JPH0545306A - X線分析装置 - Google Patents

X線分析装置

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JPH0545306A
JPH0545306A JP3207802A JP20780291A JPH0545306A JP H0545306 A JPH0545306 A JP H0545306A JP 3207802 A JP3207802 A JP 3207802A JP 20780291 A JP20780291 A JP 20780291A JP H0545306 A JPH0545306 A JP H0545306A
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JP
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ray
rays
detector
energy
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JP3207802A
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Naoki Yamamoto
直樹 山本
Hiroshi Tsunemi
博 常深
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微弱でかつ空間微小領域に分布したX線を高感
度で検出する。 【構成】極微細なX線エネルギ検知子を基板上に2次元
的に配置したX線検出器により検出されたX線の輝度及
びエネルギ情報を2次元表示装置上で検知子の位置に対
応させて表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線などの光や放射
線,電子線あるいはイオンなどを被測定材料に照射した
とき放射されるX線を用いて材料の性質を検査・解析す
るに好適なX線分析装置およびX線回折測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に用いられているX線検出器は、
X線の空間分布は観察できるがエネルギの解析能力がな
いものと、その逆にエネルギは解析できるが空間分布の
観察能力が無いものに大別できる。
【0003】近年、この両者の検出可能性を持ったチャ
ージ・カップルド・デバイス(CCD:Charge Coupled Devi
ce)の研究がなされている「エル・エヌ・コッペル:
“ダイレクト ソフト エックス−レイ レスポンス
オブ ア チャージ カップルド イメージ センサ
ー”,レビュサイエンス インスツルメンツ,ボリュー
ム 48,ナンバー6,ページ 669〜672,19
77,L.N.Koppel:“Direct Soft X-ray Response o
f a Charge-coupled Image Sensor”,Rev.Sci. Instru
m., Vol.48, No.6, 1977 pp.669〜672./
アール・シール・カツラ アンド アール・シー・ス
ミソン:“シングル フォトン エックス−レイ デテ
クション ウイズア シーシーデー センサー”,レビ
ュサイエンス インスツルメント,ボリューム 50,
ナンバー2,ページ219〜220,1979,R. C.
Catura and R. C. Smithson:“SinglePhoton X-ray De
tection with a CCD Sensor”, Rev. Sci. Instrum., V
ol.50, No.2, pp.219〜220,1979./ デ
ー・エッチ・ラム,ジー,アール.ホプキンソン アン
ド エー・エー・ウェルズ:“パーフォーマンス オブ
シーシーデーズ フォー エックス−レイ イメージン
グ アンド スペクトロスコピー”ニュークリア イン
スツルメント アンド メソッド フィジックス レサ
ーチ,ボリューム 221,ページ 150〜158,
1984,D.H. Lumb, G. R. Hopkinson and A. A. Wel
ls:“Performance of CCDsfor X-rayImaging and Spect
roscopy”, Nucl. Instr. and Meth. Phys. Res.,Vol.2
