JP4074177B2 - チューブポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプが知られており、例えば、図33の飲食物供給装置81に使用されている。飲食物供給装置81は、開閉可能な前部扉82を備え、大きく分けて上部に配置される容器収納庫83、その容器収納庫83内に収納された包装容器84内のオレンジジュースなどの濃縮液(以下、「原液」という。)を所定量注入する飲食物注入部85、そして、注入された原液を受けるための給水部86とから内部構成されている。包装容器84は、原液を殺菌包装したものであり、プラスチック容器、ビニール容器あるいは紙容器などの様々な形態のものがある。飲食物注入部85は、チューブポンプが設けられ、包装容器84からの連続したチューブ87をチューブポンプに組み付けている。また、飲食物注入部85は、チューブ87の注入口近傍に水やソーダ水などの希釈水を注入する希釈水ノズル88が設けられ、飲食物注入信号を供給されると、給水部86に置かれたカップ90に原液と希釈水とを所定量ずつ供給する。
【0003】
飲食物供給装置81は、水分や栄養分を含む原液を取り扱うため、チューブ87の先端部が外気と接触するとチューブ内の原液に雑菌などが繁殖し、その雑菌がチューブ87を介して包装容器84に混入する恐れがある。これを防止するために、チューブポンプには、チューブ87の先端部を挟んで押圧するピンチ機構が備えられている。
【0004】
図34は、チューブポンプ100の第1従来例を示す図である。
チューブポンプ100は、本体に回転可能に保持されたローラ保持手段101の片側にチューブガイド102を揺動可能に設け、ローラ保持手段101とチューブガイド102との間にチューブ87を組み付けている。ローラ保持手段101は、回転駆動装置であるモータ104の駆動軸105に連結している。ローラ保持手段101は、円盤形の一対のローラプレートの間に複数の回転軸107が円周方向に等間隔に架設され、各々の回転軸107に円筒形状のローラ106が回転可能に保持されている。また、チューブポンプ100の下部には、チューブ87を挟んで押圧することにより、液体の供給を停止させる固定部108と可動部109とが設けられている。可動部109には、駆動手段であるソレノイド110が連結されている。
【0005】
こうしたチューブポンプ100は、モータ104に電気信号を供給すると、駆動軸105の回転力がローラ保持手段101に伝達され、ローラ保持手段101が正方向(図中矢印K方向)に回転する。このとき、可動部109は、ソレノイド110により開放状態にある。ローラ106は、ローラ保持手段101が所定の角度回転する毎にチューブ87を順次押し潰して閉鎖箇所を設け、さらに、チューブ87をしごきながら回転する。つまり、チューブポンプ100は、2箇所の閉鎖箇所の間に一定量充填された原液をしごいて圧送する。よって、ローラ保持手段101の回転量を制御すれば、カップ90に原液を所定量供給することができる。
また、モータ104への電気信号の供給を停止してローラ保持手段101の回転を停止させたときは、ソレノイド110で可動部109を固定部108に押圧することによりチューブ87を押しつぶし、原液の供給を完全に停止する。これは、チューブ87の原液と外気とを接触させない効果も有する(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
図35及び図36は、チューブポンプ200の第2従来例を示す図である。
第2従来例のチューブポンプ200は、可動台201に一対のスプロケット202,203が回転可能に軸支され、一対のスプロケット202,203に巻回された歯付きベルト204には、4個のローラ205が所定間隔で回転可能に取り付けられている。一対のスプロケット202,203の片側には、ローラ受けカム206が配設され、ローラ205とローラ受けカム206との間にチューブ87を組み付けている。ローラ受けカム206は基台207と平行に配設されているのに対し、可動台201は、基台207に対して揺動可能に設けられて押圧機構208と連結している。押圧機構208は、可動台201をローラ受けカム206に対して近接させるよう押圧するものであり、一端をL字形に折り曲げられた作動杵209を備える。作動杵209は、折り曲げられた端部が基台207の貫通孔207aに挿通されて可動台201に突き当てられる一方、反対側端部が、一端を基台207に固定された引張バネ210で上流側(図中上向き)に向かって引っ張り上げられている。そして、基台207には、ソレノイド211が駆動軸212を下流側(図中下向き)に突出するよう固定され、その駆動軸212の先端部が作動杵209に突き当てられている。
【0007】
このようなチューブポンプ200は、ソレノイド211に電気信号を供給した場合には、図35に示すように、駆動軸212がソレノイド211から突出して作動杵209を引張バネ210の付勢力に反して押し下げるため、押圧機構208が可動台201を押圧しなくなり、可動台201を図中矢印G方向に揺動させる。この状態で一対のスプロケット202,203を図中L方向に回転させると、ローラ205がチューブ87を順次押し潰してしごき、原液を圧送することができる。
また、ソレノイド211に電気信号を供給しない場合には、図36に示すように、駆動軸212がソレノイド211内に退避して作動杵209を押し下げないため、作動杵212が引張バネ210に引き上げられ、可動台201をローラ受けカム206に近接させるよう図中矢印J方向に押圧する。そのため、ローラ205がチューブ87に強く押しつけられて液体漏れを防止する。これは、原液を外気に接触させない効果も有する(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−109895号公報(第3〜4頁、第6図。)
【特許文献2】
特許第3182637号公報(第5〜6頁、第7図、第8図。)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチューブポンプ100,200は、次のような問題があった。
第1従来例のチューブポンプ100は、液体停止手段としてモータ104とは別に、チューブ87をピンチするための固定部108,可動部109,及びソレノイド110を必要とし、また、第2従来例のチューブポンプ200は、液体を圧送するために必要な図示しないモータの他に、チューブ87をピンチするための作動杵209、引張バネ210、ソレノイド211を必要とするため、何れのチューブポンプ100,200でも部品点数が多いために装置サイズが大型化する問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、部品点数の少ないコンパクトなチューブポンプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1に記載の発明は、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、前記ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラの少なくとも1つを前記チューブに対して強く押しつけて液体の流れを停止する液体停止手段を有することを特徴としている。
