JP4071407B2 - 光コネクタ用スリーブ、及びレセプタクル - Google Patents

光コネクタ用スリーブ、及びレセプタクル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと光素子モジュールとの間に介在し、これらのいずれか一方から出射される光をいずれか他方へ伝搬する光コネクタ用スリーブに関する。また、光プラグと共に光コネクタを構成するとともに、上記光コネクタ用スリーブを備えたレセプタクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述の光ファイバと光素子モジュールとの間に光コネクタ用スリーブ(以下、単にスリーブと略記する)を各々介在させた光コネクタとしては、本願出願人が先に提案した光コネクタ(実公平6−33443号公報に開示される技術)が一般的に知られている。
【0003】
図12において、引用符号1、1はスリーブ、引用符号2は光コネクタを示している。
スリーブ1、1は、光コネクタ2を構成するレセプタクル3(機器側コネクタ)に設けられている。また、スリーブ1、1は、同じくレセプタクル3に設けられる光素子モジュール4、4(受光素子モジュール4と発光素子モジュール4とに分けられている)と、光コネクタ2を構成する光プラグ(光ファイバ側コネクタ)5に設けられる光ファイバ6、6(一方のみ図示、以下同様)との間に介在するように配設されている。さらに、光素子モジュール4、4と光ファイバ6、6との光学的接続をなし得る部材として位置づけされている。
【0004】
上記光コネクタ2について、スリーブ1、1と共にもう少し詳しく説明すると、光コネクタ2は上記レセプタクル3と、そのレセプタクル3に嵌合する上記光プラグ5とを備えて構成されている。
【0005】
レセプタクル3は、図12及び図13に示される如く、合成樹脂製のハウジング7を有しており、その内部の格納室8、8には、光素子モジュール4、4がゴム等の弾性部材から成るバックシート9、9で支持された状態で格納されている。そして、その背面にキャップ10が冠着されており、また、光素子モジュール4、4を支持した格納室8、8の前方には、レンズ11、11の軸と一致して前方にのびる受承筒12、12が設けられている。その受承筒12、12内には、スリーブ1、1が挿着されている。
【0006】
スリーブ1、1は、コア及びクラッド(不図示)で構成された光ファイバ13(マルチモードプラスチック光ファイバ)を円筒状のホルダ14に接着固定した後に、その両端面を研磨して形成されている。
【0007】
一方、レセプタクル3と嵌合する光プラグ5は、図12及び図14に示される如く、先端に光ファイバ6、6の端面が露出した状態で光ファイバ6、6を被覆するフェルール組み立て体15、15と、フェルール組み立て体15、15を内部に収容して保護する筒状隔壁16を設けたプラグハウジング17と、そのプラグハウジング17に嵌合固定されるスプリングキャップ18と、スプリングキャップ18の後部に嵌着されるブーツ19とを備えて構成されている。
【0008】
また、プラグハウジング17には、フェルール組み立て体15、15の外周後半部に設けられた鍔状の係止部15a、15aと係合する肩部17aが形成されており、係止部15a、15aとスプリングキャップ18の内筒部18a、18a間にスプリング20、20を置いてフェルール組み立て体15、15が常時前方に付勢されるようになっている。
【0009】
そして、係止部15a、15aと肩部17aの係合によって、フェルール組み立て体15、15の先端部A(図14参照。光ファイバ6の入・出射端面(受光面・発光面)の位置に相当する)がプラグハウジング17の前端面B(図14参照)よりも常に内部に引き込まれた状態になるように構成されている。
【0010】
上記構成において、図12を参照しながらレセプタクル3と光プラグ5の接続について説明する。
【0011】
レセプタクル3に光プラグ5を嵌合させると、受承筒12、12はプラグハウジング17内に進入し、同時にフェルール組み立て体15、15は受承筒12、12に進入する。また、フェルール組み立て体15、15は受承筒12、12の先端に当接し、スプリング20、20の弾性力によって適度の接触圧が保たれる。
【0012】
この状態において、先端部A(図14参照)とスリーブ1、1は、間隙(不図示)を最小に保って配置されることになる。従って、間隙損失が最小限に抑えられることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来技術にあっては、スリーブ1が光ファイバ13を有し且つ円柱状に形成されていることから、次のような問題点が生じている。
【0014】
即ち、図15の矢線に示されるような光路であって、光ファイバ6及びスリーブ1を介して伝送される光c1(臨界角範囲内の光)について考えると、受光素子モジュール4の受光面4aがスリーブ1の発光面1aよりも小さい場合(図示しない中心軸に対して片側が寸法dずつ光ファイバ13よりも小さい)、光c1が受光素子モジュール4に受光されないこともある。このことは、伝送効率を低下させる一つの要因となっている。
【0015】
また、特に図示してはいないが、上記発光素子モジュール4の発光面(不図示)から射出(発光)される光について考えると、その光が拡散するLED光である場合、上記スリーブ1に入射することができない光が生じてしまうこともある。この場合も伝送効率を低下させる一つの要因となっている。仮にそのような光が上記スリーブ1に入射したとしても、図16に示される如く、臨界角範囲外(θ)の光c2となるので、光c2はスリーブ1内で全反射することなく透過されてしまい、光c2の伝搬は行われないことになる。
【0016】
さらにまた、上記従来技術では間隙損失を最小限に抑えて伝送効率の向上が図られているが、上記光ファイバ6及びスリーブ1間の僅かな間隙や軸のずれによって伝送効率が左右されてしまう恐れがある。
【0017】
一方、上述の伝送効率の問題点の他に、スリーブ1の生産性に絡んだ問題点もある。
