JP4071383B2 - 自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体及び自動車内装材 - Google Patents

自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体及び自動車内装材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフェルト等の自動車内装材の製造に使用される自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体及び該綿状体を成形した自動車内装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール樹脂で結着したフェルトを製造するには、繊維編織物や不織布等の繊維シートのスクラップを解繊機によって解繊して綿状にした後、硬化剤であるヘキサメチレンテトラミンを含有するノボラックタイプのフェノール樹脂の粉末を該綿状体に混合し、得られた樹脂混合綿状体を加熱プレスして繊維相互を該フェノール樹脂で結着し、フェルトとしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフェルト製造方法にあっては、該フェノール樹脂粉末を該綿状体に混合する際に、該フェノール樹脂粉末が該綿状体に付着せずに下方に落下したり、該綿状体に混合された後に脱落することが多く、該フェノール樹脂粉末の損失が大きいという問題、該フェノール樹脂粉末と該綿状体との均一な混合が困難であるという問題、該フェノール樹脂粉末の飛散による作業環境悪化の問題等があった。
【0004】
したがって、本発明の課題は、フェノール系樹脂の損失及び有害な粉末の飛散を防止できるとともに、該フェノール系樹脂を均一に混合した自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体及び自動車内装材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、繊維集合体にフェノール系樹脂の初期縮合物のスルホメチル化およびスルフィメチル化物を含浸せしめた後、該繊維集合体を加熱乾燥することによって該初期縮合物を B 状態にするとともに解織することによって綿状にした自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体を提供するものであり、更には該B 状態のフェノール系樹脂初期縮合物含浸綿状体をホットプレスによって所望の形状に成形し、該初期縮合物を完全硬化せしめた自動車内装材を提供するものである。
【0006】
上記フェノール系樹脂含浸綿状体においては、フェノール系樹脂の初期縮合物を含浸せしめた該繊維集合体を加熱乾燥することによって、該フェノール系樹脂の初期縮合物をB状態にするのが望ましい
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
〔フェノール系樹脂〕
本発明に使用されるフェノール系樹脂として望ましいものは、一価フェノール及び/又は多価フェノールとアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体との縮合物であり、特にアンモニア及び/又はアミンの存在下で縮合させたものが望ましい。また、該フェノール系樹脂は、スルホメチル化及び/又はスルフィメチル化されているのが望ましい。
【0008】
一価フェノールとしては、フェノールや、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、キシレノール、3,5−キシレノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、m−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール等の一価フェノール置換体、ナフトール等の多環式一価フェノールなどが挙げられ、これら一価フェノールは単独で又は二種以上混合して使用することができる。
【0009】
多価フェノールとしては、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノール、ジヒドロキシナフタリン等が挙げられ、これら多価フェノールは単独で又は二種以上混合して使用することができる。多価フェノールのうち好ましいものは、レゾルシン又はアルキルレゾルシンであり、特に好ましいものはレゾルシンよりもアルデヒドとの反応速度が速いアルキルレゾルシンである。
【0010】
アルキルレゾルシンとしては、例えば5−メチルレゾルシン(オルシノール)、5−エチルレゾルシン、5−プロピルレゾルシン、5−n−ブチルレゾルシン、4,5−ジメチルレゾルシン、2,5−ジメチルレゾルシン、4,5−ジエチルレゾルシン、2,5−ジエチルレゾルシン、4,5−ジプロピルレゾルシン、2,5−ジプロピルレゾルシン、4−メチル−5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−プロピルレゾルシン、2,4,5−トリメチルレゾルシン、2,4,5−トリエチルレゾルシン等がある。
