JP4073997B2 - 隠蔽ラベル付き往復葉書 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復葉書に関するものであり、更に詳しくは、秘密情報を遮蔽し得る機能を備えた隠蔽ラベル付き往復葉書に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、送り元と送り先の往復葉書を用いた情報の交換は、会合への出欠やアンケートの回答等オープンな情報を基本としていた。そのため、証券会社や銀行等の金融機関、また、官庁からの通知で親展性の必要な情報は、一般に封書が用いられ、返信を要するものであって、その返信情報がオープンな情報の場合は返信用郵便葉書を同封し、また、その返信情報が秘密性を有する情報の場合は返信用封書を同封している。
【0003】
しかし、送り元から送り先へ封書を用いた郵送方法をとると、往信情報の秘匿性は保たれるが、前記封書の宛先宛名、或いは、往信情報、あるいは、返信葉書や返信封書の宛先宛名等を別々に印字し、その後に個人別に各帳票や往信情報を合致させて封入し郵送するといった煩雑な作業が加わり、能率も悪くミスマッチも起こりやすくコスト高にもなるなどの問題がある。
【0004】
そこで、煩雑でミスマッチも起こりやすくコスト高にもなる封書に変えて、送り元から送り先への秘匿性のある往信情報を秘密情報として送ることができ、さらに、送り先から送り元への秘匿性のある返信情報を秘密情報として送り返すことができる往復葉書が考え出された。
【0005】
すなわち、往復葉書の往信片に送り先の宛先宛名、或いは、秘匿性のある往信情報を印字すると共に、返信片に送り元の宛先宛名、或いは、返信情報欄を印字等して後に、前記秘匿性のある往信情報の部分に、基材層と透視可能なカバー層とが剥離可能に積層された隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設け、該接着剤層上に透視可能な離型層を設け、さらに、該離型層上に接着剤層を設けた構成からなる隠蔽ラベルを貼着して送り元から送り先へ郵送し、送り先では届けられた往復葉書の隠蔽ラベルを前記隠蔽被覆体のカバー層の表出面全面に設けられた接着剤層と離型層との間で剥離し、秘匿性のある往信情報を確認した上で、返信片に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入してから、前記剥離した接着剤層を有する前記隠蔽被覆体を前記返信片に設けられた返信情報欄に貼着して前記返信片を送り先から送り元へ返送していた。一方、送り元では送り先から返送されてきた返信片の返信情報欄に貼着された前記隠蔽被覆体を基材層と透視可能なカバー層との間で剥離して、返信情報欄に記入された秘匿性のある返信情報を確認していた。
【0006】
しかし、上記往復葉書においては、往信片に印字された秘匿性のある往信情報を確認してから、返信片に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入するように構成されており、往信片に印字された秘匿性のある往信情報を確認して返信片に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入するまでの間、往信情報を隠蔽していた接着剤層を有する隠蔽被覆体が他のものに接着しないように注意して取り扱う必要があり、この作業は結構煩雑なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題を解決する目的でなされたものであり、往信片に印字された秘匿性のある往信情報を確認して返信片に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入するまでの間、往信情報を隠蔽していた接着剤層を有する隠蔽被覆体が他のものに接着しないように注意して取り扱わねばならないという煩雑な作業をなくすことができる隠蔽ラベル付き往復葉書を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究した結果、請求項1記載の本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書は、往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルとが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが基材層と透視可能なカバー層とを剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画されており、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1記載の構成とすることにより、往信時の秘匿情報と返信時の秘匿情報を隠蔽する隠蔽ラベルがそれぞれ設けられているために、往信情報を確認する際は往信隠蔽ラベルを剥がして確認すると共に、この往信情報に基づいて返信片に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入し、往復葉書に設けられた返信隠蔽ラベルを剥離して返信情報欄に貼着すればよく、従来の煩雑な作業を解決することができる。