JP4079371B2 - オイルゲル化剤、その製造方法並びにそれを含有するオイルゲル及び化粧料 - Google Patents

オイルゲル化剤、その製造方法並びにそれを含有するオイルゲル及び化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、デキストリンと脂肪酸誘導体とをピリジン誘導体の存在下反応させエステル化して得られるデキストリン脂肪酸エステルからなるオイルゲル化剤、上記デキストリン脂肪酸エステルの製造方法並びにそれを含有するオイルゲル及び化粧料に関するものである。
デキストリン脂肪酸エステルは、オイルゲル化性を損なうことなくオイルへの溶解性を向上するためにデンプン脂肪酸エステルを基に発明されたオイルゲル化剤である(例えば特許文献1,2,3,4参照)。このオイルゲルの透明性向上(例えば特許文献2参照)、オイルゲルへのチクソトロピー性付与(例えば特許文献3参照)、オイルゲルへの乳化性付与(例えば特許文献4参照)といった命題を解決するための発明がそれぞれ提案されている。しかしながら、これら従来のデキストリン脂肪酸エステルはデキストリンと脂肪酸クロライドをピリジンの存在下反応させる製法によって製造されるものである(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照、)。
特開昭52−25039号公報(第1頁,第4頁左下欄) 特開平4−49249号公報(第1頁,第2頁右下欄、第3頁右上欄) 特開平8−277302号公報(第2頁,第4頁右欄) 特開平8−283303号公報(第2頁,〔0022〕)
上記従来のピリジンの存在下で得られたデキストリン脂肪酸エステルにおいては、ゲル化力を有するものでは、しばしばオイルに対し100℃近くまで加熱攪拌しても僅かではあるが、細かい未溶解物が残り、これがしばしば化粧品としての感触に悪い影響を与え、異物として問題の対象となり、そのために莫大な損害を与えることにもなる。これを避けるために、反応系にクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の非極性溶媒の添加をすることはデキストリン脂肪酸エステルのオイルへの溶解性を向上させる効果はあるが、肝心なオイルゲル化能力を損なってしまうという機能的に致命的な問題があった。
また、従来の方法であるピリジン存在下で合成したデキストリン脂肪酸エステルは精製時にアルコールや水で洗浄を繰り返してから十分に乾燥してもアミン臭が残り、特に高配合で使用される化粧品においては好ましいものではなかった。
本発明ではオイル溶解性に優れたデキストリン脂肪酸エステルからなるオイルゲル化剤、そのデキストリン脂肪酸エステルの製造方法並びにそれを含有するオイルゲル及び化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、デキストリンと脂肪酸誘導体とを従来から使用されているピリジンの代わりに下記一般式で示されるピリジン誘導体を用いたとき合成されるデキストリン脂肪酸エステルから成るオイルゲル化剤が、驚くべきことには、オイル溶解性が良く異物の基になる未溶解物が残ることなく、異臭のしないオイルゲルや化粧料を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は(1)デキストリンと脂肪酸ハライド又は脂肪酸無水物とを式Iで示されるピリジン誘導体の存在下、エステル化して得られた以下の特性1〜特性3を満たすデキストリン脂肪酸エステルからなるオイルゲル化剤、
特性1
デキストリン骨格の平均単糖重合度が10〜150であるデキストリン脂肪酸エステル
特性2
平均アシル基置換度がグルコース単位当たり1.0以上であるデキストリン脂肪酸エステル
特性3
アシル基が、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基、炭素数4〜26の分岐アシル基、炭素数6〜30の不飽和アシル基及び/又は炭素数2〜11の直鎖飽和アシル基からなり、かつ、アシル基のモル比組成において、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基が少なくとも50%以上を構成するデキストリン脂肪酸エステル
Figure 0004079371
(式中R1はCH、C、COOH、COOCH 、CONH 又はN(CHを示し、R2はH又はCHを示す。)、
(2)ピリジン誘導体がピコリンである(1)記載のオイルゲル化剤、
(3)ピコリンが3−メチルピリジンである1、2記載のオイルゲル化剤、
(4)デキストリンと脂肪酸クロライド又は脂肪酸無水物とを式Iで示されるピリジン誘導体の存在下、エステル化することを特徴とする以下の特性1〜特性3を満たすデキストリン脂肪酸エステルの製造方法、
Figure 0004079371
(式中R1はCH、C、COOH、COOCH 、CONH 又はN(CHを示し、R2はH又はCHを示す。)
特性1
デキストリン骨格の平均単糖重合度が10〜150であるデキストリン脂肪酸エステル
特性2
平均アシル基置換度がグルコース単位当たり1.0以上であるデキストリン脂肪酸エステル
特性3
アシル基が、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基、炭素数4〜26の分岐アシル基、炭素数6〜30の不飽和アシル基及び/又は炭素数2〜11の直鎖飽和アシル基からなり、かつ、アシル基のモル比組成において、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基が少なくとも50%以上を構成するデキストリン脂肪酸エステル、
