JP2004156483A - チューブポンプ - Google Patents

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Nobuhiro Inaba
伸宏 稲葉
Kaname Ando
要 安藤
Osamu Suematsu
修 末松
Fumiichiro Kameyama
文一郎 亀山
Nobuyuki Endo
伸之 遠藤
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Sanyo Electric Co Ltd
Fuji Electric Retail Systems Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
Fuji Electric Retail Systems Co Ltd
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Abstract

【課題】チューブの塑性変形を自動的に防止して液体供給量の安定性を確保できるチューブポンプを提供すること。
【解決手段】複数のローラ9を移動可能に保持するロータ5をモータ3で正方向に回転させ、ローラ9で液体が流れるチューブ7を順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプ1において、モータ3によりロータ5を正方向に回転させた後、ロータ5を停止し、その後、モータ3によりロータ5を逆方向に回転させることにより、ローラ9がチューブ7を押し付ける押圧力を解除する押圧力解除手段を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のローラでチューブを押し潰してしごくことにより液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプが知られており、例えば、飲食物供給装置に使用される。飲食物供給装置では、水分や栄養分を含む飲食物が外気と接触すると雑菌などを繁殖させて衛生上好ましくないので、チューブ内の液体を外気と非接触で圧送可能なチューブポンプが適しているからである。
【0003】
図28は、飲食物供給装置81の概略構成図である。
飲食物供給装置81は、開閉可能な前部扉82を備え、大きく分けて上部に配置される容器収納庫83、その容器収納庫83内に収納された包装容器84内の原液を所定量注入する飲食物注入部85、そして、注入された原液を受けるための給水部86とから内部構成されている。包装容器84は、オレンジジュースなどの濃縮した原液を殺菌包装したものであり、プラスチック容器、ビニール容器あるいは紙容器などの様々な形態のものがある。飲食物注入部85は、チューブポンプが設けられ、包装容器84からの連続したチューブ87をチューブポンプに組み付けている。また、飲食物注入部85は、チューブ87の注入口近傍に水やソーダ水などの希釈水を一定量注入する希釈水ノズル88が設けられ、飲食物供給指令を受けると、給水部86に置かれたカップ90に原液と希釈水とを所定量ずつ供給する。
【0004】
図29は、第1従来例のチューブポンプ100の正面図である。図30は、第1従来例のチューブポンプ100の側面図である。
図29に示すように、チューブポンプ100は、ボディ101に回転可能に軸支されたローラ保持手段102を備え、ローラ保持手段102は、円周方向に等間隔に配設された3個のローラ103を回転可能に保持している。ローラ保持手段102の片側には、チューブガイド104が支軸105に揺動可能に軸支され、ローラ103とチューブガイド104との間にチューブ87が組み付けられている。チューブガイド104は、上流側端部がストッパ106に当接されることによりローラ保持手段102に対して位置合わせされ、チューブガイドロック107で固定されている。チューブガイドロック107は、図30に示すように、チューブガイド104に摺動可能に貫き通され、先端部がボディ101に形成された穴108に挿入されている。チューブガイド104には、チューブガイドロック107をボディ103側に付勢する図示しない付勢バネが内設され、チューブガイドロック107が穴108から抜けないようにしている。尚、チューブ87の先端部は、ピンチバルブ109で狭持され、原液が外気と接触することを防いでいる。
【0005】
こうしたチューブポンプ100は、チューブガイドロック107でチューブガイド104を位置決め固定した状態でローラ保持手段102を正方向(図中K方向)に回転させると、各ローラ103がチューブ87を所定の押圧力で順次押し潰してしごき、原液を一定量ずつ圧送することができる。
また、チューブガイドロック107の先端部を図示しない付勢バネの付勢力に反して穴108から引き抜き、チューブガイド104をチューブ87から離間する方向に揺動させると、ローラ103がチューブ87を押し付ける押圧力が解除される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
図31及び図32は、従来のチューブポンプ200の第2従来例を示す図である。
チューブポンプ200は、ボディ201に回転可能に保持される一対のスプロケット202,203を備え、一対のスプロケット202,203に巻回された歯付きベルト204に複数のローラ205が所定の間隔で回転可能に取り付けられている。ボディ201には、ローラ受けカム206が内設され、ローラ205とローラ受けカム206との間にチューブ87が組み付けられている。ローラ受けカム206の一部は、ボディ201に揺動可能に取り付けられた解放扉207の内壁で構成され、解放扉207は、操作ダイアル208を回転させることにより開閉されるようになっている。
【0007】
このようなチューブポンプ200は、図31に示すように、操作ダイアル208を操作して解放扉207を閉じた状態でスプロケット202,203を正方向(図中L方向)に回転させると、解放扉207の内壁がローラ受けカム206の一部を構成するため、ローラ205がチューブ87を順次押し潰してしごき、原液を一定量ずつ圧送することができる。
また、図32に示すように、操作ダイアル208を所定方向に回転させて解放扉207を開くと、解放扉207の内壁がチューブ87から離間するため、ローラ205がチューブ87を押し付ける押圧力が解除される(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−48489号公報(第2〜4頁、第1図、第2図、第3図。)。
