JP4071279B2 - スパーク点火エンジンのための適応過渡的燃料補償 - Google Patents
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Description
この発明は一般的にはエンジン制御の分野に関し、かつより特定的にはある燃料噴射システムの動的ふるまいの測定に依存して燃料噴射を適応的に調整することによりスパーク点火エンジンにおける空燃比(air/fuel ratio)を制御することに関する。
発明の背景
現代のスパーク点火内燃機関は、とりわけ、大気中への汚染物質の放出を制御するためにエレクトロニクスによって動作が行われている。環境に関する法律制定は自動車の用途における放出に関し厳格な制限を要求している。スパーク点火内燃機関における自動車の放出を低減するため、燃焼空燃比の精密な制御が必要である。これは通常エンジン内に吸い込まれる測定されたまたは推断された空気充填質量(air charge mass)に基づき精密に制御された量の燃料を測定することによって行われる。多くの制御機構は現在燃料を制御するが必要なものより低い精度で行っている。吸気マニホルドの壁上にかつエンジンの吸気弁の上に燃料が堆積または被着(deposit)し、かつその後該被着が蒸発することにより、精密な制御は困難となる。この現象はしばしばウォールウェッティング(wall−wetting)と称される。燃焼のために噴射される燃料の正確な制御を行うために、ウォールウェッティングに関連する燃料のふるまい(behavior)が正確に補償されなければならない。
ウォールウェッティングのふるまいは動的なものでありかつ吸気弁の後部および吸気マニホルドの壁の上に膜(film)またはパドル(たまり:puddle)へと被着された少し(fraction)の注入燃料、および1つのエンジンサイクルと次のものとの間の前記膜から蒸発する少しの燃料膜に対応する2つのパラメータによって特徴付けられている。これら2つのパラメータはエンジン速度、負荷、および温度のようなエンジンの動作条件と共に変動する。これら2つのパラメータはまたエンジンのエージング、エンジンの吸気弁の被着および燃料の組成または構成内容(composition)と共に時間にわたり変動し、ウォールウェッティングを一貫した精度で補償するのを困難にする。さらに、些細でない(nontrivial)過渡状態の間に、ウォールウェッティングのパラメータは急速に変化する動作条件と共に急速に変動する可能性がある。
上で紹介したウォールウェッティングのふるまいを補償するよう試みるいくつかの従来技術の機構はそれらがウォールウェッティングのふるまいに対し不十分な補償を行うためスロットルを開いている(加速)間に大きなリーン偏位(lean excursion)を示し、かつスロットルを閉じている間に大きなリッチ偏位(rich excursion)を示す。さらに、いくつかの従来技術のシステムは過渡的な燃料ダイナミクスを過度に補償し、加速の間に過度にリッチな混合気を生じさせる。不足補償および過度補償の燃料制御誤差はエンジンの動的パラメータが所定の値と異なる場合における不正確な燃料補償による。これらの従来技術の機構の大部分において、ウォールウェッティングのパラメータは経験的にエンジン速度およびエンジン負荷の関数としてマッピングされかつエンジンを制御する上で使用するためにテーブルに格納されている。ウォールウェッティングのパラメータをマッピングすることは試験集約的でありかつ費用のかかるプロセスである。該マッピングは通常あるゆる量産エンジンを代表しないふるまいを示す可能性のある単一のプロトタイプのエンジンに関して行われ、かつ次に量産されるエンジンに適用される。さらに、前記テーブルは典型的には定常状態で動作する条件に対しかつ温かいエンジンに対して構築され、これらの機構を過渡的なおよび冷たいエンジンの動作条件に対して不正確なものとしている。しばしば、従来技術の機構は温度の影響を補償するために特にこの目的のための/経験的または実験的に定められた温度訂正係数に依存し、成功するのはほんの少しの限られた場合である。また、吸気弁の被着の累積のような長期間のエージングの影響により、制御の精度および従ってエンジンの排出または排気は年と共に大幅に劣化する。エンジンのエージングに応じた排気の劣化は今や重要な問題であり、それはクリーンエアアクト(Clean Air Act)に対する1990年の修正は排気の永続性の要求を100,000マイルまで増大したからである。
その他の(適応的な)従来技術の機構はウォールウェッティングのダイナミクスの時変的(time−varying)性質に着目する。これらの従来技術の機構はしばしば極端に計算機集約的であり実時間の用途では比較的収束するのが遅い。最もよく知られた従来技術の機構は収束するのにおよそ40秒を必要とし、これは自動車の環境における用途にとっては受け入れ難いほど長いものである。さらに、これらの従来技術の機構は定常状態のエンジンの動作に依存しかつサイクルごとのベースで燃料のふるまいに対して調整しないものであり結果として貧弱な過渡的ふるまいを生じている。これらの長い収束時間およびサイクルごとのベースで適応できないことは結果として変化するエンジンのダイナミクスに応答するのが遅い適応システムを生じる。急速に変化するエンジンのダイナミクスへの低速の応答はトラッキングエラーを生じ、これはエンジンの過渡状態の間における化学量論的空燃比から受け入れ難い偏位を生じ、かつ排出物質の増大を生じる結果となる。
要するに、従来技術のマッピングされる(mapped)燃料補償機構はエンジンの温度、エンジンのエージング、エンジンバルブの被着および燃料の組成あるいは構成内容(composition)のような時変的エンジン動作条件を正確に考慮しない。さらに、適応的な従来技術の燃料補償機構は計算機集約的でありかつ不正確な過渡的ふるまいを有する。将来の排出要求に適合するためにはより正確な過渡的および冷エンジン燃料制御が必要である。従って、必要なことはエンジンの動作条件、エンジンのエージング、および燃料の構成内容のような原因による時変的燃料噴射の動的ふるまいに対し過度の計算機的資源を必要とすることなく自動的に調整を行うスパーク点火エンジンのためのより正確な燃料補償手法である。
【図面の簡単な説明】
図1は、燃料膜(ウォールウェッティング)モデルを示す概略図である。
図2は、本発明の好ましい実施形態に係わる適応的コントローラの概略図である。
図3は、エンジンの吸気弁の被着の存在する場合の過渡的空燃比に関するマッピングされたウォールウェッティング補償の影響と、エンジンの吸気弁被着のない同じエンジンに関する同じスロットル過渡状態に対する過渡的空燃比に関するマッピングされたウォールウェッティング補償の影響とを対比して示す図表である。
図4は、システムのハードウエアプラットホームの概略図である。
図5は、本発明の好ましい実施形態に係わる適応信号を構成するためのスケジューリング計画を示す概略図である。
図6は、ウォールウェッティング補償を示す概略図である。
図7は、直接的なフィードスルーを備えたウォールウェッティングの補償部を示す概略図である。
図8は、直接的なフィードスルーなしのウォールウェッティング補償部を示す概略図である。
図9は、伝統的なマッピングされるコントローラから生じる排気される空気/燃料混合気、およびここに説明される適応的ウォールウェッティング補償方法から生じる排気される空気/燃料混合気を示す図表である。
図10は、好ましい方法を実施するために使用される2つの高レベルフローチャートを示す。
図11は、図10に示される連続的動作取得および信号処理工程を詳細に示すフローチャートである。
図12は、図10において導入されたパラメータ適応工程の詳細を示すフローチャートである。
図13は、図10において導入されたウォールウェッティング補償部の利得の計算の詳細を示すフローチャートである。
図14は、図10において導入されたウォールウェッティング補償部の動作の詳細を示すフローチャートである。
好ましい実施形態の詳細な説明
マルチシリンダまたは多気筒エンジンの1つのシリンダにおける適応的過渡燃料補償のための方法およびシステムは該シリンダのための燃料パドルのダイナミクスをマルチシリンダエンジンのそれぞれのエンジンサイクルごとにウォールウェッティングの動的モデルのパラメータを決定することによって評価または推定する。シリンダへの燃料の噴射はこの推定されたまたは評価された燃料のパドルダイナミクスに応じて調整される。
説明した本質的な構造を実施することにより、エンジンの動作条件、エンジンのエージング、および燃料の構成内容のような原因による時変的燃料注入の動的ふるまいを考慮したスパーク点火エンジンのためのより正確な燃料補償手法が過度の計算機的な資源を必要とすることなく構築できる。以下に説明する構造的な手法は、注入される燃料、排気流における燃料/空気比率の測定、およびエアチャージまたは空気充填量(air charge)の推定値に依存して(燃焼)サイクルごとのベースで吸気マニホルドの壁上にかつエンジンの吸気弁上に、被着された燃料の量およびその後のエンジンサイクルごとの蒸発する量に対応するウォールウェッティングのパラメータを識別し、かつこの情報をエンジンへの燃料の噴射を制御することによりウォールウェッティングのダイナミクスを正確に補償するために使用する。この新規な補償方法の目標は、モデル構造を利用することにより高速度の収束を達成する一方で、容易に実施できる計算機的に効率のよい手法を使用して、温かいおよび冷たいエンジン動作条件の双方におけるエンジンの過渡状態の間に生じる排気流の化学量論(ラムダが1に等しい)からの正規化された空燃比(ラムダ)の偏位(deviations)を低減することにある。
好ましい実施形態を構築するための特定の構造を詳細に説明する前に、少しの理論的背景を説明するのが利点および別の構造を完全に理解する上で有用であろう。
モデルの説明
図1は、エンジンの吸気マニホルドの壁の上にかつ吸気弁の上に、被着される燃料の量、およびその後のエンジンサイクルごとの蒸発量を表現するために有用な燃料膜(fuel film)(ウォールウェッティング)モデルの概略図である。示されたモデルは2つのパラメータcおよびbvによって特徴付けられる。パラメータcはマニホルドの壁、吸気弁、または他の構造に対し付着する(たまる:puddles on)ことにより全燃料充填量がシリンダの燃焼室に到達するのを妨げるある燃料注入事象からの燃料のフラクションまたは分率(fraction)を示す。もしcが1に等しければ、注入された燃料はそのエンジンサイクルの間にそのシリンダにおける燃料充填量へと直接供給されないことに注意を要する。第2のパラメータbvは与えられたエンジンサイクルの間に蒸発するパドルのフラクションまたは分率を示す。図示されたモデルはクランクシャフト角度領域において基礎をおくという利点を有しており、これはサンプリングレートがシステムダイナミクスに現われないことを意味する。
