JP4072751B2 - 再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は再生装置に係り、特に光ディスクの記録媒体から再生された信号を波形等化する波形等化回路を備えた再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク等の記録媒体から当該ランレングス制限符号を再生する再生装置では、再生信号の波形歪を除去するために、パーシャルレスポンス(以下、PRともいう)等化特性を持つ波形等化回路を使用するものが従来より知られている(特開平10−106161号公報)。図8はこの従来の再生装置の一例のブロック図を示す。同図において、光ディスク601より記録/再生系602により再生されたランレングス制限符号は、トランスバーサルフィルタ603に供給され、ここでパラメータ設定器605内のタップ係数決定器606より入力されるタップ係数に基づいて、PR等化される。
【0003】
X値選定器610は、トランスバーサルフィルタ603での例えばPR(1,X,X,1)等化における符号間干渉値であるXの値を再生波形の特性に基づいて選定するもので、誤り率判定器609の判定結果から順次Xiを求め、最終的に誤り率が許容値を満たすXの値を選定する。等化後目標波形作成器608は、パラメータ設定用二値データ用メモリ607から与えられる二値データと、X値選定器610で選定された、PR等化における符号間干渉付与値のXの値とから等化後目標波形を作成し、タップ係数決定器606に与えられる。
【0004】
光ディスク601には予めパラメータ設定用二値データ用メモリ607に対応するビットが記録されている。タップ係数決定器606はこのビットに対応する再生波形と等化後目標波形とから、再生波形が等化後目標波形に一致するようなタップ係数を求めてトランスバーサルフィルタ603に入力する。識別点信号レベル決定器611は、X値選定器610から与えられるXの値に基づいて識別点信号レベルを求め、これをML復号器604に供給する。ML復号器604はトランスバーサルフィルタ603から取り出された等化後再生波形を、上記の識別点信号レベルを基準にして二値データに復号して出力する。
【0005】
ML復号器604から取り出された復号データは、誤り率判定器609に供給され、ここでパラメータ設定用二値データ用メモリ607からのパラメータ設定用二値データと比較されて誤り率が求められ、その誤り率が許容値を満たしているか否かの判定結果がX値選定器610に供給される。誤り率判定器609で誤り率が許容値を満たしていると判定された段階で、その時のタップ係数及び識別点信号レベルを用いたPR(1,X,X,1)ML方式により、PR等化及び最尤復号が行われる。
また、従来、最小符号反転間隔が2以上の定数に制限されたランレングス制限符号による再生信号を等化した上で、符号反転間隔を拘束条件としてもつような最尤検出を行う光ディスク信号再生方式で、符号の反転位置の直前又は直後の点のうちで最小符号反転間隔をもつデータ列に対応する点を除く振幅と、符号の反転位置の振幅のみを対象として、三値等化する再生装置も知られている(特開平7−192270号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の従来の再生装置のうち前者の再生装置は、光ディスク601には予めパラメータ設定用二値データ用メモリ607に対応するビットが記録されていることが前提となっており、光ディスク601の記録信号がパラメータ設定用二値データ用メモリ607に記憶されている二値データに対応しているものであるかどうか不明な場合、適応的に波形等化ができない。
【0007】
そのため、パラメータ設定用二値データ用メモリ607の記憶二値データに対応した既知のパターンのデータを再生して、正常に波形等化されるようにトランスバーサルフィルタ603のタップ係数を決定しなければならない。このため、タップ係数を決定したときと異なる再生特性で再生信号が入力されたときには対応できない。
【0008】
また、上記の従来の再生装置のうち後者のものは、再生装置が行うPR等化が、目標値が多値となるため、細かいスレッショルド比較が誤り率判定器609で必要となり、ノイズや歪によって判定が難しくなるという問題がある。従って、複数種類の信号が入力される機器(例えばCD、DVDなどの再生装置)では、再生する信号の性質によってランレングスや等化したいPR特性等が異なるため、スレッショルドを合わせるための制御が煩雑となり、波形等化を安定に行うまでの収束時間が長くかかる可能性がある。
【0009】
また、本出願の重要な課題として、再生信号のチャネルレート(ビットレート)に対して、再生信号の帯域が狭い場合、高域の情報が足りないため、正しいところに収束することが出来ないという問題がある。この理由を代表的な光ディスクシステムであるDVDの場合で説明する。
【0010】
図6に示すように、再生信号のチャネルレート(ビットレート)に対して、再生信号の帯域は、光学系のMTF特性により、高域が大きく削られている。このとき、理想的には、公知のナイキスト条件を満たすように等化が行われ、その一つである目標特性(PR(1,1)、PR(1,2,2,1)などのような特性)に収束することが望ましい。
【0011】
これに対し、従来のフィルタリング(イコライジング)手段は、1ビット間隔の全タップの信号を用いて等化を行っており、その特性は、図7のようになっていた。
【0012】
