以下に図面を参照して、この発明にかかる蓄電装置、画像形成装置、及び充電制御方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による蓄電装置の構成を示すブロック図である。図1では、充放電可能な蓄電セルとして、電気二重層コンデンサ(以降、「キャパシタセル」と記す)を用いた蓄電装置の構成例が示されている。
図1において、キャパシタバンク9は、例えば、18個のキャパシタセルC1〜C18を直列に接続した構成であり、18個のキャパシタセルC1〜C18の直列回路においてキャパシタセルC1側が正極端で、キャパシタセルC18側が負極端となっている。
充電制御回路7は、交流電源ACから直流電力を変換生成し、その正極端と負極端との間に所定の直流電圧を出力する。
キャパシタバンク9の正極端は、充電制御回路7の正極端に直接接続され、キャパシタバンク9の負極端は、接地(GND)に接続されるとともに、充電電流検出回路6を介して充電制御回路7の負極端に接続されている。つまり、充電電流検出回路6は、帰還する充電電流13を検出して充電制御回路7に与えるようになっている。また、充電制御回路7の正極端と負極端との間に、キャパシタバンク電圧検出回路5が接続されている。キャパシタバンク電圧検出回路5は、検出したキャパシタバンク9の電圧(充電電圧)12を充電制御回路7に与えるようになっている。
さて、キャパシタバンク9の18個のキャパシタセルC1〜C18には、それぞれバイパス回路1が設けられている。各バイパス回路1は、単セル満充電検出回路1aと、スイッチング回路1bと抵抗器R6の直列回路との並列回路で構成され、その並列回路の両端が対応する1つのキャパシタセルの両端に接続されている。スイッチング回路1bは、単セル満充電検出回路1aの検出信号の値に応じてON動作とOFF動作の一方の動作を行う。
具体的には、スイッチング回路1bは、単セル満充電検出回路1aが単セル満充電電圧(例えば2.5V)を検出するまでは、OFF動作を行い、単セル満充電検出回路1aが単セル満充電電圧を検出すると、ON動作を行うようになっている。これによって、スイッチング回路1bと抵抗器R6の直列回路が対応するキャパシタセルの両端間を短絡し、キャパシタセルC1で言えば、キャパシタセルC1への充電電流のうち、抵抗器R6の抵抗値で定める充電電流がスイッチング回路1bと抵抗器R6の直列回路によるバイパス路Aを流れる。すると、スイッチング回路1bと抵抗器R6との接続端にバイパス路Aを流れるバイパス電流に応じた電圧が現れる。つまり、スイッチング回路1bと抵抗器R6との接続端における電圧の発生有無が、当該バイパス回路のバイパス動作有無を示す指標となっている。
キャパシタバンク9の正極端側に一端が接続される抵抗器R11の他端には、フォトカプラ4の発光ダイオード4aのアノードが接続され、発光ダイオード4aのカソードと接地(GND)との間にスイッチング回路3が設けられている。このスイッチング回路3の制御端には、18個のダイオードD21〜D38の各カソードが並列に接続され、この18個のダイオードD21〜D38の各アノードは、18個のバイパス回路1それぞれにおけるスイッチング回路1bと抵抗器R6との接続端に1対1の関係で接続されている。
一方、フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bは、コレクタ電極が抵抗器R12を介して別の固定電源に接続され、エミッタ電極が接地(GND)に接続されている。フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bのコレクタ電極と抵抗器R12との接続端から充電制御回路7に対して、単セル満充電信号10が出力される。
つまり、フォトカプラ4は第1のフォトカプラに対応し、スイッチング回路3は第1のスイッチング回路に対応し、それらの全体が第1の検出手段を構成している。
このフォトカプラ4とスイッチング回路3の構成では、18個のバイパス回路1の全てがバイパス動作をしていない場合は、スイッチング回路3はOFF動作を行うようになっているので、発光ダイオード4aは電流が流れず発光動作を行わない。したがって、フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bはON動作せず、そのコレクタ電極と抵抗器R12との接続端は、別の固定電源による高電位になる。
一方、18個のバイパス回路1のいずれか1つでもバイパス動作を行うと、スイッチング回路3はON動作を行うことになるので、発光ダイオード4aは電流が流れて発光動作を行い、フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bがON動作を行う。これによって、フォトトランジスタ4bのコレクタ電極と抵抗器R12との接続端は、接地電位の低電位になる。
要するに、フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bのコレクタ電極と抵抗器R12との接続端の電位は、18個のバイパス回路1の全てがバイパス状態に無い場合は、固定の高電位レベルであるが、18個のバイパス回路1のいずれか1つでもバイパス動作を行うと、低電位レベルに変化し、その後、その低電位レベルを18個のバイパス回路1のいずれか1つでもバイパス状態である限り継続する。これが、単セル満充電信号10の内容であり、18個のバイパス回路1の全てがバイパス状態にある場合には、低電位レベルである。
また、キャパシタバンク9の正極端側に一端が接続される抵抗器R8の他端とキャパシタバンク9の負極端側との間に、18個のスイッチング回路2の直列回路が設けられている。18個のスイッチング回路2は、18個のバイパス回路1と1対1の関係にあり、それぞれ、スイッチング回路1bと抵抗器R6との接続端における電圧の発生有無が制御信号として入力している。この18個のスイッチング回路2の直列回路は、スイッチング回路群に対応している。以降、この18個のスイッチング回路2の直列回路は、スイッチング回路群2と略称する。
キャパシタバンク9の正極端側に一端が接続される抵抗器R13の他端には、フォトカプラ14の発光ダイオード14aのアノードが接続され、発光ダイオード14aのカソードと接地(GND)との間にスイッチング回路8が設けられている。このスイッチング回路8の制御端は、スイッチング回路群2のキャパシタバンク9の正極端側と抵抗器R8の他端との接続端に接続されている。
一方、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bは、コレクタ電極が抵抗器R14を介して別の固定電源に接続され、エミッタ電極が接地(GND)に接続されている。フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端から充電制御回路7に対する全セル満充電信号11が出力される。
つまり、フォトカプラ14は第2のフォトカプラに対応し、スイッチング回路8は第2のスイッチング回路に対応し、前記の18個のスイッチング回路2の直列回路(スイッチング回路群)を含めた全体が第2の検出手段を構成している。
抵抗器R8と、スイッチング回路群2と、フォトカプラ14と、スイッチング回路8との構成では、18個のバイパス回路1の全てがバイパス動作をしていない場合は、スイッチング回路8は、制御端にキャパシタバンク9の正極端電位が印加されるので、ON動作を行うようになっている。これによって、発光ダイオード14aは電流が流れて発光動作を行うので、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bがON動作を行い、そのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端は、接地電位の低電位になる。