【特許文献2】
特開平10−274165号公報(第4〜5頁、第6図、第9図。)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチューブポンプ100,200は、以下の問題があった。
チューブ87は、ローラ103,205で長時間押圧され続けると塑性変形して原液供給量にバラツキを生じさせるおそれがあるため、飲食物供給装置81が設置先の営業時間などによって長期の休止状態になる場合には、チューブ87に対する押圧力を解除してチューブ87の塑性変形を防ぐ必要がある。飲食物供給装置81は、原液を希釈水で薄めるため、原液供給量の僅かなバラツキでも商品品質に影響を与えるからである。この場合、チューブポンプ100では、チューブガイドロック107をボディ101と反対側に手で引っ張りながらチューブガイド104をチューブ87から離間させる方向に揺動させる必要があり、また、チューブポンプ200は、操作ダイアル208を手でつまんで所定方向に回転させてから解放扉207を開く必要があるため、何れのチューブポンプ100,200でも手動操作に手間がかかっていた。
また、飲食物供給装置81は常時飲食物を供給するものではないため、手動操作を忘れたり、仕損なったりする場合がある。手動操作をたびたび怠ると、ローラ103,205の停止位置が常に一定とは限らないため、チューブ87の各部が塑性変形して原液供給量のバラツキを大きくする問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、チューブの塑性変形を自動的に防止して液体供給量の安定性を確保できるチューブポンプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、駆動手段によりローラ保持手段を正方向に回転させた後、ローラ保持手段を停止し、その後、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、ローラがチューブを押し付ける押圧力を解除する押圧力解除手段を有することを特徴としている。
【0012】
上記構成を有する発明では、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させてローラを所定方向に移動させると、ローラがチューブをしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後に、駆動手段でローラ保持手段の回転を停止させてからローラ保持手段を逆方向に回転させ、ローラを所定方向と反対方向に移動させると、ローラがチューブから離間してチューブに対する押圧力を自動的に解除するので、チューブの塑性変形を自動的に防止して流体供給量の安定性を確保することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ローラ保持手段は、複数のローラを円周方向に等間隔に配設されて回転可能に保持するものであり、押圧力解除手段は、駆動手段によりローラ保持手段を正方向に回転させた後、ローラ保持手段を停止し、その後、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、ローラがチューブを押し付ける押圧力を解除することを特徴としている。
【0014】
上記構成を有する発明では、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させることによりローラを所定方向に回転させると、ローラがチューブをしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後、駆動手段でローラ保持手段を停止させてからローラ保持手段を逆方向に回転させ、ローラを所定方向と反対方向に回転させると、ローラがチューブから離間してチューブに対する押圧力を自動的に解除するので、チェーンなどの駆動伝達手段を用いてローラを回転させる場合と比較して、簡単な構造でチューブの塑性変形を防止することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、押圧力解除手段は、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させるときに、ローラ保持手段の軸芯の位置をチューブから逃げる方向に移動させることを特徴としている。
すなわち、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させると、それに従ってローラ保持手段の配置がチューブから逃げる方向に移動して、チューブと接触するローラをチューブから離間させるので、ローラの停止位置にかかわらずチューブに対する押圧力を弱めることができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、押圧解除手段は、駆動手段とローラ保持手段とに連結し、駆動手段がローラ保持手段を正方向に回転させるときにローラ保持手段の軸芯を第一位置に移動させ、駆動手段がローラ保持手段を逆方向に回転させるときにローラ保持手段の軸芯を第二位置に移動させるリンク機構を有することを特徴としている。
すなわち、駆動手段がローラ保持手段を逆方向に回転させるように駆動すると、その駆動力がリンク機構に伝達されて、ローラ保持手段の軸芯の位置が第一位置から第二位置に移動し、また、駆動手段がローラ保持手段を正方向に回転させるように駆動すると、その駆動力がリンク機構に伝達されて、ローラ保持手段の軸芯の位置を第二位置から第一位置に復帰させるので、駆動手段の駆動力を利用してチューブに対する押圧力を変更することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、押圧力解除手段は、ローラ保持手段が正方向に回転されるときは解放状態にあり、逆方向に回転されるときはローラを内側に移動させるガイド機構を定位置に有することを特徴としている。
