JP4076210B2 - 粉体搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を収容する粉体収容器からの粉体の排出を促す排出促進手段と、排出される粉体を搬送管に通して搬送先まで搬送する搬送手段とを備える粉体搬送装置及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、粉状の画像形成用剤を用いて画像を形成するものが知られている。例えば、潜像担持体上に形成した静電潜像を現像器によってトナー像に現像する電子写真方式の画像形成装置では、粉状の画像形成用剤として、トナーや二成分現像剤を用いるのが一般的である。この二成分現像剤とは、トナーと磁性キャリアとを含有する画像形成用剤である。また例えば、いわゆる直接記録方式の画像形成装置では、粉状の画像形成用剤としてトナーを用い、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナーを記録紙等に付着させて画像を形成するのが一般的である。これらの画像形成装置においては、画像形成に伴って画像形成用剤を現像器やトナー飛翔装置に適宜補給する必要がある。そこで、粉体収容器からの画像形成用剤の排出を振動などによって促しながら、排出される画像形成用剤を搬送管に通して現像器やトナー飛翔装置まで搬送して補給する剤搬送装置を備える画像形成装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる剤搬送装置を備える画像形成装置においては、粉体収容器内の画像形成用剤の状態によって搬送先への補給量が不安定になり易い。具体的には、吸湿等によって流動性を低下させたり、塊状になったりした画像形成用剤は、粉体収容器から排出され難くなるため、低湿環境下に比べて搬送先への補給量が低下してしまう。このように補給量が不安定になれば、画質の不安定化などといった影響が搬送先に現れてしまう。
【0004】
また、この種の画像形成装置では、画像形成用剤がほぼ無くなった粉体収容器を新たなものと交換することで、装置本体に新たな画像形成用剤を補充することになる。このとき、使用済みの粉体収容器内に多量の画像形成用剤を残してしまうと、剤の無駄な廃棄を招いてランニングコストを上昇させるばかりでなく、環境にも好ましくない。よって、粉体収容器内の剤残量をセンサによって監視し、粉体収容器の交換時期を適切に判断することが望ましい。しかしながら、高価なセンサを使い捨ての粉体収容器内に配設してしまうと、交換コストを増加させてしまう。
【0005】
なお、これまで、粉体として画像形成用剤を搬送する剤搬送装置において生ずる問題について説明したが、粉体を搬送する粉体搬送装置であれば、同様の問題が生じ得る。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次に説明する粉体搬送装置及びこれを備える画像形成装置を提供することである。即ち、粉体搬送量を安定させたり、粉体収容器のコスト増加を抑えつつ適切な交換時期をユーザー把握させたりすることが可能な粉体搬送装置等である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像形成に用いられるトナーをトナー収容器から搬送先まで搬送するトナー搬送装置と、該トナー搬送装置の駆動を制御する搬送制御手段とを備え、該トナー搬送装置によって搬送したトナーを用いて画像を形成し、且つ、該トナー収容器からのトナーの排出を促す排出促進手段と、自らの先端側部分が該トナー収容器内に挿入される搬送管と、該搬送管の後端側部分に接続された状態で、該トナー収容器内のトナーを該先端側部分に設けられた吸引口から該搬送管内に吸引して搬送先まで搬送する吸引ポンプとを、該トナー搬送装置に有する画像形成装置において、上記搬送管として、後端側部分が、上記吸引ポンプに接続されるトナー通路と、空気を受け入れるための空気受入路とに分岐しているもの、を用い、上記排出促進手段として、該空気受入路に接続されたエアーポンプによって該空気受入路と上記先端側部分とを介して上記トナー収容器内に空気を送り込むのに伴って該トナー収容器内のトナーをほぐすことで、トナー収容器内からのトナーの排出を促すものを用い、該搬送管における該トナー通路内のトナーの流量を検知する流量検知手段を設け、上記吸引ポンプの動作時間が予め定められた時間に達する毎に上記エアーポンプを所定の駆動時間だけ駆動し且つ該流量検知手段による該流量の検知結果が所定値を下回った場合には該エアーポンプの該駆動時間を延長する制御を実施するように、上記搬送制御手段を構成したことを特徴とするものである。
この発明において、トナー搬送装置は搬送管内のトナーの流量を示す流量情報を流量検知手段から出力することができる。よって、搬送制御手段に対して、流量検知手段による検知結果に基づいてトナー搬送量を判断させることができる。そして、低下傾向にある場合には、搬送制御手段に対して、排出促進手段の駆動量(駆動時間長さや駆動トルクなど)を増加させてトナー収容器からのトナー排出をより促す制御を実施させることで、搬送先へのトナー搬送量を安定させることができる。
また、搬送制御手段に対して、排出促進手段の駆動量をある程度まで増加させたにもかかわらず、トナー搬送量を経時的に減少させて所定の下限値に到達させたタイミングを判断させることもできる。このようなタイミングが到来する理由は、トナー収容器内のトナー収容量が減りすぎたことによる。即ち、このタイミングはトナー収容器の適切な交換時期である。かかる構成では、使い捨てのトナー収容器に高価なセンサを配設することなく、トナー収容器の適切な交換時期を搬送制御手段に判断させることができる。よって、トナー収容器のコスト増加を抑えつつ適切な交換時期をユーザー把握させることが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、この複写機の要部を示す概略構成図である。図において、この複写機は、原稿読取部1と、原稿自動供給部2と、プリンタ部3と、給紙部4とを備えている。
