JP3795297B2 - 基板洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板の如きFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板および光ディスク用基板など(以下、単に「基板」と称する)の表面の洗浄処理、例えば基板に付着した有機物の除去処理等を行う基板洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上記基板の製造工程においては、基板の洗浄処理が不可欠である。基板の洗浄処理を行う洗浄装置の1つにオゾン水を用いた装置がある。この装置は、基板の表面にオゾン水を供給し、オゾンによってレジスト等の有機物を酸化することによりその有機物を分解・除去して基板の表面洗浄を行う装置である。周知のようにオゾンは極めて強力な酸化力を有しており、そのようなオゾンの強力な酸化力を利用して基板の洗浄処理を行うのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
オゾン水を用いた洗浄処理を行うときには、オゾン水中のオゾン濃度が高いほど有機物の分解速度が速くなり、洗浄処理に要する時間を短くすることができる。一般に気体の水に対する溶解度は水の温度が低いほど大きくなり、オゾン水についても同様の傾向を示す。すなわち、オゾン水の温度を下げるほど多量のオゾンが水中に溶解し、高濃度のオゾン水を得ることができるのである。
【0004】
一方、有機物の分解速度は、オゾン水中のオゾン濃度のみならず、反応時の温度にも依存する。反応温度が高くなるほど酸化反応が活性化され、有機物の分解速度が速くなるのである。
【0005】
従って、低温のオゾン水を供給した場合には、オゾン水中のオゾン濃度を高めることはできるものの、反応温度が低いため結果として有機物の分解速度を顕著に速くすることはできない。これとは逆に、高温のオゾン水を供給した場合には、反応温度は高いものの、オゾン水中のオゾン濃度が低く成らざるを得ないため、その結果上記と同様に、有機物の分解速度を顕著に速くすることはできなかった。すなわち、従来のオゾン水洗浄においては、オゾン水中のオゾン濃度および有機物の分解速度の温度に対する特性が相反することに起因して有機物の分解速度を顕著に速くすることができず、その結果洗浄処理にも比較的長時間を要し、装置のスループットが低下するという問題が生じていたのである。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板に付着した有機物を迅速に除去することができる基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板表面の洗浄処理を行う基板洗浄装置であって、基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内にオゾンガスを供給し、基板の周辺にオゾンガス雰囲気を形成するオゾンガス供給手段と、前記オゾンガス雰囲気中に置かれた室温の基板に100℃以上の水蒸気を供給して、当該基板の表面に水蒸気を凝縮させる水蒸気供給手段と、を備え、前記水蒸気供給手段に、前記オゾンガス雰囲気中に置かれた基板の表面に上方から下方に向けて水蒸気の気流を供給させている。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板洗浄装置において、前記オゾンガス雰囲気中に置かれた基板を冷却する冷却手段をさらに備えている。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る基板洗浄装置において、前記水蒸気供給手段が供給する水蒸気の温度を100℃以上とし、前記冷却手段を、前記水蒸気供給手段から供給される水蒸気と室温の窒素ガスとを混合する気体混合手段としている。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る基板洗浄装置において、前記気体混合手段に、100℃以上の水蒸気の供給によって基板の温度が上昇した後に水蒸気に室温の窒素ガスを混合させている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
<1.基板洗浄装置の全体構成>