一方、18個のバイパス回路1の全てがバイパス動作を行う場合は、スイッチング回路8は、スイッチング回路群2がON動作を行うことで、制御端に接地電位が印加されるので、OFF動作を行うようになっている。これによって、発光ダイオード14aは電流が流れず発光動作を行わないので、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bもON動作せず、そのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端は、別の固定電源による高電位になる。
要するに、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端の電位は、18個のバイパス回路1の全てがバイパス状態に無い場合場合には、低電位レベルにあり、18個のバイパス回路1の全てがバイパス状態になると、高電位レベルに変化し、その後、18個のバイパス回路1の全てがバイパス状態にある限り、その高電位レベルを維持し、18個のバイパス回路1の1つでもバイパス状態でなくなると、低電位レベルになる。これが、全セル満充電信号11の内容である。
なお、図1では、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端における全セル満充電信号11は、単セル満充電信号10とは、逆の電位レベルになるので、充電制御回路7での判断態様を単セル満充電信号10と同じにするため、インバータ15にて反転してから充電制御回路7に入力するようにしている。
充電制御回路7は、充電電圧検出信号12、充電電流検出信号13、単セル満充電信号10、及び全セル満充電信号11を受けて、プログラム制御によってキャパシタバンク9に、定電流充電、定電力充電、間欠定電圧充電または間欠定電流充電を選択して実施することで、キャパシタバンク9の各キャパシタセルを均等に充電することを行う。
次に、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルの充電状態から充電制御回路7に与える1つの単セル満充電信号10、及び1つの全セル満充電信号11を生成する回路の全体を均等化回路と称して、その具体的な構成について説明する。図2は、図1に示す蓄電装置における均等化回路の具体的な構成例を示す回路図である。
図2において、18個のバイパス回路1は、それぞれ、図1に示したダイオードD1が接続されるトランジスタQ1、抵抗器R1〜R5、シャントレギュレータX1、及び図1に示した抵抗器R6等によって構成されている。図1に示した単セル満充電検出回路1aは、抵抗器R1,R2からなる分圧回路とシャントレギュレータX1とによって実現される。また、図1に示したスイッチング回路1bは、ダイオードD1が接続されるトランジスタQ1によって実現される。
キャパシタセルC1の例で言えば、抵抗器R1,R2は、キャパシタセルC1の両端子間に直列に接続されているので、抵抗器R1,R2の直列回路は、キャパシタセルC1の端子電圧を分圧する分圧回路になっている。この抵抗器R1,R2からなる分圧回路の分圧電圧がシャントレギュレータX1の制御端子に入力されるので、キャパシタセルC1の端子電圧が所定の電圧に充電されると、シャントレギュレータX1はON動作する。
シャントレギュレータX1がON動作すると、トランジスタQ1のベース電極に抵抗器R4を通してベース電流が流れてトランジスタQ1がON動作する。トランジスタQ1がON動作すると、抵抗器R6の抵抗値で決まるキャパシタセルC1の充電電流がバイパス路Aに流れる。
また、図1に示したスイッチング回路群2における各スイッチング回路は、それぞれ、トランジスタQ2、抵抗器R7で構成されている。すなわち、抵抗器R6に電流が流れて降下電圧が発生すると、トランジスタQ2は、抵抗器R7を通してベース電流が供給されてON動作する構成である。
また、図1に示したスイッチング回路3は、トランジスタQ3と、トランジスタQ3のベース電極と接地との間に直列に接続される抵抗器R9,R10とで構成され、抵抗器R9,R10の接続端に、18個のダイオードD21〜D38のカソードが並列に接続されている。これによって、トランジスタQ3は、18個のバイパス回路1のいずれか1つでもバイパス状態になると、ON動作を行うので、フォトカプラ4のフォトトランジスタ4bのコレクタ電極と抵抗器R12との接続端から充電制御回路7に対して出力される単セル満充電信号10が、高電位レベルから低電位レベルに立ち下がることで、充電制御回路7に、バイパス状態発生を通知することができる。
また、図1に示したスイッチング回路8は、トランジスタQ4と、抵抗器R25,26と、ツェナーダイオードZ1とで構成されている。抵抗器26は、トランジスタQ4のベース電極と接地との間に設けられている。抵抗器R25は、一端がトランジスタQ4のベース電極に接続され、他端がツェナーダイオードZ1のアノードに接続されている。ツェナーダイオードZ1のカソードは、18個のトランジスタQ2の直列回路のキャパシタバンク9の正極端側と抵抗器R8の他端との接続端に接続されている。ツェナーダイオードZ1のツェナー電圧は、18個のトランジスタQ2の全てがON動作状態にあるときの総和ON電圧よりも高い電圧である。
この構成によれば、18個のトランジスタQ2の全てがON動作状態に無い場合は、トランジスタQ4は、ベース電位がキャパシタバンク9の正極側電圧の近くまで上昇することで、ON動作を行うので、フォトカプラ14がON動作を行い、フォトトランジスタ14bのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端の電位は、低電位レベルになる。
そして、18個のトランジスタQ2の全てがON動作状態になると、ツェナーダイオードZ1のカソードには、18個の直列接続トランジスタQ2の総和ON電圧が印加されるが、ツェナーダイオードZ1は動作しないので、トランジスタQ4は、ベース電位が抵抗器26によって接地電位に引き込まれるので、確実にOFF動作を行うことができる。これによって、フォトカプラ14のフォトトランジスタ14bのコレクタ電極と抵抗器R14との接続端の電位は、低電位レベルから別の固定電源による高電位レベルになる。
したがって、インバータ15の出力端から充電制御回路7に対して出力される全セル満充電信号11が、低電位レベルから高電位レベルに立ち上がることで、充電制御回路7に対して、キャパシタバンク9の全キャパシタセルが満充電状態になったことを通知することができる。
次に、図1、図2を参照しつつ図3に沿って、充電制御回路7がプログラム制御によって行う充電制御動作について説明する。なお、図3は、図1に示す蓄電装置における充電制御動作を説明するフローチャートである。なお、処理手順を示すステップは、STと略記する。
図3において、ST1では、充電制御回路7が当該蓄電装置について充電制御動作を開始する初期段階での制御動作を行う。すなわち、キャパシタバンク9は、例えば使用されず長期間放置された場合や自己放電によって、蓄電力が放電されるので、充電制御回路7は、初期の電圧確認動作として、キャパシタバンク電圧検出回路5が出力する充電電圧検出信号12から、キャパシタバンク9の充電電圧が使用可能な下限電圧以下であると判断した場合に、例えば約10Aの定電流による充電を実施する。
充電制御回路7は、この定電流充電制御(ST1)を、キャパシタバンク電圧検出回路5が出力する充電電圧検出信号12を監視することで、キャパシタバンク9の両端電圧が規定の充電電圧(例えば約28V)に到達するまで(ST2:No)継続して実施し、キャパシタバンク9の両端電圧が規定の充電電圧(例えば約28V)に到達すると(ST2:Yes)、定電力による充電制御に切り替えて実施する(ST3)。
これによって、キャパシタバンク9の各キャパシタセルの電位が上昇するので、18個のバイパス回路1の中には、単セル満充電検出回路1aが対応するキャパシタセルの充電電圧が所定値(例えば2.5V)を超えるのを検出してスイッチング回路1bがON動作することでバイパス状態になるのが生じ、スイッチング回路3がON動作してフォトカプラ4から、高電位レベルから低電位レベルに立ち下がる単セル満充電信号10が出力されることが起こる。
