JP4076617B2 - 小型船舶の吸気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、略水密構造をなす船体内に4サイクルエンジンを搭載した小型船舶の吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、船底から吸い上げた水をインペラで加圧して船尾後方に噴射することにより水上を滑走するようにしたウォータビークルが注目されている。この種のウォータビークルでは、その用途上転覆する場合があり、転覆時に海水や水が侵入しないように船体を略水密構造とし、該船体内にエンジンを配設するようにしている。
【0003】
また上記ウォータビークルでは、燃費の向上,排気ガスの浄化等を図る観点から、4サイクルエンジンを搭載することが考えられている。この4サイクルエンジンを搭載するにあたっては、圧縮行程,燃焼行程で発生するブローバイガスを吸気系に戻して再燃焼させ、大気への放出を防止する必要がある。自動車等では、カム室を構成するヘッドカバーと吸気通路とをブリーザパイプにより連通し、該吸気通路の負圧を利用してカム室内のブローバイガスを還元するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウォータビークルにおいては、上記ブリーザパイプの配索位置の如何によっては、船体が転覆したり,大きく傾いたりした場合、カム室内の潤滑油が吸気系に流入し、場合によっては潤滑油が不足したり,白煙の原因になったりするという懸念があり、この点での対策が要請されている。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、ブリーザパイプによりカム室と吸気通路とを連通する場合に該吸気通路内に潤滑油が流入するのを防止できる小型船舶の吸気装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、略水密に形成された船体内に4サイクルエンジンを搭載し、該エンジンに接続された吸気通路と、該エンジンのカム室を構成するヘッドカバーとをブリーザパイプにより連通した小型船舶の吸気装置であって、
上記吸気通路の吸気口を、船体1が正常状態時の喫水線,上下転覆状態時の喫水線 ,左右横倒し状態時の喫水線で囲まれた空間内に配置し、上記ブリーザパイプの途中にオイル溜まり部を介設し、上記ブリーザパイプを、ヘッドカバーとオイル溜まり部とを連通する上流側ブリーザパイプと、オイル溜まり部と吸気通路とを連通する下流側ブリーザパイプとで構成し、上流側ブリーザパイプの、ヘッドカバー側接続部を、下流側ブリーザパイプの吸気通路側接続部より高所に位置させ、オイル溜まり部側接続部を、オイル溜まり部の底部近傍に開口させ、下流側ブリーザパイプの、オイル溜まり部側接続部を、該下流側ブリーザパイプの吸気通路側接続部及び上流側ブリーザパイプのオイル溜まり側接続部より高所に開口させたことを特徴としている。
【0008】
【発明の作用効果】
本発明に係る吸気装置によれば、ブリーザパイプのヘッドカバー接続部を吸気通路接続部より高所に位置させたので、例えば船体が転覆した場合には吸気通路側の接続部がヘッドカバー側の接続部より高い位置となることから、カム室から流出した潤滑油が吸気通路側の接続部に達することはなく、吸気通路への流入を防止でき、潤滑油不足や白煙の問題を回避できる効果がある。
【0009】
また、ブリーザパイプの途中にオイル溜まり部を介設し、上流側ブリーザパイプをオイル溜まり部の底部近傍に開口させ、下流側ブリーザパイプをこれの吸気通路側接続部及び上流側ブリーザパイプのオイル溜まり側接続部より高所に接続したので、例えば転覆時にカム室から流出した潤滑油がオイル溜まり部に流入しても、直ちに下流側ブリーザパイプの開口に潤滑油が達することはなく、吸気通路への流入を阻止できる。
【0010】