【0012】
上記構成を有する発明では、駆動手段によってローラ保持手段を正方向に回転させてローラを所定方向に移動させると、各ローラがチューブを順次しごいて液体を圧送し、その後に駆動手段でローラ保持手段の回転を停止させてからローラ保持手段を逆方向に回転させてローラを所定方向と反対方向に移動させると、ローラの少なくとも1つがチューブに対して強く押しつけられて当該ローラの上流側の液体を外気と接触させないようにしており、駆動手段の駆動力を利用してピンチを行うので、従来技術のソレノイドなどの部品を省いて部品点数を減らし、装置サイズをコンパクトにすることができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ローラ保持手段は、前記複数のローラを円周方向に等間隔に配設されて回転可能に保持するものであり、前記液体停止手段は、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラの少なくとも1つを前記チューブに対して強く押し付けることを特徴としている。
【0014】
上記構成を有する発明では、駆動手段によってローラ保持手段を正方向に回転させてローラを所定方向に回転させると、各ローラがチューブを順次しごいて液体を圧送し、その後に駆動手段でローラ保持手段の回転を停止させてからローラ保持手段を逆方向に回転させてローラを所定方向と反対方向に回転させると、ローラの少なくとも1つがチューブに対して強く押しつけられて当該ローラの上流側の液体を外気と接触させないようにしており、駆動手段の駆動力を利用してピンチを行うので、チェーンなどの駆動伝達手段を用いてローラを移動させる場合と比較して、簡単な構造でチューブのピンチを行うことができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記液体停止手段が、前記ローラ保持手段が正方向に回転されるときは前記ローラを外側に向けて付勢しているスプリングを解放する状態とし、前記ローラ保持手段が逆方向に回転されるときは前記スプリングの付勢力を強める状態とするガイド機構を有することを特徴としている。
すなわち、ガイド機構は、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させるときには、ローラを解放してスプリングの付勢力を通常の状態とするため、各ローラをチューブに対して所定圧で順次押しつけ、また、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させるときには、スプリングの付勢力を強めてローラをチューブに対して強く押しつけるので、簡単な構造でローラの押圧力を変えることができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記駆動手段がモータであって、前記ローラ保持手段は、前記モータの駆動軸に軸支され、前記液体停止手段は、前記モータが固定され、前記モータを揺動させるスイングプレートを有し、前記ローラ保持手段を前記モータと一体的に揺動させ、前記ローラ保持手段の軸芯の位置を前記チューブに近づける方向又は前記チューブから遠ざかる方向に移動させることを特徴としている
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記駆動手段がモータであって、前記モータの駆動軸に連結する第1出力軸と、前記第1出力軸に回転自在に挿通され、前記ローラ保持手段に連結される第2出力軸と、を有し、前記液体停止手段は、前記第2出力軸が挿通される長孔が形成されると共に、前記長孔の外側に溝幅が異なるカム溝が形成されたガイドプレートと、前記第1出力軸に嵌合する第1嵌合孔が形成され、前記第1嵌合孔の周りに複数の連結孔が形成された回転板と、前記第2出 力軸に嵌合する第2嵌合孔が形成され、前記第2嵌合孔の周りに径方向に長く形成された複数のガイド溝と、前記ガイド溝と前記挿通孔との間に円弧状に形成された複数の案内溝とを有するリンクプレートと、前記ガイド溝から前記カム溝へ挿通されるリンクピンと、前記連結孔から前記案内溝に挿通される案内ピンとを備えるリンクと、を有することを特徴としている
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施の形態)
続いて、本発明に係るチューブポンプの第1実施の形態について説明する。図1は、液体停止状態のチューブポンプ1の正面図である。図2は、液体供給状態のチューブポンプ1の正面図である。
チューブポンプ1は、モータ(「駆動手段」に相当するもの)3でロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)5を逆方向K2に回転させることにより、ロータ5の軸芯の位置をチューブ7に近づく方向に移動させて下流側のローラ9をチューブ7に対して強く押しつけるものである。
【0019】
チューブポンプ1は、本体2に貫き通されたモータ3の駆動軸4にロータ5が回転可能に軸支されている。ロータ5の片側には、チューブガイド6が回動可能に設けられ、チューブガイド6とロータ5との間にチューブ7が組み付けられている。ロータ5は、円板形の一対のローラプレートを円筒形状の軸部で連結したものであり、一対のローラプレートの間に3本のローラ軸8が円周方向に等間隔に架設されて、ローラ9をそれぞれ回転可能に保持している。
【0020】
図3は、チューブポンプ1の側面図である。
本体2とモータ3との間には、液体停止手段(「リンク機構」に相当するもの。)が配設されている。液体停止手段は、ガイドプレート10、回転板17、リンク18、リンクプレート19、スイングプレート20などから構成されている。
【0021】
図4は、ガイドプレート10の平面図である。
ガイドプレート10は、略四角形状の板状体であり、ネジ孔11a〜11dが四隅に形成されている。ネジ孔11bの近傍には、支軸21(図3参照。)を固定するための軸孔12が形成されている。チューブ7を組み付けられる側のガイドプレート10の略中央部には、長孔13がネジ孔11a側からネジ孔11d側に向かって斜めに長く形成され、モータ3の駆動軸4を移動可能に挿通できるようにしている。長孔13の周りには、凹部14とカム溝15が形成されている。凹部14は、長孔13の図中下端部に規定した点Yを中心とする円筒形状に形成される一方、カム溝15は、長孔13の図中上端部に規定した点Xを中心として凹部14の周りに環状に形成されている。そのため、カム溝15では、溝幅がネジ孔11a側からネジ孔11d側に向かって次第に狭くなっている。カム溝15の内周面15bには、ネジ孔11d近傍からネジ孔11cに向かって傾斜する傾斜面を形成され、外周面15a側に突き出したストッパ16が設けられている。