21,pp. 150〜158,1984.」。しかしいずれ
の報告も、X線エネルギの2次元分布像としたものはな
く、また2次元撮像する場合は像内の各点での輝度を判
別するだけでエネルギの識別は行っていない。さらに、
これらの検出器を回折X線や蛍光X線の検出に応用した
例は無く、検出したX線の中から回折X線と蛍光X線を
分離可能とした装置は従来知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】集積回路(ラージ ス
ケール インテグレーティッド サーキット LargeSca
le Integrated Circuit:LSI)の製造工程において
必要となる各種材料検査や、完成したLSIに発生した
不良箇所の解析では、X線などの光や電子線あるいはイ
オンなどのビームを照射し、このとき各種材料から放射
されるX線を測定してその状態を評価することが多い。
この場合、測定箇所は数ミクロンメーターから数ナノメ
ーターと非常に微細な領域に限られるため、測定に際し
て探針として用いられる上記の各種ビーム径は該領域と
同等あるいはそれより約一桁程度に微細化される。この
ようにビームが微細化されると材料から放出されるX線
の輝度が極端に弱くなる。また微細化にともない該材料
から放射されてくるX線の空間分布領域も狭くなる。
【0005】この放射X線を検出し、エネルギを解析す
るために半導体検出器(ソリッドステート ディテクタ
ー Solid State Detector:SSD)が一般的に用いら
れる。その受光部は単一のフォトダイオードからなる。
その面積は10〜200mm2と大きい。図3に示すごと
く材料情報を持つX線16は前述のように空間的に局在
しているため、受光部の中の限定された領域にのみ入射
する。一方、被測定材料あるいは測定装置内壁などで散
乱された散乱X線17は空間的に広く分布しており受光
部全体に入射する。この散乱X線は先に述べた材料特性
の情報を持つ輝度の低いX線検出に際して雑音となる。
このため、微細ビーム探針を用いるX線分析では、精度
や分解能などの測定限界の向上を図るうえでの大きな障
害となっている。
【0006】また、微細X線ビームを多結晶材料の局所
領域に照射し、そのとき得られる回折X線を測定して該
材料の格子定数や結晶構造を求める場合、X線回折測定
には試料台および検出器を同軸で回転させ、ブラッグの
回折条件にあった回折角θを求める方法が一般的に用い
られる。この方法は非分散あるいは波長分散とよばれ、
次の第1式を適用し、波長λ一定のX線を照射したとき
のθを測定して格子定数dを決定する。
【0007】 2d・sinθ=λ …(1) =hc/E …(2) h:プランクの定数 c:光速度 E:回折X線のエネルギ この方法では、1次X線のビーム径が前述したように微
細化されてくると試料台回転にともなう軸振れが無視で
きなくなる。すなわち、回転とともに試料上のX線照射
位置が変動し、所望の位置の測定ができなくなる。ま
た、試料台と検出器の各回転軸をミクロンメーターある
いはそれ以下の精度で一致させるのは難しい。このた
め、探針として微細X線ビームを用いるX線回折測定で
は連続のエネルギ分布を持つX線が利用されている(エ
ヌ・ヤマモト アンド ワイ ホソカワ:“ディベロッ
プメント オブ アン イノベーティブ 5ミクロンメ
ーターファイ フォーカスド エックスレイ ビーム
エネルギーディスパーシブ スペクトロメター アンド
イッツ アプリケーションズ”ジェ・ジェ・エー・ピ
ー.,ボリューム27, ナンバー11,ピー・ピー・エル
2203−エル22061988 N. Yamamoto and Y.
Hosokawa:“Developmennt of an Innovative5μmφ
X-ray Beam Energy-spectrometerand its Application
s",J. J. A.P., Vol.27, No.11 p.p.L2203−
L2206,1988)。この場合、該X線と被測定材
料のなす角度を任意のθに固定したとき、上の第2式の
条件を満たすエネルギをもつX線のみが回折してくる。
このX線のエネルギをSSDにより測定してピーク・エ
ネルギに相当する結晶の面指数や格子面間隔を決定す
る。この方法はエネルギ分散型X線回折測定法と呼ばれ
ている。しかしこの方法においては、入射X線のビーム
径が被測定多結晶材料の結晶粒と同程度まで微細化され