(5)1、2、3記載のオイルゲル化剤を含有するオイルゲル、及び
(6)1、2、3記載のオイルゲル化剤を含有する化粧料、に関するものである。
本発明のデキストリンと脂肪酸ハライドとを従来から使用されているピリジンの代わりに特定のピリジン誘導体を用いたとき合成されるデキストリン脂肪酸エステルから成るオイルゲル化剤は、十分なゲル化力を有し、オイル溶解性が良く異物の基になる未溶解物や異臭の無い優れた性質のオイルゲルや化粧料を提供できる。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いられるデキストリンは、平均糖重合度10〜150、特に20〜100のデキストリンが好ましい。平均糖重合度9以下では、ワックス様となって滑らかなゲルが得られ難くなる。また、平均糖重合度が150を越えると、油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。
本発明に用いられる脂肪酸ハロゲン化物や脂肪酸無水物を構成する脂肪酸は、直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和脂肪酸から選択される。
本発明に用いられる脂肪酸ハロゲン化物や脂肪酸無水物の構成脂肪酸として必須であるのは、炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。
炭素数12未満の直鎖脂肪酸だけではゲルを形成することが困難であり、又、炭素数22を超えるもの、即ち、炭素数23以上ではゲルが白濁し滑らかさが得られにくく、遊離脂肪酸等の副生成物や触媒、溶媒等の不純物の除去が困難である。
また、本発明に用いられる脂肪酸ハロゲン化物や脂肪酸無水物を構成する分岐脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸であり、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いられる脂肪酸ハロゲン化物や脂肪酸無水物を構成する不飽和脂肪酸は、炭素数6〜30の不飽和脂肪酸であり、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィデセリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、EPA、イワシ酸、DHA、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いられる脂肪酸ハロゲン化物や脂肪酸無水物を構成する直鎖短鎖飽和脂肪酸は炭素数2〜11の脂肪酸であり、例えば、ウンデカン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。
本発明の飽和又は不飽和脂肪酸のハロゲン化物、例えば脂肪酸クロライド、脂肪酸フルオライド、脂肪酸ヨーダイドがあるが、特に脂肪酸クロライドが好ましく用いられ、その具体例としてはパルミチン酸クロライド、ステアリン酸クロライド、ミリスチン酸クロライド、ラウリン酸クロライド、アラキン酸クロライド、ベヘン酸クロライド、ペンタデカン酸クロライド、ヘプタデカン酸クロライド、2−エチルヘキサン酸クロライド、イソステアリン酸クロライド、イソ酪酸クロライド、イソ吉草酸クロライド、2−エチル酪酸クロライド、イソヘプタン酸クロライド、イソノナン酸クロライド、イソデカン酸クロライド、イソトリデカン酸クロライド、イソミリスチン酸クロライド、イソパルミチン酸クロライド、イソアラキン酸クロライド、イソヘキサコサン酸クロライド、オレイン酸クロライド、ウンデカン酸クロライド、カプリン酸クロライド、カプリル酸クロライド、カプロン酸クロライド、吉草酸クロライド、酪酸クロライド、プロピオン酸クロライド、酢酸クロライド等が挙げられる。
また、本発明の飽和又は不飽和脂肪酸の無水物、例えば無水パルミチン酸、無水ステアリン酸、無水ミリスチン酸、無水ラウリン酸、無水アラキン酸、無水ベヘン酸、無水ペンタデカン酸、無水ヘプタデカン酸、無水2−エチルヘキサン酸、無水イソステアリン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水2−エチル酪酸、無水イソヘプタン酸、無水イソノナン酸、無水イソデカン酸、無水イソトリデカン酸、無水イソミリスチン酸、無水イソパルミチン酸、無水イソアラキン酸、無水イソヘキサコサン酸、無水オレイン酸、無水ウンデカン酸、無水カプリン酸、無水カプリル酸、無水カプロン酸、無水吉草酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水酢酸、無水ミリスチン酸パルミチン酸、無水酢酸パルミチン酸、無水酢酸酪酸等が挙げられる。
そして、本発明のデキストリン脂肪酸エステルは平均アシル基置換度でグルコース当たり1.0以上である。また、アシル基のモル比組成として、炭素数12以上22以下の直鎖アシル基は50%以上で、分岐、不飽和、炭素数11以下の短鎖アシル基は50%未満である。オイルゲル化剤として機能するには、これらのアシル基の条件を満たすことが必要である。具体例として挙げると、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリンミリスチン酸エステル、デキストリンラウリン酸エステル、デキストリンアラキン酸エステル、デキストリンベヘン酸エステル、デキストリンペンタデカン酸エステル、デキストリンヘプタデカン酸エステル、デキストリン(パルミチン酸/ステアリン酸)エステル、(デキストリンベヘン酸/ミリスチン酸/ペンタデカン酸)エステル、デキストリン(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)エステル、デキストリン(パルミチン酸/イソステアリン酸)エステル、デキストリン(ラウリン酸/オレイン酸)エステル、デキストリン(ベヘン酸/酢酸)エステル、デキストリン(パルミチン酸/イソステアリン酸/2−エチルヘキサン酸/オレイン酸/吉草酸/酢酸)エステル等である。
