JP4072492B2 - 薄型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶テレビ等の薄型表示装置に関し、詳しくは背面に斜め下方向を向いた回動可能なスタンドを備えた薄型表示装置に関する。
従来、液晶テレビ等の薄型表示装置では、卓上に設置する場合と壁掛けにする場合を兼用させることがあった。その場合は、表示装置の背面にいわゆるフォトスタンド型のスタンドを設けていた。このスタンドは、上端が表示装置の背面に回動可能に取り付けられ、表示装置が卓上に設置される場合は、その下端が斜め下方を向いて卓上面に当接して、表示装置が後方に倒れないように支える。壁掛けにする場合は、スタンドを表示装置と平行に折り畳んで壁掛けの邪魔にならないようにしている。また、卓上に設置する場合、表示装置の前面の角度を任意の角度に調整するために、背面のスタンドを前後に開閉操作していた。このようにスタンドの角度を調整して調整した角度を保持するためには、スタンドの支軸部分に、スタンドの回動動作にともなってトルクを発生する機構を設けていた。この機構としては、鋼球とバネ板を組み合わせたもの等が提案されている。また、それ以外の表示装置の角度を調整する機構としては、特許文献1〜3に記載のものが提案されている。
特開平8−261392号公報 特開2001−51750号公報 特開2002−196686号公報
ところで、上述した薄型表示装置のスタンドは、表示装置を卓上で支持する場合のその回動範囲に着目してみると、図1〜図3に示すように、スタンドが表示装置の背面と平行な角度から次第に開かれていくときのある角度までは、表示装置の角度が垂直に近く、規定されている転倒角度の条件を満たさないため、スタンドの拡大操作を停止してはいけない範囲がある。もし、この停止禁止範囲内でスタンドを停止してしまうと、表示装置が自立できない場合と、自立できても不安定となりわずかな外力が加わっただけで転倒してしまう危険がある場合がある。そのため、ユーザがこの停止禁止範囲内でスタンドを停止してしまうことがないように、従来は、取り扱い説明書にその旨を記載したり、スタンド部分にその注意書きを記載したラベルを貼付して注意を促していたが、確実に周知徹底される保証は得られなかった。そこで、本発明は、薄型表示装置のスタンドが、停止禁止範囲内で回動操作を停止されることがないようにすることを目的とした。
上記課題を解決するために、本発明は、背面に少なくとも表示画面角度を上下方向に回動自在なスタンドを備えた薄型表示装置において、前記スタンドの回動操作により前記薄型表示装置の表示画面が垂直に近い角度範囲内に保持されている間は前記スタンドの回動トルクを約0にする。
詳しくは、前記スタンドの支軸部分の回動側と固定側のいずれか一方に設けられてバネで他方側に押圧された鋼球と、前記回動側と固定側の他方側に設けられて前記鋼球に当接されるトルク板と、該トルク板上の前記鋼球の軌跡上であって前記停止禁止範囲の対応部分に形成された後退部分とを備える。
また、前記後退部分は前記トルク板に形成された切り抜き孔とすることが好ましい。
さらに、前記スタンドの先端は鋭角形状に形成することが好ましい。
以上述べたように本発明によれば、背面に少なくとも上下方向に回動自在なスタンドを備えた薄型表示装置において、薄型表示装置の画面の角度が垂直に近い停止禁止範囲内ではスタンドの回動トルクを0または所定値以下にすることで、ユーザはスタンドを回動操作する際に、トルク0または所定値以下の停止禁止範囲では、回動操作を停止することが不自然に感じられ、手応えのある、薄型表示装置を安全に自立させることができる範囲で回動操作を停止するようになり、薄型表示装置の転倒を防止することが可能となる。
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る薄型表示装置の一実施形態の側面図であり、スタンドの回動範囲を示す。図2は図1においてスタンドを閉じた、自立不可能な範囲の状態を示し、図3は図1においてスタンドを開いて安定して自立できる状態を示す。これらの図において、1は薄型表示装置であるところの液晶テレビであり、背面の下寄りの位置に、スタンド2が軸支されている。スタンド2の上方には、壁掛け時に使用するリング3が取り付けられている。さらに、リング3の外側にリモコン4が着脱自在に取り付けられている。スタンド2は、図1に示すように、閉じられた状態で液晶テレビ1の背面に略平行な位置Aとなり、その位置から開かれて位置Bまでは、トルクが0または微小な値として回動される。このAB間では、スタンド2が停止されても、液晶テレビ1を自立させることができないか、自立しても不安定で、転倒角の規制を満足することができない範囲である。なお、転倒角の規格では、垂直に対して10度以上と定められているが、図示例ではより安全なように15度以上の場合に自立するようにしている。