そこで、充電制御回路7は、定電力充電制御(ST3)を、フォトカプラ4が出力する単セル満充電信号10のレベル変化を監視しつつ実施し(ST4:No)、単セル満充電信号10が高電位レベルから低電位レベルに立ち下がると(ST4:Yes)、今度は、例えば約2Aの定電流による充電制御に切り替えて実施する(ST5)。
これによって、18個のバイパス回路1では、全てがバイパス状態になる方向にバイパス動作が遷移していき、全てのバイパス回路1がバイパス状態になる最終状態では、スイッチング回路群2がON動作することでスイッチング回路8がOFF動作して、フォトカプラ14の出力を反転するインバータ15から、高電位レベルから低電位レベルに立ち下がる全セル満充電信号11が出力されることが起こる。
そこで、充電制御回路7は、定電流充電制御(ST5)を、フォトカプラ14の出力を反転するインバータ15から出力される全セル満充電信号11のレベル変化を監視しつつ実施し(ST6:No)、全セル満充電信号12が高電位レベルから低電位レベルに立ち下がると(ST6:Yes)、今度は、充電制御を実施する期間と停止する期間とが交互する間欠充電制御を一定期間内実施する動作に切り替える(ST7)。
そして、充電制御回路7は、間欠充電制御(ST5)を実施した後は、キャパシタバンク電圧検出回路5からの充電電圧検出信号12の変化を監視し、キャパシタバンク9の両端電圧が使用(放電)によって蓄電力が低下しても、キャパシタバンク9の両端電圧が使用可能下限電圧を下回るまでは(ST8:No)、キャパシタバンク9の両端電圧の低下を静観するが、キャパシタバンク9の両端電圧が使用可能下限電圧を下回ると(ST8:Yes)、ST1に戻り、最初の約10Aの定電流による充電制御からやり直す。
以上のように、実施の形態1によれば、単セル満充電信号の発生では、全てのバイパス回路1のバイパス動作のいわゆる論理和を受けるスイッチング回路3がON動作し、それによってフォトカプラ4がON動作する構成とし、全セル満充電信号の発生では、全てのバイパス回路1がバイパス動作を行ってスイッチング回路群がON動作したことを受けてスイッチング回路8がOFF動作し、それによってフォトカプラ14がOFF動作する構成としたので、使用するキャパシタセルの数と無関係に、フォトカプラとそれを駆動するスイッチング回路で構成される2つの検出手段を用意するだけで、充電制御回路7が、所定の充電制御動作を行えるようにすることができる。
要するに、全てのバイパス回路1のバイパス動作有無を充電制御回路7に伝達する手段であるフォトカプラは、バイパス回路1の数と無関係に、2個で済ませることができ、部品点数の大幅な低減ができる。そして、充電制御回路7は、全てのバイパス回路1のバイパス動作有無を監視して、いずれかのバイパス状態と、全てのバイパス状態とを判断することなく、単に、単セル満充電信号と全セル満充電信号とに従って充電制御を行えばよいので、充電制御回路7では、制御態様の簡素化が図れる。その結果、蓄電装置のコストダウンが図れるようになる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による蓄電装置の構成を示すブロック図である。なお図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図4に示すように、この実施の形態2による蓄電装置は、図1(実施の形態1)に示した構成において、スイッチング回路3、及びフォトカプラ4に代えて、第1のコンパレータであるコンパレータ16が設けられ、スイッチング回路8、及びフォトカプラ14に代えて、第2のコンパレータであるコンパレータ17が設けられている。
抵抗器R15,R17の直列回路は、キャパシタバンク9の正極端と負極端(接地)との間に設けられ、コンパレータ16の正相入力端(+)は、抵抗器R15,R17の接続端に接続されている。つまり、コンパレータ16の正相入力端(+)への基準電圧は、キャパシタバンク9の充電電圧を分圧する抵抗器R15,R17の接続端から供給される。なお、抵抗器R15,R17の抵抗値は、その接続端に出力する分圧電圧が、1個のキャパシタセルの充電電圧(2.5V)よりも低くなるようにする所定値に設定してある。
また、コンパレータ16の逆相入力端(−)と接地(GND)との間には、抵抗器R15,R17の直列回路が設けられ、抵抗器R15,R17の接続端に、18個のダイオードD21〜D38のカソードが並列に接続されている。つまり、コンパレータ16の逆相入力端(−)の電位は、18個のバイパス回路1のいずれもバイパス状態にない場合は、接地電位の低電位レベルにあるが、18個のバイパス回路1のいずれかがバイパス状態になると、抵抗器R15,R17の接続端に抵抗器R6での降下電圧が印加されるので、高電位レベル側に向かって上昇する。コンパレータ16の正相入力端(+)の基準電圧は、上記のように、1個のキャパシタセルの充電電圧(2.5V)よりも低いので、18個のバイパス回路1のいずれか1つがバイパス状態になると、コンパレータ16の逆相入力端(−)の電位は、コンパレータ16の正相入力端(+)の基準電圧よりも高くなるので、コンパレータ16は、バイパス状態の発生を確実に検出できる。
そして、コンパレータ16の出力端は、充電制御回路7の単セル満充電信号10の入力端に接続されるが、抵抗器R19を介して別の固定電源に接続されている。つまり、コンパレータ16の出力端は、逆相入力端(−)の電位が、正相入力端(+)の基準電圧よりも低い場合は、別の固定電源による高電位レベルにあるが、正相入力端(+)の基準電圧よりも高くなると、低電位レベルになる。これが、コンパレータ16が出力する単セル満充電信号10の内容である。
次に、抵抗器R20,R22の直列回路は、キャパシタバンク9の正極端と負極端(接地)との間に設けられ、コンパレータ17の正相入力端(+)は、抵抗器R20,R22の接続端に接続されている。つまり、コンパレータ17の正相入力端(+)への基準電圧は、キャパシタバンク9の充電電圧を分圧する抵抗器R20,R22の接続端から供給される。
また、コンパレータ17の逆相入力端(−)と接地(GND)との間には、抵抗器R21,R23の直列回路が設けられ、抵抗器R21,R23の接続端に、スイッチング回路群2のキャパシタバンク9の正極端側と抵抗器R8との接続端が接続されている。この構成によって、コンパレータ17の逆相入力端(−)の電位は、スイッチング回路群2がON動作状態にある場合は、抵抗器R23を通して接地電位に引き込まれるが、スイッチング回路群2がOFF動作状態にある場合は、キャパシタバンク9の充電電圧を抵抗器R8,R23の直列回路で分圧した電圧になる。そこで、抵抗器R8,R23の抵抗値は、その接続端に出力する分圧電圧が、抵抗器R20,R22の接続端に出力する分圧電圧、つまり正相入力端(+)への基準電圧よりも高くなるようにする所定値に設定してある。
そして、コンパレータ17の出力端は、充電制御回路7の全セル満充電信号11の入力端に接続されるが、抵抗器R24を介して別の固定電源に接続されている。つまり、コンパレータ17の出力端は、逆相入力端(−)の電位が、正相入力端(+)の基準電圧よりも低い場合は、別の固定電源による高電位レベルにあるが、正相入力端(+)の基準電圧よりも高くなると、低電位レベルになる。これが、コンパレータ17が出力する全セル満充電信号11の内容である。
次に、図5は、図4に示す蓄電装置における均等化回路の具体的な構成例を示す回路図である。図5に示すように、図4に示す蓄電装置における均等化回路は、図2に示す均等化回路において、フォトカプラ4,トランジスタQ3,抵抗器R9〜R12に代えて、コンパレータ16,抵抗器R15〜R18を設け、フォトカプラ14,トランジスタQ4,抵抗器R13,R14,R25,R26に代えて、コンパレータ17,抵抗器R20〜R24を設けた構成である。これらは、図4に示した構成であり、他の構成は、図2に示す均等化回路と同様であるので、説明を割愛する。