すなわち、ガイド機構が、駆動手段でローラ保持手段を正方向に回転させたときには、ローラを解放して所定圧でチューブに押し付け、駆動手段でローラ保持手段を逆方向に回転させたときには、定位置においてローラを内側に移動させてチューブから離間させることによりチューブに対する押圧力を弱めるので、チューブに対する押圧力を弱める位置を一定にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施の形態)
続いて、本発明に係るチューブポンプの第1実施の形態について説明する。図1は、液体停止状態のチューブポンプ1の正面図である。図2は、液体供給状態のチューブポンプ1の正面図である。
チューブポンプ1は、モータ(「駆動手段」に相当するもの)3でロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)5を逆方向に回転させることにより、ロータ5の軸芯の位置をチューブ7から離れる方向に移動させてローラ9がチューブ7を押しつける押圧力を自動的に解除するものであり、従来のチューブポンプと同様に飲食物供給装置に使用される。
【0019】
チューブポンプ1は、本体2に貫き通されたモータ3の駆動軸4にロータ5が回転可能に軸支されている。ロータ5の片側には、チューブガイド6が回動可能に設けられ、チューブガイド6とロータ5との間にチューブ7が組み付けられている。チューブ7の先端部は、本体2に取り付けられた図示しないピンチバルブで狭持され、チューブ7内の原液を外気と接触させないようにしている。ロータ5は、円板形の一対のローラプレートを円筒形状の軸部で連結したものであり、一対のローラプレートの間に3本のローラ軸8が円周方向に等間隔に架設されて、ローラ9をそれぞれ回転可能に保持している。ローラ軸8は、ローラ5のローラプレートに径方向に長く形成された長孔に挿通され、U字バネSPの一端が固定されている。U字バネSPの他端は、ロータ5のローラプレートに固定され、U字バネSPの両端部を外側に広げる力がローラ軸8を介してローラ9に伝達されて、ローラ9を常に外向きに付勢している。
【0020】
図3は、チューブポンプ1の側面図である。
本体2とモータ3との間には、押圧力解除手段(「リンク機構」に相当するもの。)が配設されている。押圧力解除手段は、ガイドプレート10、回転板17、リンク18、リンクプレート19、スイングプレート20などから構成されている。
【0021】
図4は、ガイドプレート10の平面図である。
ガイドプレート10は、略四角形状の板状体であり、ネジ孔11a〜11dが四隅に形成されている。ガイドプレート10の略中央部には、長孔13がネジ孔11a側からネジ孔11c側に向かって水平に長く形成され、モータ3の駆動軸4を移動可能に挿通できるようにしている。長孔13の周りには、凹部14とカム溝15が形成されている。凹部14は、長孔13の図中右端部に規定した点Yを中心とする円筒形状に形成される一方、カム溝15は、長孔13の図中左端部に規定した点Xを中心として凹部14の周りに環状に形成されている。そのため、カム溝15は、溝幅がネジ孔11a側からネジ孔11c側に向かって次第に狭くなっている。カム溝15の内周面15bには、ネジ孔11d側からネジ孔11c側に向かって傾斜が設けられ、外周面15a側に突き出したストッパ16が設けられている。また、ガイドプレート10の長孔13の下方には、支軸21(図3参照。)を固定するための軸孔12が形成されている。
【0022】
図5は、回転板17の平面図である。
回転板17は、ガイドプレート10の凹部14より小径の円板形に形成されている。回転板17の中心部には、モータ3の駆動軸4に隙間なくはめ合わされる嵌合孔17aが形成され、その嵌合孔17aの周りに3個の連結孔17bが円周方向に等間隔に形成されている。
【0023】
図6は、リンクプレート19の平面図である。
リンクプレート19は、回転板17より大径の円板形に形成され、中心部にモータ3の駆動軸4を回転自在に挿通される挿通孔19cが形成されている。挿通孔19cの周りには、3個のガイド溝19aと案内溝19bが円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝19aは、径方向に長く形成され、リンク18のリンクピン18aを挿通される。また、案内溝19bは、ガイド溝19aと挿通孔19cとの間から円弧状に形成され、リンク18の案内ピン18bを摺動可能に挿通される。
【0024】
図7は、スイングプレート20の平面図である。
スイングプレート20には、モータ3の駆動軸4が回転自在に挿通される挿通孔20aが形成され、その両側にスイングプレート20をモータ3の本体に固定するためのネジ孔20bが形成されている。また、スイングプレート20には、支軸21が回動可能に挿通される保持孔20cが形成されている。
【0025】
これらの部材は、次のようにして本体2に取り付けられて押圧力解除手段を構成する。図8〜図10は、押圧力解除手段の取付説明図である。
先ず、図8に示すように、モータ3の駆動軸4を挿通するために本体2に形成された孔に対してガイドプレート10の長孔13を位置合わせし、ガイドプレート10のネジ孔11a,11bが本体2を挟んでチューブガイド6の裏側になるようにガイドプレート10を配置する。それから、ガイドプレート10の長孔13と回転板17の嵌合孔17aとを位置合わせし、回転板17をガイドプレート10の凹部14内に配置する。そして、図9に示すように、回転板17の嵌合孔17aに対してリンクプレート19の挿通孔19cを位置合わせするとともに、回転板17の連結孔17bに対してリンクプレート19の案内溝19bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート10のカム溝15に突き出すようにリンクプレート19のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bをリンクプレート19の案内溝19bに貫き通して回転板17の連結孔17bに嵌め込んで固定する。このとき、リンクプレート19は、回転板17が図中矢印K1方向に回転したとき(モータ3でロータ5を正方向に回転させるとき)にリンク18のリンクピン18aを外側に押し出すように取り付ける。そして、図10に示すように、スイングプレート20の保持孔20cに支軸21を挿通し、スイングプレート20を支軸21に揺動可能に保持させる。そして、保持板22をスイングプレート20に重ね合わせ、保持板22のネジ孔22a〜22dからガイドプレート10のネジ孔11a〜11dに挿通したネジを本体2に締結することにより、押圧力解除手段を本体2に取り付ける。
