JP2002299310A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2002299310A
JP2002299310A JP2001095537A JP2001095537A JP2002299310A JP 2002299310 A JP2002299310 A JP 2002299310A JP 2001095537 A JP2001095537 A JP 2001095537A JP 2001095537 A JP2001095537 A JP 2001095537A JP 2002299310 A JP2002299310 A JP 2002299310A
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pure water
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vapor
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JP2001095537A
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Masahiro Motomura
雅洋 基村
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Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】IPA等の有機溶剤の供給用配管における結露
を防止し、有機溶剤の蒸気の純水への溶解を防止してパ
ーティクルの転写を抑制する。 【解決手段】純水による洗浄処理が終了した基板の乾燥
処理を行う基板処理装置であって、純水を貯留し、純水
中に基板Wを浸漬して洗浄処理を行う処理槽20と、処
理槽を収容する収容器10と、収容器10内に設けら
れ、収容器10内に高温の窒素ガスを供給するととも
に、高温の窒素ガスの供給後にIPAの蒸気を供給して
処理槽20の上方にIPAの蒸気を含む雰囲気を形成す
る第1供給ノズル40と、収容器10内の第1供給ノズ
ル40よりも下方に設けられ、略水平方向にガスを吐出
して前記処理槽の純水の表面を覆う気流を形成する第2
供給ノズル50と、洗浄処理が終了した基板Wを処理槽
20から気流を通過させてIPAの蒸気を含む雰囲気中
に引き上げる昇降機構30と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純水による洗浄処
理が終了した半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、
フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以
下、単に「基板」と称する)の乾燥処理を行う基板処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板の製造工程においては、
フッ酸等の薬液による処理および純水による洗浄処理を
順次行った後、純水から基板を引き出しつつイソプロピ
ルアルコール(以下、「IPA」と称する)等の有機溶
剤の蒸気を基板の周辺に供給して乾燥処理を行う基板処
理装置が用いられている。特に、基板上に形成されるパ
ターンの構造の複雑化、微細化が進展している近年にお
いては、IPAの蒸気を供給しつつ純水から基板を引き
揚げる引き上げる乾燥方式が主流になりつつある。
【0003】従来の引き揚げ乾燥方式の基板処理装置
は、純水による洗浄処理を行う処理槽を収容器の内部に
収容している。処理槽における洗浄処理終了後に、IP
A供給用配管を介して収容器の内部にIPA蒸気を供給
し、処理槽の上方にIPAの雰囲気を形成する。その
後、処理槽に貯留されている純水からIPA雰囲気中に
基板を引き上げる。この過程において基板に付着した純
水がIPAに置換され、IPAが蒸発することによって
基板の乾燥処理が行われることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
引き上げ乾燥方式の基板処理装置においては、処理槽の
上方に供給されたIPA蒸気が処理槽内部の純水に溶解
することによって基板間にてパーティクルの転写が生じ
るという問題がある。
【0005】また、IPAが収容器の内部へ供給される
際に、IPA供給用配管にIPAが結露してしまうとい
う問題もある。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、IPA等の有機溶剤の供給用配管における結露
を防止し、有機溶剤の蒸気の純水への溶解を防止してパ
ーティクルの転写を抑制することができる基板処理装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の基板処理装置は、純水による洗浄
処理が終了した基板の乾燥処理を行う基板処理装置であ
って、純水を貯留し、純水中に基板を浸漬して洗浄処理
を行う処理槽と、前記処理槽を収容する収容器と、前記
収容器内に設けられ、前記収容器内に高温の不活性ガス
を供給するとともに、高温の不活性ガスの供給後に有機
溶剤の蒸気を供給して前記処理槽の上方に有機溶剤の蒸
気を含む雰囲気を形成する第1供給手段と、前記収容器
内の前記第1供給手段よりも下方に設けられ、略水平方
向にガスを吐出して前記処理槽の純水の表面を覆う気流
を形成する第2供給手段と、前記洗浄処理が終了した基
板を前記処理槽から前記気流を通過させて前記有機溶剤
の蒸気を含む雰囲気中に引き上げる引き上げ手段と、を
備えることを特徴とするものである。なお、ここでいう
「高温」とは、結露防止のため50℃以上、有機溶剤の
性質により200℃以下に、さらに望ましくは90℃〜
150℃の温度をいう。
【0008】また、請求項2に記載の基板処理装置は、
請求項1記載の基板処理装置において、前記第1供給手
段が、イソプロピルアルコールの蒸気を吐出して前記処
理槽の上方にイソプロピルアルコールの蒸気を含む雰囲
気を形成することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項3に記載の基板処理装置は、
