JP4083867B2 - 椅子の座席 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子の座席に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子の座席の代表的な公知例として、特開平8-38299号公報記載のものがある。この椅子は、アウターシェル自体が荷重を受け止める構造体となっている。即ち、金属製の補強部材をアウターシェルの座席対応部分に取り付け、この補強部材と座受け部材との間にアウターシェルを挾圧した状態で固定することによって、アウターシェルを構造体として機能させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報記載の椅子の座席においては、アウターシェルに構造体としての機能を持たせているために、アウターシェルが厚肉構造となり、重量増を招くという問題がある。
【0004】
さらに、アウターシェルの強度を高めるために、複雑な補強リブをアウターシェル表面に設ける必要があり、そのため、アウターシェルを成形する金型の構造が複雑化して、コストアップを招来し、しかも、補強リブの存在により、椅子自体の見栄えが悪くなる。
また、複数の補強リブをシェル表面に設けると、アウターシェルの成形に長時間を要し、製造効率が悪いという問題もある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上述のような問題点に鑑みてなされたもので、椅子のアウターシェルに補強リブを設ける必要がなく、かつシェル全体の薄肉構造による軽量化が可能であり、デザイン的にも優れた椅子の座席を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のようにして上記課題を解決している。
(1) 下部に脚柱の取付部が設けられ、かつ正面視上向コ字状とした中央金具と、この中央金具の両側から水平に延出する左右1対の支持金具とを具備する座席取付金具の上面に、座席を構成するクッション材、座インナーシェル及び座アウターシェルを取り付け、この座アウターシェルに、前記座席取付金具の上面に設けた凹部の底面に当接する下向きの凸部を形成し、これらの凹部と凸部とが当接することによって、座席にかかる荷重を座席取付金具によって支持するとともに、座アウターシェルの下面に設けた凹所と座席取付金具の外周部より起立する外周縁部とを互いに離間させる。
【0007】
(2) 上記(1) 項において、中央金具と支持金具とは、それぞれ別部材からなり、これら各金具を接合することにより座席取付金具が形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る椅子の座席の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本実施形態の座席を備える椅子を、前上方から見た分解斜視図、図2は、図1の椅子の要部の側断面図である。
【0010】
図1に示すように、この椅子は、背もたれ部(10)と、座席部(12)と、脚部(14)等とを備えている。
【0011】
背もたれ部(10)は、後述する座席取付金具に下端が固定された背もたれ杆(16)に沿って、上下動可能に組み付けられている。背もたれ部(10)は、表皮材(18)、背クッション材(20)、インナーシェル(22)、アウターシェル(24)等を備え、表皮材(18)及び背クッション材(20)は、インナーシェル(22)に公知の手段によって取り付けられている。インナーシェル(22)とアウターシェル(24)との取付は、両者をねじ止めすることによって行われる。
【0012】
座席部(12)は、座クッション材(26)、座インナーシェル(28)、座アウターシェル(29)、座席取付金具(30)等を具備している。図2に示すように、座クッション材(26)は、座インナーシェル(28)の上面に張設され、座席取付金具(30)は、座インナーシェル(28)と座アウターシェル(29)とを支持している。
【0013】
座アウターシェル(29)には、座席取付金具(30)の上面に設けられた凹部(30a)の底面と当接する下向きの凸部(29a)が設けられており、座席にかかった荷重が、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)を介して座席取付金具(30)に伝達されるようになっている。座アウターシェル(29)の外周部は、座席取付金具(30)よりも外方に延出している。
【0014】
座アウターシェル(29)の下面に設けた凹所 (29b)と、座席取付金具(30)の外周部より起立する外周縁部(30b)とは、所定の間隔を隔てて離間しており、そのため、凹所 (29b)と外周縁部(30b)とがぶつかって、座アウターシェル(29)が椅子の使用中に破損するのが防止されている。
【0015】
図3は、座席取付金具(30)の平面図、図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。図3に示すように、座席取付金具(30)は、中央金具(32)と、中央金具(32)に溶接された左右1対の支持金具(34a)(34b)とから構成されている。図4に示すように、中央金具(32)は、正面視上向コ字状の箱形に形成され、中央の箱状部(32a)には、脚部(14)の脚柱(14a)の上端部が嵌入する取付筒(36)が設けられている。
【0016】
図5及び図6は、中央金具(32)を拡大して示しており、中央金具(32)は、鉄板製の箱状部(32a)の上縁を、板金加工等によって形成された鉄製の板状部(32b)の下面に溶接することによって構成されている。箱状部(32a)の後部には、図1に示す椅子の背もたれ杆(16)の下端が、左右方向を向くピン(38)によって傾動可能に取り付けられている。
【0017】
