JP4075653B2 - エンジンの吸気マニホールド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの吸気マニホールド、特に、吸気マニホールド内を流れる吸気に二次添加ガスを供給するガス通路を備えるエンジンの吸気マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブローバイガスやEGRガスなどの二次添加ガスをエンジンの吸気に還流する場合、一般に、吸気マニホールドのコレクタから導入することが行われている。特許文献1には、EGRガスを各気筒へ均等に分配するために、コレクタ内にEGRガス分配パイプを配置したものが示されている。EGRガス分配パイプはコレクタ内を気筒列方向に沿って設けられ、各吸気ブランチ管に対応した位置にそれぞれ分配孔が形成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−123901号公報(第3−5頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの運転性や燃費の向上を図るために、二次添加ガスの各気筒への分配をより均等にすることが望まれる。しかしながら、特許文献1のようにしてEGRガスを吸気に導入すると、吸入脈動の影響を受けるため、各気筒への分配が安定しない。すなわち、EGRガス分配パイプには分配孔が各気筒に対応して形成されているが、ある気筒の分配孔で受けた吸入脈動をEGRガス分配パイプ内で吸収しきれず、隣接する他の気筒の分配孔から供給されるEGRガスに影響を及ぼし、二次添加ガスの各気筒への分配の均一性を保ち難い。
【0005】
本発明の目的は、吸気マニホールド内を流れる吸気に二次添加ガスを供給するガス通路を備えるエンジンの吸気マニホールドにおいて、吸入脈動の影響を受けても、容積室で脈動や圧力変動を吸収し、各気筒への二次添加ガスの分配の均一性を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンの吸気マニホールドは、複数の吸気ブランチ管を形成する吸気ブランチ部を含んで構成され、二次添加ガスが導入される容積室と、容積室からの二次添加ガスを各吸気ブランチ管にそれぞれ供給するガス通路とを備え、容積室は吸気ブランチ部の外壁に複数の吸気ブランチ管を横断するように形成される。容積室は、吸気ブランチ部の外壁に複数の吸気ブランチ管を横断するように形成されている。ガス通路は複数有り、各ガス通路は、各吸気ブランチ管に沿って形成され、容積室からの二次添加ガスを吸気ブランチ管の下流側端部近傍にて各吸気ブランチ管にそれぞれ供給する。吸気ブランチ部は、第1本体分割部と第2本体分割部とが吸気の流通方向に沿った合わせ部において密着して形成され、容積室からの二次添加ガスを供給するガス通路は合わせ部に沿って形成され吸気ブランチ管内に開口するとともに、エンジン本体に取り付けるための取付フランジを備える。第1及び第2本体分割部は、それぞれ、略半円筒状の吸気通路形成部と、吸気通路形成部から半径方向外方に突出するフランジ部とを有し、当該フランジ部が合わせ部として互いに密着してガス通路を形成する。ガス通路は、第1及び第2本体分割部のフランジ部に沿って取付フランジの近傍まで形成され、取付フランジの近傍から吸気ブランチ管を流れる吸気に二次添加ガスを供給する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、吸気ブランチ部の外壁に各吸気ブランチ管を横断するように二次添加ガスが導入される容積室を形成し、容積室からの二次添加ガスを吸気マニホールド内を流れる吸気に供給するようにするため、吸気マニホールドの大型化を抑えながら、容積室の容積を大きく取れる。この結果、吸入脈動の影響を受けても、容積室で脈動や圧力変動を吸収できるので、各気筒への二次添加ガスの分配の均一性が高められる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る多気筒エンジン用の吸気マニホールド1の正面図である。図2は、図1の矢印bから見た側面図である。
【0009】
