JP2754744B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2754744B2 JP15317589A JP15317589A JP2754744B2 JP 2754744 B2 JP2754744 B2 JP 2754744B2 JP 15317589 A JP15317589 A JP 15317589A JP 15317589 A JP15317589 A JP 15317589A JP 2754744 B2 JP2754744 B2 JP 2754744B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関における燃料挙動を記述した燃料
挙動モデルに則って燃料噴射量を制御する内燃機関の燃
料噴射量制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比
が目標空燃比になるように燃料噴射弁からの燃料噴射量
を制御する燃料噴射量制御装置の一つとして、例えば特
開昭59−196930号公報に記載の如く、内燃機関の回転速
度と吸入空気量とから求められる基本燃料噴射量を補正
する補正値を制御入力、空燃比センサを用いて検出され
る空燃比の実測値を制御出力とし、該制御入力と制御出
力との間に線形な近似が成り立つものとして同定を行
い、内燃機関の動的な振舞いを記述する数式モデルを求
め、これに基づき設計された制御則により燃料噴射量を
制御する、所謂線形制御理論に基づく制御装置が知られ
ている。
しかし上記制御入力と制御出力との関係は本来非線形
であり、上記のように単に線形近似により数式モデルを
求めたのでは内燃機関の動的な振舞いを極めて狭い運転
条件下でしか記述することができず、制御を良好に行な
うには、例えば特開昭59−7751号公報に記載の如く、線
形近似が成り立つとみなし得る複数の運転領域毎に数式
モデルを設定し、これに基づき各運転領域毎に制御則を
決定しなければならなかった。このため従来では、制御
則を内燃機関の各運転領域毎に切り替えなければなら
ず、制御が煩雑になるといった問題があった。また各運
転領域の境界点では制御則の切り替えのために制御が不
安定になるといった問題もある。
そこで本願出願人は、特願昭62−189889号,特願昭62
−189891号等により、吸気管壁面への付着燃料量と吸気
管内での蒸発燃料量とを状態変数として内燃機関におけ
る燃料挙動を記述した燃料挙動モデルに基づき、非線形
補償された制御則を決定することで、上記のように制御
則を切り替えることなく(即ち一つの制御則で)燃料噴
射量制御を実行できる燃料噴射量制御装置を提案した。
[発明が解決しようとする課題] しかし上記燃料挙動モデルによっても内燃機関の燃料
挙動を完全に記述することは難しく、実際には、内燃機
関の過渡運転,燃料噴射系の経時的変化等によってモデ
ルに誤差が生ずることがある。そしてこのようなモデル
誤差が生ずると、これに基づく制御則が内燃機関と対応
しなくなり、空燃比の制御精度が低下するといった問題
が発生する。
そこで本発明は、燃料挙動モデルのモデル誤差に伴う
制御誤差を精度よく補正することのできる内燃機関の燃
料噴射量制御装置を提供することを目的としてなされ
た。
[問題点を解決するための手段] 即ち上記目的を達するためになされた本発明の構成
は、第1図に例示する如く、 吸気管M1壁面への付着燃料量を状態変数として内燃機
関M2における燃料挙動を記述した燃料挙動モデルに則っ
て燃料噴射弁M3からの燃料噴射量を制御する内燃機関の
燃料噴射量制御装置であって、 内燃機関M2の運転状態に基づき上記燃料挙動モデルの
モデルパラメータを推定し、該燃料挙動モデルを更新す
るモデルパラメータ推定手段M4と、 上記燃料噴射弁M3からの燃料噴射量に基づき、上記更
新された燃料挙動モデルに従い、吸気管M1壁面への付着
燃料量を推定する付着燃料量推定手段M5と、 内燃機関M2の運転状態に応じて、内燃機関M2のシリン
ダ内に供給すべき目標筒内燃料量を算出する目標筒内燃
料量算出手段M6と、 上記モデルパラメータ推定手段M4又は上記付着燃料量
推定手段M5の推定結果と、内燃機関M2の過渡運転状態と
に基づき、筒内燃料量の制御誤差を推定する制御誤差推
定手段M7と、 該推定された制御誤差に基づき上記目標筒内燃料量を
補正する目標筒内燃料量補正手段M8と、 該目標筒内燃料量補正手段M8の補正結果と上記付着燃
料推定手段M5の推定結果とに基づき、上記更新された燃
料挙動モデルに従い上記燃料噴射弁M3からの燃料噴射量
を算出する燃料噴射量算出手段M9と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
置を要旨としている。
[作用] 以上のように構成された本発明の燃料噴射量制御装置
においては、モデルパラメータ推定手段M4が、内燃機関
M2の運転状態に基づき燃料挙動モデルのモデルパラメー
タを推定して制御に用いる燃料挙動モデルを更新し、付
