JP4084260B2 - ポリエステル複合仮撚加工糸 - Google Patents

ポリエステル複合仮撚加工糸 Download PDF

Info

Publication number
JP4084260B2
JP4084260B2 JP2003287471A JP2003287471A JP4084260B2 JP 4084260 B2 JP4084260 B2 JP 4084260B2 JP 2003287471 A JP2003287471 A JP 2003287471A JP 2003287471 A JP2003287471 A JP 2003287471A JP 4084260 B2 JP4084260 B2 JP 4084260B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
yarn
multifilament yarn
polyester multifilament
false twisted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003287471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005054325A (ja
Inventor
昌裕 檜垣
三男 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Frontier Co Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2003287471A priority Critical patent/JP4084260B2/ja
Publication of JP2005054325A publication Critical patent/JP2005054325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4084260B2 publication Critical patent/JP4084260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

本発明は、かさ高性、スパン感を有し、さらには、ドライ感、フィブリル感にも優れたスパンライクなポリエステル布帛を得ることができるポリエステル複合仮撚加工糸に関する。
従来、伸度差を有する2種以上のポリエステルマルチフィラメント糸を引き揃えて交絡し、引き続いて仮撚加工することにより得られた、かさ高性、スパン感に優れた2層構造の複合仮撚加工糸が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる方法で得られた複合仮撚加工糸を用いて製編織された布帛は、かさ高性やスパン感には優れるものの、ドライ感、フィブリル感の点で十分とは言えなかった。
一方、本発明者らは、先に出願した特願2003−159052号において、ポリエステル中に、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルと、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン酸塩を含有させた、ポリエステル仮撚捲縮加工糸を提案した。かかる仮撚捲縮加工糸によれば、ドライ感、フィブリル感を有する布帛が得られるが、用途によっては、さらに良好なかさ高性、スパン感が要求されることが判明した。
特公昭61−19733号公報
本発明は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、良好なかさ高性、スパン感を有するとともにドライ感、フィブリル感にも優れた、スパンライクなポリエステル布帛を得ることのできるポリエステル複合仮撚加工糸を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、伸度差を有する2種のポリエステルマルチフィラメント糸を引き揃えて仮撚加工する際、高伸度側ポリエステルマルチフィラメント糸として、ポリエステル中に、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルと、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン酸塩を含有させたものを用いることにより、所望のポリエステル複合仮撚加工糸が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエステルマルチフィラメント糸aを芯部とし、その周りに、該ポリエステルマルチフィラメント糸aよりも大きい伸度を有するポリエステルマルチフィラメント糸bが鞘部として巻きついた2層構造の複合仮撚加工糸であって、前記ポリエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルに、下記一般式で表されるポリエーテルであり、下記一般式中の直鎖部(B)の分子量(nB)と枝分れ部(AおよびA’)の分子量(nA)の比(nA/nB)が0.2〜1.2、該ポリエーテルの平均分子量が5000〜16000である水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルが0.5〜20重量%、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン酸塩が0.1〜3.0重量%含有されてなることを特徴とするポリエステル複合仮撚加工糸。」が提供される。
