JP2004156489A - チューブポンプ - Google Patents

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Kaname Ando
要 安藤
Osamu Suematsu
修 末松
Fumiichiro Kameyama
文一郎 亀山
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Abstract

【課題】チューブが塑性変形する位置を一定にして液体供給量を安定させるチューブポンプを提供すること。
【解決手段】複数のローラ9を回転可能に保持するロータ5をモータ3で正方向K1に回転させることにより、液体が流れるチューブ7を該ローラ9で順次押し潰してしごいて、該液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプ1において、モータ3でロータ5を逆方向K2に回転させたときに、ロータ5の軸芯の位置を移動させるリンク機構を係止することによりローラ9の移動を阻止し、ローラ9の1つを定位置で停止させるストッパ16を設ける。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプが知られており、例えば、飲食物供給装置のディスペンサ装置に使用されている。図35は、従来のチューブポンプ100を利用したディスペンサ装置の概略構成図である。
【0003】
ディスペンサ装置は、殺菌されたオレンジジュースなどの濃縮液(以下、「原液」という。)をカップCに所定量ずつ供給するものであり、原液を密封する箱収納バッグ(以下、「BiB」という。)101から連続する吐出チューブ102をチューブポンプ100に組み付け、チューブポンプ100の下部に設けられた飲料ミキシング装置103で原液と冷水回路104から供給される冷水とをミキシングしてカップCに注入する。
【0004】
図36は、従来のチューブポンプ100の断面図である。
チューブポンプ100は、ケース110に回転可能にロータ111が保持されている。ロータ111は、円板形の一対のローラプレートを軸部で連結したものであり、U字形に形成された複数のローラ軸112がロータ111の円周方向に等間隔に配設されて、ローラ113をそれぞれ回転可能に保持している。ロータ111の軸部には、ケース110に貫き通されたローラ回転軸114が連結され、モータ115の回転力がローラ回転軸114を介してロータ111に伝達されるようになっている。また、ケース110には、図35に示すように、チューブガイド116が設けられ、チューブガイド116とローラ113との間に吐出チューブ102が組み付けられている。
【0005】
従って、モータ115がロータ111を回転させると、ローラ113がチューブガイド116との間で吐出チューブ102を順次押し潰す。このとき、2個のローラ113の間には、原液を充填された密閉空間が形成され、ローラ113で吐出チューブ102をしごくことにより原液が下流側に一定量ずつ圧送される。よって、ロータ111の回転量を調節すれば、所定量の原液を飲料ミキシング装置103に供給することができる。所定量の原液を供給したチューブポンプ100は、吐出チューブ102をローラ113で押し潰した状態で待機する。
【0006】
ここで、特許文献1では、チューブポンプ100が待機状態になったときに、ローラ113の停止位置が一定しないと、待機中に吐出チューブ102から自重で滴り落ちる原液の量がばらついて、待機後に原液を供給する際に原液の供給量が安定しない問題を指摘している。
【0007】
この問題を解決するために、チューブポンプ100では、図36に示すように、ローラ113の位置を検出する位置検出装置を設け、ローラ113の1つを流体出口近傍(例えば、最下流部位置)で常時停止させるようにしている。位置検出装置は、位置検出板117と光センサ118とから構成されている。位置検出板117は、円板形に形成されたものであり、中心部に貫き通されたローラ回転軸114に固定されている。位置検出板117には、ローラ回転軸114の周りにローラ113の数に相当する数の切欠きが等間隔に形成されている。また、光センサ118は、ケース110内に設けられて、位置検出板117の切欠きを検出してモータ115の正方向の回転を停止させることにより、ローラ113を定位置で停止させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−130153号公報(第2〜4頁、第1図、第3図。)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチューブポンプ100では、原液を所定量供給することとローラ113を定位置で停止させることとをロータ111の正方向への回転のみで行っていたため、原液の供給量を不安定にしていた。すなわち、例えば、モータ111が所定量回転して原液を所定量飲料ミキシング装置103に注入したときに、ローラ113が定位置で停止していない場合には、ロータ111をさらに正方向に回転させてローラ113を定位置で停止させるため、ローラ113が吐出チューブ102を余分にしごいて原液をミキシング装置103に注入してしまっていた。特に、原液は冷水で希釈されるため、ローラ113が1回に圧送する僅かな量だけ多く飲料ミキシング装置103に供給しただけでも、カップCに注入される飲料水の濃度に影響を及ぼすため問題である。
【0010】
また、例えば、モータを駆動させる時間(例えば、5秒間)で原液の供給量を制御するときには、ローラ113の停止位置が必ずしも一定せず、位置検出装置でローラ113を定位置まで移動させる移動量も一定しないため、位置検出装置の制御精度に誤差を生じるおそれがあった。特に、位置検出装置は、モータでロータ111を正方向へのみ回転させて制御するため、累積誤差を生じやすい。この場合、液体漏れの量が一定量であっも、ローラ113の停止位置が所定位置からずれるため、吐出チューブ102の各部が塑性変形して液体供給量にバラツキを生じさせる不具合を生じていた。
【0011】
一方、上記特許文献1では、液体漏れを一定量にするためにローラの定点止めを行うため、液体漏れが一定量であれば必ずしもローラ113の停止位置を一定にする必要はない。それに対して、本発明は、チューブが塑性変形する位置を一定にするためにローラの定点止めを行うため、ローラの停止位置を必ず一定にする必要がある。従って、本発明は、特許文献1と定点止めを行う点で共通するものの、技術的課題が全く相違しており、特許文献1に記載された発明に対して上述したような問題が指摘される。
【0012】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ローラを定位置で停止させるときに余分な液体を圧送せず、チューブが塑性変形する位置を一定にして液体供給量を安定させることができるチューブポンプを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1に記載の発明は、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させることにより、液体が流れるチューブを該ローラで順次押し潰してしごいて、該液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させたときに、ローラの移動を阻止して、ローラの1つを定位置で停止させる定点止め手段を有することを特徴としている。