【0009】
上記原稿自動供給部2は、その上面に載置された図示しない原稿を後述のコンタクトガラス5上に自動で供給する。
上記原稿読取部1は、図示しない原稿の画像を読み取るためのものである。ユーザーの手作業により、原稿読取部1の上部に固設されたコンタクトガラス5上に原稿が置かれた状態で、図示しないスタートスイッチが操作されると、原稿読取部1による原稿読取が直ちに開始される。また、上記原稿自動供給部2上に原稿が置かれた状態でスタートスイッチが操作されると、その原稿がコンタクトガラス5上に自動給紙された後、原稿読取部1による原稿読取が開始される。読取開始により、コンタクトガラス5上に置かれた原稿は図中右方向へ移動する光源6によって光照明される。原稿からの反射光像は、第1ミラー7、第2ミラー8で順次反射する。そして、結像レンズ9を経た後、反射光像を読み取るためのCCD等からなるイメージセンサ10に検知されて画像情報が読み取られる。
【0010】
上記プリンタ部3は、転写紙P上に画像としてのトナー像を形成するためのもので、光書込ユニット11やドラム状感光体12を備えている。また、潜像担持体たるドラム状感光体12の周囲に、帯電装置13、現像手段たる現像器40、転写搬送ユニット14、ドラムクリーニング装置15、除電器16などを備えている。更には、定着装置17、反転排紙ユニット18、レジストローラ対19なども備えている。上記スタートスイッチが操作されると、図示しない駆動手段によるドラム状感光体12の回転駆動が開始される。
【0011】
上記光書込ユニット11は、原稿読取部1で読み取られた画像信号に基づいてレーザ光Lを光変調して、潜像担持体としてのドラム状感光体12を露光する。具体的には、レーザダイオード等からなる光源20からレーザ光Lを発する。このレーザ光Lは、ポリゴンモータ21によって回転駆動される回転多面鏡22上で主走査方向(ドラム状感光体12の軸線方向)に偏向せしめられながら、fθレンズなどからなる走査結像用のレンズ系23を通る。そして、ミラー24、レンズ25を経て、回転駆動されているドラム状感光体12上に到達してその表面に静電潜像を走査する。
【0012】
上記転写搬送ユニット14は、転写搬送ベルトを複数の張架ローラによってテンション張架しながら無端移動せしめながら、ドラム状感光体12の周面に当接させて転写ニップを形成している。また、転写ニップにおける転写搬送ベルト裏面(フープ内周面)に図示しない転写バイアスローラを当接させている。この転写バイアスローラには図示しない電源によって転写バイアスが印加されており、この印加によって転写ニップに転写電界が形成される。
【0013】
上記光書込ユニット11による露光でドラム状感光体12上に形成された静電潜像は、現像器40によって現像されてトナー像となった後、上記転写ニップに進入する。一方、上記レジストローラ対19は、上記スタートスイッチの操作に基づいて後述の給紙部4から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込む。そして、転写紙Pを転写ニップにてドラム状感光体12上のトナー像に重ね合わせ得るタイミングで送り出す。この送り出しにより、転写ニップではドラム状感光体12上のトナー像が転写紙Pに密着せしめられる。そして、転写電界やニップ圧の影響を受けて、ドラム表面から転写紙表面に転写される。転写ニップを通過した転写紙Pは、転写搬送ユニット14の転写搬送ベルトによって定着装置17内に送られる。定着装置17は、送られてきた転写紙Pを加熱ローラ17aと加圧ローラ17bとの間に挟み込む。そして、熱や圧力の影響によってトナー像を転写紙P上に定着せしめながら、反転排紙ユニット18に向けて排紙する。
【0014】
上記反転排紙ユニット18は、送られてきた転写紙Pを排出路18aに通して機外の図示しない排紙トレイに排紙する。但し、両面コピーモードがユーザーによって選択されている場合には、転写紙Pを反転部18bに通して裏表反転させた後、上記レジストローラ対19に向けて搬送する。これにより、その転写紙Pはレジストローラ対19から上記転写ニップに向けて再び送られ、先にトナー像が転写された面とは反対側の面に、新たなトナー像が転写される。
【0015】
上記ドラムクリーニング装置15は、上記転写ニップを通過した後のドラム状感光体12表面に付着している転写残トナーをクリーニングして、トナー収容器たる図示しない回収タンクに収容する。クリーニング後のドラム状感光体12表面は、上記除電器16によって除電された後、上記帯電装置13によって一様帯電せしめられて次の画像形成に備える。
【0016】
上記給紙部4は、多段配設された3つの給紙カセット26,27,28を備えており、それぞれに複数枚の転写紙Pを収容している。また、複数組の搬送ローラ対32を有する給紙路33も備えている。給紙カセット26,27,28は、内部に収容している転写紙Pの最上紙に給紙ローラ26a,27a,28aを押し当てており、その回転駆動によって最上紙を給紙路33に向けて送り出す。上記スタートスイッチが操作されると、何れか1つの給紙カセットから給紙路33に転写紙が送り出されるのである。給紙路33は、受け取った転写紙Pを複数組の搬送ローラ対32によってプリンタ部のレジストローラ19に向けて給紙する。
【0017】