図1は、本発明に係る基板洗浄装置の全体構成を示す図である。また、図2は、図1の基板洗浄装置の一部を示す側面図である。この基板洗浄装置は、基板表面に付着したレジスト等の有機物をオゾン水によって分解除去する洗浄装置であり、主として基板Wを収容するチャンバ10と、チャンバ10内にオゾンガスを供給するオゾンガス供給ノズル50と、チャンバ10内に水蒸気を供給する水蒸気供給ノズル30とを備えている。
【0013】
チャンバ10は、基板Wを収納する筐体であり、その上部にはオートカバー11が設けられている。オートカバー11は、図示を省略する駆動機構によって水平方向にスライド移動する。オートカバー11が閉じたとき(図1の状態)には、チャンバ10は密閉チャンバとなり、その内部は密閉空間となる。この状態においては、チャンバ10内のガスが外部に漏れ出ることはなく、またチャンバ10の内部を大気圧よりも低い減圧状態にすることができる。一方、オートカバー11が開いたときには、チャンバ10の内部は開放空間となり、図外の基板搬送ロボットによって未処理の基板Wをチャンバ10内に搬入することおよび処理済みの基板Wをチャンバ10から搬出することができる。
【0014】
チャンバ10内部には、処理槽20が固定配置されている。処理槽20の底部内側には2本の処理液供給ノズル21が設けられている。2本の処理液供給ノズル21は、いずれも長手方向を略水平方向にして配置された中空の円筒形状の部材である。処理液供給ノズル21は、純水バルブ22を介して純水供給ラインに接続されるとともに、薬液バルブ23を介して薬液供給ラインに接続されている。純水供給ラインまたは薬液供給ラインから処理液供給ノズル21に送給される純水または薬液は、処理液供給ノズル21に設けられた複数の吐出孔から処理槽20内部に供給される。なお、本実施形態において用いられる薬液は、例えばフッ酸等の基板Wの表面洗浄を行う液である。また、本明細書中では、純水および薬液を総称して処理液とする。
【0015】
処理液供給ノズル21から供給された処理液は、処理槽20内部に貯留される。処理槽20に処理液供給ノズル21から処理液をさらに供給し続けると、やがて処理液は処理槽20から溢れ出て回収部24に流れ込む。回収部24は、排液バルブ25を介して排液ラインと接続されている。従って、排液バルブ25を開放することによって、回収部24に流れ込んだ処理液は装置外の排液ラインへと排出される。なお、この排液ラインは排液バルブ25を介してチャンバ10の底部とも接続されており、何らかの原因によってチャンバ10底部に流出した処理液も排液ラインへと排出されることとなる。また、図1における純水供給ライン、薬液供給ラインおよび排液ラインはいずれも本発明に係る基板洗浄装置の外部に設けられているものである(例えば、本発明に係る基板洗浄装置が組み込まれている基板処理装置に配置されている)。この点に関しては、以降において述べる窒素ガス供給ライン、IPAベーパー供給ライン、真空減圧ラインおよび排気ラインについても同様である。
【0016】
また、チャンバ10の内部にはリフターLHが設けられている(図2参照)。リフターLHは、リフターアーム26を鉛直方向に昇降させる機能を有している。リフターアーム26には、3本の保持棒27a、27b、27cがその長手方向が略水平(処理液供給ノズル21と平行)となるように固設されており、3本の保持棒27a、27b、27cのそれぞれには基板Wの外縁部がはまり込んで基板Wを起立姿勢にて保持する複数の保持溝が所定間隔に配列して設けられている。
【0017】
このような構成により、リフターLHは3本の保持棒27a、27b、27cによって相互に平行に積層配列されて保持された複数の基板Wを処理槽20に貯留された処理液に浸漬する位置(図1中にて実線で示す位置であり、以降「浸漬位置」と称する)とその処理液から引き揚げた位置(図1中にて一点鎖線で示す位置であり、以降「引揚位置」と称する)との間で昇降させることができる。なお、リフターLHには、リフターアーム26を昇降させる機構として、ボールネジを用いた送りネジ機構やプーリとベルトを用いたベルト機構など種々の機構を採用することが可能である。
【0018】
また、チャンバ10の内部には、処理槽20の側方にオゾンガス供給ノズル50が設けられている。オゾンガス供給ノズル50は、長手方向を略水平方向にして配置された中空の円筒形状の部材である。オゾンガス供給ノズル50は、オゾンガスバルブ51を介してオゾンガス供給源52に接続されている。オゾンガスバルブ51が開放されているときには、オゾンガス供給源52からオゾンガス供給ノズル50にオゾンガスが送給される。送給されたオゾンガスは、オゾンガス供給ノズル50に設けられた複数の吐出孔からチャンバ10の内部に供給される。