【0014】
上記構成を有する発明では、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させると、ローラが所定方向に移動することによりチューブをしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後に駆動手段でローラ保持手段を停止させて逆方向に回転させると、定点止め手段がローラの移動を阻止してローラの1つを定位置で停止させるので、ローラを定位置に位置合わせするときにローラで余分な液体を下流側に圧送せず、チューブがローラに押し潰されて塑性変形する位置を一定にして液体供給量を安定させることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ローラ保持手段が、複数のローラを円周方向に等間隔に配設されるものであり、定点止め手段は、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させたときに、ローラの回転を阻止して、ローラの1つを定位置で停止させることを特徴としている。
上記構成を有する発明では、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させると、ローラが所定方向に回転することによりチューブをしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後に駆動手段でローラ保持手段を停止させて逆方向に回転させると、定点止め手段がローラの回転を阻止してローラの1つを常に定位置で停止させるので、例えば、一対のスプロケットに巻回されるチェーンに複数のローラを設ける場合と比較して、簡単な構造でローラの1つを定位置で停止させることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、駆動手段とローラ保持手段とに連結し、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させているときにはローラ保持手段の軸芯の位置を第一位置に移動させ、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させているときにはローラ保持手段の軸芯の位置を第二位置に移動させるリンク機構を有し、定点止め手段は、定位置に設けられ、リンク機構がローラ保持手段を第二位置に移動させたときに、ローラ保持手段またはリンク機構を係止することを特徴としている。
すなわち、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させると、リンク機構が駆動手段の駆動力を利用してローラ保持手段の軸芯の位置を第一位置から第二位置に移動させ、それと同時に或いはその後に、定点止め手段がローラ保持手段又はリンク機構を定位置で係止してローラ保持手段の回転を阻止するので、ローラ保持手段の正転時に邪魔にならない位置に定点止め手段を突起などの簡単な構造で設けることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、定点止め手段は、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させるときに、リンク機構を強制的に作動させる作動部を有することを特徴としている。
すなわち、駆動手段がローラ保持手段を逆方向に回転させ、その後にローラ保持手段を停止させてから正方向に回転させるときに、定点止め手段の作動部がリンク機構を強制的に作動させてローラ保持手段の軸芯の位置を第二位置から第一位置に移動させ、ローラをチューブに対して所定圧で押しつけるので、リンク機構の動作を安定させて、正転時の液体供給量を安定させることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、定点止め手段は、ローラをローラ保持手段に対して回転可能に軸支させるローラ軸を定位置で係止することを特徴としている。
すなわち、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させると、定点止め手段がローラ軸を定位置で係止するので、ローラ保持手段の逆転に従ってローラを簡単に定位置で停止させることができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、ローラ保持手段を逆方向に回転させたときにローラを内側に移動させるガイド手段を定位置に有し、ガイド手段にローラ軸を係止するストッパを設けることを特徴とする。すなわち、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させると、ガイド手段がローラを内側に移動させてローラの押圧力を弱めるとともに、ローラ軸をストッパで係止してローラを定位置で停止させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施の形態)
続いて、本発明に係るチューブポンプの第1実施の形態について説明する。図1は、液体停止状態のチューブポンプ1の正面図である。図2は、液体供給状態のチューブポンプ1の正面図である。
チューブポンプ1は、モータ(「駆動手段」に相当するもの)3でロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)5を逆方向に回転させて、リンク機構によりロータ5の軸芯の位置をチューブ7から離れる方向に移動させたときに、ストッパ16でリンク機構を係止することによりロータ5の回転を阻止してローラ9を定位置で停止させるものである。
【0021】
チューブポンプ1は、本体2に貫き通されたモータ3の駆動軸4にロータ5が回転可能に軸支されている。ロータ5の片側には、チューブガイド6が回動可能に設けられ、チューブガイド6とロータ5との間にチューブ7が組み付けられている。ロータ5は、円板形の一対のローラプレートを円筒形状の軸部で連結したものであり、一対のローラプレートの間に3本のローラ軸8が円周方向に等間隔に架設されて、ローラ9をそれぞれ回転可能に保持している。
【0022】
図3は、チューブポンプ1の側面図である。
本体2とモータ3との間には、リンク機構が配設されている。リンク機構は、ガイドプレート10、回転板17、リンク18、リンクプレート19、スイングプレート20などから構成されている。
【0023】
図4は、ガイドプレート10の平面図である。