着燃料量推定手段M5が、その更新された燃料挙動モデル
に従い吸気管M1壁面への付着燃料量を推定する。また目
標筒内燃料量算出手段M6が、内燃機関M2の運転状態に応
じて制御目標となる目標筒内燃料量を算出し、制御誤差
推定手段M7が、モデルパラメータ推定手段M4又は上記付
着燃料量推定手段M5の推定結果と、内燃機関M2の過渡運
転状態とに基づき筒内燃料量の制御誤差を推定する。す
ると目標筒内燃料量補正手段M8が、この推定された制御
誤差に基づき目標筒内燃料量を補正し、燃料噴射量算出
手段M9が、この補正された目標筒内燃料量と付着燃料量
推定手段M5で推定された壁面付着燃料量とに基づき、燃
料噴射弁M3からの燃料噴射量を算出する。
即ち本発明は、内燃機関M2の過渡運転時に生ずるモデ
ル誤差に起因した制御誤差を、モデルパラメータ推定手
段M4で推定されたモデルパラメータ又は付着燃料量推定
手段M5で推定された付着燃料量と内燃機関M2の過渡運転
状態とに基づき推定し、その推定結果により制御目標と
なる目標筒内燃料量を補正して、燃料噴射量を算出す
る。この結果、燃料噴射量は予め制御誤差を加味した値
として設定されることとなり、内燃機関M2が過渡運転さ
れても制御誤差を生ずることなく燃料噴射量制御を実行
することが可能となる。
また内燃機関M2の経時変化によって生ずるモデル誤差
に起因した制御誤差は、モデルパラメータ推定手段M4が
モデルパラメータを推定して制御則を決定する燃料挙動
モデルを更新することで解消され、これによっても制御
精度を向上できる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず第2図は本発明が適用された内燃機関2及びその
周辺装置の構成を表す概略構成図である。
図に示す如く内燃機関2の吸気管4には、吸入空気を
浄化するエアクリーナ6、吸入空気量を制御するスロッ
トルバルブ8、吸気の脈動を抑えるサージタンク10、サ
ージタンク10内の圧力(吸気管圧力)Pmを検出する吸気
圧センサ12、及び吸気温度Taを検出する吸気温センサ14
が備えられ、排気管16には、排気を浄化する三元触媒1
8、及び三元触媒18より上流で排気中の酸素成分から内
燃機関2のシリンダ2a内に流入した燃料混合気の燃空比
λ(空燃比A/Fの逆数)を検出する燃空比センサ19が備
えられている。
また当該内燃機関2には、その運転状態を検出するた
めのセンサとして、上記吸気圧センサ12,吸気温センサ1
4及び燃空比センサ19の他、ディストリビュータ20の回
転から内燃機関2の回転速度Neを検出するための回転速
度センサ22、同じくディストリビュータ20の回転から内
燃機関2への燃料噴射タイミングを検出するためのクラ
ンク角センサ24、及び内燃機関2の冷却水温Twを検出す
る水温センサ26等が備えられている。尚ディストリビュ
ータ20はイグナイタ28からの高電圧を所定の点火タイミ
ングで点火プラグ29に印加するためのものである。
そして上記各センサからの検出信号は、マイクロコン
ピュータを中心とした論理演算回路として構成された電
子制御回路30に入力され、燃料噴射弁32を駆動して燃料
噴射弁32からの燃料噴射量を制御するのに用いられる。
即ち電子制御回路30は、予め設定された制御プログラ
ムに従って燃料噴射量制御のための演算処理を実行する
CPU40、CPU40で演算処理を実行するのに必要な制御ブロ
グラムや初期データが予め記録されたROM42、同じくCPU
40で演算処理を実行するのに用いられるデータが一時的
に読み書きされるRAM44、上記各センサからの検出信号
を入力するための入力ポート46、及びCPU40での演算結
果に応じて燃料噴射弁32に駆動信号を出力するための出
力ポート48、等から構成され、内燃機関2のシリンダ2a
内に流入する燃料混合気の燃空比λが所定の目標燃空比
λrになるように燃料噴射弁32からの燃料噴射量を制御
する。
次にこの電子制御回路30で実行される燃料噴射量制御
の制御則を第3図に示すブロック図に基づいて説明す
る。
尚第3図は、当該実施例の制御則を示す図であって、
ハード的な構成を示すものではなく、実際の燃料噴射量
制御は後述の第4図のフローチャートに示した一連の制
御プログラムの実行により実現される。
またこの制御則は、後述するように、吸気管4壁面へ
の付着燃料量fwを状態変数として内燃機関2のシリン
ダ2a内に流入する燃料の挙動を記述した次式(1)及び
(2)に示す燃料挙動モデルに基づき、内燃機関2の1
サイクル毎に燃料噴射量の算出を行なうように設計され
たものであり、以下の説明において現時点の値には添え
字(k)を、1サイクル前の値には添え字(k−1)を
付して表わすものとする。
fw(k+1)=P・fw(k)+R・fi(k) …(1) fc(k)=(1−P)fw(k)+(1−R)fi(k) …(2) (但し、fi:燃料噴射量、fc:筒内燃料量、P,R:定
数) 第3図に示すように、本実施例では、まず吸気圧セン
サ12,吸気温センサ14及び回転速度センサ22からの検出
