JP4074874B2 - X線回折装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数種類のターゲット材質から放出される複数種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うX線回折装置に関する。
複数種類のターゲット材質から放出される複数種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うX線回折装置は,次の特許文献1に開示されている。
特開平11−304728号公報
この特許文献1は,まず,複数種類の特性X線を放出する回転対陰極X線管を開示している。この回転対陰極X線管は,Co(コバルト)とCu(銅)の2種類のターゲット領域を備えている。2種類のターゲット領域の並べ方については複数の実施例が示されているが,その中に,図3に示すような,回転中心線に平行な方向にCoとCuを区分けして配置したものがある。この回転対陰極からは,その上部からCoの特性X線が放出され,下部からはCuの特性X線が放出される。そして,特許文献1は,このような2種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うことを開示している。すなわち,X線管と試料の間に分光素子を配置して,分光素子の上半分に,Coの特性X線を分光するような多層膜を形成し,分光素子の下半分には,Cuの特性X線を分光するような多層膜を形成している。そして,試料とX線検出器の間には,X線の上下方向の発散を制限するソーラースリットを配置している。X線検出器としてはシンチレーションカウンタを用いている。上述の分光素子とソーラースリットの働きにより,X線光路の上半分ではCoの特性X線がほぼ平行に通過し,下半分ではCuの特性X線がほぼ平行に通過する。Coの特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うときは,分光器と試料の間に設けたシャッターを用いて,X線光路の下半分を遮断して,Coの特性X線だけを試料に照射する。一方,Cuの特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うときは,上述のシャッターでX線光路の上半分を遮断して,Cuの特性X線だけを試料に照射する。このようにして,2種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うことが可能になる。
また,本発明は,位置感応型のX線検出器を用いて試料のX線回折測定を行うことに関係があるが,位置感応型のX線検出器,特に2次元CCDセンサ,を用いて回折X線を電子的に記録することについては,次の特許文献2に開示されている。
特開2005−91142号公報
この特許文献2では,FFT(Full Frame Transfer/フルフレームトランスファー)型の2次元CCDセンサをTDI(Time Delay Integration)動作させることで,高速で高感度のX線回折測定を可能にしている。
上述の特許文献1に示すように,2種類の特性X線を放出できるX線管を用いれば,2種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を行うことが可能である。しかし,特許文献1では,2種類の特性X線を用いて試料のX線回折測定を同時に実施することはできない。シャッターを用いて,どちらか一方の特性X線だけを試料に照射しているからである。シャッターを開放して,2種類の特性X線を同時に試料に照射してしまうと,X線検出器には,Coの特性X線が試料で回折したときの回折X線と,Cuの特性X線が試料で回折したときの回折X線とが,シンチレーションカウンタに同時に入射することになり,2種類の回折X線を分離して検出することが不可能になる。
そこで,この発明の目的は,複数種類の特性X線を同時に試料に照射して,複数種類の特性X線によるX線回折測定を同時に実施できるようなX線回折装置を提供することにある。
本発明のX線回折装置は,複数種類の特性X線を同時に試料に照射して試料のX線回折測定を実施できるようにしたものであり,その構成要素としては,X線管と,試料ホルダーと,入射側及び受光側のZ方向発散制限装置と,Z方向に位置感応型のX線検出器を備えている。X線管は,第1の材質からなる第1ターゲット領域と,この第1の材質とは異なる第2の材質からなる第2ターゲット領域とを備える対陰極を有している。そして,第1ターゲット領域と第2ターゲット領域がX線の取り出し方向に垂直な方向に区分けされている。X線の取り出し方向に垂直な方向をZ方向と定義している。試料ホルダーは,第1ターゲット領域から放出される第1の特性X線と第2ターゲット領域から放出される第2の特性X線とが同時に試料の異なる領域に照射されるように試料を保持するものである。