適応的フィードフォワード制御戦略
ここで使用される制御戦略の本質的な手法は適応的フィードフォワード制御である。ウォールウェッティングのモデルのパラメータcおよびbvをオンラインで、エンジンのサイクルごとのベースで、識別することにより、注入される燃料の量が燃焼燃料充填に関するウォールウェッティングの影響を補償するように修正することができ、過渡的エンジン動作状態の下でも、エンジンのエージング、燃料組成、およびエンジンの温度に影響されず、燃焼のためにシリンダにおいて理論空燃比を維持することができる。前記識別されたパラメータ、cおよびbv、は時変的なエンジンの動的ふるまいに整合するために補償チューニングが実時間計算によって調整できるようにする。
ここで教示されるウォールウェッティング補償はフィードフォワード補償手法を使用する。推定された吸入空気量に整合するための所望の燃料の量が前記補償方法に入力されて即時的、先見的制御作用(immediate,proactive control action)でシリンダに注入するために燃料の量を計算する。好ましくは、フィードフォワード制御が過渡補償のために使用されるが、これは制御システムの駆動およびセンシングの遅れがエラー駆動フィードバックループの帯域幅を制限し、適応的なサイクルごとのフィードバック補償を充填空気量の高速の過渡的変化に対して効果的でないものにするためである。この制御戦略の概略が図2に示されている。
図2は、本発明の好ましい実施形態に係わる適応的コントローラの概略図である。適応的コントローラ203は3つの構成要素によって特徴付けられ、すなわち調整可能な補償部207、ウォールウェッティングモデル215、およびパラメータ適応アルゴリズム221である。調整可能な補償部207はパラメータ適応アルゴリズム221から直接パラメータc 223のかつパラメータbv 225の推定値または計算値を受け、かつ前記パラメータの推定値223および225および所望の燃料要求205に依存して噴射または注入される燃料213を調整する。
前記調整可能な補償部207はウォールウェッティングのダイナミクス201を打ち消すリード補償部(lead compensator)207である。
H−無限大(H−infinity)またはミュー・シンセシス(mu−synthesis)またはオブザーバフィードバック制御戦略(observer feedback control strategies)のような、他の可能な補償部も同様に使用できる。前記ウォールウェッティングモデル215は、前のエンジンサイクルからのそれぞれパラメータcのかつパーラメータbvの推定223および225に基づきシステム出力209の値を推定するために使用される。この発明の好ましい実施形態にとって特徴的なウォールウェッティングモデル215は図1に詳細に示されている。連続的時間モデル、可変サンプルレートを備えた離散的モデル、および高次動的効果を含む連続的または離散的時間モデルを含む、他のウォールウェッティングモデルも同様に使用できる。システム出力217の推定された値は次に予測エラーを得るために現在のサイクルに対する測定されたシステム出力209から減算される。前記予測エラー219は次にパラメータ適応アルゴリズム221によって、パラメータcおよびパラメータbvの、それぞれ、推定223および225を更新するために使用される。用いられるパラメータ適応アルゴリズム221は本発明の好ましい実施形態では再帰リニア2次アルゴリズム(recursive Linear Quadratic algorithm)であるが、拡張カルマンフィルタ理論(Extended Kalman Filter Theory)、H−無限大(H−Infinity)、ニューラルネットワーク、ファジー論理、または非2次コスト関数(Nonquadratic Cost Functions)に基づく他の識別アルゴリズムも同様に使用できる。
前に述べたように、改善された手法はウォールウェッティングパラメータを過渡状態の間にかつ冷たいエンジンのウォームアップ期間の間にそれぞれの点火サイクルに際して識別する。識別は噴射された燃料、エアチャージ推定、およびUEGO(万能排気ガス酸素:Universal Exhaust Gas Oxygen)または燃料/空気当量比(fuel/air equivalence ratio)の他のリニア応答排気ガスセンサの読みのみに基づいている。何らのパラメータマップも必要ではなくかつエンジンが正しい結果を得るために定常状態にあるかあるいはアイドルになっている必要はない。前記アルゴリズムによって前のエンジンサイクルの間に識別されたパラメータが現在のエンジンサイクルの間に燃焼される燃料を推定するために使用され、これは前記UEGOセンサ測定に基づき現在のエンジン燃焼サイクルの間に燃焼された燃料と比較される。その結果は適応アルゴリズによって使用されてパラメータ推定を更新する。更新された推定値は次にフィードフォワード補償部によって使用されて適応的にウォールウェッティングの影響または効果を消去する。
図1において導入されたモデル方程式を書き替えかつZ変換を行うことにより次のような燃料膜モデルの伝達関数を得る。
これらは所望の量の燃料を燃焼のためにシリンダに噴射するためにエンジンの過渡状態の間に補償される必要があるウォールウェッティングのダイナミクス(dynamics)である。
パラメータ識別
ウォールウェッティングのダイナミクスを補償するための1つの手法は入力/出力データから伝達関数の係数を識別しかつ数式(1)を使用してこれらのダイナミクスを直接反転または逆にする(invert)ことである。しかしながら、この手法は大きなデータセットを必要とし、計算機的に実用的でないものにする。1組の伝達関数パラメータは前記物理的モデルのパラメータに対する一意的な解を含まないかもしれない。物理的ウォールウェッティングモデルのパラメータを識別する他の手法が提案されているが、これらは典型的には大きなデータセットを必要としかつ非線形プログラミング技術および/ガウス−ニュートンサーチを必要とする計算機集約的なサーチアルゴリズムを必要とする。この補償方法の目標はシステムダイナミクスの実時間追跡のためにサイクルごとのベースで直接物理的ウォールウェッティングモデルのパラメータを識別しかつこれらのパラメータを前記数式(1)と共に使用して注入または噴射燃料を補償することである。さらに、実時間計算は自動車用エンジン制御において使用される現在の組み込まれたマイクロコントローラの実際の制約内で行われなければならない。
ウォールウェッティングのパラメータの識別を直接可能にするため、数式(1)によって与えられた伝達関数は状態−空間(state−space)形式で次のように書き替えることができる。
この場合、x(k)は膜状態(film state)であり、燃料膜の質量を表わし、y(k)は燃焼される燃料であり、かつkはエンジンサイクルの指数またはインデクスである。もしcが1に等しければ、制御入力は出力に現われることはなくかつシステムは純粋の遅延(pure delay)を有する。k番目のサイクルにおける膜状態はx(k−1)に対してこれらの式を解き結果を次のように等しくすることによって得られる。
この結果を1サイクルシフトしかつ数式(2)からの出力方程式に代入することにより前のシステムの入力および出力に関してy(k)を解くことが可能になる。
ウォールウェッティングパラメータによって乗算されないすべての項を式(4)の左側に移動することにより次の式が得られる。
この式はよりコンパクトな形式で次のように書くことができる。
この場合^p=[bv c]′であり、ウォールウェッティングパラメータのサイクルごとの依存性は今や式(6)に含まれている。システム方程式をこのように書き替えることにより、新しい出力 ̄yはウォールウェッティングモデルのパラメータにおいてリニアであり、一方ダイナミクスの構造(変数がどのように関係するか)を保存し、cおよびbvを直接識別するためにリニア識別技術を使用できるようにする。なお、ここで記号“^”および上線“ ̄”は文字の上に記入すべきであるが、印字の都合上便宜的に文字の前に配置している。
ウォールウェッティングモデルのパラメータの最善の実用的な推定値は以下のリニア2次コスト関数を最小にする解を見つけ出すことによって識別できる。
この場合、e(k)= ̄y(k)−h(k)^p(k)は現在のパラメータ推定に基づく推定誤差であり、かつVおよび ̄Pはそれぞれ測定信号 ̄y(k)の重み付けされた共分散(weighted covariance)、およびパラメータ推定の重み付けされた共分散である。すなわち、V=W1V*であり、この場合W1は測定ノイズV*の共分散に適用される重み係数であり、かつ ̄P=W2P*であり、この場合W2は推定値の共分散P*に適用される重み係数である。以後、Vおよび ̄Pは単に測定およびパラメータ推定共分散と称される。
一般に、 ̄y,h,^pおよびeはベクトルであり、Vおよび ̄Pはマトリクスであるが、この例の単一入力、単一出力の場合は、 ̄y,Vおよびeはスカラーである。ウォールウェッティングパラメータの物理的定義によれば、cおよびbvは共に0および1の間の値に制約されることに注意を要する。
J(^p)を最小にするため、^pに関して偏導関数をとりかつそれをゼロに等しくセットすると次の式が得られる。
^p(k)について解くと次式が得られる。
定義により、パラメータ共分散の更新は次の式によって与えられる。
式(9)および(10)はサイクルごとの(cycle−by−cycle)ベースでウォールウェッティングパラメータを識別するために再帰的に解くことができる方程式である。しかしながら、伝統的なエンジン制御において必要なマトリクスインバージョン(matrix inversions)を行うことは望ましくない。さらに、共分散の更新は共分散をシステムがもはや大幅にパラメータ推定を更新しないレベルまで低下させる傾向にある。従って、パラメータ推定の共分散は一定であると仮定されかつエスティメイタが過度にノイズの多い推定を提供することなく常に「目ざめている(awake)」状態に留まるようなレベルに置かれることが決定された。また、ウォールウェッティングパラメータはエンジンの動作範囲にわたり独立に変わるものと仮定できることに注意を要する。この物理的現象は斜行または対角共分散(diagonal covariance)(すなわち、cおよびbvの間に相互相関がない)に対応する。従って、ここで導かれた更新方程式に対して、