請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1供給
手段によりイソプロピルアルコールの蒸気を吐出してい
る際に、前記第2供給手段が、不活性ガスを供給するこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、請求項4に記載の基板処理装置は、
請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1供給
手段により高温の不活性ガスを供給している際に、前記
第2供給手段が、不活性ガスを供給するとともに、前記
第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気を吐
出している際に、前記第2供給手段が、イソプロピルア
ルコールの蒸気を吐出していることを特徴とするもので
ある。
【0011】また、請求項5に記載の基板処理装置は、
請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1供給
手段によりイソプロピルアルコールの蒸気を吐出してい
る際に、前記第2供給手段が、二酸化炭素を供給するこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、請求項6に記載の基板処理装置は、
請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1供給
手段により高温の不活性ガスを供給している際に、前記
第2供給手段が、不活性ガスを供給するとともに、前記
第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気を吐
出している際に、前記第2供給手段が、高温の不活性ガ
スを供給していることを特徴とするものである。
【0013】さらに、請求項7に記載の基板処理装置
は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記第1
供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気を吐出し
ている際に、前記第2供給手段が、液体窒素を供給する
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0015】<1.第1実施形態>図1は本発明にかか
る基板処理装置の正面図である。また、図2は図1の基
板処理装置の平面図である。なお、図1および以下の各
図にはそれらの方向関係を明確にするため、XY平面を
水平面としZ軸方向を鉛直方向とするXYZ直交座標系
を適宜付している。
【0016】この基板処理装置は、純水による洗浄処理
が終了した基板をIPAにより乾燥させる装置であっ
て、主として収容器10と、処理槽20と、昇降機構3
0と、第1供給ノズル40と、第2供給ノズル50とを
備えている。
【0017】処理槽20は、フッ酸等の薬液または純水
(以下、これらを総称して「処理液」とする)を貯留し
て基板に順次表面処理を行う槽であり、収容器10の内
部に収容されている。処理槽20の底部近傍には処理液
吐出ノズル(図示省略)が配置されており、図外の処理
液供給源からその処理液吐出ノズルを介して処理槽20
内に処理液を供給することができる。処理液は処理槽2
0の底部から供給されて処理槽20の上端部から溢れ出
る。また、処理槽20には図示を省略する急速排液機構
も設けられており、処理槽20内に貯留されている処理
液を強制的に急速に排出することもできる。
【0018】収容器10は、その内部に処理槽20、昇
降機構30、第1供給ノズル40、第2供給ノズル50
等を収容する筐体である。収容器10の上部は図示を省
略するスライド式開閉機構によって開閉可能とされてい
る。収容器10の上部を開放した状態では、その開放部
分から基板の搬出入を行うことができる。一方、収容器
10の上部を閉鎖した状態では、その内部を密閉空間と
することができる。
【0019】昇降機構30は、処理槽20に貯留されて
いる処理液に一組の複数の基板W(ロット)を浸漬させ
る機構である。昇降機構30は、リフター31と、リフ
ターアーム32と、基板Wを保持する3本の保持棒3
3、34、35とを備えている。3本の保持棒33、3
4、35のそれぞれには基板Wの外縁部がはまり込んで
基板Wを起立姿勢にて保持する複数の保持溝が所定間隔
にてX方向に配列して設けられている。それぞれの保持
溝は、切欠状の溝である。3本の保持棒33、34、3
5はリフターアーム32に固設され、リフターアーム3
2はリフター31によって鉛直方向(Z方向)に昇降可
能に設けられている。
【0020】このような構成により、昇降機構30は3
本の保持棒33、34、35によってX方向に相互に平
行に配列されて保持された複数の基板Wを処理槽20に
貯留されている処理液に浸漬する位置(図1の実線位
置)とその処理液から引き揚げた位置(図1の2点鎖線
位置)との間で昇降させることができる。なお、リフタ
ー31には、リフターアーム32を昇降させる機構とし
て、ボールネジを用いた送りネジ機構やプーリやベルト
を用いたベルト機構など種々の公知の機構を採用するこ
とが可能である。また、昇降機構30を図1の2点鎖線
位置に位置させるとともに、収容器10の上部を開放す
ることにより、装置外部の基板搬送ロボットと昇降機構
30との間で基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0021】また、収容器10の内部には2本の第1供
給ノズル40が設けられている。2本の第1供給ノズル
40は、それぞれ第2供給ノズル50の上方に設けられ
ている。第1供給ノズル40のそれぞれは、X方向に沿
って伸びる中空の管状部材であり、X方向に等間隔にて
配列された複数の吐出孔41を備えている。複数の吐出
孔41のそれぞれは、吐出方向を鉛直方向上側に向けて
形成されている。そして、第1供給ノズル40のそれぞ
れは、複数の吐出孔41から上方に向けて有機溶剤の蒸
気を吐出し、処理槽20の上方に当該有機溶剤の蒸気を
含む雰囲気を形成することができる。第1実施形態で