【0022】
図5は、回転板17の平面図である。
回転板17は、ガイドプレート10の凹部14より小径の円板形に形成されている。回転板17の中心部には、モータ3の駆動軸4に隙間なくはめ合わされる嵌合孔17aが形成され、その嵌合孔17aの周りに3個の連結孔17bが円周方向に等間隔に形成されている。
【0023】
図6は、リンクプレート19の平面図である。
リンクプレート19は、回転板17より大径の円板形に形成され、中心部にモータ3の駆動軸4を回転自在に挿通される挿通孔19cが形成されている。挿通孔19cの周りには、3個のガイド溝19aと案内溝19bが円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝19aは、径方向に長く形成され、リンク18のリンクピン18aを挿通される。また、案内溝19bは、ガイド溝19aと挿通孔19cとの間から円弧状に形成され、リンク18の案内ピン18bを摺動可能に挿通される。
【0024】
図7は、スイングプレート20の平面図である。
スイングプレート20には、モータ3の駆動軸4が回転自在に挿通される挿通孔20aが形成され、その両側にスイングプレート20をモータ3の本体に固定するためのネジ孔20bが形成されている。また、スイングプレート20には、支軸21が回動可能に挿通される保持孔20cが形成されている。
【0025】
これらの部材は、次のようにして本体2に取り付けられて液体停止手段を構成する。図8〜図10は、液体停止手段の取付説明図である。
先ず、図8に示すように、モータ3の駆動軸4を挿通するために本体2に形成された孔に対してガイドプレート10の長孔13を位置合わせし、ガイドプレート10の軸孔12がチューブ7の下流側に位置するようにガイドプレート10を配置する。それから、ガイドプレート10の長孔13と回転板17の嵌合孔17aとを位置合わせし、回転板17をガイドプレート10の凹部14内に配置する。そして、図9に示すように、回転板17の嵌合孔17aに対してリンクプレート19の挿通孔19cを位置合わせするとともに、回転板17の連結孔17bに対してリンクプレート19の案内溝19bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート10のカム溝15に突き出すようにリンクプレート19のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bをリンクプレート19の案内溝19bに貫き通して回転板17の連結孔17bに嵌め込んで固定する。このとき、リンクプレート19は、回転板17が図中矢印K1方向に回転したとき(モータ3でロータ5を正方向に回転させるとき)にリンク18のリンクピン18aを外側に押し出すように取り付ける。そして、図10に示すように、スイングプレート20の保持孔20cに支軸21を挿通し、スイングプレート20を支軸21に揺動可能に保持させる。そして、保持板22をスイングプレート20に重ね合わせ、保持板22のネジ孔22a〜22dからガイドプレート10のネジ孔11a〜11dに挿通したネジを本体2に締結することにより、液体停止手段を本体2に取り付ける。
【0026】
こうして本体2に取り付けられる液体停止手段には、図3に示すように、モータ4の駆動軸4がスイングプレート20の挿通孔20aからリンクプレート19の挿通孔19c、回転板17の嵌合孔17a、ガイドプレート10の長孔13へと貫き通され、スイングプレート20にモータ3の本体が固定される。モータ3の駆動軸4は、さらに本体2を貫いて反モータ3側に突き出してロータ5を取り付けられる。このとき、モータ3の駆動軸4がロータ5と回転板17の嵌合孔17aにきっちり嵌め合わされるため、液体停止手段が駆動軸4を介してロータ5に連結され、また、ロータ5に保持されるローラ9と回転板17の連結孔17bに連結されるリンク18とが一義的に位置合わせされる。
【0027】
続いて、第1実施の形態のチューブポンプ1の作用について説明する。
図2に示すように、モータ3が正方向K1に回転するときは、ロータ5は、本体2に対して第一位置に配置される。第一位置では、各々のローラ9がチューブガイド6との間でチューブ7をほぼ一定の押圧力で順次押し潰す。そのため、ロータ5が120度回転する毎に、ローラ9が先のローラ9との間に液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ5が正方向K1に回転し続けると、先のローラ9がチューブ7から離間するとともに、その後のローラ9がチューブ7を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ1は、ロータ5が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送する。
【0028】
ロータ5の回転量を位置検出スイッチなどで検出するなどして、液体を所定量供給したことを確認したら、ロータ5の回転を停止させ、その後に図1に示すようにモータ3でロータ5を逆方向K2に回転させる。ロータ5を逆方向K2に回転させると、液体停止手段がロータ5を図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動させてローラ9の軌道を正転時の軌道から外すとともに、ローラ9を定位置で停止させる。そのため、下流側のローラ9はチューブ7を正転時より強く押しつけた状態で停止する一方、上流側のローラ9はチューブ7から離間してチューブ7に対する押圧力を解除した状態で停止する。
【0029】
次に、液体停止手段の動作について詳細に説明する。図11は、液体供給状態における液体停止手段の外観斜視図である。図12は、モータ3側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。図13は、液体停止状態における液体停止手段の外観斜視図である。図14は、モータ3側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
モータ3でロータ5を正方向K1に回転させる場合には、図11及び図12に示すように、リンク18はリンクピン18aを外向きに移動させた状態で突っ張っており、リンクピン18aがストッパ16に係止されない。そのため、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続けることができる。
【0030】