は一定であると仮定される。この仮定はそれがウォールウェッティングのダイナミクスの観察される物理的性質を反映するから行われる。しかしながら、共分散はこの実施形態の本質的な教示から離れることなく異なる形式を持ちあるいはオンラインで更新されるよう仮定することもできる。式(11)を式(9)に代入し解くことによって次の式が得られる。
また、1/v=V−1であり、P1およびP2は定数であり、かつkはエンジンサイクルのインデクスである。
なお、( ̄y(k)−h(k)^p(k−1))は ̄y(k)の測定値から最後のエンジンサイクルのインデクスおよび前記モデルにおけるウォールウェッティングパラメータの値に基づく^y(k)の推定値を減算したものである。これは図2において前に示した予測エラー219である。
これらの式(12)および(13)はガウス−ニュートン反復、サーチベクトルノルム(search vector norms)、およびアクティブセット方法を含む非線形プログラミングまたは同様のツールを含む従来技術の機構において適用されるものよりも伝統的なエンジン制御において実施するのにはるかに簡単であり、かつそれらはまた実際のウォールウェッティングパラメータの代わりに伝達関数の係数を識別する機構によって使用されるものよりも簡単である。
前記更新方程式(12)および(13)はリニア2次制御問題を明示的に(explicitly)解くことによって得られたが、同じ結果は他の制御/最適化方法(H∞、ファジー論理、その他)によって得ることもできることに注意を要する。同じ結果はまた推定共分散に対する異なる形式を仮定することによりあるいは問題全体を類似の連続的時間(離散的時間に対する)問題に変換することによっても得ることができる。
前記ウォールウェッティングパラメータはサイクルごとのベースで識別でき、この情報はエンジンの寿命にわたりウォールウェッティングのダイナミクスの変化の影響を補償するために使用できることに注意を要する。前に述べたように、ウォールウェッティングのダイナミクスはエンジンのエージング(吸気弁の被着)、製造のばらつき、燃料の揮発性の変動、およびエンジンの動作温度の影響により変動する。これらの変動はマッピングされる補償を補償部の設計に関する説明において後に述べる適応的補償よりも効果的でないものにする。図3は非適応的空燃比制御に関する吸気弁被着の影響を示す。
図3は、エンジン吸気弁の堆積または被着なしの過渡的空燃比に関するマッピングされた(mapped)ウォールウェッティング補償の影響とエンジン吸気弁の堆積の存在する場合の同じエンジンに関する同じスロットルの過渡的状態に対する過渡的空燃比に関するマッピングされたウォールウェッティング補償の影響を対比して示す。図3に示される空燃比応答は定常状態のエンジン動作状態と、これに続く新しい定常状態のエンジン動作状態への急速な過渡的変化と、これに続く新しい定常状態のエンジン動作条件への急速な過渡的状態を表わしている。図3における小さなリーンな偏位302はエンジンの吸気弁の堆積が存在せずかつマッピングされた補償部が適切にチューニングされたスロットルの過渡状態に対するマッピングされたウォールウェッティング補償部の特性を表わしている。十分にチューニングされた空燃比制御の性質は低いピーク偏位および理論的空燃混合気への急速な戻りによって証明されている。加速過渡状態301の間に生じる大きなリーンな偏位は、エンジンの吸気弁の堆積により生じ得る、貧弱なチューニングのマッピングされた補償部の特性を示している。エンジン吸気弁の堆積の存在する場合のエンジンの過渡状態に対して、マッピングされた補償部は実際の場合よりもパドルにはるかに少ない燃料が被着されるものと想定している。これは結果として不十分な量の燃料が吸入ポートへと注入され、その結果加速の過渡状態の間に大きなリーンな偏位を生じる。理論または化学量論的空気/燃料混合に戻るためのはるかに大きなピーク偏位およびはるかに長い時間は吸気弁の被着の存在する場合のマッピングされた補償部の低下した性能を示している。同様の結果はスロットル開口304(エンジンの吸気弁の被着なしのマッピングされた補償部)および303(エンジンの吸気弁の被着がある場合のマッピングされた補償部)における突然の低下に当てはまる。急速なスロットルの閉鎖によって引き起こされるウォールウェッティングの動的効果はエンジンの吸気弁の被着の存在する場合にマッピングされた補償部によって不適切な補償を受けている。化学量論からの大きな偏位によって証明される低下した空気/燃料制御は直接自動車の排出が増大する結果となる。
吸気弁の被着によって引き起こされる燃料のダイナミクスの変化はマッピングされる補償部をマッピングされたウォールウェッティング補償のパラメータを不正確にすることにより燃焼チェンバにおける理論空燃比を維持する上での精度を低下させ、その結果不十分にチューニングされたウォールウェッティング補償部を生じ、これはより高い排出につながる。今述べたパラメータ適応アルゴリズムはこれらの変化をオンラインでかつサイクルごとのベースで識別し、これらの影響に対する正確な補償を可能にする。この能力は最も重要なことであり、それは新しい排出規制は排出制御の持続性要求を100,000マイルまで延長したからである。
システムハードウエアプラットホーム
図4は、前記好ましい方法のステップを実行するためのシステムハードウエアプラットホームの概略図である。該システムはエンジン400を含み、該エンジン400はエンコーダ405を介してエンジンの絶対位置情報407を提供する、フライホイール403に結合された、クランクシャフト401に結合されている。このエンジンの絶対位置情報407はコントローラ409によって好ましい方法の同期のために使用される。該コントローラは好ましくはモトローラ社のMC68332型マイクロコントローラから構成される。モトローラ社のMC68332型マイクロコントローラは添付のフローチャートにおいて後に説明する好ましい方法ステップを実行するようプログラムされる。数多くの他の構成もこの実施形態の本質的な教示から離れることなく可能である。例えば、他のマイクロコントローラを使用できる。さらに、この説明の教示に従って制御される、専用のハードウエア回路をベースとした制御システムも燃料パドルダイナミクスを推定するために使用することができ、かつ補償部は燃料噴射を調整するために使用できる。
図4を参照すると、エンジン400は、排気マニホルドを通して、第1のUEGOセンサ413をドライブする第1のシリンダバンク411を含む。第1のUEGOセンサ413は第1のシリンダバンク411の排気ポートから下流に(downstream)配置されかつ各々のシリンダから出力される酸素の濃度を測定する。第1のUEGOセンサ413は測定された燃料/空気当量比に依存する大きさを有するリニア信号414をコントローラ409へと提供する。第2のシリンダバンク415はシリンダの第2のバンクの排気ポートから下流に配置された補足的なUEGOセンサ417を有する。この第2のUEGOセンサ417はまた第2のシリンダバンク415における排気シリンダによる排気流における空気/燃料当量比を示す信号をコントローラ409に提供する。また、エンジン400は該エンジン400の吸気マニホルドに結合された空気−質量流量(air−mass flowrate)(MAF)センサ421を有する。空気−質量流量センサ421はエンジンの吸気マニホルドへの空気質量流量を示す出力信号418をコントローラ409に提供する。MAFセンサを使用する代わりに、吸気空気質量チャージを決定するための速度−密度手法を使用できることに注意を要する。この形式の手法は絶対圧力センサのような、吸入空気チャージセンサを使用して吸気マニホルドの圧力を測定し、かつエンジン速度を決定するためにエンジン速度センサを使用する。吸気質量流量または率(intake mass flow rate or factor)は次に決定されたエンジン速度および吸気マニホルド圧力に依存して計算できる。
コントローラ409は第1のおよび第2のシリンダバンク411および415における各シリンダに関連する燃料インジェクタに個別に供給される出力信号のバンク419を有する。
前に述べたように、第1および第2のUEGOセンサ信号414および416、吸気マニホルド質量空気流量信号418およびコントローラ(コントローラ409の内部の)により指令される注入燃料チャージの記憶された値が好ましい方法を実施するために使用される。
信号処理/持続的励起
前のセクションで説明したパラメータ適応アルゴリズムは燃料質量値に関して動作するから、それはインジェクタコマンド、UEGOセンサの読み、およびエンジンサイクルごとに対するシリンダバンクごとの空気充填推定値を必要とする。前記入力信号は帯域ろ波されてセンサノイズおよびシステムバイアスのパラメータ推定値に対する影響を最小にする。必要な信号は図5に示されるスケジュールにしたがってサンプルされ信号サンプリングを燃料噴射、空気吸入、およびバンクごとの1つのシリンダに対する排気事象と同期させる。図5は本発明の好ましい実施形態に係わる適応信号の構成のためのスケジューリング計画を示す概略図である。与えられたシリンダに対する全ての角度位置は、ゼロの値が割当てられる、その特定のシリンダに対する圧縮行程の上死点(top dead center)に関して表現されいている。