ドラム状感光体12の側方に配設された現像器40には、これに粉体たるトナーを搬送・補給するトナー搬送装置50が装着されている。また、搬送先たる現像器40内には、トナーと磁性キャリアとを含有する図示しない二成分現像剤が収容されている。粉体搬送装置たるトナー搬送装置50によって現像器40内に補給されたトナーは、内部の二成分現像剤と混合攪拌されて現像に使用される。現像器40の底面には、図示しないTセンサが配設されている。このTセンサは、現像器40内の二成分現像剤の透磁率に応じた信号を図示しない制御部に出力する。二成分現像剤のトナー濃度は、透磁率と相関するため、Tセンサは二成分現像剤のトナー濃度を検知していることになる。上記制御部は、Tセンサからの出力電圧値を、所定のTセンサ出力目標値に近づけるようにトナー搬送装置50を適宜動作させることで、現像に伴ってトナー濃度を低下させた二成分現像剤のトナー濃度を回復させる。但し、二成分現像剤の透磁率が湿度等の環境変化や二成分現像剤の嵩変化などによって変動するため、制御部は上記Tセンサ出力目標値を適宜補正する。具体的には、所定のタイミングでドラム状感光体12上に形成せしめた基準トナー像の画像濃度に応じて、上記Tセンサ出力目標値を補正する。この画像濃度については、例えば基準トナー像の光反射率を検知する反射型フォトセンサからなる基準トナー像濃度センサからの出力によって把握される。
【0018】
上記転写ニップを通過したドラム状感光体12の表面には、転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、ドラムクリーニング装置15によって掻き取られて図示しない回収タンクに回収される。
【0019】
次に、本実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図2は、上記トナー搬送装置50を示す詳細構成図である。トナー搬送装置50は、吸引ポンプ60、カートリッジホルダ70、エアーポンプ部80などを備えている。吸引ポンプ60は、一軸偏心スクリューポンプやモーノポンプなどと言われるタイプのもので、ステータ61内のロータ62を吸引モータ63によって回転させることで、吸引口64内に負圧を発生させる。この吸引口64には、可撓性の吸引チューブ51の先端が接続されている。
【0020】
上記カートリッジホルダ70は、図中上側を開口させたホルダ部71、これの底面に挿入されたノズル72などを備えている。ホルダ部71は、トナー収容器たるトナーカートリッジ90を保持するためのものである。トナーカートリッジ90は、保護ケース91は、ある程度の剛性を発揮する紙、段ボール、プラスチック等の材料で構成され、トナー収容袋92を内包している。トナー収容袋92は、80〜200[μm]厚のシート材が単層又は複層で袋状に成形された袋部93と、これのトナー排出側に固定された口金部94とから構成されており、空気の出入りがない密閉構造となっている。シート材としては、ポリエチレンやナイロン等の樹脂シートや、紙シートなどが用いられている。トナー収容袋92の内部には、補給用のトナーが収容されている。トナー収容袋92の口金部94は、袋部93の開口内に係合するように樹脂や紙等の剛性材料からなる係合部94bと、スポンジ等の弾性材料からなる開口シール部94aとを有している。かかる構成のトナーカートリッジ90は、口金部94側を鉛直方向下側にしてカートリッジホルダ70のホルダ部71に装着される。このとき、ホルダ部71の底面に挿入されていたノズル72の先端が、トナーカートリッジ90の口金部94の開口シール部94aを貫通して袋部93内に進入する。開口シール部94aがノズル74の周囲に密着することで、トナーカートリッジ90内から外部へのトナー漏れが防がれている。ノズル72の先端側には、トナー吸引口73が形成されている。後端側には、トナー通路74と空気受入路75とに分かれるようにT字路が形成されている。このうち、トナー通路74には、上述の吸引チューブ51の後端が接続されている。
【0021】
上記エアーポンプ部80は、エアーポンプ81、中継チューブ82、これに接続された電磁弁83、送気チューブ84などから構成されている。エアーポンプ81は、電磁弁83が開かれた状態で駆動することで、中継チューブ82と、電磁弁83と、送気チューブ84とを介して、上記ノズル72の空気受入路75内にエアーを送る。上記吸引ポンプ60は、不動作状態において吸引口64から流体を受け入れないような構造になっている。このため、エアーポンプ81からノズル72の空気受入路75内に送られたエアーは、トナー通路74に流入することなく、ノズル72のトナー吸引口73を通って袋部93内に至る。そして、袋部96内のトナーを攪拌してほぐすことで、袋部93内におけるトナーブロッキング(トナーの架橋現象)の発生を抑える。また、たとえ長期放置によってトナーブロッキングが生じたとしても、気流等によってそれを崩す。これらの結果、袋部93内のトナーを自重によってノズル72のトナー吸引口73に向けてスムーズに流れ込ませて、粉体収容器たるトナーカートリッジ90からのトナー排出を促すことができる。よって、エアーポンプ部80は、トナーカートリッジ90に対する送気により、そこからのトナーの排出を促す排出促進手段としての機能を有している。かかるエアーポンプ部80では、使用後に取り外されてしまうトナーカートリッジ90内に、トナーの排出を促進させるための攪拌パドルなどといった可動部材を設ける必要がない。よって、排出促進手段として攪拌パドル等を設ける場合に比べ、カートリッジ交換コストを大幅に低減することができる。なお、排出促進手段として、トナーカートリッジ90に振動を与える加振手段を設け、振動によってトナー排出を促してもよい。但し、加振方式では、複写機本体に振動を与えてしまうことにより、画質劣化や部材の振動疲労などといった影響を与えるおそれがある。これに対し、送気方式のエアーポンプ部80では、複写機本体に与える振動を加振方式よりも大幅に低減する。よって、振動による影響を大幅に抑えることができる。
【0022】