【0026】
こうして本体2に取り付けられる押圧力解除手段には、図3に示すように、モータ4の駆動軸4がスイングプレート20の挿通孔20aからリンクプレート19の挿通孔19c、回転板17の嵌合孔17a、ガイドプレート10の長孔13へと貫き通され、スイングプレート20にモータ3の本体が固定される。モータ3の駆動軸4は、さらに本体2を貫いて反モータ3側に突き出してロータ5を取り付けられる。このとき、モータ3の駆動軸4がロータ5と回転板17の嵌合孔17aにきっちり嵌め合わされるため、押圧力解除手段が駆動軸4を介してロータ5に連結され、また、ロータ5に保持されるローラ9と回転板17の連結孔17bに連結されるリンク18とが一義的に位置合わせされる。
【0027】
続いて、第1実施の形態のチューブポンプ1の作用について説明する。
図2に示すように、モータ3が正方向K1に回転するときは、ロータ5は、本体2に対して第一位置に配置される。第一位置では、各々のローラ9がチューブガイド6との間でチューブ7をほぼ一定の押圧力で順次押し潰す。そのため、ロータ5が120度回転する毎に、ローラ9が先のローラ9との間に液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ5が正方向K1に回転し続けると、先のローラ9がチューブ7から離間するとともに、その後のローラ9がチューブ7を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ1は、ロータ5が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送する。
【0028】
ロータ5の回転量を位置検出スイッチで検出するなどして、液体を所定量供給したことを確認したら、ロータ5の回転を停止させ、その後に図1に示すようにモータ3でロータ5を逆方向K2に回転させる。ロータ5を逆方向K2に回転させると、押圧力解除手段がロータ5を図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動させてローラ9の軌道を正転時の軌道から外すことにより、ローラ9をチューブ7から離間させてチューブ7に対する押圧力を解除する。
【0029】
次に、押圧力解除手段の動作について詳細に説明する。図11は、液体供給状態における押圧力解除手段の外観斜視図である。図12は、モータ3側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。図13は、液体停止状態における押圧力解除手段の外観斜視図である。図14は、モータ3側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
モータ3でロータ5を正方向K1に回転させる場合には、図11及び図12に示すように、リンク18はリンクピン18aを外向きに移動させた状態で突っ張っており、リンクピン18aがストッパ16に係止されない。そのため、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続けることができる。
【0030】
モータ3でロータ5の正方向K1への回転を停止させた後にロータ5を逆方向K2に回転させた場合には、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。リンクプレート19は、駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部から反対側の端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを内向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、カム溝15の溝幅の狭い部分に突き出したリンク18のリンクピン18aは、ガイド溝19aを内向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに当接する。その当接部分には逆方向K2の力が作用し、その力が当該リンクピン18aから回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点にして揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されてチューブ7から離れる方向に移動し、それに伴って、ロータ5が図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動する。
【0031】
各リンク18のリンクピン18aが、図13及び図14に示すように、リンクプレート19のガイド溝19aを内向きに完全に移動して突っ張ると、モータ3の駆動力が駆動軸4、回転板17、リンク18を介してリンクプレート19に伝達され、リンクプレート19が回転板17とともに逆方向K2に回転し始める。このとき、リンク18のリンクピン18aは、ガイドプレート10のカム溝15の内周面15bに沿って移動するので、リンクピン18aの一つがストッパ16に係止され、回転板17の回転が阻止される。そのため、回転板17に連結する駆動軸4の回転も阻止され、さらに、駆動軸4に連結するロータ5の回転も阻止される。ここで、リンクピン18とローラ9とは、一義的に位置合わせされているため、リンクピン18の一つがストッパ16に係止されて定位置で停止すると、それに対応するローラ9も定位置で停止する。
【0032】