シリンダ事象ごとに3つの量がサンプリングされなければならず、すなわち注入または噴射される燃料の質量501、充填空気質量(charge air mass)503、および正規化排気燃料/空気当量比504である。注入燃料の質量501は燃料インジェクタのパルス幅の値が決定的になった(finalized)ときに、噴射の開始の直前に、サンプルされる。この信号は次にバンドパスフィルタ502を通されて高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する。充填空気質量503は吸気行程の底部で計算される。正規化された排出燃料/空気比率504は監視されたシリンダからの排気パルスの後かつそのバンクに対する次の排気事象の直前のUEGO信号から決定され、センサに最大の可能なセットリング時間を与えかつそれによって正規化された排出燃料/空気比率の読み504に関するセンサダイナミクスの影響を最小にする。正規化された排出燃料/空気比率504は次に理論空燃比505によって乗算されかつ次に充填空気質量516によって乗算されてちょうど完了したシリンダ事象に対する燃焼原燃料または燃焼生燃料(raw fuel burned)511を得る。この燃焼生燃料信号511は次にバンドパスフィルタ507にわたされて高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する。ろ波された噴射燃料512は次にウォールウェッティングモデル508にわたされて推定ろ波燃焼燃料513を得る。該推定された燃焼ろ波燃料513およびろ波された測定燃焼燃料514は次に予測エラー515を得る、509、ために使用され、該予測エラー515は次にパラメータ適応アルゴリズム510にわたされる。パラメータ適応アルゴリズム510は前に述べた式(12)および式(13)に詳細に示されている本発明の好ましい実施形態にしたがってウォールウェッティングパラメータ516の推定値を更新する。更新されたパラメータ推定値516は次に次のサイクルの間に使用するためにウォールウェッティングモデル508にわたされる。
エンジンサイクルのプロセスと同期して一定のクランクシャフト角度で種々の信号サンプリングが行なわれることに注意を要する。これは識別アルゴリズムおよび補償部の構造の双方を大幅に簡単化する。計算機的な制約のため、ウォールウェッティングのパラメータはシリンダのバンクにわたり一定であると仮定し、かつしたがってサイクルごとに1度各シリンダバンクに関して1つのシリンダの測定から計算される。もしより多くの処理能力が利用可能であれば、このシステムは全てのシリンダに関して別個に動作することができる。2つのUEGOセンサ413および417は指示されたエンジンクランクシャフト角度でサンプルされるが、これは2つのUEGOセンサ413および417にサンプリングの前に、しかもセンサが点火順における次のシリンダからの排気パルスにさらされる前に、最大の可能なセットリング時間を許容するからである。これは結果として得られる信号推定値に関してUEGOセンサのダイナミクスの影響を最小にする。
多くの適応/識別機構はスロットル位置(すなわち、空気流量)および燃料パルス幅(すなわち、噴射燃料質量)に関する付加的な噴射励起に依存し注目のダイナミクスを完全に励起(excite)する(すなわち、「持続的な励起」を提供する)。この選択肢はこのシステムにとって必要でないかもしれず、それは空気充填およびスロットル入力における通常の動揺(fluctuations)は、もちろん、測定が充分に正確でありかつ適切な信号対雑音比を有する限り、識別のために必要な全ての励起を提供するように見えるからである。しかしながら、種々のレベルの付加的な広帯域励起信号によって試験が行なわれ(広帯域周波数内容を備えた低振幅擬似ランダム2進信号が補償された噴射燃料605に加えられ、613、(これは信号606を生じる))、これは、励起信号が存在したか否かに応じて、適応制御システムの応答が急速な過渡状態の間に変化することを示した。最善の結果を達成するために付加的な励起信号が必要とされるか否かを決定するために排気テストが使用される。最後に、パラメータ推定値は燃料補償が確実に平滑であり(smooth)かつ行儀がよくなる(well behaved)ようにするため低域ろ波されることが注目されるべきである。さらに、燃料のパドル質量が計算されることがなく、この方法を文献に提案された他のものから区別していることに注目すべきである。これは実時間計算における簿記(bookkeeping)の量を大幅に低減する。
補償部の設計
補償部(compensator)の目標はウォールウェッティングの影響を打ち消し所望の空燃比がシリンダ内で達成されるように注入燃料を修正することである。概略的にこれは図6に示されている。図6はウォールウェッティング補償を示す概略図である。図6における燃焼のための所望の燃料質量601はウォールウェッティング補償部603にわたされる。ウォールウェッティング補償部603はウォールウェッティングダイナミクス607の動的反転または逆(dynamic inverse)である。ウォールウェッティング補償部603は燃焼のための所望の燃料質量601を修正して噴射されるべき補償された燃料質量605を得る。もし希望するならば、擬似ランダム2進信号または他の外乱(perturbation)信号611を、もし信号対雑音品質が受入れ難いかあるいは持続性励起のレベルが増大を必要とする場合に、補償された噴射燃料質量に加えることができる、613。噴射されるべき補償された燃料質量605は次に噴射されかつエンジンのウォールウェッティングダイナミクス607は噴射される燃料質量605を修正してシリンダ内に導入される燃料質量609を生成する。もし反転ウォールウェッティングダイナミクス補償部603が真のウォールウェッティングダイナミクス607の正確な動的反転または逆であれば、反転された603および非反転の607ウォールウェッティングダイナミクスの順次的な供給は単位利得(unity gain)のシステムを生じる結果となり、かつシリンダに導入される燃料質量609は化学量論的燃焼のための所望の燃料質量601に等しくなる。
理想的には、実効ウォールウェッティング補償はウォールウェッティングパラメータを識別することによって達成でき、それによって燃料膜伝達関数^Gf(z)の推定値を識別または明らかにし、式(1)を反転または逆数にして逆伝達関数1/{^Gf(z)}を得、かつこの逆伝達関数を使用して所望の燃料の量を修正する。図6に示されるように、ウォールウェッティングダイナミクスと縦続接続した補償部の結果として得られる伝達関数、{Gf(z)}/{^Gf(z)}、は1に近づくべきであり、この場合シリンダ内に導入される燃料質量は、動的ひずみなしに、所望の燃料質量を完全に追跡する。この場合、前記式(1)によって述べられた離散的プロセスにより次式が得られる。
この場合、便宜的にパラメータをひとまとめにすると次のようになる。
補償伝達関数は次のようになる。
これは(逆Z変換を行なうことにより)次の差分方程式を示している。
これは噴射される燃料の量を計算するためにそれぞれのシリンダに対してそれぞれのサイクルごとに実行される補償方程式である。係数は直接式(15)からの識別されたパラメータから計算される。これは補償チューニング適応メカニズムである。
しかしながら、ウォールウェッティングのダイナミクスは常には反転または逆にできる(invertible)ものではない。式(1)によって与えられる伝達関数のゼロは分子をゼロに等しくセットしかつzについて説くことにより次のように得られる。
反転または逆伝達関数、1/{^Gf(z)}が与えられたサイクルインデクスkにおいて安定であるためには、z*(k)は単位円(uint circle)内になければならない。式(18)からc→1の場合、これはz*(k)がマイナス無限大に接近する場合ではないことは明らかである。物理的には、c→1の場合、噴射燃料の全質量はパドルに入り、かつシステムはしたがって噴射燃料から燃焼燃料へと純粋遅延を有する。したがって、現在のサイクルに関する燃料質量に対し直接の訂正を行なうことは可能ではないであろう。しかしながら、もしc(k)の値がより低くかつz*(k)が単位円内にあれば、直接的な反転または逆が可能でありかつ現在のサイクルの訂正を行なうことができる。この問題は従来技術では考えられていなかった。実際に、いくつかの従来技術のシステムはウォールウェッティングのフラクション(従来技術ではしばしばXと称される)が1に接近するに応じて不安定になる。ウォールウェッティングのダイナミクスは2つの別個の形式のふるまいによって特徴付けられるから、1つのシステムは噴射燃料の直接的なフィードスルーを有しおよび1つは直接的なフィードスルーなしであり、各々の条件に対して1つずつ、2つの別個の補償部を使用することが決定され、c(k)およびz*(k)の識別された値に応じて特定のサイクルに関し補償部が使用される。これは、システムの安定性を確実に考慮する一方で、補償部がシステムの物理的性質を最大に活用することができるようにして最善の実現可能な燃料/空気比率を可能にする。
直接的フィードスルーによる補償部
2つの補償部の間でのスイッチポイントに関する控えめなかつ物理的に理解可能な境界を提供するため、c(k)が0.9より小さくかつz*(k)が0.08より大きい場合に直接的なフィードスルーと共に使用するための補償部を用いることが決定された。もしc(k)が0.9より小さければ、噴射燃料から燃焼燃料への直接的なフィードスルーのかなりの量が同じエンジンサイクルに存在する。プラントモデルの動的反転または逆により次に該プラントのポールおよびゼロを打ち消す補償部を形成することにより、プラントのゼロ、z*(k)、が補償部のポールになる。0.08の下限が選択されて補償部の最大の所望帯域幅(周波数)が反映された。−1<z*(k)<0.08に対するポール配置は技術的に安定であるが、高い周波数で軽くダンプされた振動的固有値を生成するためには望ましくなく、その理由はこれがシステムを不必要にうるさくまたはバジー(buzzy)にするからである。この直接的フィードスルーと共に使用するためのウォールウェッティング補償部は図7にブロック図形式で示されている。
図7は直接的フィードスルーを備えたエンジン動作条件のためのウォールウェッティング補償部を示す概略図である。該補償部への入力は所望の燃料質量701、推定システムゼロ702、噴射燃料質量703、ウォールウェッティングパラメータの推定値bv(k)704、およびウォールウェッティングパラメータの推定値c(k)705である。ウォールウェッティングパラメータc(k)の推定値705は次にリミッタ706に通される。c(k)リミッタ719の出力は次に図7におけるb0(k)708の反転または逆を計算するために使用される(式15を参照)。ウォールウェッティングパラメータbv(k)の推定値704は次にリミッタ707に通される。bv(k)リミッタ707の出力720は次に図7におけるa1(k)709を計算するために使用される(式15を参照)。1エンジンサイクル遅延710の出力721である、前のサイクルに対する所望の燃料質量721はa1(k)709によって乗算され、711、かつ現在のサイクル701に対する所望の燃料質量から減算される、712。信号722は次にb0(k)708の反転によって乗算されて、713、信号726を得る。現在のサイクルに対する推定されたゼロ702はリミッタ714を通されて制限された推定ゼロ723を得る。注入燃料質量703は1エンジンサイクル遅延719にわたされる。遅延719の出力724は次に前記制限された推定ゼロ723によって乗算される。この信号725は次に信号726から減算されて、715、補償された燃料質量727を得る。補償された燃料質量727はリミッタ717に通されて補償された燃料質量718に対する最終値を得る。これはシリンダに導入される燃料の量が理論的燃焼のための所望の燃料質量に整合するようにウォールウェッティングの影響を補償するために噴射されなければならない燃料の質量である。補償部は式(17)の直接形式Iの実現(direct form I realization)である。上記補償部はポールゼロの打ち消しを行ないかつウォールウェッティングの影響を補償するように噴射燃料を修正する。ウォールウェッティングのダイナミクスは低(周波数)通過システムであるから、補償部はリード補償部として説明できる。補償部への入力は所望の燃料質量であり、これは計算される値であり検知される値ではないことに注意を要する。
