JP4082240B2 - 受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はBS、地上波等の放送を受信するTV、STB(セット・トップ・ボックス)などの受信装置(国際特許分類 H04B 1/16,1/18)及びブースタ装置(国際特許分類H03G 3/30)に関するものである
【0002】
【従来の技術】
近年、放送のデジタル化が世界的規模で急速に浸透しつつあり、日本国内でも2000年にBSデジタルが開始され、2003年には地上波デジタル放送が開始される予定である。
【0003】
以下に従来の受信装置及びブースタ装置について図6及び図7を用いて説明する。
【0004】
図6は、従来の受信装置及びブースタ装置のブロック図、図7は受信装置の受信状態モニタ画面を示す図である。図6及び図7において、1は受信アンテナ、2はブースタ装置、3は受信機本体、4はフロントエンド部、5はRF-AGC回路、6は選局回路、7は復調回路、8はバックエンド、9は表示処理回路、10は受信状態モニタ画面、11は受信C/Nレベル表示である。
【0005】
以上のように構成された従来の受信装置及びブースタの動作について以下に説明する。受信アンテナ1で受信された放送波は、ブースタ装置2で増幅され、受信機本体3のフロントエンド部4へと導かれ、選局回路6により周波数変換された後、復調回路7にてデジタル放送の場合TS(トランスポート・ストリーム)が出力される。出力されたTSはバックエンド8にて映像、音声にデコードされ、表示処理回路9により、TV映像、音声として出力される。復調回路7では、フロントエンド部4に入力される放送波の電界強度が大きい場合、その大きさに対応したゲインリダクション情報を生成し、その情報をもとにRF-AGC回路5をフィードバック制御することにより、受信性能を安定化している。また、復調回路7で、放送波の受信C/Nレベルを検出し、検出された受信C/Nレベル情報は、バックエンド8にて演算後、表示処理回路9を介して、図7の受信状態モニタ画面10に受信C/Nレベル表示として出力される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−359008号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、受信アンテナ1で受信された放送波の電界強度がブースタ装置2の許容範囲を超えた場合、あるいはブースタ装置2の利得設定が不適切で飽和した場合に、受信状態モニタ画面10では受信C/Nレベル表示11の情報しか得られず、受信障害が発生した場合に原因を特定することが非常に困難であるという問題点を有していた。
【0008】
本発明は上記従来の問題点を解決し、受信C/Nレベルに加え、電界強度レベル及びブースタ装置の飽和による受信状態の劣化をモニタし、受信障害発生を回避することが可能な受信装置及びブースタ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これらの目的を達成するために本発明の受信装置は、受信C/Nを表示すると同時に、放送波の電界強度を、フロントエンド部のRF-AGCのゲインリダクション情報を演算することにより表示するとともに、電界強度と受信C/Nより、受信装置の前段に載置されたブースタ装置の飽和を推定し表示する機能を具備することを特徴とする。また、本発明のブースタ装置では、上記受信装置から伝送されたブースタ装置の飽和推定値を表示することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、受信C/NとRF-AGCのゲインリダクション情報から得られる電界強度より、ブースタ装置の飽和を容易に推定し同一画面に表示することにより、受信障害を容易に回避可能な受信装置及びブースタ装置を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、ブースタ装置で増幅された放送波の電界強度によりゲインリダクション情報を演算してRF−AGC部にフィードバックする制御と前記放送波の受信C/Nレベルの検出とを行う第1の復調部と、前記ゲインリダクション情報からC/Nレベル演算値を演算し、前記C/Nレベル演算値と前記第1の復調部が検出した受信C/Nレベルとを比較して前記ブースタ装置の飽和度合いを推定するバックエンド部と、前記ブースタ装置の飽和度合いを表示させる表示処理部とを具備する受信装置であり、受信C/NとRF−AGCのゲインリダクション情報から得られるC/Nレベル演算値より、ブースタ装置の飽和を容易に推定し画面に表示することにより、受信障害を容易に回避可能であるという作用を有する。
【0012】