【0019】
リフターLHが基板Wを引揚位置に上昇させているときにおいて、オゾンガス供給ノズル50からチャンバ10内にオゾンガスを供給すると、やがてチャンバ10内部はオゾンガスによって置換され、引き揚げられている基板Wの周辺にオゾンガス雰囲気が形成される。なお、オゾンガス供給ノズル50は、吐出孔を有する中空の円筒形状のノズルに限定されるものではなく、チャンバ10内にオゾンガスを供給することができる形態のものであれば良い。また、その設置位置も処理槽20の側方に限定されるものではなく、チャンバ10内にオゾンガスを供給することができる位置であれば任意である。
【0020】
また、チャンバ10の内部には、2本の水蒸気供給ノズル30が設けられている。2本の水蒸気供給ノズル30は、いずれも長手方向を略水平方向(処理液供給ノズル21と平行)にして配置された中空の円筒形状の部材である。2本の水蒸気供給ノズル30のそれぞれには、複数の吐出孔30aが形成されている(図2参照)。
【0021】
2本の水蒸気供給ノズル30のそれぞれは、水蒸気バルブ31を介して混合器32に接続されている。その混合器32は、マスフロコントローラ33を介して水蒸気発生器34に接続されるとともに、マスフロコントローラ35を介してエア供給源36と接続されている。水蒸気発生器34は、水を加熱してその気体(水蒸気)を発生させるものであり、本実施形態では100℃の水蒸気を発生させる。また、エア供給源36は、その内部に温調部を有しており、本実施形態では20℃に温調した空気を供給する。
【0022】
マスフロコントローラ33、35は気体の流量を調整する機能を有しており、それぞれ水蒸気発生器34から混合器32に送給される水蒸気およびエア供給源36から混合器32に送給される空気の流量を調整する。混合器32は、送給された水蒸気および空気を混合して水蒸気供給ノズル30に供給する機能を有する。混合器32から水蒸気供給ノズル30に送給された水蒸気は、水蒸気供給ノズル30に設けられた複数の吐出孔30aからチャンバ10内部に吐出される。このときに、リフターLHによって引揚位置に上昇されている複数の基板Wのそれぞれの表面に水蒸気の気流が供給されるように、つまり複数の基板Wのそれぞれの表面に水蒸気が吹き付けられるように、水蒸気供給ノズル30は構成されている。すなわち、水蒸気供給ノズル30は引揚位置に上昇されている基板Wの少なくとも中心よりも上方に配置されるとともに、水蒸気供給ノズル30の吐出孔30aはリフターLHの3本の保持棒27a、27b、27cによって相互に平行に配列保持された複数の基板Wのそれぞれの間に位置するように形成されている。また、水蒸気供給ノズル30の吐出孔30aは、その吐出方向が斜め下方に向くように形成されている。
【0023】
水蒸気供給ノズル30から吐出される水蒸気の温度は、20℃から100℃の間で調整可能である。すなわち、マスフロコントローラ33、35によって100℃の水蒸気および20℃に温調された空気の混合比を調整することにより、水蒸気供給ノズル30から吐出される水蒸気の温度を変化させることができる。具体的には、マスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給を遮断することにより、水蒸気供給ノズル30から100℃の水蒸気が供給される。そして、マスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給を増加させるとともに、マスフロコントローラ33によって水蒸気発生器34からの水蒸気供給を減少させることにより、水蒸気供給ノズル30から吐出される水蒸気の温度を下げて20℃に近づけることができる。
【0024】
また、上記以外にも、チャンバ10の内部には、2本のIPA供給ノズル40が設けられている。2本のIPA供給ノズル40も、いずれも長手方向を略水平方向にして配置された中空の円筒形状の部材である。2本のIPA供給ノズル40のそれぞれは、窒素バルブ41を介して窒素ガス供給ラインに接続されるとともに、IPAバルブ42を介してIPAベーパー供給ラインに接続されている。窒素ガス供給ラインまたはIPAベーパー供給ラインからIPA供給ノズル40に送給される窒素ガスまたはIPA(イソプロピルアルコール)蒸気は、IPA供給ノズル40に設けられた複数の吐出孔からチャンバ10内部に供給される。なお、IPAベーパー供給ラインから送給されるIPA蒸気は、窒素ガスをキャリアガスとして運ばれるものである。また、図2において、IPA供給ノズル40等については図示の便宜上記載を省略している。
