JP2013158704A - 酸化処理方法および酸化処理システム - Google Patents

酸化処理方法および酸化処理システム Download PDF

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幸広 釜瀬
Fumio Hayashi
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Abstract

【課題】酸化処理剤による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う、酸化処理剤を用いた酸化処理方法であって、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる結露発生工程(ステップS11)を具備し、処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態で、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う(ステップS12)、酸化処理剤を用いた酸化処理方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸化処理方法および酸化処理システムの技術に関する。
従来、処理室内の処理対象を酸化処理して、これを殺菌、洗浄、または、脱臭等する酸化処理方法または酸化処理システムの技術は種々知られている。
前記酸化処理方法または前記酸化処理システムによって酸化処理される処理対象には、例えば、医療機器や手術室内やクリーンルームや電子部品や電気製品等の固体の表面がある。
また、前記酸化処理方法または前記酸化処理システムには、オゾンや過酸化水素等の酸化処理剤を用いて処理室内の処理対象の酸化処理を行うものがある(特許文献1参照)。
前記酸化処理方法または前記酸化処理システムでは、処理室内に酸化処理剤(例えば、オゾンガスや過酸化水素ガス等)が供給されると、当該酸化処理剤が処理室内の処理対象表面に接触することによって、処理対象表面の酸化が行われる。
特開昭63−59961号公報
しかしながら、前記酸化処理方法または前記酸化処理システムでは、処理室内に供給された酸化処理剤(オゾンガスや過酸化水素ガス等)のうち多くのものが、処理室内の処理対象表面に接触せずに処理室内を浮遊し、処理対象表面の酸化を行う前に処理室内から排気され、または、処理室内で酸素となる場合がある。
このため、前記酸化処理方法または前記酸化処理システムでは、酸化処理剤による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができない場合があった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、酸化処理剤による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる技術を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う、酸化処理剤を用いた酸化処理方法であって、前記処理室内の処理対象表面に前記処理室内の水分を結露させる結露発生工程を具備し、前記処理室内の処理対象表面に結露が生じた状態で、前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行うものである。
請求項2においては、前記結露発生工程は、前記処理室内の温度を低下させることによって行われるものである。
請求項3においては、前記結露発生工程は、前記処理室内に供給される酸化処理剤の温度を上昇させることによって行われるものである。
請求項4においては、前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行った後、前記処理室内の処理対象表面の結露を除去する結露除去工程を具備するものである。
請求項5においては、前記結露除去工程は、前記処理室内の温度を上昇させることによって行われるものである。
請求項6においては、前記酸化処理剤は、過酸化水素ガスとオゾンガスとの混合ガスであるとしたものである。
請求項7においては、前記酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体であるとしたものである。
請求項8においては、前記酸化処理剤は、オゾンガスであるとしたものである。
請求項9においては、処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行うように構成される、酸化処理システムであって、前記処理室内の処理対象表面に前記処理室内の水分を結露させる結露発生装置を具備し、前記処理室内の処理対象表面に結露が生じた状態で、前記処理室内の処理対象表面を前記酸化処理剤によって酸化させる処理を行うように構成されるものである。
請求項10においては、前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行った後、前記処理室内の処理対象表面の結露を除去する結露除去装置を具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、酸化処理剤による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
本発明の第一実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 本発明の第一実施形態に係る酸化処理システムにおける処理室内の処理対象表面の酸化処理を行う一連の動作を示したフローチャート図。 本発明の第一実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 本発明の第二実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 本発明の第二実施形態に係る酸化処理システムにおける処理室内の処理対象表面の酸化処理を行う一連の動作を示したフローチャート図。 同じくフローチャート図。 同じくフローチャート図。 本発明の第二実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 同じく模式図。 同じく模式図。 同じく模式図。 同じく模式図。 本発明の第三実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 本発明の第三実施形態に係る酸化処理システムの混合器を示した断面図。〜図。 本発明の第三実施形態に係る酸化処理システムにおける処理室内の処理対象表面の酸化処理を行う一連の動作を示したフローチャート図。 本発明の第四実施形態に係る酸化処理システムの全体的な構成を示した模式図。 本発明の第四実施形態に係る酸化処理システムの混合器を示した断面図。〜図。 本発明の第四実施形態に係る酸化処理システムのノズルを示した断面図。〜図。 本発明の第四実施形態に係る酸化処理システムにおける処理室内の処理対象表面の酸化処理を行う一連の動作を示したフローチャート図。 同じくフローチャート図。
次に、本発明の実施形態に係る、酸化処理剤を用いた酸化処理方法(以下、「酸化処理方法」という)、および、酸化処理システム1、について図1から図3を用いて説明する。
まず、第一実施形態に係る酸化処理システム1について説明する。
酸化処理システム1は、図1に示すように、処理室2を具備し、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行うものである。酸化処理システム1によって処理対象表面が酸化処理されることにより、処理対象表面の殺菌、洗浄、または、脱臭等が行われる。
酸化処理システム1で用いられる酸化処理剤は、オゾン(O3)ガスである。
酸化処理システム1の処理室2内では、酸化処理剤を用いて処理対象表面が酸化処理される。
酸化処理システム1の処理室2には、例えば、精密機械工業、半導体工業、医薬品工業等の製造設備や研究施設のクリーンルームやアイソレータ、手術室、殺菌装置の殺菌室、歯科・眼科等の医院の居室、洗浄装置の洗浄室、食品製造工場、ホテルの客室、介護施設、病院等の不特定多数が集う各種施設、食堂・レストラン等の厨房、または、有害な化学物質や微生物が残留した施設等がある。
酸化処理システム1の処理室2は、排気口2aを有する。酸化処理システム1の処理室2は、排気口2aに過酸化水素分解触媒およびオゾン分解触媒が設けられて構成される。
処理対象とは、酸化処理剤を用いてその表面が酸化処理されるものを示す。
処理対象表面には、精密機械工業、半導体工業、医薬品工業等の製造設備や研究施設のクリーンルームやアイソレータの内壁の表面、手術室の内壁の表面、殺菌装置の殺菌室の内壁の表面、歯科・眼科等の医院の居室の内壁の表面、洗浄装置の洗浄室の内壁の表面、食品製造工場の内壁、ホテルの客室の内壁表面、介護施設もしくは病院等の不特定多数が集う各種施設の内壁表面、食堂・レストラン等の厨房の内壁表面、または、有害な化学物質や微生物が残留した施設内の内壁表面等がある。また、処理対象表面には、クリーンルーム内やアイソレータ内、手術室内、殺菌装置の殺菌室内、歯科・眼科等の医院の居室内、洗浄装置の洗浄室内、食品製造工場内、ホテルの客室内、介護施設もしくは病院等の不特定多数が集う各種施設内、食堂・レストラン等の厨房内、または、有害な化学物質や微生物が残留した施設内等に配置されるもの、例えば、クリーンルームやアイソレータ内の装置や工具の表面、手術室内の手術用具の表面、殺菌装置の殺菌室内の衣類や容器の表面、歯科・眼科等の医院の居室内の設置品や機器類の表面、洗浄装置の洗浄室内の電子部品や電気製品等の表面、食品製造工場に設置された製造機器、食品工場内の雰囲気中の浮遊菌、治具類、ケーキ、パイ、もしくは、そば等の原材料、ホテルの客室内のカーテン、ベッド等の調度品、介護施設もしくは病院等の不特定多数が集う各種施設内の調度品、食堂・レストラン等の厨房内の調度品や食器類の表面及び排気される臭い物質、または、有害な化学物質や微生物が残留した施設内の設置物の表面等がある。
このように、酸化処理システム1では、半導体の表面処理のように処理対象表面そのものの処理(酸化処理)が行われる。また、酸化処理システム1では、処理対象表面に付着した化学物質または微生物の処理(酸化処理)が行われて、処理対象表面の臭い物質の低減(脱臭)、処理対象表面の有害物質の無害化、処理対象表面の微生物の殺菌等が行われる。
なお、オゾンは強力な酸化剤であり、微生物である細菌やウイルスに対する強い不活化効果を示すことが知られている。また、オゾンに加湿等の方法で水分を追加させることにより、より強力な酸化力をもつOHラジカルを生成し、より強力な殺菌効果が得られることも知られている。
オゾンを用いた脱臭は、大気汚染処理として排気の脱臭、排煙処理、室内の空気浄化あるいは、浴室、病院、老人施設等でも利用されている。臭い物質を構成する硫化物や有機酸等を、オゾンの強い酸化反応を利用して分解するのが脱臭原理である。一般に、オゾンは−SH、=S、−NH2、=NH、−OH、−CHOを持つ化合物との反応性が大きい。悪臭物質の多くはこれらの基を持つので、オゾンによる脱臭は、多くの悪臭物質に対し効果を持つことになる。
オゾンは、各種難分解性化学物質とも、強力な酸化力により分解することが知られている。例えば、塩素系農薬、有機リン系農薬、尿素系農薬等に対する水中での処理に関する報告もある。
酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3と、結露発生装置21と、結露除去装置22と、を具備する。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3は、オゾンガスを発生させる装置である。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3には、酸素に放電することによりオゾンガスを発生するもの(放電式オゾンガス発生装置)、または、酸素に紫外線を照射することによってオゾンガスを発生するもの(紫外線式オゾンガス発生装置)等がある。
酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3と処理室2内とがオゾンガス供給管6を介して接続されて、構成される。
