JP4081970B2 - 組電池の電圧調整装置及び組電池の電圧調整方法 - Google Patents

組電池の電圧調整装置及び組電池の電圧調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池からなる単位セルを複数個直列に接続して構成される組電池について、各単位セルの端子電圧のばらつきを調整する組電池の電圧調整装置及び組電池の電圧調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低公害性と高い走行性能との両立を目的として、電気自動車とガソリンエンジンとのメカニズムを組み合わせたハイブリッド電気自動車(以下、HEVと称す)が開発されている。HEVのモータを駆動するためのバッテリとして高電圧の二次電池が必要であるが、小型軽量化のニーズから、鉛,ニッカドやニッケル水素電池などに代わるものとして、リチウム電池が注目されている。リチウム電池は、同容量の鉛やニッカド電池に比して約3〜4倍もの高い重量エネルギ密度を有しており、小形軽量化が要求されるHEVには好適であるとして応用が期待されている。
【0003】
しかしながら、リチウム電池は、過充電や過放電に弱く、定められた電圧範囲内で使用しないと材料が分解して容量が著しく減少したり、異常に発熱するなどして使用できなくなるおそれがある。そのため、リチウム電池を使用する場合は、上限電圧及び下限電圧を明確に規定して、端子電圧がその範囲内となるように充放電制御したり、或いは、電圧範囲を制限する保護回路とセットで使用するのが一般的である。
【0004】
ところで、電気自動車やHEVに使用されるバッテリは、モータを駆動するために高い電圧が要求されるので、通常、複数個の単位セルを直列に接続して構成されている。例えば、300Vのバッテリ電圧を得るには、単位セル当たり2Vの鉛電池では150個程度、単位セル当たり1.2Vのニッケル水素電池では250個程度、単位セル当たり3.6Vのリチウム電池では80個程度のセルを直列接続する必要がある。
【0005】
この場合に問題となるのが、各単位セルの残存容量(State Of Charge,以下、SOCと称す)に基づく各単位セル間の端子電圧のばらつきである。直列接続された状態では各単位セルを流れる電流値は等しいが、各単位セル毎の残存容量には必ずばらつきがあるため、これに起因して各単位セルの端子電圧も異なったものとなる。そのような状態において組電池の端子間電圧を監視して充電制御しても、あくまでも組電池を構成する単位セルの平均電圧を制御しているに過ぎず、平均電圧よりも端子電圧が高い単位セルは過充電気味となり、平均電圧よりも端子電圧が低い単位セルは過放電気味となる。
【0006】
そして、鉛電池やニッカド或いはニッケル水素電池のような水溶性電解液を使用する電池では、過放電や過充電となっても電池の性能が多少劣化するだけで使用不能の状態には至らず、また、過充電での水の電気分解と置換反応(密閉化反応)を利用することで単位セル毎の電圧ばらつきをある程度解消できることや (均等充電)、単位セル毎の電圧制御はコストの増加につながることから組電池の両端電圧のみを参照して制御することが一般的であった。
【0007】
しかしながら、リチウム電池を多直列組電池として使用する場合は、過充電や過放電になると前述したように電池として使用できなくなるおそれがあることから、各単位セル夫々が過充電または過放電状態とならないように対策する必要がある。更に、リチウム電池は、電解液が有機系であり水溶性ではないことから密閉化反応が生ぜず、均等充電を促す作用が働かない。従って、単位セル間の電圧ばらつきは解消することなく次第に拡大して、最終的には全く使用できなくなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上述の問題を解決する技術として、例えば特開平7−336905号公報には、各単位セルに抵抗及びスイッチからなる放電回路を並列に接続し、単位セルの端子電圧にばらつきが生じると、組電池に対する充電中に充電電流を分流させることで電圧ばらつきを調整するものが開示されている。
【0009】
図7はこの従来技術の具体構成例を示すものである。組電池1は、複数(n)個の単位セル2(1),…,2(n)を直列接続して構成されており、それらの各単位セル2の両端には、放電用の抵抗3a及びトランジスタやFETなどからなるスイッチ3bを直列に接続して構成された放電回路3並びに電圧検出器4が夫々接続されている。電圧検出器4の出力信号は、マルチプレクサ5及びA/Dコンバータ6を介してCPU7に与えられる。
【0010】
CPU7は、一定時間毎に各単位セル2の端子電圧を参照してメモリ8に記憶させ、各単位セル2の内で端子電圧が高くなったものを放電させるため、或いは、充電電流をバイパスさせるために制御信号をデコーダ9に出力する。当該制御信号はデコーダ9によりデコードされ、対応する単位セル2の放電回路3のスイッチ3bにフォトカプラ(図示せず)などを介して出力される。すると、そのスイッチ3bは閉じられ、抵抗3aを介して単位セル2の放電或いは充電電流のバイパスが行われる。
【0011】
このような構成では、放電回路3,電圧検出器4やフォトカプラなどが単位セル2の個数分必要となり、全体の部品数が多くなってしまうという問題がある。加えて、実際に、1つのCPU7によって制御することが可能な単位セル2の数は、絶縁(耐圧)性や制御性などの制限により10〜20個程度が限度である。従って、HEV等に適用するには、組電池1全体を10〜20個程度の単位セル2のグループに分けて各グループの制御を夫々対応するCPU7に分担させるように構成し、更にそれら複数のCPU7を統括制御するための上位CPU7Hを配置する、という構成にする必要がある。
【0012】
