JP4073774B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、「基板」と称する)の表面の処理、特にオゾン(O3)を使用した洗浄処理、レジスト等の有機物の除去処理を行う基板処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体や液晶ディスプレイなどを製造する工程の一部には、上記基板のフォトリソグラフィ処理が含まれている。フォトリソグラフィ処理においては、基板にフォトレジスト(以下、単にレジストとする)を塗布し、基板上に形成されたレジスト膜にパターンの露光を行い、さらにその後現像処理を行う。現像処理が完了した後、不要となったレジストは除去される。
【0003】
従来、レジストの除去処理は硫酸(H2SO4)を含む溶液によって行われていたが、近年は排液処理が容易で環境への負荷の少ないオゾン水を用いたレジスト剥離処理が注目されつつある。オゾン水を使用して効果的にレジストを除去するためには、高温かつ高濃度のオゾン水中に基板を浸漬する必要があるが、他の気体と同様にオゾンの場合も溶液の温度が高くなると溶解度が低下するため、高温かつ高濃度のオゾン水を生成することが困難で、オゾン水を使用しても高いレジスト除去処理速度を得ることができなかった。
【0004】
このため、最近は基板に水蒸気とオゾンガスとを供給し、反応性に富む水酸基ラジカル等を多量に生成してレジストを酸化・除去する手法が注目されつつある。この手法であれば、基板の温度が高くても反応性に富む水酸基ラジカル等を基板表面に効率良く供給することができ、オゾン水を使用するよりも高い処理速度が得られる。
【0005】
そして、通常はオゾン水によるレジスト剥離処理を行い、さらにその後純水による水洗処理と乾燥処理とを行うことが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−110605号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、上記のようなオゾンによるレジストの剥離処理を行う槽と、水洗処理を行う槽、乾燥処理を行う槽がそれぞれ一つの基板処理装置に個別に設けられていた。このため、装置のフットプリント(装置が平面的に占有する面積)が大きくなるという問題が生じていた。基板処理装置は通常クリーンルームに設けられるものであり、雰囲気の維持に相応のコストを要するクリーンルームにおいて一つの基板処理装置のフットプリントが大きくなることは好ましくない。
【0008】
また、多数の槽を備えた基板処理装置では、各槽から排気を行う必要があり、装置全体としての排気量が大きくなっていた。さらに、薬液の処理、オゾンによる処理、水洗処理、乾燥処理という一連の処理を行う際に、各槽間での基板搬送が必要となり、しかも槽の並びの向きに沿って基板を搬送できるとは限らないため、スループットの向上に限界があった。また、このような槽間での基板搬送を行うときに基板表面と大気中の酸素(O2)とが反応して不要な酸化膜が生成したり、搬送ロボットから基板へのパーティクル転写のリスクもあった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、オゾンによる表面処理と処理液による表面処理とを行うことができ、しかもフットプリントの小さな基板処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板表面の処理を行う基板処理装置において、基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、前記チャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽に前記処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理槽内の浸漬位置と、前記チャンバ内における前記処理槽よりも上方の引き揚げ位置との間で基板を保持して昇降させる昇降手段と、前記引き揚げ位置に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、前記引き揚げ位置に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記引き揚げ位置に設けられ、前記昇降手段から渡された基板を保持して水平軸周りに回転させる回転手段と、を備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明にかかる基板処理装置において、前記処理液供給手段に、前記処理槽に純水を供給する純水供給手段を含ませている。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明にかかる基板処理装置において、前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備える。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明にかかる基板処理装置において、前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備える。
【0015】
また、請求項の発明は、請求項1から請求項のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記水蒸気供給手段に、前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる加熱手段を含ませている。
【0016】
また、請求項の発明は、請求項の発明にかかる基板処理装置において、前記処理槽に貯留された処理液を排出する排液手段をさらに備え、前記加熱手段に、前記排液手段によって純水が排出されることにより前記処理槽に貯留されている純水の液面レベルが前記処理槽内にて液処理を行うときの液面レベルよりも低下した状態の純水を加熱させている。
【0017】
また、請求項の発明は、請求項1から請求項のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記処理液供給手段に、前記処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含ませている。
【0018】
また、請求項の発明は、請求項1から請求項のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記引き揚げ位置に保持された基板に薬液の蒸気を供給する薬液蒸気供給手段をさらに備える。
【0029】
また、請求項の発明は、基板表面の処理を行う基板処理装置において、基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、前記チャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽の開口部分を覆って当該処理槽内を密閉空間とし、当該開口部分を開放する遮蔽手段と、前記処理槽に前記処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理槽に貯留された前記処理液を排出する排液手段と、前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、を備える。
【0030】
また、請求項10の発明は、請求項の発明にかかる基板処理装置において、前記処理液供給手段に、前記処理槽に純水を供給する純水供給手段を含ませている。
【0031】
また、請求項11の発明は、請求項10の発明にかかる基板処理装置において、前記水蒸気供給手段に、前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱手段を含ませている。
【0032】
また、請求項12の発明は、請求項11の発明にかかる基板処理装置において、前記純水加熱手段に、前記処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させている。
【0033】
また、請求項13の発明は、請求項10から請求項12のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱手段をさらに備える。
【0034】
また、請求項14の発明は、請求項13の発明にかかる基板処理装置において、前記基板加熱手段に、基板を保持した前記処理槽に温純水を供給する温純水供給手段を含ませている。
【0035】
また、請求項15の発明は、請求項13の発明にかかる基板処理装置において、前記基板加熱手段に、基板を保持した前記処理槽に加熱された不活性ガスを供給する加熱不活性ガス供給手段を含ませている。
【0036】
また、請求項16の発明は、請求項から請求項15のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備える。
【0037】
また、請求項17の発明は、請求項から請求項16のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備える。
【0038】
また、請求項18の発明は、請求項から請求項17のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、前記処理液供給手段に、前記処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含ませている。
【0039】
また、請求項19の発明は、基板表面の処理を行う基板処理方法において、チャンバ内に基板を収容して、前記チャンバ内を密閉空間にする第1収容工程と、前記チャンバ内に配置された処理槽内に前記基板を収容して、前記処理槽内を密閉空間にする第2収容工程と、前記処理槽内に保持された基板にオゾンガスおよび水蒸気を供給して基板表面にオゾンによる処理を行うオゾン処理工程と、前記処理槽内に保持された基板の表面に所定の処理液を付与して、当該処理液による前記基板の表面処理を行う液処理工程と、を備える。
【0040】
また、請求項20の発明は、請求項19の発明にかかる基板処理方法において、前記オゾン処理工程に、前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱工程を含ませている。
【0041】
また、請求項21の発明は、請求項20の発明にかかる基板処理方法において、前記純水加熱工程に、前記処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる工程を含ませている。
【0042】
また、請求項22の発明は、請求項19から請求項21のいずれかの発明にかかる基板処理方法において、前記オゾン処理工程に、前記処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱工程を含ませている。
【0043】
また、請求項23の発明は、請求項22の発明にかかる基板処理方法において、前記基板加熱工程に、基板を保持した前記処理槽に温純水を供給する工程を含ませている。
【0044】