そして、酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3の供給ポンプや酸素発生装置が作動することによって、オゾンガス発生装置3で発生されたオゾンガスがオゾンガス供給管6を介してオゾンガス発生装置3から処理室2内に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、オゾンガスが処理室2内に供給されることによって、処理室2内の気体(オゾン、酸素等)が処理室2の排気口2aから排気されるように構成される。
酸化処理システム1の結露発生装置21は、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる装置である。
酸化処理システム1の結露除去装置22は、処理室2内の処理対象表面の結露を除去する装置である。
次に、第一実施形態に係る酸化処理システム1における処理室内2の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う一連の動作について説明する。
前記酸化処理システム1の一連の動作は、図2に示すように、結露発生工程(ステップS11)と、酸化処理工程(ステップS12)と、結露除去工程(ステップS13)と、を具備するものである。
ステップS11は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS11では、酸化処理システム1の結露発生装置21を作動させて、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させるように行われる。
このとき、酸化処理システム1の処理室2内に、予め水蒸気等の水分を供給して処理室2内の湿度を上昇させることによって、処理室2内の処理対象表面に容易に結露させることができる。
ステップS11において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS12に移行する。
ステップS12は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS12では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS11)で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガス(酸化処理剤)を供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS12において酸化処理システム1の処理室2内にオゾンガスが供給されると、処理室2内のオゾンガス濃度が上昇する。そして、酸化処理システム1の処理室2内に供給されたオゾンガスが処理室2内の処理対象表面に到達すると、当該処理対象表面が酸化されることとなる。このとき、酸化処理システム1の処理室2内に供給されたオゾンガスは、処理対象表面の水分(結露)の存在によってオゾンの反応が促進されることとなる。
ステップS12においてオゾンガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS13に移行する。
ステップS13は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS13では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面をオゾンガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS12)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理システム1は、結露発生装置21を具備し、処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS11)で、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理を行う(ステップS12)ように構成される。
そして、酸化処理システム1では、処理室2内に酸化処理剤(オゾンガス)が供給されて処理室2内の処理対象表面に到達すると、処理対象表面の水分(結露)の存在によってオゾン(酸化処理剤)の反応が促進されることとなる。
このようにして、酸化処理システム1では、処理室2内の酸化処理剤(オゾンガス)が当該処理対象表面に到達して、当該処理対象表面が酸化されることとなる。
したがって、酸化処理システム1によれば、酸化処理剤(オゾンガス)による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
酸化処理システム1の酸化処理剤はオゾンガスである。
このため、酸化処理システム1では、処理室2内の処理対象表面の結露されて湿度が高くなるため、オゾンによる処理対象表面の殺菌効果を向上させることができる。
酸化処理システム1は、結露除去装置22を具備し、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理(ステップS12)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように構成される。
このように、酸化処理システム1では、結露除去装置22によって処理室2内の処理対象表面の結露を除去するため、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理の後に処理対象表面の結露を拭取る等の処理が不要となる。
したがって、酸化処理システム1によれば、酸化処理システム1が処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を処理対象表面に結露が生じた状態で行う構成であっても、当該処理対象表面を酸化させる処理の後処理の繁雑さを解消することができる。
酸化処理システム1の結露発生装置21は、処理室2内の温度を低下させることによって、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させるように構成される。
酸化処理システム1の結露発生装置21は、例えば、処理室2内の温度を低下させる冷却装置として構成され、処理室2内の壁、床、または、天井等に配置される。
そして、酸化処理システム1は、結露発生装置21を作動させて処理室2内の温度を低下させて処理室2内の処理対象表面を冷却して、当該処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる(ステップS11)ように構成される。
このようにして、酸化処理システム1では、容易に、処理室2内の処理対象表面に結露せることができる。
酸化処理システム1の結露除去装置22は、処理室2内の温度を上昇させることによって、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を除去させるように構成される。
酸化処理システム1の結露除去装置22は、例えば、処理室2内の温度を上昇させる加熱装置として構成され、処理室2内の壁、床、または、天井等に配置される。
そして、酸化処理システム1の結露除去装置22は、結露除去装置22を作動させて処理室2内の温度を上昇させて処理室2内の処理対象表面を加熱して、処理室2内の当該処理対象表面の結露を除去させる(ステップS13)ように構成される。
このようにして、酸化処理システム1では、容易に、処理室2内の処理対象表面の結露を除去させることができる。
また、図3に示すように、酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3が処理室2内に配置されて構成されてもよい。このとき、酸化処理システム1は、オゾンガス供給管6を要さず、オゾンガス供給管6を備えない構成とされる。
したがって、このように酸化処理システム1が構成されることにより、酸化処理システム1の全体的な構成をコンパクトにすることができる。
なお、このときの酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3は、耐オゾン性を有するように構成される。
次に、本発明の実施形態に係る、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる酸化処理方法について、図2を用いて説明する。
酸化処理方法は、図2に示すように、結露発生工程(ステップS11)と、酸化処理工程(ステップS12)と、結露除去工程(ステップS13)と、を具備する。
ステップS11は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS11では、酸化処理システム1の結露発生装置21を作動させて、処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させるように行われる。
このとき、例えば、酸化処理システム1の処理室2内に、予め水蒸気等の水分を供給して処理室2内の湿度を上昇させることによって、処理室2内の処理対象表面に容易に結露させることができる。
ステップS11において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS12に移行する。
ステップS12は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS12では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS11)で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガス(酸化処理剤)を供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS12において酸化処理システム1の処理室2内にオゾンガスが供給されると、処理室2内のオゾンガス濃度が上昇する。そして、酸化処理システム1の処理室2内に供給されたオゾンガスが処理室2内の処理対象表面に到達すると、当該処理対象表面が酸化されることとなる。このとき、酸化処理システム1の処理室2内に供給されたオゾンガスは、処理対象表面の水分(結露)の存在によってオゾンの反応が促進されることとなる。
ステップS12においてオゾンガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS13に移行する。
ステップS13は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS13では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面をオゾンガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS12)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理方法は、結露発生工程(ステップS11)を具備し、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態で、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理を行う(ステップS12)。
そして、酸化処理方法では、酸化処理システム1の処理室2内に酸化処理剤(オゾンガス)が供給されて処理室2内の処理対象表面に到達すると、処理対象表面の水分(結露)の存在によってオゾン(酸化処理剤)の反応が促進されることとなる。
このようにして、酸化処理方法では、酸化処理システム1の処理室2内の酸化処理剤(オゾンガス)が当該処理対象表面に到達して、当該処理対象表面が酸化されることとなる。
したがって、酸化処理方法によれば、酸化処理剤(オゾンガス)による処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
酸化処理方法の酸化処理剤はオゾンガスである。
このため、酸化処理方法では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露されて湿度が高くなるため、オゾンによる処理対象表面の殺菌効果を向上させることができる。
酸化処理方法は、結露除去工程(ステップS13)を具備し、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行う。