即ち、スリーブ1は、上述の如く、光ファイバ13をホルダ14に挿着して接着固定した後、光学的特性(光の伝送効率)を向上させるために、複数番の粒度研磨材を用いて、ホルダ14と共に光ファイバ13の両端面を研磨仕上げする必要がある。これにより、構成部品を製造するための前工程をも含めると、スリーブ1の製造には多くの製造工程を伴うことになり、生産性が良いとはとても言い難いものがある。
【0018】
また、スリーブ1の製造工程においては、構成部品の生産状況の管理や寸法検査等が必要であることから、生産管理に煩雑さを伴い、生産性に影響を来してしまう。製造コストがかかることにもなる。
【0019】
尚、スリーブ1を改善するにあたり、レセプタクル3に対する組み立てがスムーズに行われるようにしなければならないのは当然である。レセプタクル3の生産性に寄与することになる。
【0020】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、伝送効率の向上を図り、さらには生産性を高めてコスト低減をなし得る光コネクタ用スリーブを提供することを第一の課題とする。
【0021】
また、本発明は、上記光コネクタ用スリーブを備えてよりよいレセプタクルを提供することを第二の課題としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、端末にフェルールを装着した光ファイバと、発光又は受光用の光素子を有する光素子モジュールとの間に介在し、これらのいずれか一方から出射される光をいずれか他方へ伝搬する光コネクタ用スリーブであって、透明な合成樹脂製のコア部と、該コア部よりも小さな屈折率を有する透明な合成樹脂製のクラッド部とを備え、前記コア部は、前記光ファイバ及び前記光素子モジュール間の光軸方向に延在するとともに、次第に縮径するテーパ状の側部を形成した略截頭円錐状の導波路と、前記導波路における小さな径側の端面近傍となる前記側部に、前記クラッド部を隔てる開放された空間とを有し、該導波路は、大きな径側の端部に前記光を受光し且つ集光するレンズを有し、前記クラッド部は、前記側部に密着して該クラッド部の外形が前記コア部と同心円となる略円状に構成されることを特徴としている。
【0023】
請求項2記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、請求項1に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、前記コア部は、前記レンズ近傍の前記側部に一体となる円形フランジ状のガイドを有し、該ガイドには、前記クラッド部の前記外形に対する形成位置の基準となる帯状周面が形成されることを特徴としている。
【0024】
請求項3記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、請求項2に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、前記ガイドは、前記レンズの頂部の位置と同一平面上となる端面を有することを特徴としている。
【0025】
請求項4記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、請求項2又は請求項3に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、前記クラッド部の前記外形は面で構成され、該面又は/及び前記帯状周面には、組み付け作業用の突起又は溝が一体に形成されることを特徴としている。
【0027】
請求項5記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、請求項1ないし請求項4いずれか記載の光コネクタ用スリーブにおいて、前記クラッド部は、前記コア部に対して識別可能であるとともに前記導波路を伝搬する前記光に対して反射可能な色付けがなされることを特徴としている。
【0028】
請求項6記載の本発明の光コネクタ用スリーブは、請求項1ないし請求項5いずれか記載の光コネクタ用スリーブにおいて、前記レンズの表面には、反射防止膜が形成されることを特徴としている。
【0029】
上記第二の課題を解決するためなされた請求項7記載の本発明のレセプタクルは、請求項1ないし請求項6いずれか記載の光コネクタ用スリーブと、発光用の光素子を有する光素子モジュールと、受光用の光素子を有する光素子モジュールとを備え、端末にフェルールを装着した二本の光ファイバを有する光プラグを嵌合させた後には、前記光素子モジュールとこれに対応する前記光ファイバとの間に前記光コネクタ用スリーブが位置することを特徴としている。
【0030】
請求項1に記載された本発明によれば、光ファイバ又は光素子モジュールのいずれか一方から出射された光は、コア部のレンズを介して受光される。受光された光は、レンズにより集光される。また、導波路内を伝搬し、導波路の側部で全反射を繰り返しながら次第に集光される。受光された光は、上記いずれか一方に対するいずれか他方に向けて集光されつつ伝搬されるから、上記いずれか他方への光の伝送効率がよい。
クラッド部の成形時において導波路の端面近傍となる側部に成形金型の一部を位置させることが可能になる。これにより、クラッド部を成形する際に成形金型内でのコア部の保持が確実になる。コア部が成形金型内で確実に保持されることで生産性が向上する。
上記いずれか一方との光軸のズレが生じていても、そのズレはレンズによって緩和される。また、光の全反射が繰り返されることになる導波路の側部は、クラッド部によって保護され、傷やゴミの付着等が起こり難くなるから、光の伝送効率がよい。傷やゴミの付着等が起こり難くなれば、組み付けに係る作業も当然にし易くなる。
光コネクタ用スリーブは、コア部を成形した後にクラッド部を導波路の側部に密着させて成形される。例えば、成形金型を鏡面仕上げすれば、成形後に研磨の工程を行う必要はない。また、成形金型の寸法精度がでていれば常に安定した製品の供給がなされる。従って、光コネクタ用スリーブは、従来よりも少ない工程で製造される。また、構成部材の組み合わせではないから、従来よりも生産管理が簡素化される。
