JP4080735B2 - 酸化鉄粒子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化鉄粒子に関し、詳しくは酸化鉄コア粒子表面に、2層、かつ特定の有機物被覆層を有することにより、各種分散媒液中での初期分散性、分散後の分散安定性に優れ、かつ優れた撥水性を示す酸化鉄粒子、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適な酸化鉄粒子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
酸化鉄粒子は、静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途において多岐に用いられているが、樹脂やビヒクル等、各種分散媒に分散させる際の初期分散性は極めて重要な特性である。
【0003】
この初期分散性が重要な理由は、例えば、懸濁重合トナーを製造する際に、顔料である酸化鉄粒子を高濃度に含んだ樹脂モノマーを水系分散媒に分散させるが、この分散時に酸化鉄粒子が樹脂モノマーから分離することなく、分散が行われる必要があるからである。
【0004】
更に、各種分散媒に分散された酸化鉄粒子は、その分散媒中での分散安定性も重要である。
この分散安定性が重要な理由は、上述の懸濁重合トナーを製造する際に、分散後の酸化鉄粒子を含む樹脂モノマーを、重合、成長させる過程で酸化鉄粒子が再凝集しないことが要求されるからである。
【0005】
また、各種溶媒中での酸化鉄粒子分散においては、酸化鉄粒子の撥水性も重要である。
この撥水性が重要な理由は、酸化鉄粒子の表面に親水性があると、例えば、非水溶媒中での分散においては、親水性のある面で凝集が生じ易く、分散を妨げることになるからである。
【0006】
従って、酸化鉄粒子を各種分散媒に分散させる上で、酸化鉄粒子自体に要求される重要な特性としては、分散性、分散安定性及び撥水性に集約されるが、これら三つの特性を満たすために、酸化鉄粒子に各種の有機処理、例えば各種脂肪酸やカップリング剤、油脂類を被覆する技術が開示されているものの、十分に要求を満足するものが得られていないのが現状である。
【0007】
従って、本発明の目的は、各種分散媒中での分散性、分散安定性及び撥水性に優れた酸化鉄粒子、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適な酸化鉄粒子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、酸化鉄粒子の表面に、特定の有機物被覆層を複数層形成することにより、上記目的が達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、酸化鉄コア粒子表面に、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層を有し、更に該第1被覆層の上層に、アルミニウム系カップリング剤による第2被覆層を有することを特徴とする酸化鉄粒子を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明でいう酸化鉄粒子は、好ましくはマグネタイト粒子、もしくはマグヘマイト(γ−Fe2 3 )粒子やその中間組成のベルトライド化合物(FeOx・Fe2 3 <x<1)粒子、及びこれらの単独又は複合化合物に、Fe以外のAl、Mn、Ni、Cu、Mg、Ti、Co、Zr、W、Mo、P等を少なくとも1種以上含むスピネルフェライト粒子等を必要な特性に応じ、含有しているものも包含される。以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子というときには、その内容によって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
【0011】
本発明のマグネタイト粒子は、マグネタイトコア粒子表面に、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層を有し、更にその上層にアルミニウム系カップリング剤による第2被覆層を有するものである。芯材(コア材)となるマグネタイトコア粒子は、通常は湿式法で製造されるものであるが、乾式法で製造されたものでもよい。また、このマグネタイトコア粒子中には、上記のように、各種の有効元素を含有していてもよい。
【0012】
通常、マグネタイト粒子の表面には、水分ないしは親水性の水酸基等が多数存在しており、このままの状態でマグネタイト粒子を樹脂モノマー中に分散させた後、その分散スラリーを水系分散媒中に分散させても、樹脂モノマーとマグネタイト粒子が分離してしまい、懸濁重合トナー粒子形成性に著しく劣る。このような状態を改善するためには、マグネタイト粒子表面の水分ないしは親水基の作用を抑制し、マグネタイト粒子表面に親油性の界面を形成する必要がある。
【0013】
本発明のマグネタイト粒子においては、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層が、マグネタイトコア粒子上に直接形成されていることが重要である。これら反応性シリコーンオイルやシランカップリング剤は、複数の反応点や加水分解性基を有しており、粒子表面の水分ないしは親水基の作用を抑制し、親油性の界面を形成し易い。従って、水系分散媒を用いた際にも、樹脂モノマーからの分離が抑制され、分散性が良好であると同時に、親水基が存在する面同士の凝集もより抑制されており、撥水性の面でも優れている。
【0014】
上記反応性シリコーンオイルとしては、下記一般式〔I〕〜〔V〕に示されるような直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。なお、下記一般式〔I〕〜〔V〕において、m、nはそれぞれ10〜1000の整数である。
【0015】
【化1】
Figure 0004080735
【0016】
【化2】
Figure 0004080735