次に、図6は、図4に示す蓄電装置における充電制御動作を説明するフローチャートである。なお、図6では、図3に示す処理手順と同等である手順には、同一の符号を付してある。ここでは、実施の形態2に関わる処理手順を説明する。
図6において、定電力充電制御(ST3)が実施されると、キャパシタバンク9の各キャパシタセルの電位が上昇するので、18個のバイパス回路1の中には、単セル満充電検出回路1aが対応するキャパシタセルの充電電圧が所定値(例えば2.5V)を超えるのを検出してスイッチング回路1bがON動作することでバイパス状態になるのが生ずる。すると、コンパレータ16では、逆相入力端(+)の電位が正相入力端(+)に供給される基準電圧を超えるので、出力端から、高電位レベルから低電位レベルに立ち下がる単セル満充電信号10が出力されることが起こる。
そこで、充電制御回路7は、定電力充電制御(ST3)を、コンパレータ16が出力する単セル満充電信号10のレベル変化を監視しつつ実施し(ST11:No)、単セル満充電信号10が高電位レベルから低電位レベルに立ち下がると(ST11:Yes)、今度は、例えば約2Aの定電流による充電制御に切り替えて実施する(ST5)。
これによって、18個のバイパス回路1では、全てがバイパス状態になる方向にバイパス動作が遷移していき、全てのバイパス回路1がバイパス状態になる最終状態では、コンパレータ17の逆相入力端(+)の電位が正相入力端(+)に供給される基準電圧を超えるので、コンパレータ17の出力端から、高電位レベルから低電位レベルに立ち下がる全セル満充電信号11が出力されることが起こる。
そこで、充電制御回路7は、定電流充電制御(ST5)を、コンパレータ17が出力する全セル満充電信号11のレベル変化を監視しつつ実施し(ST12:No)、全セル満充電信号12が高電位レベルから低電位レベルに立ち下がると(ST12:Yes)、今度は、充電制御を実施する期間と停止する期間とが交互する間欠充電制御を一定期間内実施する動作に切り替える(ST7)。
以上のように、実施の形態2によれば、単セル満充電信号の発生では、全てのバイパス回路1のバイパス動作のいわゆる論理和を受けるコンパレータ16が出力レベルを反転させる構成とし、全セル満充電信号の発生では、全てのバイパス回路1がバイパス動作を行ってスイッチング回路群がON動作したことを受けてコンパレータ17が出力レベルを反転させる構成としたので、使用するキャパシタセルの数と無関係に、全てのバイパス回路1のいずれか1つのバイパス動作を検出する1つのコンパレータ16と、全てのバイパス回路1のバイパス動作を検出するスイッチング回路群2、及び1つのコンパレータ16とで構成される2つの検出手段を用意するだけで、充電制御回路7が、所定の充電制御動作を行えるようにすることができる。
要するに、全てのバイパス回路1のバイパス動作有無を充電制御回路7に伝達する手段であるコンパレータは、バイパス回路1の数と無関係に、2個で済ませることができ、実施の形態1と同様に、部品点数の大幅な低減ができる。そして、実施の形態1と同様に、充電制御回路7は、全てのバイパス回路1のバイパス動作有無を監視して、いずれかのバイパス状態と、全てのバイパス状態とを判断することなく、単に、単セル満充電信号と全セル満充電信号とに従って充電制御を行えばよいので、充電制御回路7では、制御態様の簡素化が図れる。その結果、蓄電装置のコストダウンが図れるようになる。
ここで、図3、図5での説明を補足するために、図7を参照して、実施の形態1,2に示した蓄電装置で行われる充電制御を再度説明する。なお、図7は、図1,図4に示す蓄電装置におけるキャパシタバンクの充放電シーケンスを説明する図である。図7では、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出する充電電圧12と、充電電流検出回路6が検出する充電電流13との関係も示されている。
図7に示すように、キャパシタバンク9の充電制御は、(1)定電流充電、(2)定電力充電、(3)定電流充電、(4)間欠充電の順に実施される。放電26が行われて、充電電圧が使用可能下限電圧27まで低下すると、再充電28の制御が実施される。
最初の定電流充電(1)は、キャパシタバンク9が長期間放置されていた場合や自己放電によって、キャパシタバンク9の蓄電力が放電されていた場合に、例えば約10Aの定電流を用いて実施される。図7では、キャパシタバンク9が0Vの状態から充電が行われる場合が示されている。この定電流充電(1)は、充電電圧12が所定値21(例えば約28V)に到達するまで実施される。その間、充電電流13は、約10Aの一定である。
次の定電力充電(2)は、定電流充電(1)において充電電圧12が所定値21(例えば約28V)に到達すると、切り替わって実施される。この定電力充電(2)は、キャパシタバンク9の電圧が上昇して充電電圧12が満充電電圧22に到達し単セル満充電23の発生が通知されるまで実施される。その間、充電電流13は、緩やかに低下していく。
次の定電流充電(3)は、単セル満充電23の発生が通知されると、切り替わって実施される。この定電流充電(3)は、例えば約2Aの定電流を用いて実施されるので、切り替わると、充電電流13は、約2Aの一定値に急降下する。バイパス動作を行ったバイパス回路1では、充電電流がバイパス路Aに流れるので、バイパス動作を行ったバイパス回路1に対応するキャパシタセルでは、充電動作は行われない。この状態は、全てのバイパス回路1がバイパス動作を行うまで継続される。その間、充電電流13は、約2Aの一定値である。
次の間欠充電(4)は、全セル満充電25の発生が通知されると、切り替わって実施される。この間欠充電(4)では、一定期間において、充電停止期間を挟んで充電制御を繰り返すことが行われる。したがって、その一定期間における充電電流13は、間欠的に流れることになる。定電流充電(3)と間欠充電(4)とが行われる期間24が、バイパス回路1の動作期間である。
一定期間内の間欠充電(4)を終了すると、充電制御回路7は、充電制御動作を止めて充電電圧12の推移を監視する。例えば、当該蓄電装置が画像形成装置の定着ヒータに電力を供給する直流電源である場合、キャパシタバンク9の充電電圧12が満充電電圧22で推移している過程で放電26によって低下し、定着ローラーの加熱部で有効に使用可能な下限電圧27に到達すると、充電制御回路7は、最初の定電流充電(1)からの再充電28を開始する。
以降、実施の形態1,2に示した蓄電装置の画像形成装置への適用例を2つ示す。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3として、図1,図4に示す蓄電装置を定着装置の主電源として用いる画像形成装置の構成例を示すブロック図である。図8において、符号29は、実施の形態1,2に示した蓄電装置である。
この蓄電装置29は、充電制御回路30と、18個のキャパシタセルC1〜C18で構成されるキャパシタバンク9と、両者間に介在する均等化回路31とで構成される。均等化回路31は、図2、図5に示した構成をしているが、図8では、その中のバイパス回路1を取り出し、それをバイパス回路31aとして示してある。なお、図1、図4に示した充電制御回路7は、AC電源38から平滑用コンデンサC40に至る諸回路を含んだ構成になっている。
充電制御回路30は、キャパシタバンク9への充電電圧を出力する出力電圧発生回路32と、出力電圧発生回路32の出力電圧を制御する出力制御回路33と、図1、図4に示したキャパシタバンク電圧検出回路5と、図1、図4に示した充電電流検出回路6として機能する抵抗器R31と、ダイオード36とを備えている。
キャパシタバンク電圧検出回路5は、抵抗器R32,R33の直列回路で構成され、その直列回路の一端がキャパシタバンク9の正極端に接続されると共に、ダイオード36を介して出力制御回路33の正極端に接続され、その直列回路の他端が抵抗器R31を介して出力制御回路33の負極端に接続されると共に、キャパシタバンク9の負極端に接続されている。これによって、キャパシタバンク電圧検出回路5は、抵抗器R32,R33の直列回路の接続端にキャパシタバンク9の充電電圧を分圧した電圧が現れるので、その分圧電圧を、検出した充電電圧12として出力制御回路33に与える。