エストニア産オイルシェールの乾留によって得られる多価フェノール混合物は安価であり、かつ5−メチルレゾルシンのほか反応性の高い各種アルキルレゾルシンを多量に含むので、本発明において特に好ましい多価フェノール原料である。
【0011】
上記アルデヒド及び/又はアルデヒド供与体とは、アルデヒド、分解するとアルデヒドを生成供与する化合物又はそれらの混合物を意味し、このような化合物としては、ホルマリン、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等の単独又は二種以上の混合物が例示される。
【0012】
上記アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン等の脂肪族第一アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン等の脂肪族第二アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族第三アミン;アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン等の脂肪族不飽和アミン;シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン等の芳香族アミン;その他モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン等の単独又は二種以上の混合物を使用することができる。
本発明では、特にアンモニアを使用するのが好ましい。
【0013】
上記一価フェノール及び/又は多価フェノールとアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体との縮合では、通常一価フェノール1モルに対し、アルデヒド及び/又はアルデヒド供与体0.2 〜3モル、多価フェノール1モルに対し、アルデヒド及び/又はアルデヒド供与体0.1 〜0.8 モルと、必要に応じて溶剤、第三成分、触媒と、そしてアンモニア及び/又はアミンとを添加し、液温55〜100 ℃で3〜20時間加熱反応させる。このときアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体は、反応開始時に全量加えてもよいし、分割添加又は連続滴下してもよい。
【0014】
該アンモニア及び/又はアミンの添加量は、フェノール系化合物に対して0.001 〜20重量%であるのが好ましく、特に0.01〜10重量%であるのが好ましい。該アンモニア及び/又はアミンの添加量によって、得られるフェノール系樹脂の初期縮合物の硬化開始温度(硬化率が急激に大きくなる温度)を調整することができる。
【0015】
上記フェノール系樹脂のスルフィメチル化に使用することのできるスルフィメチル化剤としては、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート(ロンガリット)、ベンズアルデヒドナトリウムキシラート等の脂肪族、芳香族アルデヒドのアルカリ金属スルホキシラート類、ナトリウムハイドロサルファイト、マグネシウムハイドロサルファイト等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハイドロサルファイト(亜ジチオン酸塩)類、ナトリウムエチルスルホキシラート等のアルキルスルホキシラート類、ヒドロキシメタンスルフィン酸塩等のヒドロキシアルカンスルフィン酸塩等が例示される。
【0016】
上記フェノール系樹脂のスルホメチル化に使用することのできるスルホメチル化剤としては、亜硫酸、重亜硫酸又はメタ重亜硫酸と、アルカリ金属又はトリメチルアミンやベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アミンもしくは第四級アンモニウムとを反応させて得られる水溶性亜硫酸塩や、これらの水溶性亜硫酸塩とアルデヒドとの反応によって得られるヒドロキシメタンスルホン酸塩等のヒドロキシアルカンスルホン酸塩が例示される。
【0017】
該スルホメチル化剤及び/又はスルフィメチル化剤は、一価フェノール及び/又は多価フェノールとアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体との縮合反応前、反応中、反応後のいずれの段階で添加してもよい。該スルホメチル化剤及び/又はスルフィメチル化剤の総添加量は、フェノール系化合物1モルに対して、通常0.001 〜1.5 モルであるが、製造される初期縮合物の硬化性、硬化後の樹脂の物性等の性能を良好に保持するためには、0.01〜0.8 モル程度とするのが好ましい。
このようにしてスルホメチル化及び/又はスルフィメチル化したフェノール系樹脂の初期縮合物は、溶液としての安定性が良好になって相分離等が生じ難くなり、また硬化速度が大きくなる。
【0018】
〔フェノール系樹脂初期縮合物〕
