JP2764157B2 - ピンチバルブ - Google Patents

ピンチバルブ

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JP2764157B2
JP2764157B2 JP4293722A JP29372292A JP2764157B2 JP 2764157 B2 JP2764157 B2 JP 2764157B2 JP 4293722 A JP4293722 A JP 4293722A JP 29372292 A JP29372292 A JP 29372292A JP 2764157 B2 JP2764157 B2 JP 2764157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムなどの弾性チュー
ブを挟圧して流体の通路を閉塞するようにしたピンチバ
ルブに関し、さらに詳細にはコイルに通電したときに該
弾性チューブの挟圧が解除される通電時開放形ソレノイ
ドにより駆動されるピンチバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲食物を、顧客毎に提供するため
の飲食物供給装置が使用されている。かかる飲食物供給
装置では通常、殺菌し、飲食物が自動充填され、密封さ
れた容器包装から、飲食物を受容器に供給するようにな
っている。しかし、飲食物の供給は常時行われるわけで
はなく、顧客の多寡により停止時間が発生し、また、飲
食物供給装置の設置場所の営業時間により長期の休止時
間が発生することもある。一方、多くの飲食物は水分お
よび栄養分に富むため、特に、飲食物を受容器に搬送す
るチューブ内等で、外気に触れる状態で長時間滞留する
と、雑菌の繁殖等を招き衛生上好ましくない。そこで、
飲食物が滞留しないよう前記チューブは途中接続のない
連続チューブとし、さらにチューブ内の飲食物が外気に
触れないよう、チューブ出口近傍にチューブ挟圧手段
(以下、ピンチバルブと称する)を配置し、飲食物注出
時以外はこれでチューブを密閉する構成とすることが行
われている。
【0003】この種のピンチバルブとして、例えば実公
昭64−3021号公報に開示されているものがある。
ここに開示されているピンチバルブは、図6に示すよう
に支持部材41に固定されている固定挟圧部材たるピン
42と移動挟圧部材たる電磁石装置の可動鉄芯43との
協働によりチューブ6を挟圧する構成とされている。こ
こで、この種の飲食物供給装置では衛生上の観点からチ
ューブ6の定期的な交換が必要である。かかるチューブ
6の交換作業は装置の休止時に行われることが多いこと
および安全上の観点から、装置を駆動せず手動にて作業
できるのが望ましい。そこで、可動鉄芯43の先端に取
り付けたプッシュボタン44を押すことにより、手動で
のチューブ6の挟圧解除を可能として、チューブ6交換
時や装置点検時の便宜を図っている。プッシュボタン4
4を押すと図7の状態となり、ピンチバルブの点検やチ
ューブ6の交換が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来のピンチバルブでは、チューブ6の挟圧を手動解
除する際のプッシュボタン44の押し込みは、電磁石装
置の復帰バネ45の弾圧力に抗して行わなければならな
い。ここで復帰バネ45は、可動鉄芯43がチューブ6
を挟圧して流体の流路を確実に閉塞するためのものであ
り、その弾圧力があまりに弱いものであってはならな
い。したがって、プッシュボタン44の押し込みにはか
なりの力を要する。また、いったんプッシュボタン44
を押し込んでも手を離せば復帰バネ45の弾圧力により
直ちに図6の状態に戻ってしまうので、チューブ6交換
もしくは装置点検等の作業中常時プッシュボタン44を
押し続ける必要があり、作業性がよくない。
【0005】また、可動鉄芯43には特殊形状の切欠4
6や孔47を形成する必要があり、コスト高を招く。ま
た、可動鉄芯43と協働してチューブ6を挟圧する固定
挟圧部材として支持部材48内に固定的に設けられたピ
ン42を使用しており、ピン42の設計上おのずと制約
があることから、チューブ6の自由径が大きすぎる場合
には、ピン42によってはチューブ6を確実に挟圧しき
れず密閉が不十分となる場合がある。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、ピンチ部材と協働してチューブ
を挟圧するピンチガイド部材をチューブの挟圧位置と挟
圧を開放する開放位置との間で回動可能にするととも
に、ピンチガイド部材を挟圧位置にて固定可能にするこ
とにより、手動による極めて簡単な操作で挟圧位置と開