入射側のZ方向発散制限装置は,X線管と試料の間に配置されて,Z方向のX線の発散を制限し,それが回折平面に垂直な方向の発散を制限することになる。受光側のZ方向発散制限装置は,試料とX線検出器の間に配置されて,Z方向のX線の発散を制限し,それが回折平面に垂直な方向の発散を制限することになる。X線検出器は,前記第1の特性X線が照射された第1試料領域から出てくる回折X線を検出する第1の検出領域と,前記第2の特性X線が照射された第2試料領域から出てくる回折X線を検出する第2の検出領域とを備えていて,少なくともZ方向に位置感応型である。そして,このX線検出器は,前記第1の検出領域と前記第2の検出領域の境界付近のデータを除いて前記第1の検出領域の検出データと前記第2の検出領域の検出データを別個に得ることができる。
X線検出器は,少なくともZ方向に位置感応型の1次元または2次元のX線検出器であれば足りるが,好ましくは1次元または2次元のCCDセンサとすることができ,例えば,TDI動作をする2次元CCDセンサとすることができる。
入射側及び受光側のZ方向発散制限装置は,Z方向の発散角を狭く制限できるものであれば何でもよいが,例えば,その両方をソーラースリットとすることができる。これらのZ方向発散制限装置では,Z方向の発散角を例えば0.5度以下に制限することが好ましい。
本発明によれば,複数種類の特性X線を同時に試料に照射して,複数種類の特性X線によるX線回折測定を同時に実施できる。
以下,図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。図1は,本発明のX線回折装置の一実施例の平面図であり,図2はその斜視図である。なお,図2ではX線管については対陰極だけを示している。図1と図2において,このX線回折装置は,X線管10と発散スリット12と入射側ソーラースリット14と試料ホルダー16と受光側ソーラースリット18とX線検出器20とを備えている。
X線管10は回転対陰極X線管であり,その回転対陰極22は図3に示すように,第1ターゲット領域24と第2ターゲット領域26を備えている。第1ターゲット領域24は第1の材質であるCo(コバルト)でできていて円環状である。第2ターゲット領域26は第2の材質であるCu(銅)でできていて,やはり円環状である。二つのターゲット領域24,26は,回転対陰極22の回転中心線28に平行な方向に区分けされている。この実施例では,回転対陰極22の回転中心線28は上下方向に延びているので,上側に第1ターゲット領域24があり,下側に第2ターゲット領域26があって,二つのターゲット領域が上下方向に区分けされている。二つのターゲット領域24,26の上下方向の寸法は,例えば,それぞれ約5mmである。回転対陰極22は矢印30の方向に回転し,そのように回転している回転対陰極22の外周面に,陰極フィラメント32から電子ビーム34を照射すると,電子ビーム照射領域36のうちの第1ターゲット領域24に含まれる部分からはCoの特性X線CoKα(第1の特性X線)が放出され,一方,電子ビーム照射領域36のうちの第2ターゲット領域26に含まれる部分からはCuの特性X線CuKα(第2の特性X線)が放出される。したがって,回転対陰極22から放出されるX線ビーム38は,放出されるX線が互いに平行に進行すると仮定すれば,上半分がCoの特性X線であり,下半分がCuの特性X線である。実際には,X線はいろいろな方向に放出されるので必ずしも互いに平行に進行することはないが,後述のように,X線回折装置の光学系において,少なくとも上下方向にはX線の発散角が狭く制限されているので,X線回折に使われるX線としては,上述のように,上半分がCoの特性X線となり,下半分がCuの特性X線となる。
X線ビーム38の取り出し方向は,回転対陰極22上の電子ビーム照射領域36とX線管のX線取り出し窓との位置関係によって定まるが,この実施例では,X線の取り出し方向は水平方向である。そして,このX線取り出し方向に垂直な方向(上下方向)に二つのターゲット領域24,26が区分けされている。したがって,本発明におけるZ方向は,この実施例では上下方向である。
図1と図2に戻って,試料ホルダー16には凹所が形成されていて,その凹所に粉末の試料40が充填されている。試料ホルダー16の配置位置は,試料40に2種類の特性X線が同時に当たるような位置である。試料ホルダー16は試料台42に固定されていて,試料台42はゴニオメータの回転中心線44の周りを回転できる。その回転をω回転と呼ぶことにする。そして,回転中心線44を通過するX線ビーム38と試料40の表面とのなす角度をωと定義する。また,試料台40とは独立に回転可能な2θ回転台46があって,この2θ回転台46も回転中心線44の周りを回転でき,その回転を2θ回転と呼ぶことにする。2θ回転台46には検出器アーム48が固定されていて,この検出器アーム48に受光側ソーラースリット18とX線検出器20が搭載されている。回転中心線44を通過するX線ビーム38と,回転中心線44とX線検出器20の中心とを結ぶ線分(回折X線50の方向に相当する)とのなす角度を2θと定義する。