上記フェノール系樹脂の初期縮合物は、通常水溶液又は有機溶剤−水混合溶液として提供される。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、トリメチルノニルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、アビエチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メチルオキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ショウノウ等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の上記グリコール類のエステル類やその誘導体、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール、エチルラクテート、イソプロピルラクテート、ジグリコールジアセテート、ジメチルホルムアミド等の水可溶性又は親水性有機溶剤の単独又は二種以上の混合物を使用することができる。
【0019】
上記初期縮合物溶液には、必要に応じて例えば塩酸、硫酸、オルト燐酸、ホウ酸、蓚酸、蟻酸、酢酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタリン−α−スルホン酸、ナフタリン−β−スルホン酸等の無機又は有機酸、蓚酸ジメチルエステル等の有機酸のエステル類、マレイン酸無水物、フタル酸無水物等の酸無水物、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、イミドスルホン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、モノクロル酢酸又はそのナトリウム塩、α,α’−ジクロロヒドリン等の有機ハロゲン化物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩酸アニリン等のアミン類の塩酸塩、サルチル酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクト等の尿素アダクト、N−トリメチルタウリン、塩化亜鉛、塩化第2鉄等の酸性硬化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、石灰等のアルカリ土類金属の酸化物、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、燐酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸塩類等のアルカリ性硬化剤、あるいはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンツアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サルチルアルデヒド、メチロール尿素、メチル化メチロール尿素、尿素樹脂、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、アルキロール化トリアゾン誘導体等のアルデヒド又は分解するとアルデヒドを生成する化合物を硬化剤として混合してもよい。なお、上記酸又はアルカリは、上記初期縮合時の触媒としても使用することができる。
【0020】
上記硬化剤の他、更に必要ならば、一価フェノール系樹脂、多価フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂等のアミノ系樹脂;天然ゴム又はその誘導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリルエステル、メタクリルエステル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン等のビニル単量体の単独重合体又はこれらビニル単量体の二種以上の共重合体;ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル−エチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリエステル等の各種合成樹脂のエマルジョンやラテックス又は水溶液;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;炭酸カルシウム、タルク、石膏、カーボンブラック、木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の充填剤;界面活性剤;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;ヘキサン、ブタン、n−ペンタン、アルコール、エーテル、塩化メチレン、四塩化炭素、クロルフルオロメタン、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリフルオルエタン等の低沸点溶剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等のガスを発生するもの;炭酸ガスを発生しながら酸性硬化剤と反応する物質、例えば、炭素又は重炭酸ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はカルシウム;n−ペンタン、イソペンタン、ブタン、イソブタン等をマイクロカプセル化した熱可塑性膨張性微小球等の発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等の発泡体や発泡粒;顔料、染料、難燃剤、防炎剤、防虫剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤などの第三成分を添加して、共縮合や混合等により上記フェノール系樹脂を変性してもよい。