また、往復葉書に貼設された前記往診隠蔽ラベルを基材層と透視可能なカバー層との間で剥離することにより、秘匿性のある往信情報を確認することができる。さらに、返信隠蔽ラベルを前記返信隠蔽ラベルの接着剤層と往復葉書に施された離型処理面で離型することができ、離型した前記返信隠蔽ラベルを秘匿性のある返信情報を記入した返信情報欄に貼着することにより、秘匿性のある返信情報を隠蔽することができると共に、送り元では返送された返信片の返信情報欄に貼着された前記返信隠蔽ラベルを基材層と透視可能なカバー層との間で剥離することにより秘匿性のある返信情報を確認することができる。
【0010】
さらにまた、請求項1記載の構成とすることにより、往信隠蔽ラベルのみをミシン目で切り取ることにより秘匿性のある往信情報を確認することができると共に、返信隠蔽ラベルは返信片に秘匿性のある返信情報を記入し、その返信情報を隠蔽するために使用されるまで往信片と一体となっており、従来のように剥離した後の隠蔽ラベル(返信片に貼着するため)の取扱いに注意しなければならないといったことがなく極めて取扱い易い。また、返信情報が多い、すなわち、返信情報の隠蔽領域が大きい場合にも対応することができる。
【0011】
また、請求項2記載の本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書は、往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルとが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信情報ラベルとが基材層と透視可能なカバー層とを押し出しポリエチレン層を介して積層し、かつ、前記基材層と前記押し出しポリエチレン層との間にのみアンカーコート層を設けることで前記基材層と前記押し出しポリエチレン層とを強固に接着し、前記カバー層と前記押し出しポリエチレン層とを剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画され、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3記載の本発明は、請求項2記載の隠蔽ラベル付き往復葉書において、前記押し出しポリエチレン層に用いるポリエチレンが着色されて隠蔽性を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項4記載の本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書は、往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが第1層に接着剤またはポリオレフィン系樹脂よりなる層間接着剤を介して第2層を設け、当該第2層の片面に剥離層を形成してなる基材層と、当該基材層の剥離層上にポリエチレンを押し出しコーティングしてカバー層を設けることにより、前記剥離層と前記カバー層との間で剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画され、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
まず、図1は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の第1の実施形態を示す平面図、図2は図1の裏面を示す平面図、図3は図1のX−X線の断面図、図4は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の第2の実施形態を示す平面図、図5は図4の裏面を示す平面図、図6は図4のY−Y線の断面図、図7は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の第3の実施形態を示す平面図、図8は図7の裏面を示す平面図、図9は図7のZ−Z線の断面図、図10, 図11は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する往信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図、図12, 図13は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する返信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図である。図中の1は往復葉書、2は往信片、3は返信片、4は折線、5,5'',5'''は往信隠蔽ラベル、6,6',6'',6'''は返信隠蔽ラベル、7はミシン目、20は隠蔽被覆体、21は基材層、21aは第1層、21bは第2層、21cは層間接着層、21dは剥離層、22はカバー層、23,25は感圧接着剤層、24は離型層、30は離型印刷層、40は接着層兼剥離層をそれぞれ示す。