は、第1供給ノズル40からIPAの蒸気を吐出して、
処理槽20の上方にIPAの蒸気を含む雰囲気を形成す
る。
【0022】さらに、収容器10の内部であって処理槽
20の上端よりも外側上方には2本の第2供給ノズル5
0が設けられている。第2供給ノズル50は、昇降機構
30によって引き揚げられつつある複数の基板Wの両側
の側方のそれぞれに設けられている。第2供給ノズル5
0のそれぞれは、X方向に沿って伸びる中空の管状部材
であり、X方向に等間隔にて配列された複数の吐出孔5
1を備えている。複数の吐出孔51のそれぞれは、吐出
方向をY方向(水平方向)に沿った処理槽20側に向け
て形成されている。そして、第2供給ノズル50のそれ
ぞれは、複数の吐出孔51から略水平方向にガスを吐出
して処理槽20に貯留された純水の表面を覆う気流を形
成することができる。第1実施形態では、第2供給ノズ
ル50から窒素ガス(N2)を吐出して処理槽20に貯
留された純水の表面を覆う不活性ガスである窒素ガス流
を形成する。
【0023】第1供給ノズル40および第2供給ノズル
50には、収容器10外部の供給機構からIPA蒸気や
窒素ガス等を供給することができる。図3は、第1供給
ノズル40および第2供給ノズル50へのガス等の供給
機構を示す図である。第1供給ノズル40は、IPA供
給源42および窒素ガス供給源44と配管を介して接続
されている。IPAバルブ43を開放することによっ
て、IPA供給源42から第1供給ノズル40にIPA
蒸気を供給することができる。第1供給ノズル40に供
給されたIPA蒸気は、複数の吐出孔41のそれぞれか
ら上方に向けて吐出される。
【0024】また、窒素ガスバルブ46を開放すること
によって、窒素ガス供給源44から第1供給ノズル40
に窒素ガスを供給することができる。第1供給ノズル4
0に供給された窒素ガスは、複数の吐出孔41のそれぞ
れから上方に向けて吐出される。なお、本明細書におい
て単に「窒素ガス」というときには室温の窒素ガスを示
すものとする。
【0025】窒素ガス供給源44から導かれる配管の経
路途中にはヒータ45が設けられている。ヒータ45を
作動させることによって、窒素ガス供給源44から第1
供給ノズル40に供給する窒素ガスを加熱することがで
きる。なお、窒素ガス結露防止のため50℃以上、有機
溶剤の性質により200℃以下に、さらに望ましくは9
0℃〜150℃の温度に加熱される。これにより、第1
供給ノズル40の複数の吐出孔41のそれぞれから上方
に向けて高温窒素ガスを吐出することができ、IPA蒸
気の配管の経路での結露を防止できる。
【0026】すなわち、窒素ガスバルブ46を閉鎖して
IPAバルブ43を開放すれば第1供給ノズル40から
上方に向けてIPA蒸気を供給することができ、逆にI
PAバルブ43を閉鎖して窒素ガスバルブ46を開放す
れば上方に向けて窒素ガスを供給することができる。そ
して、さらにヒータ45を作動させれば、第1供給ノズ
ル40から高温窒素ガスを吐出することができ、IPA
蒸気の配管の経路での結露を防止できるのである。
【0027】第2供給ノズル50は、IPA供給源5
2、窒素ガス供給源54、炭酸ガス供給源57および液
体窒素供給源59と配管を介して接続されている。IP
Aバルブ53を開放することによって、IPA供給源5
2から第2供給ノズル50にIPA蒸気を供給すること
ができる。第2供給ノズル50に供給されたIPA蒸気
は、複数の吐出孔51のそれぞれから水平方向かつ処理
槽20側に向けて吐出される。
【0028】また、窒素ガスバルブ56を開放すること
によって、窒素ガス供給源54から第2供給ノズル50
に窒素ガスを供給することができる。第2供給ノズル5
0に供給された窒素ガスは、複数の吐出孔51のそれぞ
れから水平方向かつ処理槽20側に向けて吐出される。
【0029】窒素ガス供給源54から導かれる配管の経
路途中にはヒータ55が設けられている。ヒータ55を
作動させることによって、窒素ガス供給源54から第2
供給ノズル50に供給する窒素ガスを加熱することがで
きる。なお、窒素ガス結露防止のため50℃以上、有機
溶剤の性質により200℃以下に、さらに望ましくは9
0℃〜150℃の温度に加熱される。これにより、第2
供給ノズル50の複数の吐出孔51のそれぞれから上方
に向けて高温窒素ガスを吐出することができ、IPA蒸
気の配管の経路での結露を防止できる。
【0030】また、炭酸ガスバルブ58を開放すること
によって、炭酸ガス供給源57から第2供給ノズル50
に二酸化炭素(CO2)を供給することができる。第2
供給ノズル50に供給された二酸化炭素は、複数の吐出
孔51のそれぞれから水平方向かつ処理槽20側に向け
て吐出される。
【0031】さらに、液体窒素バルブ60を開放するこ
とによって、液体窒素供給源59から第2供給ノズル5
0に液体窒素を供給することができる。第2供給ノズル
50に供給された液体窒素は、複数の吐出孔51のそれ
ぞれから水平方向かつ処理槽20側に向けて吐出され
る。
【0032】すなわち、IPAバルブ53を開放して他
のバルブを閉鎖すれば第2供給ノズル50から水平方向
にIPA蒸気を吐出することができ、窒素ガスバルブ5
6を開放して他のバルブを閉鎖すれば水平方向に窒素ガ
スを吐出することができ、炭酸ガスバルブ58を開放し
て他のバルブを閉鎖すれば水平方向に二酸化炭素を吐出
することができ、液体窒素バルブ60を開放して他のバ
ルブを閉鎖すれば水平方向に液体窒素を吐出することが
できる。そして、さらにヒータ55を作動させれば、第
2供給ノズル50から高温窒素ガスを吐出することがで
きるのである。なお、図3に示すIPAバルブ43、窒
素ガスバルブ46、ヒータ45、IPAバルブ53、窒
素ガスバルブ56、炭酸ガスバルブ58、液体窒素バル
ブ60およびヒータ55は、いずれも図外の制御部によ
ってその動作を制御されている。
【0033】第1実施形態においては、第1供給ノズル
40が第1供給手段に相当し、第2供給ノズル50第2
供給手段に相当し、昇降機構30が引き上げ手段に相当
する。
【0034】次に、上記の基板処理装置の第1実施形態
における処理手順について図4から図8を参照しつつ説
明する。図4から図7は、上記の基板処理装置における