直接的フィードスルーなしの補償部
噴射燃料の90%より多くが吸気マニホルドの壁に付着する場合に対しては、あるいはシステムが直接反転可能または可逆でない場合は、ウォールウェッティングの補償は噴射の間にシリンダ内に燃料の直接的なフィードスルーがないものと仮定する補償部によって行なわれる。この場合のシステムポールはゼロに置かれ、その結果有限のセットリング時間、または速示的(deadbeat)コントローラを生じる結果となる。この補償部は、c=1が式(15)に代入されたときに、式(17)と同様にして得ることができる。反転または逆ダイナミクスを実現可能にするために、補償部の伝達関数としてz−1×[1/{^Gf(z)}]を使用することが必要である。これはz=0に補償部のポールを生じさせる。このコントローラは現在の噴射サイクルの間に適切な量の燃料を噴射しまたは除去することによってその新しい平衡値で燃料パドル質量を平衡させることを試み、それによって次のエンジンサイクルにおける燃焼のための所望の燃料を達成する(図8を参照)。この補償部が意図したように動作するとき、mc(k+1)=md(k)である。過渡的燃料制御に対しては、この補償部は存在する物理的制約が与えられれば可能な最も迅速な補償を与える。補償の差分の式は次のようになる。
図8は、直接的なフィードスルーなしのエンジン動作条件に対するウォールウェッティング補償部を示す概略図である。該補償部への入力は所望の燃料質量802、噴射燃料質量803、およびウォールウェッティングパラメータbv(k)の推定値801である。ウォールウェッティングパラメータbv(k)の推定値801は次にリミッタ804に通されてbv(k)の制限された推定値816を得る。bv(k)の制限された推定値816は次に、噴射からの燃料のシリンダに導入される燃料質量へのゼロの直接的なフィードスルーがあるものと仮定して、図8におけるa1(k)806、式(15)を参照、および図8におけるb1(k)805、式(15)を参照、を計算するために使用される。所望の燃料質量802は1エンジンサイクル遅延809にわたされる。遅延された所望の燃料質量817はa1(k)806によって乗算され、807、かつ現在のサイクルに対する所望の燃料質量802から減算される、821。この信号808は次にb1(k)の逆数805によって乗算されて信号818を得る。噴射燃料質量803は1エンジンサイクル遅延813にわたされて遅延された噴射燃料質量819を得る。遅延された噴射燃料質量819は固定された補償部ポール812によって乗算されて信号820を得る。信号820は次に信号818から減算されて補償された燃料質量811を得る。補償された燃料質量811はリミッタ814を通されて補償された燃料質量815に対する最終値を得る。
図9は、過渡的排気空気/燃料比率に関するマッピングされたウォールウェッティング補償の効果に対する、冷たいエンジン動作条件に対する同じエンジンに関する同じスロットル過渡状態に対する過渡的排気空気/燃料比率に関する適応的ウォールウェッティング補償の効果とを同じスケールで示す一対のチャートを含む。両方の場合に(900および910)、エンジンのダイナモメータは1,100RPM(毎分の回転数)かつ30kPa(キロパスカル)のマニホルド絶対圧力(MAP)で動作し、かつエンジンの冷却剤の温度はほぼセ氏62度に維持され、これは暖かいエンジンに対する通常のエンジン冷却剤温度より低い。これはエンジンが完全にウォームアップする前の冷たい動作状態におけるエンジンの動作をシミュレートする。ダイナモメータは次にエンジン速度を1,100RPMに維持しながらスロットルを5秒にわたり開くことによりMAPを90kPaに変えかつこの動作状態を維持した。マッピングされた補償部と適応的補償部との間の空燃比の制御の品質の差は劇的なものであった。マッピングされた補償部の応答は図9においてチャート900で示されている。加速の間に生じる大きなリーンな偏位905は貧弱にチューニングされたマッピングされた補償部の特性を表わしており、これは冷たいエンジンの動作状態によって引き起こされる。冷たいエンジン動作条件に対しては、マッピングされた補償部は実際の場合よりはるかに少ない燃料が吸気マニホルドにおけるパドルに被着するものと仮定し、それは典型的なマッピングされる補償部におけるウォールウェッティングパラメータはMAPおよびエンジンのRPMの関数として記憶されるからである。これは結果として不充分な量の燃料が吸気マニホルドに注入されることになり、結果として加速の間に大きなリーンな偏位を生じる。エラー駆動フィードバックループは次により多量の燃料を注入することにより前記リーンな偏位を修正しようと試みるが、結果としてオーバシュートを生じ、前記リーンな偏位905にすぐ続くリッチな偏位903を生じさせる。システムは次に化学量論的または理論的動作907に戻る。
適応的補償部の応答が図9におけるチャート910に示されている。適応的補償部による加速から生じるリーンな偏位911は前記マッピングされた補償部905に対する対応する偏位よりもずっと小さな大きさになっている。空燃比制御の改善された性質がずっと低いピーク偏位(905,911)および理論的空気/燃料混合(907,915)へのより急速な戻りによって証明されている。適応的補償部による加速から生じるリッチな偏位913はマッピングされる補償部903による対応する偏位よりもずっと小さくかつより短い持続期間となっている。適応的機構はマッピングされる補償部の結果と比較した場合60%のピークラムダの低減を示しかつラムダを理論値へ3倍速く移動し戻す。空燃比における理論値からの偏位の低減は直接自動車の排出の低減を生じる結果となる。
暖かいエンジンに関して行なわれた試験はまた適応的補償部はマッピングされた補償部よりも典型的な駆動サイクル試験に対しより効率的な空燃比制御を達成することを示した。これは適応的補償部はマッピングされた補償部が充分に較正されているエンジン動作条件に対してもはるかに優れた性能を達成することを示している。
前に述べたウォールウェッティング補償部は各々の点火事象の間に各々のシリンダに対する所望の燃料質量を修正することによって各々のシリンダに対してウォールウェッティングの影響を補償するように動作し、かつしたがってシリンダ内に吸い込まれる燃料質量が所望の燃料質量と整合するように適切な量の燃料を供給する(図6を参照)。ウォールウェッティングのパラメータはバンクごとに1度サイクルごとのベースで(特定のバンクにおける各々のシリンダがそのバンクにおける1つの特定のシリンダに対するウォールウェッティングのダイナミクスによって特徴付けられるものと仮定することにより)推定される。パラメータ推定はバンクごとに1度行なわれて計算機的な要求を低減する。もし燃料制御のためにより大きな処理能力が利用可能であれば、ウォールウェッティングパラメータは個々のシリンダに対して識別できる。ウォールウェッティングパラメータの推定値は次にウォールウェッティング補償部の利得の適切な値を計算するために使用される。パラメータ適応アルゴリズムは2つのエンジンバンクを表わすものと想定されるシリンダに対する噴射質量燃料、空気充填推定値、および(UEGO信号および空気充填推定値から決定される)燃焼燃料質量を必要とする。これらは図5に示されたスケジューリング計画にしたがった評価の下で各々のシリンダに対する最適のエンジン位置でサンプルされる。
次に図10〜図14のフローチャートで説明される全てのルーチンは図4に示されるコントローラ409に組み込まれたモトローラ社のMC68332型マイクロコントローラによって実行されるソフトウェアへとエンコードされる。
図10は、好ましい方法を実施するために使用される3つの高レベルフローチャートを示す。
第1のフローチャート、ルーチン1000、はスタートステップ1001が実行された後にたえず(continuously)動作する。ステップ1003において、コントローラ409はエンジン400の動作パラメータを示す信号をたえず確保しかつ処理する。これらの信号はエンコーダ405を使用して測定されるエンジン絶対位置情報、第1のUEGOセンサ413および補足的なUEGOセンサ417を使用して測定される排気ガス酸素濃度、前記(MAF)センサ421を使用して測定される空気質量流量を含む。ステップ1003のさらに詳細は図11において拡張されている。
他のルーチン1010においては、制御ループは開始ステップ1011の呼出しの後に絶えず実行される。ステップ1013においては、パラメータ適応が行われる。次に、ステップ1015において、ウォールウェッティング補償部に対するコントローラ利得が決定される。次に、ステップ1016において、制御ループは次のエンジンサイクルの入力信号を待機し、次にルーチン1010を反復する。
他のルーチン1020においては、ウォールウェッティング補償部が開始ステップ1021の呼出しの後に絶えず実行される。ステップ1022においては、エンジンコントローラ409は次のシリンダ事象に対する所望の燃料質量601を絶えず取得しかつウォールウェッティング効果を補償するために噴射されるべき燃料の量を決定する。次に、ステップ1023の間に、ルーチンは次の所望の燃料質量601を待機し、次にルーチン1020を反復する。次に、図10に示された方法ステップの各々の詳細を説明する。
図11は、図10において参照番号1003で示された取得(acquisition)および信号処理ステップを連続的に動作させる方法の詳細を示すフローチャートである。
