JP4073423B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents
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支持シート上にグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートの表面に電極層を、所定パターンで形成する工程と、
前記電極層が形成されていないグリーンシートの表面に、余白パターン層用ペーストを使用して、余白パターン層を形成する工程と、を有する電子部品の製造方法であって、
前記グリーンシートの前記余白パターン層が形成された部分の反対側表面における、SEM観察による黒色側の滲み占有率が、20%以下となるように、前記グリーンシートの表面に形成された前記余白パターン層を乾燥することを特徴とする。
まず、電極層を形成した後、またはその前に、グリーンシート上に余白パターン層を形成し、乾燥した後に、電極層および余白パターン層の形成されたグリーンシートを、支持シートから剥離する。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)により、電極層および余白パターン層の形成されたグリーンシートの余白パターン層が形成された部分の反対側表面のSEM写真を撮影する。SEM写真の撮影は、たとえば視野100μm×100μmについて行う。そして、SEM写真による撮影領域を、白色側から黒色側まで、その黒色度(あるいは、白色度)に応じて、3段階以上の領域に分け、その面積比を求める。その結果、黒色側の領域を滲み領域とし、その面積比を滲み占有率とする。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2(A)〜図2(C)は本発明の一実施形態に係る電極層の形成方法を示す要部断面図、
図3(A)は本発明の実施例におけるグリーンシートのSEM写真、図3(B)は比較例におけるグリーンシートのSEM写真、
図4は滲み占有率とシート剥離強度との関係を示すグラフ、
図5は滲み占有率と剥離不良率との関係を示すグラフ、
図6は滲み占有率とデラミネーション発生率との関係を示すグラフである。
まず、本発明に係る方法により製造される電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部の外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部の外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
本実施形態では、誘電体ペーストは、セラミック粉末と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系ペーストで構成される。
本実施形態では、グリーンシート10aの余白パターン層16が形成された部分の反対側表面(キャリアシート14側表面)における、SEM観察による黒色側の滲み占有率が20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下となるように、余白パターン層16の乾燥を行う。滲み占有率の値が上記所定範囲となるように、余白パターン層16の乾燥を行うことにより、グリーンシート10aのキャリアシート14からの剥離性を向上させることができる。そして、グリーンシート10aの剥離性を向上させることにより、グリーンシート10aを薄層化した場合においても、グリーンシート10aの剥離時におけるしわや穴、亀裂などの発生を抑制することができ、焼成後における誘電体層10と内部電極層12との層間剥離現象(デラミネーション)の発生を有効に防止することができる。
これに対して、本実施形態では、滲み占有率を上記所定範囲に制御することにより、グリーンシート10aとキャリアシート14との間の剥離強度を低下させ、剥離性の向上を可能としている。
なお、上記黒色側の滲みの原因については、必ずしも明らかではないが、余白パターン層用ペーストに含有されている溶剤が、グリーンシート10a中の有機バインダを膨潤または溶解させたことによると考えられる。つまり、シートアタックの結果として、上記黒色側の滲みが発生すると考えられる。
その理由としては、必ずしも明らかではないが、ターピニルアセテートは、余白パターン層用ペーストの有機バインダに一般的に用いられるエチルセルロースを十分に溶解する一方で、グリーンシート10aの有機バインダとして、一般的に用いられるブチラール樹脂とは、相溶性が低く、溶解または膨潤させにくいためによると考えられる。
まず、下記の各ペーストを準備した。
誘電体ペースト
セラミック粉末としての平均粒径が0.5μmのBaTiO3 系セラミック粉末を準備した。次いで、このセラミック粉末100重量部に対して、有機バインダとしてのポリビニルブチラール(PVB)10重量部と、溶媒としてのメタノール150重量部と、可塑剤としてのフタル酸ジオクチル(DOP)5重量部と、をボールミルで混練し、スラリー化して誘電体ペーストを得た。
導電性粉末としてのNi粉末と、このNi粉末100重量部に対して、有機バインダとしてのエチルセルロース4重量部と、溶剤としてのターピネオール(TPO)46重量部とをボールミルで混練し、スラリー化して電極ペーストを得た。
セラミック粉末として、誘電体ペーストと同じBaTiO3 系セラミック粉末を準備した。次いで、このセラミック粉末100重量部に対して、有機バインダとしてのエチルセルロース6重量部と、溶媒としてのターピネオール(TPO)69重量部とをボールミルで混練し、スラリー化して余白パターン層用ペーストを得た。
次いで、上記にて得られた各ペーストを使用して、図2(A)〜図2(C)に示す製造工程により、図2(C)に示すグリーンシートを製造した。