処理の様子を説明する図である。また、図8(a)は、
第1実施形態におけるガス供給態様を示す。
【0035】上記の基板処理装置において基板Wに処理
を行うときは、まず、昇降機構30が図外の基板搬送ロ
ボットから複数の基板Wを受け取る。そして、収容器1
0が密閉されるとともに、昇降機構30がX方向に平行
配列させて保持した複数の基板Wを降下させて処理槽2
0に貯留された純水中に浸漬させる。この段階において
は、処理槽20に純水が供給され続けており、処理槽2
0の上端からは純水が溢れ出し続けている。処理槽20
から溢れ出した純水は、処理槽20の上端部外側に設け
られた回収部によって回収され、装置外の廃液ラインに
排出される。
【0036】次に、処理槽20に貯留された純水に複数
の基板Wを浸漬した状態を維持しつつ、処理槽20に薬
液または純水を順次供給することによりエッチングや洗
浄処理を予め定められた順序に従って進行させる(図4
の状態)。この段階においても、処理槽20の上端から
薬液または純水が溢れ出し続けており、溢れ出した処理
液は上記の回収部によって回収される。
【0037】そして、図4の状態においては、図8
(a)の第1ステップのガス供給が行われている。すな
わち、図4中矢印AR4にて示すように、第1供給ノズ
ル40から高温窒素ガスを上方に向けて吐出している。
これにより、第1供給ノズル40及びIPAの配管の経
路が暖められるとともに、収容器10内部が窒素雰囲気
とされ、窒素雰囲気下にて基板Wの表面処理が進行する
こととなる。なお、第1ステップでは、第2供給ノズル
50からのガス供給は行われていない。
【0038】基板Wに対する表面処理が進行すると、や
がて最終の仕上洗浄処理に至る。本実施形態では、仕上
洗浄処理も通常の洗浄処理と同じく、処理槽20に純水
を貯留し、その純水中に複数の基板Wを浸漬することに
よって行われる。なお、最終の仕上洗浄処理の段階にお
いても表1の第1ステップのガス供給が行われており、
第1供給ノズル40から高温窒素ガスが吐出され、窒素
雰囲気下にて仕上洗浄処理が行われる。
【0039】そして、図5に示すように、処理槽20内
における洗浄処理を終了して昇降機構30が基板Wを純
水から引き揚げる前に、図8(a)の第2ステップのガ
ス供給が開始される。すなわち、図5中矢印AR51に
て示すように第1供給ノズル40からIPA蒸気を上方
に向けて吐出するとともに、矢印AR52にて示すよう
に第2供給ノズル50から窒素ガスを水平方向に向けて
吐出する。第2供給ノズル50から窒素ガスを水平方向
に向けて吐出することにより、処理槽20に貯留された
純水の表面を覆う窒素ガス流FLが形成される。
【0040】この窒素ガス流FLは、処理槽20に貯留
された純水の表面とほぼ平行に気液界面上に形成される
ものであり、その表面のうち少なくとも昇降機構30に
よって複数の基板Wが引き上げられる領域を覆うように
形成されることとなる。また、第1供給ノズル40から
IPA蒸気を上方に向けて吐出することにより、処理槽
20の上方にIPA蒸気を含む雰囲気ATが形成され
る。
【0041】窒素ガス流FLおよびIPA蒸気を含む雰
囲気ATが形成された後、図6に示すように、昇降機構
30が複数の基板Wの引き上げを開始し、それら基板W
を処理槽20内の純水から引き上げて窒素ガス流FL中
を通過させる。このときにも勿論、表1の第2ステップ
のガス供給が行われており、第1供給ノズル40からI
PA蒸気が上方に向けて吐出されるとともに、第2供給
ノズル50から窒素ガスが水平方向かつ処理槽20側に
向けて吐出される。従って、昇降機構30による引き上
げ途中の基板Wに対しては、その上端部から下端部にわ
たって順に窒素ガスが直接吹き付けられることとなる。
【0042】昇降機構30が複数の基板Wの引き上げを
継続し、やがて基板Wの下端部が窒素ガス流FL中を通
過すると、図7に示すように、基板Wの全体がIPA蒸
気を含む雰囲気AT中に移動する。その結果、基板Wの
全体がIPA蒸気を含む雰囲気中ATに曝されることと
なり、それぞれの基板Wの表面にはIPA蒸気が凝縮
し、当該表面に付着していた水滴と置換する。なお、こ
の段階においても図8(a)の第2ステップのガス供給
が行われている。
【0043】その後、基板Wが図1中の2点鎖線位置に
まで到達した時点で、昇降機構30が停止し、基板Wの
引き上げが完了する。この時点においては、第1供給ノ
ズル40および第2供給ノズル50からのガス供給が停
止される。また、処理槽20内に貯留されていた純水は
急速排水される。その後、収容器10内を減圧雰囲気と
することにより、基板Wの表面に凝縮していたIPAが
完全に蒸発して乾燥する。減圧乾燥処理後の基板Wは基
板搬送ロボットに渡されて一連の処理が終了する。な
お、基板Wを引き上げた時点で、その基板Wの清浄度が
十分でない場合は、処理槽20内に再び純水を貯留し、
図4から図7にて説明した工程(但し、薬液供給による
薬液処理を除く)を繰り返すことも可能である。
【0044】以上の第1実施形態においては、第2供給
ノズル50から窒素ガスを水平方向に向けて吐出するこ
とにより処理槽20に貯留された純水の表面を覆う窒素
ガス流FLを形成するとともに、第1供給ノズル40か
らIPA蒸気を上方に向けて吐出することにより窒素ガ
ス流FLの上にIPA蒸気を含む雰囲気ATを形成して
いる。換言すれば、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を直接純水に向けて吐出せず、さらに窒素ガス流FLに
よってIPA蒸気を含む雰囲気ATと純水とを遮断し、
それらの接触を防止している。従って、IPA蒸気の純
水への溶解を防止することができ、その結果、IPA蒸
気の溶解に起因する基板W間のパーティクルの転写を抑
制することができる。
【0045】また、基板Wの引き上げ時に、純水との気
液界面上にて第2供給ノズル50から窒素ガスが直接基
板Wに吹き付けられることとなるため、乾燥時間を短縮
して乾燥効率を向上させることができ、ウォーターマー
ク等の乾燥不良をも抑制することができる。
【0046】また、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を吐出する前に高温窒素ガスを吐出しているため、高温