また、請求項24の発明は、請求項22の発明にかかる基板処理方法において、前記基板加熱工程に、基板を保持した前記処理槽に加熱された不活性ガスを供給する工程を含ませている。
【0045】
また、請求項25の発明は、請求項19から請求項24のいずれかの発明にかかる基板処理方法において、前記液処理工程に、前記基板の表面に純水を付与して水洗処理を行う水洗処理工程を含ませている。
【0046】
また、請求項26の発明は、請求項25の発明にかかる基板処理方法において、前記水洗処理が行われた後に、前記基板の乾燥処理を行う乾燥工程をさらに備える。
【0047】
また、請求項27の発明は、請求項26の発明にかかる基板処理方法において、前記乾燥工程に、前記水洗処理が行われた後に、前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給工程と、前記チャンバ内に前記有機溶剤の蒸気が供給された後に、前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧工程と、を備える。
【0048】
また、請求項28の発明は、請求項19から請求項27のいずれかの発明にかかる基板処理方法において、前記液処理工程に、前記基板の表面に薬液を付与して表面処理を行う薬液処理工程を含ませている。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0050】
<1.第1実施形態>
<1−1.基板処理装置の構成>
図1は、本発明に係る基板処理装置1の全体構成を示す図である。また、図2は、図1の基板処理装置の側面図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするため必要に応じてZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
【0051】
この基板処理装置1は、基板に水蒸気とオゾンガスとを供給してレジスト除去処理を行うことを基本機能とするものであり、該基本機能の他に薬液による表面処理を行う機能と純水による水洗処理を行う機能と基板の乾燥処理を行う機能とを有している。基板処理装置1は、チャンバ5の内部に、所定の処理液を貯留する処理槽10と、基板Wを昇降させるリフター20と、基板Wを保持して回転させるローター30と、チャンバ5内にオゾンガス等の気体を吐出するガスノズル40と、処理槽10にフッ酸等の処理液を吐出する処理液ノズル50と、処理槽10に貯留された純水を光照射により加熱して水蒸気を発生させるハロゲンランプ80とを備えている。また、基板処理装置1は、チャンバ5の外部に、ガスノズル40にオゾンガス等の気体を供給するガス供給機構60と、処理液ノズル50にフッ酸等の処理液を供給する処理液供給機構70と、チャンバ5内を減圧する減圧機構90を備えている。
【0052】
チャンバ5は、基板Wを収容して処理を行うためのものである。チャンバ5の上部には蓋6が設けられており、蓋6は図示を省略するスライド開閉機構によって開閉可能とされている。蓋6が開放された状態においては、その開放部分を介してリフター20と装置外部の搬送ロボットとの間で基板Wの受け渡しを行い、チャンバ5に対する基板Wの搬出入を行うことができる。一方、蓋6が閉鎖された状態においては、蓋6とチャンバ5との間がO−リングによってシールされ、チャンバ5の内部を密閉空間とすることができる。この状態においては、チャンバ5内のガスが外部に漏れ出ることはなく、またチャンバ5の内部を大気圧よりも低い減圧状態にすることができる。
【0053】
処理槽10は、フッ酸等の薬液または純水(以下、薬液および純水を総称して「処理液」とする)を貯留して基板Wに順次表面処理を行う槽であり、チャンバ5の内部に収容されている。処理槽10には、後述の処理液ノズル50から処理液を供給することができる。なお、処理液は処理液ノズル50から供給されて処理槽10の上端部から溢れ出る。
【0054】
リフター20は、リフターアーム23、3本の保持棒21a、21b、21cおよび昇降駆動部22を備えている。昇降駆動部22は、リフターアーム23を鉛直方向(Z軸方向)に沿って昇降させる機能を有している。リフターアーム23には、3本の保持棒21a、21b、21cがその長手方向が略水平(Y軸方向)となるように固設されており、3本の保持棒21a、21b、21cのそれぞれには基板Wの外縁部がはまり込んで基板Wを起立姿勢にて保持する複数の保持溝が所定のピッチにて配列して設けられている。それぞれの保持溝は、Y方向に沿って形成された切欠状の溝である。
【0055】
このような構成により、リフター20は3本の保持部21a、21b、21cによって相互に平行に配列されて保持された複数の基板Wを処理槽10内に貯留されている処理液中に浸漬する浸漬位置(図1の実線位置)とチャンバ5内における処理槽10よりも上方の引き揚げ位置(図1の二点鎖線位置)との間で昇降させることができる。また、リフター20は、基板Wを引き揚げ位置よりもさらに上方の受渡位置(装置外部の搬送ロボットとの間で基板Wの受け渡しを行わせる位置)にまで上昇させることができる。なお、リフター20の昇降駆動部22には、リフターアーム23を昇降させる機構として、ボールネジを用いた送りネジ機構やプーリとベルトを用いたベルト機構など種々の機構を採用することが可能である。
【0056】
図3は、ローター30の斜視図である。ローター30は、上記の引き揚げ位置に設けられており、モータ31、回転板32および4本の保持アーム33を備える。保持アーム33は柱状の部材であって、その長手方向がY軸方向に沿うように回転板32に取り付けられている。保持アーム33は、Y軸方向と平行であってかつその中心軸から偏心した軸周りで揺動可能に回転板32に取り付けられている。4本の保持アーム33は、図示省略のリンク機構によって相互に連動して揺動するように構成されており、図1中矢印AR1にて示すように、上記の引き揚げ位置に位置する基板Wの端縁部に当接・押圧して該基板Wを保持する保持位置(図1の実線位置)と基板Wの端縁部から離間して該基板Wを開放する開放位置(図1の二点鎖線位置)との間で揺動する。
【0057】
リフター20からローター30に基板Wを渡すときには、リフター20が昇降して基板Wを引き揚げ位置に保持する。なお、リフター20の昇降時においては、保持アーム33が開放位置に位置して保持アーム33の間を基板Wが通過可能となるようにされている。リフター20によって引き揚げ位置に基板Wが保持された状態において、保持アーム33が開放位置から保持位置まで揺動して該基板Wの端縁部に当接し、基板Wを保持する。この状態でリフター20が降下しても基板Wは保持アーム33によってローター30に保持された状態が維持される。逆に、ローター30からリフター20に基板Wを渡すときには、リフター20が上昇して保持棒21a、21b、21cがローター30に保持された基板Wの下端部に接触する。その状態にて保持アーム33が保持位置から開放位置まで揺動して基板Wの端縁部から離間し、該基板Wはリフター20の3本の保持部21a、21b、21cによって保持されることとなる。
【0058】
回転板32の中心部はモータ31の回転軸34に固設されている。これにより、モータ31は回転板32、4本の保持アーム33およびそれらに保持された複数の基板WをY軸周りにて回転させることができる。すなわち、ローター30は、リフター20から渡された複数の基板Wを保持して水平軸周りにて一斉に回転させるものである。
【0059】
ガスノズル40は、外周面に複数の吐出孔41を有する円筒部材である。チャンバ5内にはこのようなガスノズル40が2本設けられている。2本のガスノズル40は、チャンバ5内の上部に、それぞれの長手方向をY軸方向に沿わすようにして相互に平行に設置されている。複数の吐出孔41は、保持部21a、21b、21cの保持溝のピッチと同じピッチにてガスノズル40の長手方向に沿って一列に穿設されている。また、複数の吐出孔41は、その吐出方向がXZ平面と平行かつローター30によって引き揚げ位置に保持された基板Wに向かうように設けられている。そして、1本のガスノズル40に設けられた吐出孔41の数は保持部21a、21b、21cの保持溝の数より少なくとも1つ多く、少なくとも隣接する保持溝の中間点に対応する位置(当該中間点含むXZ平面がガスノズル40と交わる位置)に吐出孔41が設けられている(図2参照)。従って、ガスノズル40は、ローター30によって引き揚げ位置に保持された隣接する基板W間のそれぞれにガスを吐出することができる。なお、ローター30によって引き揚げ位置に保持された基板Wの周囲に複数個のガスノズル40を配置するようにしてもよい。
【0060】
2本のガスノズル40にオゾンガス等の気体を供給するガス供給機構60は、ガス配管42、各種ガスの供給部およびバルブを備えている。2本のガスノズル40にはガス配管42の一端部が連通接続されている。ガス配管42は、配管42a,42b,42c,42dの4本に分岐される。配管42aの基端部はフッ酸蒸気供給部44に連通接続され、その経路途中にはフッ酸蒸気バルブ43aが設けられている。フッ酸蒸気バルブ43aを開放することによって、フッ酸蒸気供給部44から2本のガスノズル40にフッ酸(HF)の蒸気を送給して吐出孔41からローター30に保持された基板Wにフッ酸蒸気を吐出することができる。一方、フッ酸蒸気バルブ43aを閉鎖すると、ガスノズル40からのフッ酸蒸気吐出が停止される。
【0061】
配管42bの基端部はIPA蒸気供給部45に連通接続され、その経路途中にはIPA蒸気バルブ43bが設けられている。IPA蒸気バルブ43bを開放することによって、IPA蒸気供給部45から2本のガスノズル40にIPA(イソプロピルアルコール)の蒸気を送給して吐出孔41からローター30に保持された基板WにIPA蒸気を吐出することができる。一方、IPA蒸気バルブ43bを閉鎖すると、ガスノズル40からのIPA蒸気吐出が停止される。
【0062】
配管42cの基端部はオゾンガス供給部46に連通接続され、その経路途中にはオゾンガスバルブ43cが設けられている。オゾンガスバルブ43cを開放することによって、オゾンガス供給部46から2本のガスノズル40にオゾンガスを送給して吐出孔41からローター30に保持された基板Wにオゾンガスを吐出することができる。一方、オゾンガスバルブ43cを閉鎖すると、ガスノズル40からのオゾンガス吐出が停止される。
【0063】
配管42dの基端部は窒素ガス供給部47に連通接続され、その経路途中には窒素ガスバルブ43dが設けられている。窒素ガスバルブ43dを開放することによって、窒素ガス供給部47から2本のガスノズル40に窒素ガスを送給して吐出孔41からローター30に保持された基板Wに窒素ガスを吐出することができる。一方、窒素ガスバルブ43dを閉鎖すると、ガスノズル40からの窒素ガス吐出が停止される。
【0064】