ルーチン1100は絶えず行われ、かつ点線の参照ボックス1101内に示されたステップは図5において前に導入されたスケジューリング計画を介して呼び出される。ステップ1103において、コントローラ409は考慮中の特定のシリンダに対して噴射されるべき燃料の質量が決定的になる(finalized)まで待機する。この瞬間はエンコーダ405を使用して測定されたエンジン絶対位置情報を使用して決定される。噴射されるべき燃料の質量が考慮中の特定のシリンダに対して決定的になった時、噴射燃料419がステップ1105においてサンプルされる。噴射される燃料は次にステップ1123において1エンジンサイクル遅延(保持)され、それによって噴射燃料(fuel injected)、空気充填量(air charge)、およびUEGO信号から計算さる燃焼燃料がコヒーレント(即ち、3つのすべての信号が同じシリンダ事象に対応する)ようにされる。
次に、ステップ1107において、ステップ1105においてサンプルされかつステップ1123において1サイクル保持された噴射燃料信号がバンドパスろ波される。この発明の好ましい実施形態において使用されるフィルタはバンクごとに各サイクルにつき3つの加算および4つの乗算を必要とする。噴射燃料信号はバンドパスろ波されて該信号からDCバイアス(オフセットおよび高周波ノイズを除去し、それは入力バイアスおよび高周波ノイズはパラメータ適応アルゴリズムがウォールウェッティングパラメータの正しくない推定値を決定される可能性があるからである。数多くの異なる形式のフィルタ、種々のカットオフ周波数を備えた、離散的およびアナログ、がこの実施形態の本質的な教示から離れることなく使用できる。
次に、ルーチン1100はスケジューラ1101に戻る。他のステップ1109において、スケジューラ1101は評価中のシリンダに対するピストンがその吸気工程の底部に位置するまで待機する。問題のピストンが吸気工程の底部に位置した時、ステップ1111が実行されかつ考慮中のシリンダに対する空気充填量(air charge)が決定される。これはMAFセンサ421から信号418を読み取ることによって行われる。あるいは、空気充填量はMAPセンサならびにテーブル修正、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、あるいはこの実施形態の本質的な教示から離れることなく他の評価または推定アルゴリズムと共にMAPセンサを使用して決定できる。決定された空気充填量は次にステップ1122において1エンジンサイクル遅延され(保持され)、従って噴射燃料、空気充填量、およびUEGO信号から計算された燃焼燃料がコヒーレント(即ち、すべての3つの信号が同じシリンダ事象に対応する)になるようにされる。
次に、ステップ1113において、燃焼燃料が計算される。これは次の式を使用して行われる。
この場合、φUEGOはUEGOセンサ信号から決定された正規化された排出燃料/空気当量比であり、[F/As]は理論的空燃比であり、かつ^mairはその特定のシリンダ事象に対する空気充填量の推定質量である。これは各バンクにつきサイクルごとの合計の乗算を6にする。正規化された燃料/空気比率の取得ステップは後に詳細に説明する。正規化された燃料/空気比率は燃料制御戦略の他の構成要素によって必要とされ、かつ従って必要な数の計算を増大させることはない。
次に、ステップ1115において、計算された燃焼燃料がバンドパスろ波され、かつルーチン1100はスケジューラ1101に戻る。計算された燃焼燃料は該計算された燃焼燃料からdcバイアスおよび高周波ノイズを除去するためにバンドパスろ波され、それは該バイアスおよび高周波ノイズはパラメータ適応アルゴリズムがウォールウェッティングパラメータの正しくない推定値を決定させる可能性があるからである。本発明の好ましい実施形態において使用されるフィルタはステップ1107において使用されるフィルタと同様のものであり、これは必要とされる付加的な数学的操作の合計数を6つの加算および10の乗算にする。多様なカットオフ周波数を備えた数多くの異なる種類のフィルタ、離散的およびアナログ、がこの実施形態の本質的な教示から離れることなく使用できる。
ステップ1117において、スケジューラは評価中のシリンダに対する次の排気事象がほぼ発生しそうになる(about to occur)まで待機する。次の排気事象がほぼ発生しそうな場合、UEGO信号がステップ1119においてサンプルされる。コントローラ409は位置決めシステムにおける前に述べたエンコーダによってどのシリンダバンクにシリンダ点火が位置するかを知っているから、適切なUEGO信号センサ413または417がサンプルされてそれに応じて関連するUEGOセンサ信号414または416を提供する。
次に、ステップ1121において、サンプルされたUEGO信号がUEGOセンサ校正カーブを介して正規化された燃料/空気比率に変換され、該カーブはUEGO信号の電圧出力を独自のまたは一意的な燃料/空気当量比にマッピングする。次に、ステップ1113および1115が上に述べたように実行され、かつルーチン1100はスケジューラ1101に戻る。次に、パラメータ適応の詳細につき説明する。
図12は図10において導入されたパラメータ適応ステップの詳細を示すフローチャートである。
ルーチン1200は開始ステップ1201において始まる。次に、ステップ1203において、図10からの入力モジュール1000によって提供されるろ波された信号から予測エラーが計算される。システム出力はウォールウェッティングパラメータにおいてリニアとなるように ̄y(k)として書き替えられることを思い出すべきである(式5)。
この場合、ウォールウェッティングパラメータのサイクルごとの依存性が今や含まれている。前記予測エラー( ̄y(k)−(k)^p(k−1))は、現在のサイクルに対する測定された出力 ̄y(k)から前のサイクルに対するウォールウェッティングパラメータの推定値に基づき予期されるy(k)の値を減算したものであり次のようになる。
(なお、式5および6を参照)。このプロセスは7つの加算および2つの乗算を必要とし、必要とされる付加的な数学的操作の合計数を各バンクにつきサイクルごとに13の加算および12の乗算にする。
次に、ステップ1205において、式(12)および(13)に示されたパラメータ更新項の分母がコントローラ409によって決定される。これは式(12)および(13)の右側の項の分母である。これらの右側の項はパラメータ更新(parameter updates)と称され、それはそれらが前のサイクルに対する適切なウォールウェッティングパラメータの推定値に加えられて現在のサイクルに対する適切なウォールウェッティングパラメータの推定値を得るからである。前記分母のvP1P2項はもしパラメータ推定値の共分散(covariance)が一定であると仮定すれば単一の定数によって表現できる。これは結果として3つの加算および6つの乗算のみを必要とする分母の決定を生じさせ、必要な付加的数学的操作を各バンクにつきサイクルごとに16の加算および18の乗算にする。
ステップ1207において、フィードスルーパラメータ更新方程式(12)の分子が決定される。このプロセスは各バンクにつきサイクルごとに1つの加算および2つの乗算を含む。
次に、ステップ1209において、フィードスルーウォールウェッティングパラメータc(k)に対するパラメータ更新が前記フィードスルーパラメータ更新の決定された分子をパラメータ更新項の決定された分母で割り算することにより決定される。
次に、ステップ1211において、新しいフィードスルーパラメータ推定値がパラメータ更新を考慮中のシリンダの最後の点火からのフィードスルーパラメータ推定値の前の値に加えることによって決定される(式12を参照)。このステップは必要な付加的数学的操作の合計数を各バンクにつきサイクルごとに18の加算、20の乗算および1の除算にする。乗算および除算はそれらがマイクロプロセッサにおいて全く異なる様式で計算されるため別個に考慮され、除算は乗算よりもずうっと複雑である(かつ従ってより望ましくない)。
ステップ1213において、気化パラメータ更新の分子が決定される。
次に、ステップ1215において、気化パラメータ更新が前記気化パラメータ更新の決定された分子をパラメータ更新項の決定された分母によって割り算することにより決定される。
次に、ステップ1217において、新しい気化パラメータ推定値bv(k)が前記パラメータ更新を前記パラメータ推定値の前の値に加えることにより決定される(現在のシリンダの最後の点火に関連し、式(13)を参照)。このステップは各バンクにつきサイクルごとに必要な付加的な数学的操作の合計数を20の加算、22の乗算および2の除算にする。
次に、ルーチン1200は終了する。
図13は、図10のステップ1022において導入されたウォールウェッティング補償部の利得の計算の詳細を示すフローチャートである。ウォールウェッティング補償部の利得の計算は図10のステップ1005において導入された。
ルーチン1300は開始ステップ1301において始まる。ステップ1303において、パラメータ推定値(前記パラメータ適応ステップ1013において得られる)がろ波される。このためのフィルタはウォールウェッティングパラメータにおける高周波の変化を除去するよう設計された簡単な1次帯域通過フィルタである。該フィルタの機能は、誤った燃料補償を生じさせる結果となる、補償部利得の急速な、高周波の変化を防止することである。他のフィルタも使用することができ、かつもし望むならば、このステップは省略できる。この発明の好ましい実施形態において行われているように、パラメータ推定値をろ波することは各バンクに対しサイクルごとに付加的な2つの加算および4つの乗算を必要とする。
次に、ステップ1305において、識別されたシステムゼロが前記ろ波されたパラメータ推定値から決定される(式18を参照)。このステップは3つの加算および1つの除算を必要とし、必要とされる付加的な数学的操作の合計数を各バンクにつきサイクルごとに25の加算、26の乗算、および3つの除算にする。
次に、ステップ1307において、パドルに注入または噴射された燃料の識別されたフラクションが大きいか否かを調べるため試験が行われる。もし大きければ、ステップ1311が実行される。
