1面が開放された略正4面錐形を有するシェルター防護台を更に備え、前記シェルター本体は、非使用時には、その略全体部が前記シェルター防護台の内部に設置され、前記連結索は、非使用時には、前記シェルター防護台の内部に収納される、請求項2から請求項6のいずれかに記載の津波シェルター装置。
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