このように、酸化処理方法では、酸化処理システム1の結露除去装置22によって処理室2内の処理対象表面の結露を除去するため、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤(オゾンガス)によって酸化させる処理の後に処理対象表面の結露を拭取る等の処理が不要となる。
したがって、酸化処理方法によれば、酸化処理方法が処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を処理対象表面に結露が生じた状態で行う構成であっても、当該処理対象表面を酸化させる処理の後処理の繁雑さを解消することができる。
酸化処理方法の結露発生工程(ステップS11)は酸化処理システム1の、処理室2内の温度を低下させることによって行われる。
そして、酸化処理方法は、酸化処理システム1の結露発生装置21を作動させて処理室2内の温度を低下させて処理室2内の処理対象表面を冷却して、当該処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる(ステップS11)。
このようにして、酸化処理方法では、容易に、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
酸化処理方法の結露除去工程(ステップS13)は、酸化処理システム1の処理室2内の温度を上昇させることによって行われる。
そして、酸化処理方法は、結露除去装置22を作動させて処理室2内の温度を上昇させて処理室2内の処理対象表面を加熱して、処理室2内の当該処理対象表面の結露を除去させる(ステップS13)。
このようにして、酸化処理方法では、容易に、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去させることができる。
次に、第二実施形態に係る酸化処理システム1について、図4乃至図12を用いて説明する。
なお、第二実施形態に係る酸化処理システム1の説明は、第一実施形態に係る酸化処理システム1と同様の構成の部分については適宜省略し、第一実施形態に係る酸化処理システム1の構成と異なる部分を中心に説明する。
酸化処理システム1で用いられる酸化処理剤は、オゾンガスおよび過酸化水素(H2O2)ガスである。
酸化処理システム1は、図4に示すように、処理室2と、オゾンガス発生装置3と、過酸化水素ガス発生装置4と、ファン5と、結露発生装置21と、結露除去装置22と、を具備する。
酸化処理システム1の処理室2は、排気口2aにオゾン分解触媒および過酸化水素分解触媒が設けられて構成される。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3と、過酸化水素ガス発生装置4と、ファン5とは、処理室2外に配置される。
酸化処理システム1の処理室2内では、オゾンガスと過酸化水素ガスとを用いて処理対象表面が酸化処理される。
処理対象とは、オゾンガスと過酸化水素ガスとを用いてその表面が酸化処理されるものを示す。
酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4は、過酸化水素ガスを発生させる装置である。
酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4は、過酸化水素水(例えば、35wt%過酸化水素水)を蒸発させて、過酸化水素ガスを発生させるように構成される。なお、酸化処理システム1では、過酸化水素ガス発生装置4において過酸化水素ガスを発生するために用いられる過酸化水素水は、求められる効果、用途、または、過酸化水素ガス発生装置4の仕様等に応じて、適切な濃度のものが選択されて用いられてもよい。
酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4と処理室2内とが過酸化水素ガス供給管7を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1のファン5は、過酸化水素ガス発生装置4に外気を供給して、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に、当該外気とともに過酸化水素ガスを供給するものである。
酸化処理システム1のファン5は、処理室2外に配置される。酸化処理システム1のファン5は、過酸化水素ガス発生装置4の上流側に配置される。
酸化処理システム1は、ファン5と過酸化水素ガス発生装置4とが配管8を介して接続されて、構成される。
そして、酸化処理システム1は、ファン5が作動することによって、配管8を介してファン5から過酸化水素ガス発生装置4に外気が供給され、当該外気とともに過酸化水素ガス発生装置4で発生された過酸化水素ガスが過酸化水素ガス供給管7を介して過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に供給されるように、構成される。
また、酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3の供給ポンプや酸素発生装置等が作動することによって、オゾンガス発生装置3で発生されたオゾンガスがオゾンガス供給管6を介してオゾンガス発生装置3から処理室2内に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、過酸化水素ガスまたはオゾンガスが処理室2内に供給されることによって、処理室2内の気体(過酸化水素、オゾン、酸素等)が処理室2の排気口2aから排気されるように構成される。
次に、第二実施形態に係る酸化処理システム1における処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う一連の動作について説明する。
前記酸化処理システム1の一連の動作は、図5に示すように、結露発生工程(ステップS21)と、酸化処理工程(ステップS22)と、結露除去工程(ステップS23)と、を具備するものである。
ステップS21は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS21において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS22に移行する。
なお、ステップS21は、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガス(酸化処理剤)を供給して、過酸化水素ガスが含む水分によって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うこともできる。
ステップS22は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS22では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS21)で、過酸化水素ガスおよび/またはオゾンガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS22は、図6に示すように、促進酸化処理工程(ステップS221)を備える。
ステップS221は、過酸化水素ガスの過酸化水素とオゾンガスのオゾンとが反応して生成されるラジカルによって処理室2内の処理対象表面を酸化させる工程である。
ステップS221では、酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4からの過酸化水素ガスと、オゾンガス発生装置3からのオゾンガスと、をそれぞれ処理室2内に供給して、処理室2内においてラジカルを生成して、処理対象表面の促進酸化(AOP(Advanced Oxidation Process))が行われる。促進酸化とは、ラジカルを利用して処理対象表面の有機物またはその他の物質を分解するものであることが知られている。
ステップS221では、酸化処理システム1の処理室2内に過酸化水素ガスとオゾンガスとが供給されると、処理室2内で過酸化水素とオゾンとが反応して、処理室2でラジカルが生成される。前記オゾンと過酸化水素とが反応して生成されるラジカルには、OHラジカル(ヒドロキシカルラジカル)がある。
そして、ステップS221では、前記酸化処理システム1の処理室2内で生成されたラジカルによって処理対象表面が酸化されることとなる。
このようにして、ステップS22(ステップS221)において処理対象表面を酸化させる。
ステップS22(ステップS221)において処理対象表面を酸化させ後、ステップS23に移行する。
ステップS23は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS23では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を過酸化水素ガスまたはオゾンガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS22)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガスの過酸化水素とオゾンガスのオゾンとが反応して生成されるラジカルによって、処理室2の処理対象表面を酸化させる(ステップS221)ように構成される。
つまり、酸化処理システム1は、過酸化水素とオゾンとが水中に溶解された処理水中に処理対象を浸漬させて、処理対象表面の酸化処理(促進酸化)を行うものではない。
このため、酸化処理システム1では、処理対象が処理水中に浸漬させることに適さないもの(例えば、電子部品や電気製品等)であっても、前記多量の水分によって当該処理対象が故障することを防止することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、処理水中に処理対象を浸漬させて酸化処理を行うことに適さない処理対象であっても、容易に、ラジカルによる処理対象表面の酸化を行うことができる。
また、ステップS22は、図7に示すように、促進酸化処理工程(ステップS221)に加えて、過酸化水素処理工程(ステップS220)を備えることもできる。
ステップS220は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させる工程である。
ステップS220は、ステップS221の前に行われる。
ステップS220では、酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS220において酸化処理システム1の処理室2内に過酸化水素ガスが供給されると、処理室2内の過酸化水素濃度が上昇し、当該過酸化水素ガスによって処理室2内(処理室2内の処理対象表面、処理室2の内壁、および、処理室2内の雰囲気)が酸化されることとなる。また、酸化処理システム1の処理室2内において過酸化水素ガスが処理対象表面に到達すると、処理対象表面が酸化されて処理対象表面に酸化膜が形成されることとなる。
なお、酸化処理システム1では、ステップS220は、前述のように、ステップS21において処理室2内に供給された過酸化水素ガスによっても行うこともできる。つまり、酸化処理システム1では、処理室2内に供給される過酸化水素ガスが含む水分(処理室2内の水分)によって、ステップS21とステップS220とを同時に行うこともできる。
ステップS220において過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させ後、ステップS221に移行する。
このときにおけるステップS221は、ステップS220において処理対象表面を酸化させた後、オゾンガスを供給することによってラジカルを生成して当該ラジカルによって処理対象表面を酸化させる(促進酸化を行う)。
ステップS221は、ステップS220において過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後、オゾンガスを供給することによってラジカルを生成して当該ラジカルによって対象表面を酸化させる(促進酸化を行う)工程である。
ステップS221では、ステップS220において処理対象表面を酸化させた後、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給することによって、処理室2内においてラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させる。