この吸気マニホールド1は、樹脂で形成され、エンジン本体7に取り付けられた状態でエンジン本体7の側方から上下方向に湾曲している。吸気マニホールド1は、コレクタ5と、コレクタ5から分岐する複数の吸気ブランチ管6からなる吸気ブランチ部と、エンジン本体7に取り付けるための取付フランジ8とを有している。コレクタ5及び吸気ブランチ管6の内部には、エンジン本体7に空気を導入するための吸気通路11が形成されている。吸気ブランチ管6は、エンジンの各気筒に対応して形成され、各気筒に吸気を分配供給する。この吸気マニホールド1は、図2に示すように、吸気ブランチ管6の空気の流通方向に沿って分割された本体分割部1a及び1bから構成されている。
【0010】
本体分割部1aは、吸気通路形成部2aと、吸気通路形成部2aから分岐した複数の吸気通路形成部3aと、吸気通路形成部2a及び3aの合わせ面に沿って突出して形成されたフランジ部4aと、吸気通路形成部3aの下流側端部に形成された取付フランジ部8aとを有している。同様に、本体分割部1bは、吸気通路形成部2bと、吸気通路形成部2bから分岐した複数の吸気通路形成部3bと、吸気通路形成部2b及び3bの合わせ面に沿って突出して形成されたフランジ部4bと、吸気通路形成部3bの下流側端部に形成された取付フランジ部8bとを有している。本体分割部1a及び1bが合わせ部としてのフランジ部4a及び4bにおいて互いに密着されて、吸気通路形成部2a及び2bがコレクタ5を形成し、吸気通路形成部3a及び3b、フランジ部4a及び4bが吸気ブランチ管6を形成し、取付フランジ部8a及び8bが取付フランジ8を形成する。また、吸気通路形成部3bの下流側上面には、吸気に燃料を供給するための燃料噴射装置12が装着されている。
【0011】
また、二次添加ガスを流通するためのガス通路9が、各フランジ部4a及び4bの合わせ面に沿って形成される。本実施形態において、二次添加ガスは、ブローバイガスであるが、EGRガス、アイドルコントロール用の二次空気であってもよい。このガス通路9は、吸気ブランチ管6毎にそれぞれ形成され、吸気マニホールド1がエンジン本体7に取り付けられた状態で、上流側から下流側に向かって下方に傾斜している。
【0012】
ガス通路9の上流側端部付近には容積部14が設けられる。より詳細には、容積部14は、エンジン本体7の側方から上下方向に湾曲した吸気ブランチ部の略垂直な部分において、本体分割部1aの外壁に設けられる。容積部14は、図10に示すように、各吸気ブランチ管6を横断するように形成された枠部15と、枠部15に装着される蓋部16とから構成されている。枠部15は、吸気ブランチ部の外壁から突出して内部に空間15aを形成し、空間15aの下部の吸気ブランチ部外壁には、ガス通路9に連絡される導入孔10aが開口している。蓋部16は蓋本体16aと導入部16bとからなる。蓋本体16aは板状部材であり、導入部16bは蓋本体16aから突出して形成される円筒状部材である。導入部16bには、導入部16bの軸方向に延びて蓋本体16aを貫通する導入孔16cが形成されている。蓋部16が枠部15に装着されて容積部14を構成し、枠部15内の空間15aが容積室15aを形成する。
【0013】
なお、上記のように吸気ブランチ部側に枠部15による空間15aを形成して容積室15aを構成する代わりに、蓋部16に凹部を設けて容積室15aを構成しても良い。蓋部16に凹部を設けた例を図11に示す。図11では、ガス通路9の上流側付近に平坦な基礎部17が設ける。より詳細には、基礎部17は、エンジン本体7の側方から上下方向に湾曲した吸気ブランチ部の略垂直な部分において、本体分割部1aの外壁に設けられる。基礎部17は、各吸気ブランチ管6を横断するように形成されており、端面下部にはガス通路9に連絡される導入孔10aが開口している。蓋部16は、基礎部17に装着される側に開口する凹部16dが形成されており、導入孔16cは凹部16dに開口している。この蓋部16が基礎部17に装着されて容積部14を形成し、凹部16dが容積室16dを構成する。
【0014】
図3は、図2のII―IIにおける断面図であり、図4は、図2のIII−IIIにおける断面図である。図3(a)及び図4(a)はフランジ部4a,4bを振動融着、熱板融着、超音波融着等で融着した場合であり、図3(b)及び図4(b)はフランジ部4a,4bをガスケット13を介して固定した場合である。ガス通路9は、図1及び図3に示すように、合わせ部において空気の流通方向に沿って取付フランジ8の近傍まで形成される第1通路部9aと、第1通路部9aの下流側端部に連続し吸気通路11の下流側において開口する第2通路部9bとを有している。
【0015】