本発明の式Iに示される、ピリジン誘導体としては2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン等のピコリン類、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン等のエチルピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、3−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のジメチルアミノピリジン類、2,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のルチジン類、α―ピコリン酸、β―ピコリン酸(ニコチン酸)、γ−ピコリン酸等のピコリン酸類、α―ピコリン酸アミド、β―ピコリン酸アミド(ニコチン酸アミド)、γ−ピコリン酸アミド等のピコリン酸アミド類、α―ピコリン酸メチル、β―ピコリン酸メチル(ニコチン酸メチル)、γ−ピコリン酸メチル等のピコリン酸エステル等が使用できる。中でもピコリンが好ましく、そのうちの3−メチルピリジンが最も好ましく用いられる。
反応方法は式Iで示されるピリジン誘導体にデキストリンを分散させ、必要に応じて、着色防止目的で適量の水またはアルコ−ルを加えてから、脂肪酸ハライドまたは脂肪酸無水物を加えながら0℃から150℃で1時間から24時間かけて反応させる。このとき必要に応じ、N,N−ジメチルホルムアミドやN−メチル−2−ピロリドンのような水、メタノール、エタノール等の極性溶媒に可溶な反応溶媒で希釈することもできる。
反応終了後、メタノール、エタノール等の低級アルコールや水に分散し、デキストリン脂肪酸エステルを不溶画分として可溶画分に移行するピリジン誘導体と反応溶媒とを分離することにより精製することができる。さらに、減圧乾燥、流動乾燥等の既知の乾燥法による乾燥等により、水や洗浄溶媒である低級アルコールを除去し、必要に応じ粉砕してデキストリン脂肪酸エステルが得られる。
上記反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド等のアセトアミド系、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル等のエステル系、テトラヒドロフラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル2−ピロリドン、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸エチレン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン及び2−メチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の本発明式Iに示されるピリジンを含まないピリジン誘導体等を適宜使用することができる。
デキストリン脂肪酸エステルの製造において、一般的な反応の一例をピコリン及び脂肪酸クロライドを用いて示すと以下の通りである。下記式のAは互いに独立してRCO又はHである。
Figure 0004079371
デキストリンはデンプンの加水分解物であり、グルコース結合種は上記の構造式で示したα―1,4結合種が主なものであるが、「α−1,6結合」が(特に餅デンプン由来のデキストリンに多い)必ず存在し、また加水分解の方法によっては重合反応も起こり、「α―1,2」結合、「β―1,2」結合、「α−1,3」結合、「β−1,3」結合、「β−1,4」結合、「β―1,6」結合等の結合も存在する、「黄色デキストリン」、「白色デキストリン」および「ブリティシュガム」と呼ばれるデキストリンも含まれる。グルコシッド結合の加水分解反応以外にも、構成グルコース単位の1部に意図的または無意図的に酸化、還元、エステル化を受けたデキストリンや天然物として得られるデンプン自体に最初から酸化、還元、エステル化を受けているデンプン由来のデキストリンも含まれる。したがって上記式は反応を模式的に示すものであり、本発明におけるデキストリン及びデキストリン脂肪酸エステルはこのものに限定されるものではない。
反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃以上から150℃の温度が好ましく、さらに、好ましくは50〜120℃である。
尚、本発明の「式Iで示されるピリジン誘導体存在下」とは式Iで示されるピリジン誘導体がアシル化のための反応触媒および反応溶媒として機能することを意味し、触媒機能としては〔化5〕に示されるように、脂肪酸ハライドまたは脂肪酸無水物を無駄なく、デキストリンのアシル化剤と働かせるためには、脂肪酸ハライドと脂肪酸無水物の総モル数と等モル数以上の式Iに示されるピリジン誘導体を使用することが好ましいと推測される。
次に本発明の新規デキストリン脂肪酸エステルを加えるオイルゲルについて詳述する。