【0017】
【化3】
Figure 0004080735
【0018】
【化4】
Figure 0004080735
【0019】
【化5】
Figure 0004080735
【0020】
また、シランカップリング剤としては、下記に示すようなクロロシラン、アルキルシラン、アルコキシシラン、シラザン等が好ましい。
【0021】
【化6】
Figure 0004080735
【0022】
【化7】
Figure 0004080735
【0023】
本発明のマグネタイト粒子においては、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層の上に、更にアルミニウム系カップリング剤による第2被覆層を有することが重要である。
【0024】
この上層のアルミニウム系カップリング剤による第2被覆層は、主に下層の反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層を補強すると同時に、マグネタイト粒子の有機溶媒中での立体障害を促し、その結果、分散安定性を発現させる役割があると推測される。
【0025】
上記アルミニウム系カップリング剤としては、下記一般式で示される化合物が好ましく用いられる。
【0026】
【化8】
Figure 0004080735
【0027】
上記一般式において、X1 、X2 の官能基はアルコキシ基(炭素数2又は3)又は燐酸エステル基が好ましく、有機官能基Ra 、Rb 中の炭素数が10〜20であることが好ましい。
【0028】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、ケイ素化合物の含有量が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0029】
ここでいうケイ素化合物とは、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤に由来するものにとどまらず、マグネタイトコア粒子表面に被覆ないしは固着しているものも含んでおり、マグネタイトコア粒子及び第1被覆層中のケイ素化合物の含有量が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.5〜5質量%であることが好ましい。このケイ素化合物の含有量が0.5質量%未満の場合には、マグネタイトコア粒子表面の親油性界面形成が十分でなくなるおそれがあり、5質量%を超える場合には、磁気特性のバランスが悪く、特に飽和磁化の低下を生じ易い。このケイ素含有量が0.7〜3質量%であると、親油性確保とその他の特性のバランス調整が容易でより好ましい。
【0030】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、アルミニウム化合物の含有量が、粒子全体に対して、アルミニウムに換算して0.01〜2質量%であることが好ましい。
【0031】
ここでいうアルミニウム化合物とは、アルミニウム系カップリング剤に由来するものにとどまらず、マグネタイトコア粒子表面に被覆ないしは固着しているものも含んでおり、マグネタイトコア粒子及び第2被覆層中のアルミニウム化合物の含有量が、粒子全体に対して、アルミニウムに換算して0.01〜2質量%であることが好ましい。このアルミニウム化合物の含有量が0.01質量%未満の場合には、マグネタイトコア粒子表面の第1被覆層の補強効果や有機溶媒中での立体障害効果が十分でなくなるおそれがあり、2質量%を超える場合には、磁気特性のバランスが悪く、特に飽和磁化の低下を生じ易い。このアルミニウム含有量が0.02〜1質量%であると、第1被覆層の補強効果や有機溶媒中での立体障害効果の確保とその他の特性のバランス調整が容易でより好ましい。
【0032】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、SEM観察による一次粒子の個数平均径が0.15〜0.3μmであることが好ましい。この個数平均径が大き過ぎる場合には、顔料としての着色力が劣る上、小粒径トナーの製造等に差し支えが生じる。また、小さすぎる場合には、黒色顔料としての色相上、赤味が強くなる上、高残留磁化となり、磁気凝集が強くなり好ましくない。
【0033】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、マグネタイトコア粒子表面に、ケイ素化合物が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.1〜2質量%露出していることが好ましい。
【0034】
上述の通り、マグネタイトコア粒子及び上記第1被覆層中に含有しているケイ素化合物とは、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤に由来するものにとどまらず、マグネタイトコア粒子内部、もしくは粒子表面に被覆ないしは固着しているものも含んでいる。
【0035】
特に、マグネタイトコア粒子表面に、ケイ素化合物が被覆ないしは固着している場合には、このようなケイ素化合物が微細かつポーラス状にマグネタイトコア粒子表面に形成されていることが推測され、このような粒子表面においては粒子本来の粒度に比して比表面積が大きく、その結果、被覆する反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤との反応活性点が増え、非常に強固、かつ一様な親油性界面を形成することが可能となる。
【0036】
上記マグネタイトコア粒子表面のケイ素化合物の露出量が0.1質量%未満の場合には、マグネタイトコア粒子表面上における有機処理剤(反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤)の反応活性点が減り、本発明の効果を有効に引き出し難く、有機処理剤の量を増やさねばならない等の不具合を生じ、2質量%を超える場合には、磁気特性のバランスが悪くなる等の他の特性への影響が懸念される。この粒子表面のケイ素化合物の露出量が0.1〜1質量%であると、強固、かつ一様な親油性界面の形成が効率的に行え、かつその他の特性のバランス調整が容易でより好ましい。