この吸気マニホールド1では、二次添加ガスは、導入孔16cから容積室15aまたは16dに一旦導入され、容積室15aまたは16dから導入孔10aを介して第1通路部9aに導入される。さらに、二次添加ガスは、吸気ブランチ管6の合わせ部に沿って上から下に流通し、取付フランジ8の近傍で第2通路部9bから吸気通路11に供給される。
【0016】
図5は、吸気マニホールド1の分割部と型割の関係を示したものである。吸気マニホールド1は、同図に示す分割位置において、本体分割部1a及び1bとに分割して、本体分割部1a及び1bをそれぞれ樹脂成形する。各本体分割部1a及び1bの樹脂成形では、同図に示すような位置で型割りを行う。樹脂成形の際、容積部14を構成する枠部15または基礎部17も本体分割部1aと一体に形成する。各本体分割部1a及び1bの組み立ては、これらを振動融着、熱板融着、超音波融着等で融着して密着させることにより行う。また、吸気マニホールド1をアルミで形成し、アルミダイキャスト工法で鋳造する場合には、互いにボルトで固定しても良い。
【0017】
(1−2)作用効果
この吸気マニホールド1では、吸気ブランチ管6の略垂直に伸びる部分に各吸気ブランチ管6を横断するように容積部14を形成するため、容積室15aまたは16dの縦横方向の長さを大きく形成することができ、厚さ方向に大型化することなく、容積室15aまたは16dの容積を大きく取れる。また、円筒状に形成された吸気ブランチ管6の間の無駄空間を有効に利用して、吸気マニホールド1の大型化を抑えながら、容積室15aまたは16dの容積を大きく確保できる。この結果、吸入脈動の影響を受けても、容積室15aまたは16dで脈動や圧力変動を吸収できるので、各気筒への二次添加ガスの分配の均一性が高められる。
【0018】
また、二次添加ガスは、導入孔16cから容積室15aまたは16dに導入され導入孔10aから導出され、二次添加ガスが上から下に流通するため、容積室15aまたは16dに凝縮水が溜まるのを防止できる。
【0019】
また、枠部15または基礎部17は樹脂成形により本体分割部1a及び1bと同時に形成できるため、製造工程が簡易である。
【0020】
また、吸気ブランチ管6の合わせ部(フランジ部4a及び4b)を利用してガス通路9を形成することができ、吸気ブランチ管6の外側にガス通路を別途設ける必要がなく、部品点数の低減によるコストダウン及び軽量化を図ることができる。また、吸気ブランチ管6の外側にガス通路を別途設ける必要がないので、他の部品の配置を妨げるのを防止できる。
【0021】
また、本体分割部1a及び1bを型抜きによって形成する際に合わせ部に溝を形成または本体分割部1a及び1bを密着させる際にガスケット13を介して密着することによりガス通路9を形成できるので、ガス通路9形成のための加工や別部材の接続が不要であり、製造工程が簡易である。
【0022】
また、各吸気ブランチ管6の下流側の取付フランジ8の近傍でそれぞれ二次添加ガスを導入するので、吸気通路11の汚染を防止し、二次添加ガスの制御の応答性を向上させることができる。
【0023】
また、燃料噴射装置12を避けて上から下に傾斜するようにガス通路9を形成するので、ガス通路9内に凝縮水が溜まるのを防止できる。
【0024】
(2)第2実施形態
(2−1)構成
図6は、本発明の第2実施形態に係る吸気マニホールド1の側面図である。図7は、図6の矢印bから見た取付フランジ8の図である。第1実施形態と同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。
【0025】
この吸気マニホールド1は、第1実施形態と同様に、コレクタ5と、コレクタ5から分岐する複数の吸気ブランチ管6と、エンジン本体7に取り付けるための取付フランジ8とを有する。コレクタ5及び吸気ブランチ管6の内部には、図1と同様に、エンジン本体7に空気を導入するための吸気通路11が形成されている。この吸気マニホールド1は、図6に示すように、吸気ブランチ管6の空気の流通方向に沿って分割された本体分割部1a及び1bから構成されている。
【0026】
本体分割部1bは、半円筒状の吸気通路形成部2bと、吸気通路形成部2bから分岐した複数の吸気通路形成部3bとを有し、吸気通路形成部3bは円筒部3c及び半円筒部3dからなる。また、吸気通路生成部2b及び3bには合わせ面に沿ってフランジ部4bが形成されている。円筒部3cは、エンジン本体7への取付フランジ8と一体に形成されており、円筒部3cの外面の一部には肉厚部3eが形成されている。半円筒部3dは、円筒部3cの上流側端面から上流側に向かって連続して形成されている。