しかし、高密度記録した状態では、完全に減衰した帯域やノイズに埋もれてしまった(1/2)fc付近の高域成分については、いくら高域を強調しても、欠落した部分を再生することは出来ない。よって高域が欠落している状態の中で、なるべく目標特性(PR(1,1)、PR(1,2,2,1)などのような特性)に近くなり、かつナイキスト条件をいかにも満たしているようなところにタップ係数は誤って擬似収束しようとする。
【0013】
また、高域成分が残留していたとしても、それらを無制限に強調出来るため、本来の特性ではない、しかしナイキスト条件をいかにも満たしているようなところにタップ係数は誤って擬似収束してしまう。
【0014】
回路的には、各係数の値は無限に変化できるわけではないから、どこかでいずれかの係数にリミッタがかかる。そしてそこで等化エラーとして辻褄があう状態に収束してしまい、本来の特性に戻ることが出来なくなる。
【0015】
実際、このような状態は複数存在してしまうため、結果として、本来の目標特性でない特性に擬似的に収束してしまう危険性がある。この現象は、高密度記録になればなるほど、発生しやすくなる。また、本来中心となるべきタップの重み付けが下がってしまい、別のタップだけで特性を作ってしまったり、別のタップを中心として収束してしまうことも少なくない。
【0016】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、ノイズや歪の影響なく確実なPR等化による波形等化を行うことができ、また、収束範囲の拡大及び収束時間の短縮を実現し、更に、ICデバイスによる回路規模を削減する再生装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解消するために、本発明は、下記(1)〜(5)の構成になる再生装置を提供する。
(1) 記録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
前記フィルタリング手段は、
前記再生信号を所定のクロックでサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のうち、偶数番目、もしくは奇数番目となる複数の一タップおきタップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を加算して等化後信号として出力するトランスバーサルフィルタと、
前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別回路と、
前記エラー信号及び前記サンプリング後信号を遅延した信号に基づき、前記複数の一タップおきタップ出力のそれぞれに乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備えたことを特徴とする再生装置。
(2) 記録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
前記フィルタリング手段は、
前記再生信号を所定のクロックでサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を加算して等化後信号として出力するトランスバーサルフィルタと、
前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別回路と、
前記エラー信号及び前記サンプリング後信号を遅延した信号に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備え、
該係数生成手段は、前記タップ係数の内、任意の一つのタップ係数の値に基づき、その他のタップ係数の値もしくは極性を制限することを特徴とする再生装置。
(3)録媒体に記録されている信号を再生した再生信号を所定のクロックでサンプリングして得たサンプリング後信号を、奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号と偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号として、順次交互に分配する分配手段と、
前記分配手段出力する前記奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号をパーシャルレスポンス等化し第1の等化後信号として出力する第1のフィルタリング手段と、
前記分配手段出力する前記偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号をパーシャルレスポンス等化し第2の等化後信号として出力する第2のフィルタリング手段と、
前記第1及び第2のフィルタリング手段それぞれ出力する前記第1及び第2の等化後信号を順次交互に第3の等化後信号として出力する出力手段と、を備え
前記第1のフィルタリング手段は、
前記分配手段出力する奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを、各独立した複数の第1のタップ係数それぞれと乗算し、該乗算した乗算出力を加算して前記第1の等化後信号として出力する第1のトランスバーサルフィルタと、
前記第1の等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記第1の等化後信号との差分値をエラー信号として出力する第1の仮判別回路と、
記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記第1のタップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する第1の係数生成手段とを有し、