【0025】
さらに、チャンバ10は、真空減圧バルブ60を介して真空減圧ラインに接続されるとともに、排気バルブ61を介して排気ラインに接続されている。排気バルブ61を開放することによってチャンバ10内部のガスを装置外の排気ラインに排気することができるとともに、真空減圧バルブ60を開放することによってチャンバ10内を真空吸引して大気圧以下に減圧することができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、オゾンガス供給ノズル50がオゾンガス供給手段に相当し、水蒸気供給ノズル30が水蒸気供給手段に相当し、混合器32が気体混合手段に相当する。
【0027】
<2.基板洗浄装置における処理内容>
次に、上記構成を有する基板洗浄装置における処理手順およびその内容について説明する。図3は、図1の基板洗浄装置における処理手順を示すフローチャートである。
【0028】
まず、チャンバ10内に搬入された複数の基板WをリフターLHによって引揚位置に保持する(ステップS1)。すなわち、図1中の一点鎖線にて示すように、処理槽20から引き揚げられた位置に基板Wは保持される。
【0029】
次に、オゾンガスバルブ51を開放してオゾンガス供給ノズル50からチャンバ10内にオゾンガスを供給する(ステップS2)。このときには、オートカバー11を閉じてチャンバ10内を密閉空間にするとともに、チャンバ10への他のガス供給は各対応バルブを閉鎖することによって停止されている。なお、チャンバ10内の雰囲気をオゾンガス雰囲気に置換すべく、排気バルブ61のみは開放しておく。
【0030】
オゾンガス供給ノズル50からのオゾンガス供給が進行するにつれてチャンバ10内の雰囲気が徐々にオゾンガス雰囲気に置換され、やがて引揚位置に保持されている複数の基板Wの周辺にオゾンガス雰囲気が形成される。
【0031】
次に、ステップS3に進み、水蒸気バルブ31を開放して水蒸気供給ノズル30から基板Wに水蒸気を吹き付ける。このときに、基板Wの表面において生じる現象を図4から図6を用いつつ説明する。図4および図5はそれぞれ、水蒸気供給ノズル30から基板Wに水蒸気が吹き付けられる様子を基板Wの正面および側面から見た図である。なお、この段階においては、マスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給は遮断されており、水蒸気供給ノズル30からは100℃の水蒸気が吐出されるとともに、オゾンガス供給ノズル50からのオゾンガス供給は継続されている。
【0032】
リフターLHによって引揚位置に保持されている基板Wの温度は室温程度である。図4および図5に示すように、水蒸気供給ノズル30から高温の水蒸気が室温の基板Wに吹き付けられると、基板Wの表面において水蒸気の凝縮(凝結)が生じ、基板Wの表面に多数の微細な水滴が付着した状態となる。このときに引揚位置に保持されている基板Wの周辺にはオゾンガス雰囲気が形成されているため、水蒸気の凝縮現象と並行して基板W表面に付着した水滴中に周辺のオゾンガスが溶解する。その結果、基板Wの表面にはオゾン水が付着した状態となる。
【0033】
このようにして付着したオゾン水の酸化分解反応により、基板Wの表面に付着していたレジスト等の有機物が除去されることとなる。基板Wに吹き付けられる水蒸気の温度が高いため、オゾンの溶解度が低くなるのは避けられないものの、高温であるが故に酸化反応自体は顕著に活性なものとなる。
【0034】
特に、本実施形態のように、オゾンガス雰囲気中において基板Wの表面に水蒸気を凝縮させると、凝縮現象と並行して直ちにオゾンガスの溶解が生じることとなるため、基板W表面に生成した微細な水滴中のオゾン濃度は生成直後に飽和濃度(若しくはそれに近い濃度)に達する。従って、基板Wに付着したレジスト等の有機物を迅速に除去することができる。
【0035】