【0037】
また、マグネタイトコア粒子表面に露出しているケイ素化合物量に対する第1被覆層中のケイ素化合物の含有量の比が0.08〜0.3であると、上記と同様により好ましい。
【0038】
ここでいうマグネタイト粒子表面のケイ素化合物の露出量は、下記の分析方法によって得られた値である。
【0039】
すなわち、試料0.900gを秤量し、1NのNaOH溶液25ミリリットルを加える。液を撹拌しながら45℃に加温し、粒子表面のケイ素を溶解する。
【0040】
未溶解物を濾過した後、溶出液を純水で125ミリリットルに定量し、溶出液に含まれるケイ素をプラズマ発光分析(ICP)で定量する。
粒子表面のケイ素化合物の露出量(質量%)={[溶出液に含まれるケイ素(g/l)×125/1000]/0.900(g)}×100
なお、総Si量は、試料を塩−フッ酸溶液に溶解し、プラズマ発光分析(ICP)で定量する。
【0041】
なお、マグネタイトコア粒子の内部に、ケイ素化合物が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.3〜3質量%含有していると、マグネタイト粒子の分散性が更に向上するのでより好ましい。
【0042】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、上記マグネタイトコア粒子のBET法による比表面積が、下記式▲1▼を満足することが好ましい。
比表面積(m2 /g)≧φ/(粒径(μm)×5.2)×1.6 ・・・▲1▼
(但し、φは比表面積形状係数を指し、粒子形状が球状、六面体の場合には6、八面体の場合には7.35である)
【0043】
上述の通り、マグネタイトコア粒子表面に、ケイ素化合物が被覆ないしは固着している場合には、粒子本来の粒度に比して比表面積が大きい。このようなことから、一次粒子径からの比表面積算出式に特定の係数を用いて、本発明に好適な条件を上記式▲1▼として導き出した。
【0044】
上記式▲1▼を満たさない場合には、マグネタイトコア粒子の比表面積はさほど大きくなく、マグネタイトコア粒子表面上における有機処理剤(反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤)の反応活性点が減り、本発明の効果を有効に引き出し難く、有機処理剤の量を増やさねばならない等の不具合を生じる。なお、マグネタイトコア粒子の比表面積は30m2 /gを超える場合には、粒子表面のケイ素化合物の露出量が多すぎるおそれがあるので、30m2 /g以下に調整するのが好ましい。
【0045】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、その形状は八面体、六面体等の粒状品であれば、特にその形状は限定されないが、比較的残留磁化が低く、磁気凝集が小さいことに起因して、粒子同士の絡みが少なく、分散性に優れた球状であることが好ましい。
【0046】
次に、本発明のマグネタイト粒子の好適な製造方法について述べる。
本発明のマグネタイト粒子は、コアとなるマグネタイトコア粒子に、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤を添加し、60〜120℃で機械的な混合撹拌を十分行った後、引き続きアルミニウム系カップリング剤を添加し、1〜5時間機械的な混合撹拌を行い、加熱溶媒除去し、第1及び第2の被覆層を形成することにより製造できる。
【0047】
本発明のマグネタイト粒子の製造の際に使用されるマグネタイトコア粒子は、その製造方法について限定を受けるものではないが、上記したケイ素化合物露出量、比表面積及び粒子形状を有するものが好ましい。
【0048】
上記被覆層の形成に用いられる混合撹拌装置については、各種装置を用いることが可能であるが、必要以上に粒子に負荷をかける必要はないので、ヘンシェルミキサー等を使用すれば良い。
【0049】
マグネタイトコア粒子に被覆層形成のために各種処理剤を添加するに当たっては、そのまま添加、あるいはヘキサン等の非極性溶媒で希釈して添加する等の方法が可能であるが、各種処理剤の性状、特徴に応じ、適宜選択する。なお、添加の際には、全量を一度に添加しても良いが、処理剤の粒子上への偏在を考慮して、マグネタイトコア粒子の混合撹拌中に、連続的に滴下したり、噴霧したりする方法が効果的である。
【0050】
混合撹拌中の処理温度については、60〜120℃で行うのが良く、60℃未満の場合には、粒子表面と有機物との結合反応の進行が緩慢となり、強固で均一な有機表面を形成しにくく、その結果、得られたマグネタイト粒子は、分散性、分散安定性及び撥水性の全てが劣る。また、120℃を超える場合には、マグネタイト粒子の酸化が進行し、磁気特性の低下を招くばかりか、有機処理剤同士の反応が進行してしまうので好ましくない。
【0051】
混合撹拌時間については、1〜5時間が適当である。この処理時間が短い場合には、処理剤がマグネタイトコア粒子表面に均一に被覆されないおそれがある。また、処理時間を長くした場合には、均一被覆には十分であるが、必要以上に大気に触れ、加熱も行われていることから、マグネタイト粒子の酸化を助長するおそれがある。
【0052】
このようにして得られた本発明のマグネタイト粒子は、各種分散媒中での分散性、分散安定性及び撥水性に優れており、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適である。
【0053】
【実施例】
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0054】
〔実施例1〕