【0031】
請求項2に記載された本発明によれば、ガイドとクラッド部が従来のホルダーの代わりになる。言い換えれば、従来のホルダーが不要になる。コア部とクラッド部は成形によって一体になることから、これを一つとして考えれば、構成部材が従来よりも減ることになる。
一方、ガイドを有することでコア部のゲート位置が確保しやすくなる。また、クラッド部の成形時にガイドを保持しながら成形することが可能になる。
【0032】
請求項3に記載された本発明によれば、ガイドの端面に光ファイバ又は光素子モジュールのいずれか一方が当接すると、レンズの頂部もそのいずれか一方に当接する。頂部においてレンズとの間隙がなくなることから、間隙損失が抑えられる。端面と頂部とが同一平面上にあることから、レンズはガイドにより保護される。
【0033】
請求項4に記載された本発明によれば、レセプタクルへの組み付けの際に、光コネクタ用スリーブの組み付け方向性を間違えることはない。突起又は溝を用いることで正規の位置に組み付けできないようにすることが可能になる。
【0035】
請求項5に記載された本発明によれば、レセプタクルへの組み付けの際に、光コネクタ用スリーブの組み付け方向性を間違えることはない。
【0036】
請求項6に記載された本発明によれば、レンズに入射する光の量の減少を防止することが可能になる。コア部内により多くの光が入射し、伝搬されることになる。
尚、反射防止膜はARコートを施す(誘電体を多層に蒸着する)ことで得られるものとする。
【0037】
請求項7に記載された本発明によれば、請求項1ないし請求項6いずれか記載の光コネクタ用スリーブを備えたレセプタクルになる。光プラグが嵌合した後には、光素子モジュールとこれに対応する光ファイバとの間に光コネクタ用スリーブが位置する。光の伝送効率がよく、組み付けに係る作業も当然にし易い。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図1は本発明の光コネクタ用スリーブの一実施の形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。また、図2は図1(b)のC−C線断面図を示している。
【0039】
図1又は図2において、光コネクタ用スリーブ21(以下、単にスリーブと略記する)は、合成樹脂製のコア部22と、二色成形によって成形されたクラッド部23とを備えて構成されている。また、スリーブ21は、従来のスリーブ1(図12及び図13参照)の外形に略一致する円柱状に形成されている。さらに、コア部22とクラッド部23は、クラッド部23の方がコア部22よりも小さな屈折率を有するように材質の関係を取り決めて形成されている。
【0040】
上記コア部22は、透明なポリカーボネート(PC、この材料に限定されないものとする)から成形されて成り、導波路24とガイド25とを備えて構成されている。導波路24は、一端部から他端部に向けて次第に縮径するテーパ状の側部26を有する略截頭円錐状に形成されており、導波路24の一端部、即ち導波路24の大きな径側の端部には、外方に凸となり集光作用を有するレンズ27が一体に形成されている。レンズ27の表面には、図示しない反射防止膜(ARコート)が形成されている。
【0041】
本形態においては、レンズ27が受光面、導波路24の小さな径側の端面28が発光面となっている。また、スリーブ21は、後述する光ファイバ60及び光素子モジュールとしての受光素子モジュール46、発光素子モジュール47間の光軸方向に延在するようになっている。さらに、レンズ27の径は、スリーブ21の全長に対して約2/7、端面28の径は約1/6に形成されている(この割合に限られるものではない。あくまでも一例である)。
【0042】
ガイド25は、レンズ27近傍の側部26に一体に形成されている。ガイド25は、帯状周面29を外周に有しており、帯状周面29に直交する端面30、31とで円形フランジ状に形成されている。
【0043】
帯状周面29は、クラッド部23の外形に対する形成位置の基準になっている。つまり、クラッド部23の外形は、帯状周面29に一致して形成されるようになっている。クラッド部23の外形を帯状周面29に一致させる(形成位置の基準にする)ことで、後述するレセプタクル42を組み立てる際に、その作業を容易にすることができるようになる。また、レセプタクル42内でのスリーブ21の安定性を向上させることができるようになる。尚、帯状周面29とクラッド部23の外形とを一致させない場合には、上記効果が十分に得られない恐れもある。
【0044】
端面30は、レンズ27の頂部の位置と同一平面上に配設されている。また、端面30近傍の部分は、レンズ27の外側でそのレンズ27自体を保護するように環状に形成されている。端面30の逆側となる端面31は、フラットに形成されており、クラッド部23が密着するようになっている。
【0045】
一方、コア部22は、導波路24の上記端面28近傍となる側部26に、クラッド部23を隔てる開放された空間32を有している。空間32は、クラッド部23とによって環状に区画形成されている。また、空間32は、クラッド部23の成形時において、上記位置に図示しない成形金型の一部を位置させることで形成されている。
【0046】
空間32を形成することで、クラッド部23を成形する際に、図示しない成形金型内でコア部22を確実に保持することができるようになる。即ち、上記位置とガイド25とを保持することで、成形時のコア部22のズレを確実に防止することができるようになる。これにより、生産性の向上を図ることができるようになる。尚、空間32の部分の導波路24は、空気層によって境界面が形成されている。空気層によって境界面が形成されていても、導波路24内を伝搬する光は、その位置において側部26のテーパ等により臨界角以上にならないことから、空間32を形成することに何ら問題はないと言える。
【0047】