また船体が復元されると、オイル溜まり部に流入した潤滑油は上流側ブリーザパイプを通ってカム室内に戻されることとなり、転覆時の潤滑油の吸気通路への流入を防止できるとともに、復元された時には潤滑油の不足を生じることはなく直ちに再運転できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は、発明の一実施形態によるウォータビークルの吸気装置を説明するための図であり、図1は本実施形態の吸気装置が配設された4サイクルエンジンの正面図、図2〜図4はそれぞれ吸気装置を備えたウォータビークルの断面正面図,側面図,平面図、図5は吸気装置の吸気チャンバの断面図、図6は吸気装置のオイル溜まり部を示す図である。
【0012】
図において、1はウォータビークルであり、これの船体2はバスタブ状のハル3とデッキ4との周縁同士を略水密に結合した概略構造のものである。このデッキ4の上面中央部には船体前後方向に延びる騎乗型シート5が取り外し可能に配設されており、該シート5の前側には操舵ハンドル6が左, 右操向自在に配設されている。
【0013】
上記デッキ4の左, 右側縁には船体前後方向に延びる壁状のブルーワーク4a,4aが形成されており、該ブルーワーク4aの内側にはフートステップ4b,4bが平坦面をなすように凹設されている。このフートステップ4bはシート5の全長に亘って設けられ、かつ船体後方に向かって開放されており、該後端部が乗船用ステップ4cとなっている。なお、2aは浮体であり、これは船内に水が浸水しても艇が沈没しないようにするためのものであり、また転覆時に艇を速やかに復元させるためのものである。
【0014】
上記デッキ4のシート5の下方には点検整備用開口4dが形成されており、該開口4dはシート5の底板5aにより水密に覆われている。上記点検整備用開口4d内の船底2a上にマウント部材24を介してエンジン10が搭載されており、該エンジン10の前方には燃料タンク11が配置されている。
【0015】
上記船体2内のエンジン10の後方にはジェット推進ユニット12が配設されている。このジェット推進ユニット12は、船底2aの後端部に開口する吸込口13aと船尾2bに開口する噴射口13bとを有する推進ダクト13内にインペラ14を備えたインペラ軸15を挿入配置して構成されている。本ウォータビークル1は、上記インペラ14の回転により吸込口13aから水を吸い上げ、これを加圧して噴射口13bから噴射することにより推進力を発生し、水上を滑走する。
【0016】
上記推進ダクト13の噴射口13bにはノズルデフレクタ16が上下,左右に揺動可能に接続されている。このノズルデフレクタ16は不図示の旋回機構,トリム機構を介して上記操舵ハンドル6に連結されており、該ハンドル6の操作により船体2の旋回角やトリム角を変えられるようになっている。
【0017】
また上記船体2内の燃料タンク11の前方,及びエンジン10の後方には船体2内に空気を導入するパイプ状の吸入ダクト17,18が挿入配置されている。この各吸入ダクト17,18の空気取入れ口17a,18aはデッキ4に開口しており、吐出し口17b,18bは船底2aに近接して開口している。
【0018】
上記エンジン10は、水冷式4サイクル直列4気筒エンジンであり、クランク軸20を船体前後方向に略水平に向けるとともに、気筒軸Bを船体2の一側に傾斜させて配置されている。上記クランク軸20はインペラ軸15と同軸をなすように配置されており、該クランク軸20とインペラ軸15とはカップリング21により連結されている。
【0019】
上記エンジン10は、クランクケース10aの上部に一体形成されたシリンダブロック10b上にシリンダヘッド10cを積層して締結し、該シリンダヘッド10c上にヘッドカバー10dを装着した構造のものであり、上記クランクケース10aの底部にはオイルパン22が接続されている。
【0020】
上記オイルパン22の左, 右側部にはそれぞれマウントブラケット23,23がボルト締め固定されている。この各マウントブラケット23はオイルパン22の底部に当接する二股状の支持部23aと、該支持部23aの基部から外側に突出する取付け部23bと、該取付け部23bと支持部23aとの間に形成されたリブ部23cとからなるものであり、上記取付け部23bがゴム製のダンパ24aを介在させてマウント部材24にボルト締め固定されている。