信号により得られる吸気管圧力Pm,吸気温Ta及び回転速
度Neが筒内流入空気量推定器A1に入力される。筒内流入
空気量推定器A1は、吸気行程時に内燃機関2のシリンダ
2aに流入する空気量(筒内吸入空気量)mcを推定する
ためのもので、上記各入力された吸気管圧力Pm,吸気温T
a及び回転速度Neに基づき、次式(3) mc={βx(Ne)・Pm−βy(Ne)}/Ta …(3) (但し,βx(Ne),βy(Ne):回転速度Neの関数)
を用いて筒内吸入空気量mcを推定する。
また次に上記吸気管圧力Pm及び回転速度Neの各データ
は、水温センサ26からの検出信号により得られる冷却水
温Twと共に目標燃空比設定器A2にも入力される。目標燃
空比設定器A2は、内燃機関2に供給すべき燃料混合気の
燃空比(目標燃空比)λrを設定するためのもので、上
記各入力データに基づき内燃機関2の負荷運転状態,暖
機運転状態等を求め、内燃機関2が加速時等の高負荷運
転状態にあるときや冷却水温Twが低く内燃機関2を暖機
運転する必要のあるとき等には目標燃空比λrを空気過
剰率が1となる理論空燃比より燃料分が多いリッチ側の
値に設定し、内燃機関2が減速時等の軽負荷運転状態に
あるときには目標燃空比λrを理論空燃比より燃料分の
少ないリーン側の値に設定し、それ以外の通常運転時に
は目標燃空比λrを理論空燃比に対応した値に設定す
る。
そしてこのように筒内流入空気量推定器A1で推定され
た筒内流入空気量mc及び目標燃空比設定器A2で設定さ
れた目標燃空比λrは、目標筒内燃料量演算器A3に入力
され、制御目標となる目標筒内燃料量fcrに変換され
る。即ちこの目標筒内燃料量演算器A3は、前述の目標筒
内燃料量算出手段M6に相当するもので、筒内流入空気量
mcと目標燃空比λrとを乗ずることにより目標筒内燃
料量fcr(=mc・λr)を算出する。
また次に吸気管圧力Pmは目標燃料補正量演算器A4にも
入力される。目標燃料補正量演算器A4は、内燃機関2の
過渡運転時に生ずる燃料挙動モデルのモデル誤差に起因
した筒内燃料量の制御誤差を、目標筒内燃料量演算器A3
で算出された目標筒内燃料量fcrに対する補正量として
算出するためのもので、後述の同定器A7で求められた燃
料挙動モデルのモデルパラメータ(即ち上記(1)及び
(2)式における定数)P,Rと、吸気圧センサ12により
検出される吸気管圧力Pmの変化量と、定数αとに基づ
き、次式(4) を用いて燃料補正量δfcrを算出する。尚この目標燃料
補正量演算器A4は前述の制御誤差推定手段M7に相当す
る。
そしてこの算出された燃料補正量δfcrは、目標筒内
燃料量演算器A3で算出された目標筒内燃料量fcrと共に
目標筒内燃料量補正手段M8としての減算器A5に入力さ
れ、減算器A5で、目標筒内燃料量fcrから燃料補正量δ
fcrを減じて、目標筒内燃料量fcを補正するのに使用
される。
次に減算器A5の減算結果,即ち補正目標筒内燃料量f
crh(=fcr−δfcr)は、後述の同定器A7で求められ
た燃料挙動モデルのモデルパラメータP,Rと共に、第1
燃料噴射量演算器A6に入力される。
第1燃料噴射量演算器A6は、前述の付着燃料量推定手
段M5及び燃料噴射量算出手段M9に相当するもので、まず
燃料噴射弁32からの燃料噴射毎に次式(5)を用いて、
吸気管壁面4への付着燃料量fwを推定し、 fw(k+1)=P・fw(k)+R・fi(k) …(5) (但し、fi(k):燃料噴射弁32からの燃料噴射量、
fw(k):前回の推定値、P,R:同定器A7で求めたモデ
ルパラメータ) その推定結果fwと上記入力された補正目標筒内燃料量
fcrhとに基づき、次式(6) (P,R:同定器A7で求めたモデルパラメータ)を用いて、
燃料噴射弁32から次に燃料燃料噴射を行なうための燃料
噴射量fiを算出する。
尚、この第1燃料噴射量演算器A6において、制御開始
時の付着燃料量fwを推定する際の前回の付着燃料量推
定値には、予め設定された初期値(本実施例では0)が
使用される。
次に同定器A7は、前述のモデルパラメータ推定手段M4
に相当し、上記(1)及び(2)式で記述された燃料挙
動モデルのモデルパラメータP,Rを推定するためのもの
で、筒内流入燃料量推定器A8で推定されたシリンダ2a内
に実際に流入した燃料量(実筒内流入燃料量)fcと第
2燃料噴射量演算器A9で算出された疑似付着燃料量fwg
及び疑似燃料噴射量figに基づき、次式(7)及び
(8)の如くモデルパラメータP,Rを推定する。
P(k)=P(k−1)−k1(k)・E(k) …(7) R(k)=R(k−1)−k2(k)・E(k) …(8) 但し、上記(7)及び(8)式において、 E(k)=fc(k)−{1−P(k−1)}fwg(k) +{1−R(k−1)}fig(k) …(9) k1(k)={h11(k−1)fwg(k)+h12(k−1)fig(k)} /[ρ+h11(k−1)fwg(k)+{h21(k−1)+h12(k −1)}fwg(k)fig(k)+h22(k−1)fig(k)] …(10) k2(k)={h21(k−1)fwg(k)+h22(k−1)fig(k)} /[ρ+h11(k−1)fwg(k)+{h21(k−1)+h12(k −1)}fwg(k)fig(k)+h22(k−1)fig(k)] …(11) である。またこの(10)及び(11)式において、ρは後