例えば、組電池1に80個のリチウム電池を用いた場合には、10個×8グループ,または20個×4グループの構成となる。その結果、高価な部品であるCPU7が5個または9個必要となり、加えて、各CPU7と上位CPU7Hとの間で通信を行うために通信インターフェイス10,10Hも必要となって、コストアップすることが避けられない。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組電池を構成する端子電圧のばらつきを制御する装置または方法を、より低コストで構成または実施することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した場合は、組電池からの放電が優先して行われるように負荷の駆動を制御する。そして、充放電制御手段は、セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定すると、該セルグループの平均単位セル電圧が上限電圧を所定電圧だけ上回るまで充電することで端子電圧のばらつきを調整する。
【0015】
即ち、端子電圧のばらつきが拡大しているセルグループについて、その平均単位セル電圧が上限電圧を上回るまで充電を行うと、その状態で端子電圧が上限電圧を上回っている単位セルは、放電手段が作用することで上限電圧を下回るまで放電されるようになる。その結果、前記セルグループを構成する各単位セルの端子電圧は何れも上限電圧付近となるように揃えられ、端子電圧のばらつきは確実に解消される。
【0016】
そして、電圧検出手段は、電圧検出を単位セルの幾つかよりなるセルグループ毎に行い、充放電制御手段は、電圧ばらつきが拡大したことを、上限電圧検出手段による検出結果と、電圧検出手段により検出される電圧より求めるセルグループの平均単位セル電圧とに基づいて判定するので、従来とは異なり、各単位セル毎に電圧を検出する必要がない。また、上限電圧検出手段は、例えば安価なコンパレータ等を用いて構成することができるので、装置全体を小規模に且つ低コストで構成することが可能となる。
【0017】
請求項2記載の組電池の電圧調整装置によれば、上限電圧検出手段の検出信号を、セルグループ毎に各単位セルについての論理和信号として充放電制御手段に出力するので、充放電制御手段に対する出力信号数が1セルグループにつき1つとなり、信号線の数を削減することができる。
【0018】
請求項3記載の組電池の電圧調整装置によれば、上限電圧検出手段及び放電手段を各単位セルに常時接続し、上限電圧検出手段に、その電圧検出対象たる単位セルやセルグループまたは組電池の何れかより動作用電源を供給するので、電源供給用の配線を極力短くすることができる。また、外部からの電源供給が不用なので、そのための給電用配線や電源部品が不用であり、構成を簡単にできコストを低減させることができる。
【0019】
請求項4記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、下限電圧検出手段が下限電圧を下回った単位セルを検出した場合は、組電池からの放電が優先して行われるように負荷の駆動を制御する。そして、充放電制御手段は、セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定した場合にも、該セルグループの平均単位セル電圧が上限電圧を所定電圧だけ上回るまで充電することで端子電圧のばらつきを調整する。
【0020】
即ち、端子電圧のばらつきが拡大している状態が下限電圧側において検出された場合でも、請求項1と同様に、そのセルグループについて平均単位セル電圧が上限電圧を上回るまで充電を行えば、同様の作用によって前記セルグループを構成する各単位セルの端子電圧は何れも上限電圧付近となるように揃えられる。従って、この場合にも端子電圧のばらつきを確実に解消することができる。
【0021】
請求項5記載の組電池の電圧調整装置によれば、下限電圧検出手段の検出信号を、セルグループ毎に各単位セルについての論理和信号として充放電制御手段に出力するので、下限電圧側の検出信号の出力数も1セルグループにつき1つとなって信号線の数を削減することができる。
【0022】
請求項6記載の組電池の電圧調整装置によれば、下限電圧検出手段は、各単位セルに常時接続されて、単位セル,セルグループまたは組電池の何れかより動作用電源が供給されるので、請求項3と同様に電源供給用の配線を極力短くすることができる。
【0023】
請求項7記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、端子電圧のばらつきを調整する場合は、所定電圧を、充電の過程において上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した時点での平均単位セル電圧から求めた電圧ばらつきに基づいて設定する。
【0024】
即ち、ばらつきの調整動作において平均単位セル電圧が上限電圧を上回るまで充電した後は、端子電圧が上限電圧を上回っている単位セルが放電されることで端子電圧のばらつきが解消される。従って、後で放電される分のマージンを考慮して、最初の充電においては平均単位セル電圧が上限電圧を所定電圧だけ上回るようにしている。
【0025】
そして、調整動作における充電の過程で何れかの単位セルが上限電圧に達すれば、その時点における上限電圧と平均単位セル電圧との差によって電圧のばらつき度合いを正確に把握することが可能である。従って、前記所定電圧を上記時点で求めた電圧ばらつきに基づいて設定すれば、各単位セルの端子電圧ばらつきを極力均等化するように充電を行うことができるので、電圧ばらつきの調整を一層確実に行うことが可能となる。
【0026】
請求項8記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、端子電圧のばらつき調整制御を、負荷の駆動が停止している場合に行う。即ち、負荷が駆動されている場合は、組電池と負荷との間で大電流による充放電が行われることになり、単位セルの電圧変動が大きい。従って、充放電制御手段が、負荷の駆動が停止している場合にばらつきの調整制御を行うようにすれば、電圧変動が生じないので正確なばらつきの調整が可能となる。また、調整の時間を長く取ることができるので、放電手段の電流容量を小さく設定することが可能となりコストをより削減することができる。