図3は、上記トナー収容袋92を示す斜視図である。図示のように、トナー収容袋92の袋部93の底部(トナー排出側とは反対側)には、通気フィルター95が設けられている。上記エアーポンプから袋部93内に送られたエアーは、最終的にはこの通気フィルター95を通って外部に排出される。通気フィルター95のメッシュはトナー粒子を通過させない程度に細かくなっている。
【0023】
先に示した図2において、エアーポンプ部80の電磁弁83が閉じられた状態では、トナーカートリッジ90の袋部93内から、ノズル72内と、吸引チューブ51内と、吸引ポンプ60内に至るまでの空間が密閉環境となる。このため、吸引ポンプ60が作動して吸引チューブ51内に負圧が発生すると、ノズル72のトナー吸引口73に吸引力が発生する。そして、袋部93内のトナーがトナー吸引口73から吸引され、ノズル72のトナー通路74、吸引チューブ51、吸引ポンプ60内を順次通過して、吸引ポンプ60の吐出側に接続されている現像器40内に補給される。
【0024】
上記吸引ポンプ60とノズル72とを接続する吸引チューブ51は、3〜7[mm]の内径に成形されており、可撓性と耐トナー性とに優れたゴム材料やプラスチック材料が使用されている。かかるゴム材料としては、ポリウレタンゴム、ニトリルゴム、EPDMゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。また、プラスチック材料としては、ポリエチレン、ナイロンなどが挙げられる。可撓性に優れたフレキシブルな吸引チューブ51を使用することで、複写機内部においてトナー移送経路を自由に配設することが可能となり、装置内部のレイアウト自由度が極めて良好になっている。また、このトナー補給装置50では、トナーカートリッジ90を現像器40よりも重力方向下側に位置させる場合でも、吸引ポンプ60として吸引力の比較的高いものを用いることで、トナーのポンプアップ搬送が可能になる。そして、このことによっても、装置内部のレイアウト自由度が向上しており、トナーカートリッジ90を交換操作が最も容易となる位置に配設することができる。
【0025】
図4は、吸引ポンプ60のポンプ部を示す分解斜視図である。図において、吸引ポンプ60のポンプ部は、ステータ61、ロータ62、これらを内包するホルダ65などを有している。ステータ61は、ゴム等の弾性部材にダブルピッチの螺旋溝が形成された雌ねじ状の形状になっている。また、ロータ62は、金属や樹脂等の材料が雄ねじ状に成形されたもので、ステータ61の螺旋溝内に回動自在に嵌挿されている。このロータ62の後端には、スプリングピン66によって固定される駆動軸67が連結している。ステータ61を内包するホルダ65は、その内周面にステータ61の端部に設けられたフランジ部を接触させることで、ステータ61を図中矢印A方向に揺動可能に支持する。この揺動のために、ホルダ65の内面と、ステータ61の外面との間にはギャップGが形成されている。上記駆動軸67の先には、図示しないモータが連結しており、これの回転に伴ってロータ62がステータ61内で回転する。このとき、ロータ62がその複雑な形状に起因して偏心回転する。このことが、吸引ポンプ(60)を一軸偏心スクリューポンプと称する所以である。ロータ62が偏心回転すると、ステータ61が図中矢印A方向に揺動するのである。ロータ62が回転すると、ステータ61内に形成される閉空間が吸引口64側から駆動軸67側に移動し、吸引口64に10〜20[kPa]の吸引力P2が発生する。そして、吸引口64からトナーが吸い込まれる。吸い込まれたトナーは、ポンプ部内部を通った後、駆動軸67の下側に設けられた図示しない排出口から排出される。ノズル72内に向けてトナーが安定して排出される限り、ロータ62の回転数とトナー搬送量(補給量)とには相関関係が成立する。しかし、トナーが安定して排出されないと、ロータ62が回転しても、エアーが吸われてトナー搬送効率が悪くなる。
【0026】
本実施形態に係る複写機のトナー搬送装置50は、このように、吸引ポンプ60での吸引によってトナーカートリッジ90内のトナーを搬送する。かかる構成では、トナーカートリッジ90内のトナーを現像器40まで搬送するための搬送管内にスクリュー状のオーガなどといった可動部材を設ける必要がない。よって、構成を簡素化してコスト上昇を抑えることができる。また、搬送管として、変形自在な吸引チューブ51を用いて複写機本体内に自由に排回すことが可能になる。搬送経路のレイアウト自由度を大幅に向上させることができるのである。これに対し、これに対し、オーガ等の可動部材によってナーを搬送する方式では、搬送管内に可動部材を設ける都合上、搬送管を直線状に構成しなければならず、搬送経路のレイアウト自由度を大幅に悪化させてしまう。
【0027】
吸引ポンプ60による吸引量(搬送量)は、ロータ62の回転量に厳密に比例することが知られている。よって、基本的には、ロータ62の回転量を制御することで、現像器40内へのトナー補給量を正確に制御することができる。但し、袋部93内でトナーを放置すると、トナーの嵩密度を徐々に高めてしまう。そして、このことにより、単位体積あたりのトナー量を増加させてしまい、トナー補給量をロータ62の回転量に正確に比例させることができなくなる。しかしながら、本実施形態に係る複写機のトナー搬送装置50では、エアーポンプ81による定期的な送気を行うことで、トナーの嵩密度の増加を抑えることができる。よって、トナーの嵩密度の増加によるトナー補給量の不安定化を抑えることができる。
【0028】
図5は、上記ノズル72のトナー通路74の周囲を示す分解斜視図である。図において、ノズル72のトナー通路74は、黒色ABSなどといった有色の樹脂材から構成されている。但し、その一部には、管内流路を挟んで相対向する2つの透明窓74a,bが設けられている。そして透明窓74a,bが設けられている部分が流量検知手段としての流量センサ76に挟み込まれている。この流量センサ76は、光学センサたる透過型フォトセンサから成り、発光素子76aと受光素子76bとを有している。発光素子76aから発せられた光は、トナー通路74の透明窓74a→管内流路→透明窓74bという経路を経て、受光素子76bに受光される。受光素子76bは、受光量に応じた量の光電流を発生する。