発散スリット12はX線管10と試料40の間に配置されている。この発散スリット12はX線ビーム38の水平方向の発散角(回折平面内の発散角,すなわち横発散の発散角)を所定の角度に制限するものである。この実施例では水平方向の発散角は2度に設定している。入射側ソーラースリット14は発散スリット12と試料40との間に配置されている。この入射側ソーラースリット14はX線ビーム38の上下方向の発散角(回折平面に垂直な方向の発散角,すなわち,縦発散の発散角)を小さい発散角に制限するもので,この実施例では,上下方向の発散角を0.5度以内に制限して,X線ビーム38の上下方向の平行化を図っている。これにより,試料40に入射するX線ビーム38の上半分がCoの特性X線だけになり,下半分がCuの特性X線だけになる。また,受光側ソーラースリット18は,試料40から出てくる回折X線50の上下方向の発散角を小さい発散角に制限するものであり,この実施例では,上下方向の発散角を0.5度以内に制限して,回折X線50の上下方向の平行化を図っている。これにより,X線検出器20に入射する回折X線50の上半分がCoの特性X線についての回折X線だけになり,下半分がCuの特性X線についての回折X線だけになる。入射側ソーラースリット14が本発明における入射側のZ方向発散制限装置に該当し,受光側ソーラースリット18が本発明における受光側のZ方向発散制限装置に該当する。
次に,X線検出器20を説明する。このX線検出器20は,TDI動作が可能な2次元のCCDセンサである。図4は試料40とX線検出器20との位置関係を示す斜視図である。X線回折測定の間,試料40はゴニオメータの回転中心線44の周りをω回転し,一方,CCDセンサ20は同じ回転中心線44の周りを2θ回転する。そして,ω:2θ=1:2の角速度比となるように両者を連動回転させることで,試料40とCCDセンサ20をいわゆるθ/2θスキャンさせることができる。そして,図1に示すように,試料40の比較的広い面積にわたって,水平方向の所定の発散角を有するX線ビーム38を入射角ωで照射しており,試料40からの回折X線を,X線ビーム38に対してωの2倍となる2θ方向のX線検出器20で検出しているので,図1のX線回折装置は,基本的には集中法の光学系となっている。このような光学系により,試料40の粉末回折パターンをCCDセンサ20で記録できる。
図4において,試料40上の上下方向に細長い領域52を考えると,この領域52から発生する回折X線54は,いわゆるθ/2θスキャンで動いていくCCDセンサ20の水平方向の中央付近でもっとも強度が強くなるが,そこを中心にして,水平方向に所定の強度分布を示す。TDI動作の2次元CCDセンサ20を用いると,そのような強度分布を同時に記録していくので(すなわち,通常の集中法では受光スリットで遮られて検出されない部分も記録していくので),高速で高感度の測定が可能になる。
試料40の上半分の第1試料領域66にはCoの特性X線が照射され,そこからの回折X線は,CCDセンサ20の上半分の領域62の画素で検出される。また,試料40の下半分の第2試料領域68にはCuの特性X線が照射され,そこからの回折X線は,CCDセンサ20の下半分の領域64の画素で検出される。
図5はCCDセンサ20の構成図である。このCCDセンサは,TDI動作が可能なフルフレームトランスファー(Full Frame Transfer:FFT)型のCCDセンサである。このCCDセンサは,N行×M列の画素を含んでいる。この実施例では512行×512列である。各列では,第1行から第N行まで,受光部56が順番に並んでいる。各受光部56は,ひとつの画素を構成していて,電荷を蓄積するポテンシャルウェル(電子の井戸)となっている。そして,第1行から第N行までのN個の受光部が,アナログ式の垂直シフトレジスタを構成する。受光部56にX線が当たると,その受光部で信号電荷が発生し,そこに電荷が蓄積される。蓄積された電荷は,垂直転送クロック信号を受けるたびに,次の行に転送される。垂直転送クロック信号のパルス間隔が,TDI動作の転送周期に相当する。最終の第N行の電荷は,アナログ式の水平シフトレジスタ58に転送される。水平シフトレジスタ58は,第1列から第M列までのポテンシャルウェルで構成されている。水平シフトレジスタ58上の各列の電荷は,水平転送クロック信号を受けるたびに,次の列に転送される。そして,最後の第M列のポテンシャルウェルの電荷は,出力部60においてアナログ電圧信号に変換されて出力される。