処理液ノズル50は、上記ガスノズル40と同様の外周面に複数の吐出孔51を有する円筒部材である。処理槽10内にはこのような処理液ノズル50が2本設けられている。2本の処理液ノズル50は、処理槽10内の底部近傍に、それぞれの長手方向をY軸方向に沿わすようにして相互に平行に設置されている。複数の吐出孔51は、保持部21a、21b、21cの保持溝のピッチと同じピッチにて処理液ノズル50の長手方向に沿って一列に穿設されている。また、複数の吐出孔51は、その吐出方向がXZ平面と平行かつリフター20によって浸漬位置に保持された基板Wに向かうように設けられている。そして、1本の処理液ノズル50に設けられた吐出孔51の数は保持部21a、21b、21cの保持溝の数より少なくとも1つ多く、少なくとも隣接する保持溝の中間点に対応する位置(当該中間点含むXZ平面が処理液ノズル50と交わる位置)に吐出孔51が設けられている。従って、処理液ノズル50は、リフター20によって処理槽10内の浸漬位置に保持された隣接する基板W間のそれぞれに処理液を吐出することができる。
【0065】
2本の処理液ノズル50にフッ酸等の薬液や純水を供給する処理液供給機構70は、液配管52、各種処理液の供給部およびバルブを備えている。2本の処理液ノズル50には液配管52の先端部が連通接続されている。液配管52の途中にはミキシングバルブ53が設けられ、さらにミキシングバルブ53よりも上流側において液配管52は、配管52a,52b,52cの3本に分岐される。
【0066】
ミキシングバルブ53は、液配管52の経路途中に設けられているものであり、液配管52の他に薬液供給のための配管71,72,73,74が連通接続されている。ミキシングバルブ53は、液配管52上流側および配管71,72,73,74のそれぞれからの流路を開閉するとともに、流路が開放されている配管からの液流を混合して処理液ノズル50に送り出す。
【0067】
配管71,72,73,74のそれぞれの基端部はフッ酸供給部75、アンモニア水供給部76、塩酸供給部77、過酸化水素水供給部78に連通接続されている。ミキシングバルブ53は、配管71,72,73,74のそれぞれからの流路を開閉することによって、単独のまたは混合された薬液を処理液ノズル50に送り出す。
【0068】
例えば、ミキシングバルブ53が配管71からの流路を開放するとともに、液配管52上流側および配管72,73,74からの流路を閉鎖することによって、フッ酸供給部75から2本の処理液ノズル50にフッ酸を送給して吐出孔51から処理槽10内にフッ酸を吐出することができる。また、ミキシングバルブ53が配管72,74からの流路を開放するとともに、液配管52上流側および配管71,73からの流路を閉鎖することによって、アンモニア水供給部76から送給されたアンモニア水(NH4OH)と過酸化水素水供給部78から送給された過酸化水素水(H22)とを混合した薬液(いわゆるSC−1)を2本の処理液ノズル50に送給して吐出孔51から処理槽10内にSC−1を吐出することができる。また、ミキシングバルブ53が配管73,74からの流路を開放するとともに、液配管52上流側および配管71,72からの流路を閉鎖することによって、塩酸供給部77から送給された塩酸(HCl)と過酸化水素水供給部78から送給された過酸化水素水とを混合した薬液(いわゆるSC−2)を2本の処理液ノズル50に送給して吐出孔51から処理槽10内にSC−2を吐出することができる。なお、これらの例では説明を簡略化するためにミキシングバルブ53が液配管52上流側からの流路を閉鎖するようにしていたが、薬液の濃度調整のためにミキシングバルブ53が液配管52上流側からの流路を開放するとともに後述の純水バルブ53aを開放することによって液配管52に純水を流し、純水によって薬液を希釈するようにしても良い。
【0069】
液配管52が分岐した配管52aの基端部は純水供給部54に連通接続され、その経路途中には純水バルブ53aが設けられている。純水バルブ53aを開放するとともにミキシングバルブ53が液配管52上流側からの流路を開放することによって、純水供給部54から2本の処理液ノズル50に純水(deionized water)を送給して吐出孔51から処理槽10内に純水を吐出することができる。一方、純水バルブ53aを閉鎖すると、処理液ノズル50からの純水吐出が停止される。
【0070】
配管52bの基端部はオゾン水供給部55に連通接続され、その経路途中にはオゾン水バルブ53bが設けられている。オゾン水供給部55は、オゾンを純水に溶解してオゾン水を生成し、その生成したオゾン水を送給する。オゾン水バルブ53bを開放するとともにミキシングバルブ53が液配管52上流側からの流路を開放することによって、オゾン水供給部55から2本の処理液ノズル50にオゾン水を送給して吐出孔51から処理槽10内にオゾン水を吐出することができる。一方、オゾン水バルブ53bを閉鎖すると、処理液ノズル50からのオゾン水吐出が停止される。
【0071】
配管52cの基端部は温純水供給部56に連通接続され、その経路途中には温純水バルブ53cが設けられている。温純水供給部56は、純水を加熱して温純水を生成し、その生成した温純水を送給する。温純水バルブ53cを開放するとともにミキシングバルブ53が液配管52上流側からの流路を開放することによって、温純水供給部56から2本の処理液ノズル50に温純水を送給して吐出孔51から処理槽10内に温純水を吐出することができる。一方、温純水バルブ53cを閉鎖すると、処理液ノズル50からの温純水吐出が停止される。
【0072】
ハロゲンランプ80は、チャンバ5内であって、処理槽10の斜め上方の両側に配置されている。ハロゲンランプ80は、その照射方向が処理槽10に向くように配置されている。ハロゲンランプ80は電源81と電気的に接続されており、電源81から電力供給を受けることによって点灯し、処理槽10に貯留された純水を光照射により加熱して水蒸気を発生させるヒータである。なお、ハロゲンランプ80の形状としては、円筒状のものの他に棒状のもの等を採用することができ、処理槽10に貯留された純水を光照射により加熱して水蒸気を発生させることができる形状のものであれば良い。また、ハロゲンランプ80に代えて抵抗加熱式のヒータ等を用いるようにしても良い。
【0073】
チャンバ5内を減圧する減圧機構90は、排気管91と減圧ポンプ92とを備える。排気管91はチャンバ5の底部に連通接続されている。排気管91の経路途中には減圧ポンプ92が配設されている。減圧ポンプ92を作動させることによってチャンバ5内の気体を排気ドレイン93へと排出してチャンバ5内を大気圧未満に減圧することができる。
【0074】
また、チャンバ5の底部には排液管95も連通接続されている。排液管95は装置外部の排液ドレイン97に接続されるとともに、その途中には排液バルブ96が設けられている。排液バルブ96を開放することによって、基板Wの処理によって生じた排液はチャンバ5の底部から排液管95を経て排液ドレイン97へと排出される。また、図示は省略しているが、処理槽10の上端部から溢れ出た処理液を回収して装置外部に排出する機構および処理槽10内の処理液を急速に排出する機構も設けられている。
【0075】
さらに、基板処理装置1には装置全体を管理するコントローラ99が設けられている。
コントローラ99は、コンピュータを用いて構成されており、昇降駆動部22、モータ31、電源81、減圧ポンプ92および各バルブと電気的に接続され、それらの動作を制御する。
【0076】
<1−2.基板処理装置の動作>
次に、上記構成を有する基板処理装置1の動作について説明する。図4は、基板処理装置1における処理手順を示すフローチャートである。また、図5は、基板処理装置1における動作のタイミングチャートである。図4に示すように、基板処理装置1における処理手順の概略は、フッ酸による基板Wの表面処理を行った後、オゾンによる表面処理を行い、さらにその後基板Wの水洗処理、乾燥処理を連続して行うというものである。なお、これらの処理は全てコントローラ99が各部を制御することによって実行されるものである。
【0077】
図4の各処理に先立ってレジスト塗布、露光、現像の各処理工程を経た複数の基板Wが基板処理装置1に搬入される。このときには、蓋6が開放されるとともに、リフター20が受渡位置まで上昇している。そして、装置外の搬送ロボットがレジスト除去処理の対象であって予め所定ピッチにて積層配列された複数の基板Wを搬送してそれらを一括してリフター20に渡す。リフター20の保持棒21a、21b、21cは所定ピッチにて積層配列された複数の基板Wを起立姿勢にて保持する。このときに、処理槽10内にはフッ酸供給部75からフッ酸を供給して貯留しておく。また、蓋6が閉鎖されてチャンバ5内が密閉空間とされ、チャンバ5内に基板Wが収容される。
【0078】
その後、図4のステップS1に進み、リフター20が処理槽10内の浸漬位置まで基板Wを下降させて基板Wをフッ酸中に浸漬させる。これにより、基板Wの表面に対するエッチング処理が進行する。図5に示すように、ステップS1のフッ酸処理時には、処理槽10にフッ酸が供給され続ける。フッ酸は処理液ノズル50から供給されて処理槽10の上端部から溢れ出る。また、ステップS1のフッ酸処理時には、ガスノズル40からチャンバ5内に窒素ガスを供給してチャンバ5内を窒素ガス雰囲気にしておく。チャンバ5内を窒素ガス雰囲気にするのは、チャンバ5内の酸素濃度を低下させるためである。なお、図5において、基板位置の「上」、「下」と記載しているのは、それぞれ「引き揚げ位置」、「浸漬位置」を意味している。
【0079】
所定時間のフッ酸処理の後、図4のステップS2に進み、エッチング後の基板Wの水洗処理が行われる。このときには、図5に示すように、基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま処理液ノズル50から処理槽10へのフッ酸供給が停止されて純水供給が開始される。これにより、処理槽10内がフッ酸から徐々に純水に置換され、基板Wの表面のエッチングが停止されるとともにエッチング残渣等の水洗処理が行われる。なお、ステップS2の水洗処理時においても、ガスノズル40からチャンバ5内に窒素ガスを供給してチャンバ5内を窒素ガス雰囲気にしておく。
【0080】
所定時間の水洗処理の後、図4のステップS3に進み、オゾンによる表面処理を行う。このときには、まずリフター20が基板Wを引き揚げ位置まで上昇させてローター30に渡す。そして、処理液ノズル50から処理槽10への純水供給を停止して、ヒータであるハロゲンランプ80が電源81から電力供給を受けて点灯する。なお、処理槽10内には純水を貯留した状態を保っておく。ハロゲンランプ80が点灯すると、処理槽10に貯留された純水が光照射により加熱されて水蒸気が発生する。処理槽10の純水水面から発生した水蒸気はそのままチャンバ5内を上昇して引き揚げ位置に保持された基板Wに供給される。供給された水蒸気は基板Wの表面に凝縮し、その結果基板Wの表面には薄い水膜が形成される。
【0081】
また、ガスノズル40からチャンバ5内への窒素ガス供給を停止して引き揚げ位置に保持された基板Wへのオゾンガス供給を開始する。薄い水膜が形成された基板Wの表面にオゾンガスが供給されると、純水とオゾンガスとが反応して水酸基ラジカルが生成され、その水酸基ラジカルが水膜中を移動して基板Wの表面に到達し、基板W表面のレジストに作用してこれを分解する。水蒸気が凝縮して形成される水膜は薄いため、該水膜中を移動して基板Wの表面に到達する前に自己分解を起こす水酸基ラジカルは少なく、効果的にレジスト膜を分解することができる。
【0082】