【0027】
請求項9記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、負荷の駆動が開始される場合に、セルグループの平均単位セル電圧が上限電圧と下限電圧との間にある制御中心電圧の近傍となるように調整制御を行う。即ち、負荷の駆動が開始される場合の初期状態として、セルグループの平均単位セル電圧は、上限電圧や下限電圧よりある程度離れたレベルにある(例えば、両者の略中間のレベル)方がその後の充放電制御が行い易く有利となる。従って、斯様に制御することで、組電池の充放電制御をより行い易くすることができる。
【0028】
請求項10記載の組電池の電圧調整装置によれば、高いエネルギ密度を有するが、より厳密な過充電,過放電対策が必要とされるリチウム電池を単位セルとする組電池に適用することによって、リチウム電池の電圧ばらつきを調整して安全に制御した上で、その電池の性能を十分に引出して活用することができる。
【0029】
請求項11記載の組電池の電圧調整装置によれば、組電池を電気自動車またはハイブリッド電気自動車の駆動用バッテリとして用いるので、高い電圧出力を得るために多くの単位セルを直列接続して構成される駆動用バッテリの使用効率を十分向上させることができる。
【0030】
請求項12記載の組電池の電圧調整装置によれば、充放電制御手段は、自動車のイグニッションスイッチがOFFとなった場合に端子電圧のばらつき調整制御を行うので、請求項8と同様に、負荷たる自動車の走行用モータの駆動が停止され、組電池との間で大電流による充放電が行われない期間にばらつきの調整制御を行うことで精度良く調整することが可能となり、また、放電手段の電流容量を小さく設定することが可能となる。
【0031】
そして、大半の車両は走行している期間よりも停止している期間が長いため、その停止期間にばらつき調整を十分に行うことが可能であるから、車両の走行に影響を与えることを防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をHEVの駆動用バッテリに使用される組電池に適用した一実施例について、図1乃至図6を参照して説明する。図2は、HEVの走行用モータ21を駆動するための電気的構成を概略的に示す機能ブロック図である。この場合、組電池22を構成する複数の単位セル23の内、6個の単位セル23を1つのセルグループ24としており、各セルグループ24毎にセル状態監視回路部25を並列に接続している。尚、単位セル23は、リチウム二次電池で構成されている。
【0033】
セル状態監視回路部25は、対応するセルグループ24内の何れかの単位セル23が過充電または過放電状態になったことだけを検出して、その検出信号を組電池制御回路部26に出力するようになっている。即ち、過充電検出信号は、信号線27Uを介して組電池制御回路部26に出力され、過放電検出信号は、信号線27Lを介して組電池制御回路部26に出力される。また、組電池22の負極側主電源線L(−)には電流センサ28が介挿されており、その電流検出信号は組電池制御回路部(充放電制御手段)26に与えられている。
【0034】
組電池制御回路部26は、これらの検出信号から組電池22の状態を把握して、車両制御回路部29に充放電制御指令を出力する。車両制御回路部29は、その充放電制御指令と、各種センサ等によって与えられる車両走行情報(車速、エンジントルク、アクセル開度等)とに基づいて、組電池22を駆動用電源として走行用モータ21を回転駆動するためのインバータ30に駆動用信号を出力するようになっている。組電池22とインバータ30とは、正極側,負極側の電源線L(+),L(−)によって接続されている。
【0035】
図1は、セル状態監視回路部25を中心とする詳細な電気的構成を示すものであり、組電池22の内、第i番目のセルグループ24(i)に対応する部分である。各単位セル23当たり2組のコンパレータ31U,31Lが配置されている。コンパレータ31U(上限電圧検出手段)は、抵抗32a,32bにより分圧した単位セル23の端子電圧を基準電圧Vu(上限電圧,例えば端子電圧3.9V相当)と比較するようになっている。尚、単位セル23は、後述のように上限電圧を超えるように充電される場合があることから、上限電圧は、リチウム二次電池の満充電電圧(SOC100%)よりも少し低い電圧(例えば、SOC80%に相当する電圧)に設定する。
【0036】
また、コンパレータ31L(下限電圧検出手段)は、抵抗33a,33bにより分圧した単位セル23の端子電圧を基準電圧Vl(下限電圧,例えば端子電圧3.5V相当)と比較するようになっている。この場合、下限電圧は、リチウム二次電池のSOC0%〜20%程度の適当な電圧に設定すれば良い。
そして、コンパレータ31U,31Lは、夫々対応する単位セル23より動作用電源を得るようになっている。
【0037】
各コンパレータ31U,31Lの出力信号は、ORゲート34,NANDゲート(負論理入力のOR)35の入力端子に夫々与えられており、ORゲート34,NANDゲート35の出力信号は、信号線27U,27Lを介して組電池制御回路部26に上限電圧検出信号,下限電圧検出信号として与えられている。組電池制御回路部26の内部において、信号線27U,27Lはフォトカプラ36U,36Lの入力側に接続されており、フォトカプラ36U,36Lの出力側は、マルチプレクサ37を介してCPU38の入力ポートに接続されている。
【0038】
即ち、ORゲート34は、何れかの1つ以上の単位セル23の端子電圧が上限電圧Vuを超えて対応するコンパレータ31Uがハイレベルになると、出力端子がハイレベルとなりフォトカプラ36Uを介して上限電圧検出信号を出力するようになっている。また、NANDゲート35は、何れかの1つ以上の単位セル23の端子電圧が下限電圧Vlを下回り対応するコンパレータ31Lがロウレベルになると出力端子がハイレベルとなり、フォトカプラ36Lを介して下限電圧検出信号を出力すようになっている。