その後さらに、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させると、モータ3の駆動力が駆動軸4から回転板17に伝達される。この場合も、リンクプレート19が駆動軸4に対してフリーであるため、回転板17がリンクプレート19より先に回転し始める。そのため、リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート19の案内溝19bをガイド溝19a側端部に向かって移動し、リンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに移動する。ここで、ガイドプレート10のカム溝15には、溝幅の広い部分と溝幅の狭い部分とがあるため、溝幅の狭い部分に突き出たリンク18のリンクピン18aは、リンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動する前に、ガイドプレート10のカム溝15の外周面15aに当接する。その当接部分には正方向K1の力が作用し、その力が当該リンクピン18aからリンク18、回転板17、駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達され、スイングプレート20が支軸21を基点として揺動する。そのため、モータ3の駆動軸4がガイドプレート10の長孔13に案内されてチューブ7に近づく方向に移動し、それに伴って、ロータ5が図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に移動する。そして、各リンク18のリンクピン18aがリンクプレート19のガイド溝19aを外向きに完全に移動して突っ張って、モータ3の駆動軸4が正方向K1に回転し続ける。
【0033】
従って、第1実施の形態のチューブポンプ1は、モータ3でロータ5を正方向K1に回転させてローラ9を正方向K1に移動させると、ローラ9がチューブ7をしごいて液体を一定量ずつ圧送し、その後に、モータ7でロータ5の回転を停止させてからロータ5を逆方向K2に回転させ、ローラ9を逆方向K2に移動させると、ローラ9がチューブ7から離間してチューブ7に対する押圧力を自動的に解除するので、チューブ7の塑性変形を自動的に防止して流体供給量の安定性を確保することができる。特に、チューブポンプ1を図28に示す飲料水供給装置81に使用した場合には、例えば、ロータ5を正方向K1に回転させて原液を供給した後すぐにロータ5を逆方向K2に回転させるようにすれば、飲料水供給装置81の休止時間とは無関係にチューブ87に対する押圧力を解除してチューブ87の塑性変形を防止することができ、原液供給量のバラツキを最小限にすることができる
【0034】
このとき、モータ3によりロータ5を逆方向K2に回転させると、それに従ってロータ5の配置が上流側のチューブ7から逃げるように水平方向に移動し、ローラ9をチューブ7から離間させるので、ローラ9の停止位置にかかわらずローラ9がチューブ7を押しつける押圧力を弱めることができる。
【0035】
また、モータ3がロータ5を逆方向K2に回転させるように駆動すると、その駆動力が駆動軸4から回転板17、リンク18、リンクプレート19へと伝達され、さらに、ガイドプレート10のカム溝15に当接したリンク18のリンクピン18aから駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達されて、モータ3をガイドプレート10の長孔13に沿ってチューブ7から離れる方向に移動させることにより、ロータ5の軸芯の位置を図2に示す第一位置から図1に示す第二位置に移動させ、また、モータ3がロータ5を正方向K1に回転させるように駆動すると、その駆動力が駆動軸4から回転板17、リンク18、リンクプレート19へと伝達され、さらに、ガイドプレート10のカム溝15に当接したリンク18のリンクピン18aから駆動軸4、モータ3、スイングプレート20へと伝達されて、モータ3をガイドプレート10の長孔13に沿ってチューブ7に近づく方向に移動させることにより、ロータ5の軸芯の位置を図1に示す第二位置から図2に示す第一位置に復帰させるので、モータ3の駆動力を利用してチューブ7に対する押圧力を変更することができる。
【0036】
(第2実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第2実施の形態について説明する。図15は、チューブポンプ30の断面図である。
チューブポンプ30は、第1実施の形態のチューブポンプ1と同様に、モータ3でロータ5を逆方向K2に回転させることによりロータ5の軸芯の位置をチューブ7から離間させる方向に移動させるものであるが、ロータ5の軸芯の位置を移動させた後にロータ5を逆方向K2に回転させる点で第1実施の形態のチューブポンプ1と相違している。よって、ここでは、第2実施の形態のチューブポンプ30が第1実施の形態のチューブポンプ1と相違する点について詳細に説明する。尚、第1実施の形態と同様の構成には、同一符号を付けている。
【0037】
チューブポンプ30は、モータ31と連結する図示しない減速ギヤがギヤボックス32に収納されている。減速ギヤは、第1出力軸33に連結し、第1出力軸33には、第2出力軸34が回転自在に挿通されている。第2出力軸34は、押圧力解除手段と本体2と貫いて反モータ31側に突出し、ロータ5と連結されている。
【0038】
図16は、リンクプレート39の平面図である。
リンクプレート39は、第2出力軸34に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔39cが形成され、その周りには、第1実施の形態のリンクプレート19と同様に3個のガイド溝19aと案内溝19bが形成されている。
【0039】
図17は、回転板37の平面図である。
回転板37は、第1出力軸33に隙間なく嵌め合わされる嵌合孔37aが形成され、その周りには、第1実施の形態の回転板17と同様に3個の連結孔17bが形成されている。
【0040】
このようなリンクプレート29と回転板37を備える押圧力解除手段は、次のようにして本体2に取り付けられる。図18及び図19は、押圧力解除手段の取付説明図である。
先ず、図18に示すように、本体2に形成された第2出力軸34を挿通する孔に対してガイドプレート40の長孔13を位置合わせする。ガイドプレート40には、第1実施の形態のガイドプレート10と同様にカム溝15が形成されているが、凹部14は形成されていない。そして、図19に示すように、ガイドプレート40の長孔13に対してリンクプレート39の嵌合孔39cを位置合わせして配置する。それから、リンクプレート39の嵌合孔39cに対して回転板37の嵌合孔37aを位置合わせするとともに、リンクプレート39の案内溝19bに対して回転板37の連結孔17bを位置合わせしておき、リンク18のリンクピン18aを先端部がガイドプレート40のカム溝15に突き出すようにリンクプレート39のガイド溝19aに挿通する一方、リンク18の案内ピン18bを回転板37の連結孔17bにさし込んで貫き通し、さらにリンクプレート39の案内溝19bに挿通する。そして、図15に示すように、保持板35を補助部材36とガイドプレート40を介して本体2に固定し、押圧力解除手段を本体2に取り付ける。