図1に示すX線回折装置において,CCDセンサを2θ回転させながら,CCDセンサをTDI動作させて,回折パターンを記録するには,2θ回転のスピードと,CCDセンサのTDI動作の転送周波数とを,所定の関係に設定しなければならない。そのためには,X線回折装置の制御装置の側から,2θ回転のスピードの制御に合わせた転送タイミング信号をCCDセンサに与えるのが好都合である。具体的には,TDI動作の転送周波数に,CCDセンサの画素の電荷転送方向(図5の行横断方向)のサイズを掛け算したものが,2θ回転するCCDセンサの移動速度に等しくなるようにする。CCDセンサをTDI動作させて,2θ回転するCCDセンサ上に回折パターンを記録するには,TDI動作の間は,CCDセンサは常に露光状態にしておく。
図6は,図5の出力部60から出力された測定生データを一時的に記憶する記憶装置の記憶領域配列図である。測定生データを符号Sで表し,第1チャンネルの第1列の測定生データをS(1,1)と表現している。第1チャンネルの第1列から第M列までの測定生データS(1,1),S(1,2),S(1,3),……,S(1,M)は,第1チャンネル用のM個の記憶領域に格納される。同様に,第2チャンネル以降のデータも,それぞれの記憶領域に格納される。チャンネル番号が増加する方向が,回折角2θが増加する方向である。このように格納された2次元配列の測定生データを,そのまま表示装置等に表示すれば2次元の画像になる。また,第1列から第M列までのデータを合計して,T(1),T(2),……というように,ひとつのチャンネルに対してひとつのデータ(合計データ)を割り当てれば,1次元の測定結果になる。回折パターンを表示する場合には,横軸に回折角2θを,縦軸にその2θに対応するチャンネル番号の合計データをとればよい。TDI動作の2次元CCDセンサを用いたこのようなX線回折測定の詳細については上述の特許文献2に詳しく記載されている。
この実施例では,図4に示すように,CCDセンサ20の多数の画素を上下の二つの領域62,64に分けて,そのそれぞれで別個に,列横断方向の記録値を合計している。図7は512行×512列の画素を上下二つの領域に分けて,それぞれ別個に列横断方向の記録値を合計する様子を示す記憶領域配列図である。第1チャンネルについて説明すると,第1列から第256列までの測定生データを合計したものがT(1,1)であり,第257列から第512列までの測定生データを合計したものがT(1,2)である。上半分の画素についての合計値T(1,1)は,Coの特性X線による回折X線強度である。一方,下半分の画素についての合計値T(1,2)は,Cuの特性X線による回折X線強度である。第2チャンネル以降も同様である。したがって,CCDセンサ20の上半分の記録データに基づいて回折パターンを表示すればCoの特性X線による粉末回折パターンとなり,CCDセンサ20の下半分の記録データに基づいて回折パターンを表示すればCuの特性X線による粉末回折パターンとなる。
現実には,図4において,CCDセンサ20の上半分の領域62と下半分の領域64の境界付近の画素には,Coの特性X線とCuの特性X線が互いに多少混じって検出されることが考えられるので(上下方向の発散を完全にはゼロにはできないので),図7に示すような列横断方向の合計値をとるときに,上述の境界付近の画素のデータを列横断方向の合計値から除いてもよい。
図8は,図1に示すX線回折装置を用いて,LiCo5Ni5からなる粉末試料の粉末回折パターンを測定したグラフである。試料としてCoとNiを含むものを使った場合,次のことが予想される。CuKα線(Cuの特性X線)のエネルギーは8keVであり,CoKα線(Coの特性X線)のエネルギーは6.9keVであり,CoのK吸収端のエネルギーは7.7keVであり,NiのK吸収端のエネルギーは8.3keVである。したがって,CuKα線が照射された試料領域では,Coが励起されてCoの蛍光X線が発生してバックグラウンドが上昇することが予想される。これに対して,CoKα線が照射された試料領域では,蛍光X線が発生しないので,低バックグラウンドの回折データが得られることが予想される。
図8において,LiCo5Ni5(Co)と表示してあるグラフは,Coの特性X線による粉末回折パターンであり,CCDセンサの上半分の領域で記録したデータに基づいて得られたものである。LiCo5Ni5(Cu)と表示してあるグラフは,Cuの特性X線による粉末回折パターンであり,CCDセンサの下半分の領域で記録したデータに基づいて得られたものである。測定条件は,X線管の運転条件が40kV−200mAであり,2θのスキャン速度が毎分40度である。
図8のグラフにおいて,LiCo5Ni5(Cu)の回折パターンでは,LiCo5Ni5(Co)と比較して,大きなバックグラウンドBが存在するが,このバックグラウンドBのかなりの部分は,試料中のCoがCuの特性X線によって励起されて蛍光X線として検出されたものである。