【0039】
また、セルグループ24の各単位セル23の両端子には、抵抗39と、その抵抗39にコレクタが接続されたNPNトランジスタ40との直列回路が並列に接続されている。そして、各トランジスタ40のベースには、各コンパレータ31Uの出力信号が与えられている。これらの抵抗39とトランジスタ40との直列回路は、バイパス回路(放電手段)41を構成しており、コンパレータ31Uの出力信号がハイレベルになるとトランジスタ40がONとなり、対応する単位セル23は、抵抗39を介して放電されるようになっている。
【0040】
組電池制御回路部26において、セルグループ24の両端子には電圧検出器 (電圧検出手段)42が接続されており、電圧検出器42の出力信号は、マルチプレクサ43を介してCPU38の入力ポートに接続されている。
【0041】
組電池制御回路部26のCPU38は、セル状態監視回路部25より出力される上限電圧検出信号,下限電圧検出信号によって各セルグループ24を構成する単位セル23の状態(全てが通常の端子電圧範囲にあるか、また、何れかが上限電圧を超過した状態となったり,下限電圧を下回る状態となったか)を認識することができる。CPU38は、RAM44をワークエリアとして使用し、処理に必要なデータ等を記憶させるようになっている。
【0042】
次に、本実施例の作用について図3乃至図6をも参照して説明する。
図5は、HEVの走行時において、1つのセルグループ24の単位セル23の電圧が変化する状態の一例であり、最高セル電圧VCH,最低セル電圧VCL及び平均セル電圧VCMの変化を示す。HEVが走行する場合、組電池22は、走行用モータ21がガソリンエンジン(図示せず)の駆動力をアシストするため駆動される時に放電されて電圧が低下し、逆に、ガソリンエンジンの駆動力のみで走行している場合に走行用モータ21が発生した回生電力を受け入れる時に充電されて電圧が上昇する。そのため、平均セル電圧VCMが、上限電圧Vuと下限電圧Vlとの間において制御中心電圧Vmに収束するように充放電を制御する。
【0043】
しかし、各単位セル23には端子電圧のばらつきがあることから、最高セル電圧VCHと最低セル電圧VCLとは、概ね平均セル電圧VCMにばらつき分がオフセットした状態で推移する。本実施例では、組電池制御回路部26は、電圧検出器42によって検出されるセルグループ24の端子電圧から平均セル電圧VCMを求めることはできるが、最高セル電圧VCH,最低セル電圧VCLを直接測定することはできない。
【0044】
そこで、組電池制御回路部26のCPU38は、予め所定の電圧ばらつきVdが生じているものと想定し、平均セル電圧VCMが以下の範囲に収まるように充放電を制御する。
Vl+Vd≦VCM≦Vu−Vd …(1)
【0045】
ここで、図3及び図4は、組電池制御回路部26のCPU38による制御内容を示すフローチャートである。CPU38は、実際には以下に述べる処理をマルチプレクサ43,37を介して各セルグループ24毎に行うが、以降は1つのセルグループ24のみを対象として説明する。
【0046】
先ず、CPU38は、電圧検出器42が検出するセルグループ24の端子電圧を読込み、その端子電圧を単位セル23の直列接続数“6”で除すことで平均セル電圧VCMを検出する(ステップS1)。そして、続くステップS2,S3において、平均セル電圧VCMが(1)式の範囲内にあるか否かを判定する。
【0047】
平均セル電圧VCMが下限電圧Vlに電圧ばらつきVdを加えたレベルを下回りステップS2において「NO」と判定した場合(図5▲1▼参照)、CPU38は、車両制御回路部29に出力制限指令を出力する(ステップS20)。すると、車両制御回路部29は走行用モータ21の駆動を抑制するように制御するので、組電池22の放電が抑制され、充電が優勢となってセルグループ24の平均セル電圧VCMは上昇する。
【0048】
一方、平均セル電圧VCMが上限電圧Vuより電圧ばらつきVdを減じたレベルを上回りステップS3において「NO」と判定した場合(図5▲2▼参照)、CPU38は、車両制御回路部29に回生制限指令を出力する(ステップS21)。すると、車両制御回路部29は走行用モータ21によって発電された電力が組電池22側に回生されないように制御する(例えば、インバータ30において回生電力の短絡ループを形成する等)ので、組電池22の充電が抑制されて放電が優勢となりセルグループ24の平均セル電圧VCMは下降する。
【0049】
平均セル電圧VCMが(1)式の範囲内にある場合(ステップS2,S3で何れも「YES」)、CPU38は、セル状態監視回路部25より下限電圧検出信号、または上限電圧検出信号が出力されたか否かを判断する(ステップS4,S5)。
【0050】
前述のように、リチウム二次電池を単位セル23に用いると、電圧ばらつきが生じた場合は自然に解消せず徐々に拡大する傾向を示し、最高セル電圧VCH,最低セル電圧VCLと平均セル電圧VCMとの差が次第に大きくなる。すると、平均セル電圧VCMが(1)式の範囲内にあっても、図5▲3▼に示すように最低セル電圧VCLが下限電圧Vlを下回ったり、図5▲4▼に示すように最高セル電圧VCHが上限電圧Vuを上回る場合がある。
【0051】
図5▲3▼に示す場合には、セル状態監視回路部25が下限電圧検出信号を出力するので、CPU38はステップS4において「YES」と判断してステップS20に移行し、車両制御回路部29に出力制限指令を出力して図5▲1▼に示す場合と同様の調整を行う。また、図5▲4▼に示す場合には、セル状態監視回路部25が上限電圧検出信号を出力するので、CPU38はステップS5において「YES」と判断してステップS21に移行し、車両制御回路部29に回生制限指令を出力して図5▲2▼に示す場合と同様の調整を行う。
【0052】