てくると単結晶のX線回折測定と同様に回折X線は空間
面内で点在するようになる。各結晶粒の配向性はそれぞ
れ異なり未知であるため、空間面内に局在する回折X線
をエネルギ測定のための単板受光部からなるSSDで探
すのは非常に難しく時間を要するとの問題が生じる。
【0008】本発明の目的は、微弱でかつ空間微小領域
に分布したX線を高感度で検出可能としたX線分析装置
を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は上記エネルギ分散型測
定法の問題を解決し、短時間で結晶の面指数や格子面間
隔を決定できるX線回折測定装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、SSDと同
じ働きをする極微細なX線エネルギ検知子を基板上に2
次元的に配置し、その各検知子から得られたX線の輝度
及びエネルギ情報を2次元表示装置上で検知子の位置に
対応させて表示することにより達成される。検知子に
は、シリコンなどの半導体基板の表面領域に埋め込んだ
2次元配置フォトダイオードあるいは電荷結合素子(チ
ャージ カップルド デバイス chargecoupled devic
e:CCD)を用いる。受光部素子を貫通して基板内に
侵入した単位X線(光子)は、基板内でそのエネルギに
比例した電子−正孔対を生成する。シリコン基板の場
合、3.65eV のエネルギを持つ光子の入射で一対の
電子−正孔が発生する(エス.エフ.コズロフ:プリペ
アレーション アンド キャラクタリスティクス オブ
ナチュラル ダイアモンド ニュクリア ラディエー
ション ディテクタ”,アイ・イ・イ・イ・ トランザ
クション オン ニュクリアサイエンス,ボリューム
エヌーエス22,ピー・ピー・160〜170,197
5, S.F.Kozlov;“Preparation and Characteristics
of NaturalDiamond Nuclear Radiation Detectors”,
IEEE Tran. Nuclear Science, Vol.NS−22,p.p.1
60〜170,1975)。この発生電荷は生成領域上
に設けられた各単位素子(検知子)で収集し、その電荷
数を入射したX線のエネルギおよび光子数(輝度)に換
算する。なお上記以外に、2次元配置した検知子を用い
て基板深さ方向での電荷発生距離(X線侵入深さ、すな
わちX線エネルギに対応)、あるいは電荷発生後の基板
面内方向への電荷の広がり分布量などを測定することに
よりX線エネルギや輝度を決定することができる。
【0011】空間面内での任意の特定位置におけるエネ
ルギ・スペクトルや輝度などの情報はX線検出器をその
領域に設定し、検出器の中の2次元配置検知子群におけ
る特定位置の対応番地検知子を電気的に指定し、その検
知子からの情報のみを抽出することにより得られる。な
お、検知子群からなる検出器受光部の大きさには限界が
ある。このため空間に広く分布する放射X線情報は検出
器移動機構によりX線検出器の受光部を空間面内の縦及
び横方向に一定間隔で移動させ、各位置における2次元
情報を情報収集器に記憶させる。その後、表示装置上に
各位置における記憶情報を再配置し、全体空間像を表示
する。
【0012】
【作用】微細1次ビームを被測定材料に照射し、そのと
き放射されるX線を検出するために上記の2次元配置X
線検出器を応用した場合、以下の作用が期待される。
【0013】1.放射X線の2次元空間分布像を表示装
置上で得られるため画像処理を行うことが可能となる。
その結果、散乱X線などの雑音を除去することができる
ため、従来の写真フィルムに撮影してX線空間分布像を
観察する方法では確認できなかった極微弱なX線を検出
できる。
【0014】2.X線のエネルギ検出にあたって、従来
のSSDでは空間的に局在したX線を探すのに大きな労
力を要したが、本発明では2次元像として得られるた
め、その位置が容易に特定できる。
【0015】3.1次X線に連続X線を用いた場合で
も、種々のエネルギの放射X線からなる2次元像のうち
特定のエネルギだけを抽出した2次元像とすることによ
り、波長分散型のX線回折測定ができる。この方法で
は、先に述べたディフラクトメーターのように試料台を
回転させる必要がなく静止状態で測定できるため回折角
が正確に決定できる特長を有し、微細1次ビームをもち
いる回折装置に適している。また、一般的な波長分散型