上記クラッド部23は、透明なポリメタクリル酸メチル(PMMA(メタクリル樹脂)、この材料に限定されないものとする)から成形されて成り、導波路24の側部26と、ガイド25の端面31とに密着するように形成されている。また、クラッド部23の外形は、平面視円形の外周面33(特許請求の範囲に記載した面に相当)で構成されており、コア部22の帯状周面29に連続するようになっている。
【0048】
クラッド部23を導波路24の側部26に密着させると、その側部26の位置には、クラッド部23とによる境界面が形成されることになる。また、クラッド部23は、導波路24自体を保護するように機能する。
【0049】
尚、クラッド部23の外周面33には、スリーブ21の延在方向に沿う突起又は溝を形成することができるものとする(配置の例は図1の引用符号34、35を参照)。突起又は溝を設けることで、後述するレセプタクル42の組み立て時に、例えばどちらがレンズ27側なのかを判断し易くすることができるようになる。これにより、スリーブ21の組み付けの方向性が確実になる。組み付けの方向性に誤りがなければ、伝送効率を妨げることはない。
【0050】
また、上記突起又は溝の代わりに、クラッド部23を色付けしてしまうことも効果的である。そして、導波路24を伝搬する光に対して反射可能な色付けをすることが好ましいと言える。例えば、伝搬する光の発光色が赤色である場合、クラッド部23を赤色透明に成形するようにすればよい。
【0051】
スリーブ21の補足説明をすると、そのスリーブ21は、コア部22を成形した後にクラッド部23を導波路24の側部26に密着させた状態に二色成形して製造されている。また、図示しない成形金型は、高い寸法精度を有して製造されている。その図示しない成形金型には、成形後に従来のような研磨の工程を省略するため鏡面仕上げがなされている。
一方、スリーブ21は、樹脂成形により製造されていることから、従来よりも少ない工程で製造されている。また、従来のような、構成部材の組み合わせでないことから、従来よりも生産管理が簡素化されている。
【0052】
次に、以上で説明したスリーブ21を装着して成る光コネクタについて説明する。
【0053】
図3において、引用符号41は例えば自動車等の車両の多重伝送回路に用いられる光コネクタを示しており、その光コネクタ41は合成樹脂製のレセプタクル42と光プラグ43とを備えて構成されている。
【0054】
上記レセプタクル42は、図3及び図4に示される如く、前後に開放された矩形状のコネクタハウジング44を有しており、そのコネクタハウジング44の前方の開放部分に上記光プラグ43が嵌合するようになっている。また、図4に示される如く、後方の開放部分には上記スリーブ21、21、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47、及びキャップ48が順に嵌合するようになっている(嵌合の方向が特許請求の範囲に記載した光軸方向に一致する)。
【0055】
コネクタハウジング44は、図3に示される如く、前方(上記前方の開放部分)に光プラグ43に対する嵌合部49が形成されており、同じく前方の上壁には、光プラグ43の後述するロッキングアーム64が係合する光プラグ係止部50が形成されている。
【0056】
その光プラグ係止部50は、嵌合部49の一部がコネクタハウジング44の内方から外方に向けて突出するような状態で形成されており、上面には上記ロッキングアーム64の係止突起64aに対する矩形状の係合孔50aが開口、形成されている。
【0057】
また、図4に示される如く、コネクタハウジング44の後方(上記後方の開放部分)には、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47に対する格納室51、51が形成されている。その格納室51、51には、上壁及び下壁を貫通させて開口部44a、44b(図6参照、以下同様)が各二つ形成されている。
【0058】
開口部44a、44bには、キャップ48の上下縁部に形成される四つ(下縁部側は不図示のため二つ)の係合突起48aが係合するようになっており、また、開口部44bを介して、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47の接続部(電極)46a、47aが外部へ導出されるようになっている(図6参照)。接続部46a、47aは、図示しない配線基板に半田付けされるようになっている。
【0059】
さらにまた、図5及び図6に示される如く、コネクタハウジング44の内部における中間部分には、嵌合部49から格納室51、51へ連通する受承筒52、52が上記前後に対応する方向に延在し、且つ嵌合部49内に突出するよう一体に設けられている。その受承筒52、52は、内外共に段付に形成されており、内方の段部を境界に前方側が上記光プラグ43の後述するフェルール組み立て体57、57(図7参照)の装着用の筒部分となっている。これに対して上記段部の後方には、スリーブ21、21が格納室51、51を介して挿入されるようになっている。
【0060】
上記段部にスリーブ21、21が当接すると、そのスリーブ21、21の位置決めがなされるようになっている。スリーブ21、21は、その向きを違えて挿入されるようになっている(レンズ27(図2参照)が受光面になるように組み付けの方向性が決められる)。
【0061】
尚、スリーブ21、21が挿入される側の受承筒52、52内部には、スリーブ21、21を保持するための図示しない微小突起が例えば等間隔で四つ設けられている。
【0062】
受光素子モジュール46、発光素子モジュール47は、既知構成のモジュールを用いているので、ここでは詳細な説明は省略する(図4参照)。但し、受光素子モジュール46は、受光素子46a(図8参照、例えばフォトダイオード(PD)、特許請求の範囲に記載した受光用の光素子に相当)を有し、発光素子モジュール47は、図示しない発光素子(例えば発光ダイオード(LED)、特許請求の範囲に記載した発光用の光素子に相当)を有しているものとする。
【0063】
受光素子モジュール46及び発光素子モジュール47は、特許請求の範囲に記載した光素子モジュールに相当する。また、受光素子モジュール46及び発光素子モジュール47は、受・発光モジュール、受・送信モジュール、又はFOT(Fiber Optic Transceiver )等で呼ばれる場合もある。