さらに、ステップS3のオゾン処理時には、ローター30によって基板Wが回転される。ローター30によって基板Wを回転させつつハロゲンランプ80により処理槽10内の純水を加熱して水蒸気を供給するようにすれば、基板Wの全面に均一な条件にて水蒸気を供給して均一な水膜を形成することができる。また、ローター30によって基板Wを回転させつつガスノズル40からオゾンガスを供給するようにすれば、基板Wの全面に均一にオゾンガスを供給して均一なレジスト剥離処理を行うことができる。
【0083】
オゾンによる基板Wの表面処理が終了した後、ステップS4に進み、リフター20がローター30から基板Wを受け取って再び処理槽10内の浸漬位置まで下降させる。このときには、処理液ノズル50にアンモニア水供給部76からアンモニア水を送給するとともに、過酸化水素水供給部78から過酸化水素水を送給する。従って、処理液ノズル50からはアンモニア水と過酸化水素水とを混合した薬液であるSC−1が処理槽10内へ供給されることとなり、SC−1による基板Wの洗浄処理が進行する。このSC−1による洗浄処理はレジスト剥離処理後に基板Wの表面に付着しているパーティクル等を洗浄するための処理である。なお、SC−1による洗浄処理時においては、ハロゲンランプ80の点灯およびガスノズル40からチャンバ5内へのオゾンガス供給を停止するとともにガスノズル40から窒素ガスを供給してチャンバ5内を窒素ガス雰囲気にする。
【0084】
所定時間のSC−1による洗浄処理の後、ステップS5に進み、洗浄処理後の基板Wの水洗処理が行われる。このときには、基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま処理液ノズル50から処理槽10へのSC−1供給が停止されて純水供給が開始される。これにより、処理槽10内がSC−1から徐々に純水に置換され、基板Wの表面に付着した薬液等の水洗処理が行われる。なお、ステップS5の水洗処理時においても、ガスノズル40からチャンバ5内に窒素ガスを供給してチャンバ5内を窒素ガス雰囲気にしておく。
【0085】
水洗処理が終了すると、図4のステップS6,S7に進み、IPA蒸気を使用した基板Wの減圧乾燥を行う。このときには、再びリフター20が基板Wを引き揚げ位置まで上昇させてローター30に渡す。そして、リフター20が基板Wを引き揚げつつある時点にて、窒素ガス供給を停止してガスノズル40からチャンバ5内にIPA蒸気を供給する。供給されたIPA蒸気は基板Wの表面に凝縮し、基板W表面に付着した水分と置換する。また、このときにはローター30によって基板Wを回転することにより、基板W表面における均一な水分置換が行われる。なお、ステップS6〜S7では処理液ノズル50から処理槽10への処理液供給は停止するとともに、処理槽10からは純水の急速排水を行う。
【0086】
基板W表面に付着した水分がIPAに置換された後、ステップS7にてIPA蒸気の供給を停止するとともに、ガスノズル40からの窒素ガス供給を開始し、かつ減圧ポンプ92を作動させる。チャンバ5内を排気しつつガスノズル40から窒素ガスの供給を行うことにより、チャンバ5内がIPA雰囲気から窒素ガス雰囲気に置換される。また、このときには、減圧ポンプ92による排気流量よりもガスノズル40からの窒素ガスの供給流量が少なくなるようにしておく。このようにすれば、チャンバ5内を窒素ガス雰囲気に置換しつつ大気圧未満に減圧することができ、その結果基板Wに付着したIPAの沸点が低下して、IPAが急速に気化する。従って、いわゆるIPAによる減圧乾燥が実行され、基板Wに付着したIPAが迅速に乾燥する。
【0087】
その後、窒素ガスの供給を続行しつつ、減圧ポンプ92の動作を停止することにより、チャンバ5内が窒素ガス雰囲気にて満たされ、大気圧にまで復圧することとなる。そして、リフター20が複数の基板Wをローター30から受け取ってさらに受渡位置まで上昇させる。また、このとき同時に蓋6が開放される。そして、装置外の搬送ロボットが処理済の基板Wをリフター20から受け取ってチャンバ5から搬出し、全ての処理が完了する。
【0088】
以上のようにすれば、オゾンによるレジストの剥離処理、レジスト剥離処理前後の薬液処理、さらには水洗処理、乾燥処理までをも含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、従来のようにそれぞれの処理を個別の槽にて行う場合に比較して基板処理装置1のフットプリントを大幅に削減することができる。
【0089】
また、オゾンによる表面処理を含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、従来必要であった槽間搬送のための時間を無くすことができ、一連の処理のスループットを大幅に向上させることができる。
【0090】
特に、本実施形態の基板処理装置1を一つの槽として複数槽設けるようにすれば(マルチ槽にすれば)、各槽はプロセス的に完全に独立して他の槽における処理の影響を受けない。このため、例えばある槽が他の槽での処理終了を待っているというような無駄な待機状態が無くなり、単位フットプリント当たりの処理効率が大きく向上するとともに、待機状態での無駄な純水供給も不要になるため装置全体としての純水使用量も従来より削減することができる。また、ある槽にトラブルが発生したとしても、それが他の槽には影響を与えないため、トラブル発生時のリスクを最小限にすることができる。また、各槽での処理が独立しているため、装置全体を制御するためのソフトウェアの製作が容易なものとなる。
【0091】
また、オゾンによる表面処理を含む一連の処理を行うときにチャンバ5からのみ排気を行えば良く、しかもチャンバ5はその内部を密閉空間としたいわゆるクローズドチャンバであるため、装置全体としての排気量を最小限に抑制することができる。
【0092】
また、上記一連の処理を行う際の槽間搬送が不要になるため、基板表面が大気中の酸素に触れて不要な酸化膜が生成することが防止される。さらに、槽間搬送時に生じやすい搬送ロボットからのパーティクル転写のリスクも低減される。
【0093】
<2.第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態の基板処理装置2の全体構成を示す図である。第2実施形態の基板処理装置2が第1実施形態と相違するのはハロゲンランプ80に代えてヒータ82を設けている点であり、残余の点については第1実施形態と同じであるため同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
ヒータ82は抵抗加熱式の加熱器であって、処理槽10の底部外壁に貼設されている。ヒータ82は電源83と電気的に接続されており、電源83から電力供給を受けることによって昇温し、処理槽10内に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる。なお、ヒータ82としては抵抗加熱式に限定されるものではなく、第1実施形態と同様のハロゲンランプを使用するようにしても良い。但し、ヒータ82は、液処理を行う処理位置である浸漬位置(図6の実線位置)に保持された基板が着液しない液面レベルにて貯留された純水を加熱できるように構成されていなければならない。
【0095】
第2実施形態では、処理槽10内の処理液を直接排液する排液管94を図6に明示している。排液管94は処理槽10の底部に連通接続されている。排液管94は排液管95と合流して装置外部の排液ドレイン97に接続される。排液管94の経路途中には排液バルブ98が設けられている。排液バルブ98を開放することによって、処理槽10内に貯留された処理液が処理槽10の底部から排液管94を経て排液ドレイン97へと排出される。処理液ノズル50からの処理液供給を停止するとともに、排液バルブ98を開放して排液管94から処理槽10内の処理液を排出することにより処理槽10に貯留されている処理液の液面レベルを下げることができる。
【0096】
第2実施形態の基板処理装置2の動作は第1実施形態と概ね同じである。但し、第2実施形態のオゾンによる表面処理においては、液面レベルを低下させた純水をヒータ82により加熱することによって水蒸気を発生させている。すなわち、水洗処理(図4のステップS2)が終了した時点で、まず排液バルブ98を開放して排液管94から処理槽10に貯留されている純水を排出することにより、純水の液面レベルを処理槽10内にて水洗処理を行うときの液面レベルよりも低下させ、処理槽10内の浸漬位置に保持されている基板Wの下端が着液しない液面レベルとなった時点で排液バルブ98を閉止して純水排出を停止する。
【0097】
その後、リフター20が基板Wを引き揚げ位置まで上昇させてローター30に渡す。そして、図7に示すように、ヒータ82が処理槽10の底部に少量残留している純水を加熱して水蒸気を発生させる。処理槽10の純水水面から発生した水蒸気はそのまま処理槽10内からチャンバ5内を上昇して引き揚げ位置に保持された基板Wに供給される。供給された水蒸気は基板Wの表面に凝縮し、その結果基板Wの表面には薄い水膜が形成される。このときに、ガスノズル40から引き揚げ位置に保持された基板Wへのオゾンガス供給を行う点については第1実施形態と同じである。また、純水の液面レベルを下げて水蒸気を発生させる点以外についても第1実施形態と同じである。
【0098】
このようにしても、第1実施形態と同様に、オゾンによるレジストの剥離処理、レジスト剥離処理前後の薬液処理、さらには水洗処理、乾燥処理までをも含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、基板処理装置2のフットプリントを大幅に削減することができる。また、オゾンによる表面処理を含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、従来必要であった槽間搬送のための時間を無くすことができ、一連の処理のスループットを大幅に向上させることができる。
【0099】
特に、第2実施形態においては、一旦純水の液面レベルを下げて処理槽10内に少量貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させているため、少ないエネルギーにて迅速に水蒸気を発生させることができ、電源83にも簡易なものを使用することができる。
【0100】
<3.第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について説明する。図8は、第3実施形態の基板処理装置3の全体構成を示す図である。第3実施形態の基板処理装置3が第1実施形態と相違するのは主に処理槽10上部の開口部分を開閉するカバーを設けている点およびローター30を外している点であり、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその詳説を省略する。
【0101】
第3実施形態の基板処理装置3も基板に水蒸気とオゾンガスとを供給してレジスト除去処理を行うことを基本機能とするものであり、該基本機能の他に薬液による表面処理を行う機能と純水による水洗処理を行う機能と基板の乾燥処理を行う機能とを有している。
【0102】
第1実施形態と同様に、処理槽10は、処理液を貯留して基板Wに順次表面処理を行う槽であり、チャンバ5の内部に収容されている。処理槽10には、処理液ノズル50から処理液を供給することができる。
【0103】