放位置との切換ができ、また、開放位置にてチューブの
交換等を容易に行なうことができるとともに、挟圧位置
にて自由径の大きなチューブであっても確実に挟圧、密
閉でき、もってコストの低いピンチバルブを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のピンチバルブは、フレーム内に配設されたコ
イルと、コイル内に固定された固定鉄芯と、コイル内に
移動可能に挿入された可動鉄芯と、可動鉄芯を固定鉄芯
から離間させる方向に弾圧するバネと、可動鉄芯の固定
鉄芯に対向する側と反対側の端部に固着されたピンチ部
材と、ピンチ部材に対向配置されたピンチガイド部材と
を有し、前記ピンチ部材と前記ピンチガイド部材との間
流体の流路を構成するチューブを挿通するとともに
前記バネの弾圧力を介して前記ピンチ部材とピンチガイ
ド部材との協働により前記チューブを挟圧するピンチバ
ルブであって、前記ピンチガイド部材は前記チューブ
の挟圧位置とその挟圧を開放する開放位置との間で回動
可能となるように前記フレームに支持されているととも
に、前記挟圧位置において前記ピンチガイド部材を固定
する開閉レバーを有することを特徴とする構成とされ
る。
【0008】
【作用】前記構成を有する本発明では、コイルの非通電
状態において可動鉄芯はバネの付勢力を介して固定鉄芯
から離間する方向に付勢されており、これよりピンチ部
材はピンチガイド部材と協働して両者の間に挿通された
チューブを挟圧している。かかる状態でチューブは密閉
されており、流路は遮断されている。これに対して、チ
ューブの流路を開放すべくコイルが通電されると、可動
鉄芯はバネの付勢力に抗して固定鉄芯側に吸引され、こ
の結果、ピンチ部材は可動鉄芯と共にコイル内を移動す
ることからピンチガイド部材から離間する。これによ
り、チューブの挟圧が解除されて流路が開放され、チュ
ーブ内で流体が移送可能となる。
【0009】また、チューブの交換等を行なう場合に
は、コイルの非通電状態で固定部材によるピンチガイド
部材の固定を解除し、ピンチガイド部材をチューブの挟
圧位置から開放位置に手動にて回動させる。この状態で
チューブは外部に露出されることとなり、チューブの交
換等の作業が行なわれる。チューブの交換等の作業が終
了した後には、ピンチガイド部材を前記開放位置から挟
圧位置まで回動し、ピンチガイド部材に設けられた開閉
レバーを介して手動で挟圧位置にて固定する。これによ
り、チューブは再びピンチ部材とピンチガイド部材との
協働により挟圧されるものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明を飲食物供給装置用のピンチバ
ルブとして具体化した一実施例を図面を参照して説明す
る。図1および図2は駆動ソレノイドSを含めたピンチ
バルブ1の断面図であり、図1がチューブ6の閉塞状態
を、図2がチューブ6の開放状態を、それぞれ示す。図
1において、ピンチケース28の右端には、ピンチケー
ス28の幅方向(図3参照)にわたって形成された突状
のガイド部15(後述するピンチ部材21のピンチ部2
1Aと協働してチューブ6を挟圧する)を一体に設けて
なるピンチガイド14が回動可能に取り付けられている
(図4参照)。
【0011】ピンチケース28の後方にはバックエンド
フレーム27が組み合わされており、バックエンドフレ
ーム27の内側には、パイプ形状のボビン26に巻線2
4を巻回したコイルからなるソレノイドSが挿入されて
いる。ここでソレノイドSは公知の3端子2層式のもの
とするのがよい。3端子2層式ソレノイドを採用するこ
とにより、通常の2端子式ソレノイドによる場合と比べ
てピンチバルブ1の駆動機構を小形化することができる
からである。
【0012】そして、ボビン26の内側においてバック
エンドフレーム27の図1中右端には、固定鉄芯25が
かしめ等により固定されており、また、固定鉄芯25の
右方には可動鉄芯23がボビン26内を図1、図2中左
右方向に摺動可能に挿嵌されている。ここに、固定鉄芯
25は可動鉄芯23の左方向への動きを制限するもので
ある。また、可動鉄芯23の右方位置には係止片23A
が設けられており、かかる係止片23Aとピンチケース
28の左側壁28Aとの間には復帰バネ22が挿嵌され
ている。この復帰バネ22は可動鉄芯23を固定鉄芯2
5から離間する方向(図1、図2中右方向)に常時弾圧
している。
【0013】更に、可動鉄芯23の右端部には、ピンチ
ケース28の幅方向(図3参照)に渡って形成された突
状のピンチ部21Aを有するピンチ部材21が固着され
ている。かかるピンチ部21Aは前記したピンチガイド