【0021】
〔繊維集合体〕
本発明に使用される繊維集合体は、不織布、フェルト、編織物、それらの積層物等のシート状のものであってもよいし、該シート状繊維集合体を小さく切断して得られる繊維小片であってもよく、特にリサイクルの観点からは、衣服、カーペット等の繊維製品の端切れや裁断クズ、あるいは廃棄物等の廃材を小さく切断したものを使用するのが好ましい。
【0022】
該繊維集合体を構成する繊維としては、木綿、麻、羊毛、絹、ヤシ繊維、竹繊維等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維等の有機合成繊維、あるいは上記繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維、あるいはこれらの繊維の二種以上の混合物、あるいはこれら繊維と200 ℃以下の融点を有するポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維等の低融点繊維との混合物等が挙げられる。
【0023】
〔フェノール樹脂含浸綿状体の製造〕
本発明では、上記繊維集合体に上記フェノール系樹脂の初期縮合物溶液を含浸せしめる。含浸方法としては、スプレー法、浸漬法等公知の方法が適用される。該フェノール系樹脂初期縮合物溶液の繊維集合体に対する含浸量は、最終製品の使用目的等に応じて適宜調節すればよく、通常は3〜100 重量%である。
【0024】
このようにフェノール系樹脂を初期縮合物溶液として繊維集合体に含浸せしめることにより、有害なフェノール樹脂粉末の飛散、落下という従来の問題が解決され、フェノール系樹脂の損失を抑制することができるとともに、フェノール系樹脂と繊維集合体とを均一に混合することができる。
【0025】
次に、該フェノール系樹脂の初期縮合物を含浸した繊維集合体を加熱乾燥するとともに綿状にする。該加熱乾燥と綿状化とは同時に行ってもよいし、該加熱乾燥を行った後綿状化を行ってもよいし、該綿状化を行った後加熱乾燥を行ってもよい。
該繊維集合体の綿状化は、例えば解繊機を使用して該繊維集合体を解繊することによって行うことができる。
【0026】
該繊維集合体を加熱乾燥する際、該フェノール系樹脂の初期縮合物を若干縮合してB状態とするのが好ましい。該フェノール系樹脂の初期縮合物をB状態にとどめるには、該初期縮合物溶液に添加する硬化触媒の量、加熱温度、加熱時間等を適宜調節すればよく、通常加熱温度は40〜170 ℃程度、加熱時間は1分〜5時間程度とされる。該加熱乾燥には、通常熱風乾燥、遠赤外線乾燥、高周波加熱乾燥等が適用される。
【0027】
このように繊維集合体に含浸されたフェノール系樹脂の初期縮合物をB状態にすることにより、該フェノール系樹脂の安定性が向上して綿状体の長期間保存が可能となるとともに、該フェノール系樹脂(溶液)の水分含有量が少なくなるため、成形時間が短縮され、かつホットプレスによって成形した際にも水分の蒸気によるパンク現象が起らない。また、該綿状体を加熱成形した後には、該フェノール系樹脂は完全硬化するため、高剛性で形状保持性及び耐熱性に優れた成形物が得られる。
【0028】
なお、上記フェノール系樹脂として、フェノール系化合物とアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体とを、アンモニア及び/又はアミンの存在下で縮合させたフェノール系樹脂を使用した場合、該フェノール系樹脂の硬化率は所定の温度を境にして急激に大きくなるため、該フェノール系樹脂の初期縮合物、特にB状態の初期縮合物を含む綿状体は、該所定の温度未満において保存安定性に優れ、該所定の温度以上において硬化速度に優れる。したがって、該綿状体は、該所定の温度にならない限り長期保存が可能であり、また該所定の温度に加熱すれば短時間で硬化させることができる。
【0029】
〔成形物〕
以上のようにして得られるフェノール系樹脂含浸綿状体は成形性を有し、通常ホットプレスによって成形される。該ホットプレスにおいては、加熱した上下の鉄板コンベアの間に該フェノール系樹脂含浸綿状体を連続的に送り込んで通過させることによりシート状に成形してもよいし、所望の型形状を有する下型及び上型を使用して成形してもよい。
【0030】
該フェノール系樹脂含浸綿状体をシート状に成形した場合には、該成形物はフェルトとして種々の目的に使用することができる。また、上記下型及び上型を使用して該フェノール系樹脂含浸綿状体を成形する場合には、例えばドアトリム、ダッシュボード、天井材、床材、インシュレーターフード、ダッシュインナー、ダッシュアウター、エンジンアンダーカバー、トランクサイドトリム等の自動車用の内装材を製造することができる。
該ホットプレスの条件は、通常綿状体に含浸されているフェノール系樹脂が完全硬化する温度及び時間に設定される。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