モータ3でロータ5の正方向K1への回転を停止させた後にロータ5を逆方向K2に回転させた場合には、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。リンクプレート19は、駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部から反対側の端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを内向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、カム溝15の溝幅の狭い部分に突き出したリンク18のリンクピン18aは、ガイド溝19aを内向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに当接する。その当接部分には逆方向K2の力が作用し、その力が当該リンクピン18aから回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点にして揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されて斜め下方に移動し、それに伴って、ロータ5が図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動する。
【0031】
各リンク18のリンクピン18aが、図13及び図14に示すように、リンクプレート19のガイド溝19aを内向きに完全に移動して突っ張ると、モータ3の駆動力が駆動軸4、回転板17、リンク18を介してリンクプレート19に伝達され、リンクプレート19が回転板17とともに逆方向K2に回転し始める。このとき、リンク18のリンクピン18aは、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに沿って移動するので、リンクピン18aの一つがストッパ16に係止され、回転板17の回転が阻止される。そのため、回転板17に連結する駆動軸4の回転も阻止され、さらに、駆動軸4に連結するロータ5の回転も阻止される。ここで、リンクピン18とローラ9とは、一義的に位置合わせされているため、リンクピン18の一つがストッパ16に係止されて定位置で停止すると、それに対応するローラ9も定位置で停止する。
【0032】
その後さらに、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させると、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。この場合も、リンクプレート19が駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、溝幅の狭い部分に突き出たリンク18のリンクピン18aは、リンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の外周面15aに当接する。その当接部分には正方向K1の力が作用し、その力が当該リンクピン18aからリンク18、回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点として揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されて斜め上方に移動し、それに伴って、ロータ5が図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に移動する。そして、各リンク18のリンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動して突っ張って、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続ける。
【0033】
ここで、例えば、リンクプレート19の回転抵抗が非常に少ない場合や、慣性力が小さい場合、また、リンク18のリンクピン18aとリンクプレート19との摩擦力が大きい場合には、モータ3でロータ5を逆方向K2へ回転させた後に正方向K1に回転させたときに、リンク18のリンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動する前に、リンクプレート19が回転板17と一緒に正方向K1に回転し始めることがある。この場合、ロータ5の軸芯の位置が図1に示す第二位置から図2に示す第一位置まで十分に移動しないため、ロータ5が正方向K1に回転してもローラ9でチューブ7を十分にしごけないおそれがある。この場合、チューブポンプ1では、ストッパ16の傾斜面がリンク18のリンクピン18aを強制的に外向きに押し出し、その力が当該リンク18から回転板17、他のリンク18へと伝達されて全てのリンク18のリンクピン18aを外向きに完全に移動させるので、ロータ5の軸芯の位置を図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に確実に移動させることができる。
【0034】
従って、第1実施の形態のチューブポンプ1は、モータ3によってロータ5を正方向K1に回転させてローラ9を正方向K1に移動させると、各ローラ9がチューブ7を順次しごいて液体を圧送し、その後にモータ3でロータ5の回転を停止させてからロータ5を逆方向K2に回転させてローラ9を逆方向K2に移動させると、下流側のローラ9がチューブ7に対して強く押しつけられて当該ローラ9の上流側の液体を外気と接触させないようにしており、モータ3の駆動力を利用してピンチを行うので、従来技術のソレノイド110,211などの部品を省いて部品点数を減らし、装置サイズをコンパクトにすることができる。
【0035】
ここで、チューブポンプ1は、モータ3によりロータ5を逆方向K2に回転させるときに、モータ3の駆動軸4をガイドプレート10の長孔13に沿って斜め上方に移動させてロータ5の軸芯をチューブ7に近づく方向に移動させ、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させるときよりも下流側のローラ9をチューブ7に対して強く押しつけるので、当該ローラ9より下流側の液体が当該ローラ9より上流側の液体と混ざり合うのを防止することができる。
【0036】
また、モータ3がロータ5を逆方向K2に回転させるように駆動すると、その駆動力が駆動軸4から回転板17、リンク18、リンクプレート19へと伝達され、さらに、ガイドプレート10のカム溝15に当接したリンク18のリンクピン18aから駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達されて、モータ3をガイドプレート10の長孔13に沿って斜め下方に移動させることにより、ロータ5の軸芯の位置を図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動させ、また、モータ3がロータ5を正方向K1に回転させるように駆動すると、その駆動力が駆動軸4から回転板17、リンク18、リンクプレート19へと伝達され、さらに、ガイドプレート10のカム溝15に当接したリンク18のリンクピン18aから駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達されて、モータ3をガイドプレート10の長孔13に沿って斜め上方に移動させることにより、ロータ5の軸芯の位置を図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に復帰させるので、モータ3の駆動力を利用してチューブ7に対する押圧力を変更することができる。