述するように予め設定された定数(0<ρ≦1)であ
り、h11(k−1)〜h22(k−1)は次式(12)〜(1
5)を用いて前回(即ち1サイクル前)算出した値であ
る。
h11(k)=[h11(k−1)−k1(k){h11(k−1)fwg(k) +h21(k−1)fig(k)}]/ρ …(12) h12(k)=[h12(k−1)−k1(k){h12(k−1)fwg(k) +h22(k−1)fig(k)}]/ρ …(13) h21(k)=[h21(k−1)−k2(k){h11(k−1)fwg(k) +h21(k−1)fig(k)}]/ρ …(14) h22(k)=[h22(k−1)−k1(k){h12(k−1)fwg(k) +h22(k−1)fig(k)}]/ρ …(15) 次に筒内流入燃料量推定器A8は、上述のようにシリン
ダ2a内に実際に流入した燃料量(実筒内流入燃料量)f
cを推定するためのもので、燃空比センサ19からの検出
信号により得られる実燃空比λと、筒内流入空気量推定
器A1で求められた筒内流入空気量mcとを乗ずること
で、実筒内流入燃料量fc(=λ・mc)を推定する。
また第2燃料噴射量演算器A9は、モデルパラメータP,
Rを推定する際に用いる燃料噴射量及び付着燃料量とし
て、モデル誤差がないものとして算出した疑似燃料噴射
量fig及び付着燃料量fwgを設定するためのもので、第
1燃料噴射量演算器A6と同様に、燃料噴射弁32からの燃
料噴射毎に次式(16)を用いて、吸気管壁面4への疑似
付着燃料量fwgを推定し、 fwg(k+1)=P・fwg(k)+R・fig(k) …(16) その推定結果fwgと目標筒内燃料量演算器A3で算出した
目標筒内燃料量fcrとに基づき次式(17) (P,R:同定器A7で求めたモデルパラメータ)を用いて疑
似燃料噴射量figを算出する。
尚この第1燃料噴射量演算器A9において、制御開始時
の付着燃料量fwgを推定する際の前回の付着燃料量推定
値には、予め設定された初期値(本実施例では0)が使
用される。
次に上記(1)及び(2)式で記述された燃料挙動モ
デル、及び該燃料挙動モデルに基づく上記制御則の設計
方法について説明する。
まず内燃機関2のシリンダ2a内に流入する燃料量,即
ち筒内燃料量fcは、燃料噴射弁32からの燃料噴射量fi
と、吸気管4壁面への付着燃料量fwと、吸気管4内部
での蒸発燃料量fvとを用いて次式(18)のように記述
することができる。
fc=α1・fi+α2・fw+α3・fv …(18) 即ち上記燃料量fcは、燃料噴射弁32からの噴射燃料
の直接流入量α1・fiと、その噴射燃料が付着した吸
気管4からの間接流入量α2・fwと、噴射燃料或は壁
面付着燃料の蒸発により吸気管4内部に存在する蒸発燃
料の流入量α3・fvとの総和であると考えられること
から、上式(18)のようにシリンダ2a内に流入する燃料
量fcを記述することができる。
上式(18)において、燃料噴射量fiは燃料噴射弁32
の開弁時間によって定まるので、吸気筒4壁面への付着
燃料量fw及び吸気管4内での蒸発燃料量fvを知ること
ができれば、燃料量fcを予測することができる。
そこで次に上記付着燃料量fw及び蒸発燃料量fvにつ
いて考える。
まず吸気管4壁面への付着燃料量fwは、吸気行程時
のシリンダ2a内への流入によって、吸気行程時にその一
部α2が減少する他、吸気管4内部への蒸発によって減
少し、内燃機関2の回転と同期して燃料噴射弁32から噴
射される燃料噴射量fiの一部α4が付着することによ
って増加する。また内燃機関2の1サイクル当りの燃料
蒸発量は、単位時間当りの燃料蒸発量(即ち燃料蒸発速
度)Vfと内燃機関2の回転速度Neとから、α5・Vf/Ne
(=α5・Vfw,α5:比例定数)として表すことができ
る。このため吸気管4壁面への付着燃料量fwは次式(1
9)に示す如く記述できる。
fw(k+1)=(1−α2)・fw(k)+α4・fi(k) −α5・Vfw(k) …(19) 一方吸気管4内部での蒸発燃料量fvは、吸気行程時
のシリンダ2a内への流入によって、内燃機関2の1サイ
クル毎にその一部α3が減少する他、燃料噴射量fiの
一部α6が蒸発することによって増加し、更に上記付着
燃料の燃料蒸発によって増加する。
このため吸気管4内の蒸発燃料量fvは、次式(20)
に示す如く記述できる。
fv(k+1)=(1−α3)・fv(k)+α6・fi(k) +α5・Vfw(k) …(20) 従って上記(18)〜(20)式において、(1−α2)
をP,(1−α3)をQ,α4をR,α6をS,α5をDとして
整理することにより、吸気筒壁面への付着燃料量と蒸発
燃料量とを状態変数とし、内燃機関2の1サイクルをサ
ンプリング周期として離散系で表現された次式(21)及