【0021】
上記オイルパン22の底面に広い面積に渡って当接するマウントブラケット23を固定したので、該ブラケット23の表面積の分だけオイルパン22の放熱面積を増大でき、それだけ潤滑油の冷却性を向上できる。なお、上記マウントブラケット23を別体としたが、オイルパンに一体形成してもよい。
【0022】
上記シリンダヘッド10cとヘッドカバー10dとで形成されたカム室26内には吸気バルブ27,排気バルブ28を開閉駆動する一対のカム軸29,30がクランク軸20と平行に収納配置されており、該カム軸29,30とクランク軸20とは不図示のタイミングチェーンにより連結されている。
【0023】
また上記クランク軸20の前端部には大径のフライホイール31が結合されており、該フライホイール31は有底円筒形状をなすフライホイールケース32内に収納されている。このフライホイール31の外周にはリングギヤ(不図示)が装着されており、該リングギヤにはスタータモータ33の駆動ギヤが噛合している。
【0024】
上記エンジン10の傾斜下側の側壁には排気装置35が、反対側の側壁には吸気装置36が配設されている。この排気装置35は、エンジン10の各排気ポート35aに独立の排気管35bをそれぞれ別個に接続し、該各排気管35bを下向きに折り曲げ、その下流端に図示しない排気合流管を接続し、該合流管を水の逆流を防止するウォータロックを介在させて船体後端まで延長し、水中に開口させた構成となっている。
【0025】
上記吸気装置36は以下の構造となっている。
上記エンジン10の各吸気ポート36aには独立の吸気管37がそれぞれ別個に接続されている。該各吸気管37は吸気ポート36aから略水平に延びた後下向きに折り曲げ形成されている。上記吸気管37の途中にはスロットルボディ38が介設されており、該スロットルボディ38には弁軸40が回動可能に挿入配置され、該弁軸40には通路形状に設定された弁板39が固定装着されている。上記弁軸40は上記操舵ハンドル6に配設されたスロットルレバー(不図示)の操作により回動し、これにより吸気通路を開閉するようになっている。
【0026】
また上記シリンダヘッド10cの各吸気ポート36aに臨む部分には燃料噴射弁50がそれぞれ別個に挿着されており、該燃料噴射弁50の噴射口は吸気バルブ27の弁頭部に指向している。この各燃料噴射弁50には高圧燃料を供給するデリバリパイプ51が接続されており、該デリバリパイプ51には不図示の燃料供給管,燃料ポンプを介して上記燃料タンク11が接続されている。上記燃料噴射弁50は不図示のコントローラにより運転マップに基づいて燃料噴射量,噴射時期が制御される。
【0027】
上記スロットルボディ38の弁軸40に臨む部分には潤滑油供給ノズル41が挿入されており、該ノズル41には上記エンジン10のオイル通路(不図示)に接続された潤滑油供給管42が接続されている。これによりノズル41から潤滑油が滴り落ち、上記弁軸40に供給されるようになっている。
【0028】
このように弁軸40に潤滑油を供給したので、海上の空気中に含まれた塩分等が上記弁軸40に付着するのを洗い流すことができ、また錆びや腐食の発生を防止できる。ここで、潤滑油の供給量は上記ノズル41の孔径で調整したり,あるいは電磁弁等を用いて制御したりする方法が採用される。
【0029】
上記各吸気管37の下方には船体前後方向に延びる箱状の吸気チャンバ45が配設されており、該吸気チャンバ45の天壁45aには上記各吸気管37の下端部が貫通接続されている。上記吸気チャンバ45の前壁45bにはパイプ状の吸気ダクト46が貫通接続されており、該吸気ダクト46の吸気口46aは船体中心部Cに位置し、かつフライホイールケース32の上方に配置されている。上記船体中心Cとは、船体1が正常状態の喫水線D1,上下転覆時の喫水線D,左右横倒し状態での喫水線D3,D4で囲まれた空間内を意味する。
【0030】