【0064】
キャップ48には、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47を押しつける断面視略三角形状の突起48b、48bが二条設けられている(図6参照)。
【0065】
一方、上記光プラグ43は、図7に示される如く、フェルール組み立て体57、57(一方のみ図示、以下同様)と、合成樹脂製のプラグハウジング58及びスプリングキャップ59とを備えて構成されている。
【0066】
上記フェルール組み立て体57、57は、光ファイバ60、60(一方のみ図示、以下同様)と、その光ファイバ60、60の端末に装着されるフェルール61、61(一方のみ図示、以下同様)と、スプリング62、62(一方のみ図示、以下同様)とから構成されている。
【0067】
光ファイバ60は既知のもので、コア(不図示)及びそのコアよりも屈折率の小さいクラッド(不図示)から成る光伝達部材60b(図8参照)と、光伝達部材60bを被覆する一次シース(不図示)及び二次シース60aとで構成されている。また、端末の一次シース(不図示)及び二次シース60aを皮剥してフェルール61を装着するようになっている。
【0068】
フェルール61は合成樹脂製であって、略円筒状の小径部61a及び大径部61bを有しており、光ファイバ60の光伝達部材60b(図8参照)が小径部61aに、また、一次シース(不図示)が大径部61bに収容されるようになっている。また、フェルール61と光ファイバ60は接着剤等で強固に固定されており、光ファイバ60がフェルール61から抜け落ちてしまうことがないようになっている。
【0069】
大径部61bには、二つのフランジ部61c、61cが周設されており、後方のフランジ部61cと上記スプリングキャップ59との間にスプリング62が介在するようになっている。
【0070】
プラグハウジング58は、フェルール組み立て体57、57を収容する中空の収容室63、63(一方のみ図示、以下同様)を有する矩形状の箱体であって、上壁の前端には、収容室63、63を区画する位置(図3参照)に、後方に延びるロッキングアーム64が一体に形成されている。
【0071】
ロッキングアーム64は、上記光プラグ係止部50の係合孔50a(図3及び図4参照)に係合する係止突起64aを有しており、そのロッキングアーム64の先端部を押下することで、光プラグ43の上記レセプタクル42に対する嵌合操作が可能になっている(図3参照)。
【0072】
また、図3に示される如く、プラグハウジング58の両側壁後方には、そのプラグハウジング58の後端面よりも後方に突出する略短冊状のスリットカバー65、65が形成されており、スプリングキャップ59の後述するプラグ導入スリット66、66を閉止するようになっている。
【0073】
スプリングキャップ59は、図3に示される如く、その両側壁及び後端面の一部にわたってプラグ導入スリット66、66が切り欠き形成されており、後端面におけるプラグ導入スリット66、66(一方のみ図示、以下同様)の縁部近傍には、支持壁67が突出するように一体に設けられている。
【0074】
また、スプリングキャップ59の上壁中央には、ロッキングアーム64に対する凹部68が形成されており、その凹部68を挟んだ両側には、保護壁69、69が立設されている。
【0075】
尚、スプリングキャップ59の後端面の内側は、スプリング62が当接するようになっている(図7参照)。また、スプリングキャップ59の内部中央には、プラグハウジング58に対する図示しない係止突起が設けられている。
【0076】
光プラグ43は、フェルール組み立て体57、57をスプリングキャップ59のプラグ導入スリット66、66を介して装着した後、そのスプリングキャップ59をプラグハウジング58に係合させることで組み立てられており、フェルール組み立て体57、57が収容室63、63に収容されると、プラグハウジング58に設けられた係止突起70、70(図7参照、一方のみ図示)がフェルール61の二つのフランジ部61c、61c間に嵌合してフェルール組み立て体57、57の位置を規制するようになっている。
【0077】
また、フェルール組み立て体57、57は、スプリング62、62によって前方へ付勢されており、収容室63、63に形成されたストッパ71、71(図7参照、一方のみ図示)がフェルール組み立て体57、57の突出を抑えるようになっている。
【0078】
上記構成において、光プラグ43がレセプタクル42に嵌合すると、受承筒52、52はプラグハウジング58内に進入し、同時にフェルール組み立て体57、57の小径部61a、61aが受承筒52、52内に進入するようになる。また、フェルール組み立て体57、57の大径部61b、61bが受承筒52、52の先端に当接し、スプリング62、62の弾性力によって適度の接触圧が保たれるようになる。
【0079】
この状態において、フェルール組み立て体57、57の先端部とスリーブ21、21、及び、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47とスリーブ21、21は、共に間隙(不図示)を最小に保って配置されるようになる。
【0080】
図8において、図中の矢線に示されるように、光ファイバ60の光伝達部材60b内を、全反射をくり返しながら進行し伝搬されてきた光C1及びC2は、その光伝達部材60bの端面(発光面)から射出し、レンズ27を介してスリーブ21内へ入射する。すると、導波路24の側部26が受光素子モジュール46へ向けて縮径するテーパとなっており、且つ、側部26にはクラッド部23が密着して境界面を形成していることから、光C1及びC2は導波路24内で全反射をくり返しながら集光する。そして、集光された光C1及びC2は導波路24の端面28から出射し、受光素子モジュール46の受光素子46aに損失なく入射する。
【0081】