Figure 0004084260
その際、ポリエステルマルチフィラメント糸aの周りに、ポリエステルマルチフィラメ
ント糸bが交互撚糸状に捲き付き、かつ実質的に太さ斑のない構造を有することが好まし
前記ポリエステルマルチフィラメント糸bとポリエステルマルチフィラメント糸aとの伸度差としては20%以上であることが、優れたかさ高性とスパン感を得る上で好ましい。ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bとの重量割合としては、重量比(a:b)3:7〜1:9の割合であることが好ましい。
本発明のポリエステル複合仮撚加工糸によれば、良好なかさ高性、スパン感を有するとともにドライ感、フィブリル感にも優れたスパンライクなポリエステル布帛を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明のポリエステル複合仮撚加工糸において、ポリエステルマルチフィラメント糸aを芯部とし、その周りに該ポリエステルマルチフィラメント糸aよりも大きい伸度を有するポリエステルマルチフィラメント糸bが鞘部として巻きついた2層構造が形成されている。
ここで、かかる2層構造としてはほぼ芯鞘構造になっておればよく、特に限定されないが、特公昭61−19733号公報の図6に示されているように、芯糸の周りに捲付き糸が交互撚糸状に捲きついた、実質的に太さ斑のない構造であることが好ましい。かかる2層構造糸において、芯糸と捲付き糸との構成フィラメントが互いに交絡した部分を有し、これにより前記交互撚糸状の捲付き構造が安定に保持される。
本発明のポリエステル複合仮撚加工糸において、鞘部に位置する高伸度側のポリエスエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルとしては、芳香環を重合体の連鎖単位に有する芳香族ポリエステルが好適である。かかる芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが特に好適である。かかるポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、酸化チタン、着色剤、不活性微粒子などの任意の添加剤が含まれていてもよい。
本発明において、ポリエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルには、前述のように、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテル、および有機スルホン酸塩が含有されており、以下それらについて詳述する。
まず、ポリエスエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルには、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルが0.5〜20重量%(好ましくは1.0〜5.0重量%)含有される必要がある。該含有量が、0.5重量%未満では、フィブリル化するものの、その発現量が少なく、本発明の目的とするフィブリル感やドライ感が得られず好ましくない。逆に、該含有量が20重量%よりも大きいと、フィブリル化は進むものの、フィブリル繊維が脱落しやすくなり、実用性に劣り好ましくない。
前記水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルとしては、下記一般式で表されるポリエーテルであることが好ましい。
Figure 0004084260
ここで、直鎖部(B)の分子量(nB)と枝分れ部(AおよびA’)の分子量(nA)の比(nA/nB)が0.2〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.25〜1.0である。該比が0.2未満の場合、ポリエーテルをポリエステルポリマー中にブレンドした際に、直鎖状の部分が長すぎて分子鎖の伸張が不十分となるか、あるいは、枝分れの数や長さが不足しやすく、分子鎖の伸張に必要なアンカー効果が得られない恐れがある。その結果、本発明の目的とするフィブリル感やドライ感が十分には得られない恐れがある。
逆に、上記比(nA/nB)が1.2を越えると、直鎖部分でない部分が大きくなることで、ポリエーテルとポリエステルとのブレンドがされにくくなり、均一にフィブリル化が起こり難くなる恐れがある。
また、上記ポリエーテルの分子量は5000〜16000、(より好ましくは5500〜14000)であることが好ましい。該分子量が5000未満の場合には、ポリエーテルが仮撚加工糸中で十分な長さに伸張されず、良好なフィブリル繊維が得られない恐れがある。逆に、該分子量が16000よりも大きい場合は、ポリエステル中での溶融混和性が低下して、分散が不均一となり易く、溶融紡糸性が低下し、得られる糸の物性が低下する恐れがある。
一方、ポリエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルに含有される有機スルホン酸塩の含有量は、0.1〜3.0重量%(好ましくは0.2〜2.0重量%)である必要がある。有機スルホン酸塩は、アルカリ処理により繊維をフィブリル化する際、繊維の分子構造中でアルカリ減量の基点となる役割を果たすものである。このため、該含有量が0.1重量%未満では、アルカリ処理によるフィブリル化が十分に進まず好ましくない。逆に、該含有量が3.0重量%を越える場合には、糸の機械的性質、耐光性などが損なわれる。さらには、アルカリ処理でフィブリル化が進みすぎ、糸の強度が著しく低下し、実用的でない。