また、基板Wの表面にて生成したオゾン水が有機物を酸化することにともなって、そのオゾン水中の溶解オゾンが消費され、比較的容易にオゾン水が失活する(酸化力が弱まる)こととなる。ここで、本実施形態のように、水蒸気供給ノズル30から基板Wの表面に水蒸気を吹き付けるようにすれば、水蒸気の気流の運動エネルギーによって失活したオゾン水は分解した有機物とともに直ちに下方へ押し流され、新たな凝縮およびオゾン溶解が生じることとなり、その結果常に新鮮な飽和濃度(若しくはそれに近い濃度)のオゾン水が基板Wの表面に接触することとなる。この現象がさらに進行すると、図5に示すように、薄いオゾン水の液膜が基板Wの表面に沿って常に下方へ流れ続ける状態が継続されることとなる。従って、分解後の有機物が効率よく排出されるとともに、オゾン水による酸化力は常に一定のレベルに保ち続けられるため、基板Wに付着したレジスト等の有機物をより迅速に除去することができる。
【0036】
また、図5に示す如く、水蒸気を吹き付けることによって薄いオゾン水の液膜が基板Wの表面に沿って常に下方へ流れ続ける状態が維持されると、基板Wと液滴と空気とが相互に接触する界面は存在しなくなる。一般に、このような界面はシリコンの酸化によるパーティクルを生じやすい部分であり、水蒸気供給ノズル30からの水蒸気吹き付けによってかかる界面を消滅させることはパーティクル発生の抑制にも繋がるのである。
【0037】
また、近年の半導体等のデバイス構造の複雑化にともなって、基板Wの表面形状も複雑なものとなりつつあるが、本実施形態のように水蒸気の凝縮によってオゾン水を生成すれば、複雑な表面形状の基板Wにも容易に対応することができる。図6は、複雑な表面形状の基板Wに水蒸気が凝縮した状態を模式的に示した図である。基板Wの表面に微細な小孔や溝が形成されていたとしても、水蒸気は気体であるためそのような部位にも容易に入り込んで凝縮する。その結果、同図に示す如く、複雑な表面形状の基板Wの全面が均一に薄い液膜に覆われることとなる。従って、基板Wの表面全体において均一にオゾン水による酸化分解反応が進行し、付着したレジスト等の有機物を迅速に除去することができる。
【0038】
図3に戻り、以上のようなオゾンによる有機物除去処理が所定時間行われた後、ステップS4からステップS5に進み、後続の薬液処理等が行われる。
【0039】
ところで、水蒸気供給ノズル30から基板Wに吹き付けられる水蒸気は高温であるため、上述した凝縮によるオゾン処理を進行させるにつれて基板Wの温度が上昇することとなる。基板Wの温度が上昇し、水蒸気供給ノズル30から吐出される水蒸気の温度(ここでは100℃)に近づくと、水蒸気の基板Wへの凝縮が生じにくくなり、上記のオゾンによる有機物除去処理が徐々に妨げられることとなる。このため、本実施形態においては、図3のステップS3とステップS4とのループを繰り返す過程において、適宜水蒸気中にエア供給源36からの空気を混合し、基板Wの冷却を行うようにしている。
【0040】
図7は、基板Wの温度変化パターンの一例を示す図である。時刻t0に水蒸気供給ノズル30からの水蒸気供給を開始したとする。なお、このときにはマスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給は遮断されており、水蒸気供給ノズル30からは100℃の水蒸気のみが吐出されている。その後、時刻t1までは、水蒸気発生器34から供給される100℃の水蒸気のみが水蒸気供給ノズル30から基板Wに吹き付けられ、基板Wの温度が徐々に上昇する。そして、時刻t1において、マスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給を開始し、混合器32にて100℃の水蒸気と20℃に温調された空気とを混合する。つまり、混合器32において100℃の水蒸気が冷却され、その冷却された水蒸気が水蒸気供給ノズル30から基板Wに吹き付けられる。
【0041】
なお、このときに、マスフロコントローラ33、35によって100℃の水蒸気および20℃に温調された空気の混合比を調整することにより、水蒸気供給ノズル30から吐出される水蒸気の温度を任意に変化させることができるのは既述した通りである。また、マスフロコントローラ33によって水蒸気発生器34から水蒸気供給を遮断し、水蒸気供給ノズル30から基板Wに20℃の空気を吹き付けることもできる。
【0042】