の回折測定装置では、X線発生機から放射されたX線の
うち特定のエネルギ(波長)を持つX線のみを透過する
フィルター(薄板あるいは回折格子)を、X線源と試料
間に設置する必要がある。このフィルターは照射X線の
輝度を弱くしたり、装置の光学系を複雑にするため、微
細ビームを用いるX線回折装置には不向きである。本発
明による装置ではX線検出後必要なエネルギを持つX線
のみを抽出できるため、従来法のような欠点がない。
【0016】4.従来、波長分散型とエネルギ分散型X
線回折装置は光学系の配置,利用検出器および測定法が
異なるため、同一の装置を兼用することができなかっ
た。本発明の装置では、両X線回折測定法を同一光学配
置で同時に適用できるため、実験目的にあった測定法を
選択できる。また、両測定法を補完的に利用できるため
測定精度の向上が図れる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)本実施例を図1の装置構成図により説明す
る。X線発生源として汎用の回転対陰極X線発生機1を
用いた。発生機から放射したX線は入射端口径が30μ
mφで出射端口径が7μmφの回転楕円体形状を持つガ
ラス細管2を通過させた。このとき試料3上で5μmφ
の微細X線ビーム4が得られた。試料から放射した回折
X線や蛍光X線5は2次元配列した検知子群からなるX
線検出器6により検出した。検知子群から得られた2次
元情報は2次元表示装置(ブラウン管)7上に逐次表示
するとともに一旦記憶装置8に格納し、そのあと計算機
9により所望の画像処理をほどこし再び表示装置上に表
示できるような構成とした。上記のX線検出器6とし
て、図2に示すように有効画素数が1000×510の
CCDチップ12を用いた。CCDチップの前部には通
常の光学撮像素子で用いられる各種レンズ系はなく、機
械的に動作するX線遮蔽用の高速可変速シャッター13
のみを取付けた。したがって、シャッター開放時には、
CCDの受光部に直接X線が照射される。シャター速度
は開放時に検知子に入射する光子が数個以内になるよう
に設定する。これは、先に述べたように発生電子−正孔
対の数から入射光子のエネルギを求めるため、一度に複
数個の光子が同一検知子に入射する確率を低くするため
である。CCDチップは微弱X線を検出可能とするた
め、ペルチエ素子あるいは液体窒素で冷却された銅製台
14上に直接接触させ、熱雑音を除去できる構造とし
た。また、CCDチップの有効受光面積が約2cm×1cm
と小さいため、X線検出器を空間面内で一定距離ごと移
動させながら各位置での検出2次元情報を記憶装置に保
存した。なお、15はX線検出器枠である。次にこれら
を画像処理装置により1枚の2次元情報に合成すること
により、試料から放射した回折X線や蛍光X線の空間全
体における分布を観察できるようにした。なお、試料か
ら放射されるX線が種々のエネルギを有している場合、
(1)エネルギを分離しない2次元分布像、(2)任意
エネルギのみを抽出した2次元分布像、そして(3)任
意空間位置におけるエネルギ・スペクトルが測定できる
ようにした。
【0018】(実施例2)実施例1と同じ装置構成にお
いて、検出器をフォトダイオードの2次元配置で置き換
えたX線分析装置を作製した。検知子となる単位フォト
ダイオードの大きさは、約5μm角とした。1チップ上
に配置した有効受光部素子数は信号入力回路,記憶装置
および表示装置を実施例1と共用するため、同一素子配
置数とした。本実施例の単位検知子の面積は実施例1よ
り約16分の1小さいため、より高精細な2次元分布像
が得られた。しかしながら、各番地の検知子から信号を
読みだすためのスイッチング回路から発生する雑音は実
施例1より大きな値を示した。したがって本実施例は比
較的X線輝度が高く、かつ高精細な空間分布情報を必要
とする場合に適している。一方、実施例1は微弱X線の
空間解析を必要とする場合に適している。ただし、これ
らは各検知子の製造技術に依存しており、単位検知子の
小さいCCD検出器が作製できる場合には、信号処理の
容易さなどを考慮にいれると実施例1の方が汎用性があ
るといえる。
【0019】(実施例3)実施例1の装置構成におい
て、1次X線ビームとして連続したエネルギを持つX線
を使用し、任意の方向から試料に照射した。試料として
シリコン単結晶基板上にLSIが組み込まれた多層構造
体を用いた。この時、試料から放射されるX線は回折X