このように、AB間で、スタンド2の回動操作にトルクを要しないので、スタンド2を回動操作するユーザは、感覚的に手応えがないため、回動操作を中止することに躊躇して、位置Bに到達するまで回動操作を続けることになる。次に、位置Bから回動範囲の最終位置Cまでは、回動操作に一定値以上のトルクを必要とする範囲である。この範囲内で、ユーザは液晶テレビ1の画面の向きが最適な角度となるように角度を調整することができ、回動操作を停止するとその位置でスタンド2が安定して保持される。この範囲では、スタンド2を他の角度に変更しようとすると、スタンド2に一定値以上の回動トルクを与えなければならない。これらBC間の操作については、従来のスタンドにおける操作と同じである。
図4〜図7はスタンド2とそれを支持する金具部分を示し、図4は斜視図であり、図5はスタンド2が閉じた状態の側面図であり、図6はその平面図であり、図7はその正面図である。スタンド2は、図4および図7に示されるように、液晶テレビ1の背面に取り付けられブラケット金具11,12により、スタンド2と一体の回動軸21の両端が支持されている。ブラケット金具12と回動軸21の接続部分は、図5に示すように、ブラケット金具12に孔が開けられて、そこへ鋼球13が装着され背面側から手前側に向けてばね(図示せず)により押圧されている。鋼球13の手前側には、回動軸21に一体的に支持されて回動軸21とともに回動するトルク板22が配置されている。
その結果、トルク板22の背面に鋼球13が押圧されていることになる。トルク板22には、スタンド2が回動操作された際の鋼球13が当接される軌跡上に、その軌跡に沿った長孔23と丸孔24が形成されている。ここで、スタンド2が図1の反時計方向にAB間を回動する間は、鋼球13は長孔23内に位置しているため、鋼球13がトルク板22に当接せずにトルクが0または微小な値となる。次いで、スタンド2が図1の反時計方向にBC間を回動する間は、鋼球13はトルク板22に当接してその押圧力に比例したトルクが発生する。次いで、スタンド2がC位置に到達すると鋼球13が丸孔24に挿入され、スタンド2はその位置で安定する。スタンド2が時計方向に回動される場合も、同様に、その位置に応じて、トルクが発生したり消失したりする。
なお、鋼球13が長孔23の上端と丸孔24との間の範囲を逸脱しないように、ブラケット金具12と回動軸21の間にストッパー(図示せず)が設けられている。これらトルク板22と鋼球13を組み合わせたトルク発生機構は、従来の液晶テレビのスタンドに広く用いられている技術であるが、本発明は、そのトルク板22に新たに長孔23を形成してトルクレスの範囲を設けたものである。ここで、トルク板22上に長孔23を形成しないで、代わりにトルク板22に鋼球13から遠ざかる方向に後退する溝を形成し、その深さでトルクの大きさを調整するように構成することも可能である。また、図示例では、ブラケット金具12側に鋼球13を設け、回動軸21側にトルク板22を設けたが、これらの位置関係は相対的なものであり、互いに反対にして配置することも可能である。また、スタンド2はその先端が鋭角形状に尖った形状に形成されているため、スタンド2の先端の卓上面等との接触部の単位面積当たりの荷重が相対的に大きくなり、その分摩擦力が増して、滑りにくくなる効果が得られる。
本発明は、液晶テレビ等の薄型表示装置以外に、背面に上下方向回動操作が可能なスタンドを備えた電子機器および家具、陳列器具等に利用可能である。
本発明に係る薄型表示装置の一実施形態の側面図であり、スタンドの回動範囲を示す。 図1においてスタンドを閉じた自立不可能な範囲の状態を示す側面図である。 図1においてスタンドを開いて安定して自立できる状態を示す側面図である。 図1のスタンドとそれを支持する金具部分を示す斜視図である。 図1のスタンドとそれを支持する金具部分を示す側面図である。 図1のスタンドとそれを支持する金具部分を示す平面図である。 図1のスタンドとそれを支持する金具部分を示す正面図である。
符号の説明
1 液晶テレビ
2 スタンド
3 リング
4 リモコン
11,12 ブラケット金具
13 鋼球
21 回動軸
22 トルク板
23 長孔
24 丸孔

Claims (4)

  1. 背面に少なくと表示画面角度を上下方向に回動自在なスタンドを備えた薄型表示装置において、
    前記スタンドの回動操作により前記薄型表示装置の表示画面が垂直に近い角度範囲内に保持されている間は前記スタンドの回動トルクを約0にしたことを特徴とする薄型表示装置。
  2. 請求項1に記載の薄型表示装置において、
    前記スタンドの支軸部分の回動側と固定側のいずれか一方に設けられてバネで他方側に押圧された鋼球と、
    前記回動側と固定側の他方側に設けられて前記鋼球に当接されるトルク板と、
    該トルク板上の前記鋼球の軌跡上であって前記停止禁止範囲の対応部分に形成された後退部分と、
    を備えたことを特徴とする薄型表示装置。
  3. 請求項に記載の薄型表示装置において、
    前記後退部分を前記トルク板に形成された切り抜き孔としたことを特徴とする薄型表示装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の薄型表示装置において、
    前記スタンドの先端を鋭角形状に形成したことを特徴とする薄型表示装置。
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