ガイドプレート10は、略四角形状の板状体であり、ネジ孔11a〜11dが四隅に形成されている。ネジ孔11bの近傍には、支軸21(図3参照。)を固定するための軸孔12が形成されている。チューブ7を組み付けられる側のガイドプレート10の略中央部には、長孔13がネジ孔11a側からネジ孔11d側に向かって斜めに長く形成され、モータ3の駆動軸4を移動可能に挿通できるようにしている。長孔13の周りには、凹部14とカム溝15が形成されている。凹部14は、長孔13の図中下端部に規定した点Yを中心とする円筒形状に形成される一方、カム溝15は、長孔13の図中上端部に規定した点Xを中心として凹部14の周りに環状に形成されている。そのため、カム溝15では、溝幅がネジ孔11a側からネジ孔11d側に向かって次第に狭くなっている。カム溝15の内周面15bには、ネジ孔11d近傍からネジ孔11cに向かって傾斜する傾斜面(「作動部」に相当するもの。)を形成され、外周面15a側に突き出したストッパ16(「定点止め手段」に相当するもの。)が設けられている。
【0024】
図5は、回転板17の平面図である。
回転板17は、ガイドプレート10の凹部14より小径の円板形に形成されている。回転板17の中心部には、モータ3の駆動軸4に隙間なくはめ合わされる嵌合孔17aが形成され、その嵌合孔17aの周りに3個の連結孔17bが円周方向に等間隔に形成されている。
【0025】
図6は、リンクプレート19の平面図である。
リンクプレート19は、回転板17より大径の円板形に形成され、中心部にモータ3の駆動軸4を回転自在に挿通される挿通孔19cが形成されている。挿通孔19cの周りには、3個のガイド溝19aと案内溝19bが円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝19aは、径方向に長く形成され、リンク18のリンクピン18aを挿通される。また、案内溝19bは、ガイド溝19aと挿通孔19cとの間から円弧状に形成され、リンク18の案内ピン18bを摺動可能に挿通される。
【0026】
図7は、スイングプレート20の平面図である。
スイングプレート20には、モータ3の駆動軸4が回転自在に挿通される挿通孔20aが形成され、その両側にスイングプレート20をモータ3の本体に固定するためのネジ孔20bが形成されている。また、スイングプレート20には、支軸21が回動可能に挿通される保持孔20cが形成されている。
【0027】
これらの部材は、次のようにして本体2に取り付けられてリンク機構を構成する。図8〜図10は、リンク機構の取付説明図である。
先ず、図8に示すように、モータ3の駆動軸4を挿通するために本体2に形成された孔に対してガイドプレート10の長孔13を位置合わせし、ガイドプレート10の軸孔12がチューブ7の下流側に位置するようにガイドプレート10を配置する。それから、ガイドプレート10の長孔13と回転板17の嵌合孔17aとを位置合わせし、回転板17をガイドプレート10の凹部14内に配置する。そして、図9に示すように、回転板17の嵌合孔17aに対してリンクプレート19の挿通孔19cを位置合わせするとともに、回転板17の連結孔17bに対してリンクプレート19の案内溝19bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート10のカム溝15に突き出すようにリンクプレート19のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bをリンクプレート19の案内溝19bに貫き通して回転板17の連結孔17bに嵌め込んで固定する。このとき、リンクプレート19は、回転板17が図中矢印K1方向に回転したとき(モータ3でロータ5を正方向に回転させるとき)にリンク18のリンクピン18aを外側に押し出すように取り付ける。そして、図10に示すように、スイングプレート20の保持孔20cに支軸21を挿通し、スイングプレート20を支軸21に揺動可能に保持させる。そして、保持板22をスイングプレート20に重ね合わせ、保持板22のネジ孔22a〜22dからガイドプレート10のネジ孔11a〜11dに挿通したネジを本体2に締結することにより、リンク機構を本体2に取り付ける。
【0028】
こうして本体2に取り付けられるリンク機構には、図3に示すように、モータ4の駆動軸4がスイングプレート20の挿通孔20aからリンクプレート19の挿通孔19c、回転板17の嵌合孔17a、ガイドプレート10の長孔13へと貫き通され、スイングプレート20にモータ3の本体が固定される。モータ3の駆動軸4は、さらに本体2を貫いて反モータ3側に突き出してロータ5を取り付けられる。このとき、モータ3の駆動軸4がロータ5と回転板17の嵌合孔17aにきっちり嵌め合わされるため、リンク機構が駆動軸4を介してロータ5に連結され、また、ロータ5に保持されるローラ9と回転板17の連結孔17bに連結されるリンク18とが一義的に位置合わせされる。
【0029】
続いて、第1実施の形態のチューブポンプ1の作用について説明する。
図2に示すように、モータ3が正方向K1に回転するときは、ロータ5は、本体2に対して第一位置に配置される。第一位置では、各々のローラ9がチューブガイド6との間でチューブ7をほぼ一定の押圧力で順次押し潰す。そのため、ロータ5が120度回転する毎に、ローラ9が先のローラ9との間に液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ5が正方向K1に回転し続けると、先のローラ9がチューブ7から離間するとともに、その後のローラ9がチューブ7を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ1は、ロータ5が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送する。
【0030】
ロータ5の回転量を位置検出スイッチなどで検出するなどして、液体を所定量供給したことを確認したら、ロータ5の回転を停止させ、その後に図1に示すようにモータ3でロータ5を逆方向K2に回転させる。ロータ5を逆方向K2に回転させると、リンク機構がロータ5を図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動させてローラ9の軌道を正転時の軌道から外すとともに、ローラ9を定位置で停止させる。そのため、下流側のローラ9はチューブ7を正転時より強く押しつけた状態で停止する一方、上流側のローラ9はチューブ7から離間してチューブ7に対する押圧力を解除した状態で停止する。
【0031】
次に、リンク機構の動作について詳細に説明する。図11は、液体供給状態におけるリンク機構の外観斜視図である。図12は、モータ3側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。図13は、液体停止状態におけるリンク機構の外観斜視図である。図14は、モータ3側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
モータ3でロータ5を正方向K1に回転させる場合には、図11及び図12に示すように、リンク18はリンクピン18aを外向きに移動させた状態で突っ張っており、リンクピン18aがストッパ16に係止されない。そのため、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続けることができる。
【0032】