上記の有機スルホン酸塩としては、ポリエステルと実質的に非反応性である必要があり、下記一般式(1)〜(4)のうちいずれかで示されるスルホン酸金属塩であることが好ましい。
Figure 0004084260
式中、Rは1価の炭化水素基、Rは炭素原子数2〜4のアルキレン基、Rは炭素原子数10〜40のアルキルフェニル基、または炭素原子数14〜40のアルキルナフチル基である化合物、aは1〜100の整数、bは2〜4の整数、mはNa、K、Li、などのアルカリ金属を示す。かかる金属塩は1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルマルチフィラメント糸bは、前記水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルと有機スルホン酸塩が含有されたポリエステルからなるマルチフィラメントであって、後記のポリエステルマルチフィラメント糸aよりも、その伸度が高い必要がある。伸度差としては、20%以上(より好ましくは30%以上、特に好ましくは80〜250%)であることが好ましい。このように伸度差をもうけることにより、かさ高性やスパン感が得られやすくなる。
一方、本発明のポリエステル複合仮撚加工糸の芯部に位置するポリエステルマルチフィラメント糸aは、前記ポリエステルマルチフィラメント糸bよりも低伸度である必要がある。
該ポリエステルマルチフィラメント糸aを形成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが特に好適である。かかるポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、酸化チタン、着色剤、不活性微粒子などの任意の添加剤が含まれていてもよい。さらには、ポリエステルマルチフィラメントbと同じポリエーテルと有機スルホン酸塩を含むポリエステルでもよい。
本発明のポリエステル複合仮撚加工糸において、ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bとの重量比が、(a:b)で3:7〜1:9の割合で含まれることが好ましい。なお、本発明の目的が損なわれない範囲であれば、第3の糸条が含まれていてもさしつかえない。
なお、前記ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bの単繊維の横断面形状は特に限定されず、丸だけでなく、丸中空、三角、四角などの異型でもよい。また、前記ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bの総繊度は、特に限定されないが、かさ高性、布帛表面のドライ感、フィブリル感、コシ、反発性を得る上で、捲き付き糸の総繊度を芯糸の総繊度以上とすることが好ましく、ポリエステル複合仮撚加工糸内において、ポリエステルマルチフィラメント糸bの総繊度を70〜350dtex、ポリエステルマルチフィラメント糸aの総繊度を50〜150dtexの範囲とすることが好ましい。また、ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bの単繊維繊度は、1.5〜5.0dtexの範囲とすることが好ましい。
次に、本発明のポリエステル複合仮撚加工糸の製造方法について説明する。
まず、前記ポリエステルマルチフィラメント糸b(高伸度側糸条)は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、前記のポリオキシエチレン系ポリエーテルおよび有機スルホン酸塩をポリエステル中に含有させるのは、ポリエステルが繊維化される前の段階であれば、任意の段階で、任意の方法により行うことができる。例えば、ポリエステルの重縮合反応開始前、重縮合反応途中、あるいは、重縮合反応終了後に、上記ポリオキシエチレン系ポリエーテルおよび有機スルホン酸塩を、粉体またはグリコール等の溶媒に溶解もしくは分散した状態で添加する方法が採用される。または、上記ポリオキシエチレン系ポリエーテルおよび有機スルホン酸塩を含有させたマスターチップを予め作製し、これとポリエステルのチップとを、乾燥工程または溶融紡糸工程で混合してもよいし、それぞれを溶融させた後混合してもよい。
以上の方法で、ポリエステルに、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルが0.5〜20重量%、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン酸塩が0.1〜3.0重量%(好ましくは0.2〜2.0重量%)含有させ、例えば、これをチップ状とし、270〜310℃の紡糸温度で紡糸口金から溶融吐出し、吐出ポリマーを冷却固化し、油剤を付与した後、これを500〜2500m/分、好ましくは800〜1600m/分で引取り、未延伸糸としてワインダーに巻き取ることにより得ることができる。