【0029】
図6は、上記流量センサ76からの出力電圧と、上記受光素子76bの発する光電流量との関係を示すグラフである。図示のように、受光素子(76b)の受光量が多くなってその光電流量が増加するほど、流量センサ(76)からの出力電圧値が上昇する。先に示した図5において、ノズル72のトナー通路74内を流れるトナーの量が多くなるほど、受光素子76bによる受光量が減少する。よって、流量センサ76からの出力電圧が大きくなるほど、図7に示すように、上記トナー通路(74)内のトナー流量は減少する。流量センサ76からの出力電圧値は、搬送管たるトナー通路74内のトナー流量を示すことになる。かかる構成の流量センサ76では、管内流路内でトナーの移動とともに従動回転する従動回転部材の回転量に基づいてトナー流量を検知するものに比べて、簡単な構成によって管内流路のトナー流量を検知することができる。なお、図示の例では、ノズル72(トナー通路74)に2つの検知窓74a,bを設けたが、透明窓を設けずにノズル自体を透明な材料で構成してもよい。また、ノズル72(トナー通路74)内のトナー流量を検知させるのではなく、吸引チューブ51内のトナー流量を検知させるようにしてもよい。また、透明窓を1つだけ設けるとともにノズル内壁を鏡面仕上げし、透明窓から入射した光をノズル内壁で反射させるようにすれば、他の方式の光学センサたる反射型フォトセンサを用いることもできる。かかる反射型フォトセンサでも、透過型フォトセンサと同様に簡単な構成によって管内流路のトナー流量を検知することができる。また、受光素子76bとしてフォトトランジスタを用いたが、フォトインタラプタのようなデジタル出力のものを用いてもよい。
【0030】
上述のように、本複写機では、吸引方式のトナー搬送(補給)を採用しているため、搬送管たる吸引チューブ51やノズル72内に可動部材を設ける必要がない。透過型フォトセンサ等の光学センサによって搬送管内のトナー流量を検知させる場合、搬送管内に可動部材がある場合には、その可動部材を避けてトナー流量を検知させなければならない。そして、検知用スペース確保ために、搬送管の径を必要以上に大きくしたり、部分的に可動部材の無いスペースを設けてそこにトナーを詰まらせ易くしたりなどといった不具合を引き起こすおそれがある。一方、本複写機のように吸引方式を採用して可動部材を不要にすれば、かかる不具合を解消することができる。
【0031】
図8は、本実施形態に係る複写機の電気回路の一部を示すブロック図である。図において、マイクロ・プロセッシング・ユニット(以下、MPUという)等から構成された制御部150は、複写機本体の制御手段であるとともに、トナー搬送装置(50)を制御する搬送制御手段でもある。これには、ドラム状感光体上に形成された上記基準トナー像の濃度を検知する基準トナー像濃度センサ151、上記現像器(40)内の二成分現像剤のトナー濃度を検知するTセンサ41などが接続されている。また、上記トナー搬送装置(50)に設けられた吸引モータ63、エアーポンプ81、電磁弁83なども接続されている。更には、流量センサ76も接続されている。上記基準トナー像を検知する基準トナー像濃度センサ151からの出力値は、上述のTセンサ出力目標値の補正に利用される。制御部150は、Tセンサ41からの出力電圧値と、Tセンサ出力目標値との比較などに基づいて吸引モータ63によるトナー補給動作時間(駆動量)を決定する。具体的には、まず次式により、現時点でのトナー濃度の過不足に基づく過不足用動作時間Taを算出する。
【数1】
過不足用動作時間Ta=(Tセンサ出力目標値−Tセンサ出力電圧)×係数K1
【0032】
この式において、係数K1は、Tセンサ出力目標値とTセンサ出力電圧との差分を、それに相当する量のトナー補給に必要な吸引ポンプ動作時間に換算するための係数である。現像器(40)内の二成分現像剤のトナー濃度が基準濃度を上回っている場合には、過不足用動作時間Taはマイナス値になる。
【0033】
次に、制御部150は、プリントアウトによって消費される予定のトナー量に相当する消費予定用動作時間Tbを次式に基づいて算出する。
【数2】
消費予定用動作時間Tb=プリントアウト画像面積×係数K2
【0034】
この式において、係数K2は、プリントアウト画像面積に対応するトナー消費量を、それの補給に必要な吸引ポンプ動作時間に換算するための係数である。制御部150は、演算した過不足用動作時間Taと消費予定用動作時間Tbとの和をトナー補給動作時間とし、その時間分だけ吸引モータ63を駆動させる。
【0035】
また、制御部150は、タイマ機能を有しており、トナー補給動作時間を累積してカウントする。更には、所定のタイミングでエアーポンプ81を駆動制御して、上記トナーカートリッジ90内のトナーを送気によって攪拌する。なお、図示しない複写機の主電源がOFFされても、制御部150には電源が供給されるようになっているため、その内部に記憶されたトナー補給動作時間の累積カウント値は保持される。
【0036】