14のガイド部15に対向配置されている。また、ピン
チケース28にはチューブ案内孔28Bが形成されてお
り、このチューブ案内孔28B内でピンチ部21Aとガ
イド部15との間には液体等の流体の流路をなすチュー
ブ6が挿通されている。これより、ソレノイドSの非通
電時には、可動鉄芯23は復帰バネ22の弾圧力により
図中右方向に押し付けられており、したがって可動鉄芯
23の右端に取り付けられたピンチ部材21のピンチ部
21Aが、ピンチガイド14のガイド部15と協働して
チューブ6を挟圧している。これによりチューブ6内を
流下する流体の流路は密閉されるものである。
【0014】ここで、可動鉄芯23には、コスト高を招
く特殊形状の切欠や孔を形成する必要はない。そして、
ガイド部15およびピンチ部21Aはピンチケース28
の幅方向に渡って、それぞれピンチガイド14およびピ
ンチ部材21の一部として一体成形されているので、チ
ューブ6が大きな自由径を有する場合であっても、ガイ
ド部15とピンチ部21Aとの協働によりチューブ6を
確実に挟圧、密閉することができる。したがって復帰バ
ネ22が一定以上の弾圧力を有していれば確実にチュー
ブ6を挟圧、密閉することができる。
【0015】そして、前記のようにチューブ6が挟圧さ
れた状態(図1の状態)からソレノイドSの巻線24に
所定の電流が印加されると、ソレノイドSの電流磁気作
用により、可動鉄芯23は復帰バネ22の弾圧力に抗し
て固定鉄芯25側へ吸引され、これによりピンチ部材2
1とピンチガイド14とによるチューブ6の挟圧が解除
される。これが図2に示す開放状態である。また、電流
が切断されると可動鉄芯23およびピンチ部材21は、
復帰バネ22の弾圧力により再び図中右方向に押し付け
られ図1に示す閉塞状態となる。
【0016】次にガイド部15を挟持位置から離間する
ためのピンチガイド14の開閉機能について図3ないし
図5を参照して述べる。図3は、開閉機能を有するピン
チガイド14およびその周辺の正面図、図4はピンチガ
イド14およびその周辺の平面図である。図3および図
4において、ピンチガイド14は、鉛直方向のピンチガ
イド軸30を介してピンチケース28に回動可能に支持
されており、ピンチ開閉レバー31(図3中実線位置)
により、図示の位置に固定されている。この状態でピン
チガイド14のガイド部15は、前記したように、ピン
チ部材21のピンチ部21Aと協働してチューブ6を挟
圧密閉している。
【0017】ピンチ開閉レバー31を反時計方向に90
゜回転して図3中破線の状態にすると、ピンチガイド1
4は固定状態から開放され、ピンチガイド軸30の周り
に回動して図5の開放状態にすることができる。この操
作は復帰バネ22の弾圧力に抗しながら行うものではな
いので特に力は要さない。そして、図5の開放状態は、
ピンチ部材14から手を離してもそのまま維持され、し
たがって、チューブ6の交換や装置点検等の作業を簡単
に行うことができ便利である。
【0018】開放状態にするとチューブ6は、ピンチガ
イド14のガイド部15とピンチ部材21のピンチ部2
1Aとによる挟圧が解除されるので、ソレノイドSに通
電して可動鉄芯23を吸引することなくチューブ6の交
換ができる。したがって交換作業中の感電事故発生等の
おそれはない。そして交換後は、ピンチガイド14を閉
位置に戻してピンチ開閉レバー31を図3中実線の状態
にすれば、再びピンチガイド14は固定されチューブ6
を密閉状態にし、使用状態に復帰できる。これにより、
装置が休止状態にあるときでも、そのまま安全にチュー
ブ交換作業をして使用状態に復帰できる、作業性のよい
ピンチバルブが実現できる。
【0019】以上詳細に説明したとおり、前記実施例に
かかるピンチバルブ1では、ピンチガイド軸30により
チューブ6の挟圧位置とその挟圧を解除する開放位置と
の間でピンチガイド14をピンチケース28に対して回
動可能に支持するとともに、ピンチ開閉レバー31を介
して挟圧位置への固定とその解除を行なうようにしたの
で、手動による極めて簡単な操作で挟圧位置と開放位置
との切換を行なうことができる。また、ピンチ開閉レバ
ー31により固定される挟圧位置では、ピンチケース2
8の幅方向に渡ってピンチ部材21及びピンチガイド1
4の双方に形成されたピンチ部21Aとガイド部15と
の協働によりチューブ6を挟圧、密閉するようにしたの
で、自由径の大きなチューブ6であっても確実に挟圧、
密閉することができる。
【0020】更に、ピンチレバー31による固定が解除
された開放位置ではチューブ6をピンチバルブ1の外部
に露出するとともにその露出状態を維持するようにした
ので、極めて作業性よくチューブ6の交換等の作業を容