【0027】
本体分割部1aは、半円筒状の吸気通路形成部2aと、吸気通路形成部2aから分岐し、本体分割部1bの円筒部3c及び半円筒部3dの合わせ面に対応して形成された半円筒状の複数の吸気通路形成部3aとを有している。また、本体分割部1aには合わせ面に沿ってフランジ部4aが形成されている。
【0028】
本体分割部1a及び1bは、フランジ部4a及び4bにおいて互いに密着されて、内部に複数の吸気通路11が形成されるとともに、二次添加ガスを供給するめのガス通路9の一部がフランジ部4a及び4bに沿って形成される。ガス通路9は、各吸気ブランチ管6のフランジ部4a及び4bそれぞれに形成される。ガス通路9は、フランジ部4a及び4bの合わせ面に形成される第1通路部9aと、第1通路部9aに連絡し肉厚部3e及び取付フランジ8を貫通して下流側に延びる第2通路部9bと、図7に示すように、取付フランジ8の端面において第2通路部9bと吸気通路11とを連通する第3通路部9cとから成る。また、第1実施形態と同様に、ガス通路9の上流側端部付近には容積部14が設けられており、ガス通路9の第1通路部9aが導入孔10aを介して容積室15aまたは16dに連絡されている。
【0029】
二次添加ガスは、第1実施形態と同様に、導入孔16cから容積室15aまたは16dに一旦導入され、容積室15aまたは16dから導入孔10aを介して第1通路部9aに導入される。さらに、第1通路部9a及び第2通路部9bを介して取付フランジ8の下流側端面まで流通し、取付フランジ8の下流側端面で第3通路部9cから吸気通路11に供給される。
【0030】
図8は、吸気マニホールド1の分割部と型割の関係を示したものである。吸気マニホールド1は、同図に示す分割位置において、本体分割部1a及び1bとに分割して、本体分割部1a及び1bをそれぞれ樹脂成形する。各本体分割部1a及び1bの樹脂成形では、同図に示すような位置で型割りを行う。樹脂成形の際、容積部14を構成する枠部15または基礎部17も本体分割部1aと一体に形成する。各本体分割部1a及び1bの組み立ては、これらを振動融着、熱板融着、超音波融着等で融着して密着させることにより行う。また、吸気マニホールド1をアルミで形成し、アルミダイキャスト工法で鋳造する場合には、互いにボルトで固定しても良い。
【0031】
(2−2)作用効果
この吸気マニホールド1でも、第1実施形態と同様に、吸気ブランチ管6の間のスペースを有効利用して吸気マニホールド1の大型化を抑えながら、容積室15aまたは16dの容積を大きく形成するため、吸入脈動の影響を受けても、容積室15aまたは16dで脈動や圧力変動を吸収でき、各気筒への二次添加ガスの分配の均一性が高められる。
【0032】
また、第1実施形態と同様に、本体分割部1a及び1bを型抜きによって形成する際に合わせ部に溝を形成または本体分割部1a及び1bを密着させる際にガスケット13を介して密着することにより第1通路部9aを形成でき、第2通路部9b及び第3通路部9cを型抜きで形成できるので、ガス通路9形成のための加工や別部材の接続が不要であり、製造工程が簡易である。
【0033】
また、取付フランジ8の端面で二次添加ガスを導入するので、前記同様に、スロットルバルブの汚染を防止し、吸気通路11内の汚染を低減し、混合気の制御の応答性を向上させることができる。
【0034】
また、燃料噴射装置12を避けて上から下に傾斜するようにガス通路9を形成するので、ガス通路9内に凝縮水が溜まるのを防止できる。
【0035】
(3)第3実施形態
(3−1)構成
図9は、本発明の第3実施形態に係る吸気マニホールド1の正面図である。この吸気マニホールド1は、第1実施形態の吸気マニホールド1において、少なくとも1組の隣接する2つの吸気ブランチ管6の間のフランジ部4a及び4bが一体で形成されている。4気筒などの偶数気筒のエンジンの場合には、すべての隣接する吸気ブランチ管6間のフランジ部4a及び4bを一体に形成しても良いし、一部の隣接する吸気ブランチ管6間のフランジ部4a及び4bを一体に形成しても良い。
【0036】