【0041】
こうした第2実施の形態のチューブポンプ30は、次のように動作する。
モータ31で第1出力軸33を逆方向K2に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。このとき、第2出力軸34は第1出力軸33に対してフリーであるため、第1出力軸33から第2出力軸31に駆動力が伝達されない。リンク18は、案内ピン18aがリンクプレート39の案内溝19aに沿って移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のガイド溝19aに沿って内向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の内周面15bにリンクピン18aを当接させると、ロータ5の軸芯の位置が第一位置から第二位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の内周面15bに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を逆方向K2に回転させる。
【0042】
その後に、モータ31で第1出力軸33を正方向K1に回転させると、回転板37が第1出力軸33と一体的に回転する。リンク18は、案内ピン18bがリンクプレート39の案内溝19b内を移動し、リンクピン18aがリンクプレート39のカム溝15に沿って外向きに移動する。リンク18の一つが、ガイドプレート40のカム溝15の外周面15aにリンクピン18aを当接させると、ローラ5の軸芯の位置が第二位置から第一位置に移動する。そして、全てのリンク18がリンクピン18aをカム溝15の外周面15aに当接させて突っ張った状態になると、リンクプレート39が回転板37と一体的に回転し、第2出力軸34を介してロータ5を正方向K1に回転させる。
【0043】
従って、第2実施の形態のチューブポンプ30によれば、モータ31でロータ5を逆方向K2に回転させた後に正方向K1に回転させるときに、第1出力軸33でリンク18を作動させてロータ5の軸芯の位置を第二位置から第一位置に完全に移動させた後に、第2出力軸34でモータ3の駆動力をロータ5に伝達してロータ5を正方向K1に回転させるので、ロータ5を正方向K1に回転させ始めるときに自重で滴下する液体の量を一定にして、液体供給量の誤差を少なくすることができる。
【0044】
(第3実施の形態)
次に、本発明のチューブポンプの第3実施の形態について説明する。図20は、液体停止状態のチューブポンプ50の概略構成図である。図21は、液体供給状態のチューブポンプ50の概略構成図である。
第3実施の形態のチューブポンプ50は、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させることによりローラ56を内側に移動させて、チューブ54に対する押圧力を自動的に解除するものであり、第1実施の形態と同様に飲食物供給装置に使用されるものである。
【0045】
チューブポンプ50は、本体51に対してロータ(「ローラ保持手段」に相当するもの)52が回転可能に保持され、ロータ52の片側にチューブガイド53が回動可能に設けられている。ロータ52とチューブガイド53との間には、チューブ54が組み付けられ、チューブ54の先端部は、本体51に取り付けられた図示しないピンチバルブで狭持されて、チューブ54内の原液を外気に接触させないようにしている。ロータ52には、図示しないモータ(「駆動手段」に相当するもの)の駆動軸が連結されている。ロータ52は、円板形の一対のローラプレートを軸部で連結したものであり、3個のガイド溝52aが一対のローラプレートの円周方向に等間隔に形成されている。ガイド溝52aは、径方向に長く形成され、ローラ軸55がそれぞれ摺動可能に保持されている。ローラ軸55には、円筒形状のローラ56が回転可能に保持されている。
【0046】
また、ロータ52の一対のローラプレートには、3個の案内溝52bがガイド溝52aと同軸状に径方向に長く形成され、スプリングシャフト57が摺動可能に保持されている。スプリングシャフト57は、一対のローラプレートの間に架設されている。U字バネ(「スプリング」に相当するもの)58は、両端部がローラ軸55とスプリングシャフト57とに接続し、スプリングシャフト57とローラ軸55とを離間させるように付勢している。
【0047】
本体51には、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときにローラ軸55を内向きに移動させるカム部材(「押圧力解除手段」、「ガイド機構」に相当するもの)59が2箇所の定位置に設けられている。すなわち、一方のカム部材59は、ロータ52が正方向K3に回転する時にローラ56でチューブ54を押し潰し始める位置に配設され、また、他方のカム部材62は、一方のカム部材59から正方向K3に120度ずれた位置に配設されている。
【0048】
図22は、チューブポンプ50の分解斜視図である。
本体51には、蓋65、基板66、取付部材67、蓋68,69がコの字形に積層され、基板66と蓋68との間にロータ52が配設される。カム部材59は、蓋65と基板66との間、及び、蓋68,69の間にそれぞれ揺動可能に保持されている。
【0049】
蓋65には、カム部材59の位置決めを行う位置決め凹部65aが2箇所に形成され、また、基板66には、蓋65の位置決め凹部65aと対応する位置に貫通孔66aが形成されている。蓋65と基板66との間には、カム軸60が位置決め凹部65aに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60にカム部材59が揺動可能に軸支されている。カム部材59は、カム軸60に取り付けられた付勢バネ61によって位置決め凹部65a及び貫通孔66aからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0050】
一方、蓋69には、カム部材59の位置決めを行う位置決め凹部69aが2箇所に形成され、また、蓋68には、蓋69の位置決め凹部69aと対応する位置に貫通孔68aが形成されている。蓋68と蓋69との間には、カム軸60が位置決め凹部69aに掛け渡すように設けられ、そのカム軸60にカム部材59が揺動可能に軸支されている。カム部材59は、カム軸60に取り付けられた付勢バネ61によって位置決め凹部69a及び貫通孔68aからロータ52側に突出するように付勢されている。