本発明の新規デキストリン脂肪酸エステルをゲル化可能なオイルに配合する場合、その配合量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜90重量%(以下、単に%で示す)、さらに好ましくは0.5〜50%である。
ゲル化可能なオイルとしては、例えば、流動パラフィン、イソパラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素系オイル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプロン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル等のグリセライド、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル等のジグリセリン脂肪酸エステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のネオペンチールグリコール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ダイマ−ジリノ−ル酸(ジイソステアリル・フィトステアリル)、ジ水添ロジンダイマ−ジリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマ−ジリノレイル、イソステアリン酸ダイマ−ジリノレイル、ダイマ−ジリノール酸ダイマ−ジリノレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル等のエステル油、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール、オリーブ油、椿油、大豆油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、小麦胚芽油、ヨクイニン油、米油、ホホバ油、ヒマシ油、亜麻仁油、コーン油、菜種油、椰子油、パーム油、スクワレン、液状ラノリン、ミンクオイル、卵黄油、羊毛油等の動植物油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、蜜ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、硬化ヒマシ油、ロジン等のワックス類、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、変性シリコーン等のシリコーン油、有機溶剤としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系化合物、ジオキサン、テトラハイドロフラン等のエーテル系化合物、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、カービトール類、セロソルブ類、ポリブテン、スピンドル油等を用いることができる。
本発明において、その他の添加剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、薬剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、粉末類の酸化チタン、マイカ、カオリン、タルク、酸化鉄、群青、チタン酸コバルト等又はそれらの疎水化処理粉末、さらには有機顔料、染料、香料、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール、水等、目的物の性能を損なわない程度に配合できる。
ピリジンを用いて製造される従来のデキストリン脂肪酸エステルに対し、本発明のピリジン誘導体を用いて製造されるデキストリン脂肪酸エステルは上記のオイルに対する溶解性が向上し、100℃以内の加熱で完全に溶解し、冷却したゲルは均一で未溶解物が残らない。ピリジンを用いたものではデキストリン脂肪酸エステルのアシル基置換が均一でなく、偏ったものの集合体となっているのに対し、本発明のピリジン誘導体を用いたものではアシル基置換が均一なデキストリン脂肪酸エステルが得られていると推測される。本発明に至るまでの種々の実験によって得られた知見より、反応系にクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の非極性溶媒の添加をすることによって得られるデキストリン脂肪酸エステルはオイルへの溶解性は向上するが、オイルゲル化能力が無くなる。この理由として、反応がより均一に行なわれ、得られるデキストリン脂肪酸エステルのアシル基置換が均一過ぎるためであると考えられる。また、トリエチルアミン等の脂肪族3級アミンをピリジン代替として用いて得られたデキストリン脂肪酸エステルは反応が不均一過ぎてオイルに対する溶解性もゲル化力もピリジン存在下で反応したものより劣っていた。3級アミンと脂肪酸ハロゲン化物または脂肪酸無水物によるエステル化は多糖類をアシル化するのに有用な方法として紹介されているが、中でも平面的で窒素原子近傍に官能基が無く立体障害の少ないピリジンが最も反応性に富むことが説明されている。オイル溶解性、オイルゲル化力を兼ねたデキストリン脂肪酸エステル合成反応において適度な反応の均一性を求めたとしてもこの絶妙のバランスであるオイルに対する溶解性とゲル化力を両立するデキストリン脂肪酸エステルを得ることは容易ではない。このオイルに対する溶解性とゲル化力を両立するデキストリン脂肪酸エステルについて鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。そして、異臭に関しても、本発明のピリジン誘導体を用いて製造されるデキストリン脂肪酸エステルはピリジンを用いて製造される従来のデキストリン脂肪酸エステルに比べてその異臭が低減されており、特に3−メチルピリジン、ニコチン酸、ニコチン酸メチル、ニコチン酸アミドを使用したものを用いた場合は殆ど異臭がしないものが得られる。このことは本発明の主用途である化粧品において非常に有用である。さらに、ニコチン酸、ニコチン酸アミドについてはビタミンとして人体に必須な成分であり、ピリジンに比べ人体に対する安全性が高いといえるものである。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