尚、HEVが運転中である場合には、組電池22に対する充放電電流は大きく変動する。そして、単位セル23は内部抵抗を有しているので、その内部抵抗による電圧上昇分が無視できない大きさで現れて、端子電圧が大きく変動している場合がある。従って、下限,上限電圧検出信号の出力判定は、単位セル23の一時的な電圧変化だけで直ちに判定することがないように、例えば、検出信号出力を複数回サンプリングして、所定の確率で検出信号の出力が得られた場合に有意と判定する。
【0053】
以上のように調整することで、各単位セル23の端子電圧は下限電圧Vlと上限電圧Vuとの間に維持されるが、電圧ばらつきが拡大して行くと、充放電できる範囲が次第に狭くなってしまう。
【0054】
そこで、CPU38は、ステップS20,S21の実行後に再び平均セル電圧VCMを検出し(ステップS22)、単位セル23間の端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大しているか否かを判断する(ステップS23)。ここでの判定は、セル状態監視回路部25が下限または上限電圧検出信号を出力した場合の出力確率(一定観測時間内の出力頻度)と、その時の平均セル電圧VCMとに基づいて行う。
【0055】
即ち、下限または上限電圧検出信号の出力確率が所定の割合を超えた場合、最低セル電圧はVlに、または最高セル電圧はVuに達したものと見なせるので、その時の平均セル電圧VCMとVlまたはVuとの差から電圧ばらつきを把握することができる。また、平均セル電圧VCMがVl+VdとVu−Vdとの範囲内であるにもかかわらず、上限または下限電圧検出の出力確率が所定割合を超えたということからばらつきはVdを上回ったと見なすことができるので、そのような場合にばらつき拡大と判定する。
【0056】
また、ここでのばらつき拡大の判定も、上述したように単位セル23の内部抵抗による電圧変動の影響を極力排除することが好ましい。従って、CPU38は、電流センサ28によって組電池22に流れる充放電電流をモニタし、予め把握できる内部抵抗値をデータとして保持しておくことで内部抵抗による電圧上昇分を計算して差し引き、単位セル23の純粋な起電力だけによって正確にばらつき拡大を判定するようにする。
【0057】
ステップS23において、CPU38は、電圧ばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定すると(「YES」)RAM44のフラグ格納領域に調整フラグをセットして(ステップS24)、ステップS7に移行する。ステップS7では、HEVのイグニッションスイッチがOFFか否かを判断し、OFFではなく運転中であると判断される場合は(「NO」)ステップS1に戻る。
【0058】
また、ステップS4,S5において下限,上限検出信号が何れも出力されていない場合(何れも「NO」)、CPU38は、その時点で出力制限指令,回生制御指令を車両制御回路部29に出力していた場合はその指令を解除してから(ステップS6)ステップS7に移行する。
【0059】
即ち、CPU38は、ステップS23において電圧ばらつきが拡大したと判定しても、HEVが運転中である場合にはフラグをセットするだけで直ちに調整動作は行わない。そして、HEVのイグニッションスイッチがOFFとなり(ステップS7,「YES」)HEVの運転が停止されると、CPU38は、RAM44のフラグ格納領域を参照し調整フラグがセットされているか否かを判断する (ステップS8)。調整フラグがセットされていなければ(「NO」)、イグニッションスイッチが再びONされるまで待機して(ステップS9,「YES」)、ステップS1に戻る。
【0060】
次に、電圧ばらつきの調整制御について図6も参照して説明する。図6(a)において、時刻t01〜t02の期間に最低セル電圧VCL(単位セル23(C4))が下限電圧Vlを下回った場合に電圧ばらつき拡大の判定が行われ、ステップS8において調整フラグがセットされたとする(「YES」)。すると、CPU38はステップS10に移行して電圧ばらつきの調整制御を行う。尚、イグニッションスイッチがOFFされた場合でも、組電池監視回路部26が以降の調整制御を行うことができるようにするため、イグニッションスイッチがOFFされても一定期間は各部に電源が供給されるように、タイマなどが動作するようにHEVが構成されている。
【0061】
先ず、CPU38は、車両制御回路部29に充電指令を出力して走行用モータ21に回生電力を発生させて、組電池22を充電させる(ステップS10)。ここで、図6を参照する。図6(a)に示すように、最高セル電圧VCHは単位セル23(C1)であり、23(C2),23(C3),23(C4)の順に端子電圧が低くなっている。
【0062】
時刻t1において、ステップS10における充電が開始されると、セルグループ24の平均セル電圧VCMは上昇する。そして、CPU38は、平均セル電圧VCMを検出すると(ステップS11)ステップS11aに移行して、所定電圧Δが確定していれば(「YES」)ステップS12に移行し、所定電圧Δが確定していなければ(「NO」)ステップS11bに移行する。
【0063】
ステップS11b,S11cでは、上記充電の過程において最高セル電圧VCHが上限電圧Vuに達した時点での平均セル電圧VCMから所定電圧Δを設定する。即ち、図6に示す時刻t11において、最高セル電圧VCHが上限電圧Vuに達すると、その時点での電圧ばらつきVxは、上限電圧Vuと平均セル電圧VCMとの差によって求めることができる。
Vx=Vu−VCM …(2)
そして、所定電圧Δは、例えば電圧ばらつきVxの1/2に設定する。
Δ=Vx/2=(Vu−VCM)/2 …(3)
【0064】
以上のようにステップS11cにおいて所定電圧Δが設定されると、以降、CPU38はステップS11aで「YES」と判断してステップS12に移行し、平均セル電圧VCMが上限電圧Vlに所定電圧Δを加えた電圧以上となるまで( 「YES」)ステップS10に戻り充電を継続する。
【0065】