モータ3でロータ5の正方向K1への回転を停止させた後にロータ5を逆方向K2に回転させた場合には、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。リンクプレート19は、駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部から反対側の端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを内向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、カム溝15の溝幅の狭い部分に突き出したリンク18のリンクピン18aは、ガイド溝19aを内向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに当接する。その当接部分には逆方向K2の力が作用し、その力が当該リンクピン18aから回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点にして揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されて斜め下方に移動し、それに伴って、ロータ5が図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動する。
【0033】
各リンク18のリンクピン18aが、図13及び図14に示すように、リンクプレート19のガイド溝19aを内向きに完全に移動して突っ張ると、モータ3の駆動力が駆動軸4、回転板17、リンク18を介してリンクプレート19に伝達され、リンクプレート19が回転板17とともに逆方向K2に回転し始める。このとき、リンク18のリンクピン18aは、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに沿って移動するので、リンクピン18aの一つがストッパ16に係止され、回転板17の回転が阻止される。そのため、回転板17に連結する駆動軸4の回転も阻止され、さらに、駆動軸4に連結するロータ5の回転も阻止される。ここで、リンクピン18とローラ9とは、一義的に位置合わせされているため、リンクピン18の一つがストッパ16に係止されて定位置で停止すると、それに対応するローラ9も定位置で停止する。
【0034】
その後さらに、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させると、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。この場合も、リンクプレート19が駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、溝幅の狭い部分に突き出たリンク18のリンクピン18aは、リンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の外周面15aに当接する。その当接部分には正方向K1の力が作用し、その力が当該リンクピン18aからリンク18、回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点として揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されて斜め上方に移動し、それに伴って、ロータ5が図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に移動する。そして、各リンク18のリンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動して突っ張って、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続ける。
【0035】
ここで、例えば、リンクプレート19の回転抵抗が非常に少ない場合や、慣性力が小さい場合、また、リンク18のリンクピン18aとリンクプレート19との摩擦力が大きい場合には、モータ3でロータ5を逆方向K2へ回転させた後に正方向K1に回転させたときに、リンク18のリンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動する前に、リンクプレート19が回転板17と一緒に正方向K1に回転し始めることがある。この場合、ロータ5の軸芯の位置が図1に示す第二位置から図2に示す第一位置まで十分に移動しないため、ロータ5が正方向K1に回転してもローラ9でチューブ7を十分にしごけないおそれがある。この場合、チューブポンプ1では、ストッパ16の傾斜面がリンク18のリンクピン18aを強制的に外向きに押し出し、その力が当該リンク18から回転板17、他のリンク18へと伝達されて全てのリンク18のリンクピン18aを外向きに完全に移動させるので、ロータ5の軸芯の位置を図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に確実に移動させることができる。
【0036】
従って、第1実施の形態のチューブポンプ1によれば、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させると、ローラ9が円周方向に移動することによりチューブ7をしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後にモータ3でロータ5を停止させて逆方向K2に回転させると、ストッパ16がローラ9の移動を阻止してローラ9の1つを定位置で停止させるので、ローラ9を定位置に位置合わせするときにローラ9で余分な液体を下流側に圧送せず、チューブ7がローラ9に押し潰されて塑性変形する位置を一定にして液体供給量を安定させることができる。
【0037】
このとき、チューブポンプ1は、モータ3でロータ5を逆方向K2に回転させると、リンク機構がモータ3の駆動力を利用してロータ5の軸芯の位置を第一位置から第二位置に移動させ、それと同時に、ストッパ16がリンク機構のリンク18の1つを定位置で係止してロータ5の回転を阻止するので、ロータ5の正転時に邪魔にならない位置にストッパ16を突起などの簡単な構造で設けることができる。
【0038】
さらに、チューブポンプ1は、モータ3がロータ5を逆方向K2に回転させ、その後にロータ5を停止させてから正方向K1に回転させるときに、ストッパ16の作動部がリンク18のリンクピン18aを強制的に外向きに押し出してロータ5の軸芯の位置を第二位置から第一位置に移動させ、ローラ9をチューブ7に対して所定圧で押しつけるので、リンクプレート19が回転板17とつれまわりするなどの不具合を回避して動作を安定させ、正転時の液体供給量を安定させることができる。
【0039】
(第2実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第2実施の形態について説明する。図15は、チューブポンプ30の断面図である。