第3実施形態の処理槽10には一対のカバー11a,11bが開閉自在に付設されている。図9は、カバー11a,11bが閉じた状態の処理槽10を示す斜視図である。一対のカバー11a,11bはそれぞれ処理槽10の上端部に開閉自在に蝶着されている。カバー11a,11bのそれぞれはモータからなる開閉機構13a,13bによって図8の矢印AR8にて示すように開閉される。具体的には、開閉機構13a,13bが内蔵するモータの回転軸がそれぞれカバー11a,11bの回動軸(カバー11a,11bと処理槽10との蝶着部)と連結されており、当該モータの駆動によって図8の矢印AR8にて示すように開閉される。なお、開閉機構13a,13bとしてはモータ駆動に限定されるものではなく、カバー11a,11bを図8の矢印AR8にて示すように開閉できる駆動機構であれば良く、例えばアクチュエータによってカバー11a,11bの端部(カバー11a,11bの回動軸よりも外側)を押圧するようにしても良い。
【0104】
カバー11a,11bのそれぞれには、リフター20のリフターアーム23と干渉しないように、リフターアーム23の形状に沿った切れ込みが設けられている。これにより、図9に示すように、カバー11a,11bが処理槽10の上部開口部分を閉じたときには、カバー11a,11bおよびリフターアーム23により処理槽10内部と外部との通気が遮断された状態となる。一方、図8の二点鎖線にて示すように、カバー11a,11bが処理槽10の上部開口部分を開放したときには処理槽10内部と外部との通気が可能になるとともに、リフター20の昇降も可能となる。すなわち、カバー11a,11bは処理槽10の開口部分を覆って処理槽10内を密閉空間とすることと、当該開口部分を開放することとができる。
【0105】
また、カバー11a,11bのそれぞれの裏面(カバー11a,11bが閉じたときに処理槽10の内部に向かう面)にはスリットノズル12a,12bが突設されている。図10は、スリットノズル12a,12bを示すカバー11a,11bの底面図である。スリットノズル12a,12bのそれぞれには気体吐出用のスリット13a,13bが刻設されている。
【0106】
図8に示すように、スリットノズル12a,12bにはガス配管49の先端部が連通接続されている。ガス配管49の基端部はオゾンガス供給部46に連通接続され、その経路途中にはオゾンガスバルブ43cが設けられている。カバー11a,11bが閉じた状態でオゾンガスバルブ43cを開放することによって、オゾンガス供給部46からスリットノズル12a,12bにオゾンガスを送給してスリット13a,13bからカバー11a,11bによって密閉空間とされた処理槽10内に保持された基板Wにオゾンガスを供給することができる。一方、オゾンガスバルブ43cを閉鎖すると、スリットノズル12a,12bからのオゾンガス吐出が停止される。
【0107】
一方、処理槽10の内側上部には2本のガスノズル19が設けられている。ガスノズル19はガスノズル40と同様の外周面に複数の吐出孔を有する円筒部材である。2本のガスノズル19は、処理槽10内の上部に、それぞれの長手方向をY軸方向に沿わすようにして相互に平行に設置されている。
【0108】
2本のガスノズル19にはガス配管18の先端部が連通接続されている。ガス配管18の基端部は高温窒素ガス供給部48に連通接続され、その経路途中には高温窒素ガスバルブ43eが設けられている。カバー11a,11bが閉じた状態で高温窒素ガスバルブ43eを開放することによって、高温窒素ガス供給部48から2本のガスノズル19に高温窒素ガス(Hot N2)を送給してその吐出孔からカバー11a,11bによって密閉空間とされた処理槽10内に保持された基板Wに高温窒素ガスを供給することができる。一方、高温窒素ガスバルブ43eを閉鎖すると、2本のガスノズル19からの高温窒素ガス吐出が停止される。また、カバー11a,11bを開放した状態で高温窒素ガスバルブ43eを開放することによって、2本のガスノズル19からチャンバ5内に高温窒素ガスを供給することができる。
【0109】
なお、オゾンガスの供給機構は上記態様に限定されるものではなく、カバー11a,11bによって密閉空間とされた処理槽10内に保持された基板Wにオゾンガスを供給することができる構成であれば種々の変形が可能である。例えば、2本のガスノズル19からオゾンガスを吐出するようにするとともに、スリットノズル12a,12bから高温窒素ガスを吐出するようにしても良い。また、スリットノズル12a,12bとは異なるスリットノズルをカバー11a,11bに設け、それらから高温窒素ガスを吐出するようにしても良い。
【0110】
また、第1実施形態においても述べたように、処理槽10の上部には処理槽10から溢れ出た処理液を回収して装置外部に排出する機構(図示省略)が設けられており、スリットノズル12a,12bおよびガスノズル19はその機構よりも上方に設けられているため、液処理中であってもスリットノズル12a,12bおよびガスノズル19が着液することはない。
【0111】
2本のガスノズル40にはガス配管42の先端部が連通接続されている。第3実施形態においては、ガス配管42の基端部はIPA蒸気供給部45に連通接続され、その経路途中にはIPA蒸気バルブ43bが設けられている。IPA蒸気バルブ43bを開放することによって、IPA蒸気供給部45から2本のガスノズル40にIPAの蒸気を送給して吐出孔41からリフター20によって引き揚げ位置に保持された基板WにIPA蒸気を吐出することができる。一方、IPA蒸気バルブ43bを閉鎖すると、ガスノズル40からのIPA蒸気吐出が停止される。
【0112】
ハロゲンランプ86は、チャンバ5内であって、処理槽10の側方両側に配置されている。ハロゲンランプ86は、その照射方向が処理槽10に向くように配置されている。ハロゲンランプ86は電源87と電気的に接続されており、電源87から電力供給を受けることによって点灯し、処理槽10内の引き揚げ位置に保持された基板Wを加熱して昇温させるヒータである。なお、ハロゲンランプ80の形状としては、円筒状のものの他に棒状のもの等を採用することができる。
【0113】
また、処理槽10内の底部には抵抗加熱式の槽内ヒータ84が設置されている。槽内ヒータ84は電源85と電気的に接続されており、電源85から電力供給を受けることによって昇温し、処理槽10内に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる。なお、槽内ヒータ84としては抵抗加熱式に限定されるものではなく、第1実施形態と同様のハロゲンランプを使用するようにしても良い。但し、槽内ヒータ84は、液処理を行う処理位置である浸漬位置(図8の位置)に保持された基板Wが着液しない液面レベルにて貯留された純水を加熱できるように構成されていなければならない。
【0114】
第3実施形態でも、処理槽10内の処理液を直接排液する排液管94を図8に明示している。排液管94は処理槽10の底部に連通接続されている。排液管94は排液管95と合流して装置外部の排液ドレイン97に接続される。排液管94の経路途中には排液バルブ98が設けられている。排液バルブ98を開放することによって、処理槽10内に貯留された処理液が処理槽10の底部から排液管94を経て排液ドレイン97へと排出される。処理液ノズル50からの処理液供給を停止するとともに、排液バルブ98を開放して排液管94から処理槽10内の処理液を排出することにより処理槽10に貯留されている処理液の液面レベルを下げることができる。
【0115】
なお、第3実施形態では基板Wを保持して回転させるローター30は設けていない。上記以外の残余の点については第1実施形態の基板処理装置1の構成と同じである。
【0116】
次に、上記構成を有する第3実施形態の基板処理装置3の動作について説明する。図11および図12は、第3実施形態の基板処理装置3における処理手順を示すフローチャートである。基板処理装置3における処理手順の概略は、第1実施形態と同様に、フッ酸による基板Wの表面処理を行った後、オゾンによる表面処理を行い、さらにその後基板Wの水洗処理、乾燥処理を連続して行うというものである。なお、これらの処理は全てコントローラ99が各部を制御することによって実行されるものである。
【0117】
図11,12の各処理に先立ってレジスト塗布、露光、現像の各処理工程を経た複数の基板Wが基板処理装置3に搬入される。このときには、蓋6が開放されるとともに、リフター20が受渡位置まで上昇している。そして、装置外の搬送ロボットがレジスト除去処理の対象であって予め所定ピッチにて積層配列された複数の基板Wを搬送してそれらを一括してリフター20に渡す。リフター20の保持棒21a、21b、21cは所定ピッチにて積層配列された複数の基板Wを起立姿勢にて保持する。このときに、処理槽10内にはフッ酸供給部75からフッ酸を供給して貯留しておく。
【0118】
次に、リフター20が上記受渡位置からチャンバ5内に基板Wを下降させ、チャンバ5内に基板Wを収容する(ステップS11)。リフター20は、そのまま処理槽10内の浸漬位置まで基板Wを下降させて基板Wをフッ酸中に浸漬させる(ステップS12)。そして、蓋6が閉鎖されてチャンバ5内が密閉空間とされるとともに、カバー11a,11bも閉鎖されて処理槽10内も密閉空間とされる(ステップS13)。これにより、基板Wの表面に対するエッチング処理が進行する(ステップS14)。この薬液処理時の間は、処理槽10にフッ酸が供給され続ける。フッ酸は処理液ノズル50から供給されて処理槽10の上部から回収される。
【0119】
所定時間のフッ酸処理の後、ステップS15に進み、エッチング後の基板Wの水洗処理が行われる。このときには、基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま処理液ノズル50から処理槽10へのフッ酸供給が停止されて純水供給が開始される。これにより、処理槽10内がフッ酸から徐々に純水に置換され、基板Wの表面のエッチングが停止されるとともにエッチング残渣等の水洗処理が行われる。
【0120】
所定時間の水洗処理の後、ステップS16〜ステップS20にかけてのオゾンによる表面処理が行われる。このときには、まず基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま温純水バルブ53cを開放して処理液ノズル50から処理槽10へ温純水を供給する(ステップS16)。これにより、処理槽10内の浸漬位置に保持された基板Wが温純水によって加熱昇温される。
【0121】
基板Wを温純水によって加熱するのと併せて、槽内ヒータ84および側面ヒータとして機能するハロゲンランプ86の作動を開始する(ステップS17)。ハロゲンランプ86からの光照射および槽内ヒータ84によって基板Wおよび温純水が加熱され、基板Wがさらに昇温される。
【0122】
次に、ステップS18に進み、排液バルブ98を開放して排液管94から処理槽10に貯留されている温純水を排出することにより、温水の液面レベルを処理槽10内にて水洗処理を行うときの液面レベルよりも低下させ(ステップS18)、処理槽10内の浸漬位置に保持されている基板Wの下端が着液しない液面レベルとなった時点で排液バルブ98を閉止して温純水排出を停止する。
【0123】