そして、図6に示す時刻t2において、ステップS12で「YES」と判断すると、CPU38は、車両制御回路部29に充電停止指令を出力して組電池22に対する充電を停止させる(ステップS13)。それから、ステップS9と同様にHEVのイグニッションスイッチがONされるまで待機する(ステップS14)。
【0066】
上記のように充電が行われた結果、セルグループ24の単位セル23の内端子電圧が上限電圧Vuを超えているもの23(C1)〜23(C3)は、対応するバイパス回路41が作用して放電が行われるので(図6(c),時刻t11〜t23)端子電圧のばらつきは次第に収束し、それに伴って平均セル電圧VCMも下降して行く。そして、時刻t23において、全ての単位セル23の端子電圧が上限電圧Vuを下回った時点で電圧ばらつきの調整動作は終了する。
【0067】
ばらつき調整動作が終了した後、図6に示す時刻t3において、イグニッションスイッチがONされHEVの運転が再度開始された場合(ステップS14, 「YES」)、CPU38は、その時点でまた平均セル電圧VCMを検出する(ステップS15)。そして、平均セル電圧VCMが制御中心電圧Vmにほぼ等しいか否かを判断する(ステップS16)。即ち、HEVの運転開始時には、平均セル電圧VCMが制御中心電圧Vm付近にある方が、後の充放電制御が行い易くなり望ましいからである。
【0068】
ステップS16において、平均セル電圧VCMと制御中心電圧Vmとの差が大きい場合(VCM>>Vm,「NO」)、CPU38は車両制御回路部29に放電指令を出力して走行用モータ21を駆動させ組電池22を放電させると(ステップS17)ステップS15に移行し、両者がほぼ等しくなった時点で(ステップS16,「YES」)車両制御回路部29に放電停止指令を出力する(ステップS18)。そして、調整フラグをリセットすると(ステップS19)ステップS1に戻る。
【0069】
尚、本実施例では、端子電圧のばらつき拡大判定を下限電圧側で行ったが、上限電圧側でばらつき拡大判定を行った場合も電圧ばらつきの調整制御は全く同様に行われる。
【0070】
以上のように本実施例によれば、リチウム二次電池からなる単位セル23を複数個直列に接続した組電池22を、HEVの走行用モータ21を駆動するための駆動用バッテリに適用し、組電池監視回路部26のCPU38は、セル状態監視回路部25のコンパレータ31U,31Lが上限電圧Vuを上回った単位セル23、または、下限電圧Vlを下回った単位セル23を検出した場合に、組電池22からの放電,または充電が優先して行われるように車両制御回路部29を介して走行用モータ21の駆動を制御し、セルグループ24を構成する各単位セル23の端子電圧ばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定すると、その平均単位セル電圧VCMが上限電圧Vuを所定電圧Δだけ上回るまで充電して端子電圧のばらつきを調整するようにした。
【0071】
そして、端子電圧が上限電圧Vuを上回っている単位セル23は、バイパス回路41により上限電圧Vuを下回るまで放電されるようになり、その結果、前記セルグループ24を構成する各単位セル23の端子電圧は何れも上限電圧Vu付近となるように揃えられる、従って、端子電圧のばらつきを確実に解消することができる。
【0072】
また、電圧検出器42は、電圧検出をセルグループ24毎に行い、CPU38は、電圧ばらつきが拡大したことをコンパレータ31U,31Lによる検出結果とセルグループ24の平均単位セル電圧VCMとに基づいて判定するので、従来とは異なり、各単位セル23毎に電圧を検出する必要がなく装置の規模が大型化することを防止できる。
【0073】
更に、本実施例によれば、組電池22をHEVの駆動用バッテリとして用いたので、高い電圧出力を得るために多くの単位セル23を直列接続して構成される駆動用バッテリの使用効率を十分向上させることができる。そして、高いエネルギ密度を有するが、より厳密な過充電,過放電対策が必要とされるリチウム電池を単位セル23とする組電池22に適用したので、リチウム電池の電圧ばらつきを調整して安全に制御した上で、その電池の性能を十分に引出して活用することができる。
【0074】
加えて、本実施例によれば、コンパレータ31U,31Lの検出信号を、セルグループ24毎に各単位セル23についての論理和信号としてCPU38に出力するので、CPU38に対する出力信号数が1セルグループ24につき2つとなり、信号線の数を削減することができる。そして、コンパレータ31U,31L及びバイパス回路41を各単位セル23に常時接続し、コンパレータ31U,31Lに、単位セル23より動作用電源を供給するようにした。更に、セル状態監視回路部25を、コンパレータ,基準電圧源,論理回路素子やトランジスタなどで構成したので、動作時の消費電流が小さく、動作用電源をセルグループ24から十分に得ることが可能である。従って、電源線を外部から長く引回す必要がなく配線を簡略化することができる。また、通電電流の容量が比較的大であるバイパス回路41以外はIC化が可能な部品によって構成したので、IC化することで装置全体の構成を小さくできコストも削減できる。
【0075】
また、CPU38は、所定電圧Δを、充電の過程においてコンパレータ31Uが上限電圧Vuを上回った単位セル23を検出した時点での平均単位セル電圧VCMから求めた電圧ばらつきVxに基づいて設定するので、電圧のばらつき度合いを正確に把握して単位セル23の端子電圧ばらつきを極力均等化するように充電を行うことができ、電圧ばらつきの調整を一層確実に行うことが可能となる。
【0076】
そして、本実施例によれば、CPU38は、端子電圧のばらつき調整制御を、HEVのイグニッションスイッチがOFFとなり走行用モータ21の駆動が停止している場合に行うようにした。即ち、大半の車両は走行している期間よりも停止している期間が長いため、その停止期間にばらつき調整を十分に行うことができ、バイパス回路41の電流容量を小さく設定することが可能となってコストをより削減することができる。また、組電池22と走行用モータ21との間で大電流による充放電が行われない期間にばらつき調整制御を行うことで、組電池22の電圧変動がない状態で正確な調整を行うことができる。更に、ばらつき調整制御がHEVの走行に影響を与えることを防止できる。