このようにして、その後の時刻t2までは、冷却された水蒸気(または空気)が基板Wに吹き付けられ、基板Wの温度は下降する。すなわち、混合器32が100℃の水蒸気と20℃に温調された空気とを混合することによって、基板Wを冷却しているのである。そして、時刻t2において再びマスフロコントローラ35によってエア供給源36からの空気供給を遮断し、水蒸気供給ノズル30から100℃の水蒸気を基板Wに吐出する。その後は、以上のような水蒸気のみの供給と空気混合とをステップS4における所定時間が経過するまで一定周期にて繰り返すこととなる。
【0043】
このようにすれば、高温の水蒸気が吹き付けられることによって昇温された基板Wが周期的に冷却されることとなるため、基板Wへの水蒸気の凝縮効率は一定周期で絶えず回復することとなり、上述したオゾンによる有機物除去処理が妨げられるおそれはない。
【0044】
図3に戻り、ステップS5以降の処理について簡単に説明する。以上のようなオゾンによる有機物除去処理が終了すると、引き続いて薬液および純水による基板Wの洗浄処理が行われる(ステップS5)。薬液による洗浄処理は、例えばフッ酸等に基板Wを浸漬して行う表面洗浄処理である。また、純水による洗浄処理は純水中に基板Wを浸漬して行う、いわゆるリンス処理である。具体的には、まず、オゾンガスバルブ51および水蒸気バルブ31を閉鎖してチャンバ10へのオゾンガス供給および水蒸気供給を停止した後、窒素バルブ41を開放してIPA供給ノズル40からチャンバ10に窒素ガスを供給し、チャンバ10内の雰囲気を窒素ガスの不活性な雰囲気に置換する。
【0045】
そして、薬液バルブ23または純水バルブ22を開放して処理槽20に薬液または純水を貯留する。その後、リフターLHによって基板Wを浸漬位置まで下降させて、処理槽20内の薬液または純水中に浸漬させる。なお、基板Wには純水による洗浄処理のみを行うようにしても良いし、薬液による洗浄処理の後に純水による洗浄処理を行うようにしても良い。
【0046】
その後、所定時間が経過して純水による基板Wの洗浄処理が終了すると、次に引き揚げ乾燥処理を行う(ステップS6)。引き揚げ乾燥処理とは、純水中から基板Wを引き揚げつつIPA蒸気を供給し、基板Wの表面に付着している水分をIPAに置換する処理である。具体的には、リフターLHによって基板Wを処理槽20の純水から引揚位置まで引き揚げつつ、IPAバルブ42を開放(窒素バルブ41は閉鎖)してIPA供給ノズル40からチャンバ10にIPA蒸気(厳密には、窒素のキャリアガスによって送られるIPA蒸気)を供給する。これによって、基板Wの周辺に供給されたIPA蒸気が基板W表面の水分に置換し、基板Wの表面がIPAによって覆われることとなる。
【0047】
引き揚げ乾燥処理が終了すると、最後に減圧乾燥処理を行う(ステップS7)。減圧乾燥処理とは、IPAが付着した基板Wを減圧下におくことによってその付着したIPAを気化させる処理である。具体的には、チャンバ10への全てのガス供給のためのバルブを閉鎖するとともに、真空減圧バルブ60を開放することによってチャンバ10内を真空吸引し、基板Wを減圧下におく。なお、このときには、基板WはリフターLHによって引揚位置に保持されている。減圧下に置かれることによって、基板Wを覆っていたIPAは蒸発し、基板Wは完全に乾燥されることとなる。なお、このときに乾燥を促進するため窒素バルブ41を開放してチャンバ10に窒素ガスを供給しても良い。
【0048】
その後、窒素バルブ41を開放してチャンバ10内を窒素ガス雰囲気とし圧力を大気圧とした後、オートカバー11を開けて基板Wを搬出し、一連の処理が終了する。
【0049】
以上の本実施形態のようにすれば、基板Wに関連する全ての洗浄処理(有機物除去処理、薬液処理、リンス処理等)を1つのチャンバ10内にて行うことができるため、基板Wが大気中に曝されることがなく、パーティクル等の汚染が生じにくい。また、オゾンガスやIPA蒸気等が装置外部に拡散することを容易に防止することができ、安全性も高い。
【0050】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、水蒸気発生器34にて発生する水蒸気の温度を100℃としていたが、この水蒸気をさらに加熱するようにして100℃以上の水蒸気を水蒸気発生器34から発生し、水蒸気供給ノズル30から吐出するようにしても良い。また、エア供給源36から供給する空気の温度は20℃に限定されるものではなく、水蒸気の温度を下げることができる温度(10℃〜30℃)であれば良い。例えば、特に温調を行わずに室温(例えば20℃)の空気を供給するようにしても良い。もしくは室温の窒素ガス等の不活性ガスを混合器32に供給するようにしても良い。また、これらの気体の温度は室温より低ければ、より冷却効果がすぐれ、短時間に基板を冷却できるためよりスループットを上げれることは当然である。