温水の液面レベルが低下した状態においても、カバー11a,11bが閉鎖されて処理槽10内が密閉空間とされるとともに、ハロゲンランプ86の点灯および槽内ヒータ84の作動は継続される。これにより、処理槽10の底部に少量残留している純水が槽内ヒータ84により加熱されて水蒸気が発生し、その水蒸気がカバー11a,11bによって密閉空間とされた処理槽10内に保持された基板Wに供給される(ステップS19)。発生した水蒸気は直ちに処理槽10の内部に満ちて浸漬位置に保持されている基板Wの表面に凝縮し、その結果基板Wの表面には薄い水膜が形成される。
【0124】
水蒸気が基板Wの表面に凝縮するときの当該基板Wの温度はハロゲンランプ86からの光照射による加熱によって調整されている。なお、ハロゲンランプ86からの光照射に代えてガスノズル19からの高温窒素ガス吐出によって基板Wの温度を調整するようにしても良いし、ハロゲンランプ86からの光照射およびガスノズル19からの高温窒素ガス吐出の両方を使用して凝縮時の基板Wの温度を調整するようにしても良い。また、槽内ヒータ84のみによって基板Wの温度調整が可能であれば、ハロゲンランプ86からの光照射およびガスノズル19からの高温窒素ガス吐出のいずれも必須のものではない。
【0125】
表面に薄い水膜が形成された基板Wにはスリットノズル12a,12bからオゾンガスが供給される(ステップS20)。薄い水膜が形成された基板Wの表面にオゾンガスが供給されると、純水とオゾンガスとが反応して水酸基ラジカルが生成され、その水酸基ラジカルが水膜中を移動して基板Wの表面に到達し、基板W表面のレジストに作用してこれを分解する。水蒸気が凝縮して形成される水膜は薄いため、該水膜中を移動して基板Wの表面に到達する前に自己分解を起こす水酸基ラジカルは少なく、効果的にレジスト膜を分解することができる。
【0126】
オゾンによる基板Wの表面処理が終了した後、ステップS21に進み、オゾン処理後の基板Wの水洗処理が行われる。このときには、基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま処理液ノズル50から処理槽10への純水供給を行う。これにより、基板Wが十分浸漬する液面レベルにまで処理槽10内に純水が貯留され、基板Wの表面に付着したオゾン水やレジストの剥離片等の水洗処理が行われる。なお、このときにはハロゲンランプ86の点灯および槽内ヒータ84の作動が停止されるとともに、ガスノズル19およびスリットノズル12a,12bからのガス吐出も停止される。
【0127】
また、水洗処理を行うのと併せて、カバー11a,11bを開放するとともに減圧ポンプ92を作動させる。これによりチャンバ5内からオゾンガスが排出される(ステップS22)。
【0128】
その後水洗処理が終了した後、ステップS23に進み、SC−1による基板Wの洗浄処理を行う。このときには、処理液ノズル50にアンモニア水供給部76からアンモニア水を送給するとともに、過酸化水素水供給部78から過酸化水素水を送給する。従って、処理液ノズル50からはアンモニア水と過酸化水素水とを混合した薬液であるSC−1が処理槽10内へ供給されることとなり、SC−1による基板Wの洗浄処理が進行する。このSC−1による洗浄処理はレジスト剥離処理後に基板Wの表面に付着しているパーティクル等を洗浄するための処理である。
【0129】
所定時間のSC−1による洗浄処理の後、ステップS24に進み、基板Wの仕上げの水洗処理が行われる。このときには、基板Wを処理槽10内の浸漬位置に保持したまま処理液ノズル50から処理槽10へのSC−1供給が停止されて純水供給が開始される。これにより、処理槽10内がSC−1から徐々に純水に置換され、基板Wの表面に付着した薬液等の水洗処理が行われる。
【0130】
仕上げの水洗処理が終了すると、ステップS25,S26に進み、IPA蒸気を使用した基板Wの減圧乾燥を行う。このときには、リフター20が基板Wを浸漬位置から引き揚げ位置まで上昇させる。そして、リフター20が基板Wを引き揚げつつある時点にて、ガスノズル40からチャンバ5内にIPA蒸気を供給する(ステップS25)。供給されたIPA蒸気は基板Wの表面に凝縮し、基板W表面に付着した水分と置換する。なお、ステップS25では処理液ノズル50から処理槽10への処理液供給は停止するとともに、排液バルブ98を開放して処理槽10からの純水の急速排水を行う。
【0131】
基板W表面に付着した水分がIPAに置換された後、ステップS26にてIPA蒸気の供給を停止するとともに、減圧ポンプ92を作動させる。減圧ポンプ92によってチャンバ5内を排気することによりチャンバ5内を大気圧未満に減圧することができ、その結果基板Wに付着したIPAの沸点が低下して、IPAが急速に気化する。従って、いわゆるIPAによる減圧乾燥が実行され、基板Wに付着したIPAが迅速に乾燥する。なお、このときにガスノズル19から窒素ガスを供給しつつ減圧ポンプ92を作動させても良い。このようにすれば、チャンバ5内を窒素ガス雰囲気に置換しつつ大気圧未満に減圧することができる。
【0132】
その後、ガスノズル19から窒素ガスの供給を行いつつ、減圧ポンプ92の動作を停止することにより、チャンバ5内が窒素ガス雰囲気にて満たされ、大気圧にまで復圧することとなる。そして、リフター20が複数の基板Wをさらに受渡位置まで上昇させる。また、このとき同時に蓋6が開放される。そして、装置外の搬送ロボットが処理済の基板Wをリフター20から受け取ってチャンバ5から搬出し、全ての処理が完了する。
【0133】
以上のようにすれば、第1実施形態と同様に、オゾンによるレジストの剥離処理、レジスト剥離処理前後の薬液処理、さらには水洗処理、乾燥処理までをも含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、従来のようにそれぞれの処理を個別の槽にて行う場合に比較して基板処理装置1のフットプリントを大幅に削減することができる。
【0134】
また、オゾンによる表面処理を含む一連の処理を一つのチャンバ5内にて行うことができるため、従来必要であった槽間搬送のための時間を無くすことができ、一連の処理のスループットを大幅に向上させることができる。
【0135】
また、第2実施形態と同様に、一旦純水の液面レベルを下げて処理槽10内に少量貯留された純水を槽内ヒータ84により加熱して水蒸気を発生させているため、少ないエネルギーにて迅速に水蒸気を発生させることができ、電源85にも簡易なものを使用することができる。
【0136】
特に、第3実施形態においては、カバー11a,11bによって処理槽10内を密閉空間とし、その内部にてオゾンによる表面処理を行っている。このため、少ない使用量であっても効率良く基板Wにオゾンガスを供給することができる。また、少量の水蒸気を発生させるだけで効率良く基板Wに水蒸気を供給することができる。
【0137】
また、槽内ヒータ84、ハロゲンランプ86からの光照射およびガスノズル19からの高温窒素ガス吐出によって基板Wの温度を容易に昇温することができる。このため、表面に薄い水膜が形成された基板Wの温度をさらに昇温することによりその水膜を極めて薄いものとすることができる。また、剥離処理に高温が適するレジスト種であっても、必要な温度を容易に得ることができる。
【0138】
さらに、第3実施形態においてはローター30を設置していないため、そのための回転機構やスペースが不要となる。
【0139】
<4.第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の基板処理装置の構成は第3実施形態の基板処理装置3と全く同じである。第4実施形態が第3実施形態と異なるのは、図11,図12に示した処理手順の一部である。
【0140】
第3実施形態ではステップS16にて処理液ノズル50から処理槽10へ温純水を供給し、基板Wを温純水中に浸漬させて基板Wを昇温していたが、第4実施形態では処理槽10内の浸漬位置に保持されている基板Wの下端が着液せず、かつ槽内ヒータ84が浸漬する液面レベルまで温純水が貯留された時点で温純水バルブ53cを閉止して温純水供給を停止する。したがって、浸漬位置に保持されている基板Wは温純水と接触しない。
【0141】
この状態にて槽内ヒータ84および側面ヒータとして機能するハロゲンランプ86の作動を開始する(ステップS17)。ハロゲンランプ86からの光照射および槽内ヒータ84によって基板Wが乾燥状態にて加熱昇温される。また、槽内ヒータ84によって温純水が加熱されることにより、水蒸気が発生する。
【0142】
なお、第3実施形態の温水引き下げ時の液面レベルと第4実施形態の温純水供給時の液面レベルとは同じであるため、第4実施形態においてはステップS18の温水引き下げは実行されない。温水供給態様以外の点については第3実施形態と同じであり、その説明を省略する。
【0143】
このようにしても、第3実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、基板Wを温純水に浸漬させることがないため、乾燥状態での昇温を要求されている基板Wの処理に適している。
【0144】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。上記実施形態に示した処理内容は一例であって、オゾンによる表面処理を含む一連の処理の内容は種々の変形が可能である。例えば、上記第1,2実施形態においては、IPA蒸気を使用した基板Wの減圧乾燥を行うようにしていたが、減圧乾燥に代えて回転遠心乾燥(いわゆるスピンドライ)を行うようにしても良い。具体的には、ローター30が基板W保持したまま高速回転することによって回転遠心乾燥を行うようにする。
【0145】
また、上記第1,2実施形態においては、基板Wの水洗処理を処理槽10内にて行うようにしていたが、ローター30に保持された状態の基板Wに純水をシャワー状に吐出して水洗処理を行うようにしても良い。すなわち、処理液を処理槽10内に供給して基板Wをそれに浸漬する形態に限定されるものではなく、チャンバ5内においてシャワー状やミスト状等の何らかの形態にて基板Wの表面に処理液を付与できれば良い。
【0146】
また、上記第1,2実施形態においては、処理槽10に貯留されたフッ酸中に基板Wを浸漬してエッチング処理を行うようにしていたが、ローター30に保持された状態の基板Wにガスノズル40からフッ酸蒸気を吐出することによってエッチング処理を行うようにしても良い。液体のフッ酸中に基板Wを浸漬するか基板Wにフッ酸蒸気を吐出するかはエッチング処理の対象となる酸化膜の性質に応じて決定すれば良い。このようにローター30に保持された状態の基板Wに薬液の蒸気を供給することができるようにすれば、一つのチャンバ5内にて、オゾンによるレジストの剥離処理に付随する種々の表面処理を基板Wの種類に応じて幅広く行うことができ、全体としての処理コスト低減が達成されることとなる。
【0147】
また、上記各実施形態に示した処理では使用しなかった構成として、フッ酸蒸気供給部44の他にも塩酸供給部77、オゾン水供給部55が設けられている。従って、処理槽10にはフッ酸やSC−1以外にもSC−2、オゾン水あるいは希フッ酸やフッ酸とオゾン水との混合液等、種々の処理液を供給することができる。その結果、上記と同様に、一つのチャンバ5内にて、オゾンによるレジストの剥離処理に付随する種々の表面処理を基板Wの種類に応じて幅広く行うことができ、全体としての処理コスト低減が達成されることとなる。