【0015】
本発明の往復葉書の第1の実施形態は図1、図2に示す通りである。図1は往信片の料額印面側から見た平面図であり、図2は返信片の料額印面側から見た平面図である。図1、2の往復葉書1は往信片2と返信片3とが折線4を介して連接し、往信片2の料額印面の下方部に往信隠蔽ラベル5と返信隠蔽ラベル6とが貼着されて往信片2を形成している。図3に示すように前記往信隠蔽ラベル5は透視不能な基材層21と透視可能なカバー層22とが剥離可能に積層された隠蔽被覆体20の前記カバー層22の面全面に感圧接着剤層23を設けた構成からなり、前記感圧接着剤層23で往信片2に貼着され、前記返信隠蔽ラベル6は透視不能な基材層21と透視可能なカバー層22とが剥離可能に積層された隠蔽被覆体20の前記カバー層22の面全面に感圧接着剤層23を設け、該感圧接着剤層23上に離型紙からなる離型層24の離型面が当たるように設けられ、さらに該離型層24の紙面に感圧接着剤25を設けた構成からなり、前記感圧接着剤層25で往信片2に貼着されている。そして、前記往信隠蔽ラベル5と前記返信隠蔽ラベル6とは前記隠蔽被覆体20と前記隠蔽被覆体20のカバー層22の面全面に設けられた感圧接着剤層23とを共用する用に構成されると共に、前記隠蔽被覆体20には前記往信隠蔽ラベル5と前記返信隠蔽ラベル6との境界部において前記往信隠蔽ラベル5と前記返信隠蔽ラベル6とが分離できるようにミシン目7が設けられている。また、図1において前記返信隠蔽ラベル6の離型層24が前記隠蔽被覆体20側の各層よりも大きく構成されているのは前記隠蔽被覆体20側を前記離型層24で離型するときに容易に離型できるようにするためであり、前記離型層24が前記隠蔽被覆体20側の各層と同じ大きさであっても構わないし、また、その他の離型し易くする構成、たとえば、前記離型層24の前記隠蔽被覆体20側の各層の角部を切欠くようにしてもよい。
【0016】
次に、図1〜3に示した第1の実施形態の往復葉書の使い方について説明する。まず、送り元で往復葉書1に宛先宛名等のオープンな情報を印刷あるいは印字すると共に、秘匿性のある往信情報を往信片2の所定箇所に印字し、その後に秘匿性のある往信情報を印字した前記往信片2の箇所を往信隠蔽ラベル5で隠蔽すると共に、返信隠蔽ラベル6を貼着してから送り先へ前記往復葉書1を郵送する。送り先では送り元から郵送されてきた前記往復葉書1に貼着されている往信隠蔽ラベル5を透視不能な基材層21と透視可能なカバー層22との間で剥離すると共にミシン目7に沿って切り取り、前記往信隠蔽ラベル5の下に隠蔽されていた秘匿性のある往信情報を透視可能なカバー層22を通して確認すると共に返信片3に設けられている返信情報記入欄に必要事項を記入する。その後に、往信片2に設けられた返信隠蔽ラベル6を隠蔽被覆体20のカバー層面に設けられた感圧接着剤層23と離型層24の間で離型して、前記隠蔽被覆体20を前記返信情報記入欄に秘匿性のある返信情報が隠蔽されるように前記隠蔽被覆体20に設けられた前記感圧接着剤層23で貼着し、前記往復葉書の折線4で返信片3を切り離して送り元へ返送する。送り元では送り先から返送されてきた返信片3を、該返信片3に貼着された前記隠蔽被覆体20を透視不能な基材層21と透視可能なカバー層22との間で剥離して、前記透視可能なカバー層22を通して秘匿性のある返信情報を確認する。
【0017】
次に、本発明の往復葉書の第2の実施形態は図4、図5に示す通りである。図4は往信片の料額印面側から見た平面図であり、図5は返信片の料額印面側から見た平面図である。本発明の往復葉書の第2の実施形態は、図6に示すように、本発明の第1の実施形態においては返信隠蔽ラベル6は基材層21とカバー層22とが剥離可能に積層された隠蔽被覆体20の前記カバー層22の面に感圧接着剤層23が設けられ、該感圧接着剤層23の上に離型紙からなる離型層24の離型面が当たるように設けられ、さらに該離型層24の紙面に感圧接着剤25を設けた構成からなっていたものを、前記離型層24と前記感圧接着剤層25にかえて、前記離型層24と前記感圧接着剤層25のかわりとなる離型印刷層30を往信片2の所定箇所に印刷すると共に、基材層21とカバー層22とが剥離可能に積層された隠蔽被覆体20の前記カバー層22の面に感圧接着剤層23が設けられた返信隠蔽ラベル6'を前記離型印刷層30上に貼着した以外は同じであり説明は省略するが、前記離型印刷層30を往信片2の所定箇所に設ける方法としては、たとえば、シリコーンが添加されたオフセット用印刷インキを用いて前記所定箇所にベタ柄のオフセット印刷をすることにより設けることができる。
【0018】