図5に示すように、上記吸気チャンバ45の底壁45cの上記吸気ダクト46の内端部46bに臨む部分には水抜き孔45dが形成されている。この吸気ダクト46の内径A2は上記各吸気管37の内径A1の2倍以上、つまり断面積では4倍以上、に設定されており、これにより1本の吸気ダクト46により4本の吸気管37に必要な空気量を確保でき、急加速運転に対応できる。
【0031】
また上記吸気チャンバ45の天壁45aに各吸気管37を貫通接続し、底壁45cの吸気ダクト46の内端部46b近傍に水抜き孔45dを形成したので、仮に吸気ダクト46から水が流入した場合は該水抜き孔45dから排出され、エンジン内に水が吸い込まれることはない。また各吸気管37は天壁45aから垂直上方に延びており、この点からも水がエンジンに吸い込まれることはない。
【0032】
さらに上記吸気ダクト46の吸気口46aをフライホイールケース32の上方に配置したので、例えば船底2aに溜まった水が転覆等により船体2の内壁に沿って移動する場合に上記フライホイールケース32が遮蔽物として機能することとなり、吸気口46aへの水の進入を防止できる。また上記吸気口46aを船体中心部Cに位置させたので、図2に示すように、船体2が転覆したり,横転したりした場合の各喫水線D1〜D4の内側に吸気口46aが位置することとなり、吸気口46aからの水の進入をより確実に防止できる。即ち、船内に水が進入してもその水位が喫水線よりも上方に位置することはほとんどないことから、水の進入を防止できる。
【0033】
上記吸気装置36はブローバイガス還元機構55を備えている。このブローバイガス還元装置55は、カム室26を形成するヘッドカバー10dの内部と吸気通路を形成する吸気チャンバ45の内部とをブリーザパイプ56により連通した構成となっており、上記吸気チャンバ45内の負圧によりカム室26内のブローバイガスをエンジン10に還元するようになっている。
【0034】
上記ブリーザパイプ56の途中にはオイル溜まり部57が介設されている。このオイル溜まり部57は60cc程度の容量を有する箱状のもので、エンジン10,又は船体2の内壁に取付け固定されている。
【0035】
上記ブリーザパイプ56は、ヘッドカバー10dとオイル溜まり部57とを連通する上流側ブリーザパイプ58と、オイル溜まり部57と吸気チャンバ45とを連通する下流側ブリーザパイプ59とに分割されている。上記上流側ブリーザパイプ58の下流端部58aはオイル溜まり部57の底部57a近傍に開口しており、上記下流側ブリーザパイプ59の上流端部59aはオイル溜まり部57の高さ方向中心部に開口し、かつ内方に突出している。即ち、下流側ブリーザパイプ59の上流端59aは、該パイプ59の吸気チャンバ45側接続口59b及び上流側ブリーザパイプ58のオイル溜まり部側接続口58aより高所に位置している。
【0036】
また上記上流側ブリーザパイプ58の上流端部58bはヘッドカバー10dに接続されており、下流側ブリーザパイプ59の下流端部59bは吸気チャンバ45に接続されている。そして上流側ブリーザパイプ58のヘッドカバー10dへの接続端aは下流側ブリーザパイプ59の吸気チャンバ45への接続端bより高所に位置している(図1参照)。
【0037】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
ウォータービークル1は、騎乗型シート5とその両側に配置した左右一対のフートステップ4bを有しており、騎乗型シート5に着座した乗員がフートステップ4b上で足を踏ん張って船体を大きく傾けることによって旋回するために、旋回時に船体が転覆することがある。本実施形態の吸気装置36によれば、ブリーザパイプ56の上流側ブリーザパイプ58のヘッドカバー10dへの接続端aを下流側ブリーザパイプ59の吸気チャンバ45への接続端bより高所に位置させたので、船体2が転覆した場合には吸気チャンバ45側の接続端bがヘッドカバー10d側の接続端aより高い位置となることから、カム室26から流出した潤滑油は上記接続端bに達することはなく、吸気チャンバ45内への流入を防止できる。
【0038】