また、充電電流の帰還路に介挿される抵抗器31に現れる帰還電流による降下電圧が、検出した充電電流13として出力制御回路33に与えられる。そして、出力制御回路33には、均等化回路31から、図1、図4に示した単セル満充電信号10と全セル満充電信号11とが入力される。
出力電圧発生回路32は、高周波トランス34、スイッチング回路(FET)35、直並列の2個のダイオードで構成される整流回路S、チョークコイルL、及び平滑用コンデンサC41を備えている。
出力制御回路33は、CPU33a、このCPU33aに内部バスで接続された、シリアルコントローラ(SIC)33b,A/Dコンバータ33c,充電電流検出回路33d、及びPWM発生回路33eに加えて、図示省略したが、ROM、RAM、ターマー、割り込み制御回路、及び入出力ポートを有している。なお、PWM発生回路33eは、定電圧出力、定電流充電、及び定電力充電の制御に用いられる。
AC電源38から平滑用コンデンサC40に至る経路では次のような動作が行われる。すなわち、AC電源38からの交流電圧は、主電源スイッチ39、及びフィルタ40を介して全波整流回路41に入力され、全波整流される。全波整流回路41が出力する直流電圧は、平滑用コンデンサC40にてリップル成分等が除去されて、充電制御回路30に入力される。
さて、充電制御回路30における出力電圧発生回路32では、全波整流回路41から直流入力側に設けられる高周波トランス34の一次コイル34aの一端が平滑用コンデンサC40の一端と共に、全波整流回路41の正極端に接続され、一次コイル34aの他端がスイッチング回路であるFET35を介して平滑用コンデンサC40の他端と共に、全波整流回路41の負極端に接続されている。そして、FET35のゲート電極には、出力制御回路33におけるPWM発生回路33eからPWM信号が入力される。出力制御回路33におけるPWM発生回路33eは、CPU33aの制御下に定電圧出力、定電流充電、定電力充電に応じたPWM信号を発生するようになっている。
この構成において、FET35が、ゲート電極にPWM発生回路33eから入力される定電圧出力、定電流充電、定電力充電に応じたPWM信号に従った態様で、ON/OFFのスイッチング動作を行うことで、一次コイル34aにスイッチング電流が流れるので、二次コイル34bにスイッチング電圧が誘起される。要するに、FET35でのスイッチング周波数の導通期間を変えれば、二次コイル34bに誘起されるスイッチング電圧(つまり出力電圧)の制御を行うことができる。
高周波トランス34の二次コイル34bに誘起されるスイッチング電圧は、整流回路Sにて整流され、チュークコイルL、及び平滑用コンデンサC41にて平滑化され、直流出力に変換される。この直流出力は、ダイオード36、及び抵抗器R31を通してキャパシタバンク9の両端に印加される。
キャパシタバンク9は、この実施の形態では、18個のキャパシタセルC1〜C18のそれぞれが、満充電時に2.5Vまで蓄電できる特性を有している。したがって、18個のキャパシタセルC1〜C18が満充電になると、キャパシタバンク9は、45Vの電圧に蓄電される。なお、キャパシタバンク9の蓄電容量は、対象とする画像形成装置の連続コピー時の温度落ち込みを防止できる容量、または、必要とする定着立ち上げ時間を達成できる容量としている。
キャパシタバンク電圧検出回路5が検出したキャパシタバンク9の充電電圧12は、出力制御回路33におけるA/Dコンバータ33cを介してCPU33aに入力される。エンジン制御部42にも並行して入力されるが、後述する。また、抵抗器31にて検出された充電電流13は、A/Dコンバータ33cを介してCPU33aに入力される。
均等化回路31の動作説明を簡単に行う。キャパシタバンク9のキャパシタセルとしてキャパシタセルC1を例にして言えば、キャパシタセルC1が満充電の電圧2.5Vに充電されると、対応するバイパス回路31aが充電電流をバイパスする。他のキャパシタセルに並列に接続されたバイパス回路も同様な動作を行うことで、各キャパシタセルの充電電圧が均等化される。
均等化回路31では、いずれかのキャパシタセルの満充電を検知し、バイパス回路が動作すると、単セル満充電信号10を出力制御回路33におけるCPU33aに出力する。その後、均等化回路31では、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路が動作すると、全セル満充電信号11を出力制御回路33におけるCPU33aに出力する。
出力制御回路33におけるCPU33aは、A/Dコンバータ33cから入力する充電電圧12と充電電流13、均等化回路31から入力する単セル満充電信号10と全セル満充電信号11とを監視し、その監視結果に基づきPWM発生回路33eに指示を出し、定電圧出力時、定電流充電時、定電力充電時のそれぞれにおいてPWM信号のONデューティを変えることで、キャパシタバンク9への出力電圧を制御する。
具体的には、CPU33aは、キャパシタバンク電圧検出回路5から入力されるキャパシタバンク9の検出充電電圧12が、予め設定された値よりも低い場合は、抵抗器R31での降下電圧(充電電流13)を逐一検出し、PWM信号発生回路33eに指示を出して抵抗器R31での降下電圧(充電電流13)に対応して予め設定された定電流充電にするためのPWM信号をFET35のゲート電極に出力させる。
なお、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗器R31での降下電圧(充電電流13)と、PWM信号のONデュティーとの関係を予め作成したテーブルを使用しても良く、演算によって算出しても良い。
また、抵抗器R31での降下電圧(充電電流13)のみ参照し、予め設定された充電電流になるようにPWM信号を制御しても良い。
さらに、キャパシタバンク9が充電されてない状態の場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れるのを防止するために、初めは出力電圧を低くし、徐々に出力電圧を高くするようにPWM信号を出力するようにしても良い。
次に、CPU33aは、キャパシタバンク9の充電電圧12が、予め設定された値以上(この実施形態では28V以上)になると、定電力充電を行うために、キャパシタバンク9の充電電流13と、キャパシタバンク9の充電電圧12を逐一取り込み、取り込んだキャパシタバンク9の充電電流13と、キャパシタバンク9の充電電圧12とから、予め設定された定電力充電を行うためPWM信号を演算して決定し、それをPWM信号発生回路33eに与えて、予め設定された定電力充電(約260W)を行うためのPWM信号をFET6のゲート電極に出力させる。
次に、CPU33aは、均等化回路31から全セル満充電信号11を受け取ると、PWM発生回路33eを制御して、FET6のゲート電極に出力するPWM信号を一定期間定電圧充電または間欠充電となるパターンに変化させ、その後、FET6のゲート電極に充電動作を停止する信号を出力させる。
次に、エンジン制御部42は、CPU42aと、CPU42aに内部バスで接続された、シリアルコントローラ(SCI)42d、入出力ポート42c、A/Dコンバータ42b、NV−RAM42e、ROM43f、RAM43g、タイマー、及び割り込み制御回路(INT)43i等で構成されている。
この実施の形態では、定着装置の加熱部としてAC定着ヒータ43と、立ち上げ時、及び連続コピー時の温度落ち込み時に補助ヒータとしてのDC定着ヒータ44とを備えている。A/Dポート43bには、図9に示す、定着装置60の定着ローラー61の表面温度(定着温度)を検出する温度検出回路45,46が接続されている。