【0051】
図23 は、カム部材59の上面図である。図24は、カム部材59の側面図である。図25は、カム部材59の正面図である。
カム部材59は、略直方体に形成されたものであり、一端にカム軸60を挿通するための軸孔59aが形成されている。軸孔59aの開口部が設けられた一方の側面には、側方に隆起する隆起部59cが設けられている。そして、軸孔59aと隆起部59cとの間には、隆起部59cより側方に張り出して設けられたストッパ59dが設けられている。カム部材59には、カム軸60に装着された付勢バネ61を収納するための凹部59eが、軸孔59aと直交するように形成され、また、軸孔59a側端部と隆起部59c側端部が対角位置を切りかかれてテーパ面59f,59gを設けられている。テーパ面59fは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を大きくするように形成され、テーパ面59gは、軸孔59aから隆起部59cに向かって断面積を小さくするように形成されている。
こうしたカム部材59は、図20及び図21に示すように、隆起部59cが内向きになるように、本体51に取り付けられる。
【0052】
続いて、チューブポンプ50の動作について説明する。
図21に示すように、ロータ52が正方向K3に回転すると、上流側のローラ56がロータ52の回転に従ってチューブ54を押し潰す。ロータ52が120度回転すると、後のローラ56がチューブ54を押し潰して先のローラ56との間に所定量の液体で満たされた密閉空間を形成する。そして、ロータ52が正方向K3に回転し続けると、先のローラ56がチューブ54から離間するとともに、後のローラ56がチューブ54を扱いて密閉空間の液体を下流側に圧送する。従って、チューブポンプ50は、ロータ52が120度回転する毎に一定量ずつ液体を圧送するので、ロータ52の回転量を調節すれば、所望量の液体を下流側に圧送することができる。
【0053】
液体を所定量供給すると、図示しないモータは、ロータ52を正方向K3に回転することを停止して液体の供給を停止し、その後、図20に示すように、ロータ52を逆方向K4に回転させる。チューブ7に当接するローラ56は、カム部材59によりローラ軸55を内向きに移動されてチューブ54から離間し、チューブ7を押し潰す力を解除若しくは緩める。そして、ローラ56を軸支するカム軸55がカム部材59のストッパ59dに係止され、ロータ52の逆方向K4への回転が阻止される。
【0054】
次に、カム部材59の動作について詳細に説明する。ここで、一対のカム部材59は、動作原理が同じなので、それぞれ図中上側のものに着目して説明し、図中下側のものについては説明を省略する。
【0055】
図26は、図21のAA断面図である。図27は、図20のBB断面図である。
図26に示すように、ロータ52が正方向K3に回転されるときには、ローラ軸55の端部がカム部材59のテーパ面59fに当接する。カム部材59は、テーパ面59fが正方向K3に向かって断面積が大きくなるよう配設されているので、ローラ軸55が正方向K3に進むのに従ってカム軸60を基点として揺動し、テーパ面59gが蓋69の位置決め凹部69aに当接するまで押し上げられる。そのため、ローラ軸55は、ロータ52の回転に従って移動するときにカム部材59により移動を阻害されず、同じ軌道で回転し続ける。よって、ローラ56は、U字バネ58に付勢されてチューブ54を所定の押圧力で順次押し潰すことができる。
【0056】
一方、図27に示すように、ロータ52が逆方向K4に逆回転されるときには、ローラ軸55の端部がカム部材59の端部59bに突き当たる。端部59bには、何らテーパ面が設けられていないため、ローラ軸55の進行がカム部材59に阻止されるが、ロータ52は逆方向K4に回転し続けるため、ローラ軸55は隆起部59cに沿って移動し始める。そのため、ローラ軸55は、カム部材59の隆起部59cによりU字バネ58の付勢力に反して内向きに押し出され、ローラ56をチューブ54から離間させる。そして、ローラ軸55がストッパ59dに係止されて移動を阻止され、ロータ52の回転が阻止される。
【0057】
従って、第3実施の形態のチューブポンプ50によれば、本体2に設けた第1ガイド部材59が、図示しないモータでロータ52を正方向K3に回転させたときには、ローラ56を解放して所定圧でチューブ54に押し付け、図示しないモータでロータ52を逆方向K4に回転させたときには、定位置においてローラ56を内側に移動させてチューブ54から離間させることによりチューブ54に対する押圧力を弱めるので、押圧力を弱める位置を一定にすることができる。
【0058】
以上、本発明に係るチューブポンプの実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0059】
(1)例えば、上記実施の形態では、ローラ9,56をロータ5,52に回転可能に軸支させ、ロータ5,52を回転させてローラ9,56を正方向K1,K3又は逆方向K2,K4に移動させるようにしていた。それに対して、ローラを回転可能に保持するチェーンを一対のスプロケットなどで所定方向に回転させることにより、ローラを所定方向に移動させるようにしてもよい。この場合、一方のスプロケットの軸芯の位置を変えたり、ローラの一つを定位置に設けたカム機構でチューブから離間させる方向に移動させるようにするとよい。
【0060】
(2)例えば、上記実施の形態では、チューブ7,54に当接するローラ9,56の全てについてチューブ7,54に対する押圧力を弱めるようにした。それに対して、チューブ7,54に当接するローラ9,56の1つについて押圧力を弱めるようにしてもよい。具体的には、例えば、第1,第2実施の形態において、ガイドプレート10の長孔13をネジ孔11aからネジ孔11dに向かって斜めに形成するとともに、スイングプレート20をネジ孔11b付近で揺動可能に軸支するようにし、モータ3がロータ5を逆方向K2に回転させたときに、ロータ5を斜め下方に移動させて、下流側のローラ9の位置を変えずに、上流側のローラ9をチューブ7から離間させて押圧力を弱めるようにしてもよい。また、例えば、第3実施の形態において、下流側のカム部材59を省いて、上流側のローラ56の押圧力のみを弱めるようにしてもよい。このようにして、チューブ7,54が原液を密封する上流部分の塑性変形を防止すれば、原液の圧送量を一定にすることができる。