び(22)の如き燃料挙動モデルが定まる。
このような燃料挙動モデルでは、各モデルパラメータ
P,Q,R,S,Dを周知の同定法により定めれば、内燃機関の
定常運転時の燃料挙動を全運転領域でほぼ正確に記述す
ることができるようになる。しかし上記燃料挙動モデル
においても、従来技術の項でも述べたように、内燃機関
2の過渡運転或は内燃機関2の経時的変化等によって実
際の燃料挙動を正確に記述できなくなることがあり、こ
の燃料挙動モデルをそのまま用いて制御則を設計しても
良好な制御精度が得られない場合がある。
そこで本実施例では、上記(21)及び(22)式で記述
された燃料挙動モデルにおいて、付着燃料量fw及び燃
料噴射量fiに比べて著しく小さく、燃料挙動に大きな
影響を与えることのない蒸発燃料量fv及び燃料蒸発量V
fwを無視して、上記(1)及び(2)式の如く簡略化さ
れた燃料挙動モデルを作成し、この燃料挙動モデルに基
づき、モデルの簡略化、内燃機関2の過渡運転,及び内
燃機関2の経時的変化等によって生ずる制御誤差を補償
し得るように制御則が設計されている。
即ちまず上記(1)及び(2)式で記述された燃料挙
動モデルに誤差がなければ、筒内燃料量fcを目標筒内
燃料量fcrに制御するための燃料噴射量fiは、上記燃
料挙動モデルの出力方程式{(2)式}を変形すること
で、次式(23)の如く求めることができる。
しかし上記燃料挙動モデルには、モデルの簡略化,内
燃機関2の過渡運転,及び内燃機関2の経時的変化等に
より誤差が生ずるので、この(23)式をそのまま用いて
制御すると制御誤差が発生する。
そこで本実施例では、上述したようにモデルパラメー
タP,Rを推定するための同定器A7を設け、この同定器A7
によりモデルパラメータP,Rを逐次推定してゆき、この
推定された最新のモデルパラメータP,Rを用いて燃料噴
射量fiを算出するようにしている。
またこのように同定器A7によりモデルパラメータP,R
を推定して燃料噴射量fiを算出する場合、内燃機関2
の定常運転時には、良好な燃料噴射制御を実行できるよ
うになるのであるが、内燃機関2の運転状態が急変する
過渡運転時には、内燃機関2の運転状態の検出遅れ等に
よってモデルパラメータの推定値P,Rに誤差が生じ、こ
れによって制御誤差が発生する。このため本実施例で
は、更にこうした過渡運転時に生ずるモデル誤差に伴う
制御誤差を補正するために、目標燃料補正量演算器A4及
び減算器A5を設けて、目標筒内燃料量演算器A3で算出し
た目標筒内燃料量fcrを補正し、この補正された補正目
標筒内燃料量fcrhにより燃料噴射量fiを算出するよう
にしている。
以下、こうしたモデル誤差補償のための目標燃料補正
量演算器A4及び同定器A7の設計手順について説明する。
まず上記(1)及び(2)式において、Z変換を行な
い系の伝達関数を求める。
上記(1)及び(2)をZ変換すると、 Zfw(Z)=Pfw(Z)+Rfi(Z) …(24) fc(Z)=(1−P)fw(Z)+(1−R)fi(Z) …(25) となる。また上式(24)からfw(Z)は次式(26) の如く記述できる。そこで上式(26)を(25)式に代入
すると、 となり、系の伝達関数が得られる。
一方、上記(1)及び(2)式においては、過渡運転
時に生ずるモデルパラメータ推定値P,Rの誤差をδとす
ると、次式(28)及び(29)の如き燃料挙動モデルが得
られる。
fw(k+1)=P・fw(k)+R・fi(k)−δ(k) …(28) fc(k)=(1−P)fw(k)+(1−R)fi(k)+δ(k) …(29) 上記と同様に、この(28)及び(29)式においてZ変
換を行ない系の伝達関数を求めると、次式(30)の如く
なる。
次に上記(27)式で記述された系において、筒内燃料
量fcを目標筒内燃料量fcrに制御するための燃料噴射
量fiは、逆伝達関数を用いると、次式(31)の如くな
る。
そしてこの(31)式を上記(30)式に代入すると、モ
デル誤差δを考慮せず燃料噴射量を制御した場合の目標
値に対する伝達関数が次式(32)の如く得られる。
従って、この(32)式から、モデル誤差δによる筒内
燃料量fcの制御誤差δfcrは、次式(33)の如く求ま
る。
こうした制御誤差δfcrは、制御目標となる筒内燃料
量を、目標筒内燃料量fcrから制御誤差δfcr分の燃料
量を減じた値(即ち上記減算器A5で算出される補正目標
筒内燃料量)fcrhに変更することで解消できる。この
ため本実施例では、上記(23)式における目標筒内燃料
量fcrを補正目標筒内燃料量fcrhに変更することで、
第1燃料噴射量演算器A6において燃料噴射弁32からの燃
料噴射量fiを算出するために使用する前述の(6)式
が設定されている。
一方この制御誤差δfcrを決定することは困難である
が、実際の制御では、制御誤差δfcrは内燃機関2の過
渡運転状態を表わすパラメータの関数として実験的にパ
ターン化することができる。またこの制御誤差δfcr
は、モデルパラメータP,Rが変化し、吸気管4壁面への
付着燃料が増大する程大きくなる。そこで本実施例で