次に、本発明の往復葉書の第3の実施形態は図7、図8に示す通りである。図7は往信片の料額印面側から見た平面図であり、図8は返信片の料額印面側から見た平面図である。本発明の往復葉書の第1の実施形態においては、往信隠蔽ラベル5と返信隠蔽ラベル6とが隠蔽被覆体20に設けられたミシン目7を介して連接した構成にしたが、本発明の往復葉書の第3の実施形態においては、図9に示すように往信隠蔽ラベル5と返信隠蔽ラベル6とを分離して、往信片2の表面と裏面とに設けたものであり、これ以外は第1の実施形態と同じであり説明は省略する。本発明の往復葉書の第3の実施形態は、秘匿性のある往信情報の量が多い場合や秘匿性のある返信情報の量が多い場合等に好適な実施形態である。また、往信隠蔽ラベル5と返信隠蔽ラベル6とを往信片のいずれの面に設けるかは任意であるが、返信情報欄に往信情報を確認しながら記入することを考慮すると、第3の実施形態のように往信隠蔽ラベル5と返信隠蔽ラベル6とを設ける方が好適である。また、第3の実施形態に第2の実施形態の構成を用いても構わない。
【0019】
図10は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の往信片2に貼着されている往信隠蔽ラベルの一実施例を示す層構成図であって、紙,プラスチックフィルム(含合成紙)、又は、紙,プラスチックフィルム(含合成紙)の片面に蒸着を施したもの、又は、紙,プラスチックフィルム(含合成紙)の片面に隠蔽のためのベタ印刷を施したものからなる基材層21と、プラスチックフィルム,不織布からなるカバー層22とを周知のTダイ押し出し法にて押し出された高圧法低密度ポリエチレンンからなる接着層兼剥離層40で基材層21とは強固に接着し、カバー層22とは剥離可能に接着するように積層した隠蔽被覆体20の前記カバー層22面に天然ゴム、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、スチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレン共重合体等の主剤にロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤および充填剤や老化防止剤等を添加してなる感圧接着剤を塗工して接着剤層23を形成することにより往信隠蔽ラベル5''としたものである。この往信隠蔽ラベル5''を秘匿性のある往信情報が印字等された往信片2の印字等された箇所に前記接着剤層23で貼着することにより、秘匿性のある往信情報を隠蔽することができる。また、往信片2に往信隠蔽ラベル5''で隠蔽された秘匿性のある往信情報を確認する場合には、前記往信隠蔽ラベル5''を前記接着層兼剥離層40と前記カバー層22との間で剥離することにより、前記カバー層22を通して秘匿性のある往信情報を確認することができる。
【0020】
ところで、前記基材層21と前記接着層兼剥離層40とを強固に接着させるには、たとえば、前記基材層21と前記接着層兼剥離層40との間に、2液反応型ポリウレタン系樹脂などのアンカーコート剤を設けることで達成することができるし、また、前記接着層兼剥離層40と前記カバー層22とを剥離可能に接着させるには、たとえば、カバー層22に用いるプラスチックフィルムおよび不織布をポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などからなるものを用いることにより達成することができる。また、前記接着層兼剥離層40に用いる高圧法低密度ポリエチレンは必要に応じて黒色等に着色して往信隠蔽ラベルの隠蔽性を高めてもよい。
【0021】
図11は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の往信片2に貼着されている往信隠蔽ラベルの他の実施例を示す層構成図であって、紙,アルミニウム箔,プラスチックフィルム,または、紙およびプラスチックフィルムの片面に蒸着を施したもの、または、紙およびプラスチックフィルムの片面に隠蔽のためのベタ印刷を施したものからなる第1層21aに接着剤またはポリオレフィン系樹脂よりなる層間接着層21cを介してアルミニウム箔またはプラスチックフィルムまたはプラスチックフィルムの片面に蒸着を施した蒸着フィルムまたはプラスチックフィルムの片面に隠蔽のためのベタ印刷を施した印刷フィルムよりなる第2層21bを設け、前記第2層21bの片面にポリアミド系,ニトロセルロース系またはゴム系またはウレタン系または塩素化ポリプロピレン系樹脂に0.1〜0.5%の範囲でシリコーン等の剥離剤を添加したもの、または、界面活性剤を溶剤にとかしたものをコートすることで形成された剥離層21dよりなる基材層21の剥離層21d上に周知のTダイ押し出し法で高圧法低密度ポリエチレンを押し出しコーティングしてカバー層22を設けた隠蔽被覆体20の前記カバー層22上に天然ゴム、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、スチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレン共重合体等の主剤にロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤および充填剤や老化防止剤等を添加してなる感圧接着剤を塗工して接着剤層23を形成することにより往信隠蔽ラベル5'''としたものである。