トナー補給動作時間の累積カウントを行うのは次に説明する由による。即ち、先に図3に示したように、エアーポンプ81からトナー収容袋92の袋部93に送られたエアーは、最終的には通気フィルター95を通って外部に排出される。しかしながら、通気フィルター95のメッシュはトナー粒子を通過させない程度に細かくなっているため、エアーの排出にはある程度の時間を要し、エアーポンプ81の動作直後は袋部93内の気圧が一時的に上昇する。エアーポンプ81が動作し過ぎると、袋部93内の気圧が過剰に上昇してトナー詰まりやトナーブロッキングが却って助長されることになり兼ねない。そこで、本複写機では、袋部93からのトナー排出量がある程度の値に達する毎に、エアーポンプ81を所定時間だけ作動させるといった間欠運転を実施することで、袋部93内の過剰な気圧上昇を回避するようになっている。トナー排出量がある程度の値に達したか否かを判定するために、トナー補給動作時間を累積カウントするのである。トナー排出量と、エアー供給時間とのバランスについては、通気フィルタ−95のメッシュサイズや、エアーポンプ81による送気圧などによって異なってくる。目安としては、1秒あたりのトナー補給に対し、1秒のエアー供給を実施する程度が、袋部93内におけるトナー攪拌の安定性や内圧上昇性の観点からは望ましい。
【0037】
エアーポンプ81を作動させながら、吸引ポンプ60によるトナー吸引を実施させると、ノズル72内において空気受入路75とトナー通路74との間でエアー流路を短絡させてしまう。そして、この短絡により、袋部93内にエアーを良好に送り込むことができなくなるだけでなく、エアーの吸引によってトナー搬送性を著しく低下させてしまう。よって、吸引ポンプ60によるトナー補給中には、電磁弁83を閉じ且つエアーポンプ81を作動させないようにする。
【0038】
図9は、搬送制御手段たる上記制御部(150)によるトナー補給制御のフローを示すフローチャートである。トナー補給制御において、制御部150は、まずコピー命令があるまで待機し(ステップ1、以下「ステップ」をsと記す)、コピー命令がなされた場合(s1でY)には、Tセンサ出力電圧値を読み込む(s2)。そして、読み込んだ値と上記数1で示される関係式とに基づいて過不足用動作時間Taを算出する(s3)。次に、出力予定の画像データを読み込んで(s4)そのプリントアウト画像面積を算出し、算出結果と上記数2で示される関係式とに基づいて消費予定用動作時間Tbを算出する。そして、過不足用動作時間Taと消費予定用動作時間Tbとの和であるトナー補給動作時間Tcを算出した後(s6)、その値を累積カウント値C1に加算する(s7)。更に、上記吸引モータ(63)をトナー補給動作時間Tcだけ駆動させてトナーを上記現像器(40)に補給せしめた後、累積カウント値C1について補給開始基準時間Txを上回ったか否かについて判断する(s9)。「C1>Tx」となっている場合は(s9でY)、上記エアーポンプ(81)による前回の送気が終了してから所定量のトナー補給が行われたため、次の送気が望まれるタイミングになっている。よって、この場合には、上記エアーポンプ(81)が送気実施時間Tyだけ駆動されてから(s10)、累積カウント値C1がゼロにリセットされた後(s11)、次のコピー命令についての有無が判断される(s12)。一方、上記s9の制御にて、「C1>Tx」でないと判断された場合には(s9でN)、未だ送気を実施すべきタイミングが到来していない。よって、この場合には、上記エアーポンプ(81)が駆動されることなく、次のコピー命令についての有無が判断される(s12)。そして、次のコピー命令が有る場合には(s12でY)、制御フローが上記s2にループして、次のコピー用のトナー補給が実施される。また、次のコピー命令が無い場合には(s12でN)、トナー補給制御が終了する。なお、トナー補給制御中には、上記現像器(40)内の現像ローラを回転させておくことが望ましい。トナー補給制御の開始タイミングとしては、ドラム状感光体に対する画像書き込み開始信号(FGATE)が発せられたタイミングなどが望ましい。
【0039】
図10は、上記制御部(150)による送気量調整制御のフローを示すフローチャートである。図において、制御部(150)は、まず、上記流量センサ(76)からの出力電圧値を10[msec]毎に読み込んで、10回の平均値であるセンサ出力平均値Vaを算出する(s1〜s6)。そして、センサ出力平均値Vaについて3.0[V]を超えているか否かについて判断する(s7)。
【0040】
センサ出力平均値Vaが3.0[V]である場合には(s7でN)、上記トナー通路(74)内のトナー流量がそれほど減少していない状態にある。このため、後述の流量エラーカウント値Fcがゼロにリセットされた後(s12)、送気量調整制御が終了する。
【0041】
一方、センサ出力平均値Vaが3.0[V]を超えていると(s7でY)、上記トナー通路(74)内のトナー流量が通常よりもかなり減少している状態にある。流量不足の状態なのである。これは、上記トナーカートリッジ(90)内のトナーがほぼ無くなっているか、トナーカートリッジ(90)からのトナー排出が良好に行われていないか、の何れかの理由によって起こっている。そこで、制御部(150)は、上記s7の制御で流量不足であると判断すると(s7でY)、流量エラーカウント値Fcに「1」を加算した後(s8)、送気実施時間Tyに0.2[msec]を加算する(s9)。この送気実施時間Tyは、先に図9のs10に示したように、上記エアーポンプ(81)の1動作あたりの駆動時間である。よって、上記トナー通路(74)内のトナー流量がかなり減って「Va>3.0V」が検知されると、エアーポンプ(81)の1動作あたりの駆動時間が0.2[msec]延長される。このことにより、エアーポンプ(81)による送気の過剰実施を回避しながら、上記トナーカートリッジ(90)からのトナー排出がより促進される。流量不足がトナーブロッキング等によってトナーカートリッジ(90)からトナーが良好に排出されていなかったことによるものであった場合には、トナーの排出がより促進されることで、やがてトナー流量が復活する。しかし、トナーカートリッジ(90)内のトナー収容量がほぼ無くなったことによって流量不足が起こっている場合には、トナー排出が促進されても、トナー流量は復活して来ない。そこで、制御部(150)は、上記s9の制御で送気実施時間Tyを延長すると、次に、流量エラーカウントFcについて「5」であるか否かを判定する(s10)。