は、P/(1−R)が燃料噴射量fiが吸気管壁面に付着
する程度を表わす指標となることから、制御誤差δfcr
を、P/(1−R)に比例させ、且つ、内燃機関2の過渡
状態を表わす吸気管圧力Pmの変化量の関数として算出す
るように、制御誤差算出用の前述の演算式(4)を設定
している。
次にモデルパラメータP,Rを推定する同定器A7は、指
数荷重形最小二乗アルゴリズムに則ってモデルパラメー
タを推定するようにされている。尚こうしたパラメータ
同定の手法については、中溝高好著「線形離散時間シス
テムの同定手法−1」システムと制御,Vol.25,No.8,P47
6〜P489,1981年,等に詳述されているので、詳細な説明
は省略する。
即ち、最小二乗法によるパラメータ推定問題とは、燃
料挙動モデルのモデル誤差e(k)を出力方程式
{(2)式}を変形して次式(34)如く記述したとき
の、次式(35)の如き評価関数Jを最小にするモデルパ
ラメータを求めることであり、 e(k)=fc(k)−(1−P)fw(k)−(1−R)fi(k) …(34) {但し、ρは0から1の間に設定された値(1<ρ≦
0)であり、過去値になるほど重みを小さくして推定値
への寄与を減少させるためのForgetteing Factorであ
る。} このための逐次計算形アルゴリズムは、 y(k)=fc(k) …(38) としたとき、 となるので、この逐次計算形アルゴリズムに則って、上
述の演算式(7)〜(15)が設定されている。
また上記(7)〜(15)式を用いてモデルパラメータ
P,Rを推定する場合、この推定したモデルパラメータP,R
に誤差があるものとして第1燃料噴射量演算器A6で算出
された燃料噴射量fi及び付着燃料量fwを使用すると、
その誤差分まで含めた形でモデルパラメータP,Rが推定
されてしまうので好ましくない。そこで本実施例では、
同定器A7においては、推定したモデルパラメータP,Rが
正しいものとしてモデルパラメータP,Rを逐次更新でき
るように、目標筒内燃料量演算器A3で算出された目標筒
内燃料量fcrをそのまま用いて(即ちモデルパラメータ
P,Rに誤差がないものとして)燃料噴射量fig及び付着
燃料量fwgを算出する第2燃料噴射量演算器A9を設け、
この算出結果をモデルパラメータP,R推定用の疑似値と
して、同定器A7に入力するようにしている。
以上、本実施例の燃料噴射量制御のための制御則につ
いて説明したが、次にこの制御則の実現に当たって電子
制御回路30で実際に行なわれる燃料噴射制御処理を第4
図に示すフローチャートに沿って説明する。
この燃料噴射制御処理は内燃機関2の始動後繰り返し
実行される処理で、処理が開始されるとまずステップ10
0〜ステップ120を実行して、制御に用いる各種パラメー
タに初期値を設定する。即ちまずステップ100において
付着燃料量fw及び疑似付着燃料量fwgに初期値0を設
定し、続くステップ110にてモデルパラメータP,Rの値に
初期値Po及びRoを設定し、更に続くステップ120にてモ
デルパラメータP,Rの推定に使用するパラメータh11〜h2
2に初期値h11o〜h22oを設定する、といった手順で初期
化の処理を実行する。
次にステップ130においては、上記各センサからの出
力信号に基づき、吸気管圧力Pm,回転速度Ne,冷却水温T
w,吸気温度Ta,及び燃空比λを計測する。そして続くス
テップ140では、その計測した吸気管圧力Pmと、内燃機
関2の回転速度Neとに基づき、内燃機関2の負荷に応じ
た目標燃空比λrを設定する目標空燃比設定器A2として
の処理を実行し、続くステップ150に移行して、吸気管
圧力Pmと回転速度Neと吸気温度Taとに基づき、前述の
(3)式又は予め設定されたマップを用いて筒内流入空
気量mcを算出する筒内流入空気量推定器A1としての処
理を実行する。
また続くステップ160では、この算出された筒内流入
燃料量mcとステップ130で計測した燃空比λとを乗ずる
ことで、筒内流入空気量fc{=mc(k)・λ(k)}
を算出する筒内流入燃料量推定器A8としての処理を実行
し、続すステップ170に移行して、上記求めた筒内流入
空気量mcとステップ140で設定された目標燃空比λrと
を乗ずることで、目標筒内燃料量fcrを算出する目標筒
内燃料量演算器A3としての処理を実行する。そして続く
ステップ180では、ステップ130で求めた吸気管圧力Pmと
前回当該処理を実行した際に求めた吸気管圧力Pm(k−
1)とモデルパラメータP,Rとに基づき、前述の(4)
式又は予め設定されたマップを用いて燃料補正量δfc
を算出する目標燃料補正量演算器A4としての処理を実行
する。
次に続くステップ190〜210においては、前回当該処理
を実行した際に後述のステップ200,ステップ230,及びス
テップ260で求めたパラメータh11〜h22,疑似燃料噴射量
fig,及び疑似付着燃料量fwgに基づき、前述の演算式
(7)〜(15)を用いてモデルパラメータP,Rを推定す
る同定器A7としての処理を実行する。即ち、まずステッ