線,蛍光X線及び散乱X線からなる。上記装置の検出器
にはこれらが混在した2次元分布像が観察された。LS
Iの多結晶材料部に照射したとき、観察像内に帯状ある
いは点状の回折X線が検出されたが、結晶粒の状態によ
っては各点がぼやけた広がりのある分布が得られた。こ
のような場合は、やはり同様の分布を示す蛍光X線と像
内で識別出来なくなった。これに対処するため、試料台
の回転軸を数度の角度だけ回転させた。この時、観察像
内では回折X線に対応した部分だけが移動するため、あ
まり移動しない蛍光X線と容易に識別出来た。次に、回
折X線による像の部分だけ画像処理により抽出し、各回
折点のエネルギを検出器の信号より識別し、各エネルギ
ごとの2次元像をやはり画像処理により作成した。この
各エネルギの像は試料内の異なる材料から放射された回
折空間像であり、これより多層構造体各材料の格子定数
や化合物などの結晶構造を一度の測定で解析できること
がわかった。上記は検出器の特長を生かした方法であ
り、従来から知られている波長分散X線回折法とエネル
ギ分散型X線回折法を結合した新しい方法である。この
方法では、一般的なX線回折で1次X線側に取付けられ
る特性X線のみを抽出するためのフィルタが不要にな
る。このため、1次X線系が簡素になり、かつフィルタ
によるX線の減衰を無くすることができ、輝度の高いX
線ビームを試料に照射できるという特長があった。ま
た、エネルギ分散法を用いているため、任意の方向から
X線を照射でき、かつ通常のディフラクトメータのよう
に試料と検出器を回転しながら測定する必要がないた
め、LSIなどの微小部のX線回折測定には有効である
ことが明らかになった。
【0020】次に、検出2次元像の中から上記の回折X
線部を除去し、残った部分で輝度の高い個所は蛍光X線
であり、その部分のエネルギを解析することによりX線
照射部の材料の同定を行うことが出来た。
【0021】なお、散乱X線は、2次元像の中で連続的
に分布しているため、回折X線や蛍光X線など他からの
識別は容易である。そこで、上記の各種解析前に散乱X
線部分を画像処理により除去しておくことにより、より
解析が容易に行うことができた。
【0022】
【発明の効果】LSIの微小部の結晶および微量元素解
析に本発明のX線分析装置を適用し、従来のX線回折お
よび蛍光X線分析装置には無かった以下の効果を確認し
た。
【0023】1.被測定材料から放射される回折X線や
蛍光X線の空間分布状態を検出と同時に観察できるた
め、測定の迅速化が図れた。従来は写真乾板に撮影した
後、現像する必要があった。
【0024】2.空間像だけでなくX線のエネルギ分布
像も同時に観察できる。この長所を生かして、検出した
X線空間像をエネルギ分離し、計算機による画像処理を
行うことにより、雑音となる不要な散乱X線などを除去
することが可能となった。この結果、数光子程度の極微
弱なX線の検出が可能となり、LSIの電極・配線など
に用いられている50nm程度の極薄金属薄膜の局所部
のX線回折測定が可能となった。さらに、微細X線ビー
ムを全反射条件で照射して試料表面に存在する元素から
の放射される極微弱蛍光X線を測定した。そして従来装
置では検出が困難な微細領域における109個/cm2レベ
ルの微量元素が検出できることを確認した。
【0025】3.波長分散型X線回折測定においても連
続X線を用いることができるため、従来装置のようにX
線発生機から放射されたX線のうち、特定波長を持つX
線だけを取りだして試料に照射する機構が不要となる。
このため、本発明装置ではこの機構通過時にうける試料
への照射X線輝度の低下が防げ、かつ光学系が単純化で
きた。
【0026】4.従来のX線分析装置では困難であった
波長分散型X線回折測定,エネルギ分散型X線回折測定
そして蛍光X線分析が同一装置で同時に行える特長を有
している。このため、試料状態や測定目的にあった評価
法を適用できることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線分析装置の構成図である。
【図2】本発明に係るX線検出器の構造断面図である。
【図3】X線検出器の受光部におけるX線入射の状況を
説明するための図である。
【符号の説明】 1…X線発生機、2…微細X線形成機構、3…試料、4
…微細X線ビーム、5…被測定材料からの放射X線、6
…2次元空間分布/エネルギ・スペクトル、同時観察X
線検出器、7…2次元表示装置、8…検出情報記憶装