本発明の第2の発明は、第1の発明の受信装置において、前記ブースタ装置の飽和度合いと同時に表示するモニタ画面用の画像を復調する第2の復調部を具備する受信装置であり、受信C/NとRF−AGCのゲインリダクション情報から得られる電界強度より、ブースタ装置の飽和を推定し表示すると共に、小画面で復調後の画像を同時に表示することによって、受信障害を容易に回避可能であるという作用を有する。
【0013】
本発明の第3の発明は、第1の発明の受信装置において、前記バックエンド部は、前記ゲインリダクション情報から電界強度レベル演算値を演算し、前記表示処理部は、前記ブースタ装置の飽和度合いと同時に前記電界強度レベル演算値と前記第1の復調部が検出した受信C/Nレベルとを表示させる受信装置であり、受信C/NとRF−AGCのゲインリダクション情報から得られる電界強度より、ブースタ装置の飽和を推定し表示すると共に、電界強度レベル演算値と受信C/Nレベルとを同時に表示することによって、受信障害を容易に回避可能であるという作用を有する。
【0014】
本発明の第4の発明は、第1の発明の受信装置において、前記ブースタ装置の飽和度合いを電気信号に変換して前記ブースタ装置に伝送するレベル変換部とを具備する受信装置であり、ブースタ装置に飽和状態表示機能があるため、ブースタ装置の配置場所で受信障害を容易に回避することが可能であるという作用を有する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における受信装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態1における受信装置の受信状態モニタ画面を示す図である。
【0017】
図1、図2において、1は受信アンテナ、2はブースタ装置、3は受信装置本体、4はフロントエンド部、5はRF-AGC回路、6は選局回路、7は復調回路、8はバックエンド、9は表示処理回路、10は受信状態モニタ画面、11は電界強度レベル表示、12は受信C/Nレベル表示、13はブースタ飽和モニタ表示である。
【0018】
以上のように構成される端末装置の動作について、以下、説明する。受信アンテナ1で受信された放送波は、ブースタ装置2で増幅され、受信機本体3のフロントエンド部4へと導かれ、選局回路6により周波数変換された後、復調回路7にてデジタル放送の場合TS(トランスポート・ストリーム)が出力される。出力されたTSはバックエンド8にて映像、音声にデコードされ、表示処理回路9により、TV映像、音声として出力される。復調回路7では、フロントエンド部4に入力される放送波の電界強度が大きい場合、その大きさに対応したゲインリダクション情報を生成し、その情報をもとにRF-AGC回路5をフィードバック制御することにより、受信性能を安定化すると同時に、生成されたゲインリダクション情報より、バックエンド8にて演算後、電界強度レベルを生成する。また、復調回路7で、放送波の受信C/Nレベルを検出し、検出された受信C/Nレベル情報は、バックエンド8にて演算後、上記の電界強度レベルと共に、表示処理回路9を介して、図2の受信状態モニタ画面10に電界強度レベル表示11及び受信C/Nレベル表示12として出力される。
【0019】
さらに、装置劣化が無い、即ちブースタが飽和していない、と仮定した場合の電界強度レベルx(dB)と、受信C/NレベルY(dB)が数式Y=f(x)で定義される場合、バックエンド8にて演算して得られた電界強度レベル(x1とする)より、装置劣化が無いと仮定した場合の受信C/Nレベルf(x1)を算出し、復調回路7で得られた実際の受信C/Nレベル(Y1とする)と比較を行い、その差について予め定められた数式Z=a(f(x1)-Y1)により補正を行う。こうすることによりZをブースタの飽和の度合いを示す推定値とすることができる。Zは表示回路9を介して、ブースタ飽和モニタ表示13として受信状態モニタ画面10に出力される。
【0020】
また、ブースタ飽和の度合いが著しく大きいときには、表示する文字あるいはバー表示等の色を定常時とは変化させることにより、受信障害発生を促す機能を有している。
【0021】
なお、本実施の形態では、受信状態モニタ画面10として、電界強度、C/N、ブースタ飽和モニタの3つの項目をバーレベルにて表示しているが、電界強度はRF-AGC、C/NはBER(ビットエラーレート)等の他の用語とし、バーレベルを数値で表示しても同等の効果が得られることは言うまでもない。
【0022】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における受信装置の構成を示すブロック図、図4は本発明の実施の形態2における受信装置の受信状態モニタ画面を示す図である。
【0023】