ステップ1311においては、燃料の直接的なフィードスルーがないものと仮定して補償部の利得が決定され、これは1つの余分の加算および1つの除算を必要とする。これはフィードスルーウォールウェッティングパラメータc(k)の値が1に等しいと仮定して補償部がウォールウェッティングダイナミクスを反転または逆にする(inverts)することを意味する。逆にされたダイナミクスを実現可能にするため、補償部の伝達関数としてz−1×[1/{^Gf(z)}]を使用することを必要とする。これはz=0に補償部のポールを導入する。このコントローラは現在の注入または噴射サイクルの間に燃料の適切な量を注入または除去することによって燃料のパドル質量をその新しい平衡値で平衡させるよう試み、それによって次のエンジンサイクルに関する燃焼のための所望の燃料を達成する(図8を参照)。この補償部が意図したように動作すると、mc(k+1)=md(K)である。過渡的な燃料制御のためにこの補償部は存在する物理的制約が与えられれば可能な最も迅速な補償を提供する。前記ポールはもし必要であれば他の場所に配置することができ、かつフィードスルー項の仮定された値はこの実施形態の本質的な教示から離れることなく変更できることに注意を要する。
いったんステップ1311が完了すると、エンジン制御コンピュータはステップ1317を実行し、ウォールウェッティング補償利得を更新する。ルーチン1300は次に終了する。
もしパドルへの噴射燃料の識別された分率、割合またはフラクション(fraction)がステップ1307で判定されて大きくない場合は、ステップ1309が実行される。ステップ1309においては、コントローラ409はシステムゼロが逆にできないまたは不可逆(uninvertible)であるか否かを見るためチェックを行う。もしそうであれば、ステップ1311が上に述べたように実行される。−1<z*(k)<0.08に対するポール配置は技術的に安定であろうが、高い周波数で軽くダンプされた振動的固有値を生じさせることは望ましくなく、それはこれがシステムを不必要にノイズの多いまたはバジー(buzzy)にするからである。従って、ウォールウェッティング補償のために−1<z*(k)<0.08において推定されたゼロを不可逆として規定することが決定された。この不可逆の拡張された定義はこの実施形態の本質的な教示から離れることなく緩和しあるいは厳重にすることができる。もしシステムゼロが不可逆でなければ、次にステップ1315が実行される。
ステップ1315においては、燃料の直接的なフィードスルーを仮定して補償部の利得が決定される(これは図7に示されている)。これは補償部がウォールウェッティングのダイナミクスを直接反転または逆にすることを意味する。このステップは2つの余分の加算および1つの除算を必要とする。
いったんステップ1315が完了すると、エンジン制御コンピュータはステップ1317を実行し、ウォールウェティング補償部の利得を更新する。ルーチン1300は次に終了する。必要な余分の数学的操作の最悪の数は各バンクにつきサイクルごとに27の加算、27の乗算、および4つの除算である。
図14は、図10のステップ1022において導入されたウォールウェッティング補償部の動作の詳細を示すフローチャートである。ルーチン1400は開始ステップ1401で始まる。ステップ1403においては、所望の燃料質量がエンジンコントローラ409によって提供される。
次に、ステップ1405において、所望の燃料質量(fuel mass)がウォールウェッティング効果に対して補償される。所望の燃料質量は燃料の直接的フィードスルーを想定する補償部(図7)、あるいは燃料の直接のフィードスルーを想定しない補償部(図8)によって補償される。補償部の選択および動作の詳細は図7、図8および図13の説明において詳細に説明されている。
次にステップ1407において、エンジンコントローラ409はエンジン400の吸気マニホルドへの噴射のために補償された燃料質量をスケジューリングする。ルーチン1400は次に終了する。
最悪の場合、このステップ1022は噴射事象ごとに2つの加算および3つの乗算を含む。これらの数学的操作は前記合計には含まれていないが、これは現在の燃料制御戦略によって要求される数にすぎず、かつパラメータ適応プロセスの部分ではない。これはここで説明した適応的ウォールウェッティング補償方法を実施するためには、必要とされる余分の数学的操作の数は、種々のリミッタおよび論理的ステートメントに加えて、各バンクにつきエンジンサイクルごとに27の加算、27の乗算、および4つの除算となる(図7、図8および図13を参照)。この必要な余分の計算のレベルは極めて穏当なものである。試験により適応的燃料補償のこの方法を製品のエンジンコントローラ409で製品のV−8エンジンに関し3000RPMまでのエンジン速度で行うことが可能なことが示された。これは充分なものであり、それはウォールウェッティングはこのエンジンにおいて3000RPMより上のエンジン速度ではもはや問題ではないからである。もし望むならば、適応的燃料補償は付加的な処理能力が利用可能にされればより高いエンジン速度で行うことができる。また、ここで示された適応的燃料補償機構好ましい実施形態およびその種々の別の実施形態は現在の燃料制御戦略の一部と置き換えられ、大抵の燃料制御戦略に対する正味の付加的な計算機的コストを一層低くすることを記憶しておかなければならない。
計算機的な効率/簡単さ
ここで提案された補償方法の1つの主な強みはその簡単さであり、かつ従ってその穏当な計算機的要求である。他の場所で提案された適応的補償方法は定常状態のエンジン動作に依存しかつウォールウェッティングパラメータを決定するためにガウス/ニュートンサーチ(スタンフォード)または非線形プログラミングによるアクティブセット方法を使用する。これらのアルゴリズムは次に、何らかの種類の補償部によって使用される、パラメータのテーブルを更新する。これらの方法は計算機集約的でありかつ大きなデータセットを使用する。さらに、これらの方法の多くはまた空気系およびセンサダイナミクスを確認または識別し、アルゴリズムをさらに複雑にしかつ必要な計算の数を増大させる。物理的に意味のあるモデルを使用し、再帰的LQ問題を明確に解き、各エンジンサイクルにつきバンクごとに一度だけ適応を行い、かつ次の排気ポートが開く直前にUEGOセンサをサンプリングし、従ってセンサの最大のセットリング時間を可能にすることによって、この補償戦略に対する計算機的な要求は競合する機構よりも劇的に低くなる。適応補償部のすべての利点は限られた計算機的な努力のみによって達成される。必要とされる余分の数学的操作の合計数は、種々のリミッタおよび論理的ステートメントに加えて、29の加算、30の乗算、および4つの除算であり(図7、図8および図13を参照)、かつこれはすべての信号処理を含む。さらに、このアルゴリズムは単一の較正可能なパラメータなしに実施でき、この適応ウォールウェッティング補償方法を他の場所で提案されているより複雑かつ高価な適応的過渡燃料補償機構に代えて効果的かつ低価格にしている。
要するに、説明された手法はウォールウェッティングパラメータをオンラインでかつサイクルごとに決定し、その結果改善された過渡的および冷エンジン性能を生じ、一方パラメータ更新方程式は簡単であり、計算機的な負荷を低減しかつ実施を簡単にする。
Claims (33)
- マルチシリンダエンジンにおけるシリンダのための適応的過渡燃料補償方法であって、
前記マルチシリンダエンジンのそれぞれのエンジンサイクルにウォールウェッティングの動的モデルのパラメータを決定することによりマルチシリンダエンジンのシリンダに対する燃料パドルダイナミクスを推定する段階、そして
前記推定された燃料パドルダイナミクスに依存して前記マルチシリンダエンジンのシリンダへの燃料噴射を調整する段階であって、前記燃料噴射を調整する段階は、(i)第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が小さくかつ前記第1のウォールウェッティングパラメータおよび第2のウォールウェッティングパラメータに基づき決定されるウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転可能である場合に調整可能な零点および極チューニングを備えたリード補償部を使用して燃料噴射を調整する段階であって、前記第1のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系の面上に保持される噴射燃料の量の分率を示し、かつ前記第2のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系における前記面から気化する燃料の量の分率を示す段階、および(ii)前記第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が大きくかつウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転できない場合に固定極および調整可能な零点チューニングを備えたリード補償部を使用して燃料噴射を調整する段階を備える、燃料噴射を調整する段階、
を具備するマルチシリンダエンジンにおけるシリンダのための適応的過渡燃料補償方法。 - 前記項uは、
前記マルチシリンダエンジンの前記シリンダに対して噴射される燃料の値を決定する段階、そして
噴射される燃料の値をろ波しかつそれに応じたろ波された噴射燃料質量変数を提供する段階、
によって識別される、請求項2に記載の方法。 - 前記ろ波する段階は前記噴射燃料から高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する、請求項5に記載の方法。
- 前記項yは、
前記マルチシリンダエンジンの排気系における排気燃料/空気比率を測定しかつそれに応じた燃料/空気比率変数を提供する段階、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定しかつそれに応じた空気質量係数を提供する段階、
前記提供された燃料/空気比率変数および前記提供された空気質量係数の積に応じて燃焼燃料質量を解く段階、そして
前記燃焼燃料質量をろ波しかつそれに応じてろ波された燃焼燃料質量変数を提供する段階、
によって決定される、請求項2に記載の方法。 - 前記ろ波する段階は前記燃焼燃料質量から高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する、請求項7に記載の方法。
- 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は、
質量空気流量センサの出力を測定しかつそれに応じた空気質量変数を提供する段階、