ステップS221では、酸化処理システム1の処理室2内にオゾンガスが供給されると、処理室2内の処理対象表面または処理室内の雰囲気中に残存する過酸化水素とオゾンとが反応して、処理室2内でラジカルが生成される。
そして、ステップS221では、前記酸化処理システム1の処理室2内で生成されたラジカルによって処理対象表面が酸化されることとなる。
このようにして、ステップS22(ステップS220およびステップS221)において処理対象表面の酸化が行われる。
ステップS22(ステップS220およびステップS221)において処理対象表面を酸化させ後、ステップS23に移行する。
以上のように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給して処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給することによってラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させる(ステップS221)ように構成される。
そして、酸化処理システム1では、まず、過酸化水素処理工程(ステップS220)において過酸化水素が処理室2内で酸化反応するので、促進酸化処理工程(ステップS221)において処理室2内でのオゾンの酸化反応が抑制されることとなる。
このため、酸化処理システム1では、処理室2内において、過酸化水素と反応してラジカルを生成するためのオゾンの量を十分に確保することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、ラジカルによって処理対象表面を酸化させる処理(酸化促進処理)を効果的に行うことができる。
またこのため、酸化処理システム1では、過酸化水素と反応してラジカルを生成するために要する処理室2内へのオゾンガスの供給量を低減させることができる。
よって、酸化処理システム1では、オゾンガスの供給能力の低い小型または軽量のオゾンガス発生装置3でも、酸化処理システム1を実現することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、オゾンガス発生装置3を小型または軽量のものにして、酸化処理システム1の小型化・軽量化を図ることができる。
酸化処理システム1は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を停止した状態で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給するように構成してもよい。
また、酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給しながら過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給することによって処理室2内で前記ラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させる(ステップS221)ように構成してもよい。
このように構成することにより、酸化処理システム1では、処理室2内(処理室2内の処理対象表面、および、処理室2内の雰囲気)での過酸化水素濃度を高くすることができ、処理室2内でのラジカルの生成量を増加させることができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、ラジカルによって処理対象表面を酸化させる処理(酸化促進処理)をより効果的に行うことができる。
このとき、酸化処理システム1は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を継続して、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給するように構成してもよい。
またこのとき、酸化処理システム1は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を停止した状態で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給し、その後、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスを供給するように構成してもよい。
酸化処理システム1の結露発生装置21は、処理室2内に供給される過酸化水素ガス(酸化処理剤)の温度を上昇させることによって、処理室2内の処理対象表面に結露させる処理を行うように構成されてもよい。
このとき、酸化処理システム1の結露発生装置21は、例えば、過酸化水素ガス供給管7内の温度を上昇させる加熱装置として構成され、過酸化水素ガス供給管7内に配置される。
そして、酸化処理システム1の結露発生装置21は、結露発生装置21を作動させて過酸化水素ガス供給管7内の温度を上昇させて過酸化水素ガス供給管7内の過酸化水素ガス(酸化処理剤)の温度を上昇させて、当該処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる(ステップS21)ように構成される。
このようにして、酸化処理システム1では、容易に、処理室2内の処理対象表面に結露せることができる。
ここで、酸化処理システム1では、過酸化水素ガスとオゾンガスとを処理室2内に供給すると、多量のオゾンガスが処理室2内から排気されるため、処理室2内のオゾン濃度を高くすることが困難な場合がある。
そこで、酸化処理システム1は、図8に示すように、ファン5が外気を吸引せずに処理室2内の気体(オゾンガスまたは過酸化水素ガス)を吸引するように構成されて、処理室2内の少なくとも一部の気体(オゾンガスまたは過酸化水素ガス)が循環するように、構成してもよい。
このとき、酸化処理システム1のファン5は、処理室2内の気体を吸引して、過酸化水素ガス発生装置4に当該処理室2内の気体を供給して、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に当該処理室2内の気体とともに過酸化水素ガスを供給するように構成される。
酸化処理システム1の処理室2は、吸引口2bを備える。酸化処理システム1の処理室2の吸引口2bは、処理室2内の気体がファン5に吸引されて処理室2内から取出されるものである。
酸化処理システム1は、処理室2内の吸引口2bとファン5と吸引管14を介して接続されて、構成される。
そして、酸化処理システム1は、ファン5が作動することによって、吸引管14を介して処理室2内から処理室2内の気体がファン5に供給されて、配管8を介してファン5から過酸化水素ガス発生装置4に前記処理室2内の気体が供給され、当該処理室2内の気体とともに過酸化水素ガス発生装置4で発生された過酸化水素ガスが過酸化水素ガス供給管7を介して過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に供給されるように、構成される。
このようにして、酸化処理システム1では、処理室2内の少なくとも一部の気体がファン5に吸引されてファン5を介して循環する。そして、酸化処理システム1では、ファン5からは外気とともに過酸化水素ガスが処理室2内に供給されない(外気が処理室2内に供給されない)。
このため、酸化処理システム1では、処理室2内の気体(オゾンガス)が処理室2の排気口2aから排気され難くなる。
したがって、処理システム1によれば、多量のオゾンガスが処理室2内(排気口2a)から排気されず、容易に、処理室2内のオゾン濃度を高くすることができる。
また、図9に示すように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4が処理室2内に配置されて構成されてもよい。このとき、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス供給管7を要さず、過酸化水素ガス供給管7を備えない構成とされる。
このため、酸化処理システム1では、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給する供給管(過酸化水素ガス供給管7)を要さず、過酸化水素ガス発生装置4で発生させた過酸化水素ガスが前記供給管内で結露することが生じない。
このようにして、酸化処理システム1では、過酸化水素ガス発生装置4で発生させた過酸化水素ガスを無駄なく処理室2内に供給することができる。したがって、このように酸化処理システム1が構成されることにより、処理室2内に供給されない過酸化水素ガスが生じることを防止することができる。
また、このように酸化処理システム1が構成されることにより、酸化処理システム1の全体的な構成をコンパクトにすることができる。
なお、このときの酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4は、耐オゾン性及び耐過酸化水素性を有するように構成される。
さらに、図10に示すように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4とファン5とが処理室2内に配置されて構成されてもよい。
このとき、酸化処理システム1のファン5は、処理室2内においてオゾンガスまたは過酸化水素ガスを拡散させる拡散ファンとして構成される。つまり、酸化処理システム1は、外気を酸化水素ガス発生装置4に供給して過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に当該外気とともに過酸化水素ガスを供給するためのファンを要さない、構成とされる。
このため、酸化処理システム1では、前記ファンから外気とともに過酸化水素ガスが供給されず、処理室2内の過酸化水素ガスとオゾンガスとが処理室2の排気口2aから容易に排気されないこととなる。
したがって、酸化処理システム1によれば、容易に、処理室2内のオゾン濃度を高くすることができる。
またこのため、酸化処理システム1では、処理室2内においてオゾンガスがファン5によって拡散されることとなり、処理室2内の場所によってオゾン濃度のバラつきが生じることを抑制することができる。
なお、このときの酸化処理システム1のファン5は、耐オゾン性及び耐過酸化水素性を有するように構成される。
また、図11に示すように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4とオゾンガス発生装置3とが処理室2内に配置されて構成されてもよい。
このとき、酸化処理システム1は、オゾンガス供給管6を要さず、オゾンガス供給管6を備えない構成とされる。
したがって、このように酸化処理システム1が構成されることにより、酸化処理システム1の全体的な構成をさらにコンパクトにすることができる。
また、図12に示すように、酸化処理システム1は、過酸化水素ガス発生装置4とオゾンガス発生装置3とファン5とが処理室2内に配置されて構成されてもよい。
このとき、酸化処理システム1のファン5は、処理室2内においてオゾンガスまたは過酸化水素ガスを拡散させる拡散ファンとして構成される。つまり、酸化処理システム1は、外気を酸化水素ガス発生装置4に供給して過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に当該外気とともに過酸化水素ガスを供給するためのファンを要さない、構成とされる。
このため、酸化処理システム1では、前記ファンから外気とともに過酸化水素ガスが供給されず、処理室2内の過酸化水素ガスとオゾンガスとが処理室2の排気口2aから容易に排気されないこととなる。
したがって、酸化処理システム1によれば、容易に、処理室2内のオゾン濃度を高くすることができる。
またこのため、酸化処理システム1では、処理室2内においてオゾンガスがファン5によって拡散されることとなり、処理室2内の場所によってオゾン濃度のバラつきが生じることを抑制することができる。
また、酸化処理システム1の酸化処理剤はオゾンガスおよび過酸化水素ガスである。