一方、ポリエステルマルチフィラメント糸a(低伸度側糸条)は、通常のポリエステルをチップ状とし、270〜310℃の紡糸温度で紡糸口金から溶融吐出し、吐出ポリマーを冷却固化し、油剤を付与した後、これを2500〜5000m/分、好ましくは3000〜4000m/分で引取り、未延伸糸(部分配向糸)としてワインダーに巻き取ることにより得ることができる。
次いで、両糸条を用いて、例えば、特公昭61−19733号公報に記載されるスパンライク用仮撚2層構造糸の製造方法により得ることができる。すなわち、特公昭61−19733号公報の図9に示される装置を用いて、前記ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bと引き揃えて空気交絡処理を施したのち、1.2倍以上の延伸倍率で同時延伸仮撚捲縮加工を施す方法である。その際、交絡数30〜80個/m、ヒータ温度120〜190℃、仮撚数2100〜2800T/m、延伸倍率1.3〜1.8倍の範囲が好ましく、仮撚具としては、3軸摩擦片デイスク式仮撚具、ベルト式仮撚具、ピン式仮撚具などが例示される。
かくして得られたポリエステル複合仮撚加工糸は、低伸度側のポリエステルマルチフィラメント糸aが芯部に位置し、その周りに高伸度側のポリエステルマルチフィラメント糸bが鞘部として巻きついた2層構造を有する。
かかるポリエステル複合仮撚加工糸を用いて、必要に応じて適度な撚りを施し、所望の組織に製編織した後、製編織された布帛に通常のアルカリ減量加工(好ましいアルカリ減量率は5〜30%)を施すことにより、ポリエステルマルチフィラメント糸bがフィブリル化される。その結果、良好なかさ高性、スパン感を有するとともにドライ感、フィブリル感にも優れたスパンライクなポリエステル布帛が得られる。
その際、布帛中に占める本発明のポリエステル複合仮撚加工糸の割合は、必ずしも100%である必要はないが、優れたドライ感、フィブリル感を得るためにはその割合が多いほど好ましい。また、通常の染色仕上げ加工が施されても何らさしつかえない。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)伸度
JIS L 1013−1998 7.5.1により伸度(%)を測定した。
(2)固有粘度
35℃のオルソクロロフェノール溶液で測定した。
(3)風合い(フィブリル感、ドライ感、かさ高性、スパン感)
フィブリル感については、熟練者5人による外観評価を行い、その平均値で、均一にフィブリル化が進み品位の高いものを「きわめて良好」とし、フィブリル化が不十分で筋状の斑が多く見えるものを「不良」とし、その間をさらに2段階にわけ、「きわめて良好」、「良好」、「やや不良」、「不良」の4段階にランク付けした。また、その他のドライ感、かさ高性、スパン感については、上記と同様に熟練者5人による官能評価を行い、その平均値で、各々、「きわめて良好」、「良好」、「やや不良」、「不良」の4段階にランク付けした。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢酸カルシウム1水塩部0.06部(テレフタル酸ジメチルに対して0.0066モル%)、および整色剤として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチルに対して0.07モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留居しながらエステル交換反応させた。
エステル交換反応終了後、反応混合物に安定剤としてリン酸トリメチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対して0.080モル%)、および消泡剤としてジメチルポリシロキ酸0.024部を加えた。ついで、10分後、三酸化アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加し同時に過剰のエチレングリコールを追い出しながら240℃まで昇温したあと、重合反応釜に移した。
次に、この反応化合物に下記式、
Figure 0004084260
(但し、m、m’は平均値として6、pは平均値として130、j、j’は14〜16であり、平均値として15、直鎖部(B)の分子量(nB)と枝分れ部(AおよびA’)の分子量(nA)との比(nA/nB)は0.5である)で表される平均分子量8551のポリオキシエチレン系化合物を1.4重量%添加し、引き続いて反応缶内の圧力を1時間かけて760mmHgから3mmHgまで減圧し、10分後に有機スルホン酸塩として、ドデシルベンゼンスルホン酸を0.5重量%、減圧下に添加した。さらに1mmHgまで減圧し、同時に反応混合物の温度を1.5時間かけて240℃から280℃まで昇温した。さらに1mmHg以下の減圧下で、重合温度280℃で2時間重合し、この段階で反応混合物に酸化防止剤として、サイアノックス1790(アメリカン・サイアナミッド社製)を0.1部、およびマークA0−412S(アデカ・アーガス化学社製)0.3部を減圧下で添加し、その後さらに30分間重合した。このポリマーを常法によりチップ化した。
こうして得られたチップを紡糸口金から、溶融温度287℃で溶融吐出し、紡糸速度1500m/分で一旦巻取り、高伸度側糸条として165dtex/36fil、伸度350%の未延伸糸を得た。
一方、固有粘度0.66の通常のポリエチレンテレフタレートを用いて、通常の紡糸機を使用して、常法に従って溶融紡糸して、3500m/分で一旦巻取り、低伸度側糸条として130dtex/24fil、伸度112%の未延伸糸(部分配向糸)を得た。