窒素ガスによって暖められた第1供給ノズル40からI
PA蒸気が吐出されることとなり、第1供給ノズル40
へのIPAの結露を防止することができる。その結果、
IPAの結露に起因した処理遅延を防ぐことができる。
【0047】<2.第2実施形態>次に、本発明の第2
実施形態について説明する。第2実施形態の基板処理装
置の構成は第1実施形態と全く同じであり、その説明は
省略する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からのガ
ス供給態様である。図8(b)に第2実施形態における
ガス供給態様を示す。
【0048】第2実施形態においては、処理槽20にて
基板Wの洗浄処理等を行っている段階(図4の段階)で
は図8(b)の第1ステップのガス供給が行われてい
る。すなわち、第1供給ノズル40から高温窒素ガスを
上方に向けて吐出するとともに、第2供給ノズル50か
らも高温窒素ガスを水平方向に向けて吐出する。これに
より、IPAの配管の経路、第1供給ノズル40および
第2供給ノズル50が高温窒素ガスによって暖められる
とともに、収容器10内部が窒素雰囲気とされ、窒素雰
囲気下にて基板Wの洗浄処理等が進行することとなる。
【0049】そして、処理槽20に貯留されている純水
から基板Wを引き上げる段階(図5以降の段階)では図
8(b)の第2ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40からIPA蒸気が上方に向けて
吐出されるとともに、第2供給ノズル50から希薄IP
A蒸気が水平方向に向けて吐出される。ここで、第2供
給ノズル50から吐出される希薄IPA蒸気のIPA濃
度は第1供給ノズル40から吐出されるIPA蒸気のI
PA濃度よりも低濃度である。これにより、処理槽20
に貯留された純水の表面を覆う希薄IPAガス流が形成
されるとともに、処理槽20の上方にIPA蒸気を含む
雰囲気が形成される。昇降機構30によって処理槽20
から引き上げられる基板Wは希薄IPAガス流を通過し
てIPA蒸気を含む雰囲気に到達する。上記以外の処理
手順は、第1実施形態と同じである。
【0050】以上の第2実施形態においても、第1供給
ノズル40からIPA蒸気を直接純水に向けて吐出せ
ず、さらに希薄IPAガス流によってIPA蒸気を含む
雰囲気ATと純水とを遮断し、それらの直接接触を防止
している。希薄IPAガス流は処理槽20に貯留された
純水に直接接触することとなるが、そのIPA濃度は低
濃度であるためIPA蒸気の純水への溶解は無視できる
程度に小さい。従って、IPA蒸気の純水への溶解を防
止することができ、その結果、IPA蒸気の溶解に起因
する基板W間のパーティクルの転写を抑制することがで
きる。
【0051】また、基板Wの引き上げ時に、純水との気
液界面上にて第2供給ノズル50から希薄IPAガス流
が直接基板Wに吹き付けられることとなるため、IPA
による置換が迅速に進行し、乾燥時間を短縮して乾燥効
率を向上させることができ、ウォーターマーク等の乾燥
不良をも抑制することができる。
【0052】また、第1供給ノズル40および第2供給
ノズル50からIPA蒸気を吐出する前に高温窒素ガス
を吐出しているため、高温窒素ガスによって暖められた
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からIP
A蒸気が吐出されることとなり、それらへのIPAの結
露を防止することができる。
【0053】<3.第3実施形態>次に、本発明の第3
実施形態について説明する。第3実施形態の基板処理装
置の構成も第1実施形態と全く同じであり、その説明は
省略する。第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からのガ
ス供給態様である。図8(c)に第3実施形態における
ガス供給態様を示す。
【0054】第3実施形態においては、処理槽20にて
基板Wの洗浄処理等を行っている段階(図4の段階)で
は図8(c)の第1ステップのガス供給が行われてい
る。すなわち、第1供給ノズル40から高温窒素ガスを
上方に向けて吐出する一方、第2供給ノズル50からは
ガス供給を行っていない。これにより、第1供給ノズル
40が高温窒素ガスによって暖められるとともに、収容
器10内部が窒素雰囲気とされ、窒素雰囲気下にて基板
Wの洗浄処理等が進行することとなる。
【0055】そして、処理槽20に貯留されている純水
から基板Wを引き上げる段階(図5以降の段階)では図
8(c)の第2ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40からIPA蒸気が上方に向けて
吐出されるとともに、第2供給ノズル50から二酸化炭
素が水平方向に向けて吐出される。これにより、処理槽
20に貯留された純水の表面を覆う二酸化炭素ガス流が
形成されるとともに、処理槽20の上方にIPA蒸気を
含む雰囲気が形成される。昇降機構30によって処理槽
20から引き揚げられる基板Wは二酸化炭素ガス流を通
過してIPA蒸気を含む雰囲気に到達する。上記以外の
処理手順は、第1実施形態と同じである。
【0056】以上の第3実施形態においても、第1供給
ノズル40からIPA蒸気を直接純水に向けて吐出せ
ず、さらに二酸化炭素ガス流によってIPA蒸気を含む
雰囲気ATと純水とを遮断し、それらの直接接触を防止
している。従って、IPA蒸気の純水への溶解を防止す
ることができ、その結果、IPA蒸気の溶解に起因する
基板W間のパーティクルの転写を抑制することができ
る。
【0057】また、基板Wの引き上げ時に、純水との気
液界面上にて第2供給ノズル50から二酸化炭素ガス流
が直接基板Wに吹き付けられることとなるため、乾燥時
間を短縮して乾燥効率を向上させることができ、ウォー
ターマーク等の乾燥不良をも抑制することができる。
【0058】特に、第3実施形態においては、純水から
引き揚げられた基板Wが二酸化炭素ガス流を通過すると
きに基板Wに付着した水滴に二酸化炭素が溶解し、その
水滴が弱酸性の炭酸水に変化する。ウォーターマーク
は、基板Wに付着した水分とシリコン(Si)と空気中