そして、酸化処理システム1は、結露発生工程(ステップS21)において、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給することによって処理室2内の湿度を過酸化水素ガスが含む水分によって上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS21)を行うことにより、酸化処理システム1では、前記処理室2内に供給される過酸化水素ガスが含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3が紫外線式オゾンガス発生装置の場合には、他のものに比べて圧力損失が少ないため、供給ポンプに代えてファンを用いてオゾンガス発生装置3を構成することができ、オゾンガス発生装置3を耐オゾン性及び耐過酸化水素性有するように構成することを容易に行うことができる。
次に、本発明の実施形態に係る、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる酸化処理方法について、図5乃至図7を用いて説明する。
酸化処理方法は、図5に示すように、結露発生工程(ステップS21)と、酸化処理工程(ステップS22)と、結露除去工程(ステップS23)と、を具備する。
ステップS21は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS21において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS22に移行する。
ステップS22は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS22では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS21)で、過酸化水素ガスまたはオゾンガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS22は、図6に示すように、促進酸化処理工程(ステップS221)を備える。
ステップS221は、過酸化水素ガスの過酸化水素とオゾンガスのオゾンとが反応して生成されるラジカルによって処理室2内の処理対象表面を酸化させる工程である。
ステップS221では、酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4からの過酸化水素ガスと、オゾンガス発生装置3からのオゾンガスと、をそれぞれ処理室2内に供給して、処理室2内においてラジカルを生成して、処理対象表面の促進酸化が行われる。
ステップS221では、酸化処理システム1の処理室2内に過酸化水素ガスとオゾンガスとが供給されると、処理室2内で過酸化水素とオゾンとが反応して、処理室2内でラジカルが生成される。
そして、ステップS221では、前記酸化処理システム1の処理室2内で生成されたラジカルによって処理対象表面が酸化されることとなる。
このようにして、ステップS22(ステップS221)において処理対象表面を酸化させる。
ステップS22(ステップS221)において処理対象表面を酸化させ後、ステップS23に移行する。
ステップS23は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS23では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を過酸化水素ガスまたはオゾンガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS22)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理方法では、過酸化水素ガスの過酸化水素とオゾンガスのオゾンとが反応して生成されるラジカルによって、処理室2の処理対象表面を酸化させる(ステップS221)。
つまり、酸化処理方法は、過酸化水素とオゾンとが水中に溶解された処理水中に処理対象を浸漬させて、処理対象表面の酸化処理(促進酸化)を行うものではない。
このため、酸化処理方法では、処理対象が処理水中に浸漬させることに適さないもの(例えば、電子部品や電気製品等)であっても、前記多量の水分によって当該処理対象が故障することを防止することができる。
したがって、酸化処理方法によれば、処理水中に処理対象を浸漬させて酸化処理を行うことに適さない処理対象であっても、容易に、ラジカルによる処理対象表面の酸化を行うことができる。
また、ステップS22は、図7に示すように、促進酸化処理工程(ステップS221)に加えて、過酸化水素処理工程(ステップS220)を備えることもできる。
ステップS220は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させる工程である。
ステップS220は、ステップS221の前に行われる。
ステップS220では、酸化処理システム1の過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS220において酸化処理システム1の処理室2内に過酸化水素ガスが供給されると、処理室2内の過酸化水素濃度が上昇し、当該過酸化水素ガスによって処理室2内(処理室2内の処理対象表面、処理室2の内壁、および、処理室2内の雰囲気)が酸化されることとなる。また、酸化処理システム1の処理室2内において過酸化水素ガスが処理対象表面に到達すると、処理対象表面が酸化されて処理対象表面に酸化膜が形成されることとなる。
ステップS220において過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させ後、ステップS221に移行する。
このときにおけるステップS221は、ステップS220において処理対象表面を酸化させた後、オゾンガスを供給することによってラジカルを生成して当該ラジカルによって処理対象表面を酸化させる(促進酸化を行う)。
ステップS221では、ステップS220において処理対象表面を酸化させた後、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給することによって、処理室2内においてラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させる。
ステップS221では、酸化処理システム1の処理室2内にオゾンガスが供給されると、処理室2内の処理対象表面または処理室内の雰囲気中に残存する過酸化水素とオゾンとが反応して、処理室2内でラジカルが生成される。
そして、ステップS221では、前記酸化処理システム1の処理室2内で生成されたラジカルによって処理対象表面が酸化されることとなる。
このようにして、ステップS22(ステップS220およびステップS221)において処理対象表面の促進酸化が行われる。
ステップS22(ステップS220およびステップS221)において処理対象表面を酸化させ後、ステップS23に移行する。
以上のように、酸化処理方法は、過酸化水素処理工程(ステップS220)と、促進酸化処理工程(ステップS221)と、を具備し、過酸化水素ガスとオゾンガスとを用いて処理対象表面を酸化させる処理を行う。つまり、酸化処理方法は、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給して処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給することによってラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させる(ステップS221)。
そして、酸化処理方法では、まず、過酸化水素処理工程(ステップS220)において過酸化水素が処理室2内で酸化反応するので、促進酸化処理工程(ステップS221)において処理室2内でのオゾンの酸化反応が抑制されることとなる。
このため、酸化処理システム1では、処理室2内において、過酸化水素と反応してラジカルを生成するためのオゾンの量を十分に確保することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、ラジカルによって処理対象表面を酸化させる処理(酸化促進処理)を効果的に行うことができる。
またこのため、酸化処理方法では、過酸化水素と反応してラジカルを生成するために要する酸化処理システム1の処理室2内へのオゾンガスの供給量を低減させることができる。
よって、酸化処理方法では、オゾンガスの供給能力の低い小型または軽量のオゾンガス発生装置3でも、酸化処理方法を行うことができる。
酸化処理方法の促進酸化処理工程(ステップS221)は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を停止した状態で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給して行ってもよい。
また、酸化処理方法の促進酸化処理工程(ステップS221)は、酸化処理装置1のオゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給しながら過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に過酸化水素ガスを供給することによって処理室2内で前記ラジカルを生成して、前記ラジカルによって処理対象表面を酸化させるように行ってもよい。
このように促進酸化処理工程(ステップS221)を行うことにより、酸化処理方法では、酸化処理システム1の処理室2内(処理室2内の処理対象表面、および、処理室2内の雰囲気)での過酸化水素濃度を高くすることができ、処理室2内でのラジカル生成量を増加させることができる。
したがって、酸化処理方法によれば、ラジカルによって処理対象表面を酸化させる処理(酸化促進処理)を効果的に行うことができる。
このとき、酸化処理方法の促進酸化処理工程(ステップS221)は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を継続して、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給するように行ってもよい。
またこのとき、酸化処理方法の促進酸化処理工程(ステップS221)は、過酸化水素ガスによって処理対象表面を酸化させた後(ステップS220)、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスの供給を停止した状態で、オゾンガス発生装置3から処理室2内にオゾンガスを供給し、その後、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内への過酸化水素ガスを供給するように行ってもよい。
酸化処理方法の結露発生工程(ステップS21)は、酸化処理システム1の処理室2内に供給される過酸化水素ガス(酸化処理剤)の温度を上昇させることによって行われてもよい。
このとき、酸化処理システム1の結露発生装置21は、例えば、過酸化水素ガス供給管7内の温度を上昇させる加熱装置として構成され、過酸化水素ガス供給管7内に配置される。
そして、酸化処理方法では、酸化処理システム1の結露発生装置21を作動させて過酸化水素ガス供給管7内の温度を上昇させて過酸化水素ガス供給管7内の過酸化水素ガス(酸化処理剤)の温度を上昇させて、当該処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる(ステップS21)。
このようにして、酸化処理方法では、容易に、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露せることができる。
また、酸化処理方法の酸化処理剤はオゾンガスおよび過酸化水素ガスである。
そして、酸化処理方法では、結露発生工程(ステップS21)において、過酸化水素ガス発生装置4から処理室2内に供給することによって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS21)を行うことにより、酸化処理方法によれば、前記処理室2内に供給される過酸化水素ガスが含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
次に、第三実施形態に係る酸化処理システム1について、図13乃至図15を用いて説明する。
なお、第三実施形態に係る酸化処理システム1の説明は、第一実施形態および第二実施形態に係る酸化処理システム1と同様の構成の部分については適宜省略し、第一実施形態および第二実施形態に係る酸化処理システム1の構成と異なる部分を中心に説明する。