削除
【0033】
〔実施例
アンモニア存在下で縮合させたレゾール型スルホメチル化フェノール−オルシノール−ホルムアルデヒド初期共縮合物を、木綿、麻、羊毛、ポリエステル繊維、アクリル繊維等からなる衣服の裁断屑に対し、固形分で 1 0重量%の含浸量となるようにスプレー塗布した。該スプレー塗布は、該裁断屑をミキサー中で攪拌しながら行った。
このようにして製造した初期共縮合物含浸裁断屑を解繊機によって解繊すると同時に50℃で2分間加熱し、該初期共縮合物をB状態にした綿状物を得た。得られた綿状物を180 ℃で2分間熱圧成形し、厚さ 15mm 、密度 0.03g/cm 3 のフェルトを製造した。該フェルトは、形状保持性に優れたものであった。また、該綿状物を1ヶ月又は3ヶ月間室温下で放置した後、同様にして熱圧成形したところ、良好に成形することができ、得られたフェルトは形状保持性にも優れていた。
【0034】
〔比較例1〕
ヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として添加したノボラック型フェノール樹脂粉末を、実施例1と同様の衣服の裁断屑に対し、固形分で15重量%の付着量となるようにミキサー中にて散布、混合した。このとき、該裁断屑から脱落する樹脂粉末があったため、該樹脂粉末の実際の使用量は、22重量%であった。
得られた樹脂粉末付着裁断屑を実施例1と同様にして熱圧成形し、フェルトを製造したところ、該樹脂粉末の均一性が悪かったため、該フェルトは実施例1のフェルトと比較して形状保持性に劣っていた。
【0035】
〔実施例
フェルト、カーペット等の端切れや裁断屑及びそれらの小片を、レゾール型スルフィメチル化フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期共縮合物の30%水溶液に浸漬した後、ロールで絞った。該繊維廃材に対する該初期共縮合物の含浸量は、固形分で10重量%であった。
このようにして製造した初期共縮合物含浸繊維廃材を120 ℃で5分間加熱し、該初期共縮合物をB状態にした後、解繊機を用いて該繊維廃材を綿状に解繊した。得られた綿状物を、180 ℃に加熱した上下の鉄板コンベアの間に連続的に送り込んで通過させ、シート状に成形したところ、密度が均一で形状保持性の良好なシート状のフェルトが製造された。
【0036】
〔綿状体の作製〕
実施例2で用いたレゾール型スルフィメチル化フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期共縮合物、及び比較試験樹脂としてレゾール型フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を用い、実施例2と同様にして繊維廃材に対し固形分で10%の塗布量になるように含浸させた後、120℃で5分乾燥させ該初期縮合物を B 状態にした後、解織機を用い、厚さ50〜55mm、目付量600g/m 2 の綿状の物を得た。
上記の綿状物作製において、スルフィメチル化された樹脂を用いて製造された綿状物を( A )とし、比較試験樹脂を用いた物を( B )とした。
【0037】
〔放置安定試験〕
上記により製造された綿状物( A )及び( B )を室温(20〜25℃)で7日、14日、1ヶ月、3ヶ月放置後、200℃の温度にて所定形状に熱圧プレス成形した結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
表1より、スルフィメチル化されていない樹脂では、 B 状態での保存安定性が悪いことが判る。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、有害なフェノール樹脂粉末の飛散や落下という問題がなく、フェノール系樹脂の損失を抑制することができるとともに、フェノール系樹脂と繊維集合体とを均一に混合することができる。

Claims (4)

  1. 繊維集合体にフェノール系樹脂の初期縮合物のスルホメチル化およびスルフィメチル化物を含浸せしめた後、該繊維集合体を加熱乾燥することによって該初期縮合物を B 状態にするとともに解織することによって綿状にしたことを特徴とする自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体。
  2. フェノール系樹脂の初期縮合物を含浸せしめた該繊維集合体を加熱乾燥することによって、該フェノール系樹脂の初期縮合物をB状態にした請求項1記載の自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体。
  3. 該フェノール系樹脂の初期縮合物は、一価フェノール及び/又は多価フェノールとアルデヒド及び/又はアルデヒド供与体との初期縮合物である請求項1又は2記載の自動車内装材用フェノール系樹脂含浸綿状体。
  4. 請求項1乃至3いずれか記載の B 状態のフェノール系樹脂初期縮合物含浸綿状体をホットプレスによって所望の形状に成形し、該初期縮合物を完全硬化せしめたことを特徴とする自動車内装材。
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