温度検出回路45は、別の固定電源と接地(GND)との間に設けられた、DCヒーター用サーミスタ45aとこれに直列に接続された抵抗器R36とで構成され、DC定着ヒータ44に対応する測定領域の温度を検出する回路である。温度検出回路45の検出温度は、出力制御回路33と、エンジン制御部42におけるA/Dコンバータ42bを介したCPU42aとに入力される。
温度検出回路46は、別の固定電源と接地(GND)との間に設けられた、ACヒーター用サーミスタ46aとこれに直列に接続された抵抗器R37とで構成され、AC定着ヒータ43に対応する測定領域の温度を検出する回路である。温度検出回路46の検出温度は、エンジン制御部42におけるA/Dコンバータ42bを介したCPU42aに入力される。
入出力ポート43cには、入力ポート、出力ポート、5個のポート(ポート1〜ポート5)が設けられている。入力ポートには、画像形成を行うために必要なセンサ50,スイッチ回路51が接続され、また、出力ポートには、画像形成を行うために必要なモーター、ソレノイド、クラッチ等の負荷49が接続されている。5個のポート(ポート1〜ポート5)については後述する。
シリアルコントローラ(SCI)42dは、出力制御回路33におけるシリアルコントローラ(SCI)33bと接続されており、CPU42aは、出力制御回路33におけるCPU33aと、互いのシリアルコントローラ(SCI)とを介して信号の送受信が行えるようになっている。
CPU42aは、キャパシタバンク電圧検出回路5からキャパシタバンク9の充電電圧12を受け取ると、キャパシタバンク9の電力放電が可能か否かを判断し、その判断結果を上記した通信手段によって出力制御回路33におけるCPU33aに通知する。また、CPU42aは、DC定着ヒータ44に供給する電圧値、または、定着装置60の立ち上げ用のパターン等を上記した通信手段によって出力制御回路33におけるCPU33aに通知する。
次に、ACヒーター制御回路52について説明する。主電源ON時、及び、通常のコピー動作時には、AC定着ヒータ43に電力を供給してコピー動作が行われる。CPU42aは、温度検出回路46が予め設定された温度以下の温度を検出すると、入出力ポート43cのポート4から、フォトトライアック(登録商標)ドライブ回路53のトライアック(登録商標)TRをONする信号を出力する。これによって、AC電源から定着ヒータ43にはAC電力が供給される。そして、CPU42aは、温度検出回路46が予め設定された温度以上の温度を検出すると、入出力ポート42cのポート4から、フォトトライアックドライブ回路53にトライアックTRをOFFする信号を出力する。これによって、AC電源からAC定着ヒータ30への交流電力供給は停止される。
次に、DC定着ヒータ44にDC電力を供給する動作について説明する。CPU42aは、主電源がONされた時にキャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12を確認した後、キャパシタバンク9の蓄電力をDC定着ヒータ44に供給するために、入出力ポート42cのポート1から、放電回路であるFET48をON動作させる信号を出力し、入出力ポート42cのポート2から、リレー47を閉じる信号を出力する。これによって、キャパシタバンク9の蓄電力がDC定着ヒータ44に供給される。
または、CPU42aは、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して、未定着画像が発生する温度になると、出力制御回路33のCPU33aから通知された全セル満充電信号11、または、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12を確認した後に、キャパシタバンク9の蓄電力をDC定着ヒータ44に供給するために、入出力ポート42cのポート2から、リレー47を閉じる信号を出力し、入出力ポート42cのポート1から、FET48をON動作させる信号を出力する。これによって、キャパシタバンク9の蓄電力がDC定着ヒータ44に供給される。
CPU42aは、温度検出回路45によって定着加熱部の温度検出を行い、予め設定された温度以上の温度検出を行うと、キャパシタバンク9の電力放電の停止を行うために、入出力ポート42cのポート2から、リレー24を開放する信号を出力し、入出力ポート42cのポート1から、FET48をOFF動作させる信号を出力する。
なお、定着ヒータ44にキャパシタバンク9の蓄電力を供給する時に、定着ローラーの加熱に有効利用可能な下限電圧以下では放電を行わない。これによって、再充電する時の時間が短縮可能となる。
次に、コントロール回路55は、画像形成装置の全体を制御するCPU55a、CPU55aに内部バスで接続されたシリアルコントローラ(SCI)55b、ROM、RAM、プリンタで使用する画像展開用のワークメモリ、書き込み画像のイメージデータを一時蓄えるフレームメモリ、CPU周辺を制御する機能を搭載したASIC、及びそのインターフェース回路等で構成される。
CPU55aには、SCI55bを介して操作部制御回路56が接続されている。操作部制御回路56は、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力部と、使用者にシステムの設定内容状態を表示する表示装置、及び入力部の制御を行う制御部とを備えている。また、SCI55bは、エンジン制御部42におけるSCI42dと接続されており、CPU55aは、エンジン制御部42におけるCPU42aと互いのSCIを等して通信できるようになっている。
次に、図9は、図8に示す画像形成装置が備える定着装置の構成を示す断面図である。図9に示すように、定着装置60は、定着部材である定着ローラー61、加圧部材である加圧ローラー62、及び、図示してないが加圧ローラー62を一定の加圧力で定着ローラー61に押し当てる加圧手段を備えている。定着ローラー61と加圧ローラー62は、図示してないが、それぞれ駆動機構によって回転駆動される。
また、定着装置60には、2つの定着ヒータ(AC定着ヒータ43、DC定着ヒータ44)と、定着ローラー61の表面温度検出用サーミスタ45a、46aとが設けられている。2つの定着ヒータ43,44は、定着ローラー61の内部に配置されており、その定着ローラー61を内部から加熱して定着ローラー61に熱を供給する。
また、表面温度検出用サーミスタ45a,46aは、定着ローラー61の表面にそれぞれ当接して設けられ、定着ローラー61の表面温度(定着温度)を検出する。なお、サーミスタ46aは、AC定着ヒータ43に対応する測定領域に配置され、表面温度検出用サーミスタ45aは、DC定着ヒータ44に対応する測定領域に配置されている。
AC定着ヒータ43、DC定着ヒータ44は、それぞれ、定着ローラー61の温度が目標温度に達していないときにON駆動されて定着ローラー61を加熱するヒータである。また、DC定着ヒータ44は、画像形成装置の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時等、すなわち、定着装置60のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用し定着装置の立ち上げを補助ヒータである。
このように定着装置60では、トナー画像63を担持したシート64が定着ローラー61と加圧ローラー62とのニップ部を通過する際に定着ローラー61、及び加圧ローラー62によって、加熱、及び加圧される。これによって、シート64には、トナー画像63が定着される。
次に、図10を参照して、図8に示す画像形成装置にて実施される充電制御動作について説明する。なお、図10は、図8に示す画像形成装置における出力制御回路にて実施される充電制御動作を説明するフローチャートである。