前記第2のフィルタリング手段は、
前記分配手段が出力する偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを、各独立した複数の第2のタップ係数それぞれと乗算し、該乗算した乗算出力を加算して前記第2の等化後信号として出力する第2のトランスバーサルフィルタと、
前記第2の等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記第2の等化後信号との差分値をエラー信号として出力する第2の仮判別回路と、
記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記第2のタップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する第2の係数生成手段とを有することを特徴とする再生装置。
(4)録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
前記フィルタリング手段は、
前記再生信号をサンプリングして、もしくはサンプリング後にリサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
前記サンプリング後信号を遅延し多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を合算して等化後信号を出力するトランスバーサルフィルタと
前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別手段と、
前記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力に乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備えたことを特徴とする再生装置。
(5)録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
前記フィルタリング手段は、
前記再生信号をサンプリングして、もしくはサンプリング後にリサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数乗算し、該乗算した乗算出力を合算して等化後信号を出力するトランスバーサルフィルタと
前記等化後信号の仮判別値を算出し、算出した前記仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別手段と、
前記エラー信号と前記多段遅延タップ出力とに基づき、前記多段遅延タップ出力に乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を有し、
該係数生成手段は、前記タップ係数のの任意の一つのタップ係数の値に基づき、その他のタップ係数の値もしくは極性を制限することを特徴とする再生装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる再生装置の第1の実施の形態のブロック図を示す。同図において、ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク1からPDヘッドアンプ2で光電変換及び増幅されたランレングス制限符号(ディジタル信号)は、直流阻止回路3を用いて低域成分が阻止され、続いてA/D変換器4に供給される。A/D変換器4は、図示しないPLLによって生成されるクロックに基づいて、入力信号をサンプリングする。必要に応じて図示しないAGC回路で振幅が一定になるように自動利得制御(AGC)された後、サンプリング後信号として適応等化回路5に供給される。適応等化回路5によりPR特性が付与された等化後再生波形(等化後信号)は、復号回路6に供給されて、例えばビタビ復号される。このビタビ復号の回路構成は公知であり、例えば等化後再生波形のサンプル値からブランチメトリックを計算するブランチメトリック演算回路と、そのブランチメトリックを1クロック毎に累積加算してパスメトリックを計算するパスメトリック演算回路と、パスメトリックが最小となる、最も確からしいデータ系列を選択する信号を記憶するパスメモリとよりなる。このパスメモリは、複数の候補系列を格納しており、パスメトリック演算回路からの選択信号に従って選択した候補系列を復号データ系列として出力する。ECC回路7は、上記の復号回路6からの復号データ系列中の誤り訂正符号を用いて、その誤り訂正符号の生成要素の符号誤りを訂正し、誤りの大幅に低減された復号データを出力する。
【0019】
以上の構成において、本実施の形態は適応等化回路5の具体的な回路構成に特徴を有するものであり、以下、この適応等化回路5の具体的な構成について詳細に説明する。図2、図9、図10はそれぞれ適応等化回路5の具体的な回路構成を示す第1実施例(適応等化回路5A)、第2実施例(適応等化回路5B)、第3実施例(適応等化回路5C)である。
ここで用いる光ディスク1は本発明の再生装置に用いるディスク状記録媒体の一例であり、このディスク状記録媒体としては光磁気ディスク(MO)、ハードディスク(HD)等であっても良い。
【0020】