この往信隠蔽ラベル5'''を秘匿性のある往信情報が印字等された往信片2の印字等された箇所に前記接着剤層23で貼着することにより、秘匿性のある往信情報を隠蔽することができる。また、往信片2に往信隠蔽ラベル5'''で隠蔽された秘匿性のある往信情報を確認する場合には、前記往信隠蔽ラベル5'''を前記剥離層21dと前記カバー層22との間で剥離することにより、前記カバー層22を通して秘匿性のある往信情報を確認することができる。
【0022】
図12は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の往信片2に貼着されている返信隠蔽ラベルの一実施例を示す層構成図であって、図10で示した往信隠蔽ラベル5''の接着剤層23上に前記接着剤層23と離型面で接着している離型層24を設け、さらに前記離型層24の非離型面上に天然ゴム、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、スチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレン共重合体等の主剤にロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤および充填剤や老化防止剤等を添加してなる接着剤層25を形成することにより返信隠蔽ラベル6''としたものである。
【0023】
図13は本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書の往信片2に貼着されている返信隠蔽ラベルの他の実施例を示す層構成図であって、図11で示した往信隠蔽ラベル5'''の接着剤層23上に前記接着剤層23と離型面で接着している離型層24を設け、さらに前記離型層24の非離型面上に天然ゴム、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、スチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレン共重合体等の主剤にロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤および充填剤や老化防止剤等を添加してなる接着剤層25を形成することにより返信隠蔽ラベル6'''としたものである。返信隠蔽ラベル6''、6'''の離型層24としては、離型処理加工が施されたセペレート紙といわれる離型処理紙が通常用いられる。
【0024】
図12、図13で示した返信隠蔽ラベル6''、6'''の使い方としては、前記返信隠蔽ラベル6''、6'''は前記返信隠蔽ラベル6''、6'''に設けられた接着剤層25で往復葉書の往信片2に貼着された状態で送り元から送り先へ郵送される。送り先では郵送されてきた往復葉書の往信片2に貼着された往信隠蔽ラベルを剥がして秘匿性のある往信情報を確認し、この情報に基づいて返信片3に設けられた返信情報欄に秘匿性のある返信情報を記入し、その後、往信片2に貼着された返信隠蔽ラベル6''、6'''を離型層24と接着剤層23との間で離型し、離型した前記返信隠蔽ラベル6''、6'''の隠蔽被覆体20を前記接着剤層23で返信片3に設けられた返信情報欄に貼着して隠蔽し、往復葉書の折線から返信片3を切り離して送り元へ返送する。送り元では返送されてきた返信片3を、返信隠蔽ラベル6''が貼着されている場合には、接着層兼剥離層40とカバー層22との間で剥離し、また、返信隠蔽ラベル6'''の場合には、剥離層21dとカバー層22との間で剥離して、カバー層22を通して秘匿性のある返信情報を確認することができる。
【0025】
ところで、往信あるいは返信隠蔽ラベルに設ける剥離層14d のコート量はドライ時で1〜3g/m2 が適当である。また、接着剤層23および25のコート量はドライ時で15〜30g/m2 が適当である。また、往信あるいは返信隠蔽ラベルに用いられる紙,アルミニウム箔,プラスチックフィルム等については、要求物性、コスト等を勘案して決めればよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の隠蔽ラベル付き往復葉書は、秘匿性のある往信情報、および、秘匿性のある返信情報を隠蔽することができると共に、特に秘匿性のある往信情報を確認し、この秘匿性のある往信情報に基づいて秘匿性のある返信情報を記入する場合に、従来、往信隠蔽ラベル兼返信隠蔽ラベルであるがために、その間感圧接着剤が露出した状態となり、この取扱作業は結構煩雑なものであったが、この煩雑な作業を解消することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書の第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1の裏面を示す平面図である。