発光素子モジュール47の図示しない発光素子からの光は、特に図示しないが、上述同様、レンズ27を介してスリーブ21内へ入射する。そして、上記光は導波路24内で全反射をくり返しながら集光し、導波路24の端面28から光ファイバ60の光伝達部材60bに向けて出射する。
【0082】
以上、図3ないし図8までを参照しながら説明してきたように、光ファイバ60の光伝達部材60b又は発光素子モジュール47のいずれか一方から出射された光は、コア部22のレンズ27を介して受光される。受光された光は、レンズ27により集光される。また、導波路24内を伝搬し、導波路24の側部26で全反射を繰り返しながら次第に集光される。受光された光は、上記いずれか一方に対するいずれか他方に向けて集光されつつ伝搬されるから、上記いずれか他方への光の伝送効率が従来よりも格段に向上することになる。
従って、従来よりも、よりよいスリーブ、レセプタクルであると言える。
【0083】
また、上記いずれか一方との光軸のズレが生じていても、そのズレはレンズ27によって緩和される。
さらに、導波路24の側部26は、クラッド部23によって保護されるから、光の伝送効率に影響を来すことはない(導波路24を保護することで、組み付けに係る作業や生産管理を容易にする利点もある)。
【0084】
続いて、図9を参照しながら上記スリーブ21(図1及び図2参照)の他の例を説明する。図9はレセプタクルの分解斜視図である。尚、上述の構成と基本的に同一となる部材には同一の符号を付すことにする。
【0085】
図9において、引用符号71はレセプタクルを示しており、そのレセプタクル71は、コネクタハウジング72と、そのコネクタハウジング72に装着されるスリーブ(光コネクタ用スリーブ)73、受光素子モジュール46、発光素子モジュール47と、コネクタハウジング72に冠着するキャップ48とで構成されている。
【0086】
コネクタハウジング72には、スリーブ73に対するスリット74が形成されている。スリット74は受承筒75にまで及んで形成されている(コネクタハウジング72のその他の構成は上記コネクタハウジング44(図4参照)と同様である)。
【0087】
スリーブ73は、並列するスリーブ21、21間に連結部76を樹脂成形により一体に配設することで構成されており、一回の挿着でコネクタハウジング72に対する組み付けが完了するようになっている。尚、スリーブ73の作用は、当然に上述と同様である(一層、生産性の向上が図られている)。
【0088】
続いてさらに、図10を参照しながら上述の応用例となる一芯式光ファイバ双方向通信用に用いられるスリーブについて説明する。図10はそのスリーブの断面図である。
尚、上述のスリーブ21の構成に発光素子を埋設しているので、発光素子以外には同一の符号を付すようにする。また、一芯式光ファイバ双方向通信用に用いられるスリーブは、光ファイバと受光素子モジュールとの間に介在するものとする。
【0089】
図10において、スリーブ81は、コア部22の導波路24内に発光素子としての発光ダイオード82を埋設して構成されている。発光ダイオード82は、導波路24の中心軸上に配設されており、複数(一つのみ図示)の電極83がガイド25、端面31、及びクラッド部23を介して外部に導出されている。
【0090】
スリーブ81の作用について説明すると、光ファイバ内を全反射しながら伝搬された受信光は、その光ファイバの端末から射出し、レンズ27を介してスリーブ81内へ入射する。すると、導波路24の側部26が受光素子モジュールへ向けて縮径するテーパとなっており、且つ、側部26にはクラッド部23が密着して境界面を形成していることから、受信光は導波路24内で全反射をくり返しながら集光する。そして、集光された受信光は導波路24の端面28から出射し、受光素子モジュールに損失なく入射する。
【0091】
これに対し、発光ダイオード82からの送信光は、レンズ27によってコリメートされ、光ファイバの端末に入射する。そして、光ファイバ内を伝搬し他方の光コネクタ(不図示)に結合する。
【0092】
図11は図10のスリーブに対して他の例となるスリーブの断面図である。
他の例となるスリーブ91は、上述のスリーブ81(図10参照)に対して発光ダイオード82からの送信光の経路を違えている。即ち、スリーブ91は、発光ダイオード82からの送信光をミラー(反射部材)92に反射させて、光ファイバの端末に入射させるように構成されている。もう少し具体的に説明すると、発光ダイオード82は、ガイド25に埋設されている。また、送信光が導波路24の中心軸上に向けて出射するように発光面を配置させている。一方、ミラー92は、導波路24の中心軸上において、上記発光面に対し約45゜傾けられて埋設されている。複数(一つのみ図示)の電極83は、ガイド25の端面31及びクラッド部23を介して外部に導出されている。
【0093】
スリーブ91の作用について説明すると、発光ダイオード82からの送信光は、ミラー92で全反射された後にレンズ27によってコリメートされ、光ファイバの端末に入射する。そして、光ファイバ内を伝搬し他方の光コネクタ(不図示)に結合する。
これに対し、光ファイバ内を伝搬してきた受信光は、上述のスリーブ81の作用と同一となるので説明を省略する。
【0094】
尚、発光ダイオード82やミラー92の埋設位置については、上述の位置に限定されないものとする。伝送効率に影響のない位置に埋設することが好ましい。
【0095】
また、上述のスリーブ81、91は、次の1.〜5.ように特徴づけることができる。
1. 端末にフェルールを装着した光ファイバと、受光用の光素子を有する光素子モジュール(受光素子モジュール)との間に介在する一芯式光ファイバ双方向通信用のスリーブであって、
前記光ファイバ側から前記受光素子モジュール側に向けて次第に縮径するテーパ状の側部を有し且つ前記光ファイバ側の端部に該光ファイバに向けて凸となるレンズを一体に形成した略截頭円錐状の導波路を有する透明な合成樹脂製のコア部と、
該コア部よりも小さな屈折率を有し前記側部に密着するとともに外形が前記コア部と同心円となる略円状の透明な合成樹脂製のクラッド部と、
前記コア部に埋設され前記光ファイバに向けて送信光を出射する発光手段と、
を備えたことを特徴とするスリーブ。