チューブポンプ30は、第1実施の形態のチューブポンプ1と同様に、モータ3でロータ5を逆方向K2に回転させることによりロータ5の軸芯の位置をチューブ7から離間させる方向に移動させるものであるが、ロータ5の軸芯の位置を移動させた後にロータ5を逆方向K2に回転させる点で第1実施の形態のチューブポンプ1と相違している。よって、ここでは、第2実施の形態のチューブポンプ30が第1実施の形態のチューブポンプ1と相違する点について詳細に説明する。尚、第1実施の形態と同様の構成には、同一符号を付けている。
【0040】
チューブポンプ30は、モータ31と連結する図示しない減速ギヤがギヤボックス32に収納されている。減速ギヤは、第1出力軸33に連結し、第1出力軸33には、第2出力軸34が回転自在に挿通されている。第2出力軸34は、リンク機構と本体2と貫いて反モータ31側に突出し、ロータ5と連結されている。
【0041】
図16は、リンクプレート39の平面図である。
リンクプレート39は、第2出力軸34に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔39cが形成され、その周りには、第1実施の形態のリンクプレート19と同様に3個のガイド溝19aと案内溝19bが形成されている。
【0042】
図17は、回転板37の平面図である。
回転板37は、第1出力軸33に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔37aが形成され、その周りには、第1実施の形態の回転板17と同様に3個の連結孔17bが形成されている。
【0043】
このようなリンクプレート29と回転板37を備えるリンク機構は、次のようにして本体2に取り付けられる。図18及び図19は、リンク機構の取付説明図である。
先ず、図18に示すように、本体2に形成された第2出力軸34を挿通する孔に対してガイドプレート40の長孔13を位置合わせする。ガイドプレート40には、第1実施の形態のガイドプレート10と同様にカム溝15が形成されているが、凹部14は形成されていない。そして、図19に示すように、ガイドプレート40の長孔13に対してリンクプレート39の嵌合孔39cを位置合わせして配置する。それから、リンクプレート39の嵌合孔39cに対して回転板37の嵌合孔37aを位置合わせするとともに、リンクプレート39の案内溝19bに対して回転板37の連結孔17bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート40のカム溝15に突き出すようにリンクプレート39のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bを回転板37の連結孔17bにさし込んで貫き通し、さらにリンクプレート39の案内溝19bに挿通する。そして、図15に示すように、保持板35を補助部材36とガイドプレート40を介して本体2に固定し、リンク機構を本体2に取り付ける。
【0044】
こうした第2実施の形態のチューブポンプ30は、次のように動作する。
モータ31で第1出力軸33を逆方向K2に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。このとき、第2出力軸34は第1出力軸33に対してフリーであるため、第1出力軸33から第2出力軸31に駆動力が伝達されない。リンク18は、案内ピン18aがリンクプレート39の案内溝19aに沿って移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のガイド溝19aに沿って内向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の内周面15bにリンクピン18aを当接させると、ロータ5の軸芯の位置が第一位置から第二位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の内周面15bに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を逆方向K2に回転させる。リンク18のリンクピン18aがガイドプレート40のストッパ16に係止されると、リンクプレート39が回転しなくなり、それにともなって第2出力軸34及びロータ5の回転も阻止される。ここで、リンクピン18とローラ56とは、一義的に位置合わせされているため、リンクピン18の一つがストッパ16に係止されて定位置で停止すると、それに対応するローラ56も定位置で停止する。
【0045】
その後に、モータ31で第1出力軸33を正方向K1に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート39の案内溝19b内を移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のカム溝15に沿って外向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の外周面15aにリンクピン18aを当接させると、ローラ5の軸芯の位置が第二位置から第一位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の外周面15aに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を正方向K1に回転させる。
【0046】
従って、第2実施の形態のチューブポンプ30によれば、モータ31でロータ5を逆方向K2に回転させた後に正方向K1に回転させるときに、第1出力軸33でリンク18を作動させてロータ5の軸芯の位置を第二位置から第一位置に完全に移動させた後に、第2出力軸34でモータ3の駆動力をロータ5に伝達してロータ5を正方向K1に回転させるので、ロータ5を正方向K1に回転させ始めるときに自重で滴下する液体の量を減らして、液体供給量の誤差を少なくすることができる。
【0047】
(第3実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第3実施の形態について説明する。図20は、液体停止状態のチューブポンプ50の概略構成図である。図21は、液体供給状態のチューブポンプ50の概略構成図である。
第3実施の形態のチューブポンプ50は、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときに、ローラ9の押圧力を変更する第1カム部材59に設けたストッパ59dでローラ軸55を係止することによりロータ52の回転を阻止するものである。
【0048】
チューブポンプ50は、本体51に対してロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)52が回転可能に保持され、ロータ52の片側にチューブガイド53が回動可能に設けられている。ロータ52とチューブガイド53との間には、チューブ54が組み付けられている。ロータ52には、図示しないモータ(「駆動手段」に相当するもの)の駆動軸が連結されている。ロータ52は、円板形の一対のローラプレートを軸部で連結したものであり、3個のガイド溝52aが一対のローラプレートの円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝52aは、径方向に長く形成され、ローラ軸55がそれぞれ摺動可能に保持されている。ローラ軸55には、円筒形状のローラ56が回転可能に保持されている。