デキストリン脂肪酸エステルの製造
合成例1
本発明における反応モル比とは、反応に供するデキストリンの無水グルコース単位(FW=162.14)当たりの反応に供する脂肪酸ハライドまたは脂肪酸無水物のモル数を示す。
デキストリン(平均糖重合度30)16.2gを3−メチルピリジン111gに分散させ、50℃にする。パルミチン酸クロライド82.5g(反応モル比3.0)を30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を90℃として4時間反応させた。反応液をメタノールに沈澱させてからろ過し、固形分をメタノールで洗浄後、乾燥して、白色の粉体約80gを得た。得られた合成例1の生成物の乾燥減量は0.3%、酸価は1.9、平均アシル置換度はグルコース単位当たり2.1、アシル基モル比組成100%パルミトイル基であった。得られた合成例1の生成物の赤外吸収(IR)スペクトルは1740cm−1付近にエステル由来、2800〜3000cm−1付近にアルキル由来、1000〜1200cm−1付近に糖由来のピークを示した。このことからこの生成物がデキストリンパルミチン酸エステルであることが確認された。
比較合成例1
デキストリン(平均糖重合度30)16.2gをピリジン111gに分散させ、50℃にする。パルミチン酸クロライド82.5g(反応モル比3.0)を30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を90℃として4時間反応させた。反応液をメタノールに沈澱させてからろ過し、固形分をメタノールで洗浄後、乾燥して、白色の粉体約76gを得た。得られた比較合成例1の生成物の乾燥減量は0.3%、酸価は1.8、平均アシル置換度はグルコース単位当たり2.1、アシル基モル比組成100%パルミトイル基であった。
得られた比較合成例1の生成物の赤外吸収(IR)スペクトルは1740cm−1付近にエステル由来、2800〜3000cm−1付近にアルキル由来、1000〜1200cm−1付近に糖由来のピークを示した。このことからこの生成物がデキストリンパルミチン酸エステルであることが確認された。
溶解性試験及び臭い試験
デキストリン脂肪酸エステル40gを流動パラフィン60gに加え、室温で十分攪拌する。静かに攪拌しながら加温し、80、85、90℃でのデキストリン脂肪酸エステルの溶け残りを目視により確認する。同時に90℃での臭い評価を官能で行い確認した。
目視による溶解性試験評価 5人のパネラーが評価(0〜3点)を行い、その平均点を下記のように記号で表した。
Figure 0004079371
官能による臭い試験評価 5人のパネラーが評価(0〜3点)を行い、その平均点を下記のように記号で表した。
Figure 0004079371
実施例及び比較例
Figure 0004079371
合成例2〜22、比較合成例2〜3
以下の表に示す<反応条件>以外は合成例1と同様に操作して各種デキストリン脂肪酸エステルを得た。得られた生成物の<合成結果>と<物性・官能評価>を表に示す。
Figure 0004079371
Figure 0004079371
Figure 0004079371
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Figure 0004079371
Figure 0004079371
Figure 0004079371
Figure 0004079371
本実施例で使用した分析機器及び分析方法は以下の通りであった。

IR分析
FT−IR:日本分光製FT/IR−470 Plusを用いKBr錠剤法により測定した。

HPLC分析
HPLC機器:
検出器 UV(紫外線吸収検出器)
カラム 資生堂 カプセルパックC18 4.6mmφ×250mm
溶離液 アセトニトリル/水によるグラジエント分析
サンプル作成方法:試料を水酸化カリウムエタノール溶液にて加水分解分解後、乾固し、18−クラウンエーテル触媒下、パラブロモフェナシルブロミドにより脂肪酸をパラブロモフェナシルエステル化UV254nm吸収強度を以ってHPLC測定した。内部標準物質としてペンタデカン酸等を使用した。各脂肪酸パラブロモフェナシルエステルのピーク面積比はパラブロモフェナシル基のモル比、つまり各脂肪酸のモル比を表すと考えた。

ゲル強度測定
本品5.0gを内径45mmの平底容器に精秤し、流動パラフィン(#70)45gを加えて分散させ、ゆるやかにかき混ぜながら90℃まで加熱して溶解する。その後直ちに30℃の恒温槽にて36時間静置しゲルを形成させる。このゲルを温度変化が生じないように手早くレオメーター(不動工業株式会社製、NRM−1002A)にセットし、次の条件でゲル強度を測定する。
測定条件
温度:30℃,
アダプター:φ20mm、厚さ2mmの円盤
架台上昇速度:6cm/min