易に行なうことができる。これにより、前記した従来の
ピンチバルブとは異なり復帰バネ22の弾圧力に抗して
チューブ6を開放状態にするための作業は全く行なう必
要がなくなるものである。 また、本実施例に使用され
る可動鉄芯23には、従来のピンチバルブにおける可動
鉄芯のように複雑な形状を有する切欠や孔を形成する必
要が全くないことから、ピンチバルブ1の全体における
製造コストを低減することができる。
【0021】本実施例のピンチバルブは、飲食物供給装
置、例えばジュース等の飲料サーバー、加温機能を付加
することによるコーヒー等温かい飲料のサーバー等にお
いて使用される飲食物供給用のチューブの開閉機構に使
用して好適なものである。また、供給する飲食物は、固
形物でなければよいので飲料に限らずスープ等であって
もよく、さらに、ホットドッグやハンバーガー等の食品
にケチャップやマヨネーズ等の調味料を供給するものも
考えられる。なお、前記実施例は本発明を限定するもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種
々の変形、改良が可能であることはもちろんである。例
えば、特開平2−109895号公報等により公知であ
る飲食物供給装置におけるローラポンプ等の規定量送出
手段との組合せが考えられる。また、前記実施例におい
てはピンチ部材21を駆動するソレノイドSとして3端
子2層式ソレノイドを採用したが、通常の2端子式ソレ
ノイドとしてもよい。さらに、飲食物に限らず、薬液等
を供給するものであってもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のピンチバルブでは、ピンチ部材と協働してチューブ
を挟圧するピンチガイド部材をチューブの挟圧位置と挟
圧を開放する開放位置との間で回動可能にするととも
に、ピンチガイド部材に設けられた開閉レバーにより
ンチガイド部材を挟圧位置にて固定可能にすることとし
たので、手動による極めて簡単な操作で挟圧位置と開放
位置との切換ができ、また、開放位置にてチューブの交
換等を容易に行なうことができるとともに、挟圧位置に
て自由径の大きなチューブであっても確実に挟圧、密閉
でき、もってコストの低いピンチバルブを提供すること
ができ、その奏する効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】チューブを挟圧している状態を示すピンチバル
ブの断面図である。
【図2】チューブを挟圧していない状態を示すピンチバ
ルブの断面図である。
【図3】ピンチガイドの正面図である。
【図4】ピンチガイドの閉状態での平面図である。
【図5】ピンチガイドの開状態での平面図を、それぞれ
示している。
【図6】従来のピンチバルブにおいてチューブを挟圧し
ている状態を示す断面図である。
【図7】従来のピンチバルブにおいてチューブを挟圧し
ていない状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピンチバルブ 6 チューブ 14 ピンチガイド 15 ガイド部 21 ピンチ部材 22 復帰バネ 23 可動鉄芯 24 巻線 25 固定鉄芯 27 バックエンドフレーム 28 ピンチケース 30 ピンチガイド軸 31 ピンチ開閉レバー S ソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 7/00 - 7/20 F16K 31/11

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム内に配設されたコイルと、コイ
    ル内に固定された固定鉄芯と、コイル内に移動可能に挿
    入された可動鉄芯と、可動鉄芯を固定鉄芯から離間させ
    る方向に弾圧するバネと、可動鉄芯の固定鉄芯に対向す
    る側と反対側の端部に固着されたピンチ部材と、ピンチ
    部材に対向配置されたピンチガイド部材とを有し、前記
    ピンチ部材と前記ピンチガイド部材との間に流体の流路
    を構成するチューブを挿通するとともに、前記バネの弾
    圧力を介して前記ピンチ部材とピンチガイド部材との協
    働により前記チューブを挟圧するピンチバルブにおい
    て、 前記ピンチガイド部材は 前記チューブの挟圧位置とその挟圧を開放する開放位置
    との間で回動可能となるように前記フレームに支持され
    ているとともに、 前記挟圧位置において前記ピンチガイド部材を固定する
    開閉レバーを有する ことを特徴とするピンチバルブ。
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