【0037】
(第2実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第2実施の形態について説明する。図15は、チューブポンプ30の断面図である。
チューブポンプ30は、第1実施の形態のチューブポンプ1と同様に、モータ3でロータ5を逆方向K2に回転させることによりロータ5の軸芯の位置をチューブ7に近づける方向に移動させるものであるが、ロータ5の軸芯の位置を移動させた後にロータ5を逆方向K2に回転させる点で第1実施の形態のチューブポンプ1と相違している。よって、ここでは、第2実施の形態のチューブポンプ30が第1実施の形態のチューブポンプ1と相違する点について詳細に説明する。尚、第1実施の形態と同様の構成には、同一符号を付けている。
【0038】
チューブポンプ30は、モータ31と連結する図示しない減速ギヤがギヤボックス32に収納されている。減速ギヤは、第1出力軸33に連結し、第1出力軸33には、第2出力軸34が回転自在に挿通されている。第2出力軸34は、液体停止手段と本体2と貫いて反モータ31側に突出し、ロータ5と連結されている。
【0039】
図16は、リンクプレート39の平面図である。
リンクプレート39は、第2出力軸34に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔39cが形成され、その周りには、第1実施の形態のリンクプレート19と同様に3個のガイド溝19aと案内溝19bが形成されている。
【0040】
図17は、回転板37の平面図である。
回転板37は、第1出力軸33に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔37aが形成され、その周りには、第1実施の形態の回転板17と同様に3個の連結孔17bが形成されている。
【0041】
このようなリンクプレート29と回転板37を備える液体停止手段は、次のようにして本体2に取り付けられる。図18及び図19は、液体停止手段の取付説明図である。
先ず、図18に示すように、本体2に形成された第2出力軸34を挿通する孔に対してガイドプレート40の長孔13を位置合わせする。ガイドプレート40には、第1実施の形態のガイドプレート10と同様にカム溝15が形成されているが、凹部14は形成されていない。そして、図19に示すように、ガイドプレート40の長孔13に対してリンクプレート39の嵌合孔39cを位置合わせして配置する。それから、リンクプレート39の嵌合孔39cに対して回転板37の嵌合孔37aを位置合わせするとともに、リンクプレート39の案内溝19bに対して回転板37の連結孔17bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート40のカム溝15に突き出すようにリンクプレート39のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bを回転板37の連結孔17bにさし込んで貫き通し、さらにリンクプレート39の案内溝19bに挿通する。そして、図15に示すように、保持板35を補助部材36とガイドプレート40を介して本体2に固定し、液体停止手段を本体2に取り付ける。
【0042】
こうした第2実施の形態のチューブポンプ30は、次のように動作する。
モータ31で第1出力軸33を逆方向K2に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。このとき、第2出力軸34は第1出力軸33に対してフリーであるため、第1出力軸33から第2出力軸31に駆動力が伝達されない。リンク18は、案内ピン18aがリンクプレート39の案内溝19aに沿って移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のガイド溝19aに沿って内向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の内周面15bにリンクピン18aを当接させると、ロータ5の軸芯の位置が第一位置から第二位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の内周面15bに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を逆方向K2に回転させる。リンク18のリンクピン18aがガイドプレート40のストッパ16に係止されると、リンクプレート39が回転しなくなり、それにともなって第2出力軸34及びロータ5の回転も阻止される。ここで、リンクピン18とローラ56とは、一義的に位置合わせされているため、リンクピン18の一つがストッパ16に係止されて定位置で停止すると、それに対応するローラ56も定位置で停止する。
【0043】
その後に、モータ31で第1出力軸33を正方向K1に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート39の案内溝19b内を移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のカム溝15に沿って外向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の外周面15aにリンクピン18aを当接させると、ローラ5の軸芯の位置が第二位置から第一位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の外周面15aに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を正方向K1に回転させる。
【0044】
従って、第2実施の形態のチューブポンプ30によれば、モータ31でロータ5を逆方向K2に回転させた後に正方向K1に回転させるときに、第1出力軸33でリンク18を作動させてロータ5の軸芯の位置を第二位置から第一位置に完全に移動させた後に、第2出力軸34でモータ3の駆動力をロータ5に伝達してロータ5を正方向K1に回転させるので、ロータ5を正方向K1に回転させ始めるときに自重で滴下する液体の量を減らして、液体供給量の誤差を少なくすることができる。
【0045】
(第3実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第3実施の形態について説明する。図20は、液体停止状態のチューブポンプ50の概略構成図である。図21は、液体供給状態のチューブポンプ50の概略構成図である。