【0049】
また、ロータ52の一対のローラプレートには、3個の案内溝52bがガイド溝52aと同軸状に径方向に長く形成され、スプリングシャフト57が摺動可能に保持されている。スプリングシャフト57は、一対のローラプレートの間に架設されている。U字バネ(「スプリング」に相当するもの)58は、両端部がローラ軸55とスプリングシャフト57とに接続し、スプリングシャフト57とローラ軸55とを離間させるように付勢している。
【0050】
本体51には、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときにローラ軸55を内向きに移動させる第1カム部材(「定点止め手段」に相当するもの)59と、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときにU字バネ58の付勢力を強める第2カム部材62とが定位置に設けられている。すなわち、第1カム部材59は、ロータ52が正方向K3に回転する時にローラ56でチューブ54を押し潰し始める位置に配設され、また、第2カム部材62は、第1カム部材59から正方向K3に120度ずれた位置に配設されている。
【0051】
図22は、チューブポンプ50の分解斜視図である。
本体51には、蓋65、基板66、取付部材67、蓋68,69がコの字形に積層され、基板66と蓋68との間にロータ52が配設される。第1カム部材59と第2カム部材62は、蓋65と基板66との間、及び、蓋68,69の間にそれぞれ揺動可能に保持されている。
【0052】
蓋65には、第1カム部材59と第2カム部材62の位置決めを行う位置決め凹部65a,65bが形成され、また、基板66には、蓋65の位置決め凹部65a,65bと対応する位置に貫通孔66a,66bが形成されている。蓋65と基板66との間には、カム軸60,63が位置決め凹部65a,65bに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60,63に第1カム部材59と第2カム部材62が揺動可能に軸支されている。第1カム部材59と第2カム部材62は、カム軸60,63に取り付けられた付勢バネ61,64によって位置決め凹部65a,65b及び貫通孔66a,66bからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0053】
一方、蓋69には、第1カム部材59と第2カム部材62の位置決めを行う位置決め凹部69a,69bが形成され、また、蓋68には、蓋69の位置決め凹部69a,69bと対応する位置に貫通孔68a,68bが形成されている。蓋68と蓋69との間には、カム軸60,63が位置決め凹部69a,69bに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60,63に第1カム部材59と第2カム部材62が揺動可能に軸支されている。第1カム部材59と第2カム部材62は、カム軸60,63に取り付けられた付勢バネ61,64によって位置決め凹部69a,69b及び貫通孔68a,68bからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0054】
図23 は、第1カム部材59の上面図である。図24は、第1カム部材59の側面図である。図25は、第1カム部材59の正面図である。
第1カム部材59は、略直方体に形成されたものであり、一端にカム軸60を挿通するための軸孔59aが形成されている。軸孔59aの開口部が設けられた一方の側面には、側方に隆起する隆起部59cが設けられている。そして、軸孔59aと隆起部59cとの間には、隆起部59cより側方に張り出して設けられたストッパ59dが設けられている。第1カム部材59には、カム軸60に装着された付勢バネ61を収納するための凹部59eが、軸孔59aと直交するように形成され、また、軸孔59a側端部と隆起部59c側端部が対角位置を切りかかれてテーパ面59f,59gを設けられている。テーパ面59fは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を大きくするように形成され、テーパ面59gは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を小さくするように形成されている。
こうした第1カム部材59は、図20及び図21に示すように、隆起部59cが内向きになるように、本体51に取り付けられる。
【0055】
図26は、第2カム部材62の上面図である。図27は、第2カム部材62の側面図である。図28は、第2カム部材62の正面図である。
第2カム部材62は、略直方体に形成されたものであり、一端にカム軸63を挿通するための軸孔62aが形成されている。軸孔62aの開口部が設けられた一方の側面には、軸孔62a側から反対側の端部62bに向かって断面積を小さくする傾斜面62cが形成されている。第2カム部材62には、カム軸63に装着された付勢バネ64を収納するための凹部62dが、軸孔62aと直交するように形成され、また、軸孔62a側端部が切りかかれてテーパ面62eを設けられている。テーパ面62eは、軸孔62a側から傾斜面62c側に向かって断面積を大きくするように形成されている。
こうした第2カム部材62は、図20及び図21に示すように、傾斜面62cが外向きになるように本体51に取り付けられる。
【0056】
続いて、チューブポンプ50の動作について説明する。
図21に示すように、ロータ52が正方向K3に回転すると、上流側のローラ56がロータ52の回転に従ってチューブ54を押し潰す。ロータ52が120度回転すると、後のローラ56がチューブ54を押し潰して先のローラ56との間に所定量の液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ52が正方向K3に回転し続けると、先のローラ56がチューブ54から離間するとともに、後のローラ56がチューブ54を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ50は、ロータ52が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送するので、ロータ52の回転量を調節すれば、所望量の液体を下流側に圧送することができる。
【0057】
液体を所定量供給すると、図示しないモータは、ロータ52を正方向K3に回転することを停止して液体の供給を停止し、その後、図20に示すように、ロータ52を逆方向K4に回転させる。上流側のローラ56は、第1カム部材59によりローラ軸55を内向きに移動されてチューブ54から離間する一方、下流側のローラ56は、第2カム部材62によりU字バネ58の付勢力を強められてチューブ54を強く押し潰す。そして、上流側のローラ56を軸支するカム軸55が第1カム部材59のストッパ59dに係止され、ロータ52の逆方向K4への回転が阻止される。
【0058】