支持金具(34a)(34b)には、プレス成形によって補強用の凹凸が形成されており、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)を介して座席取付金具(30)にかかる荷重に対する強度が確保されている。即ち、座席取付金具(30)を、荷重を受ける構造材として機能させるようにしている。このため、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)の強度は、それ程、要求されず、シェル自体を薄肉構造とすることができる。
【0018】
中央金具(32)の後部両側端には、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)取付用の取付孔(40)(40)が穿設され、図2に示すように、ねじ(42)によって、座アウターシェル(29)とともに座インナーシェル(28)に固定されている。
【0019】
このように、本実施形態によれば、座席にかかる荷重を受ける構造体としての機能を、座席取付金具(30)に持たせるようようにしているので、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)を薄肉化することができ、椅子全体の軽量化を図ることができる。
【0020】
また、座インナーシェル(28)及び座アウターシェル(29)に補強リブを設ける必要がなくなるので、デザイン的に見栄えが向上するとともに、シェルを成形する金型の構造を簡単化することができ、コストダウンが図られる。さらに、シェルの成形時間が短くてすむので、製造効率が向上する。
【0021】
本実施形態では、中央金具(32)と、支持金具(34a)(34b)とを鉄製の別部材として、各部材を溶接することによって座席取付金具(30)を構成しているが、溶接によらず一体成形された打ち抜き材等を用いることも可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a) 請求項1の発明によると、座席の座アウターシェル及び座インナーシェルを薄肉化することができるので、椅子全体を軽量化することができる。
また、シェルに補強リブを設ける必要がないので、デザインが向上するとともに、シェル成形用の金型構造を簡単化することが可能となり、製造コストを低減することができる。
【0023】
(b) 請求項2の発明によると、座席取付金具を、複数の部材を組み合わせて構成しているので、安価な鉄製の部材を使用することが可能となり、椅子全体のコストダウンが図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の椅子の一実施形態を前上方から見た分解斜視図である。
【図2】 図1における椅子の要部側断面図である。
【図3】 座席取付金具の平面図である。
【図4】 図3のIV-IV線に沿った断面図である。
【図5】 中央金具の拡大平面図である。
【図6】 同じく、中央金具の正面図である。
【符号の説明】
(10)背もたれ部
(12)座席部
(14)脚部
(14a)脚柱
(16)背もたれ杆
(18)表皮材
(20)背クッション材
(22)インナーシェル
(24)アウターシェル
(26)座クッション材
(28)座インナーシェル
(29)座アウターシェル
(29a)凸部
(29b)凹所
(30)座席取付金具
(30a)凹部
(30b)外周縁部
(32)中央金具
(32a)箱状部
(32b)板状部
(34a)(34b)支持金具
(36)取付筒
(38)ピン
(40)取付孔
(42)ねじ
Claims (2)
- 下部に脚柱の取付部が設けられ、かつ正面視上向コ字状とした中央金具と、この中央金具の両側から水平に延出する左右1対の支持金具とを具備する座席取付金具の上面に、座席を構成するクッション材、座インナーシェル及び座アウターシェルを取り付け、この座アウターシェルに、前記座席取付金具の上面に設けた凹部の底面に当接する下向きの凸部を形成し、これらの凹部と凸部とが当接することによって、座席にかかる荷重を座席取付金具によって支持するとともに、座アウターシェルの下面に設けた凹所と座席取付金具の外周部より起立する外周縁部とを互いに離間させたことを特徴とする椅子の座席。
- 中央金具と支持金具とは、それぞれ別部材からなり、これら各金具を接合することにより座席取付金具が形成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子の座席。
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JP12032598A JP4083867B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 椅子の座席 |
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JPH11309037A JPH11309037A (ja) | 1999-11-09 |
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ID=14783469
Family Applications (1)
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JP12032598A Expired - Fee Related JP4083867B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 椅子の座席 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4083867B2 (ja) |
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1998
- 1998-04-30 JP JP12032598A patent/JP4083867B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11309037A (ja) | 1999-11-09 |
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