この実施例によれば,1回の測定で,2種類の特性X線によるX線回折データを同時に(すなわち,全く同じ条件で)収集できるので,定性分析や定量分析の解析能力,解析精度及び解析確度が向上する。今回測定したようなCoとNiが入った試料の場合,CoKα線のエネルギーとCuKα線のエネルギーの間にCoの吸収端のエネルギーが入るので,Coの異常分散を利用した解析が可能となる。
本発明は上述の実施例に限定されず,次のような変更が可能である。
(1)3種類以上の材質の特性X線を使うこともできる。例えば,図3において,CoとCuに加えて,さらにMo(モリブデン)を追加することもできる。その場合,Co,Cu,Moを上下に区分けして配置する。
(2)縦方向の発散を制限するために,ソーラースリットに代えて,その他の発散角制限手段を用いてもよい。例えば,ソーラースリットの代わりに分光器を配置することで,X線を単色化かつ平行化して,縦方向の発散を非常に小さくすることができる。その場合,分光器を,Coの特性X線用の分光部分と,Cuの特性X線用の分光部分とに区分けすることになる。
(3)TDI動作の2次元CCDセンサの代わりに,少なくとも上下方向に位置感応型の1次元または2次元の任意のX線検出器を用いることができる。本発明を実施するには,原理的には,2θ方向に位置感応型である必要はないので,上下方向だけに位置感応型であれば足りる。その場合,上下方向に多数の画素を備えたものであってもよいし,2種類のX線波長に合わせて2つの領域だけに区分けされた位置感応型であってもよい。
本発明のX線回折装置の一実施例の平面図である。 図1のX線回折装置の斜視図である。 回転対陰極の斜視図である。 試料とX線検出器との位置関係を示す斜視図である。 CCDセンサの構成図である。 CCDセンサの記憶領域配列図である。 512行×512列の画素を上下二つの領域に分けて,別個に列横断方向の記録値を合計する様子を示す記憶領域配列図である。 図1に示すX線回折装置を用いて測定した粉末回折パターンのグラフである。
符号の説明
10 X線管
12 発散スリット
14 入射側ソーラースリット
16 試料ホルダー
18 受光側ソーラースリット
20 X線検出器(CCDセンサ)
22 回転対陰極
24 第1ターゲット領域
26 第2ターゲット領域
28 回転対陰極の回転中心線
38 X線ビーム
40 試料
42 試料台
46 2θ回転台
50 回折X線
66 第1試料領域
68 第2試料領域

Claims (4)

  1. 次のものを備えるX線回折装置。
    (ア)第1の材質からなる第1ターゲット領域と,前記第1の材質とは異なる第2の材質からなる第2ターゲット領域とを備える対陰極を有し,前記第1ターゲット領域と前記第2ターゲット領域がX線の取り出し方向に垂直な方向(以下,Z方向という)に区分けされている,X線管。
    (イ)前記第1ターゲット領域から放出される第1の特性X線と前記第2ターゲット領域から放出される第2の特性X線とが同時に試料の異なる領域に照射されるように試料を保持する試料ホルダー。
    (ウ)前記X線管と前記試料の間に配置されて,Z方向のX線の発散を制限し,それが回折平面に垂直な方向の発散を制限することになる,入射側のZ方向発散制限装置。
    (エ)前記試料から出てくる回折X線を検出するX線検出器であって,前記第1の特性X線が照射された第1試料領域から出てくる回折X線を検出する第1の検出領域と,前記第2の特性X線が照射された第2試料領域から出てくる回折X線を検出する第2の検出領域とを備えていて,前記第1の検出領域と前記第2の検出領域の境界付近のデータを除いて前記第1の検出領域の検出データと前記第2の検出領域の検出データを別個に得ることができる,少なくともZ方向に位置感応型のX線検出器。
    (オ)前記試料と前記X線検出器の間に配置されて,Z方向のX線の発散を制限し,それが回折平面に垂直な方向の発散を制限することになる,受光側のZ方向発散制限装置。
  2. 請求項1に記載のX線回折装置において,前記X線検出器が少なくともZ方向に位置感応型の1次元または2次元のCCDセンサであることを特徴とするX線回折装置。
  3. 請求項2に記載のX線回折装置において,前記X線検出器がTDI動作をする2次元CCDセンサであることを特徴とするX線回折装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載のX線回折装置において,前記入射側のZ方向発散制限装置と前記受光側のZ方向発散制限装置がどちらもソーラースリットであることを特徴とするX線回折装置。
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