の酸素とが反応して発生するものであるが、基板Wに付
着した水分が酸性であればその反応が抑制されウォータ
ーマークをより効果的に防止することができる。
【0059】また、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を吐出する前に高温窒素ガスを吐出しているため、高温
窒素ガスによって暖められた第1供給ノズル40からI
PA蒸気が吐出されることとなり、第1供給ノズル40
へのIPAの結露を防止することができる。
【0060】<4.第4実施形態>次に、本発明の第4
実施形態について説明する。第4実施形態の基板処理装
置の構成も第1実施形態と全く同じであり、その説明は
省略する。第4実施形態が第1実施形態と異なるのは、
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からのガ
ス供給態様である。図8(d)に第4実施形態における
ガス供給態様を示す。
【0061】第4実施形態においては、処理槽20にて
基板Wの洗浄処理等を行っている段階(図4の段階)で
は図8(d)の第1ステップのガス供給が行われてい
る。すなわち、第1供給ノズル40から高温窒素ガスを
上方に向けて吐出するとともに、第2供給ノズル50か
らも高温窒素ガスを水平方向に向けて吐出する。これに
より、第1供給ノズル40および第2供給ノズル50が
高温窒素ガスによって暖められるとともに、収容器10
内部が窒素雰囲気とされ、窒素雰囲気下にて基板Wの洗
浄処理等が進行することとなる。
【0062】そして、処理槽20に貯留されている純水
から基板Wを引き上げる段階(図5以降の段階)では図
8(d)の第2ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40からIPA蒸気が上方に向けて
吐出されるとともに、第2供給ノズル50から高温窒素
ガスが水平方向に向けて吐出される。つまり、第2供給
ノズル50からは、高温窒素ガスが継続して吐出される
こととなる。ここで、第2供給ノズル50から吐出され
る高温窒素ガスは、処理槽20に貯留された純水の温度
よりも高温の窒素ガスである。これにより、処理槽20
に貯留された純水の表面を覆う高温窒素ガス流が形成さ
れるとともに、処理槽20の上方にIPA蒸気を含む雰
囲気が形成される。昇降機構30によって処理槽20か
ら引き上げられる基板Wは高温窒素ガス流を通過してI
PA蒸気を含む雰囲気に到達する。上記以外の処理手順
は、第1実施形態と同じである。
【0063】以上の第4実施形態においても、第1供給
ノズル40からIPA蒸気を直接純水に向けて吐出せ
ず、さらに高温窒素ガス流によってIPA蒸気を含む雰
囲気ATと純水とを遮断し、それらの直接接触を防止し
ている。従って、IPA蒸気の純水への溶解を防止する
ことができ、その結果、IPA蒸気の溶解に起因する基
板W間のパーティクルの転写を抑制することができる。
【0064】また、基板Wの引き上げ時に、純水との気
液界面上にて第2供給ノズル50から高温窒素ガス流が
直接基板Wに吹き付けられることとなるため、乾燥時間
を短縮して乾燥効率を向上させることができ、ウォータ
ーマーク等の乾燥不良をも抑制することができる。
【0065】特に、第4実施形態においては、処理槽2
0に貯留された純水の気液界面に高温窒素ガス流が形成
されるため、純水表面の水温が上昇する。一般に、水温
が上昇すると気体の溶解度は低下する。IPA蒸気の場
合も同様であり、処理槽20に貯留された純水の表面温
度が上昇すると、IPA蒸気の溶解度が低下することと
なる。その結果、IPA蒸気の純水への溶解をより効果
的に防止することができ、IPA蒸気の溶解に起因する
基板W間のパーティクルの転写をさらに抑制することが
できる。
【0066】また、基板Wが高温窒素ガス流を通過する
ことによって、基板Wに付着した水滴の温度も上昇し、
乾燥効率をより向上させることができる。
【0067】また、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を吐出する前に高温窒素ガスを吐出しているため、高温
窒素ガスによって暖められた第1供給ノズル40からI
PA蒸気が吐出されることとなり、第1供給ノズル40
へのIPAの結露を防止することができる。
【0068】<5.第5実施形態>次に、本発明の第5
実施形態について説明する。第5実施形態の基板処理装
置の構成も第1実施形態と全く同じであり、その説明は
省略する。第5実施形態が第1実施形態と異なるのは、
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からのガ
ス供給態様である。図8(e)に第5実施形態における
ガス供給態様を示す。
【0069】第5実施形態においては、処理槽20にて
基板Wの洗浄処理等を行っている段階(図4の段階)で
は図8(e)の第1ステップのガス供給が行われてい
る。すなわち、第1供給ノズル40から高温窒素ガスを
上方に向けて吐出する一方、第2供給ノズル50からは
ガス供給を行っていない。これにより、第1供給ノズル
40が高温窒素ガスによって暖められるとともに、収容
器10内部が窒素雰囲気とされ、窒素雰囲気下にて基板
Wの洗浄処理等が進行することとなる。
【0070】そして、処理槽20に貯留されている純水
から基板Wを引き上げる段階(図5以降の段階)では図
8(e)の第2ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40からIPA蒸気が上方に向けて
吐出されるとともに、第2供給ノズル50から液体窒素
が水平方向に向けて吐出される。これにより、処理槽2
0に貯留された純水の表面を覆う液体窒素流が形成され
るとともに、処理槽20の上方にIPA蒸気を含む雰囲
気が形成される。昇降機構30によって処理槽20から
引き上げられる基板Wは液体窒素流を通過してIPA蒸
気を含む雰囲気に到達する。上記以外の処理手順は、第
1実施形態と同じである。
【0071】以上の第5実施形態においても、第1供給
ノズル40からIPA蒸気を直接純水に向けて吐出せ
ず、さらに液体窒素流によってIPA蒸気を含む雰囲気