図2は適応等化回路5の第1実施例である適応等化回路5Aの構成を示しており、タップ段数が5の場合を示している。A/D変換器4側から入力されて所定クロックでサンプリングされたサンプリング後信号はD型フリップフロップ回路(以下D−FFと記す)51aに入力される。このサンプリング後信号はD−FF51a〜51dにてシステムクロック(ビットクロック)のタイミングで1ビットクロックづつ順次遅延出力されることになる。この結果、タップ出力TD1,TD3,TD5を得る。これらタップ出力TD1,TD3,TD5は係数乗算器52a,52b,52cにそれぞれ供給され、タップ係数Ka,Kb,Kcと乗算されて信号の出力レベルが調節された後、出力レベルが調節された全ての乗算出力は加算器53にて加算(合算)されて、加算器53から等化後信号として復号回路6側へ出力される。
【0021】
加算器53から出力する等化後信号は仮判別器54にも供給される。この仮判別器54は仮判別によって得られた目標値とこの等化後信号との差を等化エラーとして係数更新手段55に対して出力する。係数更新手段55は等化エラーとタップ出力TD1,TD3,TD5に基づき、タップ係数Ka,Kb,Kcを演算し、この演算結果であるタップ係数を更新出力として係数乗算器52a,52b,52cへ供給する。このアルゴリズムは公知としてよく知られているLMS(Least Mean Square法)によるものであるが、本発明の第1の実施の形態(図1)の第1の要部(適応等化回路5A。図2)は、D−FF51a51cの出力を用いないことである。以下、この原理を説明する。
【0022】
この第1実施例のように、トランスバーサルフィルタのタップ出力を一つおきにしか用いないということ(即ち、D−FF51a−51b−51c−51と縦続構造における、D−FF51aの入力側タップ,D−FF51bの出力側タップ(D−FF51cの入力側タップ),D−FF51dの出力側タップだけを用いること)は、サンプリング周波数を1/2に下げることと等価である。この理由は2クロック離れたところとしか演算を行わないためである。周波数軸ですと図3のような関係になる。その結果、フィルタリングの特性はチャネルレートの1/2以下の部分でのみ決定する。よって、図7に示したようなナイキスト条件は保ったまま誤ったところに収束するという状態を回避できる。
【0023】
さらに、比較的回路規模の大きい係数更新手段55の規模を大幅に削減(この場合は3/5に)することが可能となる。この理由は1係数あたりに設けられた乗算手段及びローパスフィルタ(LPF)が不要となるためである。
【0024】
次に前述した適応等化回路5Aを構成する係数更新手段55の具体的な構成を図4を用いて説明する。同図に示すように、係数更新手段55は3つの係数更新器551a,551b,551cから構成されている。係数更新器551a,551b,551cの各一方の入力端子には前述したタップ出力TD1,TD3,TD5が供給されると共に、その各他方の入力端子には前記した等化エラーが供給される。この結果、係数更新器551a,551b,551cは前記等化エラーに基づいた係数Ka,Kb,Kcを係数乗算器52a,52b,52c側に出力する。このとき、タップ係数Kbは係数更新器551a及び係数更新器551cにも供給されることにより、係数更新器551a及び係数更新器551cは、タップ係数Ka,Kcそれぞれの絶対値が、タップ係数Kbの絶対値の一定割合(例えば0.5など)よりも大きくならないように制限をかけるところに特徴がある。
【0025】
このようにすることで、本来、最も係数が大きくなるべき中心のサンプリング点に対応する係数(この場合はKb)が、他の係数(Ka、Kc)よりも小さくなって辻褄が合ってしまう(擬似ロック)状態を回避できる。
【0026】
また、本来、最も係数が大きくなるべき中心のサンプリング点に対応する係数(この場合はKb)ではなく、異なったサンプリング点を中心に係数が構成されるのを防いだりすることが出来る。
【0027】
次に、図9は適応等化回路5の第2実施例である適応等化回路5Bの構成を示している。前述した適応等化回路5A(図2)と同一構成部分には同一符号を付しその説明を省略する。
A/D変換器4側から供給されて所定クロックのタイミングでサンプリングされてなるサンプリング後信号は、デマルチプレクサ57に入力される。ここではサンプリング後信号に換えてサンプリング後信号をリサンプリングして補間したリサンプリング補間信号を用いても良いが、以下の説明においては、デマルチプレクサ57に入力する信号にサンプリング後信号を用いた場合について説明する。デマルチプレクサ57は入力するサンプリング後信号を1サンプルデータ毎にD−FF56a,56cに対して交互に振り分け出力する。
【0028】
換言すれば、デマルチプレクサ57は、サンプリング後信号を奇数番目のサンプリング周期に奇数フィルタリング手段側(D−FF56a側)へ分配出力するとともに、偶数番目のサンプリング周期に偶数フィルタリング手段側(D−FF56c側)へ分配出力する分配手段である。ここで奇数フィルタリング手段は、D−FF56a,56b、係数乗算器52d,52e,52f、加算器53a、仮判別器54a、係数更新手段55aを備えているものであり、また偶数フィルタリング手段は、D−FF56c,56d、係数乗算器52g,52h,52i、加算器53b、仮判別器54b、係数更新手段55bを備えているものである。
【0029】
デマルチプレクサ57から1サンプルデータ期間おきに(奇数番目のサンプリング周期毎に)、D−FF56aに間欠供給されるサンプリング後信号は、D−FF56a,56bにてシステムクロック(ビットクロックの半分の周波数)のタイミングで順次遅延されることになる。この結果、タップ出力TD1,TD3,TD5を得る。これらタップ出力TD1,TD3,TD5は係数乗算器52d,52e,52fにそれぞれ供給され、タップ係数Kd,Ke,Kfに基づいてレベルが調節される。この後、係数乗算器52d,52e,52fからレベル調節された各乗算出力は加算器53aに供給されてここで加算(合算)されて、加算器53aから第1の等化後信号(奇数番目の波形等化後再生信号)として仮判別器54a、マルチプレクサ58にそれぞれ出力される。