【0061】
(3)例えば、上記第1,2実施の形態では、ガイドプレート10,40のカム溝15の内周面15bに対して傾斜面を有するストッパ16を設けた。それに対して、内周面から外周面に向かって突き出す突起を設けてストッパにしてもよい。
【0062】
(4)例えば、上記第3実施の形態では、ローラ軸55とスプリングシャフト57をU字バネ58で連結した。それに対して、コイルバネなど付勢力のあるものでローラ軸55とスプリングシャフト57を連結してもよい。
【0063】
(5)例えば、上記実施の形態では、チューブポンプを飲料水供給装置に使用する場合について説明したが、医療機器や計量器具などに使用するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明のチューブポンプによれば、複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、駆動手段によりローラ保持手段を正方向に回転させた後、ローラ保持手段を停止し、その後、駆動手段によりローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、ローラがチューブを押し付ける押圧力を解除する押圧力解除手段を有しているので、チューブの塑性変形を自動的に防止して流体供給量の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの正面図である。
【図2】同じく、液体供給状態のチューブポンプの正面図である。
【図3】同じく、チューブポンプの側面図である。
【図4】同じく、ガイドプレートの平面図である。
【図5】同じく、回転板の平面図である。
【図6】同じく、リンクプレートの平面図である。
【図7】同じく、スイングプレートの平面図である。
【図8】同じく、押圧力解除手段の取付説明図である。
【図9】同じく、押圧力解除手段の取付説明図である。
【図10】同じく、押圧力解除手段の取付説明図である。
【図11】同じく、液体供給状態における押圧力解除手段の外観斜視図である。
【図12】同じく、モータ側からみた液体供給状態におけるリンク部分を示す図である。
【図13】同じく、液体停止状態における押圧力解除手段の外観斜視図である。
【図14】同じく、モータ側からみた液体停止状態におけるリンク部分を示す図である。
【図15】本発明の第2実施の形態において、チューブポンプの断面図である。
【図16】同じく、リンクプレートの平面図である。
【図17】同じく、回転板の平面図である。
【図18】同じく、押圧力解除手段の取付説明図である。
【図19】同じく、押圧力解除手段の取付説明図である。
【図20】本発明の第3実施の形態において、液体停止状態のチューブポンプの正面図である。
【図21】同じく、液体供給状態のチューブポンプの正面図である。
【図22】同じく、チューブポンプの分解斜視図である。
【図23】同じく、カム部材の上面図である。
【図24】同じく、カム部材の側面図である。
【図25】同じく、カム部材の正面図である。
【図26】同じく、図21のAA断面図である。
【図27】同じく、図20のBB断面図である。
【図28】飲食物供給装置の概略構成図である。
【図29】第1従来例のチューブポンプの正面図である。
【図30】第1従来例のチューブポンプの側面図である。
【図31】第2従来例のチューブポンプの正面図であって、液体供給状態を示す。
【図32】第2従来例のチューブポンプの正面図であって、液体停止状態を示す。
【符号の説明】
1,30,50 チューブポンプ
3 モータ
5,52 ロータ
9,56 ローラ
7,54 チューブ
10,40 ガイドプレート
15 カム溝
17,37 回転板
18 リンク
19,39 リンクプレート
20 スイングプレート
21 支軸
56 ローラ軸
57 スプリングシャフト
58 U字バネ
59 カム部材

Claims (5)

  1. 複数のローラを移動可能に保持するローラ保持手段を駆動手段で正方向に回転させ、前記ローラで液体が流れるチューブを順次押し潰してしごくことにより、液体を一定量ずつ圧送するチューブポンプにおいて、
    前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラが前記チューブを押し付ける押圧力を解除する押圧力解除手段を有することを特徴とするチューブポンプ。
  2. 請求項1に記載するチューブポンプにおいて、
    前記ローラ保持手段は、前記複数のローラを円周方向に等間隔に配設されて回転可能に保持するものであり、
    前記押圧力解除手段は、
    前記駆動手段により前記ローラ保持手段を正方向に回転させた後、前記ローラ保持手段を停止し、その後、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させることにより、前記ローラが前記チューブを押し付ける押圧力を解除することを特徴とするチューブポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記押圧力解除手段は、前記駆動手段により前記ローラ保持手段を逆方向に回転させるときに、前記ローラ保持手段の軸芯の位置を前記チューブから逃げる方向に移動させることを特徴とするチューブポンプ。
  4. 請求項3に記載するチューブポンプにおいて、
    前記押圧解除手段は、
    前記駆動手段と前記ローラ保持手段とに連結し、前記駆動手段が前記ローラ保持手段を正方向に回転させるときに前記ローラ保持手段の軸芯を第一位置に移動させ、前記駆動手段が前記ローラ保持手段を逆方向に回転させるときに前記ローラ保持手段の軸芯を第二位置に移動させるリンク機構を有することを特徴とするチューブポンプ。
  5. 請求項1又は請求項2に記載するチューブポンプにおいて、
    前記押圧力解除手段は、
    前記ローラ保持手段が正方向に回転されるときは解放状態にあり、逆方向に回転されるときは前記ローラを内側に移動させるガイド機構を定位置に有することを特徴とするチューブポンプ。
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