第3実施の形態のチューブポンプ50は、本発明のベストモードであり、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させることにより下流側のローラ56を付勢するU字バネ58の付勢力を強めるものである。
【0046】
チューブポンプ50は、本体51に対してロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)52が回転可能に保持され、ロータ52の片側にチューブガイド53が回動可能に設けられている。ロータ52とチューブガイド53との間には、チューブ54が組み付けられている。ロータ52には、図示しないモータ(「駆動手段」に相当するもの)の駆動軸が連結されている。ロータ52は、円板形の一対のローラプレートを軸部で連結したものであり、3個のガイド溝52aが一対のローラプレートの円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝52aは、径方向に長く形成され、ローラ軸55がそれぞれ摺動可能に保持されている。ローラ軸55には、円筒形状のローラ56が回転可能に保持されている。
【0047】
また、ロータ52の一対のローラプレートには、3個の案内溝52bがガイド溝52aと同軸状に径方向に長く形成され、スプリングシャフト57が摺動可能に保持されている。スプリングシャフト57は、一対のローラプレートの間に架設されている。U字バネ(「スプリング」に相当するもの)58は、両端部がローラ軸55とスプリングシャフト57とに接続し、スプリングシャフト57とローラ軸55とを離間させるように付勢している。
【0048】
本体51には、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときにローラ軸55を内向きに移動させる第1カム部材59と、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときにU字バネ58の付勢力を強める第2カム部材(「液体停止手段」、「ガイド機構」に相当するもの)62とが定位置に設けられている。すなわち、第1カム部材59は、ロータ52が正方向K3に回転する時にローラ56でチューブ54を押し潰し始める位置に配設され、また、第2カム部材62は、第1カム部材59から正方向K3に120度ずれた位置に配設されている。
【0049】
図22は、チューブポンプ50の分解斜視図である。
本体51には、蓋65、基板66、取付部材67、蓋68,69がコの字形に積層され、基板66と蓋68との間にロータ52が配設される。第1カム部材59と第2カム部材62は、蓋65と基板66との間、及び、蓋68,69の間にそれぞれ揺動可能に保持されている。
【0050】
蓋65には、第1カム部材59と第2カム部材62の位置決めを行う位置決め凹部65a,65bが形成され、また、基板66には、蓋65の位置決め凹部65a,65bと対応する位置に貫通孔66a,66bが形成されている。蓋65と基板66との間には、カム軸60,63が位置決め凹部65a,65bに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60,63に第1カム部材59と第2カム部材62が揺動可能に軸支されている。第1カム部材59と第2カム部材62は、カム軸60,63に取り付けられた付勢バネ61,64によって位置決め凹部65a,65b及び貫通孔66a,66bからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0051】
一方、蓋69には、第1カム部材59と第2カム部材62の位置決めを行う位置決め凹部69a,69bが形成され、また、蓋68には、蓋69の位置決め凹部69a,69bと対応する位置に貫通孔68a,68bが形成されている。蓋68と蓋69との間には、カム軸60,63が位置決め凹部69a,69bに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60,63に第1カム部材59と第2カム部材62が揺動可能に軸支されている。第1カム部材59と第2カム部材62は、カム軸60,63に取り付けられた付勢バネ61,64によって位置決め凹部69a,69b及び貫通孔68a,68bからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0052】
図23 は、第1カム部材59の上面図である。図24は、第1カム部材59の側面図である。図25は、第1カム部材59の正面図である。
第1カム部材59は、略直方体に形成されたものであり、一端にカム軸60を挿通するための軸孔59aが形成されている。軸孔59aの開口部が設けられた一方の側面には、側方に隆起する隆起部59cが設けられている。そして、軸孔59aと隆起部59cとの間には、隆起部59cより側方に張り出して設けられたストッパ59dが設けられている。第1カム部材59には、カム軸60に装着された付勢バネ61を収納するための凹部59eが、軸孔59aと直交するように形成され、また、軸孔59a側端部と隆起部59c側端部が対角位置を切りかかれてテーパ面59f,59gを設けられている。テーパ面59fは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を大きくするように形成され、テーパ面59gは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を小さくするように形成されている。
こうした第1カム部材59は、図20及び図21に示すように、隆起部59cが内向きになるように、本体51に取り付けられる。
【0053】
図26は、第2カム部材62の上面図である。図27は、第2カム部材62の側面図である。図28は、第2カム部材62の正面図である。
第2カム部材62は、略直方体に形成されたものであり、一端にカム軸63を挿通するための軸孔62aが形成されている。軸孔62aの開口部が設けられた一方の側面には、軸孔62a側から反対側の端部62bに向かって断面積を小さくする傾斜面62cが形成されている。第2カム部材62には、カム軸63に装着された付勢バネ64を収納するための凹部62dが、軸孔62aと直交するように形成され、また、軸孔62a側端部が切りかかれてテーパ面62eを設けられている。テーパ面62eは、軸孔62a側から傾斜面62c側に向かって断面積を大きくするように形成されている。
こうした第2カム部材62は、図20及び図21に示すように、傾斜面62cが外向きになるように本体51に取り付けられる。
【0054】
続いて、チューブポンプ50の動作について説明する。