まず、表面にシリコーン系樹脂により剥離処理を施したPETフィルム14上に、上記の誘電体ペーストを、ダイコーターにより塗布し、その後、90℃および10秒の条件で乾燥することにより、グリーンシート10aを形成した。グリーンシート10aは、乾燥時の膜厚が2.5μmとなるように形成した。
次に、上記にて作製した電極層12aおよび余白パターン層16が形成されたグリーンシートから支持シートであるPETフィルム14を剥離し、PETフィルム14を剥離したグリーンシートを積層した後に、最外に保護層を形成し圧着して、積層体を形成した。そして、この積層体を所定サイズに切断して、グリーンチップを作製した。
上記にて作製した電極層および余白パターン層が形成されたグリーンシートの試料1〜6について、滲み占有率の測定を、以下に示す方法により行った。
まず、上記にて作製した電極層および余白パターン層が形成されたグリーンシートからPETフィルムを剥離し、グリーンシートの余白パターン層が形成された部分の反対側表面(PETフィルムと接触していた面)について、SEM写真を撮影した。SEM写真の撮影は、走査型電子顕微鏡(日本電子製の品番JSM・6340F)を使用し、加速電圧5.0kV、視野100μm×100μm、倍率1000倍の条件で行った。
シート剥離強度(単位は、g・f)の測定は、上記にて作製した電極層および余白パターン層が形成されたグリーンシートの試料1〜6について、幅87mmのPET付グリーンシートの端(剥離のきっかけを作るのりしろ部分)にロードセルを粘着テープでつけて、上に移動させながら荷重(負荷)を計ることにより行った。剥離強度を小さくすることにより、グリーンシートをPETフィルムから良好に剥離することができる。したがって、剥離強度は小さいほうが好ましい。本実施例では、剥離強度は、6.5g・f未満であることが好ましく、より好ましくは5.4g・f以下である。結果を表1に示す。
剥離不良率の測定は、上記にて作製した電極層および余白パターン層が形成されたグリーンシートの試料1〜6について、以下に示す方法により行った。
まず、各試料100枚のグリーンシートサンプルを準備した。そして、準備したグリーンシートサンプルからPETフィルムを剥離し、剥離不良の発生の有無を評価し、100枚のグリーンシートサンプルに対する、剥離不良の発生したサンプル数を求め、剥離不良率を算出した。剥離不良率は、低いほうが好ましい。結果を表1に示す。
デラミネーション発生率の測定は、上記にて作製した積層セラミックコンデンサの試料1〜6について、以下に示す方法により行った。
まず、各試料200個のコンデンササンプルについて、焼上げ素地を研磨して積層状態を目視にて観察し、デラミネーションの発生の有無を確認した。そして、200個のコンデンササンプルに対する、デラミネーションの発生していたサンプル数を求め、デラミネーション発生率を算出した。デラミネーション発生率は、低いほうが好ましい。結果を表1に示す。
余白パターン層用ペーストを作製する際に、溶剤として、ターピネオール(TPO)の代わりに、ターピニルアセテート(TPA)を使用し、余白パターン層の乾燥温度を、表2に示す各温度とした以外は、実施例1と同様にして、電極層を有するグリーンシートおよび積層セラミックコンデンサの試料7〜11を作製した。
表1に、余白パターン層用ペーストの溶剤としてターピネオール(TPO)を使用した実施例1の試料1〜6の乾燥温度、滲み占有率、シート剥離強度、剥離不良率およびデラミネーション発生率を示す。
表2に、余白パターン層用ペーストの溶剤としてターピニルアセテート(TPA)を使用した実施例2の試料7〜11の乾燥温度、滲み占有率、シート剥離強度、剥離不良率およびデラミネーション発生率を示す。
図4〜図6に、上記の試料1〜11について、滲み占有率とシート剥離強度との関係(図4)、滲み占有率と剥離不良率との関係(図5)および滲み占有率とデラミネーション発生率との関係(図6)をグラフ化して示した。
また、図5より、滲み占有率が20%を超える範囲においては、剥離不良率は、滲み占有率の低下に伴い、低くなっていく傾向にあり、滲み占有率が20%以下となると、剥離不良率は、0%となることが確認できる。
さらに、図6より、滲み占有率が20%を超える範囲においては、デラミネーション発生率は、滲み占有率の低下に伴い、低くなっていく傾向にあり、滲み占有率が20%以下となると、デラミネーション発生率は、0%となることが確認できる。
4… コンデンサ素体
6,8… 端子電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12… 内部電極層
12a… 電極層
14… キャリアシート(支持シート)
16… 余白パターン層
Claims (4)
- 支持シート上にグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートの表面に電極層を、所定パターンで形成する工程と、
前記電極層が形成されていないグリーンシートの表面に、余白パターン層用ペーストを使用して、余白パターン層を形成する工程と、を有する電子部品の製造方法であって、
前記グリーンシートの前記余白パターン層が形成された部分の反対側表面における、SEM観察による黒色側の滲み占有率が、20%以下となるように、前記グリーンシートの表面に形成された前記余白パターン層を乾燥することを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記グリーンシート上に形成した余白パターン層を、60℃以下の温度で乾燥する請求項1に記載の電子部品の製造方法。
- 前記余白パターン層用ペーストには、溶剤が含まれており、
前記溶剤が、ターピニルアセテートを主成分として含有する請求項1に記載の電子部品の製造方法。 - 前記グリーンシート上に形成した余白パターン層を、90℃以下の温度で乾燥する請求項3に記載の電子部品の製造方法。
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