チャート紙に得られるパターンは図1のようになり、初期のピーク即ち降伏値(a g)をゲル強度とする。尚、ゲル強度は温度の影響を著しく受けやすいため測定温度を厳密に調整する必要がある。

乾燥減量測定
試料として、本品2gを105℃で1時間乾燥させ、乾燥前後の重量差より求める

酸価測定
粧原基 一般試験法 酸価試験法 第2法に準じる。
ただし、試料として、本品3.0gをとり、溶媒は、エタノールとキシレンの等容量混液を用いる。

平均アシル基置換度
デキストリン脂肪酸エステルを約1.0g精秤し、6N水酸化ナトリウムを4ml、水を5ml、エタノールを25mlを加え、約80℃で2時間加熱還流し、完全にエステルを加水分解させる。6N塩酸で中和し、pH試験紙で酸性を確認する。ジエチルエーテルで中和された脂肪酸をジエチルエーテルで抽出し、分液ロートに移し、水50mlで5〜6回洗浄し、最終的に洗浄した水がpH試験紙で中性になるまで繰り返す。エーテル相を留去した後、0.1N水酸化カリウムエタノール溶液でフェノールフタレイン指示薬による中和滴定した。ただし、測定に供するデキストリン脂肪酸エステルの乾燥減量と酸価はそれぞれ、1%以下、2.5以下であるものを用いる。
デキストリン脂肪酸エステルA(g)中の脂肪酸の総モル数C=0.1×f×TV/1000
平均アシル基置換度(無水グルコース単位当たりの置換度で理論上0から3まで取り得る)=162.14×C/(A−C(M−18.01))
ただし、上記2式中の文字の意味を以下に定める。
デキストリン脂肪酸エステルの秤取量=A(g)
0.1N水酸化カリウムエタノール溶液のファクター=f
0.1N水酸化カリウムエタノール溶液の滴定量=TV(ml)
アシル化されている脂肪酸の分子量=M
デキストリン混合脂肪酸エステルの場合は、HPLCにより求めた各脂肪酸のモル比から平均脂肪酸分子量を算出して用いる。
配合例1
合成例1で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いて乳液(O/W)を作成した。
1.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.E.O.)1.0部
2.テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60.E.O.)0.5部
3.モノステアリン酸グリセリル 1.0部
4.ステアリン酸 0.5部
5.ベヘニルアルコール 0.5部
6.流動パラフィン 4.0部
7.トリオクタン酸グリセリル 4.0部
8.2−エチルヘキサン酸セチル 2.0部
9.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例1)3.0部
10.1,3−ブチレングリコール 5.0部
11.カルボキシビニルポリマー 0.05部
12.水酸化ナトリウム 0.025部
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
15.精製水 残量
(製法)(A)成分10〜13、15の一部を70℃にて均一に加熱溶解する。(B)成分1〜9を70℃にて均一に加熱溶解する。(C)AにBを添加して乳化した。(D)Cに成分11及び15の残部を加えて冷却し、成分14を加えて乳液を得た。
上記乳液は硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、なじみが良く、しっとり感に優れたものであった。
配合例2
合成例3で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いてW/Oクリームを作成した。
1.セスキオレイン酸ソルビタン 3.0部
2.モノステアリン酸グリセリル 4.0部
3.モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.) 2.0部
4.セチルアルコール 2.0部
5.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例3) 15.0部
6.スクワラン 3.0部
7.1,3−ブチレングリコール 10.0部
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 残量
(製法)(A)成分1〜6を70℃にて均一に加熱溶解する。(B)成分7,8,10を70℃にて均一に加熱溶解する。(C)AにBを添加して乳化し、冷却した後、成分9を添加してクリームを得る。上記クリームは硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、延展性及びなじみに優れ、経時安定性の良いものであった。
配合例3
合成例12で得たデキストリン(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)エステルおよび合成例1で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いてファンデーションを作成した。
1.デキストリン(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)エステル(合成例12) 13.0部
2.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例1) 2.0部
3.セレシン 8.0部
4.流動パラフィン 残量
5.メチルフェニルポリシロキサン 9.0部
6.香料 適量
7.色材 適量