図21に示すように、ロータ52が正方向K3に回転すると、上流側のローラ56がロータ52の回転に従ってチューブ54を押し潰す。ロータ52が120度回転すると、後のローラ56がチューブ54を押し潰して先のローラ56との間に所定量の液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ52が正方向K3に回転し続けると、先のローラ56がチューブ54から離間するとともに、後のローラ56がチューブ54を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ50は、ロータ52が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送するので、ロータ52の回転量を調節すれば、所望量の液体を下流側に圧送することができる。
【0055】
液体を所定量供給すると、図示しないモータは、ロータ52を正方向K3に回転することを停止して液体の供給を停止し、その後、図20に示すように、ロータ52を逆方向K4に回転させる。上流側のローラ56は、第1カム部材59によりローラ軸55を内向きに移動されてチューブ54から離間する一方、下流側のローラ56は、第2カム部材62によりU字バネ58の付勢力を強められてチューブ54を強く押し潰す。そして、上流側のローラ56を軸支するカム軸55が第1カム部材59のストッパ59dに係止され、ロータ52の逆方向K4への回転が阻止される。
【0056】
次に、第1カム部材59と第2カム部材62の動作について詳細に説明する。ここで、一対の第1カム部材59と一対の第2カム部材62は、動作原理が同じなので、それぞれ図中上側のものに着目して説明し、図中下側のものについては説明を省略する。
【0057】
まず、第1カム部材59の動作について説明する。図29は、図21のAA断面図である。図30は、図20のBB断面図である。
図29に示すように、ロータ52が正方向K3に回転されるときには、ローラ軸55の端部が第1カム部材59のテーパ面59fに当接する。第1カム部材59は、テーパ面59fが正方向K3に向かって断面積が大きくなるよう配設されているので、ローラ軸55が正方向K3に進むのに従ってカム軸60を基点として揺動し、テーパ面59gが蓋69の位置決め凹部69aに当接するまで押し上げられる。そのため、ローラ軸55は、ロータ52の回転に従って移動するときに第1カム部材59により移動を阻害されず、同じ軌道で回転し続ける。よって、ローラ56は、U字バネ58に付勢されてチューブ54を所定の押圧力で順次押し潰すことができる。
【0058】
一方、図30に示すように、ロータ52が逆方向K4に逆回転されるときには、ローラ軸55の端部が第1カム部材59の端部59bに突き当たる。端部59bには、何らテーパ面が設けられていないため、ローラ軸55の進行が第1カム部材59に阻止されるが、ロータ52は逆方向K4に回転し続けるため、ローラ軸55は隆起部59cに沿って移動し始める。そのため、ローラ軸55は、第1カム部材59の隆起部59cによりU字バネ58の付勢力に反して内向きに押し出され、ローラ56をチューブ54から離間させる。そして、ローラ軸55がストッパ59dに係止されて移動を阻止され、ロータ52の回転が阻止される。
【0059】
次に、第2カム部材62の動作について説明する。図31は、図21のCC断面図である。図32は、図20のDD断面図である。
図31に示すように、ロータ52が正方向K3に回転されるときには、スプリングシャフト57の端部が第2カム部材62のテーパ面62eに当接する。第2カム部材62は、テーパ面62eが正方向K3に向かって断面積が大きくなるように配設されているため、スプリングシャフト57が正方向K3に進むのに従ってカム軸63を基点として揺動し、押し上げられる。そのため、スプリングシャフト57は、ロータ52の回転に従って移動するときに、第2カム部材62で移動を阻害されず、同じ軌道で回転し続けることができる。
【0060】
一方、図32に示すように、ロータ52が逆方向K4に逆回転されるときには、スプリングシャフト57の端部が第2カム部材62の端部62bに当接する。端部62bには、何らテーパ面が設けられていないため、第2カム部材62の進行が阻止されるが、ロータ52は逆方向K4に回転し続けるため、スプリングシャフト57は傾斜面62cに沿って移動し始める。そのため、スプリングシャフト57が外向きに押し出されてU字バネ58の付勢力を強め、ローラ56がチューブ54を正転時より強い押圧力で押しつける。
【0061】
従って、第3実施の形態のチューブポンプ50によれば、第2カム部材62は、図示しないモータでロータ52を正方向K3に回転させるときには、ローラ56を解放してU字バネ58の付勢力を通常の状態とするため、各ローラ56をチューブ54に対して所定圧で順次押しつけ、また、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させるときには、U字バネ58の付勢力を強めてローラ56をチューブ54に対して強く押しつけるので、簡単な構造でローラ9の押圧力を変えることができる。
【0062】
以上、本発明に係るチューブポンプの実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0063】
(1)例えば、上記実施の形態では、ローラ9,56をロータ5,52に回転可能に軸支させ、ロータ5,52を回転させてローラ9,56を正方向K1,K3又は逆方向K2,K4に移動させるようにしていた。それに対して、ローラを回転可能に保持するチェーンを一対のスプロケットなどで所定方向に回転させることにより、ローラを所定方向に移動させるようにしてもよい。この場合、一方のスプロケットの軸芯の位置をチューブ34に近づける方向に移動させたり、ローラの一つを定位置に設けたカム機構でチューブに近づける方向に移動させるようにするとよい。
【0064】
(2)例えば、上記第1,2実施の形態では、ガイドプレート10,40のカム溝15の内周面15bに対して傾斜面を有するストッパ16を設けた。それに対して、内周面から外周面に向かって突き出す突起を設けてストッパにしてもよい。
【0065】
(3)例えば、上記第3実施の形態では、ローラ軸55とスプリングシャフト57をU字バネ58で連結した。それに対して、コイルバネなど付勢力のあるものでローラ軸55とスプリングシャフト57を連結してもよい。
【0066】
(4)例えば、上記3実施の形態では、第1ガイド部材59と第2ガイド部材62を1個ずつ設けた。それに対して、第1ガイド部材59に変えて第2ガイド部材62を設け、チューブ54を複数箇所でピンチするようにしてもよい。
【0067】
(5)例えば、上記実施の形態では、チューブポンプ1,30,50のローラ9,52でチューブ7,54をピンチしていた。これに加えて、さらに従来技術のようにチューブ7,54の先端部を押し潰してピンチするピンチ機構を設ければ、チューブ7,54を二重にピンチすることとなり、液体と外気とを非接触にする信頼性を向上させることができる。
【0068】