次いで、両糸条を引き揃えて空気交絡処理および同時延伸仮撚捲縮加工を行った。その際、空気交絡処理は、公知のインターレースノズルを用い、オーバーフィード率1.0%、圧空圧0.3MPa(3kgf/cm)で45個/mの交絡を付与した。また、同時延伸仮撚捲縮加工は、延伸倍率1.55倍、仮撚数2500T/m、ヒーター温度180℃、糸速350m/分の条件で行った。
かくして得られたポリエステル複合仮撚加工糸は、実質的に太さ斑のない交互撚り2層構造を有しており、かつ芯部を構成する糸条の伸度は35%であり、他方、鞘部を構成する糸条の伸度は75%であった。また、芯部を構成する糸条と鞘部を構成する糸条とが部分的に交絡(30個/m)していた。
該ポリエステル複合仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、タフタ織物に製織し、常法に従って精錬、アルカリ減量加工(減量率15%)、染色、熱セットを施した。得られた織物はフィブリル化されており、フィブリル感で「きわめて良好」、ドライ感で「きわめて良好」、かさ高性で「きわめて良好」、スパン感で「きわめて良好」と、スパンライクでフィブリル感、ドライ感に優れるものであった。
[実施例2]
実施例1において、高伸度側糸条の紡糸速度を2500m/分に変更すること以外は実施例1と同様にして200dtex/36fil、伸度190%の未延伸糸を得た。また、実施例1において、低伸度側糸条の紡糸速度を4500m/分に変更すること以外は実施例1と同様にして、110dtex/24fil、伸度70%の未延伸糸(部分配向糸)を得た。
次いで、両糸条を引き揃えて空気交絡処理および同時延伸仮撚捲縮加工を行った。その際、空気交絡処理は、公知のインターレースノズルを用い、オーバーフィード率0.5%、圧空圧0.3MPa(3kgf/cm)で40個/mの交絡を付与した。また、同時延伸仮撚捲縮加工は、延伸倍率1.23倍、仮撚数2500T/m、ヒーター温度210℃、糸速250m/分の条件で行った。
かくして得られたポリエステル複合仮撚加工糸は、実質的に太さ斑のない交互撚り2層構造を有しており、かつ芯部を構成する糸条の伸度は30%であり、他方、鞘部を構成する糸条の伸度は65%であった。また、芯部を構成する糸条と鞘部を構成する糸条とが部分的に交絡(28個/m)していた。
該ポリエステル複合仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、タフタ織物に製織し、常法に従って精錬、アルカリ減量加工(減量率15%)、染色、熱セットを施した。得られた織物はフィブリル化されており、フィブリル感で「きわめて良好」、ドライ感で「きわめて良好」、かさ高性で「きわめて良好」、スパン感で「きわめて良好」と、スパンライクでフィブリル感、ドライ感に優れるものであった。
[比較例1]
実施例1において、高伸度側糸条のポリマーとして、低伸度側糸条と同じもの(フィブリル化剤を含まない)を用いること以外は実施例1と同様にしてポリエステル複合仮撚加工糸を得て、製織、減量、染色仕上げ加工を行った。得られた織物はフィブリル化されておらず、フィブリル感で「不良」、ドライ感で「不良」、かさ高性で「きわめて良好」、スパン感で「きわめて良好」と、フィブリル感、ドライ感に劣るものであった。
本発明のポリエステル複合仮撚加工糸を用いて布帛を得ると、良好なかさ高性、スパン感を有するとともにドライ感、フィブリル感にも優れた、従来には見られなかったようなスパンライクなポリエステル布帛を得ることができる。かかる布帛は、各種の衣料用途に巾広く使用することができ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (4)

  1. ポリエステルマルチフィラメント糸aを芯部とし、その周りに、該ポリエステルマルチフィラメント糸aよりも大きい伸度を有するポリエステルマルチフィラメント糸bが鞘部として巻きついた2層構造の複合仮撚加工糸であって、前記ポリエステルマルチフィラメント糸bを形成するポリエステルに、下記一般式で表されるポリエーテルであり、下記一般式中の直鎖部(B)の分子量(nB)と枝分れ部(AおよびA’)の分子量(nA)の比(nA/nB)が0.2〜1.2、該ポリエーテルの平均分子量が5000〜16000である水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルが0.5〜20重量%、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン酸塩が0.1〜3.0重量%含有されてなることを特徴とするポリエステル複合仮撚加工糸。
    Figure 0004084260
  2. ポリエステルマルチフィラメント糸aの周りに、ポリエステルマルチフィラメント糸bが交互撚糸状に捲き付き、かつ実質的に太さ斑のない構造を有する請求項1に記載のポリエステル複合仮撚加工糸。
  3. ポリエステルマルチフィラメント糸bとポリエステルマルチフィラメント糸aとの伸度差が20%以上である請求項1または請求項2に記載のポリエステル複合仮撚加工糸。
  4. ポリエステルマルチフィラメント糸aとポリエステルマルチフィラメント糸bとが、重量比(a:b)3:7〜1:9の割合で含まれる請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル複合仮撚加工糸。