上述のように上記s7の制御にてセンサ出力平均値Vaが1度でも3.0Vを下回っていないと判断されれば、上記s12の制御にてこの流量エラーカウント値Fcはゼロにリセットされる。よって、上記s10の制御で「Fc=0」である場合には(s10でY)、送気時間Tyが延長され続けているにもかかわらず、流量不足が連続して5回検知されたことになる。このような場合には、「トナーエンド」によって流量不足が起きていると考えて良い。制御部(150)に対し、流量センサ76による検知結果と、流量不足の発生頻度とに基づいて、トナーカートリッジ90内のトナー残量(主にトナーエンド)を判定させているのである。そこで、「Fc=0」の場合には、図示しない表示部での表示やブザーなどによってカートリッジ交換要を通知させるようにしている(s11)。なお、トナー残量を判定するための判定材料として、流量不足の発生頻度(Fc)の代わりに、エアーポンプ部80の駆動量(送気実施時間Tyなど)を用いても良い。
【0042】
以上の構成の本複写機では、トナーカートリッジ(90)内のトナー残量を検知するためのセンサと、トナー通路(74)内のトナー流量を検知するためのセンサとを兼用していることになる。そして、このことにより、更なるコスト低減を実現しながら、カートリッジの適切な交換時期をユーザーに通知させることができる。
【0043】
一方、排出促進手段たるエアーポンプ部80の適切な駆動時間を決定させたり、トナーカートリッジ90の適切な交換時期を判定させたりする方法としては、次のような方法も考えられる。即ち、トナー補給動作時間Tcと、Tセンサ又は基準トナー像濃度センサの出力とに基づいて、二成分現像剤のトナー濃度についてその回復のし易さを判断させる。そして、回復し難くなっていると判定させた場合には、エアーポンプ部80の駆動時間を延長させたり、延長させ続けても回復が困難でる場合にカートリッジ交換要を通知させたりするのである。しかしながら、この方法では、トナー濃度を実際に低下させてその回復のし易さを判断させるので、トナー濃度不足による画質低下を引き起こすおそれがある。
【0044】
また、出力画像の累積画像面積をカウントさせていき、それに基づいてトナー消費量を予測させてエアーポンプ部80の駆動時間を延長させたり、カートリッジ交換要を通知させたりする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、累積画像面積のカウント値と、実際のトナー消費量とにどうしても誤差が生じるため、トナー補給量の過不足による画質劣化や、十分にトナーが残っている状態でカートリッジ交換要を通知させるといった不具合を引き起こすおそれがある。
【0045】
本発明は、本実施形態に係る複写機を実際に試作して画像を継続して出力させる実験を次に列記する条件で行ってみた。
・流量検知センサ76として、受光素子76bの受光量に応じて0(受光なし)〜5.5(受光量飽和)[V]を出力するデジタルフォトインタラプタを使用。
・上記送気量調整制御におけるs7にて、「Va>3.0V」の代わりに、「Va≦3.0V」を判定。
・送気量調整制御にて、Tセンサ出力値を50[msec]間隔で2[sec]間サンプリングさせ、20個の出力値によって上記センサ出力平均値Vaを算出。
【0046】
この実験にて観察されたトナーカートリッジ90内のトナー残量と、トナー補給量と、Tセンサ出力値(センサ出力平均値Va)との関係を図11にグラフとして示す。図示のように、トナーカートリッジ(90)内のトナー残量が初期値の250[g]から約65[g]まで減っていく間においては、Tセンサ出力値が3.0[V]を下回ることがなく、トナー流量が安定している。しかし、トナー残量が65[g]を下回ると、Tセンサ出力値がときどき3.0[V]を下回るようになり、上記送気量調整制御にて送気実施時間Tyが延長され始める。
【0047】
図12は、図11のグラフを0〜100[g]のトナー残量の範囲で拡大した図である。図示のように、トナー残量が30〜65[g]の範囲では、Tセンサ出力値がときどき3.0[V]を下回っても、送気実施時間Tyの延長によってすぐに回復することがわかる。送気実施時間Tyの延長によってトナーカートリッジ90からのトナー排出が促され、トナー流量が元通りに復活したためである。しなしながら、トナー残量が30[g]を下回ると、Tセンサ出力値が頻繁に3.0[V]を下回るようになる。送気実施時間Tyが延長されても、トナー流量がなかなか回復しなくなるからである。そして、トナー残量が約10[g]まで減少すると、上記流量不足が連続して5回検知されてカートリッジ交換要が通知されている。10[g]程度のトナー残量であれば、それを残してトナーカートリッジ90を交換しても、ランニングコストにそれほど影響はない。それよりも、10[g]未満の範囲でも運転を継続させると、トナー補給量を全体的に不足させて、濃度薄の不良画像を出力させる結果になった。よって、この実験結果は、本発明がトナー補給量を安定化させながら、適切なカートリッジ交換時期を通知させ得ることを示している。
【0048】
なお、これまで、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いる二成分現像方式の複写機について説明したが、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いる一成分現像方式にも本発明の適用が可能である。また、粉体としてトナーを搬送するのではなく、磁性キャリアや二成分現像剤を搬送する複写機にも本発明の適用が可能である。また、複写機に限らず、プリンタやファクシミリなどの他の画像形成装置でもよい。また、レーザ光による露光を行う方式ではなく、LEDによる露光や、イオン付与などによって静電潜像を形成する方式でもよい。また、電子写真プロセスを用いない画像形成方式のものにも、本発明の適用が可能である。かかる方式としては、例えば、特開平11−301014号公報に記載の画像形成装置のような直接記録方式などがある。更には、画像形成装置ではなく、トナー搬送装置についても本発明の適用が可能である。このトナー搬送装置の構成が図2に示されるものに限定されないことは言うまでもない。