【0030】
仮判別器54aは、仮判別によって得られた目標値と第1の等化後信号との差を等化エラーとして係数更新手段55aに出力する。係数更新手段55aはこの等化エラーと前記したタップ出力TD1,TD3,TD5が共に供給されており、これら等化エラーとタップ出力TD1,TD3,TD5に基づいて、係数乗算器52d,52e,52fのタップ係数Kd,Ke,Kfの値を演算し、この演算結果であるタップ係数値を更新出力として係数乗算器52d,52e,52fへ供給する。こうして係数乗算器52d,52e,52fのタップ係数Kd,Ke,Kfは更新される。この更新出力を得るためのアルゴリズムは前述したLMSによるものである。
【0031】
同様に、デマルチプレクサ57から1サンプルデータ期間おきに(偶数番目のサンプリング周期毎に)、D−FF56cに間欠供給されるサンプリング後信号は、D−FF56c、56dにてシステムクロック(ビットクロックの半分の周波数)のタイミングで順次遅延されることになる。この結果、タップ出力TD2,TD4,TD6を得る。これらタップ出力TD2,TD4,TD6は係数乗算器52g,52h,52iにそれぞれ供給され、タップ係数Kg,Kh,Kiに基づいてレベルが調節される。この後、係数乗算器52g,52h,52iからレベル調節された各乗算出力は加算器53bにて加算(合算)されて、加算器53bから第2の等化後信号(偶数番目の波形等化後再生信号)として仮判別器54b、マルチプレクサ58へそれぞれ出力される。
【0032】
仮判別器54bは、仮判別によって得られた目標値と第2の等化後信号との差を等化エラーとして係数更新手段55bに出力する。係数更新手段55bはこの等化エラーと前記したタップ出力TD2,TD4,TD6が共に供給されており、これら等化エラーとタップ出力TD2,TD4,TD6に基づいて、係数乗算器52g,52h,52iのタップ係数Kg,Kh,Kiの値を演算し、この演算結果であるタップ係数値を更新出力として係数乗算器52g,52h,52iへ供給する。こうして係数乗算器52g,52h,52iのタップ係数Kg,Kh,Kiは更新される。この更新出力を得るためのアルゴリズムは前述したLMSによるものである。
【0033】
前記した加算器53a,53bよりそれぞれ出力された第1、第2の等化後信号は、マルチプレクサ58によって1サンプルデータ毎に順次交互に切り替えて(例えば、…,第1の等化後信号,第2の等化後信号,第1の等化後信号,…)、マルチプレクサ58から第3の等化後信号として復号回路6側に供給される。
換言すれば、マルチプレクサ58は、前記第1の等化後信号(前記奇数番目の波形等化後再生信号)に基づいて前記デマルチプレクサ57(分配手段)からの出力信号を復号した奇数番目の復号データ(一連の等化後信号における奇数番目の復号データ)と、前記第2の等化後信号(前記偶数番目の波形等化後再生信号)に基づいて前記デマルチプレクサ57からの出力信号を復号した偶数番目の復号データ(一連の等化後信号における偶数番目の復号データ)とを順次交互に等化後信号として出力する復号手段である。
【0034】
前記した係数更新手段55aは、図4に示した係数更新手段55と同一構成をしており、中央のタップ係数Keの値に基づいて両端のタップ係数Kd,Kfの係数値範囲を制限する制御を行う。同様に、前記した係数更新手段55bは、図4に示した係数更新手段55と同一構成をしており、中央のタップ係数Khの値に基づいて両端のタップ係数Kg,Kiの係数値範囲を制限する。
【0035】
上述した構成を有する適応等化回路5B(図9)は、先の適応等化回路5A(図2)と同じく確実な再生信号の収束を得ることが出来、かつ適応等化回路の演算クロック周波数を半分に下げる事が出来るという効果を有している。
【0036】
さらに、図10は適応等化回路5の第3実施例である適応等化回路5Cの構成を示している。前述した適応等化回路5A(図2)と同一構成部分には同一符号を付しその説明を省略する。
【0037】
A/D変換器4側から供給されて、図示せぬサンプリング手段にて既にシステムクロック(ビットクロックの半分の周波数即ちデータレートの1/2のクロック)のタイミングでサンプリングされてなるサンプリング後信号は、D−FF59aに供給される。このサンプリング後信号はD−FF59a,59bにてシステムクロック(ビットクロックの半分の周波数)のタイミングで順次遅延されることになる。この結果、多段遅延タップ出力TD1,TD3,TD5を得る。これら多段遅延タップ出力TD1,TD3,TD5は係数乗算器52a,52b,52cにそれぞれ供給され、ここで多段遅延タップ出力TD1,TD3,TD5とタップ係数Ka,Kb,Kcとをそれぞれ乗算し、これら乗算結果を合算したことにより多段遅延タップ出力TD1,TD3,TD5のレベルが調節される。この後、係数乗算器52a,52b,52cからレベル調節された各乗算出力(フィルタリング後信号)は加算器53に供給されてここで加算(合算)されて、加算器53から等化後信号として仮判別器54、補間器60にそれぞれ出力される。
【0038】