ATと純水とを遮断し、それらの直接接触を防止してい
る。従って、IPA蒸気の純水への溶解を防止すること
ができ、その結果、IPA蒸気の溶解に起因する基板W
間のパーティクルの転写を抑制することができる。
【0072】また、特に第5実施形態では、基板Wの引
き揚げ時に、純水との気液界面上にて第2供給ノズル5
0から液体窒素流が直接基板Wに吹き付けられることと
なるため、基板Wが急速に冷却される。その結果、基板
WへのIPA蒸気の凝縮効率が向上し、乾燥時間を短縮
して乾燥効率を向上させることができ、ウォーターマー
ク等の乾燥不良をも効果的に抑制することができる。
【0073】また、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を吐出する前に高温窒素ガスを吐出しているため、高温
窒素ガスによって暖められた第1供給ノズル40からI
PA蒸気が吐出されることとなり、第1供給ノズル40
へのIPAの結露を防止することができる。
【0074】<6.第6実施形態>次に、本発明の第6
実施形態について説明する。第6実施形態の基板処理装
置の構成も第1実施形態と全く同じであり、その説明は
省略する。第6実施形態が第1実施形態と異なるのは、
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からのガ
ス供給態様である。図8(f)に第6実施形態における
ガス供給態様を示す。
【0075】第6実施形態においては、処理槽20にて
基板Wの洗浄処理等を行っている段階(図4の段階)で
は図8(f)の第1ステップのガス供給が行われてい
る。すなわち、第1供給ノズル40から高温窒素ガスを
上方に向けて吐出するとともに、第2供給ノズル50か
らも高温窒素ガスを水平方向に向けて吐出する。これに
より、第1供給ノズル40および第2供給ノズル50が
高温窒素ガスによって暖められるとともに、収容器10
内部が窒素雰囲気とされ、窒素雰囲気下にて基板Wの洗
浄処理等が進行することとなる。
【0076】そして、処理槽20に貯留されている純水
から基板Wを引き上げる段階(図5以降の段階)では図
8(f)の第2ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40からIPA蒸気が上方に向けて
吐出されるとともに、第2供給ノズル50から高温窒素
ガスが水平方向に向けて吐出される。つまり、第2供給
ノズル50からは、高温窒素ガスが継続して吐出される
こととなる。ここで、第2供給ノズル50から吐出され
る高温窒素ガスは、処理槽20に貯留された純水の温度
よりも高温の窒素ガスである。これにより、処理槽20
に貯留された純水の表面を覆う高温窒素ガス流が形成さ
れるとともに、処理槽20の上方にIPA蒸気を含む雰
囲気が形成される。昇降機構30によって処理槽20か
ら引き上げられる基板Wは高温窒素ガス流を通過してI
PA蒸気を含む雰囲気に到達する。
【0077】次に、基板Wの全体が処理槽20の純水か
ら離脱した後であって、減圧乾燥処理が実行される前
に、表6の第3ステップのガス供給が行われる。すなわ
ち、第1供給ノズル40から窒素ガスが上方に向けて吐
出されるとともに、第2供給ノズル50からIPA蒸気
が水平方向に向けて吐出される。そして、所定時間の第
3ステップのガス供給が行われた後、減圧乾燥処理が実
行される。上記以外の処理手順は、第1実施形態と同じ
である。
【0078】以上の第6実施形態においても、第1供給
ノズル40からIPA蒸気を直接純水に向けて吐出せ
ず、さらに高温窒素ガス流によってIPA蒸気を含む雰
囲気ATと純水とを遮断し、それらの直接接触を防止し
ている。従って、IPA蒸気の純水への溶解を防止する
ことができ、その結果、IPA蒸気の溶解に起因する基
板W間のパーティクルの転写を抑制することができる。
【0079】また、基板Wの引き上げ時に、純水との気
液界面上にて第2供給ノズル50から高温窒素ガス流が
直接基板Wに吹き付けられることとなるため、乾燥時間
を短縮して乾燥効率を向上させることができ、ウォータ
ーマーク等の乾燥不良をも抑制することができる。
【0080】特に、第6実施形態においては、第4実施
形態と同様に、処理槽20に貯留された純水の気液界面
に高温窒素ガス流が形成されるため、純水表面の水温が
上昇する。従って、処理槽20に貯留された純水の表面
へのIPA蒸気の溶解度が低下し、その結果、IPA蒸
気の純水への溶解をより効果的に防止することができ、
IPA蒸気の溶解に起因する基板W間のパーティクルの
転写をさらに抑制することができる。
【0081】また、基板Wが高温窒素ガス流を通過する
ことによって、基板Wに付着した水滴の温度も上昇し、
乾燥効率をより向上させることができる。
【0082】また、第1供給ノズル40からIPA蒸気
を吐出する前に高温窒素ガスを吐出しているため、高温
窒素ガスによって暖められた第1供給ノズル40からI
PA蒸気が吐出されることとなり、第1供給ノズル40
へのIPAの結露を防止することができる。
【0083】さらに、第6実施形態においては、基板W
の全体が処理槽20の純水から離脱した後に第2供給ノ
ズル50からIPA蒸気が水平方向に向けて吐出され
る。このIPA蒸気は主として基板Wを保持する3本の
保持棒33、34、35の周辺に供給され、保持棒3
3、34、35に凝縮して水滴と置換する。従って、基
板Wと直接接触する3本の保持棒33、34、35が迅
速に乾燥し、乾燥処理全体に要する時間を短縮して乾燥
効率を向上させることができる。
【0084】<7.変形例>以上、本発明の実施の形態
について説明したが、この発明は上記の例に限定される
ものではない。例えば、上記の各実施形態において種々
のガス供給態様を示したが、これらに限定されるもので
はなく、処理槽の上方に形成されたIPA蒸気を含む雰
囲気と処理槽に貯留された純水とを遮断するようにその
純水の表面を覆う気流を形成するようなガス供給態様で
あれば様々なパターンを採用することが可能である。
【0085】また、上記の第5実施形態においては、第
2供給ノズル50から液体窒素を吐出するようにしてい
たが、液体窒素に代えて冷却された窒素ガスを吐出する
ようにしても良い。具体的には例えば、ヒータ55の代