酸化処理システム1で用いられる酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素ガスとの混合ガスである。
酸化処理システム1は、図13に示すように、処理室2と、オゾンガス発生装置3と、過酸化水素ガス発生装置4と、ファン5と、混合器30と、結露発生装置21と、結露除去装置22と、を具備する。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3と、過酸化水素ガス発生装置4と、混合器30と、ファン5とは、処理室2外に配置される。
酸化処理システム1の処理室2内では、過酸化水素ガスとオゾンガスとの混合ガス(酸化処理剤)を用いて、処理対象表面が酸化処理される。
処理対象とは、過酸化水素ガスとオゾンガスとの混合ガスを用いてその表面が酸化処理されるものを示す。
酸化処理システム1のファン5は、過酸化水素ガス発生装置4に外気を供給して、過酸化水素ガス発生装置4から混合器30に、当該外気とともに過酸化水素ガスを供給するものである。
酸化処理システム1の混合器30は、オゾンガス発生装置3で発生されたオゾンガスと、過酸化水素ガス発生装置4で発生された過酸化水素ガスと、を混合させて混合ガスとし、当該混合ガスを処理室2内に供給するように構成される。酸化処理システム1の混合器30は、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとするように構成される。
酸化処理システム1の混合器30は、処理室2の上流側に配置される。酸化処理システム1の混合器30は、オゾンガス発生装置3および過酸化水素ガス発生装置4の下流側に配置される。
酸化処理システム1は、混合器30と処理室2内とが混合ガス供給管9を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1の混合器30は、例えば図14に示すように、円筒部材31と複数個の混合羽根32とを備え、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとするスタテックミキサとして構成される。
ここで、混合ガスは、オゾンガスと過酸化水素ガスとが混合されてなるものである。
混合ガスでは、オゾンガスと過酸化水素ガスとが反応してラジカルが生成される。
そして、酸化処理システム1は、ファン5が作動することによって、配管8を介してファン5から過酸化水素ガス発生装置4に外気が供給され、当該外気とともに過酸化水素ガス発生装置4で発生された過酸化水素ガスが過酸化水素ガス供給管7を介して過酸化水素ガス発生装置4から混合器30に供給されるように、構成される。
また、酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3の供給ポンプが作動することによって、オゾンガス発生装置3で発生されたオゾンガスがオゾンガス供給管6を介してオゾンガス発生装置3から混合器30に供給されるように、構成される。
さらに、酸化処理システム1は、オゾンガスと過酸化水素ガスとが混合器30で混合されて、当該混合ガスが混合ガス供給管9を介して混合器30から処理室2に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、混合ガスが処理室2内に供給されることによって、処理室2内の気体(過酸化水素、オゾン、酸素等)が処理室2の排気口2aから排気されるように構成される。
次に、第三実施形態に係る酸化処理システム1における処理室内2の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う一連の動作について説明する。
前記酸化処理システム1の一連の動作は、図15に示すように、混合工程(ステップS30)と、結露発生工程(ステップS31)と、酸化処理工程(ステップS32)と、結露除去工程(ステップS33)と、を具備するものである。
ステップS30は、オゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとする工程である。
ステップS30では、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3を作動させてオゾンガスを混合器30に供給するとともに、過酸化水素ガス発生装置4を作動させて過酸化水素を混合器30に供給することで、オゾンガスと過酸化水素ガスとを混合器30で混合するように行われる。このとき、酸化処理システム1の混合器30においては、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとする。
ステップS30では、オゾンガスと過酸化水素ガスとが混合器30で混合されると、混合ガスとなる。混合ガスでは、オゾンガスと過酸化水素ガスとが反応して、ラジカルが生成される。
ステップS30においてオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとした後、ステップS31に移行する。
ステップS31は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS31において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS32に移行する。
なお、ステップS31では、混合器30から処理室2内に混合ガス(酸化処理剤)を供給して、混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分によって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うともできる。
ステップS32は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS32では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS31)で、混合ガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS32において混合ガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS33に移行する。
ステップS33は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS33では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を混合ガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS32)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理システム1は、混合器30を具備する。酸化処理システム1の混合器30は、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとし、混合ガスを処理室2内に供給するように、構成される。
このため、酸化処理システム1では、オゾンガスと過酸化水素ガスとが、処理室2内で混合される場合よりもそれぞれ高い濃度で、混合器30において混合されて混合ガスとなる。
よって、酸化処理システム1では、オゾンガスと過酸化水素ガスとを処理室2内で混合させるものよりも、オゾンガスと過酸化水素ガスとの混合効率を向上させることができ、ラジカルを効率よく生成することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、処理室2内に供給された混合ガスのラジカルによる処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
またこのように、酸化処理システム1では、ラジカルが効率よく生成されるので、オゾンガスと過酸化水素ガスとを処理室2内で混合させるものよりも、処理室2から排気されるオゾンの量と過酸化水素の量がそれぞれ少なくなり、処理室2の排気口2aから排気されるオゾンと過酸化水素との量を減少させることができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、処理室2の排気口2aに設けられる過酸化水素分解触媒およびオゾン分解触媒を少なくすることができる。
酸化処理システム1の酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素ガスとの混合ガスである。
そして、酸化処理システム1では、結露発生工程(ステップS31)において、混合器30から処理室2内に混合ガスを供給することによって処理室2内の湿度を混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分によって上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS31)を行うことにより、酸化処理システム1では、前記処理室2内に供給される混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる酸化処理方法について、図15を用いて説明する。
酸化処理方法は、図15に示すように、混合工程(ステップS30)と、結露発生工程(ステップS31)と、酸化処理工程(ステップS32)と、結露除去工程(ステップS33)と、を具備する。
ステップS30は、オゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとする工程である。
ステップS30では、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3を作動させてオゾンガスを混合器30に供給するとともに、過酸化水素ガス発生装置4を作動させて過酸化水素を混合器30に供給することで、オゾンガスと過酸化水素ガスとを混合器30で混合するように行われる。このとき、酸化処理システム1の混合器30においては、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとする。
ステップS30では、オゾンガスと過酸化水素ガスとが混合器30で混合されると、混合ガスとなる。混合ガスでは、オゾンガスと過酸化水素ガスとが反応して、ラジカルが生成される。
ステップS30においてオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとした後、ステップS31に移行する。
ステップS31は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS31において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS32に移行する。
なお、ステップS31では、混合器30から処理室2内に混合ガス(酸化処理剤)を供給して、混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分によって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うともできる。
ステップS32は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS32では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS31)で、混合ガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS32において混合ガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS33に移行する。
ステップS33は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS33では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を混合ガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS32)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理方法は、混合工程(ステップS30)を具備する。酸化処理方法は、混合工程では、処理室2内よりも狭い空間(混合器30)内でオゾンガスと過酸化水素ガスとを混合させて混合ガスとし、混合ガスを処理室2内に供給する。