(製法)(A)成分1〜5を均一に加熱溶解する。(B)Aに成分7を加えて均一分散し、さらに成分6を添加してファンデーションを得る。上記ファンデーションは硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、延展性及びもちに優れ、経時安定性の良いものであった。
配合例4
合成例1で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いて口紅を作成した。
1.マイクロクリスタリンワックス 5.0部
2.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 5.0部
3.ポリブテン 10.0部
4.ラノリン酸オクチルドデシル 30.0部
5.2−エチルヘキサン酸セチル 10.0部
6.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例1) 20.0部
7.ジグリセリントリイソステアレート 12.0部
8.色材 適量
9.香料 適量
(製法)(A)成分1〜9を加熱溶解し、ローラーにて混練し、容器に流し込んで冷却し、口紅を得る。
上記口紅は硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、延展性及び付着性に優れ、経時安定性の良いものであった。
配合例5
合成例13で得たデキストリン(パルミチン酸/イソステアリン酸)エステルを用いてアイライナーを作成した。
1.マイクロクリスタリンワックス 6.0部
2.カルナウバワックス 4.0部
3.デキストリン(パルミチン酸/イソステアリン酸)エステル(合成例13)20.0部
4.シリコーン系グラフト重合体(固型分) 4.0部
5.有機性ベントナイト 1.5部
6.無水ケイ酸 1.5部
7.プロピレンカーボネート 0.5部
8.低沸点イソパラフィン系炭化水素油 残量
9.色材 適量
(製法)成分1〜9を加熱溶解し、ローラー処理をしてアイライナーを得る。
上記アイライナーは硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、皮膜形成性及び延展性に優れ、経時安定性の良いものであった。
配合例6
合成例10で得たデキストリンミリスチン酸エステルを用いてマスカラを作成した。
1.ステアリン酸 2.0部
2.ミツロウ 3.0部
3.セタノール 1.0部
4.デキストリンミリスチン酸エステル(合成例10) 10.0部
5.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0部
6.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5部
7.色材 適量
8.トリエタノールアミン 1.0部
9.防腐剤 適量
10.ポリアクリル酸エステルエマルジョン 40.0部
11.精製水 残量
(製法)(A)成分1〜6を70℃にて加熱溶解し、成分7を加えて均一に混合する。(B)成分8〜11を70℃にて均一に加熱溶解する。(C)AにBを添加して乳化後、冷却して容器に充填してマスカラを得る。
上記マスカラは硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない、皮膜形成性に優れ、もちのよいものであった。
配合例7
合成例1で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用い透明リップグロスを作成した。
1.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例1) 15部
2.流動パラフィン 15部
3.水添ポリブテン 20部
4.ダイマ−ジリノ−ル酸ダイマ−ジリノ−ル 10部
5.ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステアリル) 10部
6.ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル) 10部
7.イソステアリン酸ダイマ−ジリノ−ル 10部
8.ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)10部
9. 色材 適量
10.ジメチコン 0.1部
(製法)成分1を成分2に室温で分散させ、90℃まで攪拌溶解させ、成分2から成分9までを加え、攪拌しながら90℃まで加熱する。成分9を加え消泡し、80℃で皿型容器に充填した。これを24時間室温で静置して固形透明リップグロスを得る。硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられないリップグロスであった。
配合例8
合成例13で得たデキストリンパルミチン酸/イソステアリン酸エステル及び合成例5で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いファンデーションを作成した。
1.デキストリンパルミチン酸/イソステアリン酸エステル(合成例13) 20部
2.イソパラフィン 50部
3.イソノナン酸イソトリデシル 10部
4.マイカ 4部
5.10%デキストリンパルミチン酸エステル(合成例5)表面処理酸化チタン 5部
6.8%デキストリンパルミチン酸エステル(合成例5)表面処理酸化鉄 5部
7.6%デキストリンパルミチン酸エステル(合成例5)表面処理セリサイト 5部
8.ポリエチレングリコール 1部