また上記ブリーザパイプ56の途中にオイル溜まり部57を介設し、上流側ブリーザパイプ58の下流端部58aをオイル溜まり部57の底部57a近傍に開口させ、下流側ブリーザパイプ59の上流端部59aをオイル溜まり部57の中心部に開口させたので、ブリーザガス中の油分を分離でき、該分離した油分をエンジン側に戻すことができる。
【0039】
そして上流側ブリーザパイプ58の下流端部58aをオイル溜まり部57の底部57a近傍に開口させ、下流側ブリーザパイプ59の上流端部59aをオイル溜まり部57の中心部に開口させたので、図6(a)に示すように、船体転覆時に仮に潤滑油がカム室26側から逆流した場合でも、該潤滑油はオイル溜まり部57内に溜まることとなり、カム室からの潤滑油が直ちに下流側ブリーザパイプ59内に流れ込むことはない。
【0040】
また船体2が復元されると、図6(b)に示すように、オイル溜まり部57に溜まった潤滑油は上流側ブリーザパイプ58を通ってカム室26に戻ることとなり、転覆により潤滑油が不足してしまうといった問題を回避できる。ちなみに、ウォータビークル1の船体構造は、転覆すると速やかに復元するように設計されており、この点からもオイル溜まり部57に逆流した潤滑油が下流側ブリーザパイプ59の上流端部59aに達することはほとんどない。
【0041】
なお、上記実施形態では、下流側ブリーザパイプ59の下流端部59bを吸気チャンバ45に接続したが、本発明では下流側ブリーザパイプ59を吸気管37,スロットルボディ38等に接続してもよく、この場合にも上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
また上記実施形態では、ウォータビークルを例に説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではなく、略水密に形成された船体内に4サイクルエンジンを搭載した小型船舶であれば何れにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるウォータビークルの吸気装置を説明するためのエンジンの正面図である。
【図2】上記吸気装置を備えたウォータビークルの断面正面図である。
【図3】上記ウォータビークルの側面図である。
【図4】上記ウォータビークルの平面図である。
【図5】上記吸気装置の吸気チャンバの断面図である。
【図6】上記吸気装置のオイル溜まり部を示す図である。
【符号の説明】
1 ウォータビークル(小型船舶)
2 船体
10 4サイクルエンジン
10d ヘッドカバー
26 カム室
36 吸気装置
37 吸気管(吸気通路)
45 吸気チャンバ(吸気通路)
56 ブリーザパイプ
57 オイル溜まり部
58 上流側ブリーザパイプ
59 下流側ブリーザパイプ
a ヘッドカバー側接続部
b 吸気チャンバ側接続部

Claims (1)

  1. 略水密に形成された船体内に4サイクルエンジンを搭載し、該エンジンに接続された吸気通路と、該エンジンのカム室を構成するヘッドカバーとをブリーザパイプにより連通した小型船舶の吸気装置であって、
    上記吸気通路の吸気口を、船体が正常状態時の喫水線,上下転覆状態時の喫水線,左右横倒し状態時の喫水線で囲まれた空間内に配置し、
    上記ブリーザパイプの途中にオイル溜まり部を介設し、
    上記ブリーザパイプを、ヘッドカバーとオイル溜まり部とを連通する上流側ブリーザパイプと、オイル溜まり部と吸気通路とを連通する下流側ブリーザパイプとで構成し、
    上流側ブリーザパイプの、ヘッドカバー側接続部を、下流側ブリーザパイプの吸気通路側接続部より高所に位置させ、オイル溜まり部側接続部を、オイル溜まり部の底部近傍に開口させ、
    下流側ブリーザパイプの、オイル溜まり部側接続部を、該下流側ブリーザパイプの吸気通路側接続部及び上流側ブリーザパイプのオイル溜まり側接続部より高所に開口させた
    ことを特徴とする小型船舶の吸気装置。
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