プ190において前述の(10)及び(11)式を用いてk1及
びk2を求め、続くステップ200にて前述の(12)〜(1
5)式を用いてh11〜h22を求め、更に続くステップ210に
て、ステップ190で求めたk1,k2と、ステップ160で求め
た筒内流入燃料量fcと、前回求めた疑似燃料噴射量fi
g及び疑似付着燃料量fwgと、に基づき前述の(7)〜
(9)式を用いてモデルパラメータP,Rを算出するとい
った手順でモデルパラメータP,Rを推定する。
このようにモデルパラメータP,Rが推定されると、続
くステップ220に移行して、この算出されたモデルパラ
メータP,Rと、ステップ170で求めた目標筒内燃料量fcr
と、ステップ180で求めた燃料補正量δfcrと、後述ス
テップ250で前回求めた付着燃料量fwとに基づき、前述
の(6)式を用いて燃料噴射量fiを算出する目標燃料
補正量演算器A4,減算器A5及び第1燃料噴射量演算器A6
としての処理を実行する。
また続くステップ230では、ステップ210で求めたモデ
ルパラメータP,Rと、ステップ170で求めた目標筒内燃料
量fcrと、後述ステップ250で前回求めた疑似付着燃料
量fwgとに基づき、前述の(17)式を用いて疑似燃料噴
射量figを算出する第2燃料噴射量演算器A9としての処
理を実行する。
そして続くステップ240では、上記クランク角センサ2
4からの検出信号に基づき決定される燃料噴射タイミン
グで、ステップ220で求めた噴射量fiに応じて燃料噴射
弁32を開弁し、燃料噴射を実行する。
このようにステップ240で燃料噴射が行なわれ、内燃
機関2への燃料供給が一旦終了すると、続くステップ25
0に移行して、ステップ240で実際に燃料噴射を行なった
燃料噴射量fiと、この燃料噴射量fiの算出に用いた前
回の付着燃料量fwと、ステップ210で求めたモデルパラ
メータP,Rとに基づき、前述の(1)式をそのまま用い
て付着燃料量fwを更新する。
また続くステップ260では、ステップ230で求めた疑似
燃料噴射量figと、この疑似燃料噴射量figの算出に用
いた前回の疑似付着燃料量fwgと、ステップ210で求め
たモデルパラメータP,Rとに基づき、前述の(16)式を
用いて付着燃料量fwgを更新し、再度ステップ130に移
行する。
以上説明したように本実施例の燃料噴射量制御装置で
は、同定器A7によりモデルパラメータP,Rを逐次推定し
て燃料噴射量算出用の演算式にフィードバックするよう
にしているので、内燃機関2の経時的変化によって生ず
るモデル誤差に起因した制御誤差を良好に補正すること
ができる。また内燃機関2の過渡運転時等にこの推定さ
れたモデルパラメータP,Rに誤差が生じても、これによ
る制御誤差δfcrを目標燃料補正量演算器A4で算出し
て、制御目標となる目標筒内燃料量fcrを補正するよう
にされているので、燃料噴射弁32からの燃料噴射量は、
内燃機関2の実際の燃料挙動に対応した値となり、燃料
噴射量制御を精度よく実行できる。
また本実施例では、特願昭62−189889号等で提案した
制御装置の燃料挙動モデル,即ち前述の(21)及び(2
2)式で記述された燃料挙動モデルをより簡素化した
(1)及び(2)式の燃料挙動モデルに基づき制御則を
設計すればよいので、設計が簡単となり、しかも燃料噴
射制御のための演算式も簡単となるため、制御のための
演算時間を短縮できる。
ここで上記実施例では、目標燃料補正量δfcrの推定
を、(4)式を用いて吸気管圧力Pmの変化量に基づき行
なうものとして説明したが、例えば内燃機関2の運転状
態に基づき算出される筒内流入空気量mcの変化量から
次式(42)の如く目標燃料補正量δfcrを推定するよう
にしてもよく、 また内燃機関2の運転状態に基づき算出される燃料噴射
量fiの変化量から次式(43)の如く目標燃料補正量δ
fcrを推定するようにしてもよい。
また上記実施例では、制御誤差δfcrがモデルパラメ
ータP,Rが変化して、吸気管4壁面への付着燃料が増大
する程大きくなることに着目して、α・P/(1−R)を
比例定数として目標燃料補正量δfcrを推定するように
構成したが、次式(44)の如く、この比例定数α・P/
(1−R)の代わりに、燃料噴射量fiを算出するため
に求められる付着燃料量fwをそのまま用いて目標燃料
補正量δfcrを推定するようにしてもよい。
δfcr(k)=α・fw{Pm(k)−Pm(k−1)} …(44) 更に上記実施例では、モデルパラメータP,Rを推定す
るために同定器A7を使用したが、このモデルパラメータ
P,Rの推定には、必ずしも上記のような同定器を使用し
なくてもよく、内燃機関2の運転状態を表わすパラメー
タ(回転速度Ne,吸気管圧力,冷却水温Tw等)の関数或
はマップを用いてモデルパラメータP,Rを推定するよう
にしてもよい。
また更に上記実施例では、筒内流入燃料量fcを推定
する際に、燃空比センサ19で検出された燃空比λをその
まま用いるものとして説明したが、燃空比センサ19から
の検出信号には、排気系での排気の流動遅れ、燃空比セ