JP2003287471A 2003-08-06 2003-08-06 ポリエステル複合仮撚加工糸 Expired - Fee Related JP4084260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003287471A JP4084260B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 ポリエステル複合仮撚加工糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003287471A JP4084260B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 ポリエステル複合仮撚加工糸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005054325A JP2005054325A (ja) 2005-03-03
JP4084260B2 true JP4084260B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=34366440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003287471A Expired - Fee Related JP4084260B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 ポリエステル複合仮撚加工糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4084260B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4955278B2 (ja) * 2006-02-06 2012-06-20 帝人ファイバー株式会社 エアレイド不織布用ポリエステル系繊維およびその製造方法
JP4818004B2 (ja) * 2006-07-14 2011-11-16 帝人ファイバー株式会社 制電性ポリエステル仮撚加工糸及びその製造方法
JP4818007B2 (ja) * 2006-07-18 2011-11-16 帝人ファイバー株式会社 制電性を有する特殊複合仮撚加工糸及びその製造方法
TW200819569A (en) * 2006-07-14 2008-05-01 Teijin Fibers Ltd Antistatic polyester false twist yarn, process for producing the same, and antistatic special composite false twist yarn including the antistatic polyester false twist yarn

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005054325A (ja) 2005-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014156685A (ja) ポリ(トリメチレンテレフタラート)の微細デニール糸
MXPA04012282A (es) Fibras de poli(dicarboxilato de trimetileno), su fabricacion y su uso.
JP4212779B2 (ja) ポリエステル嵩高複合糸及びその製造方法
JP2010053491A (ja) 異形異繊度混繊糸
US20060213176A1 (en) Poly(butylene terephthalate) sewing thread
JP4084260B2 (ja) ポリエステル複合仮撚加工糸
JP4233245B2 (ja) ポリエステル系複合繊維及びその製造方法
JP4084258B2 (ja) 綿調ポリエステル混繊糸
JP2001192942A (ja) 嵩高加工糸およびその製造方法
JP2000136440A (ja) 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法
JP3973539B2 (ja) 易フィブリル性ポリエステル糸
JP4700238B2 (ja) ポリエステル仮撚加工糸およびその製造方法
JP4506130B2 (ja) 先染め糸およびその製造方法
JP4133546B2 (ja) 極細繊維化可能なポリエステル繊維
JPH062235A (ja) ポリエステル複合仮撚糸
JP4387230B2 (ja) ポリエステル複合仮撚加工糸
JP2001214335A (ja) 低収縮ポリエステル太細糸およびそれからなるポリエステル混繊糸
JP3333831B2 (ja) ポリエステル太細糸
JP2004360107A (ja) フィブリル化可能な仮撚加工糸
JP2007239139A (ja) 複合仮撚加工糸
JPH08325869A (ja) ポリエステル特殊異収縮混繊糸
JP2000256924A (ja) 仮撚複合糸
JPS6131232B2 (ja)
JP2005194661A (ja) ポリエステル混繊糸
KR20220014624A (ko) 신축성이 우수한 폴리에스테르계 ity 복합사 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees