JP4074713B2 - 送液デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小反応装置(マイクロ・リアクター);集積型DNA分析装置;微小電気泳動装置;微小クロマトグラフィー;医療検査用、生化学用、環境分析用、生物工学用などのバイオセンサー、などの構成要素として有用な液体輸送デバイスに関して、更に詳しくは、反応原液、希釈液、反応生成物溶液、検査原液、緩衝液、展開液などの液体を目的の部位へ移送するための液体輸送デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン、石英、ガラス、あるいはポリメチルメタクリレート等のプラスチック製の基材に、エッチング法により溝を形成して、これを液体流路とすることが知られている(例えば、アール・エム・マコーミック等、アナリティカル・ケミストリー、1997年、第69巻、2626頁)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
基材に細い溝を形成してこれを液体流路とする方法は、基材がシリコンやガラスなどの無機物質で構成されている場合には、溝の形成は生産性の低いエッチング法に限られ、しかも、使用に際して、溝以外の部分に液体が流出しがちであった。また、生産性の良い射出成型が可能なプラスチック製の基材は一般に疎水性であり、特に塩を含有する水溶液の場合には、その凝集力により液滴となりがちであり、液体流路幅が狭くなるほど溝中を安定して流すことが困難であった。基材として親水性ポリマーを使用した場合、溝以外の部分に液体が流れ出したり、親水性ポリマーの構成成分が送液すべき水溶液に溶出したり、親水性ポリマーが膨潤するなどの不都合が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するには、液体流路となる溝の内側のみを親水化処理すればよいが、細い溝の内側のみを親水化処理することは相当に困難であった、
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、輸送する液体が横溢することなく、また、液滴とならず、安定して輸送でき、さらに、生産性が高く、安価に製造でき、さらにまた、電気的駆動により送液する場合に、従来品より輸送速度が高い送液デバイスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、溝状の液体流路の底面を高い親水性にすることによって、該流路の側面が疎水性であっても安定した送液が可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、(I)水との接触角が45度以下の親水性表面を有する基材(S)と、該基材(S)の親水性表面上の液体流路となる部分以外の部分に、親水性ポリマー(B)からなる塗膜を有する送液デバイスであって、
該液体流路が、該基材(S)の親水性表面を底面とし、該疎水性ポリマー(B)を側面とする溝状の流路である送液デバイスを提供する。
【0008】
また、本発明は上記課題を解決するために、(II)上記送液デバイスの製造方法であって、水との接触角が45度以下の親水性表面を有する基材(S)の表面に、エネルギー線照射により疎水性ポリマー(B)となるエネルギー線硬化性化合物(b)を含有するエネルギー線硬化性組成物(I)を塗布し、液体流路となる部分以外の部分にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化性組成物(I)を硬化させた後、未硬化のエネルギー線硬化性組成物(I)を除去して、該基材(S)の親水性表面を底面とし、該疎水性ポリマー(B)を側面とする溝状の液体流路を形成することからなる送液デバイスの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の送液デバイスは、水との接触角が45度以下の親水性表面を有する基材(S)と、該基材(S)の親水性表面上の液体流路となるべき部分以外の部分に、疎水性ポリマー(B)からなる塗膜を有するものである。
【0010】
本発明の送液デバイスは、小型のデバイスとして好適であり、その液体流路の幅は1〜3000μmの範囲が好ましく、10〜1000μmの範囲が特に好ましく、30〜500μmの範囲が最も好ましい。送液デバイスの液体流路の幅が1μmよりも狭い流路は、液体の蒸発などの面で使用上困難であり、送液デバイスの液体流路の幅が3000μmよりも広い流路は本発明の効果が小さくなる傾向にあるので、好ましくない。本発明の送液デバイスの液体流路の深さは、1〜3000μmの範囲が好ましく、10〜1000μmの範囲が特に好ましく、30〜500μmの範囲が最も好ましい。送液デバイスの液体流路の深さが1μmよりも浅い流路は、液体の蒸発などの面で使用上困難であり、送液デバイスの液体流路の深さが3000μmよりも深い流路は本発明の効果が小さくなる傾向にあるので、好ましくない。本発明の送液デバイスの液体流路の幅と深さ比は、深さ1に対して、幅が0.3〜5の範囲が好ましく、0.7〜2の範囲がが更に好ましい。
【0011】
本発明の送液デバイスにおける液体流路の長さは任意であり、用途目的により決定できる。勿論、液体流路は直線である必要はなく、任意の形状であってよい。液体流路に接続して他の機能部位、例えば、液溜めや反応槽などの液体保持部が、本発明における液体流路と同じ構造で形成することもでき、また、注入口、流出口、電気泳動カラム、電極などが形成されていても良い。
【0012】
本発明の送液デバイスにおける液体の輸送方式は特に限定されないが、その駆動力としては、重力ポテンシャル、遠心力、凝集力、表面張力、電場、磁場、振動、超音波、等が挙げられる。液体の輸送の駆動力として電場を用いる場合には、液体流路の両端に電極を設ける。電極は、カーボン、金属、導電性ポリマー等の導電性物質を、真空蒸着、スパッタリング、印刷、塗布、接着、圧着、ネジ止めなどの任意の方法により形成することができる。
【0013】
基材(S)の形状は特に限定されず、用途目的に応じた形状を採りうるが、例えば、フィルム状(シート状を含む)、板状、塗膜状、スチック状、管状、円筒状、その他、複雑な形状の成型物などであり得るが、成形しやすさの面から、フィルム状又は塗膜状であることが好ましい。また、基材が更に別の支持体と一体化された形態であってもよい。この場合の支持体の素材は任意であり、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、半導体等であってよく、その形状はフィルム(シート)、板、棒、紙、布、不織布、射出成型品等であって良い。基材(S)が塗膜状である場合には、支持体と一体化された状態で使用する。また、複数の液体流路を1つの基材上に形成した後、切断して複数のデバイスとすることもできる。
【0014】
基材(S)は水との接触角(以下、「水との接触角」を「水接触角」と称する場合がある)が45度以下、好ましくは30度以下、最も好ましくは20度以下の親水性の表面を有するものである。水接触角が低いほど液体流路内で液体が途切れることなく安定して流すことができる。よって、水接触角は0度であって良い。なお、本発明で言う接触角は静止角をいう。基材(S)は液体流路を形成する表面の水接触角が45度以下であれば、それ以外の部分、例えば、下地や裏面の水接触角が、この範囲になくても良い。即ち、基材(S)は、例えば、疎水性材料で構成された成形物の表面を親水化処理した物であっても良い。基材(S)は、ポリマー、ガラス、石英、セラミック、金属シリコンなど任意の物が使用できるが、成型性が良く生産性を高くできることから、ポリマーであることが好ましい。
【0015】
基材(S)をポリマーで構成する場合には、水接触角が45度を越える疎水性のポリマー(A)で構成し、基材表面を親水化処理することが好ましい。ポリマー(A)は、その成形物の水接触角が45度を越えるものであり、水接触角が65度以上であることが好ましく、75度以上であることが更に好ましい。基材(S)を構成するポリマーとして、水接触角が低いポリマーを用いた場合、液体が液体流路から横溢したり、基材(S)が膨潤あるいは寸法変化したりする、などの不都合が生じやすい傾向にあるので、好ましくない。
【0016】
ポリマー(A)の水接触角は、表面が平滑な成形物での測定値であり、該成形物は溶融成形によるものであることが好ましい。溶融成形不能な物は溶剤キャスト法やオンサイト重合によって形成された膜を以て表面が平滑な成形物としても良いが、この場合には、気体と接触した側の表面で測定した値とする。
【0017】
ポリマー(A)としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン/マレイン酸共重合体、ポリスチレン/アクリロニトリル共重合体の如きスチレン系ポリマー;ポルスルホン、ポリエーテルスルホンの如きポリスルホン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルの如きポリ(メタ)アクリレート系ポリマー;ポリマレイミド系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;酢酸セルロース、メチルセルロースの如きセルロース系ポリマー;ポリウレタン系ポリマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き塩素含有ポリマー;ポリアミド系ポリマー;ポリイミド系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドの如きポリエーテル系又はポリチオエーテル系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートの如きポリエステル系ポリマー、などが挙げられる。勿論、ポリマー(A)は単独重合体の他、共重合体であっても良い。ポリマー(A)は熱可塑性ポリマーであっても、熱硬化性ポリマーであっても良いが、生産性の面から、熱可塑性ポリマー、あるいは硬化速度の速い光硬化性の架橋重合体が好ましい。
【0018】
基材(S)は、ポリマーブレンドやポリマーアロイで構成されていても良いし、積層体であっても良い。さらに、基材(S)中に改質剤、着色剤、無機物等の添加剤が混入されていても良い。基材(S)に改質剤として撥水材を添加することにより、水接触角が60度未満であるポリマーとすることもできる。
【0019】
基材(S)に添加することができる改質剤としては、例えば、疎水化剤(撥水剤)として機能するシリコンオイル、フッ素置換炭化水素、フッ素樹脂粉末などが挙げられる。
【0020】
基材(S)に添加することができる着色剤としては、任意の染料や顔料、蛍光色素が挙げられる。
【0021】
基材(S)に添加することができる無機物としては、例えば、クレイ、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明で使用する基材(S)は、その表面の水接触角が45度以下の物である。水接触角が45度以上の疎水性の素材、例えば、疎水性のポリマー(A)で構成されている場合には、表面が親水化処理されている必要がある。親水化処理された層は、厚さが10μm以下、好ましくは1μm以下の極薄いものである。即ち、送液デバイスの使用時には、液体は、多孔質層やゲル層の中でなく、親水性層の表面上を流れる。
【0023】
親水化方法は任意である。基材(S)を構成する素材によっても採り得る方法は異なるが、例えば、プラズマ処理、プラズマ重合、コロナ放電処理、スルホン化処理、親水性化合物による表面修飾、表面への親水性化合物のグラフト重合、親水性ポリマーのコーティング等が挙げられる。また、基材(S)表面の親水化処理は、電子線エッチング法などの、表面に微細な凹凸を形成させる物理的な親水化法であっても良い。
【0024】
プラズマ処理やプラズマ重合は、酸素;アセトン、有機酸その他の酸素含有化合物;アミン等の窒素含有化合物の存在下での処理が好適である。また、常圧プラズマ処理も可能である。
【0025】
基材(S)が疎水性のポリマー(A)で構成されている場合、ポリマー(A)の成形時に表面のみを親水化する成型方法を採用することもできる。これは、例えば、ガラスや水などの親水性表面と接触させた状態で硬化させる方法で実施できる。本発明においては、このような成形と同時に親水化する方法も本発明で言う親水化処理に含まれる。
【0026】
本発明では、基材(S)表面の親水化処理は、液体流路となる部分のみ、または液体流路部周辺のみが親水化されていれば十分であるが、面全体であっても良い。
【0027】
親水化する親水基としては、例えば、ポリエチレングリコール基、水酸基、糖含有基、アミド基、ピロリドン基の如きノニオン性親水基;カルボキシル基、スルホン基、燐酸基の如きアニオン性親水基;アミノ基、アンモニウム基の如きカチオン性親水基;アミノ酸残基、燐酸基/アンモニウムイオン基の如き双性イオン基、などが挙げられる。勿論、これらの誘導体であって良く、例えば、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ピロリドン基のN置換体が挙げられる。これらの中で、液体の輸送が電場で駆動される用途に使用する場合には、送液速度を高くできる点から、親水基はイオン基であることが好ましく、カルボキシル基、スルホン基、燐酸基、アンモニウムイオン基であることが好ましい。
【0028】
親水性ポリマーのコーティングとしては、可溶性の親水性ポリマーの溶液を基板上に塗布する方法が挙げられる。使用できる可溶性の親水性ポリマーとしては、例えば、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、エチエン/ビニルアルコール共重合体、スルホン化セルロース、スルホン化ポリスルホンなどが挙げられるが、これらの他にも、可溶性の親水性ポリマーとしては、分子中に親水基を有するポリマーが使用できる。
【0029】
親水性ポリマーが基材に化学結合していない場合には、親水性ポリマーの親水性が高すぎると、親水性ポリマーが使用中に溶出しがちである。これを防止するためには、親水性ポリマーは架橋ポリマーであることが好ましい。親水性の架橋ポリマー層の形成方法としては、例えば、リニアポリマーをコーティングした後に、後架橋させる方法;親水性の重合性化合物を含有する架橋重合性組成物をコーティングした後、架橋重合させる方法、などが挙げられる。親水性ポリマーが使用中に溶出することを防止する方法として、疎水性ポリマー層の表面に親水性ポリマーをグラフトする方法も挙げられる。
【0030】
親水性化合物による表面修飾の方法としては、例えば、濃硫酸、発煙硫酸、過硫酸塩などによるスルホン化;硝酸、発煙硝酸などによるニトロ化とその還元や置換反応によるアミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基などの導入;ブロム化とその置換反応によるアミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基などの導入;アジド等を用いた光化学反応、などが挙げられる。
【0031】
基材(S)の表面への親水性化合物のグラフト重合は、基材(S)のコロナ処理、プラズマ処理、放射線処理などの後、親水性の架橋重合性化合物と接触させる方法あるいは界面光重合を利用した方法により実施できる。
【0032】
これらの中でも、親水性の架橋重合性組成物をコーティングした後に架橋重合させる方法、および表面に親水性ポリマーをグラフトさせる方法が、薄いコーティング層を容易に形成可能であること、架橋ポリマー層を形成可能であること、などの理由により好ましい。
【0033】
親水性の架橋重合性化合物は、架橋重合して、水接触角45度以下の親水性表面を形成できる材料であれば任意であるが、付加重合性化合物が重合速度が速いために好ましく、重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリル系の重合性化合物であることが更に好ましい。親水性の架橋重合性組成物が架橋重合するためには、1分子中に2以上の重合性官能基を有するモノマー及び/又はオリゴマーを親水性の架橋重合性組成物中に含まれることが必要である。
【0034】
ポリエチレングリコール基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリエチレングリコール)(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエイコサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエイコサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0035】
水酸基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピレン(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピリフタレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0036】
糖構造を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノースの如き単糖類およびこれらの誘導体の(メタ)アクリレート;マルトース、セルビオース、ラクトース、スクロースの如き二糖類およびこれらの誘導体の(メタ)アクリレート;スクロデキストリンの如きオリゴ糖およびこれらの誘導体の(メタ)アクリレート;澱粉やヘパリンの如き多糖類およびこれらの誘導体の(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0037】
アミド基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、アクリルアミド;N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミドの如きN−アルキルアクリルアミド;N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミドの如きN,N−ジアルキルアクリルアミド;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピぺリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチレンビスアクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イル)(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
【0038】
カルボキシル基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、w−カルボキシカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0039】
スルホン基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート、スルホン酸−2−メチルプロパン−2−アクリルアミド、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート、などが挙げられる。
【0040】
燐酸基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、燐酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、燐酸ビス(メタクリルオキシエチル)、などが挙げられる。
【0041】
アミノ基を有する親水性の重合性化合物としては、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ビスメトキシメチル)カルバミルオキシエチルメタクリレート、N−メトキシメチルカルバミルオキシエチルメタクリレート、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、などが挙げられる。
【0042】
アンモニウム基を有するモノマー及び/又はオリゴマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジアリルジメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、などが挙げられる。
【0043】
これらの親水性の重合性化合物は、単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできる。架橋重合体を形成するためには、多官能のモノマー及び/又はオリゴマーを単独又は混合して用いればよい。
【0044】
基材(S)上に塗工されたポリマー(B)の塗膜は、水接触角が45度を越えるものであり、65度以上であることが好ましく、75度以上であることが更に好ましい。水接触角が45度以下では、液体流路からの液体の横溢や滲み出が生じ易く、使用が困難であり、塗膜の膨潤や寸法変化が生じやすい傾向にあるので、好ましくない。塗膜の水接触角の上限は特に限定されず、180度であって良いが、高すぎると、液体を安定して流すためには液体流路底面をより強い親水性とする必要が生じるため、100度以下であることが好ましく、90度以下であることが更に好ましい。
【0045】
ポリマー(B)の水接触角とは、表面が平滑な成形物での測定値であり、該成形物は溶融成形によるものであることが好ましい。溶融成形不能なポリマー物は、溶剤キャスト法やオンサイト重合によって形成された膜を以てポリマー(B)からなる表面が平滑な成形物としても良いが、この場合には、気体と接触した側の表面で測定した値とする。
【0046】
ポリマー(B)として使用できるポリマーとしては、疎水性のポリマー(A)として使用できるポリマーとして挙げた材料と同じものが挙げられる。ポリマー(B)は、基材(S)に使用されたポリマー(A)と同一であっても異なっていても良い。ポリマー(B)は、カルボキシル基、スルホン基、燐酸基などの酸性基やアミノ基、アンモニウム基等の塩基性基、および/または水酸基を有しないことが好ましい。これらの基を有すると、水との静止接触角が本発明の要件を満たす物であっても、後退角が小さくなりがちであり、液体を液体流路に乗せる工程などにおいて、一度液体流路からはみ出した液体が液体流路に引き込まれにくく、液体流路のみを用いて液体を輸送することが困難になるので、好ましくない。
【0047】
ポリマー(B)塗膜は、基材(S)の上に、液体流路となるべき部分以外に塗工できる任意の塗工方法によって形成すればよい。そのような塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、アプリケータ、スピンコート、ローラーコート、バーコーター、流延、ディッピング、などの方法が挙げられる。表面全体に塗工される方法を採用する場合には、液体流路となるべき部分のマスキングや、後述のフォトリソグラフィーを利用することにより液体流路を形成することができる。これらの中でも、印刷法は、幅が約0.3〜3mmの液体流路を形成する場合には生産性が高く好ましい方法であるが、それより細い液体流路の形成はかなり困難である。フォトリソグラフィーを利用することによりμmオーダーの細い液体流路を形成することができる。ポリマー(B)塗膜が塗工される部分は、液体流路となるべき部分以外の全表面であっても良く、液体流路の他に液溜めなどの構造部分を除いた部分であっても良く、あるいは、液体流路と他の部分を分画する堤防状の部分であっても良い。
【0048】
ポリマー(B)からなる塗膜は、溶融状態、溶液状態、未硬化の重合性化合物の状態など任意の状態で形成することができる。例えば、ポリマー(B)が架橋ポリマーの場合、ポリマー(B)を構成する重合性化合物の塗工とオンサイト重合によりポリマー(B)からなる塗膜を形成することができる。未硬化の重合性化合物の塗工とオンサイト重合によりポリマー(B)からなる塗膜を形成する場合、フォトリソグラフィーによりパターニングすることができる。未硬化の重合性化合物としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどの熱硬化性化合物の他、後述する本発明の製造方法で使用できるエネルギー線硬化性化合物(b)を用いることができる。逆に、ポリマー(B)としてエネルギー線分解型のポリマーを使用し、液体流路となる部分にエネルギー線を照射し、現像する方法により、液体流路となる部分以外の部分に塗膜を形成することもできる。
【0049】
ポリマー(B)は、ポリマーブレンドやポリマーアロイであっても良い。またし、ポリマー(B)からなる塗膜は、複数層の積層体であっても良い。この場合、各層の素材は異なっていて良い。さらに、ポリマー(B)からなる塗膜中に改質剤、着色剤、無機物、などの各種添加剤を添加することもできる。
【0050】
ポリマー(B)からなる塗膜に添加することができる改質剤としては、例えば、疎水化剤(撥水剤)として機能するシリコンオイルやフッ素置換炭化水素、フッ素樹脂粉末、などが挙げられる。
【0051】
ポリマー(B)からなる塗膜に添加することができる着色剤としては、任意の染料や顔料、蛍光色素が挙げられる。
【0052】
ポリマー(B)からなる塗膜に添加することができる無機物としては、例えば、クレイ、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、などが挙げられる。
【0053】
本発明の請求項10に記載の送液デバイスの製造方法は、表面が親水化された疎水性ポリマーから成る基材(A)の親水性表面に、エネルギー線照射により疎水性の硬化物となりうる炭素−炭素不飽和二重結合を有するエネルギー線硬化性化合物(b)を含有するエネルギー線硬化性組成物(I)を厚さ1〜1000μmの範囲に塗布し、液体流路となる幅1〜3000μmの部分以外の部分にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化性化合物(b)を硬化させた後、未硬化のエネルギー線硬化性組成物(I)を除去して、溝状の液体流路を形成する製造方法である。
【0054】
本発明の製造方法で用いるエネルギー線硬化性化合物(b)は、エネルギー線により重合し、水接触角が45度以上、好ましくは65度以上、さらに好ましくは75度以上のポリマーを生成するものであればよく、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合性等任意のものであってよいが、付加重合性のものが重合速度が速いので、好ましい。本発明の製造方法で用いるエネルギー線硬化性化合物(b)は、重合開始剤の非存在下で重合するものであっても、重合開始剤の存在下でのみ重合するものであっても良い。
【0055】
そのようなエネルギー線硬化性化合物(b)としては、重合性の炭素−炭素二重結合を有する物が好ましく、中でも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物や、光重合開始剤の不存在下でも硬化するマレイミド系化合物が好ましい。
【0056】
エネルギー線硬化性化合物(b)として使用できる(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、メチル−2−クロロアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、の如き単官能モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパンの如き2官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレートの如き3官能モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き4官能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの如き6官能モノマー、などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0057】
また、エネルギー線硬化性化合物(b)としては、重量平均分子量が500〜50000の重合性オリゴマー(プレポリマーとも呼ばれる)、好ましくは、(メタ)アクリル系オリゴマーを用いることもできる。エネルギー線硬化性化合物(b)として使用できる(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂、などが挙げられる。これらのオリゴマーは、単独で使用することもでき、2種類以上のものを混合して使用することもでき、あるいは、モノマーと混合して使用することもできる。単官能の(メタ)アクリル系モノマーを併用することにより、疎水性ポリマー(B)からなる塗膜の疎水性を増すことができる。常温で固体または高粘度のオリゴマーは、溶剤で希釈して塗布し、溶剤を乾燥させた後にエネルギー線を照射することが好ましい。常温で固体または高粘度のオリゴマーの使用は、フォトマスクを接触させることができるため、細い液体流路を形成する場合に好ましい。
【0058】
エネルギー線硬化性化合物(b)として使用できるマレイミド系のモノマーとしては、例えば、マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ベンジルマレイミドの如き単官能マレイミド;4,4’−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,2−ビスマレイミドエタンの如き2官能マレイミド、などが挙げられる。勿論これらのマレイミド系モノマーは、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。また、これらのマレイミド系モノマー類は、ビニルエーテル類や、アクリル系モノマー及び/又はオリゴマー等の他の重合性化合物と混合して用いることもできる。
【0059】
形成された基材の強度や硬度を十分に高くするためには、エネルギー線硬化性化合物(b)の硬化物、すなわち、疎水性ポリマー(B)が架橋重合体であることが好ましく、そのため、エネルギー線硬化性化合物(b)を含有するエネルギー線硬化性組成物(I)は多官能のモノマー及び/又はオリゴマーを含有することが好ましい。
【0060】
エネルギー線硬化性組成物(I)に、必要に応じて添加することができる光重合開始剤は、本発明で使用するエネルギー線に対して活性であり、エネルギー線硬化性化合物(b)を重合させることが可能なものであれば特に制限がなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤であって良い。そのような光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
【0061】
光重合開始剤は、エネルギー線硬化性組成物(I)に溶解あるいは分散した状態で用いることができるが、エネルギー線硬化性組成物(I)に溶解するものであることが好ましい。エネルギー線硬化性組成物(I)中の光重合開始剤濃度は、0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.5〜10重量%の範囲が特に好ましい。
【0062】
エネルギー線硬化性組成物(I)には、その他の成分を溶解又は非溶解の状態で添加することもできる。その他の成分としては、例えば、増粘剤、改質剤、充填剤、強化材、着色剤等が挙げられる。
【0063】
エネルギー線硬化性組成物(I)に添加することができる増粘剤としては、例えば、エネルギー線硬化性組成物(I)に可溶なリニアポリマー;クレイ、ゼオライト、活性炭、酸化チタン、酸化アルミ、シリカゲルの如き無機粉末、などが挙げられる。
【0064】
エネルギー線硬化性組成物(I)に添加することができる改質剤としては、例えば、撥水剤として機能するシリコンオイルやフッ素置換炭化水素、フッ素樹脂粉末、などが挙げられる。
【0065】
エネルギー線硬化性組成物(I)に添加することができる充填材や強化剤としては、例えば、クレイ、ゼオライト、活性炭、酸化チタン、酸化アルミ、シリカゲルの如き無機粉末、などが挙げられる。
【0066】
エネルギー線硬化性組成物(I)に添加することができる着色剤としては、任意の染料や顔料、蛍光色素が挙げられる。
【0067】
エネルギー線硬化性組成物(I)を塗工賦形する方法には、特に制限はない。例えば、コーター、スプレー、浸漬等による塗布;ノズルからの押し出し;スクリーン印刷、インクジェット式などの印刷;アプリケータによるパターニング、などの方法が挙げられる。また、エネルギー線硬化性組成物(I)を特に薄く塗布する場合には、エネルギー線硬化性組成物(I)に溶剤を含有させて塗布した後、該溶剤を揮発させる方法を採用することもできる。この場合の溶剤は、エネルギー線硬化性組成物(I)を溶解できるものであれば、如何なるものであってよいが、塗布後の物体を乾燥させる必要性から、揮発性の高い溶剤が好ましい。そのような溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールの如きアルコール類;アセトン、2−ブタノンの如きケトン類;ジエチルエーテルの如きエーテル類;酢酸エチルの如きエステル類;ヘキサン、トルエンの如き炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタンの如き塩素系溶剤、などが挙げられる。
【0068】
エネルギー線硬化性組成物(I)の未硬化の塗工物は、液体流路と成るべき部分以外の部分にエネルギー線を照射することにより硬化させる。
【0069】
エネルギー線としては、エネルギー線硬化性組成物(I)を硬化させることが可能なものであれば任意であり、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、エックス線、ガンマ線等が挙げられるが、取り扱い性や硬化速度の面から紫外線、可視光、電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。また、硬化速度を速め、硬化を完全に行う目的で、エネルギー線の照射を低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気としては、窒素気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気流中、真空または減圧雰囲気が好ましい。
【0070】
液体流路となる部分以外の部分にエネルギー線を照射する方法は任意であり、例えば、照射不要部分をマスキングして照射する、あるいはエネルギー線のビームを走査する、といったフォトリソグラフィーの手法が利用できる。
【0071】
液体流路となる部分以外の部分を硬化した後、未硬化のエネルギー線硬化性組成物(I)を除去する。除去方法は任意であり、洗浄、蒸発、吹き飛ばし、吸収、払拭などの方法を採用できるが、洗浄が好ましい。硬化部と未硬化部との境界部分を完全に硬化させるために、あるいは、硬化部の硬度を更に増すために、未硬化部を除去した後、再度エネルギー線を照射することもできる。
【0072】
本発明の製造方法において、液体流路以外の他の構造、例えば、底部が親水性である液溜めや反応槽などの液体保持部を、液体流路と同時に形成することもできる。
【0073】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、各々「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0074】
なお、水接触角は、共和科学株式会社製の「CA−D型接触角計」を用いて測定した。
【0075】
[実施例1]
厚さ200μmの2軸延伸ポリスチレンシート(大日本インキ化学工業株式会社製)の水接触角は77度であった。このポリスチレンシートを発煙硫酸処理して、水接触角17度の表面を有する基材(S−1)を得た。
【0076】
疎水性の重合性化合物(b)として、1分子中に平均3個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製の「ユニディック V−4263」)70部および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬株式会社製の「カヤラッド HDDA」)30部の混合物を用い、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)2部を用い、これらを均一に混合して、エネルギー線硬化性組成物(I−1)を得た。
【0077】
エネルギー線硬化性組成物(I−1)を基材(S−1)全体に厚さ250μmのバーコーターで塗布し、その上に、液体流路となるべき幅0.3mm、長さ20mmの線と、その線の両端に接続した液溜めとなるべき5mm×5mmの正方形部とから成り、角は全て0.5mmRで丸めたダンベル型のフォトマスクを非接触状態で設置した後、ウシオ電機株式会社製のマルチライト200型露光装置用光源ユニットを用いて20mW/cm2 のエネルギー線を30秒間照射した。得られたものは、マスキング部が未硬化の状態にあり、非マスキング部は硬化していた。n−ブタノールを用いて未硬化部を洗浄除去した後、乾燥させ、更に、基材(S)全体に先程と同じ紫外線を90秒間照射することによって、幅0.3mm、深さ255μmの溝状の液体流路を有する送液デバイスを得た。
【0078】
この送液デバイスの表面のダンベル型の凹部以外の表面の水接触角は、78度、液溜め部の水接触角は、17度であった。
【0079】
このようにして得た送液デバイスを湿潤箱(相対湿度がほぼ100%に保たれた箱)中に水平に設置し、ピペットを用いて、ダンベル型の凹部付近に蒸留水を乗せたところ、凹部全体に水が行き届くと同時に、疎水性部に乗った水も凹部に引き寄せられて、ダンベル型の部分のみに水が乗った状態となった。そこで、一方の液溜め部の水を濾紙で吸収して除去したところ、蒸留水が他方の液溜め部から液体流路を通って一方の液溜め部に移動した。この時、液体流路からの横溢や、液体の液滴化による途切れは見られなかった。蒸留水の代わりに燐酸緩衝溶液(PBS)を用いて同様の実験を行ったところ、全く同様の結果を得た。
【0080】
[実施例2]
実施例1で用いた未処理のポリスチレンシートに、エネルギー線硬化性組成物(I−1)を厚さ50μmのバーコーターを用いて塗布したものをヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成株式会社製)の30%水溶液中に浸漬した状態で、実施例1と同じエネルギー線照射装置を用いて20mW/cm2 のエネルギー線を120秒間照射した後、水洗、風乾することにより親水化処理して、基材(S−2)を得た。
【0081】
実施例1において、基材(S−1)に代えて基材(S−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、送液デバイスを得た。
【0082】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が10度、それ以外の部分が78度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0083】
[実施例3]
実施例2において、ヒドロキシエチルメタクリレートの30%水溶液に代えて、ヒドロキシエチルメタクリレートの5%水溶液を用いた以外は、実施例2と同様にして、送液デバイスを得た。
【0084】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が39度、それ以外の部分が78度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、蒸留水に関しては実施例1と同様に送液することができた。しかし、燐酸バッファーの場合は、液体流路内の液量が十分多いときは送液できたが、少なくなると液が途切れ、完全には送液されなかった。
【0085】
[実施例4]
実施例2において、ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート(日本乳化剤株式会社製の「MS−2N」)を使用した以外は、実施例2と同様にして、送液デバイスを得た。
【0086】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が7度、それ以外の部分が78度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0087】
[実施例5]
実施例2において、ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物(共栄社化学株式会社製の「DQ−75」)を使用した以外は、実施例2と同様にして、送液デバイスを得た。
【0088】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が12度、それ以外の部分が78度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0089】
[実施例6]
実施例2において、ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて、燐酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)(共栄社化学株式会社製)を使用した以外は、実施例2と同様にして、送液デバイスを得た。
【0090】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が8度、それ以外の部分が78度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0091】
[実施例7]
実施例6において、疎水性の重合性化合物(b)として、1分子中に平均3個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製「ユニディック V−4263」)30部およびシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬株式会社製、R−684)70部の混合物を用いた以外は、実施例6と同様にして、送液デバイスを得た。
【0092】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が8度、それ以外の部分が85度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0093】
[実施例8]
実施例6において、疎水性の重合性化合物(b)として、4エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−4」)100部を用いた以外は、実施例6と同様にして、送液デバイスを得た。
【0094】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が8度、それ以外の部分が69度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0095】
[実施例9]
実施例6において、疎水性の重合性化合物(b)として、10エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−10」)100部を用いた以外は、実施例6と同様にして、送液デバイスを得た。
【0096】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果は、親水化処理部が8度、それ以外の部分が63度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、液体流路部に蒸留水を乗せる際に、液体流路をはみ出して乗せると、液体流路をはみ出した水が流路に引き込まれなかった。しかしながら、シリンジを用いて液体流路をはみ出さないように蒸留水を乗せると、実施例1と同様に送液することができた。
【0097】
[実施例10]
実施例3において、疎水性の重合性化合物(b)として、10エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−10」)100部を用いた以外は、実施例3と同様にして、送液デバイスを得た。
【0098】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が39度、それ以外の部分が48度であった。この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で送液試験を行ったところ、液体流路部に蒸留水を乗せる際に、液体流路をはみ出して乗せると、液体流路をはみ出した水が液体流路に引き込まれなかった。しかしながら、シリンジを用いて液体流路をはみ出さないように注意深く蒸留水を乗せると、実施例3と同様の送液試験結果を得た。
【0099】
[実施例11]
実施例2で得た送液デバイスの2つの液溜め部に、導電性カーボンペーストを用いてそれぞれ銅線を接着することにより、電極を有する送液デバイスを作製した。
【0100】
この送液デバイスを用いて、実施例1と同様にして、蒸留水を乗せ、電極間に100ボルトの直流電圧を掛けたところ、水はプラス極側の液溜めからマイナス極側の液溜めへ移動した。
【0101】
[実施例12]
実施例4で得た送液デバイスの2つの液溜め部に、導電性カーボンペーストを用いてそれぞれ銅線を接着することにより、電極を有する送液デバイスを作製した。
【0102】
この送液デバイスを用いた以外は、実施例11と同様にして、電圧駆動による送液試験を行ったところ、同量の水の移動に要する時間は実施例11の約1/2であった。
【0103】
[実施例13]
実施例5で得た送液デバイスの2つの液溜め部に、導電性カーボンペーストを用いてそれぞれ銅線を接着することにより、電極を有する送液デバイスを作製した。
【0104】
この送液デバイスを用いた以外は、実施例11と同様にして、電圧駆動による送液試験を行ったところ、水はマイナス極側の液溜めからプラス極側の液溜めへ移動し、かつ、実施例11と同量の水の移動に要する時間は実施例11の約1/2であった。
【0105】
[実施例14]
実施例1において、疎水性の重合性化合物(b)として、N−シクロヘキシルマレイミド(東京化成工業株式会社製)100部を用い、かつ、紫外線重合開始剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、送液デバイスを得た。
【0106】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、ダンベル型の凹部以外の表面の水接触角は81度、液溜め部の水接触角は17度であった。
この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で、送液試験を行ったところい、実施例1と同様の結果を得た。
【0107】
[実施例15]
実施例1において、基材(S)として、ガラス板(スライドグラス)を用いた以外は、実施例1と同様にして、送液デバイスを得た。
【0108】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、ダンベル型の凹部以外の表面の水接触角は78度、液溜め部の水接触角は34度であった。
【0109】
この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で、送液試験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0110】
[比較例1]
実施例1で用いた未処理のポリスチレンシートの上に、10エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−10)100部及び紫外線重合開始剤「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)2部の混合物をスピンコーターを用いて約1μmの厚さに塗装し、実施例1で使用した光源と同じ光源を用いて紫外線を照射することにより、表面の水接触角が48度の基材(S−比1)を得た。
【0111】
実施例1において、基材(S)として基材(S−比1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、送液デバイスを得た。
【0112】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、ダンベル型の凹部以外の表面の水接触角は78度、液溜め部の水接触角は48度であった。
【0113】
この送液デバイスを用いて、実施例1と同様の方法で、送液試験を行ったところ、蒸留水または燐酸緩衝溶液が液体流路内において塗膜表面より盛り上がる程に存在する場合には送液することが可能であったが、液体流路内の液量が少なくなると液が途切れ、送液できなくなった。一方、液体を液体流路内で塗膜表面より盛り上がる程度に置くと、液が液体流路からあふれ出した。即ち、このデバイスは、液面のコントロールが難しく、安定して送液することは非常に困難であった。
【0114】
[比較例2]
実施例1において、疎水性の重合性化合物(b)に代えて、10エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−10」)90部とヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成株式会社製)10部との混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、送液デバイスを得た。
【0115】
このようにして得た送液デバイスについて、実施例1と同様にして、水接触角を測定した結果、親水化処理部が17度、それ以外の部分が35度であった。
【0116】
この送液デバイスを用いて実施例1と同様の方法で送液試験を行った結果、液体流路部に蒸留水を乗せるに当たり、シリンジを用いて液体流路をはみ出さないように注意深く蒸留水を乗せても液体流路からはみ出しがちであり、一度はみ出した水は液体流路に引き込まれることはなかった。また、液体流路内レベルが上がり、塗膜表面より盛り上がる状態になると、液が液体流路からあふれ出した。即ち、このデバイスは、液面のコントロールが難しく、安定して送液することは非常に困難であった。また、液体流路を含む凹部に蒸留水を乗せて約1時間置いたところ、凹部の周辺部が白濁し、塗膜の膨潤が生じた。この状態では、液体流路内の蒸留水は液体流路の外へにじみ出した。
【0117】
【発明の効果】
本発明の送液デバイスは、シリコン、石英、ガラスなどの基材にエッチングにより溝を形成した従来品と比較して、輸送する液体が横溢することなく、また、液滴とならず、安定して輸送できる。また、本発明の送液デバイスは、基材が膨潤することもなく、基材成分が液体に溶出することもない。さらに、本発明の送液デバイスは、基材にポリマーを使用できるため、エッチングが不要で、生産性が高く、安価に製造できる。さらにまた、本発明の送液デバイスは、イオン基を導入して表面を親水化した基材を用いることにより、電気的駆動により送液する場合に、従来品より輸送速度が高いという利点がある。

Claims (5)

  1. 水との接触角が45度以下の親水性表面を有する基材(S)と、該基材(S)の親水性表面上の液体流路となる部分以外の部分に、疎水性ポリマー(B)からなる塗膜を有する送液デバイスであって、
    該液体流路が、該基材(S)の親水性表面を底面とし、該疎水性ポリマー(B)を側面とする溝状の流路であることを特徴とする送液デバイス。
  2. 前記疎水性ポリマー(B)からなる塗膜が、水との接触角が45度を超える請求項1記載の送液デバイス。
  3. 前記液体流路の幅が1〜3000μmの範囲にあり、深さ1〜3000μmの範囲にあり、且つ幅と深さの比が、深さ 1 に対して、幅が0.3〜5の範囲である請求項1又は2記載の送液デバイス。
  4. 前記液体流路の両末端にそれぞれ電極を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の送液デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の送液デバイスの製造方法であって、水との接触角が45度以下の親水性表面を有する基材(S)の表面に、エネルギー線照射により疎水性ポリマー(B)となるエネルギー線硬化性化合物(b)を含有するエネルギー線硬化性組成物(I)を塗布し、液体流路となる部分以外の部分にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化性組成物(I)を硬化させた後、未硬化のエネルギー線硬化性組成物(I)を除去して、該基材(S)の親水性表面を底面とし、該疎水性ポリマー(B)を側面とする溝状の液体流路を形成することを特徴とする送液デバイスの製造方法。
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