(6)例えば、上記実施の形態では、チューブポンプを飲料水供給装置に使用する場合について説明したが、医療機器や計量器具などに使用するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明のチューブポンプによれば、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、駆動手段によりローラ保持手段を正方向に回転させた後、ローラ保持手段を停止し、その後、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、ローラの少なくとも1つをチューブに対して強く押しつけて液体の流れを停止する液体停止手段を有しているので、従来技術のソレノイドなどの部品を省いて部品点数を減らし、装置サイズをコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの正面図である。
【図2】 同じく、液体供給状態のチューブポンプの正面図である。
【図3】 同じく、チューブポンプの側面図である。
【図4】 同じく、ガイドプレートの平面図である。
【図5】 同じく、回転板の平面図である。
【図6】 同じく、リンクプレートの平面図である。
【図7】 同じく、スイングプレートの平面図である。
【図8】 同じく、液体停止手段の取付説明図である。
【図9】 同じく、液体停止手段の取付説明図である。
【図10】 同じく、液体停止手段の取付説明図である。
【図11】 同じく、液体供給状態における液体停止手段の外観斜視図である。
【図12】 同じく、モータ側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。
【図13】 同じく、液体停止状態における液体停止手段の外観斜視図である。
【図14】 同じく、モータ側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
【図15】 本発明の第2実施の形態において、チューブポンプの断面図である。
【図16】 同じく、リンクプレートの平面図である。
【図17】 同じく、回転板の平面図である。
【図18】 同じく、液体停止手段の取付説明図である。
【図19】 同じく、液体停止手段の取付説明図である。
【図20】 本発明の第3実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの概略構成図である。
【図21】 同じく、液体供給状態のチューブポンプの概略構成図である。
【図22】 同じく、チューブポンプの分解斜視図である。
【図23】 同じく、第1カム部材の上面図である。
【図24】 同じく、第1カム部材の側面図である。
【図25】 同じく、第1カム部材の正面図である。
【図26】 同じく、第2カム部材の上面図である。
【図27】 同じく、第2カム部材の側面図である。
【図28】 同じく、第2カム部材の正面図である。
【図29】 同じく、図21のAA断面図である。
【図30】 同じく、図20のBB断面図である。
【図31】 同じく、図21のCC断面図である。
【図32】 同じく、図20のDD断面図である。
【図33】 飲食物供給装置の概略構成図である。
【図34】 従来のチューブポンプの第1従来例を示す図である。
【図35】 従来のチューブポンプの第2従来例を示す図であり、液体供給状態を示す図である。
【図36】 従来のチューブポンプの第2従来例を示す図であり、液体停止状態を示す図である。
【符号の説明】
1,30,50 チューブポンプ
3 モータ
5,52 ロータ
9,56 ローラ
7,54 チューブ
10,40 ガイドプレート
15 カム溝
17,37 回転板
18 リンク
19,39 リンクプレート
20 スイングプレート
21 支軸
56 ローラ軸
57 スプリングシャフト
58 U字バネ
62 第2カム部材

Claims (5)

  1. 複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、前記ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラの少なくとも1つを前記チューブに対して強く押しつけて液体の流れを停止する液体停止手段を有することを特徴とするチューブポンプ。
  2. 請求項1に記載するチューブポンプにおいて、
    前記ローラ保持手段は、前記複数のローラを円周方向に等間隔に配設されて回転可能に保持するものであり、
    前記液体停止手段は、
    前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラの少なくとも1つを前記チューブに対して強く押し付けることを特徴とするチューブポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記液体停止手段は、
    前記ローラ保持手段が正方向に回転されるときは前記ローラを外側に向けて付勢しているスプリングを解放する状態とし、前記ローラ保持手段が逆方向に回転されるときは前記スプリングの付勢力を強める状態とするガイド機構を有することを特徴とするチューブポンプ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段がモータであって、
    前記ローラ保持手段は、前記モータの駆動軸に軸支され、
    前記液体停止手段は
    前記モータが固定され、前記モータを揺動させるスイングプレートを有し、
    記ローラ保持手段を前記モータと一体的に揺動させ、前記ローラ保持手段の軸芯の位置を前記チューブに近づける方向又は前記チューブから遠ざかる方向に移動させることを特徴とするチューブポンプ。
  5. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段がモータであって、
    前記モータの駆動軸に連結する第1出力軸と、
    前記第1出力軸に回転自在に挿通され、前記ローラ保持手段に連結される第2出力軸と、を有し、
    前記液体停止手段は、
    前記第2出力軸が挿通される長孔が形成されると共に、前記長孔の外側に溝幅が異なるカム溝が形成されたガイドプレートと、
    前記第1出力軸に嵌合する第1嵌合孔が形成され、前記第1嵌合孔の周りに複数の連結孔が形成された回転板と、
    前記第2出力軸に嵌合する第2嵌合孔が形成され、前記第2嵌合孔の周りに径方向に長く形成された複数のガイド溝と、前記ガイド溝と前記挿通孔との間に円弧状に形成された複数の案内溝とを有するリンクプレートと、
    前記ガイド溝から前記カム溝へ挿通されるリンクピンと、前記連結孔から前記案内溝に挿通される案内ピンとを備えるリンクと、
    を有することを特徴とするチューブポンプ。
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