置、9…計算機、10…X線検出器移動装置、11…分
析室、12…検知子2次元配置チップ、13…高速可変
シャター、14…X線検出素子冷却台、15…X線検出
器枠、16…材料情報を持つX線(回折X線,蛍光X線
等)、17…妨害X線(散乱X線)、18…単板X線検
出器(SSD)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線などの光や放射線,電子線あるいはイ
    オンなどのビームを被測定材料に照射する手段と、該材
    料から放射されたX線の空間的分布と各空間位置でのX
    線のエネルギを検出するX線検出器と、検出結果を検出
    位置に対応させて2次元的に表示する手段とを有するこ
    とを特徴とするX線分析装置。
  2. 【請求項2】上記ビームを集束・微細化する手段と、被
    測定材料上の所望の局所位置に該ビームを照射する手段
    とを有することを特徴とする請求項1記載のX線分析装
    置。
  3. 【請求項3】上記X線検出器は、シリコンあるいはゲル
    マニウム基板上に2次元配置された微細検知子群を有す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線分析装
    置。
  4. 【請求項4】上記微細検知子群を一定間隔で移動させ、
    各位置で検出された2次元X線分布情報を記憶する手段
    と、各位置での2次元情報を一枚もしくは数枚の2次元
    情報配置面に再配置する手段とを有し、X線検出器の2
    次元配置検知子群より大面積のX線空間分布を解析可能
    としたことを特徴とする請求項3記載のX線分析装置。
  5. 【請求項5】上記微細検知子群のうち、任意位置の単一
    検知子あるいは検知子群の検出信号を選択的に抽出可能
    としたことを特徴とする請求項4記載のX線分析装置。
  6. 【請求項6】上記X線検出器の基板内に入射したX線に
    より発生する電荷および発生電荷分布から該X線のエネ
    ルギを求める手段を有することを特徴とする請求項4記
    載のX線分析装置。
  7. 【請求項7】上記被測定材料を微小回転させるかあるい
    は検出器を微小移動させる手段と、放射された該X線を
    回折X線および蛍光X線を選別する手段とを有すること
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のX線分析
    装置。
  8. 【請求項8】上記蛍光X線を検出する手段を有すること
    を特徴とする請求項7記載のX線分析装置。
  9. 【請求項9】上記回折X線を検出する手段を有すること
    を特徴とする請求項7記載のX線回折装置。
  10. 【請求項10】2次元配置検知子群からなるX線検出器
    と、特定のエネルギを持つX線の空間的分布のみを抽出
    する手段と、該空間的分布の中から回折X線を選択して
    回折X線配置を求める手段と、被測定材料格子面と各回
    折X線の空間位置との相対角度を求める手段と、特定さ
    れた回折X線の相対角度と上記X線のエネルギより材料
    の格子定数や面指数などを求め結晶構造を決定する手段
    とを有することを特徴とするX線回折装置。
  11. 【請求項11】被測定試料に連続X線を照射する手段
    と、該試料から放射されるX線のうち、空間的任意位置
    におけるX線のエネルギ・スペクトルを求める手段と、
    該スペクトルの中から回折X線のみ選択する手段と、こ
    の求められた各回折X線のピーク・エネルギおよび該エ
    ネルギ・スペクトルを求める手段と被測定材料格子面と
    の相対角度から各回折X線エネルギ・ピークに対応した
    格子面間隔を求める手段とを有することを特徴とするX
    線回折装置。
JP3207802A 1991-08-20 1991-08-20 X線分析装置 Pending JPH0545306A (ja)

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JP3207802A JPH0545306A (ja) 1991-08-20 1991-08-20 X線分析装置

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