【0148】
また、上記各実施形態では、乾燥処理時に基板WにIPA蒸気を供給するようにしていたが、これに限定されず他の有機溶剤の蒸気を供給するようにしても良い。ここでいう有機溶剤は親水性の有機溶剤であり、水溶性の有機溶剤である。詳述すると、水と混合し、その混合物の沸点を下げる液体である。このような有機溶剤としては、ケトン類、エーテル類、多価アルコールを使用することができる。例えば、ケトン類としては、アセトン、ジエチルケトン等が使用でき、エーテル類としてはメチルエーテル、エチルエーテル等が使用でき、多価アルコールとしてはエチレングリコール等を使用することができる。なお、金属等の不純物の含有量が少ないものが市場に多く提供されている点などからすると、本実施形態の如くイソプロピルアルコール(IPA)を使用するのが最も好ましい。
【0149】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、そのチャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、処理槽に処理液を供給する処理液供給手段と、処理槽内の浸漬位置と、チャンバ内における処理槽よりも上方の引き揚げ位置との間で基板を保持して昇降させる昇降手段と、引き揚げ位置に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、引き揚げ位置に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、を備えるため、オゾンによる基板の表面処理と処理液による表面処理とを含む一連の処理を一つのチャンバ内にて行うことができ、基板処理装置のフットプリントを小さくすることができる。また、昇降手段から渡された基板を保持して水平軸周りに回転させる回転手段を備えるため、オゾンによる基板表面の均一な処理が行えるとともに、回転遠心乾燥を行うこともできる。
【0150】
また、請求項2の発明によれば、処理液供給手段が処理槽に純水を供給する純水供給手段を含むため、オゾンによる基板の表面処理と純水による水洗処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0151】
また、請求項3の発明によれば、チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理と有機溶剤を使用した乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0152】
また、請求項4の発明によれば、チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理と減圧乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0154】
また、請求項の発明によれば、水蒸気供給手段が処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる加熱手段を含むため、簡易な構成にて水蒸気を発生させてオゾンによる表面処理を行うことができる。
【0155】
また、請求項の発明によれば、排液手段によって純水が排出されることにより処理槽に貯留されている純水の液面レベルが処理槽内にて液処理を行うときの液面レベルよりも低下した状態の純水を加熱するため、少ないエネルギーにて迅速に水蒸気を発生させることができる。
【0156】
また、請求項の発明によれば、処理液供給手段が処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含むため、オゾンによる基板の表面処理と薬液による表面処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0157】
また、請求項の発明によれば、引き揚げ位置に保持された基板に薬液の蒸気を供給する薬液蒸気供給手段を備えるため、オゾンによる基板の表面処理と薬液蒸気による表面処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0168】
また、請求項の発明によれば、基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、チャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、処理槽の開口部分を覆って当該処理槽内を密閉空間とし、当該開口部分を開放する遮蔽手段と、処理槽に処理液を供給する処理液供給手段と、処理槽に貯留された処理液を排出する排液手段と、遮蔽手段によって密閉空間とされた処理槽内に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、遮蔽手段によって密閉空間とされた処理槽内に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、を備えるため、オゾンによる基板の表面処理と処理液による表面処理とを含む一連の処理を一つのチャンバ内にて行うことができ、基板処理装置のフットプリントを小さくすることができ、しかも密閉空間とされた処理槽内にてオゾンによる表面処理を行うこととなりオゾンの消費量増大を抑制することができる。
【0169】
また、請求項10の発明によれば、処理液供給手段が処理槽に純水を供給する純水供給手段を含むため、オゾンによる基板の表面処理と純水による水洗処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0170】
また、請求項11の発明によれば、水蒸気供給手段が処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱手段を含むため、簡易な構成にて水蒸気を発生させてオゾンによる表面処理を行うことができる。
【0171】
また、請求項12の発明によれば、純水加熱手段が処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させるため、少ないエネルギーにて迅速に水蒸気を発生させることができる。
【0172】
また、請求項13の発明によれば、遮蔽手段によって密閉空間とされた処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱手段をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理を行うときの基板の温度制御や水膜の膜厚制御を行うことができる。
【0173】
また、請求項14の発明によれば、基板加熱手段が基板を保持した処理槽に温純水を供給する温純水供給手段を含むため、基板加熱手段が基板を保持した処理槽に温純水を供給する温純水供給手段を含むため、容易に基板を昇温させることができる。
【0174】
また、請求項15の発明によれば、基板加熱手段が基板を保持した処理槽に加熱された不活性ガスを供給する加熱不活性ガス供給手段を含むため、容易に基板を昇温させることができる。
【0175】
また、請求項16の発明によれば、チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理と有機溶剤を使用した乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0176】
また、請求項17の発明によれば、チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理と減圧乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0177】
また、請求項18の発明によれば、処理液供給手段が処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含むため、オゾンによる基板の表面処理と薬液による表面処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0178】
また、請求項19の発明によれば、チャンバ内に基板を収容して、チャンバ内を密閉空間にする第1収容工程と、チャンバ内に配置された処理槽内に基板を収容して、処理槽内を密閉空間にする第2収容工程と、処理槽内に保持された基板にオゾンガスおよび水蒸気を供給して基板表面にオゾンによる処理を行うオゾン処理工程と、処理槽内に保持された基板の表面に所定の処理液を付与して、当該処理液による基板の表面処理を行う液処理工程と、を備えるため、オゾンによる基板の表面処理と処理液による表面処理とを含む一連の処理を一つのチャンバ内にて行うことができ、基板処理装置のフットプリントを小さくすることができ、しかも密閉空間とされた処理槽内にてオゾンによる表面処理を行うこととなりオゾンの消費量増大を抑制することができる。
【0179】
また、請求項20の発明によれば、オゾン処理工程が処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱工程を含むため、簡易な構成にて水蒸気を発生させてオゾンによる表面処理を行うことができる。
【0180】
また、請求項21の発明によれば、純水加熱工程が処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる工程を含むため、少ないエネルギーにて迅速に水蒸気を発生させることができる。
【0181】
また、請求項22の発明によれば、オゾン処理工程が処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱工程を含むため、オゾンによる基板の表面処理を行うときの基板の温度制御や水膜の膜厚制御を行うことができる。
【0182】
また、請求項23の発明によれば、基板加熱工程が基板を保持した処理槽に温純水を供給する工程を含むため、容易に基板を昇温させることができる。
【0183】
また、請求項24の発明によれば、基板加熱工程が基板を保持した処理槽に加熱された不活性ガスを供給する工程を含むため、容易に基板を昇温させることができる。
【0184】
また、請求項25の発明によれば、液処理工程が基板の表面に純水を付与して水洗処理を行う水洗処理工程を含むため、オゾンによる基板の表面処理と純水による水洗処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0185】
また、請求項26の発明によれば、水洗処理が行われた後に基板の乾燥処理を行う乾燥工程をさらに備えるため、オゾンによる基板の表面処理と乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0186】
また、請求項27の発明によれば、乾燥工程が、水洗処理が行われた後に、チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給工程と、チャンバ内に有機溶剤の蒸気が供給された後に、チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧工程と、を備えるため、オゾンによる基板の表面処理と有機溶剤を使用した減圧乾燥処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【0187】