一体で形成されたフランジ部4a及び4bには、隣り合う吸気ブランチ管6の吸気通路11に二次添加ガスを供給するガス通路9が形成されている。ガス通路9は第1通路部9aと第2通路部9bとからなる。第1通路部9aは、フランジ部4a及び4bの合わせ面に沿って形成されている。また、第1通路部9aの上流側には第1実施形態と同様に容積部14が設けられ、第1通路部9aの上流側は導入孔10aを介して容積室15aまたは16dに連絡される。第2通路部9bは、取付フランジ8の近傍で第1通路部9aから両側に向かって分岐し、それぞれ両側の吸気ブランチ管6の吸気通路11に連絡される。
【0037】
二次添加ガスは、導入孔16cから容積室15aまたは16dに一旦導入され、容積室15aまたは16dから導入孔10aを介して第1通路部9aに導入される。さらに第1通路部9aを通って下流側に導かれ、両側の第2通路部9bに分岐し、隣接する吸気ブランチ管6の吸気通路11に供給される。
【0038】
(3−3)作用効果
この吸気マニホールド1では、隣接する吸気ブランチ管6に共通のガス通路9を用いて両側の吸気通路11に二次添加ガスを供給できるので、吸気ブランチ管6ごとにフランジ部4a及び4bを幅広く形成してガス通路9を形成する場合に比較して、吸気マニホールド1を小型化できる。
【0039】
(4)第4実施形態
(4−1)構造
図12は、本発明の第4実施形態に係る吸気マニホールド1の下流側の側面図である。図13は、取付フランジ8を下流側から見た図である。図14は、図13においてバルブ取付ブロック18を装着した図である。ここでは、吸気マニホールド1の下流側についてのみ説明するが、上流側の構成については、前述した第1から第3実施形態と同様である。
【0040】
本実施形態では、吸気ブランチ管6の下流側端部に形成された凹部11aにバルブ取付ブロック18が装着され、凹部11aとバルブ取付ブロック18との嵌合面に、二次添加ガスを流通するガス通路9の一部としての第4通路部11bが吸気の流れ方向に沿って構成されている。
【0041】
吸気ブランチ管6の下流側端面には、図13に示すように、吸気通路11に連続する凹部11aが形成されており、凹部11aには図14に示すようにバルブ取付ブロック18が挿入される。凹部11aにバルブ取付ブロック18が挿入された状態で溝11bが第4通路部11bを構成する。バルブ取付ブロック18は内部に吸気通路18aを有しており、吸気通路18aは、バルブ取付ブロック18が凹部11aに装着された状態で吸気通路11に連通する。また、バルブ取付ブロック18の下流側端面には溝18bが形成されており、溝18bとエンジン本体7とにより、二次添加ガスを第4通路部11bから吸気通路18aに供給する第5通路部18bが構成される。取付フランジ8の下流側端面には、凹部11aの開口の周囲に沿ってガスケット装着溝21が設けられているが、溝11b付近では溝11bを避けるように広がって形成されている。
【0042】
取付フランジ8は、図12に示すように、吸気ブランチ管6の円筒部3cの外面において上流側に拡大して形成されており、この拡大部分とフランジ部4bとの間には肉厚部3fが形成されている。肉厚部3fの厚さは、円筒部3c及び半円筒部3dの外面を基準にして、取付フランジ8及びフランジ部4aよりも薄く形成されている。また、フランジ部4a及び4bにはガス通路9の一部としての第1通路部9aが形成されており、肉厚部3fには第1通路部9aから連続して下流に向かう第2通路部9bが形成されている。第1通路部9aの上流側端部は、第1から第3実施形態と同様に、導入孔10aを介して容積室15aまたは16dに連絡されている。取付フランジ8の拡張された部分には、シャフト挿入口8aと貫通孔8bとが形成されている。シャフト挿入口8aは、図13に示すように各気筒の吸気ブランチ管6を貫いて形成されており、バルブ取付ブロック18を装着した状態で吸気制御バルブ取付のためのシャフト22が挿通される。貫通孔8bは、取付フランジ8の拡張された部分の外側から内側に向かって加工により形成され、第2通路部9bと第4通路部11bとを連絡する第3通路部8bを構成する。貫通孔8bの外側の開口部には、盲プラグや栓を挿入するための挿入口8cが形成されており、貫通孔8bを加工により形成した後、蓋の接着、盲プラグ又は栓の圧入によって閉塞される。
【0043】
二次添加ガスは、第1通路部9a、第2通路部9bを介して下流側に供給され、第3通路部8bを通って、凹部11aとバルブ取付ブロック18との嵌合面に形成された第4通路部11bに供給され、バルブ取付ブロック18の下流側端面において第5通路部18bから吸気通路18aに供給される。