次に、第1カム部材59と第2カム部材62の動作について詳細に説明する。ここで、一対の第1カム部材59と一対の第2カム部材62は、動作原理が同じなので、それぞれ図中上側のものに着目して説明し、図中下側のものについては説明を省略する。
【0059】
まず、第1カム部材59の動作について説明する。図29は、図21のAA断面図である。図30は、図20のBB断面図である。
図29に示すように、ロータ52が正方向K3に回転されるときには、ローラ軸55の端部が第1カム部材59のテーパ面59fに当接する。第1カム部材59は、テーパ面59fが正方向K3に向かって断面積が大きくなるよう配設されているので、ローラ軸55が正方向K3に進むのに従ってカム軸60を基点として揺動し、テーパ面59gが蓋69の位置決め凹部69aに当接するまで押し上げられる。そのため、ローラ軸55は、ロータ52の回転に従って移動するときに第1カム部材59により移動を阻害されず、同じ軌道で回転し続ける。よって、ローラ56は、U字バネ58に付勢されてチューブ54を所定の押圧力で順次押し潰すことができる。
【0060】
一方、図30に示すように、ロータ52が逆方向K4に逆回転されるときには、ローラ軸55の端部が第1カム部材59の端部59bに突き当たる。端部59bには、何らテーパ面が設けられていないため、ローラ軸55の進行が第1カム部材59に阻止されるが、ロータ52は逆方向K4に回転し続けるため、ローラ軸55は隆起部59cに沿って移動し始める。そのため、ローラ軸55は、第1カム部材59の隆起部59cによりU字バネ58の付勢力に反して内向きに押し出され、ローラ56をチューブ54から離間させる。そして、ローラ軸55がストッパ59dに係止されて移動を阻止され、ロータ52の回転が阻止される。
【0061】
次に、第2カム部材62の動作について説明する。図31は、図21のCC断面図である。図32は、図20のDD断面図である。
図31に示すように、ロータ52が正方向K3に回転されるときには、スプリングシャフト57の端部が第2カム部材62のテーパ面62eに当接する。第2カム部材62は、テーパ面62eが正方向K3に向かって断面積が大きくなるように配設されているため、スプリングシャフト57が正方向K3に進むのに従ってカム軸63を基点として揺動し、押し上げられる。そのため、スプリングシャフト57は、ロータ52の回転に従って移動するときに、第2カム部材62で移動を阻害されず、同じ軌道で回転し続けることができる。
【0062】
一方、図32に示すように、ロータ52が逆方向K4に逆回転されるときには、スプリングシャフト57の端部が第2カム部材62の端部62bに当接する。端部62bには、何らテーパ面が設けられていないため、第2カム部材62の進行が阻止されるが、ロータ52は逆方向K4に回転し続けるため、スプリングシャフト57は傾斜面62cに沿って移動し始める。そのため、スプリングシャフト57が外向きに押し出されてU字バネ58の付勢力を強め、ローラ56がチューブ54を正転時より強い押圧力で押しつける。
【0063】
従って、第3実施の形態のチューブポンプ50によれば、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させると、第1カム部材59のストッパ59dがローラ軸55を定位置で係止するので、ロータ5の逆転に従ってローラ9を簡単に定位置で停止させることができる。
【0064】
(第4実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第4実施の形態について説明する。図33は、液体停止状態のチューブポンプ70の概略構成図である。図34は、液体供給状態のチューブポンプ70の概略構成図である。
チューブポンプ70は、第3実施の形態のチューブポンプ50と同様、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させることにより第1カム部材59のストッパ59dでロータ52の回転を阻止するものであるが、第1カム部材59を2個設けている点で第3実施の形態のチューブポンプ50と相違する。よって、ここでは、第4実施の形態のチューブポンプ70が第3実施の形態のチューブポンプ50と相違する点について詳細に説明する。尚、第3実施の形態と同様の構成には、同一符号を付けている。
【0065】
第4実施の形態のチューブポンプ70では、図33及び図34に示すように、第3実施の形態で第2カム部材62を配設していた位置(図20、図21参照。)に第1カム部材59を配設している。そのため、図34に示すように、ロータ52を正方向K3に回転させるときには、ローラ56はローラ軸55を介してU字バネ58の付勢力が作用し、チューブ54を所定圧で順次押し潰すことができる。一方、図33に示すように、ロータ52を逆方向K4に回転させるときには、上流側のローラ56のローラ軸55と下流側のローラ56のローラ軸55とが第1カム部材59により内側にそれぞれ押し出され、上流側のローラ56と下流側のローラ56がチューブ54から離間してチューブ54に対する押圧力を弱める。そして、上流側のローラ56を保持するローラ軸55と下流側のローラ56を保持するローラ軸55とが第1カム部材59のストッパ59dにそれぞれ係止され、ロータ52の回転を阻止する。
【0066】
従って、第4実施の形態のチューブポンプ70によれば、2個のストッパ59dでロータ52の回転を阻止するので、各ストッパ59dへの負荷を小さくすることができる。
【0067】
以上、本発明に係るチューブポンプの実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0068】
(1)例えば、上記実施の形態では、ローラ9,56をロータ5,52に回転可能に軸支させ、ロータ5,52を回転させてローラ9,56を正方向K1,K3又は逆方向K2,K4に移動させるようにしていた。それに対して、ローラを回転可能に保持するチェーンを一対のスプロケットなどで所定方向に回転させることにより、ローラを所定方向に移動させるようにしてもよい。この場合、一方のスプロケットの軸芯の位置を変えたり、ローラの一つを定位置に設けたカム機構でチューブから離間させる方向に移動させるようにするとよい。
【0069】
(2)例えば、上記第1,2実施の形態では、ガイドプレート10,40のカム溝15の内周面15bに対して傾斜面を有するストッパ16を設けた。それに対して、内周面から外周面に向かって突き出す突起を設けてストッパにしてもよい。
【0070】
(3)例えば、上記実施の形態では、上記第1,2実施の形態では、ガイドプレート10,40にストッパ16を設け、リンク18のリンクピン18aを係止するようにした。それに対して、ロータ5が正方向K1に回転するときに邪魔にならない位置に突起を設け、ロータ5を逆方向K2に回転させたときにその突起がローラ軸8を係止してロータ5の回転を阻止するようにしてもよい。また、ロータ5の外縁部に本体2に設けた突起に係止される係止部を設け、ロータ5を逆方向K2に回転させたときに本体2の突起がロータ5の係止部を係止してロータ5の回転を阻止するようにしてもよい。
【0071】