図3、図4において、1は受信アンテナ、2はブースタ装置、3は受信装置本体、4及び15はフロントエンド部、5及び16はRF-AGC回路、6及び17は選局回路、7及び18は復調回路、8はバックエンド、9は表示処理回路、10は受信状態モニタ画面、11は電界強度レベル表示、12は受信C/Nレベル表示、13はブースタ飽和モニタ表示、14はモニタ画像である。実施の形態2は図1に示す実施の形態1において、図3に示すようにフロントエンド部15、RF-AGC回路16、選局回路17、及び復調回路18を追加し、復調回路18で復調した信号を図4のモニタ画像14として受信状態モニタ画面10に小画面表示を可能とするものであり、基本的な原理、動作は実施の形態1と同内容のため詳細は省略する。
【0024】
(実施の形態3)
実施の形態3は図3に示す実施の形態2において、フロントエンド部15にアナログ放送用のフロントエンドを使用したものであり、基本的な原理、動作は実施の形態2と同内容のため詳細は省略する。
【0025】
(実施の形態4)
図5は本発明の実施の形態4における受信装置及びブースタ装置の構成を示すブロック図を示すものである。図5と実施の形態1との差異は、受信機本体3のバックエンド8にて得られたブースタ飽和モニタ情報を、レベル変換回路19にて電気信号に変換し、ブースタ装置2に載置された表示回路20に伝送する点であり、ブースタ装置2の利得調整時にブースタ飽和レベルを確認することができる。その他の基本的な原理、動作は実施の形態1と同内容のため、詳細は省略する。
【0026】
なお、本実施の形態では、レベル変換回路19及び表示回路20には、放送波の周波数とブースタ飽和モニタの電気信号を重畳、分離する機能がそれぞれ含まれており、受信機本体3とブースタ装置2との接続は1本の同軸線路のみとなっているが、同軸線路とは別の信号線でレベル変換回路19と表示回路20とを接続しても同様の効果が得られる。また、表示回路20の表示方法としては、複数のLEDによるバー表示、単一のLEDの輝度を変化させるなど、様々な方式が適用可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明は、受信する放送波の電界強度を、フロントエンド部のRF-AGCのゲインリダクション情報を演算することにより表示する手段と、前記放送波の受信C/Nを表示する手段とを備え、前記電界強度と受信C/Nより、前段に載置されたブースタ装置の飽和を推定し表示する機能を具備することにより、ブースタ装置の飽和を容易に推定し同一画面に表示することにより、受信障害を容易に回避可能な受信装置及びブースタ装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における受信装置の受信状態モニタ画面を示す図
【図3】本発明の実施の形態2における受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における受信装置の受信状態モニタ画面を示す図
【図5】本発明の実施の形態4における受信装置及びブースタ装置の構成を示すブロック図
【図6】従来の受信装置及びブースタ装置の構成を示すブロック図
【図7】従来の受信装置の受信状態モニタ画面を示す図
【符号の説明】
1 受信アンテナ
2 ブースタ装置
3 受信装置本体
4 フロントエンド部
5 RF-AGC回路
6 選局回路
7 復調回路
8 バックエンド
9 表示処理回路
10 受信状態モニタ表示
11 電界強度レベル表示
12 受信C/Nレベル表示
13 ブースタ飽和モニタ表示
14 画像モニタ表示
15 フロントエンド部
16 RF-AGC回路
17 選局回路
18 復調回路
19 レベル変換回路
20 表示回路

Claims (4)

  1. ブースタ装置で増幅された放送波の電界強度によりゲインリダクション情報を演算してRF−AGC部にフィードバックする制御と前記放送波の受信C/Nレベルの検出とを行う第1の復調部と、前記ゲインリダクション情報からC/Nレベル演算値を演算し、前記C/Nレベル演算値と前記第1の復調部が検出した受信C/Nレベルとを比較して前記ブースタ装置の飽和度合いを推定するバックエンド部と、前記ブースタ装置の飽和度合いを表示させる表示処理部とを具備する受信装置。
  2. 前記ブースタ装置の飽和度合いと同時に表示するモニタ画面用の画像を復調する第2の復調部を具備する請求項1記載の受信装置。
  3. 前記バックエンド部は、前記ゲインリダクション情報から電界強度レベル演算値を演算し、前記表示処理部は、前記ブースタ装置の飽和度合いと同時に前記電界強度レベル演算値と前記第1の復調部が検出した受信C/Nレベルとを表示させることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  4. 前記ブースタ装置の飽和度合いを電気信号に変換して前記ブースタ装置に伝送するレベル変換部とを具備する請求項1記載の受信装置。
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