ンサ19の検出遅れ等によって、遅れが生ずるので、こう
した遅れの補正を行なった上で筒内流入燃料量fcを推
定するようにしてもよい。
また上記実施例では、内燃機関2の各種運転状態を、
ステップ130において、燃料噴射の度に逐次計測するよ
うに構成したが、例えば冷却水温Tw,吸気温Ta等、変化
速度が遅い変数については必要に応じて間引きするよう
にしてもよい。
また上記実施例では、ステップ130〜ステップ260の処
理を、内燃機関2の燃料噴射と同期して内燃機関2の1
サイクル毎に実行するように構成したが、ステップ190
〜ステップ210のモデルパラメータの推定処理、ステッ
プ250の付着燃料量fwの推定処理、及びステップ260の
疑似付着燃料量fwgの推定処理について内燃機関2の1
サイクル毎に実行するようにすれば、他の処理に関して
は、内燃機関2の回転とは同期せず繰り返し実行するよ
うにしてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の内燃機関の燃料噴射量
制御装置では、燃料挙動モデルのモデルパラメータを逐
次推定して燃料挙動モデルを更新し、その更新された燃
料挙動モデルに従い燃料噴射量を算出すると共に、燃料
噴射量算出時には、制御目標として、内燃機関の過渡運
転時に生ずる制御誤差により補正された目標筒内燃料量
が用いられる。この結果、内燃機関の経時的変化によっ
て生ずるモデル誤差に起因した制御誤差を良好に補正す
ることができると共に、内燃機関の過渡運転時等にこの
推定されたモデルパラメータに誤差が生じても、燃料噴
射量を内燃機関の実際の燃料挙動に対応した値に制御で
き、空燃比の制御精度を向上できる。また本発明では、
吸気管壁面への付着燃料量を状態変数とした燃料挙動モ
デルに則って設定された制御則により内燃機関の燃料噴
射量制御を精度よく実行できるので、特願昭62−189889
号等で提案した吸気管壁面付着燃料量と吸気管内での蒸
発燃料量とを状態変数とした燃料挙動モデルに則って燃
料噴射量制御を行なう装置に比べ、制御に用いる各種演
算式を簡素化でき、燃料噴射量制御のための演算時間を
短縮できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を表すブロック図、第2図は実施
例の内燃機関及びその周辺装置を表す概略構成図、第3
図は電子制御回路による燃料噴射量制御のための制御則
を表わすブロック図、第4図は電子制御回路で実行され
る燃料噴射量制御処理を表わすフローチャート、であ
る。 M1,4……吸気管、M2,2……内燃機関 M3,32……燃料噴射弁 M4……モデルパラメータ推定手段 M5……付着燃料量推定手段 M6……目標筒内燃料量算出手段 M7……制御誤差推定手段 M8……目標筒内燃料量補正手段 M9……燃料噴射量算出手段 12……吸気圧センサ、14……吸気温センサ 22……回転速度センサ、26……水温センサ 30……電子制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/00 - 41/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管壁面への付着燃料量を状態変数とし
    て内燃機関における燃料挙動を記述した燃料挙動モデル
    に則って燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機
    関の燃料噴射量制御装置であって、 内燃機関の運転状態に基づき上記燃料挙動モデルのモデ
    ルパラメータを推定し、該燃料挙動モデルを更新するモ
    デルパラメータ推定手段と、 上記燃料噴射弁からの燃料噴射量に基づき、上記更新さ
    れた燃料挙動モデルに従い、吸気管壁面への付着燃料量
    を推定する付着燃料量推定手段と、 内燃機関の運転状態に応じて、内燃機関のシリンダ内に
    供給すべき目標筒内燃料量を算出する目標筒内燃料量算
    出手段と、 上記モデルパラメータ推定手段又は上記付着燃料量推定
    手段の推定結果と、内燃機関の過渡運転状態とに基づ
    き、筒内燃料量の制御誤差を推定する制御誤差推定手段
    と、 該推定された制御誤差に基づき上記目標筒内燃料量を補
    正する目標筒内燃料量補正手段と、 該目標筒内燃料量補正手段の補正結果と上記付着燃料推
    定手段の推定結果とに基づき、上記更新された燃料挙動
    モデルに従い上記燃料噴射弁からの燃料噴射量を算出す
    る燃料噴射量算出手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
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JP4828502B2 (ja) * 2006-11-29 2011-11-30 川崎重工業株式会社 内燃機関
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