(4)例えば、上記第3実施の形態では、ローラ軸55とスプリングシャフト57をU字バネ58で連結した。それに対して、コイルバネなど付勢力のあるものでローラ軸55とスプリングシャフト57を連結してもよい。
【0072】
(5)例えば、上記実施の形態では、チューブポンプを飲料水供給装置に使用する場合について説明したが、医療機器や計量器具などに使用するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明のチューブポンプによれば、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させることにより、液体が流れるチューブを該ローラで順次押し潰してしごいて、該液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させたときに、ローラの移動を阻止して、ローラの1つを定位置で停止させる定点止め手段を有しているので、ローラを定位置に位置合わせするときにローラで余分な液体を下流側に圧送せず、チューブがローラに押し潰されて塑性変形する位置を一定にして液体供給量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの正面図である。
【図2】同じく、液体供給状態のチューブポンプの正面図である。
【図3】同じく、チューブポンプの側面図である。
【図4】同じく、ガイドプレートの平面図である。
【図5】同じく、回転板の平面図である。
【図6】同じく、リンクプレートの平面図である。
【図7】同じく、スイングプレートの平面図である。
【図8】同じく、リンク機構の取付説明図である。
【図9】同じく、リンク機構の取付説明図である。
【図10】同じく、リンク機構の取付説明図である。
【図11】同じく、液体供給状態におけるリンク機構の外観斜視図である。
【図12】同じく、モータ側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。
【図13】同じく、液体停止状態におけるリンク機構の外観斜視図である。
【図14】同じく、モータ側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
【図15】本発明の第2実施の形態において、チューブポンプの断面図である。
【図16】同じく、リンクプレートの平面図である。
【図17】同じく、回転板の平面図である。
【図18】同じく、リンク機構の取付説明図である。
【図19】同じく、リンク機構の取付説明図である。
【図20】本発明の第3実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの概略構成図である。
【図21】同じく、液体供給状態のチューブポンプの概略構成図である。
【図22】同じく、チューブポンプの分解斜視図である。
【図23】同じく、第1カム部材の上面図である。
【図24】同じく、第1カム部材の側面図である。
【図25】同じく、第1カム部材の正面図である。
【図26】同じく、第2カム部材の上面図である。
【図27】同じく、第2カム部材の側面図である。
【図28】同じく、第2カム部材の正面図である。
【図29】同じく、図21のAA断面図である。
【図30】同じく、図20のBB断面図である。
【図31】同じく、図21のCC断面図である。
【図32】同じく、図20のDD断面図である。
【図33】本発明の第4実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの正面図である。
【図34】同じく、液体供給状態のチューブポンプの正面図である。
【図35】従来のチューブポンプを利用したディスペンサの概略構成図である。
【図36】従来のチューブポンプの断面図である。
【符号の説明】
1,30,50,70 チューブポンプ
3 モータ
5,52 ロータ
9,56 ローラ
7,54 チューブ
10,40 ガイドプレート
15 カム溝
16 ストッパ
17,37 回転板
18 リンク
19,39 リンクプレート
20 スイングプレート
21 支軸
55 ローラ軸
59 第1カム部材
59d ストッパ

Claims (6)

  1. 複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させることにより、液体が流れるチューブを該ローラで順次押し潰してしごいて、該液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段で前記ローラ保持手段を逆方向に回転させたときに、前記ローラの移動を阻止して、前記ローラの1つを定位置で停止させる定点止め手段を有することを特徴とするチューブポンプ。
  2. 請求項1に記載するチューブポンプにおいて、
    前記ローラ保持手段が、前記複数のローラを円周方向に等間隔に配設されるものであり、
    前記定点止め手段は、
    前記駆動手段で前記ローラ保持手段を逆方向に回転させたときに、前記ローラの回転を阻止して、前記ローラの1つを定位置で停止させることを特徴とするチューブポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段と前記ローラ保持手段とに連結し、前記駆動手段で前記ローラ保持手段を正方向に回転させているときには前記ローラ保持手段の軸芯の位置を第一位置に移動させ、前記駆動手段で前記ローラ保持手段を逆方向に回転させているときには前記ローラ保持手段の軸芯の位置を第二位置に移動させるリンク機構を有し、
    前記定点止め手段は、
    定位置に設けられ、前記リンク機構が前記ローラ保持手段を第二位置に移動させたときに、前記ローラ保持手段または前記リンク機構を係止することを特徴とするチューブポンプ。
  4. 請求項3に記載するチューブポンプにおいて、
    前記定点止め手段は、前記駆動手段で前記ローラ保持手段を正方向に回転させるときに、前記リンク機構を強制的に作動させる作動部を有することを特徴とするチューブポンプ。
  5. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記定点止め手段は、前記ローラを前記ローラ保持手段に対して回転可能に軸支させるローラ軸を定位置で係止することを特徴とするチューブポンプ。
  6. 請求項5に記載するチューブポンプにおいて、
    前記ローラ保持手段を逆方向に回転させたときに前記ローラを内側に移動させるガイド手段を定位置に有し、
    前記ガイド手段に前記ローラ軸を係止するストッパを設けることを特徴とするチューブポンプ。
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JP2016516938A (ja) * 2013-04-26 2016-06-09 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングContinental Automotive GmbH 液体を調量して供給する装置を運転する方法

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