ここで換言すれば、前記したD−FF59a,59b、係数乗算器52a,52b,52c、加算器53によりトランスバーサルフィルタ手段が構成されているのであり、こうして構成されたトランスバーサルフィルタ手段は前記サンプリング後信号を遅延して得た多段遅延タップ出力とタップ係数とをそれぞれ乗算し、これら乗算結果を合算したフィルタリング後信号を出力する。
【0039】
仮判別器54は、仮判別によって得られた目標値と等化後信号との差を等化エラーとして係数更新手段55に出力する。換言すれば仮判別器54は前記フィルタリング後信号の仮判別値を算出し、算出した前記仮判別値と前記フィルタリング後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別手段である。
【0040】
係数更新手段55は、この等化エラーと前記した多段致知縁タップ出力TD1,TD3,TD5が共に供給されており、これら等化エラーとタップ出力TD1,TD3,TD5に基づいて、係数乗算器52a,52b,52cのタップ係数Ka,Kb,Kcの値を演算し、この演算結果であるタップ係数値を更新出力として係数乗算器52a,52b,52cへ供給する。換言すれば係数更新手段55は前記エラー信号(等化エラー)と前記多段遅延タップ出力TD1,TD3,TD5とに基づき、前記トランスバーサルフィルタ手段を構成する係数乗算器52a,52b,52cのタップ係数を、前記エラー信号が最小になるように可変制御する係数生成手段である。こうして係数乗算器52a,52b,52cのタップ係数Ka,Kb,Kcは更新される。この更新出力を得るためのアルゴリズムは前述したLMSによるものである。
【0041】
一方、加算器53より出力された等化後信号は補間器60によって、1サンプルデータ数を増やして、ビットクロック相当の情報を生成して、復号回路6側に供給される。係数更新手段55は、図4に示した係数更新手段55と同一構成をしており、中央のタップ係数Kbの値に基づいて両端のタップ係数Ka,Kcの係数範囲を制限する。
このように適応等化回路5C(図10)は、適応等化回路5A(図2)と同じく確実な収束を得ることが出来、かつ適応等化回路の演算クロック周波数を半分に下げる事が出来るという効果を有するとともに、回路規模を大幅に削減出来るという効果がある。前記した構成の適応等化回路5C(図10)における多数の前記タップ係数のうちの任意の一つのタップ係数値に基づいて、残りのタップ係数値を制限するタップ係数制限手段も有している
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面と共に説明する。図5は本発明になる再生装置の第2の実施の形態のブロック図を示す。図1と同じ機能を示すブロックについては同一の番号を付し、その説明を省略する。同図において、ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク1からPDヘッドアンプ2で光電変換及び増幅されたランレングス制限符号(ディジタル信号)は、直流阻止回路3を用いて低域成分が阻止され、続いて固定周波数のクロックに基づいてA/D変換器8を通し、必要に応じて図示しないAGC回路で振幅が一定になるように自動利得制御(AGC)された後、リサンプリング・DPLL9に供給される。なお、A/D変換器8を設ける位置は、リサンプリング・DPLL9の前であればどこであってもよい。
【0043】
リサンプリング・DPLL9は、自分自身のブロックの中でループが完結しているディジタルPLL回路で、A/D変換器により固定のシステムクロックでサンプリングされている入力信号に対し所望のビットレートでリサンプリングしたディジタルデータ(すなわち、ディジタルデータの位相0°、180°のうち、180°のリサンプリングデータ)を生成し、本実施の第2の実施の形態の要部を構成する後述の適応等化回路10に供給する。なお、ここでリサンプリングとは、ビットクロックのタイミングにおけるサンプリングデータを、システムクロックのタイミングでA/D変換したデータより間引き補間演算をして求めることをいう。なお、上記0ポイント情報は、ビットサンプリングのデータが、ゼロレベルとクロスするポイントをビットクロック単位で示している。更に、リサンプリング・DPLL9は、この0ポイント情報が示すゼロクロスポイントに相当する位相180°のリサンプリングデータの値に基づいて、それが0になるように、リサンプリングのタイミング、つまり周波数及び位相をロックさせる。
【0044】
適応等化回路10によりPR特性が付与された等化後再生波形は、復号回路11に供給されて、例えばビタビ復号される。このビタビ復号の回路構成は公知であり、例えば等化後再生波形のサンプル値からブランチメトリックを計算するブランチメトリック演算回路と、そのブランチメトリックを1クロック毎に累積加算してパスメトリックを計算するするパスメトリック演算回路と、パスメトリックが最小となる、最も確からしいデータ系列を選択する信号を記憶するパスメモリとよりなる。このパスメモリは、複数の候補系列を格納しており、パスメトリック演算回路からの選択信号に従って選択した候補系列を復号データ系列として出力する。
【0045】
ECC回路12は、上記の復号回路11からの復号データ系列中の誤り訂正符号を用いて、その誤り訂正符号の生成要素の符号誤りを訂正し、誤りの大幅に低減された復号データを出力する。
【0046】
上述した本発明の各実施の形態の基本的な構成は、本出願人が特願平11−291634号にて提案しているものであり、適応等化の収束範囲を拡大することが可能となる。上述した本発明の各実施の形態は特に適応等化器10に図2及び図4で説明した適応等化回路5もしくは係数更新手段55を用いることにより、さらに確実な収束をすることが可能となる。このとき、D−FF51aから51dをはじめとするラッチ手段は、DPLLより供給されるビットクロックに基づいてラッチ動作を行うことはもちろんである。