【0051】
また、オゾンによる有機物除去処理時における基板Wの冷却パターンは図7に示したものに限定されず、周期的に基板Wの温度を下げるようなパターンであれば良い。
【0052】
また、上記実施形態では、複数の基板Wを一括して処理するいわゆるバッチ式の装置であったが、これを基板Wを一枚ずつ処理するいわゆる枚葉式の装置としても本発明に係る技術を適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、オゾンガス雰囲気中に置かれた室温の基板に100℃以上の水蒸気を供給して、当該基板の表面に水蒸気を凝縮させているため、基板表面に容易に飽和濃度のオゾン水を生成することができ、基板に付着した有機物を迅速に除去することができる。また、オゾンガス雰囲気中に置かれた基板の表面に上方から下方に向けて水蒸気の気流を供給しているため、酸化力を失ったオゾン水は押し流されて絶えず新たなオゾン水が生成されることとなり、基板に付着した有機物をより迅速に除去することができる。
【0054】
また、請求項2の発明によれば、オゾンガス雰囲気中に置かれた基板を冷却する冷却手段をさらに備えているため、基板への水蒸気の凝縮効率を回復させることができる。
【0055】
また、請求項3の発明によれば、水蒸気の温度が100℃以上であり、冷却手段が、その水蒸気と室温の窒素ガスとを混合する気体混合手段であるため、請求項2の発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、請求項4の発明によれば、基板の温度が上昇した後に水蒸気に室温の窒素ガスを混合しているため、請求項の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板洗浄装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の基板洗浄装置の一部を示す側面図である。
【図3】図1の基板洗浄装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図4】水蒸気供給ノズルから基板に水蒸気が吹き付けられる様子を基板の正面から見た図である。
【図5】水蒸気供給ノズルから基板に水蒸気が吹き付けられる様子を基板の側面から見た図である。
【図6】複雑な表面形状の基板に水蒸気が凝縮した状態を模式的に示した図である。
【図7】基板の温度変化パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 チャンバ
30 水蒸気供給ノズル
32 混合器
50 オゾンガス供給ノズル
W 基板

Claims (4)

  1. 基板表面の洗浄処理を行う基板洗浄装置であって、
    基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内にオゾンガスを供給し、基板の周辺にオゾンガス雰囲気を形成するオゾンガス供給手段と、
    前記オゾンガス雰囲気中に置かれた室温の基板に100℃以上の水蒸気を供給して、当該基板の表面に水蒸気を凝縮させる水蒸気供給手段と、
    を備え
    前記水蒸気供給手段は、前記オゾンガス雰囲気中に置かれた基板の表面に上方から下方に向けて水蒸気の気流を供給することを特徴とする基板洗浄装置。
  2. 請求項1記載の基板洗浄装置において、
    前記オゾンガス雰囲気中に置かれた基板を冷却する冷却手段をさらに備えることを特徴とする基板洗浄装置。
  3. 請求項2記載の基板洗浄装置において、
    前記水蒸気供給手段が供給する水蒸気の温度は100℃以上であり、
    前記冷却手段は、前記水蒸気供給手段から供給される水蒸気と室温の窒素ガスとを混合する気体混合手段であることを特徴とする基板洗浄装置。
  4. 請求項3記載の基板洗浄装置において、
    前記気体混合手段は、100℃以上の水蒸気の供給によって基板の温度が上昇した後に水蒸気に室温の窒素ガスを混合することを特徴とする基板洗浄装置。
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