図10において、出力制御回路33におけるCPU33aは、エンジン制御部42におけるCPU42aから充電許可信号が送られてきた場合は、充電許可フラグを「1」にセットするようになっているので、充電制御を開始する際には、まず、充電許可フラグが「1」であるか否か確認する(ST21)。その結果、充電許可フラグが「1」で無い場合(ST21:No)は、CPU42aから充電許可信号が送られてきていないので、充電制御を行わず、本充電制御処理を終了するが、充電許可フラグが「1」である場合(ST21:Yes)は、CPU42aから送られてきている充電許可信号に従って充電制御を実施し、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が45Vに到達しているか否かを確認する(ST22)。
そして、CPU33aは、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が45Vに到達している場合(ST22:No)は、満充電電圧信号をエンジン制御部42におけるCPU42aに送信して(ST23)本充電制御処理を終了する。一方、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が45Vに到達していない場合(ST22:Yes)は、次に充電動作を行うために、充電動作中信号をエンジン制御部42におけるCPU42aに送信し(ST24)、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が28V以下になるか否かを監視する(ST25)。
その結果、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が28V以下である場合(ST25:Yes)は、定電流充電動作を実施するために、CPU33aは、充電電流検出回路33dを用いて蓄電部(キャパシタバンク9)の充電電流13を検出し(ST26)、PWM発生回路33eを制御してスイッチング回路(FET35)のゲート電極に、その定電流充電動作を実施するために検出した充電電流に対応したPWM信号を出力させ(ST27)、再度、ST25に戻る。CPU33aは、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が28V以下である場合(ST25:Yes)は、以降、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧が28Vを超えるまで(ST25:No)、ST25〜ST26〜ST27〜ST25の処理を繰り返し行って定電流充電動作を実施する。
そして、CPU33aは、定電流充電動作を繰り返し行った結果、キャパシタバンク電圧検出回路5が検出した充電電圧12が28Vを超えると(ST25:No)、今度は、定電力充電動作を実施するために、蓄電部(キャパシタバンク9)の充電電流13、及び充電電圧12の検出を行い(ST28)、PWM発生回路33eを制御して、スイッチング回路であるFET35のゲート電極に、その定電力充電を行うため検出した充電電流13、及び充電電圧12に対応したPWM信号を出力させ(ST29)、均等化回路31から単セル満充電信号10が入力するのを監視する(ST30)。
その結果、均等化回路31から単セル満充電信号10が入力しない場合(ST30:No)は、充電制御回路30、及び均等化回路31の異常を検出する「タイマ1」のカウントアップを実施する(ST31)。つまり、CPU33aは、「タイマ1」が予め設定された時間Nをカウントする(ST32:Yes)までの間、前記した定電力充電の動作(ST28〜ST31の処理)を繰り返し行い、その過程で、「タイマ1」が予め設定された時間Nをカウントすると(ST32:Yes)、充電動作を停止するためにPWM信号発生回路33eを制御してPWM信号出力を停止させ(ST33)、並行して、エンジン制御部42のCPU42aに充電部の異常を出力し(ST34)、本充電制御処理を終了する。
一方、ST30において、均等化回路31から単セル満充電信号10が入力した場合(ST30:Yes)は、CPU33aは、PWM信号発生回路33eを制御して、スイッチング回路(FET35)のゲート電極に、前記した定電流充電動作を実施するPWM信号を出力させ(ST27)、再度、充電制御回路30に定電流充電を実施させる(ST35)。
CPU33aは、定電流充電を実施させると(ST35)、均等化回路31から全セル満充電信号11が入力するのを監視する(ST36)。そして、全セル満充電信号11が入力しない場合(ST36:No)は、充電制御回路30、及び均等化回路31の異常を検出する「タイマ2」のカウントアップを実施する(ST37)。つまり、CPU33aは、「タイマ2」が予め設定された時間Nをカウントする(ST38:Yes)までの間は、均等化回路31から単セル満充電信号10が入力している(ST30:Yes)のを確認しつつ定電流充電の実施(ST35)を繰り返し行い、その過程で、「タイマ2」が予め設定された時間Nをカウントすると(ST38:Yes)、充電動作を停止するために、ST33、ST34の処理を行って、本充電制御処理を終了する。
一方、ST36において、均等化回路31から全セル満充電信号11が入力した場合(ST36:Yes)は、CPU33aは、入力した全セル満充電信号11をエンジン制御部42のCPU42aに送信し(ST39)、PWM信号発生回路33eを制御して、スイッチング回路(FET35)のゲート電極に、一定期間実施する間欠定電流充電または間欠定電圧充電を実施するパターンのPWM信号を出力させ(ST40)、一定期間の実施後に本充電制御処理を終了する。
なお、間欠定電流充電では、PWM信号発生回路33eは、一定時間内定電流充電用のPWM信号を出力する動作と、一定時間内そのPWM信号の出力を停止する動作とを交互に一定期間内繰り返すことが行われる。
また、間欠定電圧充電では、PWM信号発生回路33eは、一定時間内定電圧充電用のPWM信号を出力する動作と、一定時間内そのPWM信号の出力を停止する動作とを交互に一定期間内繰り返すことが行われる。
次いで、図11を参照して、図8に示す画像形成装置にて実施される定着立ち上げ時の温度制御動作について説明する。なお、図11は、図8に示す画像形成装置におけるエンジン制御部にて実施される定着立ち上げ時の温度制御動作を説明するフローチャートである。
図11では、キャパシタバンク9に大容量電力を蓄積し、立ち上げ時にキャパシタバンク9から放電し、その後、加熱部温度が予め設定された温度を超えた場合、または、キャパシタバンク9の充電電圧(放電電圧)12が21Vよりも低下した場合、キャパシタバンク9の放電を停止して、AC定着ヒータ43のみに電力供給を行い、定着加熱部の温度を所定の温度に制御する一連の処理手順が示されている。なお、充電電圧(放電電圧)12が21Vよりも低下した場合に放電を停止するのは、これ以下の電圧の蓄電力を定着加熱部に供給しても、発熱の効果は無いからである。
図11において、エンジン制御部42におけるCPU42aは、立ち上げフラグが主電源ON時にまたは省エネモード解除時に「1」にセットされるので、まず、その立ち上げフラグが「1」にセットされているか否かを確認する(ST51)。立ち上げフラグが「1」にセットされていない場合(ST51:No)は、本定着立ち上げ処理を終了する。一方、立ち上げフラグが「1」にセットされている場合(ST51:Yea)は、出力制御回路33におけるCPU33aから満充電信号が送信されているか否か、または、A/Dポート42bに入力するキャパシタバンク9の充電電圧12が41V以上あるか否かを確認する(ST52)。
ST52での判断果が肯定(Yes)の場合は、CPU42aは、温度検出回路45,46からA/Dポート42bに入力する各温度を検出して、加熱部温度が予め設定された温度(例えば170℃)以下であるか否かを調べる(ST53)。その結果、加熱部温度が予め設定された例えば170℃以下の場合(ST53:Yes)は、その検出された加熱部温度が定着立ち上げ時間を短縮するためにキャパシタバンクの蓄電力を使用する必要のある温度以下であるので、CPU42aは、次に、充電電圧12が21V以上あるか否か調べる(ST54)。
そして、CPU42aは、充電電圧12が21V以上ある場合(ST54:Yes)、出力制御回路33のCPU33aに対して、PWM信号の出力停止信号を出力する(ST55)と共に、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ST56)。