【0047】
なお、本発明は上述した実施の形態に制限されるものではなく、タップの数は任意に選択可能であり、奇数もしくは偶数の、(つまり、1ビットおきの)タップを用いれば、同様の効果が得られることはもちろんである。なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図4においてKa、Kcの値ではなく極性を制限してもよいことはもちろんである。なお、サンプリングもしくはリサンプリングの周波数についても、自由に選択出来ることはもちろんである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、再生信号の帯域が狭いために生ずる擬似ロック状態が複数存在してしまうのを回避し、本来の目標特性に確実に収束することができ、ノイズや歪の影響なく確実なPR等化による波形等化が可能であり、さらに収束範囲の拡大及び収束時間の短縮を実現することができ、ICデバイスによる回路規模を大幅に削減することができるる。さらに、現在のサンプル点のレベルに依存することなく、ゼロクロスサンプルを状態遷移から決定される収束目標値との誤差であるエラー信号を生成して出力し、このエラー信号に基づいてトランスバーサルフィルタのタップ係数を可変制御し、パーシャルレスポンス波形等化特性から外れたエラー信号を最小にするような制御を行うような構成と組み合わせることにより収束範囲を従来のタップ係数固定値の波形等化回路に比べて収束範囲を大幅に拡大できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる再生装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】 図1に示した適応等化回路の第1実施例のブロック図である。
【図3】 本発明になるフィルタリングの特性とチャンネルレートの関係図である。
【図4】 図1に示した係数更新手段の一実施の形態のブロック図である。
【図5】 本発明になる再生装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図6】 光ディスクの再生信号とチャンネルレートの関係図である。
【図7】 フィルタリングの特性とチャンネルレートの関係図である。
【図8】 従来の再生装置の一例のブロック図である。
【図9】 図1に示した適応等化回路の第2実施例のブロック図である。
【図10】 図1に示した適応等化回路の第3実施例のブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク(ディスク状記録媒体)
2 PDヘッドアンプ
3 直流阻止回路
4、8 A/D変換器
5、5A〜5C、10 適応等化回路
6、11 復号回路
7、12 ECC回路
9 リサンプリング・DPLL
51a〜51d、56a〜56d、59a、59b D−FF
52a〜52i 係数乗算器
53、53a、53b 加算器
54、54a、54b 仮判別器(仮判別手段)
55、55a、55b 係数更新手段
551a、551b、551c 係数更新器
57 デマルチプレクサ(分配手段)
58 マルチプレクサ(復号手段)

Claims (5)

  1. 記録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
    前記フィルタリング手段は、
    前記再生信号を所定のクロックでサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
    前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のうち、偶数番目、もしくは奇数番目となる複数の一タップおきタップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を加算して等化後信号として出力するトランスバーサルフィルタと、
    前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別回路と、
    前記エラー信号及び前記サンプリング後信号を遅延した信号に基づき、前記複数の一タップおきタップ出力のそれぞれに乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備えたことを特徴とする再生装置。
  2. 記録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
    前記フィルタリング手段は、
    前記再生信号を所定のクロックでサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
    前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を加算して等化後信号として出力するトランスバーサルフィルタと、
    前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別回路と、
    前記エラー信号及び前記サンプリング後信号を遅延した信号に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備え、