(製法)成分1を成分2および成分2に室温で分散させ、60℃まで攪拌溶解させ、成分3から成分8までを加え、攪拌しながら75℃まで攪拌加熱する。ガラス容器に充填し、冷却し、ゲル状ファンデーションを得る。硬い未溶解物が残らない、滑らかでアミン異臭の感じられない清涼感があるファンデーションであった。
配合例9
合成例1で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いて印刷用インキ(枚葉平板インキ)を作成した。
1.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例1) 2.0部
2.カーボンブラック(MA−8:三菱化成) 20.0部
3.アルカリブルートナーペースト(C.I.42750:1) 4.0部
4.フタロシアンブルー(JIS K 5241) 2.0部
5.フェノール樹脂ワニス(ヒタノール1501:日立化成工業)45.0部
6.アマニ油ワニス(JIS K 5421) 12.0部
7.流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油) 13.0部
8.マンガンドライヤー(JIS K 8997・64:日本化学産業)
2.0部
(製法)(A)成分1と7を80℃で加熱溶解する。(B)Aに成分2〜6及び8を順次加えて、常温で良く練り合わせて枚葉平板インキを作成した。
上記枚葉平板インキは分散安定性に優れ、印刷に際し適度な粘度を与え、チキソトロピー性を示し、均一な薄膜となって板に移すことができる印刷特性の優れたインキであった。
配合例10
合成例2で得たデキストリンパルミチン酸エステルを用いて、金属用油性白色塗料を作成した。
1.デキストリンパルミチン酸エステル(合成例2) 1.5部
2.チタン白(MT500B:ティカ) 60.0部
3.脱水ヒマシ油変性アルキッド樹脂ワニス 33.0部
4.流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油) 5.0部
5.マンガンドライヤー(JIS K 8997・64:日本化学産業) 0.5部
(製法)(A)成分1と4を80℃にて加熱溶解し、成分3,2,5を順次加えた後、常温でよく練り合わせて金属用油性白色塗料を作成した。
上記金属用油性白色塗料は分散安定性に優れ、また使用時には少量のテレピン油や溶剤を添加して撹拌することにより、大きく粘度が低下し、塗装作業に適した粘度となる。ハケ塗りの場合、塗り延ばしやすく、厚塗りができ、ハケ目が残りにくく、また、タレにくい等の塗料として優れた粘性の塗料であった。
本発明のピリジン誘導体の存在下で得られた実施例のデキストリン脂肪酸エステルは、ピリジンの存在下で得られた比較例のデキストリン脂肪酸エステルに比しオイル溶解性に優れ、そのオイルゲル中未溶解物が少ない。更に異臭も少ない。
本発明のデキストリン脂肪酸エステルのゲル強度の測定値を得るためのパターンを示す図である。

Claims (6)

  1. デキストリンと脂肪酸ハライド又は脂肪酸無水物とを式Iで示されるピリジン誘導体の存在下、エステル化して得られた以下の特性1〜特性3を満たすデキストリン脂肪酸エステルからなるオイルゲル化剤。
    特性1
    デキストリン骨格の平均単糖重合度が10〜150であるデキストリン脂肪酸エステル
    特性2
    平均アシル基置換度がグルコース単位当たり1.0以上であるデキストリン脂肪酸エステル
    特性3
    アシル基が、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基、炭素数4〜26の分岐アシル基、炭素数6〜30の不飽和アシル基及び/又は炭素数2〜11の直鎖飽和アシル基からなり、かつ、アシル基のモル比組成において、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基が少なくとも50%以上を構成するデキストリン脂肪酸エステル
    Figure 0004079371
    (式中R1はCH、C、COOH、COOCH 、CONH 又はN(CHを示し、R2はH又はCHを示す。)
  2. ピリジン誘導体がピコリンである請求項1記載のオイルゲル化剤。
  3. ピコリンが3−メチルピリジンである請求項2記載のオイルゲル化剤。
  4. デキストリンと脂肪酸ハライド又は脂肪酸無水物とを式Iで示されるピリジン誘導体の存在下、エステル化することを特徴とする以下の特性1〜特性3を満たすデキストリン脂肪酸エステルの製造方法。
    Figure 0004079371
    (式中R1はCH、C、COOH、COOCH 、CONH 又はN(CHを示し、R2はH又はCHを示す。)
    特性1
    デキストリン骨格の平均単糖重合度が10〜150であるデキストリン脂肪酸エステル
    特性2
    平均アシル基置換度がグルコース単位当たり1.0以上であるデキストリン脂肪酸エステル
    特性3
    アシル基が、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基、炭素数4〜26の分岐アシル基、炭素数6〜30の不飽和アシル基及び/又は炭素数2〜11の直鎖飽和アシル基からなり、かつ、アシル基のモル比組成において、炭素数12〜22の直鎖飽和アシル基が少なくとも50%以上を構成するデキストリン脂肪酸エステル。
  5. 請求項1、2、3記載のオイルゲル化剤を含有するオイルゲル。
  6. 請求項1、2、3記載のオイルゲル化剤を含有する化粧料。
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