【0049】
以上、実施形態に係る複写機のトナー搬送装置50においては、流量検知手段たる流量センサとして、光学センサたる透過型フォトセンサを有している。かかる構成では、管内流路内でトナーの移動とともに従動回転する従動回転部材の回転量に基づいてトナー流量を検知するものに比べて、簡単な構成によって管内流路のトナー流量を検知することができる。
また、排出促進手段として、粉体収容器たるトナーカートリッジ90に対する送気によって粉体たるトナーの排出を促すものを用いて。かかる構成では、使用後に取り外されてしまうトナーカートリッジ90内に可動部材を設ける場合に比べ、カートリッジ交換コストを大幅に低減することができる。
また、搬送管たる吸引チューブ51内のトナーを吸引して搬送先たる現像器40まで搬送するように構成されている。かかる構成では、搬送管として変形自在な吸引チューブ51を使用することで、変形不可能な可動部材方式のものに比べ、搬送管、トナーカートリッジ、現像器40などの複写機内部におけるレイアウト自由度を大幅に向上させることができる。更には、流量検知手段の検知用スペース確保ために搬送管の径を必要以上に大きくしたり、部分的に可動部材の無いスペースを設けてそこにトナーを詰まらせ易くしたりなどといった不具合を回避することもできる。
また、実施形態に係る複写機においては、流量センサ76による検知結果に基づいてエアーポンプ部80を制御することで、上述の送気量調整制御を可能にしている。この送気量調整制御では、トナーカートリッジ90からのトナー排出不足による流量不足の発生に基づいて上記送気実施時間Tyを延長することで、トナー流量を迅速に回復させることができる。そして、かかる迅速な回復により、現像器40へのトナー補給量を安定化させ、画質の安定化を図ることができる。また、トナーカートリッジの適切な交換時期を通知することによっても、画質の安定化を図ることができる。
【0050】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、トナー搬送量を安定させたり、トナー収容器のコスト増加を抑えつつ適切な交換時期をユーザー把握させたりすることが可能になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機の要部を示す概略構成図。
【図2】同複写機のトナー搬送装置を示す詳細構成図。
【図3】同トナー搬送装置に搭載されるトナーカートリッジのトナー収容袋を示す斜視図。
【図4】同トナー搬送装置の吸引ポンプのポンプ部を示す分解斜視図。
【図5】同トナー搬送装置におけるノズルのトナー通路の周囲を示す分解斜視図。
【図6】同トナー搬送装置の流量センサからの出力電圧と、受光素子の発する光電流量との関係を示すグラフ。
【図7】同出力電圧と、同トナー通路内のトナー流量とを示すグラフ。
【図8】同複写機の電気回路の一部を示すブロック図。
【図9】同複写機の制御部によるトナー補給制御のフローを示すフローチャート。
【図10】同制御部による送気量調整制御のフローを示すフローチャート。
【図11】同トナーカートリッジ内のトナー残量と、トナー補給量と、Tセンサ出力値との関係を示すグラフ。
【図12】図11を0〜100[g]のトナー残量の範囲で拡大したグラフ。
【符号の説明】
1 原稿読取部
2 原稿自動供給部
3 プリンタ部
4 給紙部
5 コンタクトガラス
40 現像器(搬送先)
50 トナー搬送装置(粉体搬送装置)
51 吸引チューブ(搬送管)
60 吸引ポンプ
61 ステータ
62 ロータ
63 吸引モータ
64 吸引口
70 カートリッジホルダ
71 ホルダ部
72 ノズル(搬送管)
76 流量センサ(流量検知手段)
80 エアーポンプ部
90 トナーカートリッジ(粉体収容器)

Claims (1)

  1. 画像形成に用いられるトナーをトナー収容器から搬送先まで搬送するトナー搬送装置と、該トナー搬送装置の駆動を制御する搬送制御手段とを備え、該トナー搬送装置によって搬送したトナーを用いて画像を形成し、且つ、該トナー収容器からのトナーの排出を促す排出促進手段と、自らの先端側部分が該トナー収容器内に挿入される搬送管と、該搬送管の後端側部分に接続された状態で、該トナー収容器内のトナーを該先端側部分に設けられた吸引口から該搬送管内に吸引して搬送先まで搬送する吸引ポンプとを、該トナー搬送装置に有する画像形成装置において、
    上記搬送管として、後端側部分が、上記吸引ポンプに接続されるトナー通路と、空気を受け入れるための空気受入路とに分岐しているもの、を用い、
    上記排出促進手段として、該空気受入路に接続されたエアーポンプによって該空気受入路と上記先端側部分とを介して上記トナー収容器内に空気を送り込むのに伴って該トナー収容器内のトナーをほぐすことで、該トナー収容器内からのトナーの排出を促すもの、を用い、
    該搬送管における該トナー通路内のトナーの流量を検知する流量検知手段を設け、
    上記吸引ポンプの動作時間が予め定められた時間に達する毎に上記エアーポンプを所定の駆動時間だけ駆動し且つ該流量検知手段による該流量の検知結果が所定値を下回った場合には該エアーポンプの該駆動時間を延長する制御を実施するように、上記搬送制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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