を具備する、請求項7に記載の方法。 - 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は、
吸気マニホルド圧力を測定する段階、
エンジン速度を決定する段階、そして
前記測定された吸気マニホルド圧力および前記決定されたエンジン速度に依存して前記空気質量係数を提供する段階、
を具備する、請求項7に記載の方法。 - 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は、各エンジンサイクルにつきシリンダバンクごとに一度前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階からなる、請求項7に記載の方法。
- 前記排気系における排気燃料/空気比率を測定する段階は、
前記マルチシリンダエンジンの1つのシリンダの排気サイクルに対する排気ガスセンサの出力を測定しかつそれに応じた燃料/空気比率変数を提供する段階、
からなる、請求項7に記載の方法。 - 前記排気ガスセンサの出力を測定する段階は、各エンジンサイクルにつきシリンダバンクごとに一度排気ガスセンサの出力を測定する段階からなる、請求項12に記載の方法。
- マルチシリンダエンジンにおけるシリンダに対する適応的過渡燃料補償方法であって、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダによって吸い込
まれる空気充填量を測定しかつそれに応じた空気質量変数を提供する段階、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対し噴射される燃料の値を決定しかつろ波し、そしてそれに応じた噴射燃料質量変数を提供する段階、
排気系における排気燃料/空気比率を測定しかつそれに応じた排気燃料/空気比率変数を提供する段階、
前記空気質量変数および前記排気燃料/空気比率変数を組み合わせかつ燃焼燃料の尺度を提供する段階、
前記燃焼燃料尺度をろ波しかつそれに応じたろ波された燃焼燃料質量変数を提供する段階、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する燃料パドルダイナミクスを前記噴射燃料質量変数、および前記ろ波された燃焼燃料質量変数に依存してエンジンのサイクルごとのベースでウォールウェッティング動的モデルのパラメータを決定することにより推定する段階、そして
前記推定された燃料パドルダイナミクスに応じて前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する燃料噴射を調整する段階であって、前記燃料噴射を調整する段階は、(i)第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が小さくかつ前記第1のウォールウェッティングパラメータおよび第2のウォールウェッティングパラメータに基づき決定されるウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転可能である場合に調整可能な零点および極チューニングを備えたリード補償部を使用して燃料噴射を調整する段階であって、前記第1のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系の面上に保持される噴射燃料の量の分率を示し、かつ前記第2のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系における前記面から気化する燃料の量の分率を示す段階、および(ii)前記第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が大きくかつウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転できない場合に固定極および調整可能な零点チューニングを備えたリード補償部を使用して燃料噴射を調整する段階を備える、燃料噴射を調整する段階、
を具備する、マルチシリンダエンジンにおけるシリンダに対する適応的過渡燃料補償方法。 - 前記項uは、
前記マルチシリンダエンジンの前記シリンダに対して噴射される燃料の値を決定する段階、そして
噴射される燃料の値をろ波しかつそれに応じたろ波された噴射燃料質量変数を提供する段階、
によって識別される、請求項15に記載の方法。 - 前記ろ波する段階は前記噴射燃料から高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する、請求項18に記載の方法。
- 前記項yは、
前記マルチシリンダエンジンの排気系における排気燃料/空気比率を測定しかつそれに応じた燃料/空気比率変数を提供する段階、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定しかつそれに応じた空気質量変数を提供する段階、
前記提供された排気燃料/空気比率変数および前記提供された空気質量変数の積に応じて燃焼燃料質量を解く段階、そして
前記燃焼燃料質量をろ波しかつそれに応じてろ波された燃焼燃料質量変数を提供する段階、
によって決定される、請求項15に記載の方法。 - 前記ろ波する段階は前記燃焼燃料質量から高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する、請求項20に記載の方法。
- 前記排気系における排気燃料/空気比率を測定する段階は、
前記マルチシリンダエンジンの1つのシリンダの排気サイクルに対する排気ガスセンサの出力を測定しかつそれに応じた排気燃料/空気比率変数を提供する段階、
からなる、請求項20に記載の方法。 - 前記測定する段階は各エンジンサイクルにつき各シリンダバンクごとに一度排気ガスセンサの出力を測定する段階からなる、請求項22に記載の方法。
- 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は質量空気流量センサの出力を測定しかつそれに応じた空気質量変数を提供する段階からなる、請求項20に記載の方法。
- 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は、
吸気マニホルド圧力を測定する段階、
エンジン速度を決定する段階、そして
前記測定された吸気マニホルド圧力および前記決定されたエンジン速度に依存して前記空気質量係数を提供する段階、
を具備する、請求項20に記載の方法。 - 前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定する段階は、各エンジンサイクルにつきシリンダバンクごとに一度シリンダに対する空気充填量を測定する段階からなる、請求項25に記載の方法。
- マルチシリンダエンジンのシリンダ内へ噴射される燃料の量を制御するための適応的過渡燃料補償装置であって、
前記マルチシリンダエンジンのそれぞれのエンジンサイクルごとにウォールウェッティングの動的モデルのパラメータを決定することにより前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する燃料パドルダイナミクスを推定するための制御系、そして
前記推定された燃料パドルダイナミクスに応じて前記マルチシリンダエンジンのシリンダへの燃料噴射を調整するための補償部であって、前記補償部は、(i)第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が小さくかつ前記第1のウォールウェッティングパラメータおよび第2のウォールウェッティングパラメータに基づき決定されるウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転可能である場合に燃料噴射を調整するための調整可能な零点および極チューニングを備えたリード補償部であって、前記第1のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系の面上に保持される噴射燃料の量の分率を示し、かつ前記第2のウォールウェッティングパラメータは前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する吸気系における前記面から気化する燃料の量の分率を示すリード補償部、および(ii)前記第1のウォールウェッティングパラメータの推定値が大きくかつウォールウェッティングダイナミクスを表わす伝達関数の零点が反転できない場合に燃料噴射を調整するための調整可能な零点チューニングおよび固定極を備えたリード補償部を備えるもの、
を具備する、マルチシリンダエンジンのシリンダ内へ噴射される燃料の量を制御するための適応的過渡燃料補償装置。 - さらに、
マルチシリンダエンジンの排気系における排気燃料/空気比率を測定しかつそれに応じて燃料/空気比率変数を提供するための排気ガスセンサ、
前記マルチシリンダエンジンのシリンダに対する空気充填量を測定しかつそれに応じて空気質量係数を提供するための吸気空気充填センサ、
前記提供された燃料/空気比率変数および前記提供された空気質量係数の積に依存して燃焼燃料質量を決定するための手段、
前記燃焼燃料質量の値をろ波しかつそれに応じてろ波された燃焼燃料質量変数を提供するためのフィルタ、
を具備し、前記第1のウォールウェッティングパラメータを推定するための第1の手段は前記ろ波された燃焼燃料質量変数に依存して前記第1のウォールウェッティングパラメータを推定し、かつ前記第2のウォールウェッティングパラメータを推定するための第2の手段は前記ろ波された燃焼燃料質量変数に依存して前記第2のウォールウェッティングパラメータを推定する、請求項27に記載の装置。 - 前記フィルタは前記燃焼燃料質量から高周波ノイズおよび低周波バイアスを除去する、請求項28に記載の装置。
- 前記吸気空気充填量センサは質量空気流量センサからなる、請求項28に記載の装置。
- 前記排気ガスセンサは酸素ガスセンサからなる、請求項28に記載の装置。
- 前記排気ガスセンサはリニア酸素ガスセンサからなる、請求項28に記載の装置。
- 前記吸気空気充填量センサは吸気マニホルド圧力を測定し、前記装置はさらに、
エンジン速度を決定するためのエンジン速度センサ、
を具備し、前記吸気空気充填量センサは前記測定された吸気マニホルド圧力および前記決定されたエンジン速度に依存して空気質量係数を提供する、請求項28に記載の装置。
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