このため、酸化処理方法では、オゾンガスと過酸化水素ガスとが、処理室2内で混合される場合よりもそれぞれ高い濃度で、混合器30において混合されて混合ガスとなる。
よって、酸化処理方法は、では、オゾンガスと過酸化水素ガスとを処理室2内で混合させるものよりも、オゾンガスと過酸化水素ガスとの混合効率を向上させることができ、ラジカルを効率よく生成することができる。
したがって、酸化処理方法は、によれば、処理室2内に供給された混合ガスのラジカルによる処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
酸化処理システム1の酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素ガスとの混合ガスである。
そして、酸化処理システム1では、結露発生工程(ステップS31)において、混合器30から処理室2内に混合ガスを供給することによって処理室2内の湿度を混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分によって上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS31)を行うことにより、酸化処理システム1では、前記処理室2内に供給される混合ガスの過酸化水素ガスが含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
次に、第四実施形態に係る酸化処理システム1について、図16乃至図20を用いて説明する。
なお、第四実施形態に係る酸化処理システム1の説明は、第一実施形態、第二実施形態、および、第三実施形態に係る酸化処理システム1と同様の構成の部分については適宜省略し、第一実施形態、第二実施形態、および、第三実施形態に係る酸化処理システム1の構成と異なる部分を中心に説明する。
酸化処理システム1で用いられる酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体である。
酸化処理システム1は、図16に示すように、処理室2と、オゾンガス発生装置3と、コンプレッサ10と、混合器40と、貯留槽11と、ノズル50と、結露発生装置21と、結露除去装置22と、を具備する。
酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3と、過酸化水素ガス発生装置4と、混合器40と、ファン5とは、処理室2外に配置される。
酸化処理システム1の処理室2内では、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体(酸化処理剤)を用いて、処理対象表面が酸化処理される。
処理対象とは、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体を用いてその表面が酸化処理されるものを示す。
酸化処理システム1のコンプレッサ10は、空気圧縮機であり、圧縮された空気流を吐出可能に構成される。
酸化処理システム1のコンプレッサ10は、処理室2およびノズル50の上流側に配置される。
酸化処理システム1の混合器40は、オゾンガス発生装置3で発生されたオゾンガスと、コンプレッサ10から吐出される空気と、を混合させて混合気とし、当該混合気(オゾンガス)をノズル50に供給するように構成される。酸化処理システム1の混合器40は、処理室2内よりも狭い空間内でオゾンガスと空気とを混合させて混合気とするように構成される。
酸化処理システム1の混合器40は、処理室2およびノズル50の上流側に配置される。酸化処理システム1の混合器40は、オゾンガス発生装置3およびコンプレッサ10の下流側に配置される。
酸化処理システム1の貯留槽11は、過酸化水素水が貯留されるものである。
酸化処理システム1の貯留槽11には、高濃度の過酸化水素水(例えば、35wt%過酸化水素水)が貯留される。なお、酸化処理システム1では、過酸化水素ガス発生装置4において過酸化水素ガスを発生するために用いられる過酸化水素水は、求められる効果、用途、または、過酸化水素ガス発生装置4の仕様等に応じて、適切な濃度のものが選択されて用いられてもよい。
酸化処理システム1の貯留槽11は、処理室2およびノズル50の上流側に配置される。酸化処理システム1の貯留槽11は、オゾンガス発生装置3およびコンプレッサ10の下流側に配置される。
酸化処理システム1のノズル50は、二流体ノズルであり、混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体として、当該混合流体(過酸化水素水)を霧化して処理室2内に噴霧するように構成される。酸化処理システム1のノズル50は、処理室2内よりも狭い空間内で混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体とするように構成される。
酸化処理システム1のノズル50は、処理室2内に配置される。酸化処理システム1のノズル50は、オゾンガス発生装置3、コンプレッサ10、混合器40、および、貯留槽11の下流側に配置される。
酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3と混合器40とがオゾンガス供給管6を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1は、コンプレッサ10と混合器40とが空気供給管14を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1は、混合器40とノズル50とが混合気供給管12を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1は、貯留槽11とノズル50とが過酸化水素水供給管13を介して接続されて、構成される。
酸化処理システム1の混合器40は、例えば、オゾンガスが空気に吸引されるようにして、オゾンガスと空気とが混合するように(アスピレータのように)構成される。
このとき、酸化処理システム1の混合器40は、図17に示すように、オゾンガス流路41と、空気流路42と、混合気流路43と、を有して構成される。
酸化処理システム1の混合器40のオゾンガス流路41は、オゾンガス供給管6を介して供給されたオゾンガスが混合器40内を流通する流路である。酸化処理システム1の空気流路42は、空気供給管14を介して供給された空気が混合器40内を流通する流路である。酸化処理システム1の混合気流路43は、混合気が混合器40内を流通して、混合気供給管12に流出する流路である。
酸化処理システム1の混合器40は、オゾンガス流路41と空気流路42とがそれぞれ混合気流路43に連通され、混合気流路43にてオゾンガスと空気とが混合されるように構成される。
酸化処理システム1の混合器40は、オゾンガス流路41と混合気流路43との連通する部分(オゾンガス流路41の終端)の開口面積が混合気流路43の断面積に比べて小さく形成されて、構成される。
酸化処理システム1のノズル50は、例えば、図18に示すように、混合気流路51と、過酸化水素水流路52と、渦流室53と、噴霧口54と、を有して構成される。
酸化処理システム1のノズル50の混合気流路51は、混合気供給管12を介して供給された混合気がノズル50内を流通する流路である。酸化処理システム1のノズル50の過酸化水素水流路52は、過酸化水素水供給管13を介して供給された過酸化水素水がノズル50内を流通する流路である。酸化処理システム1のノズル50の渦流室53は、前記ノズル50内に供給された過酸化水素水がノズル50内において渦状に旋回するように流通する流路である。酸化処理システム1のノズル50の噴霧口54は、混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とが混合されてなる混合流体(過酸化水素水)を霧化して噴霧する開口である。
酸化処理システム1のノズル50は、混合気流路51と渦流室53とが連通され、過酸化水素水流路52と渦流室53とが連通され、渦流室53と噴霧口54とが連通されて構成される。
酸化処理システム1のノズル50は、渦流室53で、混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とが混合されて混合流体とされるように構成される。また、酸化処理システム1のノズル50は、渦流室53で、旋回力が付与された過酸化水素水に混合気が吹付けられて混合流体(過酸化水素水)が霧化されて、当該霧化された混合流体が噴霧口54から噴霧されるように構成される。
そして、酸化処理システム1は、コンプレッサ10が作動することによって、空気供給管14を介してコンプレッサ10から混合器40に空気が供給されるように構成される。
酸化処理システム1は、オゾンガス発生装置3の供給ポンプが作動することによって、オゾンガス発生装置3で発生された高濃度のオゾンガスがオゾンガス供給管6を介してオゾンガス発生装置3から混合器40に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、高濃度のオゾンガスと空気とが混合器40で混合されて混合気(中濃度のオゾンガス)とされ、当該混合気が混合気供給管12を介して混合器40からノズル50に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、貯留槽11の高濃度の過酸化水素水が、高濃度の過酸化水素水のまま、過酸化水素水供給管13を介して貯留槽11からノズル50に供給されるように、構成される。
酸化処理システム1は、ノズル50で、混合気(中濃度のオゾンガス)と高濃度の過酸化水素水とが混合されて混合流体とされるとともに霧化されて、これを処理室2内に噴霧するように、構成される。
酸化処理システム1は、処理室2内の気体(過酸化水素、オゾン、酸素等)が処理室2の排気口2aから排気されるように構成される。
次に、第四実施形態に係る酸化処理システム1における処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う一連の動作について説明する。
前記酸化処理システム1の一連の動作は、図19に示すように、混合工程(ステップS40)と、結露発生工程(ステップS41)と、酸化処理工程(ステップS42)と、結露除去工程(ステップS43)と、を具備するものである。
ステップS40は、図20に示すように、オゾンガス混合工程(ステップS400)と、過酸化水素水混合工程(ステップS401)と、を備える。
ステップS400は、オゾンガスと空気とを混合させて混合気とする工程である。
ステップS400では、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3を作動させてオゾンガスを混合器40に供給するとともに、コンプレッサ10を作動させて空気を混合器40に供給することで、オゾンガスと空気とを混合器40内で混合するように行われる。
ステップS400では、オゾンガスと空気とが混合器40で混合されると、混合気となる。
ステップS400においてオゾンガスと空気とを混合させて混合気とした後、ステップS401に移行する。
ステップS401は、混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体とする工程である。
ステップS401では、混合器40から供給される混合気(オゾンガス)と貯留槽11から供給される過酸化水素水とをノズル50内で混合するように行われる。
ステップS401では、混合器40(オゾンガス)と過酸化水素水とがノズル50で混合されると、混合流体となる。混合流体では、オゾンガスと過酸化水素水とが反応して、ラジカルが生成される。
このようにして、ステップS40が行われる。
ステップS40においてオゾンガスと空気とを混合させて混合気とし(ステップS400)、当該混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体とした後(ステップS401)、ステップS41に移行する。