【0077】
更にまた、CPU38は、走行用モータ21の駆動が開始される場合に、セルグループ24の平均単位セル電圧VCMが上限電圧Vuと下限電圧Vlとの間にある制御中心電圧Vmの近傍となるように調整制御を行う。即ち、走行用モータ21の駆動が開始される場合の初期状態として、セルグループ24の平均セル電圧VCMは、上限電圧Vuや下限電圧Vlよりある程度離れたレベルにある(例えば、両者の略中間のレベル)方がその後の充放電制御が行い易く有利となる。従って、斯様に制御することで、組電池22の充放電制御をより行い易くすることができる。
【0078】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
1セルグループ当たりの単位セルの直列接続数は“6”に限ることはなく、組電池を構成する全ての単位セルを含むものであっても良い。但し、セル状態監視回路部25に使用される素子の耐圧などの問題から、単位セル23が平均電圧3.6Vのリチウム電池の場合は、4〜6直列が適当であると考えられる。また、低コスト化や小型化などを目的としてセル情報監視回路部25等をIC化する場合には、耐圧の点から6直列が限度であると考えられる。
一般に、過充電に比較して過放電は問題が大きくないので、コストとのトレードオフによって過放電に対するコンパレータ31L側の構成を省略しても良い。この場合でも、ばらつき調整制御は同様に行うことが可能であり、過放電については、セルグループ電圧のみによってもある程度制御することができる。
【0079】
上限検出信号,下限検出信号の論理レベルは、例えば、通常状態ではハイレベル,検出時にロウレベルとしても良い。但し、ハイレベルの場合は動作電流が流れて単位セルを僅かに放電させることになるので、残存容量が少ない状態にある下限検出の場合は、論理レベルをロウとするのが好ましい。
所定電圧Δの設定は(3)式に限らず、電圧ばらつきVxの範囲内で適宜設定したり、或いは、電圧ばらつきVxを超える電圧に設定しても良い。
ステップS9において「YES」と判断した場合も、ステップS15に移行するようにしても良い。その際、平均セル電圧VCMが制御中心電圧Vmを下回っている可能性が想定される場合には、ステップS16以降で充電指令を出力する処理を追加すれば良い。
【0080】
単位セルは、リチウム電池に限らず、鉛電池やニッケル系電池であっても同様に適用が可能である。これらの二次電池は、前述したように過充電や過放電に対して強いためリチウム電池ほど厳密な電圧制御は不要であるが、本発明を適用することで組電池としての性能や寿命を向上させることが期待できる。また、複数の単位セルをの直列接続したグループを複数並列に接続してなるセルモジュールに適用しても良い。
電気自動車やHEVに限ることなく、その他、ノート型パーソナルコンピュータや携帯用VTR等の小形民生機器や電力貯蔵用の二次電池設備などのように、複数の単位セルを直列に接続して構成されるバッテリを使用するものであれば適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をHEVの駆動用バッテリに使用される組電池に適用した一実施例であり、セル状態監視回路部を中心とする詳細な電気的構成を示す図
【図2】HEVの走行用モータを駆動するための電気的構成を概略的に示す機能ブロック図
【図3】組電池制御回路部のCPUによる制御内容を示すフローチャート(その1)
【図4】組電池制御回路部のCPUによる制御内容を示すフローチャート(その2)
【図5】HEVの走行時において、1つのセルグループにおける単位セルの電圧が変化する状態の一例を示す図
【図6】セルグループに対して端子電圧のばらつき調整制御を行う場合における、各単位セルの端子電圧変化を示す図
【図7】従来技術を示す図2相当図
【符号の説明】
21は走行用モータ(負荷)、22は組電池、23は単位セル、24はセルグループ、26は組電池制御回路部(充放電制御手段)、27U,27Lは信号線、31Uはコンパレータ(上限電圧検出手段)、31Lはコンパレータ(下限電圧検出手段)、38はCPU、41はバイパス回路(放電手段)、42は電圧検出器(電圧検出手段)を示す。

Claims (17)

  1. 二次電池からなる単位セルを複数個直列に接続して構成される組電池について、各単位セルの端子電圧が上限電圧を上回ったことを検出するための上限電圧検出手段と、
    この上限電圧検出手段が上限電圧を上回ったことを検出した単位セルを放電させるように構成される放電手段と、
    前記組電池を構成する単位セルの幾つかよりなるセルグループの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記組電池と負荷との間で行われる充放電を制御する充放電制御手段とを備え、
    前記充放電制御手段は、前記上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した場合は、前記組電池からの放電が優先して行われるように前記負荷の駆動を制御すると共に、前記上限電圧検出手段による検出結果と前記電圧検出手段によって検出される電圧より求められる前記セルグループの平均単位セル電圧とに基づいて、該セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定した場合は、該セルグループの平均単位セル電圧が前記上限電圧を所定電圧だけ上回るまで充電することで前記端子電圧のばらつきを調整するように制御することを特徴とする組電池の電圧調整装置。
  2. 前記上限電圧検出手段の検出信号は、前記セルグループ毎に、各単位セルについての論理和信号として前記充放電制御手段に出力されることを特徴とする請求項1記載の組電池の電圧調整装置。