    該係数生成手段は、前記タップ係数の内、任意の一つのタップ係数の値に基づき、その他のタップ係数の値もしくは極性を制限することを特徴とする再生装置。
  3. 録媒体に記録されている信号を再生した再生信号を所定のクロックでサンプリングして得たサンプリング後信号を、奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号と偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号として、順次交互に分配する分配手段と、
    前記分配手段出力する前記奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号をパーシャルレスポンス等化し第1の等化後信号として出力する第1のフィルタリング手段と、
    前記分配手段出力する前記偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号をパーシャルレスポンス等化し第2の等化後信号として出力する第2のフィルタリング手段と、
    前記第1及び第2のフィルタリング手段それぞれ出力する前記第1及び第2の等化後信号を順次交互に第3の等化後信号として出力する出力手段と、を備え
    前記第1のフィルタリング手段は、
    前記分配手段出力する奇数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを、各独立した複数の第1のタップ係数それぞれと乗算し、該乗算した乗算出力を加算して前記第1の等化後信号として出力する第1のトランスバーサルフィルタと、
    前記第1の等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記第1の等化後信号との差分値をエラー信号として出力する第1の仮判別回路と、
    記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記第1のタップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する第1の係数生成手段とを有し、
    前記第2のフィルタリング手段は、
    前記分配手段が出力する偶数番目のサンプリング周期に応じたサンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを、各独立した複数の第2のタップ係数それぞれと乗算し、該乗算した乗算出力を加算して前記第2の等化後信号として出力する第2のトランスバーサルフィルタと、
    前記第2の等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記第2の等化後信号との差分値をエラー信号として出力する第2の仮判別回路と、
    記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力のそれぞれに乗算する前記第2のタップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する第2の係数生成手段とを有することを特徴とする再生装置。
  4. 録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
    前記フィルタリング手段は、
    前記再生信号をサンプリングして、もしくはサンプリング後にリサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
    前記サンプリング後信号を遅延し多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数と乗算し、該乗算した乗算出力を合算して等化後信号を出力するトランスバーサルフィルタと
    前記等化後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別手段と、
    前記エラー信号及び前記多段遅延タップ出力に基づき、前記多段遅延タップ出力に乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を備えたことを特徴とする再生装置。
  5. 録媒体に記録されている信号を再生し、その再生信号をフィルタリング手段を用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
    前記フィルタリング手段は、
    前記再生信号をサンプリングして、もしくはサンプリング後にリサンプリングしてサンプリング後信号を出力するサンプリング手段と、
    前記サンプリング後信号を遅延し、多段遅延タップ出力を得るとともに、前記多段遅延タップ出力のそれぞれを各独立したタップ係数乗算し、該乗算した乗算出力を合算して等化後信号を出力するトランスバーサルフィルタと
    前記等化後信号の仮判別値を算出し、算出した前記仮判別値と前記等化後信号との差分値をエラー信号として出力する仮判別手段と、
    前記エラー信号と前記多段遅延タップ出力とに基づき、前記多段遅延タップ出力に乗算する前記タップ係数のそれぞれを、前記エラー信号が最小になるよう可変制御する係数生成手段と、を有し、
    該係数生成手段は、前記タップ係数のの任意の一つのタップ係数の値に基づき、その他のタップ係数の値もしくは極性を制限することを特徴とする再生装置。
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