2. 上記1.に記載のスリーブにおいて、
前記コア部は、前記レンズ近傍の前記側部に一体となる円形フランジ状のガイドを有し、該ガイドには、前記クラッド部の前記外形に対する形成位置の基準となる帯状周面を形成したことを特徴とするスリーブ。
3. 上記2.に記載のスリーブにおいて、
前記発光手段は、前記送信光を前記光ファイバに向けて反射する反射部材を有することを特徴とするスリーブ。
4. 上記1.ないし3.いずれか記載のスリーブを備えた受・発光装置を光ファイバの両端にそれぞれ配置したことを特徴とする一芯式光ファイバ双方向通信システム。
5. 上記4.に記載の一芯式光ファイバ双方向通信システムにおいて、
自動車等の車両に搭載したことを特徴とする一芯式光ファイバ双方向通信システム。
【0096】
以上のスリーブ及び一芯式光ファイバ双方向通信システムによれば、上述のスリーブ21の効果の他に、小型化やコスト低減、さらには信頼性の向上等の効果が得られる。
【0097】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
即ち、上述のスリーブ21、91、91の全長は、従来のスリーブ1の全長に対して必ずしも一致するものではなく、例えば従来のスリーブ1の三倍くらいの長さを有しても構わないものとする(その際には上述の全長に対する割合が参考にされないものとする)。
【0098】
尚、上述のスリーブ21を以下のa.ように特徴づけてもよい。
a. 端末にフェルール61を装着した光ファイバ60と、発光又は受光用の光素子を有する光素子モジュール(46、47)との間に介在し、これらのいずれか一方から出射される光をいずれか他方へ伝搬する光コネクタ用スリーブ21であって、
前記いずれか一方側から前記いずれか他方側に向けて次第に縮径するテーパ状の側部26を有し且つ前記いずれか一方側の端部に該いずれか一方に向けて凸となるレンズ27を一体に形成した略截頭円錐状の導波路24を有する透明な合成樹脂製のコア部22と、
該コア部22よりも小さな屈折率を有し前記側部26に密着するとともに外形が前記コア部22と同心円となる略円状の透明な合成樹脂製のクラッド部23と、
を備えたことを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
上記a.の効果は上述のスリーブ21に対する効果と同じである。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、光コネクタ用スリーブは、合成樹脂製のコア部とコア部よりも小さな屈折率を有する合成樹脂製のクラッド部とを備えている。コア部は、次第に縮径するテーパ状の側部を形成した略截頭円錐状の導波路とこの導波路における小さな径側の端面近傍となる側部に、クラッド部を隔てる開放された空間とを有し、導波路の大きな径側の端部には、レンズが形成されている。クラッド部は、導波路の側部に密着しており、クラッド部の外形がコア部と同心円となる略円状に構成されている。
このような構成の光コネクタ用スリーブにより、光ファイバ又は光素子モジュールのいずれか一方から出射した光を、コア部のレンズを介し上記いずれか一方に対するいずれか他方に向けて集光しつつ伝搬させることができる。また、上記いずれか一方との光軸のズレが生じていても、そのズレをレンズによって緩和することができる。
また、光コネクタ用スリーブは、樹脂成形により製造され、クラッド部を成形する際に、成形金型内でのコア部の保持を確実にすることができることから、従来よりも製造工程と生産管理が簡素化され、生産性の向上とコスト低減を図ることができる。
従って、以上のことから、伝送効率の向上を図り、さらには生産性を高めてコスト低減をなし得る光コネクタ用スリーブを提供することができるという効果を奏する。
【0100】
請求項2に記載された本発明によれば、コア部はレンズ近傍の側部に一体となる円形フランジ状のガイドを有し、そのガイドにはクラッド部の外形に対する形成位置の基準となる帯状周面が形成されていることから、ガイドとクラッド部を従来のホルダーの代わりにすることができる。また、ガイドを有することでコア部のゲート位置を確保し易くすることができる。さらに、クラッド部の成形時にガイドを保持しながら成形することができる。
従って、生産性の向上とコスト低減が図られるから、よりよい光コネクタ用スリーブにすることができるという効果を奏する。
【0101】
請求項3に記載された本発明によれば、ガイドは、レンズの頂部の位置と同一平面上となる端面を有していることから、ガイドの端面に光ファイバ又は光素子モジュールのいずれか一方を当接させると、レンズの頂部もそのいずれか一方に当接させることができる。これにより、頂部においてレンズとの間隙がなくなり、間隙損失を抑えることができる。
また、端面と頂部とが同一平面上にあることから、ガイドによりレンズを保護することができる。これにより、レンズが傷つき難くなって受光した光を確実に集光させることができる。
従って、伝送効率の向上が図られるから、よりよい光コネクタ用スリーブにすることができるという効果を奏する。
【0102】
請求項4に記載された本発明によれば、クラッド部の外形は面で構成され、その面又は/及びガイドの帯状周面には、組み付け作業用の突起又は溝が一体に形成されていることから、レセプタクルに対する組み付けの方向性を確実にすることができる。組み付けの方向性に誤りがなければ、伝送効率を妨げることはない。
従って、伝送効率と生産性の向上が図られるから、よりよい光コネクタ用スリーブにすることができるという効果を奏する。
【0104】
請求項5に記載された本発明によれば、クラッド部は、コア部に対して識別可能であるとともに導波路を伝搬する光に対して反射可能な色付けがなされていることから、レセプタクルに対する組み付けの方向性を確実にすることができる。組み付けの方向性に誤りがなければ、伝送効率を妨げることはない。
従って、伝送効率と生産性の向上が図られるから、よりよい光コネクタ用スリーブにすることができるという効果を奏する。
【0105】