【0044】
(4−2)作用効果
この吸気マニホールド1では、吸気ブランチ管6の下流側端面にバルブ取付ブロック18を装着する場合でも、バルブ取付ブロック18と凹部11aとの嵌合面を利用して第4通路部11bを形成することにより、取付フランジ8の大型化を防止しつつ、二次添加ガスをバルブ取付ブロック18の下流側まで導くことができる。
【0045】
また、第4通路部11bへの二次添加ガスの導入は、外側から貫通孔8bを形成することにより第4通路部11bを第2通路部9bに連絡することにより行うため、簡単な加工で第4通路部11bまで二次添加ガスを導くことができる。
【0046】
また、バルブ取付ブロック18と凹部11aとの嵌合面を利用して第4通路部11bを形成するので、第4通路部11bの開口を凹部11aに隣接して形成でき、ガスケットが広がるのを防止できる。
【0047】
(5)第5実施形態
図15は、第5実施形態に係る吸気マニホールドの取付フランジ8を下流側から見た図である。図16は、図15においてバルブ取付ブロック18を装着した図である。
【0048】
第4実施形態では、第4通路部11bは、吸気ブランチ管6の凹部11aに形成された溝11bとバルブ取付ブロック18の外面により形成したが、本実施形態では、バルブ取付ブロック18の外面に溝18cを形成し、吸気ブランチ管6の凹部11aの内面とともに、第4通路部11bを構成する。また、凹部11aの内壁に溝11bを形成せず、ガスケット装着溝21をバルブ取付ブロック18の外形に沿って形成する。
【0049】
このようにすれば、ガスケット装着溝21をバルブ取付ブロック18の外形に沿って形成すれば良いので、エンジン本体7に装着した場合に二次添加ガスのシール性を向上させることができる。
【0050】
(6)第6実施形態
(6−1)構造
図17は、本発明の第6実施形態に係る吸気マニホールド1の下流側の側面図である。図18は、取付フランジ8を下流側から見た図である。
【0051】
本実施形態に係る吸気マニホールド1では、図18に示すように、本体分割部1bを樹脂成形する際に第2通路部9bをフランジ部4b側から型で抜けない場合であり、第2通路部9bを取付フランジ8の下流側端面からフランジ部4bまで貫通するように加工している。この場合には、第2通路部9bがガスケット装着溝21の外側に開口してしまい二次添加ガスが漏れるため、第2通路部9bの下流側端面の開口に蓋を接着又は盲プラグ、ボール等を圧入又は接着して閉塞する。
【0052】
なお、第3通路部8bを構成する貫通孔8bの開口に蓋を接着又は盲プラグ、ボール等を圧入又は接着する代わりに、図19に示すインサート23を圧入又は接着しても良い。インサート23は、同図に示すように断面視C字状の中空部材であり、外壁23aの周方向の一部に軸方向に沿ってスリット23bが形成されている。このインサート23は、軸方向の一端が閉塞されており、他端が開放されている。このインサート23を矢印の方向に第3通路部8bに挿入すると、外壁23aにより第2通路部9bの下流側が遮断され、閉塞端で第3通路部8bの外方側開口が閉塞される。また、スリット23b及び内部空間を介して第2通路部9bが第4通路部11bと連通する。二次添加ガスは、第2通路部9bからインサート23のスリット23bを通り内部空間を経て開放端から第4通路部11bに導かれ、第5通路部18bから吸気通路18に供給される。
【0053】
(6−2)作用効果
この吸気マニホールド1では、第2通路部9bを取付フランジ8の下流側端面からフランジ部4bまで貫通させて加工により形成する場合でも、第2通路部9bから、凹部11aとバルブ取付ブロック18との嵌合面に形成された第4通路部11bに二次添加ガスを導くことができる。
【0054】
また、インサート23を第3通路部8bに挿入する場合は、第2通路部9bの下流側及び第3通路部8bの外面側開口を同時に塞ぐことができ、製造工程が簡易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る吸気マニホールド1の正面図。
【図2】図1の矢印bから見た側面図。
【図3】図2のIII−IIIにおける断面図。
【図4】図2のIV−IVにおける断面図。
【図5】吸気マニホールド1の分割部と型割の関係を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る吸気マニホールド1の側面図。