ステップS41は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS41において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS42に移行する。
なお、ステップS41は、混合器40から処理室2内に混合流体(酸化処理剤)を供給し、混合流体の過酸化水素水が含む水分によって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うこともできる。
ステップS42は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS42では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS41)で、混合ガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS42において混合ガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS43に移行する。
ステップS43は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS43では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を混合ガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS42)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理システム1は、ノズル50を具備する。酸化処理システム1のノズル50は、混合気(中濃度のオゾンガス)と高濃度の過酸化水素水とを混合させて混合流体として、当該混合流体(過酸化水素水)を霧化して処理室2内に噴霧するように、構成される
このため、酸化処理システム1では、濃度の高いオゾンガスと過酸化水素水とがノズル50おいて混合されて混合流体とし、処理室2に噴霧されることとなる。
よって、酸化処理システム1では、オゾンと過酸化水素とを処理室2内で混合させるものよりも、オゾンと過酸化水素との混合効率を向上させることができ、ラジカルを効率よく生成することができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、処理室2内に供給された混合流体のラジカルによる処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
またこのように、酸化処理システム1では、ラジカルが効率よく生成されるので、オゾンガスと過酸化水素水とを処理室2内で混合させるものよりも、処理室2から排気されるオゾンの量と過酸化水素の量がそれぞれ少なくなり、処理室2の排気口2aから排気されるオゾンと過酸化水素との量を減少させることができる。
したがって、酸化処理システム1によれば、処理室2の排気口2aに設けられる過酸化水素分解触媒およびオゾン分解触媒を少なくすることができる。
酸化処理システム1の酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体である。
そして、酸化処理システム1では、結露発生工程(ステップS41)において、ノズル50から処理室2内に混合流体を供給することによって処理室2内の湿度を混合流体の過酸化水素水が含む水分によって上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS41)を行うことにより、酸化処理システム1では、前記処理室2内に供給される混合流体の過酸化水素水が含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る、処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる酸化処理方法について、図19または図20を用いて説明する。
酸化処理方法は、図19に示すように、混合工程(ステップS40)と、結露発生工程(ステップS41)と、酸化処理工程(ステップS42)と、結露除去工程(ステップS43)と、を具備する。
ステップS40は、図20に示すように、オゾンガス混合工程(ステップS400)と、過酸化水素水混合工程(ステップS401)と、を備える。
ステップS400は、オゾンガスと空気とを混合させて混合気とする工程である。
ステップS400では、酸化処理システム1のオゾンガス発生装置3を作動させてオゾンガスを混合器40に供給するとともに、コンプレッサ10を作動させて空気を混合器40に供給することで、オゾンガスと空気とを混合器40内で混合するように行われる。
ステップS400では、オゾンガスと空気とが混合器40で混合されると、混合気となる。
ステップS400においてオゾンガスと空気とを混合させて混合気とした後、ステップS401に移行する。
ステップS401は、混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体とする工程である。
ステップS401では、混合器40から供給される混合気(オゾンガス)と貯留槽11から供給される過酸化水素水とをノズル50内で混合するように行われる。
ステップS401では、混合器40(オゾンガス)と過酸化水素水とがノズル50で混合されると、混合流体となる。混合流体では、オゾンガスと過酸化水素水とが反応して、ラジカルが生成される。
このようにして、ステップS40が行われる。
ステップS40においてオゾンガスと空気とを混合させて混合気とし(ステップS400)、当該混合気(オゾンガス)と過酸化水素水とを混合させて混合流体とした後(ステップS401)、ステップS41に移行する。
ステップS41は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に処理室2内の水分を結露させる工程である。
ステップS41において酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露させた後、ステップS42に移行する。
なお、ステップS41では、混合器40から処理室2内に混合流体(酸化処理剤)を供給し、混合流体の過酸化水素水が含む水分によって処理室2内の湿度を上昇させた状態で行うこともできる。
ステップS42は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う工程である。
ステップS42では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面に結露が生じた状態(ステップS41)で、混合ガス(酸化処理剤)を処理室2内に供給して、処理室2内の処理対象表面を酸化させるように行われる。
ステップS42において混合ガス(酸化処理剤)によって処理対象表面を酸化させ後、ステップS43に移行する。
ステップS43は、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面の結露を除去する工程である。
ステップS43では、酸化処理システム1の処理室2内の処理対象表面を混合ガス(酸化処理剤)によって酸化させる処理(ステップS42)を行った後、結露除去装置22を作動させて処理室2内の処理対象表面の結露を除去するように行われる。
以上のように、酸化処理方法は、過酸化水素水混合工程(ステップS401)と、酸化処理工程(ステップS42)と、を具備する。そして、酸化処理方法では、酸化処理システム1のノズル50において、混合気(中濃度のオゾンガス)と高濃度の過酸化水素水とを混合させて混合流体とし(ステップS401)、当該混合流体(過酸化水素水)を霧化して処理室2内に噴霧する(ステップS42)。
このため、酸化処理方法では、濃度の高いオゾンガスと過酸化水素水とがノズル50おいて混合されて混合流体とし、処理室2に噴霧されることとなる。
よって、酸化処理方法では、オゾンと過酸化水素とを処理室2内で混合させるものよりも、オゾンと過酸化水素との混合効率を向上させることができ、ラジカルを効率よく生成することができる。
したがって、酸化処理方法によれば、処理室2内に供給された混合流体のラジカルによる処理対象表面の酸化処理効果を確実に得ることができる。
酸化処理方法の酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体である。
酸化処理方法の酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体である。
そして、酸化処理方法では、結露発生工程(ステップS41)において、混合器40から処理室2内に混合流体を供給することによって処理室2内の湿度を混合流体の過酸化水素水が含む水分によって上昇させた状態で行うこともできる。
このように結露発生工程(ステップS41)を行うことにより、酸化処理システム1では、前記処理室2内に供給される混合流体の過酸化水素水が含む水分を利用して、より確実に、処理室2内の処理対象表面に結露させることができる。
1 酸化処理システム
2 処理室
3 オゾンガス発生装置
4 過酸化水素ガス発生装置
5 ファン
10 コンプレッサ
11 貯留槽
21 結露発生装置
22 結露除去装置
30 混合器
40 混合器
50 ノズル

Claims (10)

  1. 処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う、酸化処理剤を用いた酸化処理方法であって、
    前記処理室内の処理対象表面に前記処理室内の水分を結露させる結露発生工程を具備し、
    前記処理室内の処理対象表面に結露が生じた状態で、前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行う、
    酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  2. 前記結露発生工程は、前記処理室内の温度を低下させることによって行われる、
    請求項1に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  3. 前記結露発生工程は、前記処理室内に供給される酸化処理剤の温度を上昇させることによって行われる、
    請求項1に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  4. 前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行った後、前記処理室内の処理対象表面の結露を除去する結露除去工程を具備する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  5. 前記結露除去工程は、前記処理室内の温度を上昇させることによって行われる、
    請求項4に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  6. 前記酸化処理剤は、過酸化水素ガスとオゾンガスとの混合ガスである、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  7. 前記酸化処理剤は、オゾンガスと過酸化水素水との混合流体である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  8. 前記酸化処理剤は、オゾンガスである、
    請求項1、請求項2、請求項4、または、請求項5のいずれか一項に記載の酸化処理剤を用いた酸化処理方法。
  9. 処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行うように構成される、酸化処理システムであって、
    前記処理室内の処理対象表面に前記処理室内の水分を結露させる結露発生装置を具備し、
    前記処理室内の処理対象表面に結露が生じた状態で、前記処理室内の処理対象表面を前記酸化処理剤によって酸化させる処理を行うように構成される、
    酸化処理システム。
  10. 前記処理室内の処理対象表面を酸化処理剤によって酸化させる処理を行った後、前記処理室内の処理対象表面の結露を除去する結露除去装置を具備する、
    請求項9に記載の酸化処理システム。
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