また、請求項28の発明によれば、液処理工程が基板の表面に薬液を付与して表面処理を行う薬液処理工程を含むため、オゾンによる基板の表面処理と薬液による表面処理とを一つのチャンバ内にて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の基板処理装置の側面図である。
【図3】図1のローターの斜視図である。
【図4】図1の基板処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の基板処理装置における動作のタイミングチャートである。
【図6】第2実施形態の基板処理装置の全体構成を示す図である。
【図7】図6の基板処理装置にて水蒸気を発生させる状態を示す図である。
【図8】第3実施形態の基板処理装置の全体構成を示す図である。
【図9】カバーが閉じた状態の処理槽を示す斜視図である。
【図10】スリットノズルを示すためのカバーの底面図である。
【図11】第3実施形態の基板処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態の基板処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,2,3 基板処理装置
5 チャンバ
6 蓋
10 処理槽
11a,11b カバー
20 リフター
30 ローター
40 ガスノズル
46 オゾンガス供給部
48 高温窒素ガス供給部
50 処理液ノズル
60 ガス供給機構
70 処理液供給機構
80,86 ハロゲンランプ
82 ヒータ
84 槽内ヒータ
90 減圧機構
94 排液管
98 排液バルブ
99 コントローラ

Claims (28)

  1. 基板表面の処理を行う基板処理装置であって、
    基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽に前記処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理槽内の浸漬位置と、前記チャンバ内における前記処理槽よりも上方の引き揚げ位置との間で基板を保持して昇降させる昇降手段と、
    前記引き揚げ位置に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、
    前記引き揚げ位置に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、
    前記引き揚げ位置に設けられ、前記昇降手段から渡された基板を保持して水平軸周りに回転させる回転手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給手段は、前記処理槽に純水を供給する純水供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2記載の基板処理装置において、
    前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2または請求項3記載の基板処理装置において、
    前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記水蒸気供給手段は、前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる加熱手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項5記載の基板処理装置において、
    前記処理槽に貯留された処理液を排出する排液手段をさらに備え、
    前記加熱手段は、前記排液手段によって純水が排出されることにより前記処理槽に貯留されている純水の液面レベルが前記処理槽内にて液処理を行うときの液面レベルよりも低下した状態の純水を加熱することを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給手段は、前記処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記引き揚げ位置に保持された基板に薬液の蒸気を供給する薬液蒸気供給手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  9. 基板表面の処理を行う基板処理装置であって、
    基板を収容して内部を密閉空間にするチャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、所定の処理液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽の開口部分を覆って当該処理槽内を密閉空間とし、当該開口部分を開放する遮蔽手段と、
    前記処理槽に前記処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理槽に貯留された前記処理液を排出する排液手段と、
    前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段と、
    前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項9記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給手段は、前記処理槽に純水を供給する純水供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項10記載の基板処理装置において、
    前記水蒸気供給手段は、前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項11記載の基板処理装置において、
    前記純水加熱手段は、前記処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させることを特徴とする基板処理装置。
  13. 請求項10から請求項12のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記遮蔽手段によって密閉空間とされた前記処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  14. 請求項13記載の基板処理装置において、
    前記基板加熱手段は、基板を保持した前記処理槽に温純水を供給する温純水供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置。
  15. 請求項13記載の基板処理装置において、
    前記基板加熱手段は、基板を保持した前記処理槽に加熱された不活性ガスを供給する加熱不活性ガス供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置
  16. 請求項9から請求項15のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置
  17. 請求項9から請求項16のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置
  18. 請求項9から請求項17のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給手段は、前記処理槽に薬液を供給する薬液供給手段を含むことを特徴とする基板処理装置
  19. 基板表面の処理を行う基板処理方法であって、
    チャンバ内に基板を収容して、前記チャンバ内を密閉空間にする第1収容工程と、
    前記チャンバ内に配置された処理槽内に前記基板を収容して、前記処理槽内を密閉空間にする第2収容工程と、
    前記処理槽内に保持された基板にオゾンガスおよび水蒸気を供給して基板表面にオゾンによる処理を行うオゾン処理工程と、
    前記処理槽内に保持された基板の表面に所定の処理液を付与して、当該処理液による前記基板の表面処理を行う液処理工程と、
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  20. 請求項19記載の基板処理方法において、
    前記オゾン処理工程は、
    前記処理槽に貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる純水加熱工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  21. 請求項20記載の基板処理方法において、
    前記純水加熱工程は、前記処理槽内に保持された基板が着液しない液面レベルにて貯留された純水を加熱して水蒸気を発生させる工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  22. 請求項19から請求項21のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記オゾン処理工程は、
    前記処理槽内に保持された基板を加熱する基板加熱工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  23. 請求項22記載の基板処理方法において、
    前記基板加熱工程は、基板を保持した前記処理槽に温純水を供給する工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  24. 請求項22記載の基板処理方法において、
    前記基板加熱工程は、基板を保持した前記処理槽に加熱された不活性ガスを供給する工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  25. 請求項19から請求項24のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記液処理工程は、前記基板の表面に純水を付与して水洗処理を行う水洗処理工程を含むことを特徴とする基板処理方法
  26. 請求項25記載の基板処理方法において、
    前記水洗処理が行われた後に、前記基板の乾燥処理を行う乾燥工程をさらに備えることを特徴とする基板処理方法
  27. 請求項26記載の基板処理方法において、
    前記乾燥工程は、
    前記水洗処理が行われた後に、前記チャンバ内に有機溶剤の蒸気を供給する有機溶剤蒸気供給工程と、
    前記チャンバ内に前記有機溶剤の蒸気が供給された後に、前記チャンバ内を大気圧未満に減圧する減圧工程と、
    を備えることを特徴とする基板処理方法
  28. 請求項19から請求項27のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記液処理工程は、前記基板の表面に薬液を付与して表面処理を行う薬液処理工程を含むことを特徴とする基板処理方法
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