わりに冷却器を用いて窒素ガス供給源54から供給され
る窒素ガスを冷却し、第2供給ノズル50から水平方向
に向けて吐出する。このようにしても、基板Wの引き揚
げ時に、冷却された窒素ガスによって基板Wが冷却され
るため、基板WへのIPA蒸気の凝縮効率が向上し、乾
燥時間を短縮して乾燥効率を向上させることができる。
【0086】また、上記の各実施形態においては、第1
供給ノズル40から有機溶剤の蒸気としてIPA蒸気を
吐出するようにしていたが、これに限定されるものでは
なく、IPA蒸気に代えて他のアルコール類等の蒸気を
有機溶剤の蒸気として第1供給ノズル40から吐出する
ようにしても良い。
【0087】また、上記各実施形態の基板処理装置は、
複数の基板Wに一括して処理を行ういわゆるバッチ式の
基板処理装置であったが、基板Wを1枚ずつ処理するい
わゆる枚葉式の基板処理装置であっても良い。
【0088】さらに、上記各実施形態においては、1つ
の処理槽で薬液処理および純水による洗浄処理の双方を
行う、いわゆるワンバス式の処理装置であったが、本発
明にかかる技術は、薬液処理および純水洗浄処理を異な
る処理槽で行ういわゆる多槽式の処理装置であっても適
用可能である。多槽式の処理装置に適用する場合は、通
常、最終の仕上水洗槽に適用するのが効果的である。
【0089】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明にによれ
ば、第2供給手段により処理槽に貯留された純水の表面
を覆う気流を形成するとともに、第1供給手段により処
理槽の上方に有機溶剤の蒸気を含む雰囲気を形成し、洗
浄処理が終了した基板を処理槽から当該気流を通過させ
て有機溶剤の蒸気を含む雰囲気中に引き上げるため、そ
の気流によって有機溶剤の蒸気を含む雰囲気と処理槽中
の純水との接触が防止され、有機溶剤の蒸気の純水への
溶解を防止してパーティクルの転写を抑制することがで
きる。また、第1供給手段は、収容器内に高温の不活性
ガスを供給するとともに、高温の不活性ガスの供給後に
有機溶剤の蒸気を供給して処理槽の上方に有機溶剤の蒸
気を含む雰囲気を形成しているので、IPA等の有機溶
剤の供給用配管における結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板処理装置の正面図である。
【図2】図1の基板処理装置の平面図である。
【図3】第1供給ノズルおよび第2供給ノズルへのガス
等の供給機構を示す図である。
【図4】図1の基板処理装置における処理の様子を説明
する図である。
【図5】図1の基板処理装置における処理の様子を説明
する図である。
【図6】図1の基板処理装置における処理の様子を説明
する図である。
【図7】図1の基板処理装置における処理の様子を説明
する図である。
【図8】ガス供給の形態を示す図である。
【符号の説明】
10 収容器 20 処理槽 30 昇降機構 40 第1供給ノズル 50 第2供給ノズル AT IPA蒸気を含む雰囲気 FL 窒素ガス流 W 基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純水による洗浄処理が終了した基板の乾燥
    処理を行う基板処理装置であって、 純水を貯留し、純水中に基板を浸漬して洗浄処理を行う
    処理槽と、 前記処理槽を収容する収容器と、 前記収容器内に設けられ、前記収容器内に高温の不活性
    ガスを供給するとともに、高温の不活性ガスの供給後に
    有機溶剤の蒸気を供給して前記処理槽の上方に有機溶剤
    の蒸気を含む雰囲気を形成する第1供給手段と、 前記収容器内の前記第1供給手段よりも下方に設けら
    れ、略水平方向にガスを吐出して前記処理槽の純水の表
    面を覆う気流を形成する第2供給手段と、 前記洗浄処理が終了した基板を前記処理槽から前記気流
    を通過させて前記有機溶剤の蒸気を含む雰囲気中に引き
    上げる引き上げ手段と、を備えることを特徴とする基板
    処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段は、イソプロピルアルコールの蒸気を
    吐出して前記処理槽の上方にイソプロピルアルコールの
    蒸気を含む雰囲気を形成することを特徴とする基板処理
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気
    を吐出している際に、前記第2供給手段は、不活性ガス
    を供給することを特徴とする基板処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段により高温の不活性ガスを供給してい
    る際に、前記第2供給手段は、不活性ガスを供給すると
    ともに、 前記第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気
    を吐出している際に、前記第2供給手段は、イソプロピ
    ルアルコールの蒸気を吐出していることを特徴とする基
    板処理装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気
    を吐出している際に、前記第2供給手段は、二酸化炭素
    を供給することを特徴とする基板処理装置。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段により高温の不活性ガスを供給してい
    る際に、前記第2供給手段は、不活性ガスを供給すると
    ともに、 前記第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気
    を吐出している際に、前記第2供給手段は、高温の不活
    性ガスを供給していることを特徴とする基板処理装置。
  7. 【請求項7】請求項2に記載の基板処理装置において、 前記第1供給手段によりイソプロピルアルコールの蒸気
    を吐出している際に、前記第2供給手段は、液体窒素を
    供給することを特徴とする基板処理装置。
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