  3. 前記上限電圧検出手段及び前記放電手段は、各単位セルに常時接続されており、
    前記上限電圧検出手段は、単位セル,セルグループまたは組電池の何れかより動作用電源が供給されることを特徴とする請求項1または2記載の組電池の電圧調整装置。
  4. 各単位セルの端子電圧が下限電圧を下回ったことを検出するための下限電圧検出手段を備え、
    前記充放電制御手段は、前記下限電圧検出手段が下限電圧を下回った単位セルを検出した場合は、前記組電池に対する充電が優先して行われるように前記負荷の駆動を制御すると共に、前記下限電圧検出手段による検出結果と前記電圧検出手段によって検出される電圧より求められる前記セルグループの平均単位セル電圧とに基づいて、該セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定した場合にも、前記端子電圧のばらつきを調整するように制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の組電池の電圧調整装置。
  5. 前記下限電圧検出手段の検出信号は、前記セルグループ毎に、各単位セルについての論理和信号として前記充放電制御手段に出力されることを特徴とする請求項4記載の組電池の電圧調整装置。
  6. 前記下限電圧検出手段は、各単位セルに常時接続されており、単位セル,セルグループまたは組電池の何れかより動作用電源が供給されることを特徴とする請求項5または6記載の組電池の電圧調整装置。
  7. 前記充放電制御手段は、前記端子電圧のばらつきを調整する場合は、前記所定電圧を、充電の過程において上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した時点での平均単位セル電圧から求めた電圧ばらつきに基づいて設定することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の組電池の電圧調整装置。
  8. 前記充放電制御手段は、前記端子電圧のばらつき調整制御を、前記負荷の駆動が停止している場合に行うことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに組電池の電圧調整装置。
  9. 前記充放電制御手段は、前記負荷の駆動が開始される場合に、前記セルグループの平均単位セル電圧が前記上限電圧と前記下限電圧との間にある制御中心電圧の近傍となるように調整制御を行うことを特徴とする請求項8記載の組電池の電圧調整装置。
  10. 前記単位セルは、リチウム電池であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の組電池の電圧調整装置。
  11. 前記組電池は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車のの駆動用バッテリとして用いられることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の組電池の電圧調整装置。
  12. 前記充放電制御手段は、自動車のイグニッションスイッチがOFFとなった場合に、前記端子電圧のばらつき調整制御を行うことを特徴とする請求項11記載の電圧調整装置。
  13. 二次電池からなる単位セルを複数個直列に接続して構成される組電池について、端子電圧が上限電圧を上回ったことを上限電圧検出手段が検出した単位セルを放電手段により放電させ、
    前記組電池を構成する単位セルの幾つかよりなるセルグループの電圧を電圧検出手段によって検出し、
    前記上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した場合は、充放電制御手段が前記組電池からの放電が優先して行われるように該組電池に接続されている負荷の駆動を制御し、
    前記上限電圧検出手段による検出結果と前記電圧検出手段によって検出される電圧より求められる前記セルグループの平均単位セル電圧とに基づいて、該セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと前記充放電制御手段が判定した場合は、該セルグループの平均単位セル電圧が前記上限電圧を所定電圧だけ上回るまで充電することで前記端子電圧のばらつきを調整することを特徴とする組電池の電圧調整方法。
  14. 各単位セルの端子電圧が下限電圧を下回ったことを下限電圧検出手段によって検出し、
    前記下限電圧検出手段が下限電圧を下回った単位セルを検出した場合は、前記充放電制御手段が前記組電池に対する充電が優先して行われるように前記負荷の駆動を制御し、
    前記下限電圧検出手段による検出結果と前記電圧検出手段によって検出される電圧より求められる前記セルグループの平均単位セル電圧とに基づいて、前記充放電制御手段が該セルグループを構成する各単位セルの端子電圧のばらつきが所定レベル以上に拡大したと判定した場合にも、前記端子電圧のばらつきを調整することを特徴とする請求項13記載の組電池の電圧調整方法。
  15. 前記充放電制御手段は、前記端子電圧のばらつきを調整する場合は、前記所定電圧を、充電の過程において上限電圧検出手段が上限電圧を上回った単位セルを検出した時点での平均単位セル電圧から求めた電圧ばらつきに基づいて設定することを特徴とする請求項13または14記載の組電池の電圧調整方法。
  16. 前記充放電制御手段は、前記端子電圧のばらつき調整制御を、前記負荷の駆動が停止している場合に行うことを特徴とする請求項13乃至15の何れかに組電池の電圧調整方法。
  17. 前記充放電制御手段は、前記負荷の駆動が開始される場合に、平均単位セル電圧が前記上限電圧と前記下限電圧との間にある制御中心電圧の近傍となるように調整制御を行うことを特徴とする請求項16記載の組電池の電圧調整方法。
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