表1に示すような物性又は特性を有するマグネタイト粒子A5kgを、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製、FM−20B型)に投入し、加熱ジャケットにて粉末の温度が70℃となるように調整しながら撹拌を開始する。反応性シリコーンオイルであるメチルハイドロジェンポリシロキサン(東芝GEシリコーン社製、TFS484)100g(2質量%に相当)をエタノール100gに希釈したものを徐々に添加し、2時間撹拌を行った。
【0055】
続いて、アルミニウム系カップリング剤であるアセチルアセテートアルミニウムジイソピレート(味の素社製、ブレンアクトAL−M)25g(0.5質量%に相当)をヘキサン25gに希釈したものを徐々に添加し、1時間撹拌を行い、処理を終了した。
【0056】
得られたマグネタイト粒子について、以下の方法で諸特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0057】
〔測定方法〕
(1)Al及びSi含有量分析(質量%)
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
(2)個数平均径(μm)
走査型電子顕微鏡を用い、倍率20000倍にて粒子形状観察及び200個の粒子についてフェレ径の測定を行い、平均粒径を求めた。
(3)飽和磁化(Am2 /kg)
東英工業社製、振動型磁力計VSM−P7型を使用し、外部磁場796kA/mにて測定した。
(4)比表面積(m2 /g)
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(5)スチレンモノマー中への分散性(μm)
試料0.3gをスチレンモノマー(関東化学社製)100gに添加し、超音波分散装置BRASONIC2200(BRASON社製)によって5分間分散させた分散スラリーを、マイクロトラックUPA(日機装社製)にて測定し、D50を求めた。このD50は1μm以下であれば良好と判断した。
(6)スチレンモノマー中への易分散性(μm)
試料0.3gをスチレンモノマー(関東化学社製)100gに添加し、ペイントシェーカーによって5分間分散させた分散スラリーを、マイクロトラックUPA(日機装社製)にて測定し、D50を求めた。上記(5)のデータと差が少ないほど良好と判断した。
(7)分散安定性(μm)
上記(5)において、分散スラリーを1時間放置後、同様の測定を行い、D50を求めた。上記(5)のデータと差が少ないほど良好と判断した。
(8)撥水性
スチレンモノマー100gと水100gを入れた容器に、試料10gを添加し、ペイントシェーカーで10分間混合し、3分間静置した。水相にマグネタイト粒子が確認できた場合を不良(×)とし、水相には一切マグネタイト粒子が確認できない場合を良好(○)と判断した。
【0058】
〔実施例2〜10及び比較例1〜8〕
表1に示されるマグネタイトコア粒子A〜Eをそれぞれ用い、表2に示す処理条件、内容に設定した以外は、実施例1と同様の方法でマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子について、実施例1と同様の方法で諸特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004080735
【0060】
【表2】
Figure 0004080735
【0061】
表2から明らかな通り、実施例1〜10のマグネタイト粒子は、分散媒中での分散性、分散安定性及び撥水性のいずれも優れており、重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適であることが判る。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の酸化鉄粒子は、酸化鉄コア粒子表面に、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層を有し、更にその上層にアルミニウム系カップリング剤による第2被覆層を有することによって、分散性、分散安定性及び撥水性に優れた酸化鉄粒子であり、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適である。

Claims (7)

  1. 酸化鉄コア粒子表面に、反応性シリコーンオイル及び/又はシランカップリング剤による第1被覆層を有し、更に該第1被覆層の上層に、アルミニウム系カップリング剤による第2被覆層を有することを特徴とする酸化鉄粒子。
  2. ケイ素化合物の含有量が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.5〜5質量%である請求項1記載の酸化鉄粒子。
  3. アルミニウム化合物の含有量が、粒子全体に対して、アルミニウムに換算して0.01〜2質量%である請求項1又は2記載の酸化鉄粒子。
  4. SEM観察による一次粒子の個数平均径が0.15〜0.3μmである請求項1〜3のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
  5. 上記酸化鉄コア粒子表面に、ケイ素化合物が、粒子全体に対して、ケイ素に換算して0.1〜2質量%露出している請求項1〜4のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
  6. 上記酸化鉄コア粒子のBET法による比表面積が、下記式▲1▼を満足するものである請求項1〜5のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
    比表面積(m2 /g)≧φ/(粒径(μm)×5.2)×1.6 ・・・▲1▼
    (但し、φは比表面積形状係数を指し、粒子形状が球状、六面体の場合には6、八面体の場合には7.35である)
  7. 形状が球状である請求項1〜6のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
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