【図7】取付フランジ8を図6の矢印bから見た図。
【図8】吸気マニホールド1の分割部と型割の関係を示す図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る吸気マニホールド1の正面図。
【図10】容積部14の拡大図(その1)。
【図11】容積部14の拡大図(その2)。
【図12】本発明の第4実施形態に係る吸気マニホールド1の側面図。
【図13】取付フランジ8を下流側から見た図。
【図14】図13においてバルブ取付ブロック18を装着した図。
【図15】本発明の第5実施形態に係る吸気マニホールド1の取付フランジ8を下流側から見た図。
【図16】図15においてバルブ取付ブロック18を装着した図。
【図17】本発明の第6実施形態に係る吸気マニホールド1の下流側の側面図。
【図18】取付フランジ8を下流側から見た図。
【図19】インサート23の構成を説明する図。
【符号の説明】
1 吸気マニホールド
1a,1b 本体分割部
2a,2b,3a,3b 吸気通路形成部
4a,4b フランジ部
5 コレクタ
6 吸気ブランチ部
7 エンジン本体
8 取付フランジ
8a,8b 取付フランジ部
9 ガス通路
10,10a 導入部,導入孔
11 吸気通路
12 燃料噴射装置
13 ガスケット
14 容積室
15 枠部
16 蓋部
17 基礎部
18 バルブ取付ブロック
19 ガス分配管
21 ガスケット装着溝
22 シャフト
23 インサート
Claims (7)
- 複数の吸気ブランチ管を形成する吸気ブランチ部を含んで構成されるエンジンの吸気マニホールドであって、
二次添加ガスが導入される容積室と、容積室からの二次添加ガスを各吸気ブランチ管にそれぞれ供給するガス通路とを備え、容積室は吸気ブランチ部の外壁に複数の吸気ブランチ管を横断するように形成され、
吸気ブランチ部は、第1本体分割部と第2本体分割部とが吸気の流通方向に沿った合わせ部において密着して形成され、容積室からの二次添加ガスを供給するガス通路は合わせ部に沿って形成され吸気ブランチ管内に開口するとともに、エンジン本体に取り付けるための取付フランジを備え、
第1及び第2本体分割部は、それぞれ、略半円筒状の吸気通路形成部と、吸気通路形成部から半径方向外方に突出するフランジ部とを有し、当該フランジ部が合わせ部として互いに密着してガス通路を形成し、
ガス通路は、第1及び第2本体分割部のフランジ部に沿って取付フランジの近傍まで形成され、取付フランジの近傍から吸気ブランチ管を流れる吸気に二次添加ガスを供給する、エンジンの吸気マニホールド。 - 隣接する吸気ブランチ管のフランジ部が互いに一体に形成され、ガス通路は吸気ブランチ管間のフランジ部に沿って形成されて隣接する各吸気ブランチ管に二次添加ガスを導入するように形成される、請求項1に記載のエンジンの吸気マニホールド。
- 吸気ブランチ部の下流側の内部にバルブ取付ブロックが挿入されており、
ガス通路は、合わせ部に沿って形成された第1通路部と、吸気ブランチ部とバルブ取付ブロックとの嵌合面に形成される第2通路部とを含んで構成される、請求項1または2に記載のエンジンの吸気マニホールド。 - 第2通路部は、バルブ取付ブロックの下流側端面まで連続しており、バルブ取付ブロックの下流側端面に形成される第3通路部を経て吸気通路に開口する、
請求項3に記載のエンジンの吸気マニホールド。 - 第2通路部は、吸気ブランチ部の内面に形成される溝と、バルブ取付ブロックの外面とによって形成される、請求項3または4に記載のエンジンの吸気マニホールド。
- 第2通路部は、バルブ取付ブロックの外面に形成される溝と、吸気ブランチ部の内面とによって形成される、請求項3または4に記載のエンジンの吸気マニホールド。
- 第1通路部と連絡され吸気ブランチ部の下流側端面に開口する第4通路部をさらに有し、
吸気ブランチ部の外面側から内面に貫通して第4通路部と第2通路部とを連絡する貫通孔が形成されており、
軸方向に沿ってスリットが形成された中空のインサートが貫通孔に挿入されて、第4通路部の下流側及び貫通孔が閉鎖されるとともに、スリットを介して第4通路部と第2通路部とが連絡される、
請求項3から6のいずれかに記載のエンジンの吸気マニホールド。
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