請求項6に記載された本発明によれば、レンズの表面には、反射防止膜が形成されていることから、レンズに入射する光の量の減少を防止することができる。
従って、伝送効率の向上が図られるから、よりよい光コネクタ用スリーブにすることができるという効果を奏する。
【0106】
請求項7に記載された本発明によれば、請求項1ないし請求項6いずれか記載の光コネクタ用スリーブを備えたレセプタクルになることから、よりよいレセプタクルを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光コネクタ用スリーブの一実施の形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図2】図1(b)のC−C線断面図である。
【図3】光コネクタの構成を示すレセプタクルと光プラグの斜視図である。
【図4】レセプタクルの分解斜視図である。
【図5】レセプタクルの水平方向の断面図である。
【図6】レセプタクルの垂直方向の断面状態を示す図であり、(a)は受光素子モジュールがある部分の断面図、(b)は発光モジュールがある部分の断面図である。
【図7】光プラグの垂直方向の断面図である。
【図8】レセプタクルと光プラグが嵌合した後の受光素子モジュールがある部分における垂直方向の拡大断面図である。
【図9】スリーブの他の例を説明するためのレセプタクルの分解斜視図である。
【図10】一芯式光ファイバ双方向通信用に用いられるスリーブの断面図である。
【図11】図10のスリーブに対して他の例となるスリーブの断面図である。
【図12】従来例の光コネクタの水平方向の断面図である。
【図13】図12のレセプタクルの水平方向の断面図である。
【図14】図12の光プラグの水平方向の断面図である。
【図15】図12のスリーブを介して光ファイバから受光素子モジュールに光が伝搬される状態の説明図である。
【図16】図12のスリーブに臨界角範囲外となってしまう光が仮に入射した場合の状態に対する説明図である。
【符号の説明】
21 スリーブ(光コネクタ用スリーブ)
22 コア部
23 クラッド部
24 導波路
25 ガイド
26 側部
27 レンズ
28 端面
29 帯状周面
30、31 端面
32 空間
33 外周面(面)
41 光コネクタ
42 レセプタクル
43 光プラグ
44 コネクタハウジング
46 受光素子モジュール(光素子モジュール)
47 発光素子モジュール(光素子モジュール)
48 キャップ
49 嵌合部
50 光プラグ係止部
51 格納室
52 受承筒
57 フェルール組み立て体
58 プラグハウジング
59 スプリングキャップ
60 光ファイバ
61 フェルール
62 スプリング
63 収容室
64 ロッキングアーム
65 スリットカバー
66 プラグ導入スリット
67 支持壁
68 凹部
69 保護壁
70 係止突起
71 ストッパ

Claims (7)

  1. 端末にフェルールを装着した光ファイバと、発光又は受光用の光素子を有する光素子モジュールとの間に介在し、これらのいずれか一方から出射される光をいずれか他方へ伝搬する光コネクタ用スリーブであって、
    透明な合成樹脂製のコア部と、該コア部よりも小さな屈折率を有する透明な合成樹脂製のクラッド部とを備え、
    前記コア部は、前記光ファイバ及び前記光素子モジュール間の光軸方向に延在するとともに、次第に縮径するテーパ状の側部を形成した略截頭円錐状の導波路と、前記導波路における小さな径側の端面近傍となる前記側部に、前記クラッド部を隔てる開放された空間とを有し、
    該導波路は、大きな径側の端部に前記光を受光し且つ集光するレンズを有し、
    前記クラッド部は、前記側部に密着して該クラッド部の外形が前記コア部と同心円となる略円状に構成される
    ことを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  2. 請求項1に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、
    前記コア部は、前記レンズ近傍の前記側部に一体となる円形フランジ状のガイドを有し、該ガイドには、前記クラッド部の前記外形に対する形成位置の基準となる帯状周面が形成されることを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  3. 請求項2に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、
    前記ガイドは、前記レンズの頂部の位置と同一平面上となる端面を有することを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の光コネクタ用スリーブにおいて、
    前記クラッド部の前記外形は面で構成され、該面又は/及び前記帯状周面には、組み付け作業用の突起又は溝が一体に形成されることを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  5. 請求項1ないし請求項4いずれか記載の光コネクタ用スリーブにおいて、
    前記クラッド部は、前記コア部に対して識別可能であるとともに前記導波路を伝搬する前記光に対して反射可能な色付けがなされることを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  6. 請求項1ないし請求項5いずれか記載の光コネクタ用スリーブにおいて、
    前記レンズの表面には、反射防止膜が形成されることを特徴とする光コネクタ用スリーブ。
  7. 請求項1ないし請求項6いずれか記載の光コネクタ用スリーブと、発光用の光素子を有する光素子モジュールと、受光用の光素子を有する光素子モジュールとを備え、端末にフェルールを装着した二本の光ファイバを有する光プラグを嵌合させた後には、前記光素子モジュールとこれに対応する前記光ファイバとの間に前記光コネクタ用スリーブが位置することを特徴とするレセプタクル。
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