並行して、CPU42aは、キャパシタバンク9の蓄電力をDC定着ヒータ44に供給するために、入出力ポート42cのポート2から、リレー47に閉じる動作を行わせる信号を出力し(ST57)、入出力ポート42cのポート1から、放電回路(FET48)にON動作させる信号を出力する(ST58)。
なお、ST58の処理では、リレー47が閉路動作を行った後の一定時間後に、放電回路(FET48)にON動作させるようにすれば、リレーの接点溶着を防止することができる。
そして、CPU42aは、入出力ポート42cのポート4から、AC定着ヒータ43をON状態にする信号を出力して(ST59)、先のST53の処理に戻り、再度、温度検出回路45,46からA/Dポート42bに入力する各温度を検出して、加熱部温度が予め設定された温度(例えば170℃)以下であるか否かを調べる。
その結果、加熱部温度が予め設定された温度(例えば170℃)以下であり(ST53:Yes)、かつ、充電電圧12が21V以上ある(ST54:Yes)限り、ST55〜ST59の上記した処理(充電停止処理、加熱部に供給する電力のDCからACへの切替処理)を行ってST53に戻る処理を繰り返す。
その過程で、加熱部温度が予め設定された温度(例えば170℃)以下である(ST53:Yes)が、充電電圧12が21V以上でない場合(ST54:No)は、定着加熱部にDC電力を供給しても、定着加熱部に対する有効な電力供給にならないので、放電を停止するために、ST61〜ST64にて、ST55〜ST59と同内容の処理(充電停止処理、加熱部に供給する電力のDCからACへの切替処理)を実施しST53に戻る。
また、ST53に戻って判断した所、加熱部温度が予め設定された温度(例えば170℃)以上となる場合(ST53:No)は、CPU42aは、温度検出回路45,46からA/Dポート42bに入力する各温度を検出して、加熱部温度が予め設定された温度(例えば178℃)以下であるか否かを調べる。なお、このST60の判断処理は、上記のST52での判定結果が否定(No)となった場合も実施される。
その結果、加熱部温度が予め設定された温度(例えば178℃)以下である場合(ST60:Yes)は、ST61〜ST64にて、ST55〜ST59と同内容の処理(充電停止処理、加熱部に供給する電力のDCからACへの切替処理)を実施してST53に戻る。
このようにして、定着加熱部への電力供給が、キャパシタバンク9の蓄電力とAC電力との双方の供給から、AC電力のみに切り替わる制御が実施される。
そして、ST60において、加熱部温度が予め設定された温度(例えば178℃)を超える場合(ST60:No)は、CPU42aは、温度検出回路45,46からA/Dポート42bに入力する各温度を検出して、加熱部温度が予め設定されたリロード温度(例えば180℃)であるか否かを調べる(ST65)。
検出した加熱部温度がリロード温度(180℃)に到達していない場合(ST65:No)は、ST53に戻り、AC定着ヒータ43への電力供給が継続される。そして、検出した加熱部温度がリロード温度(180℃)に到達した場合(ST65:Yes)は、CPU42aは、立ち上がりフラグをリセットし(ST66)、定着リロードフラグをセットする(ST76)。
CPU42aは、並行して、入出力ポート42cのポート1から放電回路(FET48)をOFF動作させる信号を出力し(ST68).入出力ポート42cのポート4からAC定着ヒータ43をOFF状態にする信号を出力する。そして、CPU42aは、充電動作を行うために、出力制御回路33におけるCPU33aに対して充電許可信号を送信し(ST70)、本定着立ち上げ処理を終了する。
この実施の形態3によれば、コストダウンを図った蓄電装置を用いるので、製造コストを低減した画像形成装置を提供することができる。そして、蓄電装置の蓄電力を定着装置の加熱部の電力として使用することで、画像形成装置の立ち上がり時間の短縮が可能となり、生産性の向上が図れる。また、定着ローラーの加熱部に有効に利用可能な下限電圧まで放電を行い、それ以下では放電を行わないので、再充電制御の短縮と、無駄な電力消費の削減とが可能になる。
実施の形態4.
図12は、この発明の実施の形態4として、図1,図4に示す蓄電装置を定着装置の補助電源として用いる画像形成装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態4では、負荷への電力供給において、AC電力の供給では不足する場合に、その不足した電力を蓄電装置からの供給に切り替える場合の構成例が示されている。
高速分野の画像形成装置の場合は、定着加熱部に使用する電力が大きいので、一般的に使用されているAC100V、15A定格の商用電源を用いると、不足する場合が発生する。また、主電源スイッチON時に、画像形成装置が使用できる状態の定着温度に到達するまでに多くの時間を必要とする。
そこで、図12に示すように、蓄電装置70を補助電源として用意し、負荷への上記した電力不足を、蓄電装置70から供給する構成とした。
図12において、蓄電装置70は、実施の形態1,2に示した構成を有しており、充電制御回路71と、蓄電ユニット72と、蓄電電圧検出回路73とが示されている。蓄電ユニット72は、キャパシタバンクと均等化回路とを主な構成要素としている。
AC電源75は、AC/DCコンバーター76と定着加熱部温度制御回路78とに供給されている。AC/DCコンバーター76は、AC電圧から直流の定電圧を生成する回路である。AC/DCコンバーター76の出力は、画像形成装置制御回路77と充電制御回路71に供給され、また、切り替え回路79を介して負荷81に供給されている。この負荷81は、画像形成動作を行うための各種モーター、ソレノイド、クラッチ等のパワー系負荷である。
充電制御回路71は、画像形成装置制御回路77からの指示に基づき、充電電圧検出回路73が検出した充電電圧を確認して蓄電ユニット72への充電を制御する。充電された蓄電ユニット72の蓄電力は、定電圧生成回路80に入力される。この定電圧生成回路80は、蓄電ユニット72の電圧が、放電によって低下しても、一定電圧(例として24V)を生成する昇降圧コンバーター機能を備えている。この定電圧生成回路80の出力は、切り替え回路79に入力される。
定着加熱部温度制御回路78は、定着加熱部82に設けられた温度検出素子83によって加熱部温度を検出し、検出温度が予め設定された温度よりも低い場合に、定着加熱部82にAC電源から電力を供給し、検出温度が予め設定された温度より高い場合は、AC電源からの電力供給を遮断する。
この場合に、切り替えスイッチ79が、AC/DCコンバーター76の出力を選択して負荷81に電力供給している状況下において、画像形成装置制御回路77は、定着加熱部温度制御回路78が定着加熱部82に対して予め設定された電力供給しても、定着加熱部82の温度が、予め設定された温度よりも低下した場合に、切り替えスイッチ79に蓄電装置70側を選択させて負荷81にDC電力を供給し、余ったAC電力を定着加熱部82に供給する措置を採る。
これによって、通常時は、定着加熱部82への電力供給は、80%デュティーの電力供給となる場合に、切り替えスイッチ79を蓄電装置70側に切り替えることで、100%デュティーの電力供給を行うことができる。
この実施の形態4によれば、コストダウンを図った蓄電装置を用いるので、製造コストを低減した画像形成装置を提供することができる。そして、AC電源から定着装置の加熱部に供給する電力が不足する場合に、AC電源から負荷への電力供給を蓄電装置からの供給に切り替え、余ったAC電力を定着装置の加熱部電力に使用する構成を採ることができるので、画像形成装置の立ち上がり時間の短縮が可能になる。
なお、以上の各実施の形態では、蓄電セルとして、電気二重層コンデンサを示したが、この発明は、これに限定されるものではなく、蓄電セルとして、リチウム電池も同様に用いることができる。