【図3】 図1のX−X線の断面図である。
【図4】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書の第2の実施形態を示す平面図である。
【図5】 図4の裏面を示す平面図である。
【図6】 図4のY−Y線の断面図である。
【図7】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書の第3の実施形態を示す平面図である。
【図8】 図7の裏面を示す平面図である。
【図9】 図7のZ−Z線の断面図である。
【図10】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する往信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図である。
【図11】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する往信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図である。
【図12】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する返信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図である。
【図13】 本発明にかかる隠蔽ラベル付き往復葉書に貼着する返信隠蔽ラベルの実施例を示す層構成図である。
【符号の説明】
1 往復葉書
2 往信片
3 返信片
4 折線
5,5'',5''' 往信隠蔽ラベル
6,6',6'',6''' 返信隠蔽ラベル
7 ミシン目
20 隠蔽被覆体
21 基材層
21a 第1層
21b 第2層
21c 層間接着層
21d 剥離層
22 カバー層
23,25 感圧接着剤層
24 離型層
30 離型印刷層
40 接着層兼剥離層
Claims (4)
- 往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルとが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが基材層と透視可能なカバー層とを剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画されており、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とする隠蔽ラベル付き往復葉書。
- 往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルとが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信情報ラベルとが基材層と透視可能なカバー層とを押し出しポリエチレン層を介して積層し、かつ、前記基材層と前記押し出しポリエチレン層との間にのみアンカーコート層を設けることで前記基材層と前記押し出しポリエチレン層とを強固に接着し、前記カバー層と前記押し出しポリエチレン層とを剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画され、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とする隠蔽ラベル付き往復葉書。
- 前記押し出しポリエチレン層に用いるポリエチレンが着色されて隠蔽性を備えていることを特徴とする請求項2記載の隠蔽ラベル付き往復葉書。
- 往信片と返信片とが折線を介して連接した往復葉書において、前記往復葉書の前記往信片の片面に、往信情報を隠蔽する往信隠蔽ラベルと返信情報を隠蔽する返信隠蔽ラベルが連接状態で貼設されており、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが第1層に接着剤またはポリオレフィン系樹脂よりなる層間接着剤を介して第2層を設け、当該第2層の片面に剥離層を形成してなる基材層と、当該基材層の剥離層上にポリエチレンを押し出しコーティングしてカバー層を設けることにより、前記剥離層と前記カバー層との間で剥離可能に積層した1枚の隠蔽被覆体からなると共に、前記往信隠蔽ラベルと前記返信隠蔽ラベルとが当該1枚の隠蔽被覆体に設けられたミシン目を介して分離可能に区画され、当該1枚の隠蔽被覆体の前記カバー層の表出面全面に接着剤層を設けた構成からなり、前記往復葉書の前記往信片の片面における前記返信隠蔽ラベルが貼設されている領域のみ離型処理が施され、前記返信隠蔽ラベルが前記往復葉書から剥離して前記返信片に貼着できるように貼設されていることを特徴とする隠蔽ラベル付き往復葉書。
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